あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

99歳の詩人 柴田トヨさん

2010-07-16 22:06:04 | インポート

7/16付の天声人語に、99歳の詩人・柴田トヨさんの初詩集が紹介されていました。

  私ね 人から

  やさしさを 貰(もら)ったら

  心に貯金をしておくの

  さびしくなった時は

  それを引き出して

  元気になる

  あなたも 今から

  積んでおきなさい

  年金より 

  いいわよ        

            ※詩集「くじけないで」<飛鳥新社刊>より

年金より 価値あるもの

さびしくなった時でも 元気の源になる

人から貰った やさしさ

心が心から受け取った やさしさ

生きる時の 支えとなるのは やはり 人としての やさしさなのでしょうか。

99歳の感性から 人間としてのやさしさを 改めて教えていただいた気がします。

  私ね 死にたいって 

  思ったことが 

  何度もあったの

  でも 詩を作り始めて

  多くの人に励まされ

  今は もう

  泣きごとは 言わない

天声人語の結びには

  柴田さんのみずみずしさの秘密は、たぶん『多くの人に励まされ』 にある。

  絆や支え合いの大切さを、それは教えてくれている。

と、あります。

99歳という人生を過ごしてきた 重さや

死にたいと思うほど 辛い思いをかみしめ生きてきた 中から 生まれた

柴田さんの言葉だからこそ 書かれた詩は 説得力をもって 心に響いてきます。

人と人とが関わって生きる 人間社会であるが故に

やさしさに裏打ちされた 励ましの言葉のひとつひとつを しっかりと受け止め

また 自らも 真摯に そういった言葉を発することのできる 人でありたいものです。