goo blog サービス終了のお知らせ 

ムカデとことこ

 ひとが幸福になること・意識の成りたち・物理と心理を繋ぐ道
       ・・そんなこと探りたい

当たり前

2012-04-17 15:57:09 | ひとの幸福
百年前は三等船客がぞんざいに扱われることに誰も興味を持たなかった。

調査する側の議会はそんなことは当たり前だとしていたんだろう。

いま、新幹線で普通車には避難路が無いなどという差別的扱いがあったら、

皆は黙っていないだろう。

男女差別の差別待遇も今と百年前では相当違うだろう。

どんなことも嫁は姑に絶対服従・・というのも、

百年前は当たり前だったと思う。

百年前と今とで何が変わったのかといえば、ものの見方だ。

たくさんのいろいろな経験をしてきて、私たちのものの見方は変化して来た。

私が若かった頃と今とでも、ずいぶん違いがある。

人間の本質である自主性、自発性、自由性があったからこそ変化して来たんだと思う。

ものの見方が変わったので現象が変わった。

現象が変わったので、ものの見方が変わった。

目に見える現象→ものの見方→目に見える現象→ものの見方→・・・・

こういうサイクルになって変化を続けているのが私たち人類なのかと思う。

太古の昔から。

たった今、当たり前としていることでも、

もっと先の人類から見たら、ずいぶん子供だったなぁと思うに違いない。

私たちが百年前のことをそう思うように。








「火論 タイタニック1世紀」

2012-04-17 09:57:23 | 新聞を読んで
今日の毎日新聞の「火論」欄はタイタニック号の事故についてだった。

アメリカのノンフィックション作家ウォルター・ロードと云う人が

1955年に出した「タイタニック号の最期」という本のこの文章が引用してあった。

「移民が多く質素な三等船客の乗客らの誘導やボート避難は後手に回り、

一、二等に比べ女性や子供の犠牲者が多い。

当時の新聞も事故調査の議会もこれに着目しなかった。

もみ消された形跡はない。

ただ、誰も興味を持たなかったのである。」

この、「誰も興味を持たなかったのである」がとても興味深い。

100年前の事故当時、移民法という法律があり、

それもこの事に作用があったようだ。

(三等船客はぞんざいに扱われて当然)というような意識が

多くの人の心の奥底にあったのだろう。

~で当然・~なのは当たり前・・こういったものの見方は

日常暮らしている時の意識には上がって来ていない。

それが在るのに、意識に上がってないけど、

在るのでそこから物事・現象は始まる。