脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

激戦必至!日本のチャンピオンズリーグ

2007年10月31日 | 脚で語る地域リーグ


 11月23日より幕を開ける熱い戦い。そう、全国地域リーグ決勝大会が各地域を勝ち抜いた14チームの参加チームによって始まる。今年は1次ラウンドが広島、愛知、松本と3箇所で行われ、30日より熊谷スポーツ文化公園陸上競技場において1日2試合の予定で3日間の決勝ラウンドが行われる。その決勝ラウンドを勝ち抜いた上位2チームが来季のJFL自動昇格の権利を勝ち取り、3位チームはJFL入れ替え戦の権利を獲得することとなる。
 先日28日に決着が着いたKyuリーグこと九州リーグの結果を待って、29日にその組み合わせが決まったが、その前に大激戦となったKyuリーグについて少し書きたいと思う。

 第21節と最終節が10月27日、28日の連日にて開催となったKyuリーグは、残り2試合を残して首位のホンダロックと2位ニューウェーブ北九州、1試合を残す3位V・ファーレン長崎が勝ち点1差で優勝の可能性を残していた。長崎は自力優勝の可能性は無くなっていたため、事実上ホンダロックとニューウェーブ北九州の一騎打ちであったのだが、27日の21節ではホンダロックが新日鐵大分に3-1と快勝、北九州も熊本教員団に4-0と圧勝するなど、どちらの譲らない展開となり、翌日の最終節に委ねられることとなった。ここで首位ホンダロックが対峙するのは3位の長崎。優勝の可能性は無くなった長崎であったが、ドラマを起こすには充分な組み合わせであった。
 長崎とホンダロックのゲームは14時キックオフ。既に同じ会場の第1試合で海邦銀行SCを4-0で下していた北九州はこのゲームの結果待ちであった。先制したのはホンダロック。前半35分にMF前田がPKを決め、1-0と試合をリードする。しかし、よほどのプレッシャーがあったのか、前半から8本のCKを長崎に与えてしまうなど明らかにプレッシャーはホンダロックにあった。拮抗した試合はラスト10分になってホンダロックが守り抜けば優勝という展開。そこに劇的なドラマが待っていた。
 81分に後半から首藤に代わり交代出場していたブルーノ・カルバリョが主将原田のクロスにヘディングで合わせ劇的な同点弾を叩き込む。そしてその2分後、ホンダロックはゴール前で痛恨のファウル。長崎が逆転に繋がるPKを奪取。これを今季のアシスト王にも輝いた司令塔佐野祐哉が落ち着いて決め、長崎がホンダロックを土壇場で逆転するのであった。このまま試合は終了し、劇的な逆転優勝をニューウェーブ北九州が決めることとなる。結果、1位ニューウェーブ北九州、2位ホンダロックという形でこの2チームが決勝大会に進むこととなった。

 これで全国社会人選手権を制したFC Mi-OびわこKusatsuも含めた14チームがその決勝大会に駒を進めることが決まったわけだが、11/23~11/25までの第1ラウンド、11/30~12/2までの決勝ラウンドと短期決戦だけにどのチームも油断は禁物だ。
 特に大本命は中国リーグを圧倒的な強さで勝ち抜いたファジアーノ岡山。この大会では広島で戦うAグループで対戦相手はグルージャ盛岡、ホンダロックとなったが、宮城と宮崎から遙々来る両チームに比べて、隣県から参戦する岡山はコンディションも整えやすい。おそらく圧倒的な強さで決勝ラウンドまで駆け上がるだろう。
 Bグループでは、先日社会人選手権で決勝まで勝ち進んだ矢崎バレンテとニューウェーブ北九州が同じグループに。選手構成やクラブの質自体では群を抜いている北九州だけにここも彼らが必然的に大本命になるだろう。東北2位のNECトーキンは厳しい試合を強いられそうだ。
 前年の決勝大会進出チーム3チームとFC町田ゼルビアで構成されるのが、Cグループ。最も「死のグループ」といっても過言ではない。どこが勝ち上がるのか非常に予想の難しいグループだが、今季東海リーグを制した静岡FCとバンディオンセ神戸の一騎打ちの構図も予想される。
 J下部組織として徳島アマチュアが入ったDグループは、松本山雅とFC Mi-Oを中心に展開されるだろう。元Jリーガーの主将庄司孝が引っ張るセントラル中国は苦しい戦いになるはずだ。

 決勝ラウンドに進めるのは各グループの1位のみ。おまけに決勝ラウンドでは入れ替え戦に臨める3位までがJFLの切符を掴むチャンスがあるだけに、3位と4位では大きな違いだ。昨年はレギュレーションの関係もあり、岡山と長崎が涙を呑んだ。決勝ラウンドまで進んでの最下位は許されない。
 個人的には今季関西の枠は1つだけと心配なところだったが、FC Mi-Oが全国社会人枠でリベンジしてくれた。バンディオンセ神戸と共に旋風を巻き起こしてもらいたいものだ。

 真のアマチュア最高峰、チャンピオンズリーグが間もなく始まる。筆者も決勝ラウンドは熊谷まで観戦に行く予定だ。日本屈指の熱い戦いを見届けなければいけない。