歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

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游明朝体

2013年11月29日 | MacとPC
何と。Mavericksにアップグレードすると、游明朝体のMとDB、游ゴシック体のMとBが、タダでついてくるんですと!

わたしはこれを聞いただけで、もう、Mavericksに上げたくなっちゃった。でもまだ我慢する。来年まで待つ。というのも、「宛名職人19」を使わないといけない予定があるからである。「宛名職人」は最新の20でないとMavericksには対応していないそうだ。だから今年中に往復葉書で法事の連絡をし終わってから、来年、折りを見てMavericksに上げて、游明朝を使ってみることとしよう。
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『日本語の作文技術』の異本群

2013年11月26日 | 本とか雑誌とか
本多勝一さんの『日本語の作文技術』が朝日文庫になったのは1982年ですが、溯れば、1974年に、本多さんは「朝日カルチャーセンター」で毎週二回、『日本語の作文技術』を講義したんだそうです。(へええ。本多勝一がカルチャーセンターの講師をねえ。)で、その講義の草稿をもとに、月刊誌『言語』に75年から76年にかけて連載。そして、76年には朝日新聞社から『日本語の作文技術』が単行本として出ていたとのこと。朝日文庫版は、この単行本の改訂版にあたります。

『日本語の作文技術』は、現在、実はいろんなバージョンで出ているのですよ。もっとも広く流布しているのは朝日文庫の『日本語の作文技術』と『実戦・日本語の作文技術』の二冊でしょうが、その後、本多勝一集第19巻として『日本語の作文技術』(1996年)というのが出ました。しかしこれは朝日文庫の同名本そのままではなく、朝日文庫版の『日本語の作文技術』を土台に、『実戦・日本語の作文技術』を解体・分配し、さらに加筆したもの。

でもその本多勝一集第19巻『日本語の作文技術』は、現在品切れのようです。そしてさらにその後、本多さんは朝日選書の一冊として『中学生からの作文技術』(2004年)を公刊し、さらに翌年、こんどは講談社から『新装版 日本語の作文技術』(2005年)が出ました。

なんかね、もう異本がたくさんあって、たいへん。平家物語みたいである。
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PHILIPSと古楽

2013年11月25日 | 音楽について
しかしわたしにとってのPHILIPSというと、なんといってもCDの会社なのでした。なにしろわたしが初めて買ったCDが、PHILIPSの、例の赤いラインの入った、ガーディナーの『メサイア』だったのですからね。まさかPHILIPSというレーベルそのものがこの世から消滅しちゃおうとは、思いもよりませんでした。

今にして思うと、クラシックの大レーベルとしては、PHILIPSは古楽にはそう積極的ではありませんでしたね。ガーディナーはいたけど、よそのレーベルとの掛け持ちだったもんね。PHILIPS専属の古楽の人というと、ブリュッヘン&18世紀オーケストラくらい? ああ、レオンハルトも晩年、PHILIPSにいましたけどね。

でもなにしろわたしはガーディナーの『メサイア』という強烈な出会い方をしたもので、PHILIPSへの好感度は高かったです。その後ガーディナーがPHILIPSからリリースしたヘンデルは結局ぜんぶ聴いたですよ。ガーディナーとカークビー唯一の協演盤(『バッハ_カンタータ第51番』)もPHILIPSで、これも、いまだに愛聴しています。

そういえばタリス・スコラーズの録音に、PHILIPSのプロデューサーや技術者がかんでいたんでしたよね。そのタリス・スコラーズの指揮者もフィリップスだけど、要注意。綴りが違うのよ。家電や音楽の会社だったフィリップスは「PHILIPS」。「P-H-I-L-I-P-S」。いっぽう、タリス・スコラーズの指揮者のピーター・フィリップスは、「Peter PHILLIPS」。「P-H-I-L-L-I-P-S」。「L」が重なっています。ピーター・フィリップスは、「L」が一つ足りないメールをしょっちゅう送りつけられて、うんざりしていることだろう。かわいそうになあ。
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PHILIPSの家電

2013年11月24日 | メモいろいろ
PHILIPSの電動歯ブラシを使い始めました。以前、乾電池式のは使ったことがあったけど、たいしたことはなかった。こんどのPHILIPSのは充電式の本格的なやつ。やっぱり違いますな。歯医者さんみたいだ。

