夕方に,大きなかごを抱えて畑に行くようになりました。野菜を収穫するためです。
キュウリ(そろそろ終わりごろですが,時期をずらして植えたものに若い実がなり始めたので,しばらくは食べることができそうです。),トマト(これからが最盛期です),ナス(今,最盛期です)の3種類だけでかごがいっぱいになります。その他トウモロコシ,エダマメ,インゲン,ズッキーニ,キャベツ等が,日々の食材となり,食卓をにぎやかにしてくれます。
旬の野菜なので味は格別ですが,同じ食材が続いても飽きないように,調理方法を娘が工夫し新メニューを提供してくれています。
先日,これまでにないほど大きなスイカができたので,収穫することにしました。ずっしりと重く外からたたいた手ごたえもよく,さぞかしおいしいスイカだろうなあと期待しました。夕食が終わってから,いよいよ切ってみることにしました。真っ赤に熟れた状態か,熟れる一歩手前の若々しい状態か,中の様子をあれこれ想像しながら包丁を入れてみるとどうでしょう?真っ赤な果肉はどこにも見えず,真っ白な果肉と種しか見えません。まだ若すぎた未熟のスイカだったのです。もう少し待てば,さらに大きくなり,おいしい実になったことと思います。スイカには大変申し訳なく,もったいないことをしたなあと深く反省しました。収穫の時期について,スイカと対話できるような畑のプロになりたいとは思いますが,まだまだ修行不足だなあと痛感しました。
畑仕事の中心は草取りですが,たくましい雑草の生命力には圧倒されそうです。目を離すとあっという間に芽を出し成長し,畑の主役になってしまいます。その勢いに負けないように,頑張っていきたいと思っています。
草取りは単純な仕事ですが,楽しいこともあります。まず,たくさんの虫たちに会うことができます。昆虫類,ミミズやカエル等,大小さまざまの大きさで,生まれたばかりの赤ちゃんにも会うことができます。活発に動き回るその姿に,生命を感じます。
また,畑の中を吹き抜ける風の心地よさは格別です。流れる汗をぬぐってくれるように,「ごくろうさま」と語りかけるように,体の外と内とをさわやかに風が通り抜けていきます。こんなときに,生きているんだなあと実感します。
福島の原発事故の影響は,宮城や岩手にも及んでいます。土壌の汚染の度合いが深刻な地域もあります。事故が起きたときの原発上空の風が,汚染物質を遠くまで運んできたからです。今後は学校や公園等,子どもたちの生活や遊びの場となるところでは,放射線の測定結果に応じて,土の入れ替えや除洗等の対策が必要になってくるのではないかと思います。
ところで,我が家の畑は,果たして安全と言えるでしょうか。
考えると先へ進めなくなるので,安全と見なし,今しか食べることのできない旬の野菜をおいしく味わうことにしています。