あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

広島,長崎を想いながら

2011-08-09 23:31:09 | インポート

今日は,長崎に原爆を投下されて66年目の8月9日です。8月6日の広島での原爆投下と合わせて,日本人として忘れてはいけない日だと思っています。私にとって,この両日は青い空を青いままで未来に残す誓いの日でもあります。

二度と戦争のない,核兵器が使用されることのない,平和で美しい日本であり,世界でありますように。

しかし今でも,アフガニスタンやパキスタン,中東では,テロや戦争があり,多くの尊い命が犠牲になっています。アフリカの東部では,これまでにない干ばつによって食料が不足し,多くの餓死者が出ています。そして,その犠牲者の多くが弱い立場の子どもたちです。

今回の震災でも,親や家族を失った子どもたちがたくさんいます。福島の原発の事故による放射線は,大人以上に子どもたちの健康に深刻な影響を与えます。

やがては,今の子どもたちが大人となり未来の世界をつくる主体となります。

今の大人たちができることは,未来の主体となる子どもたちが,安心して生活できる環境や場をつくってあげることなのではないかと考えます。

そのためには,一日でも早く戦争のない平和な世界,飢えのない世界をつくることなのではないかと思います。そしてまた,核兵器が廃絶され,核の平和利用という美名に惑わされることなく核に頼らない安全で安心な世界を目指すことが,人類の本当の意味での幸せにつながっていくものと確信します。

今回の震災では,世界中からたくさんの温かい支援をいただきました。国境という壁をはるかに超えて,同じ人間としての心のつながりを感じました。それは,地球という惑星でともに生活する地球人としての絆とも言えるのではないかと思いました。

宮沢賢治が求めた,すべての人々が幸いなる世界こそ,地球人として,人類として求める理想の世界なのかもしれません。

青い空を,地球上のすべての子どもたちが笑顔で見上げることのできる日が来ることを願いながら,広島と長崎で亡くなった方々のご冥福を心から祈りたいと思います。


アニメ『コクリコ坂から』を見て

2011-08-09 12:00:03 | インポート

宮崎吾朗監督ということで,前の『ゲド戦記』の印象が余りよくなかったせいか,過度の期待をしないで見ました。しかし,出来は最高で,心に残る作品になりました。見終わった後には,(とても,よかった。)という満足感がありました。

なつかしい時代の空気が,精巧に描かれた風景や用具を背景に,ストレートに伝わってきました。実写の『三丁目の夕日』の映画からも感じることのできた昭和30年~40年代の空気が,アニメであるにもかかわらず,作品全体を貫くように流れていました。一人一人の登場人物たちがその時代の空気に合った個性を持ち,存在感にリアリティーがあったせいかもしれません。宮崎駿の台本と吾朗監督の作品に込めた思いが,深い所で結びついた作品に仕上がったのではないかと思いました。

バンカラなものにあこがれ,その思いをとても大切にしていた昔の自分を思い出しました。初恋のときの一途な思いも…。挿入歌と展開するストーリーが,いろんな思い出と交差し,忘れていたものが生き生きとよみがえってくるような感じがしました。

理屈抜きで,主人公の海と俊の幸せを祈り,恋が成就することを願いました。古き良き時代を象徴するカルチェラタンの存続を応援したいと思いました。見ていて,二度の場面で目頭が熱くなりました。

カルチェラタンの存続を願う 俊の演説 <映画のパンフレットより引用>

『古くなったから壊すというなら 君たちの頭こそ打ち砕け。古いものを壊すことは 過去の記憶を捨てることと同じじゃないのか。人が生きて死んでいった記憶を ないがしろにするということじゃないのか。新しいものばかりに飛びついて 歴史を顧みない君たちに未来などあるか。少数者の意見を聞こうとしない君たちに 民主主義を語る資格はない。』

古き良きものには時を超えて貫かれてきたもの<大切に受け継がれてきたもの>があるように思います。それは,新しいものを決して否定するものではなく,時を超えて流れてきたものを真摯に受け止めながら行き先を見据え,未来を切り開いていこうとする力<原点となる生きる力>なのではないかと考えます。民主的な社会は,一人が大切にされることで,すべての人が大切にされる社会でもあります。

作品全体から一人一人の命,幸せ,思想や意見が,尊重され大切にされる社会でありたいというメッセージが,伝わってくるような感じがしました。

妻や娘たちも一緒に見たのですが,みな「とてもよかった」という印象を持ったようです。妻は私と同様に昔の時代の空気を知っていたわけですが,娘たちは知りません。それでも好印象を持つことができたのは,作品を通して,時を超えて流れているものを感じ,時が変わっても変わることのない普遍的な人間のすばらしさを感じることができたからなのかもしれません。

小学生には難しいかもしれませんが,それより上の世代の方ならだれでも好印象をもつ作品だと思いますので,機会がありましたら是非ご覧ください。感想等もお聞かせください。