あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

ヤドリギの不思議な知恵 

2010-12-12 10:31:17 | インポート

園芸家の柳生さんが,NHKのラジオでヤドリギのことについて語っていました。その話が,とても印象に残る話だったので,紹介します。

ヤドリギは,木の葉が落ちつくした今の時期に,里山で見つけやすい植物です。木々の枝の間に,鳥の巣のように見えるので,誰でも容易に探すことができます。その巣が,緑色の植物であったら,ヤドリギなんだそうです。近くでよく見ると,ヤドリギは今の時期に赤い実を付けているとのことです。この実をねらい,鳥がやってきては,食べていくのだそうです。

じつは,この鳥がヤドリギの子孫を増やす役割を果たしてくれているのだそうです。移動手段を持たない植物にとっては,鳥や虫,動物や人間,風等が媒介していろんな場所に種を運んでくれるので,さまざまな場所で子孫を増やすことができます。ヤドリギの場合も,実を食べてくれる鳥が種を運んでくれます。ただ,ヤドリギはその名前の通りに,他の植物を宿にし,その幹から樹液をもらって生きている植物です。そのため,種の運び役となった鳥がフンにして種を出しても,その場所が木の枝や幹でないと,発芽ができないのだそうです。

そこで,ヤドリギの実には,鳥に木の幹や枝に確実に種を置いてもらうように,なんとフンをネバネバにするような成分が含まれているのだそうです。鳥が実を食べた後にフンをする際に,そのフンがネバネバの成分のため,おしりからとれにくい状態になります。そのため,鳥はフンをきれいに落とすために,木の幹や枝にこすりつけてとるのだそうです。

実を食べた鳥に,間違いなく種を幹や枝に置いてもらうために,こんな工夫がされていることに,とても驚きました。自然の中に精巧に仕組まれたしかけとヤドリギの知恵に感心してしまいました。

自然の中には,まだまだ知らないことや不思議な出来事が,いっぱいありますね。それだけこれからもたくさんのことを学ぶことができそうです。