そんなわけで、今年も残すところあと少し。例によって私が今年見た/聴いたものの中からベストを選んでみたいと思います。基準はあくまで私にあたえたインパクトの強さ、ということで・・・。にしても、今年はベストなんて選べないかも、と思っていましたが・・・(順番は私が見た順です)。
〇美術
・未来と芸術展(森美術館)
近未来の美術展はこうなるのだろうか…という想像を掻き立てられた展覧会。森美でなくてはできない展覧会の典型だったのでは。
・ピーター・ドイグ展(東京国立近代美術館)
開催三日で中断してしまい、地団駄を踏んでいましたが、その後、無事再開され胸を撫でおろしました。さすが「画家の中の画家」。不穏と幻想とがないまぜになった魅惑的な世界に惹きつけられました。
・きもの KIMONO(東京国立博物館)
着物の展覧会の決定版ともいえそうな質量ともに充実した展覧会。コロナさえなければ多くの外国の方々にも見てもらえたのに…。
今年はコロナ禍のために無念の中止となった展覧会も多く、また、とりわけ私立の美術館の苦境には一アートファンとして心が痛みました。その一方で、ニコ美など、オンラインの活用により普段なかなか聞けない方のお話を聞く機会も増えました。他にもいろいろ思うところはあるのですがちょっと書ききれません…。
〇映画
・ランブル
インディアン・ミュージックが世界の音楽に与えた影響を初めて知りました。アフリカン・アメリカンとの混交の歴史はかなり衝撃的でした。
・ようこそ映画音響の世界へ
映画音響がピックアップされた映画は初めて見たような気がします。映画は映像と音でできている、という当たり前の事実にあらためて目を見開かされました。
・メイキング・オブ・モータウン
もともとモータウン好きというのもありますが、この映画はベリー・ゴーディーJrのキャラ勝ちです。あんなにおもろいおっちゃんとは知らんかった…
今年はコロナ禍にもかかわらずドキュメンタリー、特に音楽ドキュメンタリーに関しては、近年稀な当たり年だったように思います。また、「鬼滅の刃」が大大大ヒットしましたが、日本のアニメのクオリティが衝撃的に向上していたことにも驚かされました。
〇音楽
選ぼうにも3本しか行けていない…シュトックハウゼンもボンクリもスガさんも、みんなまとめて素晴らしかった!
〇舞台
生で見たのは三谷文楽のみですが、オンラインで「12人の優しい日本人」や「山海塾」の舞台を楽しみました。オンラインだと生の舞台ではよく見えない細部の表現までよく見えるということを発見…
今年は降ってわいたようなコロナ禍により、アートの世界も大きな衝撃が…オンラインのありがたみを知る一方で、生で見る/聴くことのかけがえのなさを思い知らされた一年でもありました。ただ、都市部に偏在しているアートを皆が楽しめる方法を考えた方がいい時代に来ているのかも、とは思いました。
それにしてもコロナですよ…西洋占星術クラスタの間では今年、200年に一度という星の動きがあるということは知られていたかと思いますが、まさかこんなことになろうとは…。でも、これまでもアートは人類の歴史とともに生き延びてきたのだし、これからもそうだと思いたい…というわけで、また来年もアートが皆を幸せにしてくれますように!
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