歌わない時間

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レパード/コルゼンパ他『ヘンデル_管弦楽曲/協奏曲全集』

2013年11月19日 | CD ヘンデル
Handel
Complete Oechestral Works
English Chamber Orchestra
Raymond Leppard /
Daniel Chorzempa
Concerto Amsterdam
Jaap Schröder
454 363-2

1966,67,71,75年録音。70分45秒/74分15秒/78分55秒/77分08秒/76分02秒/75分51秒/67分40秒/73分31秒/79分08秒。PHILIPS。堂々CD9枚組のヘンデル。コルゼンパのオルガン、シュレーダーの指揮によるオルガン協奏曲集のみが時代楽器による演奏。これと、レパード指揮のモダン楽器によるヘンデルをあわせて一組にしています。モダンと古楽器いっしょくた、ってのには、もちろんわたしだって抵抗がありました。が、レパードのヘンデルにもともと関心がありましたし、コルゼンパのオルガン協奏曲がいいという話も聞いていたので、買いました。

CD1にレパードの『水上』『花火』を収録。ガーディナーら古楽復興派のテイストにきわめて近い。レパードがいたからこその、ヘンデル・リバイバルだったのではないでしょうか。音が丸くなってしまっているのが惜しい。それにしてもレパードの遺産がこのまま忘れられてしまうのはもったいない。

CD2の、やはりレパードによるOp.3もなかなかのもの。オーボエのほかフルート、リコーダーなども使って意欲的にすすめています。そしてリコーダーを吹いているのはあのマンロウなのですよ。第4番は4aのほか偽作の4bも収録。

Op.6はもっとも古い66年録音で、さすがにこれはちょっと聴くのがつらい。すでに時代楽器派の意欲的な演奏がいろいろ出ていますので、そういうのを聴きましょう。それから『二重協奏曲』全3曲もレパードによる演奏で、67年の録音。当時は、モダンオケによる演奏自体、まだめづらしかったのでは。こちらは思いのほかイケる。とくに快活な楽章ではヘンデルらしさがよく現されていて、いま聴いても違和感は少ない。

CD6からCD9のトラック1-7までがコルゼンパ/シュレーダーのオルガン協奏曲集。1975年録音。全16曲。Op.4とOp.7の全曲、および《カッコーとナイチンゲール》ほか。ヘンデルのオルガン協奏曲集のCDは、モノによって曲数が異なるので要注意。なお、オルガン協奏曲第16番は、同じCD9にレパード指揮で収められている『二重協奏曲』第3番の同工異曲。

ヘンデルのオルガン協奏曲のまとまった録音は意外に少なく、時代楽器のものとしては、ほかにタヘツイ/アーノンクール、プレストン/ピノック、くらいが知られる程度でした。(その後いくつか出たらしい。)このフィリップス盤は知名度は低いですが、わたしは好きになりました。愛らしく、可憐で、聴き飽きない。75年の録音にしては時代楽器のプレイヤーたちもがんばっている。なお、このコルゼンパ/シュレーダーの録音は、現在でもSACD4枚の分売で入手可能。この演奏のよさを分かっている業界人がいた、ってことですか。

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