歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ホグウッド『バッハ_フランス組曲』

2012年03月07日 | CD バッハ
J.S.Bach
French Suites BWV812-817, 818a, 819
Christopher Hogwood
POCL-4176/7

1983年録音。67分06秒/66分42秒。L'Oiseau-Lyre。6曲の『フランス組曲』に加えてBWV818a、819も収録。

ホグウッドがチェンバロを独奏しているCDはごく少なかった。ブランデンブルク協奏曲を弾き振りしたり、アンサンブルで通奏低音のチェンバロを弾いているのはあるが、独奏盤ですぐ思いつくのは、ほかにはバードがあるくらい。この2枚組のバッハは、チェンバリストとしてのホグウッドの代表盤だそうです。

わたしはバッハをそんなに知らないし、まして『フランス組曲』を聴いたのもこのCDが初めてで、ホグウッドのチェンバロ演奏の特質についてもえらそうなことは言えないんですが、とにかくゆったりと聴いていられる音楽であり演奏だと思う。ホグウッドは指揮者としては妙に四角四面な棒の振りかたでニュアンスに乏しい人ですが、チェンバリストとしてはいいですね。歌うべきところでよく歌えてます。

あの釜石の記者

2012年03月06日 | メモいろいろ
きのう10時からのNHK特集。一年前の津波の日に、釜石の高台から津波が街を破壊していく様子をリアルタイムで中継した記者が語り手となって、そのときビデオに映った人びとのその後を取材したもの。あの津波の日、あの記者は、ビデオカメラに映像を撮りつつ、プロの記者として、精いっぱい冷静になろうと努めつつことばを発し続けていた。あの釜石の映像を見て以来、わたしはあの記者のことがずっと気がかりだったんです。きのうの番組によるとあの人は地域採用された釜石報道室の記者で、ふだんは地域の身近な話題をレポートするのが仕事だったそうです。そういう記者はどこの県にも配置されていますね。しかしそういう人たちが、一旦ことが起きれば最前線の記者として現場に立ち向かうわけなんやね。

それにしても津波の日の彼の仕事ぶりはりっぱだったと思いますよ。さすがプロだと思った。