脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

いざ、元日決戦へ ~天皇杯 準決勝 VS横浜FM~

2008年12月29日 | 脚で語るガンバ大阪
 天皇杯準決勝にて横浜FMと対戦したG大阪。来季のACL出場権を懸けたこの戦い、何としてでも制したいG大阪が延長戦の末に山崎の決勝ゴールで1-0と辛勝。2年ぶりの元日決戦に駒を進めた。元旦、対するのは柏。是が非でも欲しい天皇杯のタイトルに大きく近づいた。

 

 この12月最後の試合とはいえ、この1ヶ月で6試合目。さすがの選手たちの疲弊は明らかで、遠藤は右足の痛みを押して先発出場。満身創痍の状態だった。

 
 元日決戦へ向け、これ以上ない盛り上がりを見せる横浜FMサポーター

 
 左サイドの攻防 両者の意地と意地がぶつかる

 若手を積極的に登用する横浜FMがペースを握るが、集中した守備を見せるG大阪が次第に盛り返す。31分には播戸が明神からのパスに飛び出してGKと1対1のチャンスを迎えるが、左足のシュートはポストを直撃。決定的なチャンスをフイにする。その後も狩野、兵藤、長谷川ら若手を中心とした横浜FMの攻撃をG大阪は凌ぎ切った。

 
 安田理が突破を試みる

 
 右足を痛めた遠藤に代わってキッカーを務めた橋本

 
 G大阪の前に立ちはだかる大きな壁 DF中澤祐二

 
 31分、抜け出した播戸のシュートは不運にもポストに嫌われる

 
 横浜FMで最も危ない男だったMF狩野

 後半もここまでの過密日程が選手たちの足を止めさせ始める。サイドに重点を置いて仕掛けてくる横浜FMの攻撃を藤ヶ谷、山口、中澤らがはじき返すが、後半もG大阪のチャンスは少なく、後半開始から播戸に代えて寺田を起用するが、先制点は遠かった。

 
 木村体制で出番を増やす長谷川が攻め上がる

 
 激戦で疲労は限界のはず 遠藤と加地が悲願のため力を振り絞る

 
 193cmを誇る横浜FMのFW金をシャットアウトする山口

 
 兵藤と加地がマッチアップ

 
 中澤もミスが少なく、完封試合に大きく貢献

 試合は15分ハーフの延長戦へ。遠藤が負傷交代で77分にベンチに下がり、倉田がピッチに入っていた。ここでこそFWの得点力が問われる。走り負けた方が敗者だ。悲願の天皇杯奪取に向けた短いようで長い長い30分間が始まった。

 
 いざ、延長戦へ!!

 後半終了間際から徐々に足が動き始めていたG大阪は、100分にルーカス、101分に寺田が果敢にシュートを狙うなど攻勢に出だした。切り札である平井も投入し、延長戦も佳境に差し掛かった117分、寺田のドリブルから山崎へパスが送られ、PA内でボールを受けた山崎は迷うことなく落ち着いたシュートを決める。ほぼ勝利を確信したかのような歓声がスタンドを包む。117分に及ぶ言いようのない緊迫が打ち砕かれた瞬間だった。

 
 後半終了間際に横浜FMは山瀬を投入

 
 新潟へ移籍する横浜FMの大島はこれが最後の試合となった

 
 小宮山の突破を封じ、攻守においてバランスを保った加地

 
 久々の出場機会を得た倉田も落ち着いたプレーを見せた

 
 今季、ナビスコ杯の横浜FM戦では値千金のゴールを決めた平井

 
 117分、決勝ゴールを決めた山崎がゴール裏に駆け寄る

 
 苦しい戦いに終止符を打つ山崎のゴールに歓喜が巻き起こる

 
 そして長かった120分間が終わる!

 
 2年ぶりの元日決戦に進出 狙うのはもちろん優勝しかない

 
 試合後、殊勲のゴールを決めた山崎がサポーターのもとへ

 
 古巣を沈めた一撃 今季は何度、彼に助けられたのだろう

 決勝戦の相手は柏。非常にノッている不気味な相手だ。念願の天皇杯制覇に向けて大きく前進したG大阪のヤマ場はさらに続く。もう一度2007年の元旦、浦和との決勝戦の悔しさを思い出してぶつかろう。
 2009年の元旦、初めて青黒のユニフォームでタイトルを勝ち取ったその時、来季のアジア連覇への序曲はスタートする。あと1試合、満身創痍のG大阪が、全速力で走り抜けた今季最後の大一番を迎える。