あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

放射能汚染という不安を抱えて

2011-08-26 08:59:40 | インポート

昨日,畑に使う地元栗原産の有機肥料を求めて,近くの店に出かけました。畑を耕した後に,いつも元肥として使っていた物を買おうと思ったのですが,売り場には置いてありませんでした。店の人に尋ねると,放射能汚染のために置いていないとのことでした。震災以降も使っていた肥料でしたので,果たしてそれは大丈夫だったのかと心配になりました。汚染された状態のものを使っていたとすれば,畑そのものの土壌も汚染されたことになります。大なり小なり,畑も原発の影響による汚染はまぬがれないものと思っていましたが,改めて不安になりました。

スーパーに行くと,生鮮食料品については産地を表示するシールが目につくようになりました。北海道や九州地方の県名などを目にするたびに,原発の影響を受けない地域で生産された安全な品物ですよと宣伝しているように感じます。

重苦しいものが,心の中にわだかまりのようなものとなって存在していて,それが具体的な出来事や物に出会うと不安という形で表に出てくるような気がします。震災と原発事故の後遺症のようなものなのでしょうか。

今朝散歩をしていて,緑の美しさをしみじみと感じました。雨に洗われた緑の,鮮やかで多様な色合いに心を奪われてしまいました。一つ一つ同じ緑なのに,濃淡や明るさが異なり,葉の形や全体の立ち姿も微妙に違います。金子みすずの詩の一節「……みんなちがって みんないい……」を思い出します。

そんな草原に,マツヨイグサの黄色い花が灯台の灯のように点在し,その下の方にはツユクサの鮮やかな青が顔を出しています。草原の向こうには,稲穂の波が見えます。

こんな美しい風景をうっすらと覆うように,放射能に対する不安があります。

原発事故のために,故郷を追われるように去らなければならなかった人々の心には,どんな故郷の風景が見えているのでしょうか。

くもりなく 美しいものを ゆったりとながめることのできる 平穏な日々が 一日も早く訪れることを 心から 願います。