青い空とわたし

青い空の日  白い雲の帆船をみていると

どこかへ どこまでも Harmonyと

走っていきたくなります

芭蕉先生との再会・最上川舟下り

2015年02月13日 11時38分48秒 | 青い空の日は旅立(全般)
2月9日(月)

尾花沢市の西方、あったまりランド深堀での朝。

外に出てみると、あたり一面に雪が積もっている。



▲ Harmonyのミラーにも雪が氷り付いている。まずこれを落とさなくては。

月曜、火曜に寒波到来し、基本的に雪空になるという天気予報どおりだ。
ここ数日の暖かい冬は終わった。
早く出立したほうがよさそうだ。
ふかふかの新雪を踏みしだいて、近くの道の駅・尾花沢にてシリアル朝食。

市内の道は既にきれいに除雪されていて、雪面ではあるがスピードを出さなければ走行には問題ないようだ。

今日の予定は、尾花沢の北にある新庄市の方向へ移動。そこで東西に横切って流れるあの最上川を舟下りすることだ。約2時間の道のりだが、雪道だからもっと時間を要するだろう。



▲ 幸い、北へ行く国道13号線は除雪が朝一に入っているようだった。

山形に来て初めて雪道になったな。
これが今の季節、普通なのだろうが。



▲ ときおり降雪は激しくなって、前方がかすむこともある。

その時は、スローダウンして慎重に走るしかない。



1時間ほど走って、お目当ての個所は最上川の川辺で、案外容易に見つかった。


【芭蕉乗船の地】

芭蕉先生とその従者曾良が、最上川のこのあたりで舟に乗って川を下ったといわれている。



▲ 芭蕉先生、曾良先輩、お元気でしたか!

寒風雪吹きすさぶなかで、なんか申し訳ありません。




▲ 川面に面したお体半分は、もう白く雪をかぶってしまっていますね。

さぞかし、お寒いでしょう。

お二人とも空を眺めているようですが、どうしたのですか。
あ、お天気の様子を見ているのですか。




▲ 芭蕉先生(左)! お手をとらせてください!

これからも私のささやかな青雲漂泊の旅を、ご指導くださいね。




▲ 曾良先輩(右)! あなたは偉い!

先生のお供として、詳細な旅日記を残してくれましたね。私のブログのお手本とさせてください。
下痢に気をつけてください。私も気をつけます。





▲ ああこれが最上川ですか。雪を集めて流れが早そうですね。

ここから、1689年7月17日に川下りをされたのですね。
私も、今日はお二人を真似て、最上川を下ってみようと思います。




▲ あ、乗船の時刻もありますので、そろそろ出かけます。

春が早く来るといいですね。お二人の頭上の桜の枝は見事な桜の笠を作ってくれるでしょう。
ではお元気で。

春よこい 二人のうえに 花のかさ 

先生笑わないでください。Sora はまだ修行が足りません。


別れを惜しみつつ、更に奥の雪道を走った。



▲ 舟下りの受付場所に、11時半頃に着いた。




▲ 戸澤藩船番所

乗船受付所は、かっての船番所を再現した造りになっている。

船の出発時刻は12時50分だ。
まだ時間があるので、ブログのコメント返信等に従事。
12時15分ごろ、番所内の食事処でアユのかば焼き丼なるものを所望した。
すると、しばらくして出発までにはできないと告げられた。
じゃあ、カレー芋煮を。すると、売り切れました。

しょうがないので、「船から戻ってから食べるわ」と言ってクルマに戻ってきた。



▲ しばらくして、運転席でナビ操作をしていたボクに、「おわびです」と先ほどの食事処担当者が、味噌おにぎり二つと、アユの塩焼きとお茶ペットを持って来られた。

えーっ?と思ったが、有難く頂戴した。
ボクは決して怒って言ったわけではないので、店の親切心からだろう。
かえって、すみませんでした。


船出の時刻になった。



▲ 桟橋からみなさん乗り込む。




▲ 真ん中に炬燵がある。電気ゴタツで、足を入れるとぬくい。

船頭さんは女性。お客は日本人の夫婦が二組と、この前に座っている若い男女5人組、そしてひとり旅のボク。男女5人組は台湾人だった。




▲ 外の景色。

船はエンジン付き。1時間ほど最上川を下って下流のポイントで下船。そしてバスで番所まで戻ってくる予定だった。




▲ しかし、しばらく下った所で「波が強いので安全のためこれ以上は下らない」、ということとなった。

ウムー、波が荒いかなあ?

