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シー・イズ・オーシャン

2021-10-02 09:18:20 | 映画
ヒューマントラストシネマ渋谷で「シー・イズ・オーシャン」を見てきました(この映画館での上映は既に終了しています)。

海を深く愛する9人の女性のドキュメンタリーです。女性たちの年齢、国籍、職業はさまざま。サーファー、ダイバー、ダンサー、海洋生物学者、そしてサーファーの母…。この映画の監督も女性ですが、海が女性的なルーツを持ち、人々が海をSHEと名付けたというインドネシアの伝説に触発されてこの映画を製作したのだとか…(以下、ネタバレ気味です)。

この映画のヒロイン的存在なのが14歳の少女、チンタです。バリニーズの彼女は父親の夢だった、ハワイのオアフ島のパイプラインを乗りこなすサーファーになることを夢見て日々奮闘しています。はじけるような笑顔が愛らしい彼女は父親をも驚かせる天性の才能を持ち、果敢に世界の壁に向かって挑みます。ココ・ホーはサーファー一家に生まれた若手サーファー。若くして注目を浴びる存在になりましたが、地元で家族とともに過ごし、海に向かう時は自分を取り戻すのだとか。オーシャン・ラムジーはサメ保護活動家でありフリーダイバー。ひとは彼女を「サメの魔術師」と呼ぶそうです。彼女の活動を見てサメに対する認識が全く変わりました。「ジョーズ」の影響でサメってもっぱら怖いものと長年思い込んできましたが、実はこんなにおとなしくて賢い生き物だったのですね…。アンナ・バーダーはクリフダイビングの欧州チャンピオン。彼女はこの競技に初めて挑んだ女性です。断崖絶壁から海に飛び込む姿は見ているだけで恐ろしいのですが、凄い勇気…。アンドレア・モーラーはビッグウェーバーであり、救急救命士の顔も持ちます。海がもたらす喜びも悲しみも知る彼女が使命感をもって海に向かう姿が凛々しい。ケアラ・ケネリーはジェンダーを超えようとするプロサーファー。見た目も気性も男前の彼女は、命に関わるような大怪我を負いますが、恐怖に立ち向かって見事にカムバックします。ローズ・モリーナはフリーダイバーでありダンサー、ヨガ教師でもあります。彼女が水中で舞う姿は夢のように美しい…。ジニー・チェッサーは伝説のサーファー、故トッド・チェッサーの母。息子を海で失い、自身も癌になるという悲しみを癒したのは海と友人でした。海は命を奪いもするが、命を取り戻してもくれると語ります。シルビア・アールは海洋生物学者であり探検家。米国初の女性主任科学者でもあり、単独潜水の世界記録も持つというスーパーウーマンの彼女は80歳を過ぎた今も海に潜ります。「タイタニックは深さ4kmに沈んでる。そこまで行った人間は3人だけ。月は12人も歩いている」のだそうです…。

海の美しさ、そして海を愛する女性の強さに終始、圧倒された映画でした。映画では環境問題、SDGsにも多少触れていますが、女性は海を守る存在でもあるのかもしれませんね。海に魅せられ、時には憑かれたように海へと向かう女性たち…不肖わたくしもこの映画を見たら、たまらなく海を見たくなってしまいました。そうだ、海へ行こう…。
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