PHILIPSの家電製品というと、『シークレット・ガーデン』に出てくる掃除機を思い出しますなあ。第4話で、かわいそうにもキム・ジュウォンの豪邸の庭の池に箱ごと投げ込まれるのが、PHILIPSの掃除機でした。さすがに、青いテープで外箱のロゴの「PH」のところを隠して、「ILIPS」ってなってましたけどね。あれは、韓国の国内メーカーのだとクレームが来そうなので、PHILIPSの掃除機を使ったんだろうとわたしは睨んでます。

そういや、うちには、掃除機はありませんけど、電動歯ブラシのほかにもう一つ、PHILIPSのオイルヒーターがありますわ。なにせ電気を食うので、大震災後はつけたことないんですけどね。それまでは、電気代を気にしながら、でもやっぱり使い心地がいいので使っていました。そもそもわたしとオイルヒーターとの出会いは子供のころで、お金持ちの親戚の家に泊まりに行ったときにあれがありましてね。もちろん今のように有名な暖房器具ではなかった。初めて見た。ほわあっとした、それまで経験したことのないふしぎな暖かさで、やっぱお金持ちのうちにあるものは違うなあと素朴に心打たれました。そして、おとなになって余裕ができたらこれ買おう、と子供心に決めたのですよ。

で、おとなになって、わたしとオイルヒーターとの再会は、『通販生活』のデロンギのヒーターでした。ほんとはそのままデロンギを買いたかったけど、なにしろつましい育ちだし、それにまだペーペーだったし、当時、三万五千か四万か、そのくらいのをパッと買う勇気はなかったのですよ。それで別の通販サイトで出ていたPHILIPSのにしたのです。たしか、19,800円だった。いまだに値段を憶えているくらい、わたしにとって大きな買い物だったのですよ。お笑いくだされ。でもその後、PHILIPSはオイルヒーターからはどうも撤退したらしい。さびしい。
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Hagoromo

2013年11月23日 | MacとPC
Jeditを出しているArtman21が、Hagoromoという「日本語リッチテキストエディタ」を開発中だそうです。もうβ版が公開されています。わたしはこのソフトのこと、きょうまで知りませんでした。Artman21のサイトによると、Hagoromoは、「軽快な縦書き編集、原稿用紙モード、ルビ、縦中横、圏点など日本語編集に欠かせない機能を実現しています。」とのこと。わたしは原稿用紙には執着はないんですが、縦書き、ルビ、縦中横はぜひぜひほしい。Jeditには、OS 9以前の時代からずっとお世話になってます。まめにバージョンアップしてくれるので、安心感がある。物書堂のワープロがどうなるのか全然めどが立たないので、ずっと暗い気持ちになっていましたが、久しぶりに、すこし希望が見えてきました。
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クリスティ『パーセル_妖精の女王』

2013年11月22日 | CD パーセル
Henry Purcell
THE FAIRY QUEEN
Les Arts Florissants
William Christie
HMC 901308.09

1989年録音。64分36秒/62分44秒。HMF。演奏は非常に強力で、推奨するに足る。さすがに舞台作品を多く手がけてきたクリスティだけのことはあります。音楽が生き生きと躍動していて、聴かせ上手という点では、わたしがこれまで聴いた『妖精の女王』の中で抜きんでている。たしかにパーセルにしてはフランス風味が濃厚だけど(イネガルの付点奏法とか、こ洒落た装飾音とか)、まあ許せる範囲。

歌手はソプラノ7、ハイ-テナー4、テナー3、バリトン1、バス5。これらの人たちがソロを分担し、さらに合唱も歌っているもよう。このなかにはNancy Argenta、Lynne Dawson、Veronique Gens、Sandrine Piau、Charles Daniels、Jean-Paul Fouchécourt、Thomas Randle、François Bazolaのような、ソリストとしてキャリアのある人たちを含む。だから、合唱曲が非常に雄弁。

テナーのソロはトーマス・ランドルがほとんど一手に引き受けています。この人はクリストファーズの『ヘンデル_サムソン』でタイトルロールを歌っていて、そのりりしく英雄らしい歌いぶりに感心しました。パーセルにしてはちょっと線が太いですが、りっぱな、聴きごたえのある美声。

