悲しいことが多すぎると,明るい太陽の光が降り注いでいても,気持ちまでは明るくなりませんね。。この震災を通して,たくさんの人の死と悲しみに接してきたせいでしょうか。この心を覆う暗雲を少しでも振り払い,あの青い空を心の内に呼び寄せたいものです。
よかった探しの名人であった『ポリアンナ』を見習って,震災以降に,私自身が体験し,考え・感じた よかったことを まとめてみたいと思います。
○信号がなくても お互いに譲り合って 安全に通行できました。
地震で電気が通らず信号が点かない状態でも,交差点ではお互いに相手の車の進行方向に気を配りながら,譲り合って通行していました。事故や混乱も起こらず,スムーズに通行できたのは,お互いを気遣って譲り合う思いやりの心があったからなのではないかと思いました。
○見ず知らずの方と気軽に話す機会が増えました。
いろんな場所で待つことが多くなり,その間に同じ待ち人同士で話す機会が増えました。ボランティアの活動の中でも,支援する方や関わりのあるたくさんの人と話し,ふれあうことができました。地震を乗り越えお互いに無事で元気であるということが,強い連帯感を産んでいるような気がします。
○地域のつながりを強く感じました。
同じ地区に住んでいる方の物置が倒壊し危険な状態にあるので,日曜日に地区民総出で後片付けをしました。たくさんの男手があったため,半日で片づけは終りました。奥様方は,炊き出しで昼食を準備してくれました。地域のまとまりと確かなつながりを実感しました。
○春のような気持ちになりました。
水道が出ない時に,洗い物やトイレ用の水として,川の水を利用しました。自宅の裏側に板倉堰が流れており,その水を汲みあげて使いました。他の人も汲みやすいよう,汲み上げ用のバケツを置いていたところ,それを使って水を汲んだ家庭からお礼として花をもらいました。咲き始めた福寿草でした。春のような温かい気持ちになりました。
○被災者が助け合ってたくましく生きる姿を見て
悲しいニュースはたくさん見ましたが,そんな状況にあっても被災者同士が助け合って生活している様子を見て,人と人との温かいつながりを感じることができました。すべてが流されても,故郷の再建を誓い力強い一歩を踏み出そうとしている人々の姿に,元気とパワーをもらいました。避難所等で献身的に働いている小・中・高の子どもたちの姿に,未来への希望を見出すことができました。奥さんと二人の子供を亡くした父親が,絶望の淵から立ち上がり,三人を守るためにこれからも頑張ると決意をした姿に,生きることの意味や大切さを痛感しました。
○国境を超えた支援の輪を感じて
貧しいバングラデシュの人々も,少ない家計から募金をし,励ましのメッセージを送ってくれました。対立関係にあった中国やロシアからも,最近被害に遭ったニュージーランドからも救援の手が差し伸べられています。世界中に日本への温かい支援の輪が広がっていることに,心から感謝をしたいと思います。「人は,誰でも二つの祖国を持っている。一つは自分の国であり,もう一つは地球である。」 世界環境宣言の一節ですが,支援の輪の広がりと人間としての温かさを感じる時,世界とつながった地球人であることを自覚します。
よかったことの一つ一つが,悲しみの空の一画に,青空を見せてくれるような気がします。
あの青い空のように 頑張っていきましょう!