歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

愉快犯的な見出し

2013年11月17日 | 気になることば
何日か前に、外に出ていて、たまたま目に入ったある待合室のテレビのニュース画面に、
「“エスパー伊東”恐喝容疑で逮捕」
という字幕が出たのを見ました。ニュース原稿を読み上げるアナウンサーの声はよく聞こえなくて、字幕というのかテロップというのか、とにかくこのニュースの見出しだけが見えた。わたしはこの字の並びを見て、てっきり、“エスパー伊東”が逮捕されたのかと思いましたよ。しかし実際には、“エスパー伊東”は被害者なのであった。つまり、だれかが“エスパー伊東”を恐喝して金をせびったせいで逮捕された、ということらしかった。

わたしが、この手の紛らわしいニュース見出しに遭遇したのは、実は二度目です。もうだいぶ前のことだけど、野球の清原さんが巨人にいたときに、事件があって、そのときたまたま見たニュースの見出しが
「清原選手脅迫容疑で逮捕」
というものだったのである。失礼ながら、そのときもわたしはてっきり「清原が捕まった!」と思いましたよ。

さて、改善案なのですが、容疑者が男であれば、「男を」を入れて、逮捕されたのがだれか、ハッキリさせましょうかね。すなわち「“エスパー伊東”恐喝容疑で男を逮捕」「清原選手脅迫容疑で男を逮捕」とするのである。これならば、少なくとも“エスパー伊東”や清原さんは悪いことをした方ぢゃなくて被害を受けた方、ということは確実に伝わろう。

それにしても今回の“エスパー伊東”事件といい、かつての清原選手の事件といい、もしかして、テレビ局のニュース見出しをつけるやつ、わざと誤解させるようなテロップつけてないか、と疑われてならない。