そのあとは、出船したところを中心にして上と下を2往復する周遊コースになってしまった。
安全のためならしょうがない。




▲ 「昭和19年7月21日洪水」と書いたボードが、川の堤防に見えた。

その洪水の時は、あそこまで川の水かさが溢れたということらしい。
最上川は氾濫もするのだな。
もっとも、庄内平野は最上川の氾濫でできたということだ。




▲ 針葉樹が良い感じ。




▲ もう一つの僚友船が反対側を進む。

こうやって見ると、雪の川下りも風情があるなー。




▲ 一級河川・最上川の標識が、芭蕉先生の句とともに堤防にあった。

最上川は、みちのくより出て、山形を水上とす。ごてん・はやぶさなど云おそろしき難所有。板敷山の北を流て、果は酒田の海に入。左右山覆ひ、茂みの中に船を下す。是に稲つみたるをや、いな船といふならし。白糸の 滝は青葉の隙々に落て、仙人堂、岸に臨て立。水みなぎつて舟あやうし 。

 
   五月雨を 
   あつめて早し
   最上川



富士川(静岡県)や球磨川(熊本県)とともに、日本三大急流として知られる最上川。先生もその水量の多さ、流れの早さに驚かれたようだ。

我々の船旅は、言ってみれば「水みなぎって舟あやうし」なので川下りできずUターンを繰り返す1時間の旅となったわけだ。

女性船頭さんは、水辺風景の説明も底をつき、最上川舟歌を日本語、中国語だけでなく英語、フランス語でも歌い聞かせてくれた。外人のお客さんも多いようだ。

あげくのはてには、花笠音頭を実演までしてくれた。
花笠がないので、そこにあった箱を笠にみたてて・・・






▲ ありがとさん。

この、最上川芭蕉ライン舟下り一人2030円 を運営する会社のスタッフさんは、非常にフレンドリーでサービス精神にあふれる人達だった。

この川下り混むのは、新緑の季節と紅葉の季節だそうだ。
冬にくる人は・・?あまりいないようだ。




▲ 下船して売店で、ボクとしては極めて珍しく自分の記念品↑を買った。





▲ あいかわらず雪は、降ったり、止んだり。

さあ、船番所を出発しよう。

行く先は、芭蕉先生と同じく酒田。米どころ庄内平野の中心地だ。


*************



▲ 庄内平野を行く。

雪は止んだが、ときたま強い風が吹き上げてくる。
道路はきっちり除雪されているが、凍結しているのがわかる。
坂道だと、後輪が ギューン、ギューン と音を上げて空転し始める。


今晩のねぐら、道の駅みかわと、それに隣接する温泉、なの花温泉田田に到着。



▲ なの花温泉田田(でんでん)。

庄屋風の造りの建物だ。


連夜の発電機稼働で、燃料が無くなっているのは分かっていたが道中スタンドが見当たらず。
ここで探しに行けばあるだろうが、ツルツル道を走り回りたくはない。




▲ やむを得ず、とっておきのお宝、携行ガソリンタンク10Lを座席下から引き出してきて注油する。
寒風強く、手がかじかむ。


さあお風呂だ。



▲ ここの少し茶褐色の温泉も良かった。よく温まった。

併設する宿泊施設の食事処「なな味」へ長廊下で続いておりそこへ行く。

6時過ぎだがお客さんは、誰もおらずボクひとり。
なぜか、こういうことが多い。




▲ 注文したのは田田御膳1300円。

メインが日替わりで、今日はおでん。
他にイカ刺身と茶碗蒸しと野菜のあえもの、だったかな。

おでんは、汁が美味しかった。
魚の味がして、あきらかにセブンイレブンみたいな一般的な汁とは異なっていた。

ここも、三点セット可能のベストプレイス。
それ以上は触れない。
また感知されるから。
おすすめです。

夜は、強風でクルマを揺らされながら眠った。


ゆりかごの 寒風ふくなか みる夢は