今日、家族で映画を見てきました。
見たのは、ジブリのアニメ『借りぐらしのアリエッティ』です。
私にとっては、久しぶりに心踊る楽しいファンタジーでした。
アリエッティーの登場とともに、小人の世界に引き込まれていきました。
そこで暮らし、そこで生きる小人の親子の日常の生活感が、リアリティーのある形で伝わって
きます。
それだけ、作品世界が、家の中にあるものや情景等を含め、細かいところまできちんと描かれ
ているからなのだと思います。
この映画を見ながら、小人の存在をどこかで想い・その存在にふれたらそのことを大切に考
え・小人と共に生きようとする『想像力』が、自分の中に健在かどうかを問われているような感
じがしました。
さとうさとるの書いた児童文学の名作『だれも知らない小さな国』では、小人の側が人間の力
を必要とし、信頼できそうな人間の子どもにその姿を見せ存在を知らせます。そして、その子
が大人になるまで見守り信頼できる人間かどうかを確かめた上で、小人たちは人間(せいたか
さん)を味方にし、その力を借りながら、誰も知らない小人たちの国をつくりあげていきます。
この映画を見てアリエッティーのような小人の存在を知ったら、誰でもきっと小人の存在を想
い、この映画に登場する少年:「翔君」や誰も知らない小さな国に登場する「せいたかさん」の
ように小人の味方になり、その世界がいつまでも続くことを応援し願うのではないかと思いま
す。
(借りぐらし)というタイトルもいいですね。小人の生活は、人間世界にあるものをほんの少し借
りることで成り立っている。人間世界も同様ではないでしょうか。お互いに関わり生きる中で、
その力を借り合っている部分が大なり小なりあるように思います。支え合って生きることは、お
互いの力を借りあって生きることと とらえることもできるように思います。
どちらかが一方的に貸しているのではなく、お互いに借りあっている。相手への感謝の思いを
持ちあうことで成り立つのが、支え合うという関係なのではないかと思います。
先に紹介しました 99歳の詩人:柴田トヨさんが 貯金する
人からもらったやさしさも 励ましも、借りあって生きる人間社会だからこそ 成り立つ
思いなのではないかと思います。
(畑仕事をするようになってから、食べる野菜たちからは その命を借りているような気持ち
がしています。)
是非、映画で小人のアリエッティーたちに出会い、ファンタジーの世界のすばらしさと想像力を
広げる楽しさを味わってほしいと思います。