歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ラッセル『ジュリアーニ作品集』

2013年11月09日 | CD 古典派以後
Music of Giuliani
David Russell
CD-80525

1999年録音。64分56秒。TELARC。マウロ・ジュリアーニ(1781-1829)のギター独奏曲を集めたアルバム。クラシック・ギターの作曲家としてはソルよりもジュリアーニのほうが一般うけしそうに思いますがどうなんでしょうか。聴いてて楽しい曲を書く人ですよ。収録曲は、Grand Overture, Op.61、Rossiniana No.1, Op.119、Rossiniana, No.3 Op.121、Sonata Eroica, Op.150、Sonata in C major, Op.15。演奏も、作品に対する愛着が感じられるすぐれたもので、これは広く聴いてもらいたい。

全部で6曲ある〈ロッシニアーナ〉はロッシーニのメロディによる変奏曲集だそうですがわたしはロッシーニを聴かないのでどこがどうなのか分からない。ここに収められた第1番は16分台、第3番は15分台で、長さもほどよく、技巧的にも聴かせどころがあって、コンサートでは弾き映えがするでしょう。とにかく耳に心地よく、いつまでも聴いていたい音楽。

デイビッド・ラッセルでは今のところこのジュリアーニと、ケルト音楽のアルバムが特におすすめ。わたしは一時期ラッセルにかなり嵌まったけど、今はそうでもない。このギタリストは、都会的で洗練されていて、クールな演奏をする人なのですが、曲に対する前のめりな積極性がもう少しほしい。でもこのジュリアーニに関しては、わたしは合格だと思います。

わたしがジュリアーニを知ったのは、たぶん、昔フルーティストの三村園子さんがNHK教育でやっていた『フルートとともに』ってレッスン番組で、ジュリアーニのフルートとギターの二重奏曲を課題曲として取り上げていたから。ジュリアーニは他の楽器との二重奏曲とか、ギター協奏曲とかも書いてます。