脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

自動昇格に王手!2008年を締め括る ~府県決勝大会準決勝 VS 東レTOP~

2008年12月23日 | 脚で語る奈良クラブ
関西府県リーグ決勝大会
準決勝
14:00キックオフ @ビッグレイクCコート

○奈良クラブ 4-1 東レ TOP (滋賀県) ●

得点
39分石田
65分松野正
66分石田
72分和阪

<メンバー>
GK17村松
DF3上西、2梶村、22橋垣戸、11松野智
MF16河合(60分=24東)、21中村、18和阪、13金城
FW7石田(73分=23石原)、14後山(46分=10松野正)

 

 冷たい風が容赦なく吹きつけるビッグレイクにて、準決勝を対峙することになったのは強豪東レTOP。昨季、関西リーグに昇格した滋賀FCでさえ滋賀県リーグの順位では後塵を拝した最も警戒すべき相手とのマッチアップに、試合前から緊張感が漂う。試合前には11:45キックオフの試合で、同じ奈良県代表のJSTが東大阪をPK戦の末に下し、決勝戦進出を決めた。今季何度も県内で対戦したライバルの躍進に奈良クラブも気合いが入らないわけがない。負ければそこで終わりの80分間が始まった。

 

 奈良クラブは、欠場の水越の穴を中村のボランチ起用で埋める。その他の先発はこの大会ではお馴染みのメンバー。特に梶村、橋垣戸のCB陣、そして石田を起点にボランチの和阪、金城らが高い位置で攻撃を組み立てる安定感は増している。この日も早い時間帯に先制点を奪えるかが鍵になった。

 
 DF松野智が左サイドをケアする

 東レは日曜日に紀北蹴球団を6-1で下し、初戦の三菱京都戦の敗戦をリセットした。噂通り、非常に個々が上手く球際も強い。奈良クラブは前半の序盤に中央から勢いよくシュートを許し、先制点を奪われてしまう。

 
 サイドから中央から東レの攻撃が牙を剥く 忍耐の前半だった

 
 加入後、日増しに安定感を見せるGK村松

 前半終了間際に石田が同点ゴールを決め追いついた奈良クラブ。相手の攻撃を耐え凌ぎながら、攻撃のリズムを徐々に作り始めた。手応えを感じて前半戦を終える。

 
 石田のゴールがチームに火をつける

 日曜日の試合の影響が色濃く出たか東レ。後半は次第に奈良クラブがペースを握る展開へ。後半から出場した松野正が貪欲にゴールを狙い、前線を活性化させる。両サイドのスペースを有効的に使い出した奈良クラブが決定機を作り出した。
 65分に、松野正が10月のプレーオフ以来となるゴールを決めて逆転に成功すると、そのわずか1分後には石田がこの日2得点目となるゴールを決めて、試合を決定づける。再三前線に顔を出した和阪や石田とのコンビネーションが冴え渡った。
 72分に和阪がダメ押しの4点目を決めて守備陣の負担を減らすと、最後まで集中したディフェンスで東レの攻撃を凌ぎ、決勝進出を決めた。

 
 
 待望のマサゴールにチームが盛り上がる!

 
 その直後には石田が決めて3-1とした

 
 
 和阪が4点目を叩き込む 高い位置で攻撃を牽引

 
 ボランチの中村(#21)は守備的で落ち着いたプレーを見せた

 
 河合(手前)もここにきて定位置奪取 和阪との連携も良い

 これで、来年1月に行われる決勝戦は奈良勢同士の対決となった。確実に奈良クラブの誕生で刺激を受けているJST。県リーグ上位プレーオフでは勝利したものの、奈良県リーグでは1-1のドロー。チーム立ち上げ前の2月には社会人選手権奈良県大会での決勝でも顔を合わせている因縁のライバル。共に切磋琢磨してきた成果がここに表れたようだ。最も負けられない相手との一戦に、奈良県のレベルの底上げを共に感じる。実に感慨深い決勝の組み合わせとなった。

 
 負傷で離脱していた東も久々に途中出場 勝利に貢献した

 
 攻撃を自重し、ゴール前での守備が光った主将の上西

 
 何よりもサポーターを沸かせた松野正のゴール 10番が良く似合う

 
 負傷で試合を遠のいている矢部(左)だが、選手との信頼関係は揺るぎない

 
 関西リーグ自動昇格に王手の奈良クラブ 年を越してその真価が問われる


第43回(平成20年度)関西府県リーグ決勝大会
決勝戦

奈良クラブ VS JST (奈良県)

2009年1月18日(土)
14:00キックオフ @長居第2陸上競技場