ソプラノはアージェンタ、ジャンス、ピオーとそれぞれ素晴らしい出来。ただ〈O let me weep〉はドーソンで、熱演だけど、この人の声、わたしはちょっと苦手なんだよな。声の抜け方がおかしいよ。スコンと当らず、響き漏れする。「響き漏れ」なんてことばはないはずで、わたしがいま捻りだした言い方だけど…。

初期のレザール・フロリサンてのは、このCDみたいに、歌い手がソロも合唱も担当するってのが基本の形態だったんですよ。HMFでシャルパンティエの専門家だったころはずっとそうだったよね。その意味で懐かしさを感じた。そして、クリスティにはこの勢いを駆って『ダイオクリージャン』もHMFに録音しといてほしかった。残念だ。
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木下是雄さん(続き)

2013年11月21日 | 本とか雑誌とか
木下是雄さんの『理科系の作文技術』(中公新書)が出たのは1981年1月。本多勝一さんの『日本語の作文技術』(朝日文庫)が出たのは1982年1月。日本語の文章の書き方を論じる本のタイトルに「技術」ということばが入ったのはこのあたりからだったんでしょうか。そんな気はする。けれど、それ以前に出版された日本語表現法の本について悉皆調査したわけではないから、確かなことは分からない。

ただ、木下さんの本といい本多さんの本といい、分かりやすい日本語の文章を書くことを「技術」ととらえることが、やはり当時にあっては斬新だったんだろうなあとは推測できます。だっていまだに、文章能力は「技術」の問題なのだと言うと、違和感を持つ人がいますからね。

しかし現にわたしの場合、『実践・言語技術入門』で四つのキモを覚え込んだので、たとえばわたしが仕事で出すメールは、同じ職場のほかの人のに較べてだいぶ分かりやすかったと思います。

木下さんは、『理科系の作文技術』ののちに、より広い読者層を想定した『レポートの組み立て方』(1990年)という本を「ちくまライブラリー」から出し、これはちくま学芸文庫にも入りました。有名なのは今も『理科系の…』のほうかもしれないけれど、木下さんの考える作文技術の概要は『レポートの組み立て方』につくべきでしょう。わたしはライブラリー版も文庫版も持っていますが、ライブラリー版のほうが好き。文庫版の版面はあまりにせせこましく感じられてしまう。

晶文社から木下是雄さんの一般読者向けの著作集が三巻出て、その第三巻が『日本人の言語環境を考える』(1996年)というタイトルで、もちろんわたしも買いました。エッセイ集なので体系的な記述ではありませんが、とおして読むと、木下さんの日本語文章論がしっかりと読み取れる、中身の濃い本でした。これはのちに『日本語の思考法』と改題されて中公文庫に入っています。
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木下是雄さん

2013年11月20日 | 本とか雑誌とか
木下是雄さんは物理学の先生で、『理科系の作文技術』の著者として名前の知られる方です。いちおうわたしも学生時代に『理科系の作文技術』は買ったと思うんですが、とくに心に残った記憶はありません。そのころはまだ日本語の作文技術にあまり関心なかったのかもしれないし、なにより「オレ、文系だもん」とか思って、ちゃんと読まなかったのかもしれない。

わたしがこの人の名前を心にとどめたのは、『理科系の作文技術』によってではなく、朝日選書で出ている、言語技術の会・編『実践・言語技術入門』という本によってでした。言語技術の会というのは学習院の先生たちのグループで、その主宰者が、学習院大学の学長さんであった木下是雄さんなのでした。

『実践・言語技術入門』は、中学高校(大学も?)向けの国語の副読本としてきわめて優れています。ただ、初版が1990年で、その後改訂されていないので、内容が古くなってしまいました。手紙と電話の話は出てくるけれども、ファックスも電子メールもインターネットも出てこない。初版の理念を生かして、なんとか現在の状況に対応した新版を出してもらえればなあ。

わたしが『実践・言語技術入門』で教えたもらったことはたくさんありますが、作文技術の面で学ぶところが大きかったのは、「事実」と「意見」の峻別、読み手の分析、パラグラフを意識すること、重点先行──の四点でした。この四つについては、今も、文章作成時には──場面によって意識する度合いの強弱はありますが──意識して書いています。
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レパード/コルゼンパ他『ヘンデル_管弦楽曲/協奏曲全集』

2013年11月19日 | CD ヘンデル
Handel
Complete Oechestral Works
English Chamber Orchestra
Raymond Leppard /
Daniel Chorzempa
Concerto Amsterdam
Jaap Schröder
454 363-2

1966,67,71,75年録音。70分45秒/74分15秒/78分55秒/77分08秒/76分02秒/75分51秒/67分40秒/73分31秒/79分08秒。PHILIPS。堂々CD9枚組のヘンデル。コルゼンパのオルガン、シュレーダーの指揮によるオルガン協奏曲集のみが時代楽器による演奏。これと、レパード指揮のモダン楽器によるヘンデルをあわせて一組にしています。モダンと古楽器いっしょくた、ってのには、もちろんわたしだって抵抗がありました。が、レパードのヘンデルにもともと関心がありましたし、コルゼンパのオルガン協奏曲がいいという話も聞いていたので、買いました。

CD1にレパードの『水上』『花火』を収録。ガーディナーら古楽復興派のテイストにきわめて近い。レパードがいたからこその、ヘンデル・リバイバルだったのではないでしょうか。音が丸くなってしまっているのが惜しい。それにしてもレパードの遺産がこのまま忘れられてしまうのはもったいない。

CD2の、やはりレパードによるOp.3もなかなかのもの。オーボエのほかフルート、リコーダーなども使って意欲的にすすめています。そしてリコーダーを吹いているのはあのマンロウなのですよ。第4番は4aのほか偽作の4bも収録。

Op.6はもっとも古い66年録音で、さすがにこれはちょっと聴くのがつらい。すでに時代楽器派の意欲的な演奏がいろいろ出ていますので、そういうのを聴きましょう。それから『二重協奏曲』全3曲もレパードによる演奏で、67年の録音。当時は、モダンオケによる演奏自体、まだめづらしかったのでは。こちらは思いのほかイケる。とくに快活な楽章ではヘンデルらしさがよく現されていて、いま聴いても違和感は少ない。

CD6からCD9のトラック1-7までがコルゼンパ/シュレーダーのオルガン協奏曲集。1975年録音。全16曲。Op.4とOp.7の全曲、および《カッコーとナイチンゲール》ほか。ヘンデルのオルガン協奏曲集のCDは、モノによって曲数が異なるので要注意。なお、オルガン協奏曲第16番は、同じCD9にレパード指揮で収められている『二重協奏曲』第3番の同工異曲。

ヘンデルのオルガン協奏曲のまとまった録音は意外に少なく、時代楽器のものとしては、ほかにタヘツイ/アーノンクール、プレストン/ピノック、くらいが知られる程度でした。(その後いくつか出たらしい。)このフィリップス盤は知名度は低いですが、わたしは好きになりました。愛らしく、可憐で、聴き飽きない。75年の録音にしては時代楽器のプレイヤーたちもがんばっている。なお、このコルゼンパ/シュレーダーの録音は、現在でもSACD4枚の分売で入手可能。この演奏のよさを分かっている業界人がいた、ってことですか。
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「日本語技術」本の著者たち

2013年11月18日 | 本とか雑誌とか
藤沢晃治さんという著者の、伝える技術の本は、講談社のブルーバックスから『「分かりやすい○○」の技術』というタイトルのシリーズが、古い順に「表現」「説明」「文章」と三冊出ました。そしてその後、この三冊のエッセンスをまとめて、『図解 伝える技術 ルール10』という、判型を大きくした本が同じく講談社から出ました。わたしは四冊とも買いましたが、人に勧める時には最後の図解本をまづは勧めていました。でも現在、ブルーバックスの三冊はまだ生きているけれど、あとから出た『図解』のほうは品切れだそうです。もったいない。四冊とも講談社なのにねえ。講談社は、『図解』を買われちゃうとブルーバックスが売れなくなるんぢゃないかと、心配したか。

日本語の表現技術をテーマとした本は、今たくさん出版されていて、一時期までわたしも相当な関心を持って、どんな本が世に出ているのかリサーチしていました。しかし、実際に手に取って読んでみて、ああこれなら納得が行くな、人にも勧められるな、と思ったものはそう多くありません。著者で言うと、木下是雄、本多勝一、樋口裕一、藤沢晃治、小野田博一、といった人たちの本を手元に置いていますが、それでも、この人の言うことだけ百パーセント聞いていればほかのは読まなくていい、なんてことはないですね。それに、それぞれの著者が、似たような表現技術の本を複数冊出していて、それぞれ内容がかなり重複しているから、本を買う立場としては迷います。
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