Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ハーブ

2017年02月08日 | ローズマリー

8.使用量

「今の私には妊娠の可能性はないし、ローズマリーはたくさん取らなければ心配ないのでは。」と思いながら使われている方もおられるのではないでしょうか。それではどの程度の量であれば心配ないのでしょうか。はっきりとした目安があった方が安心して使えるのではありませんか?

 

日本よりもハーブ製品の使用頻度が高く、使用量も多い英国とアメリカの保健、医薬製品規制行政当局の見解を日本の食品安全委員会 ( Food Safety Commission. ) がhttp://hfnet.nih.go.jp/contents/detail3009.html#1 に載せていますが、使用量について明確な記載を見つけることができませんでした。

http://www.botanical.com/botanical/mgmh/r/rosema17.html からローズマリーに関する事項を引用しました。一般的な特性から始まり中ごろの“薬容量”のカ所に詳細な量が書かれていますのでご覧になって下さい。(フォントを緑色に彩色しておきました)

 

ローズマリー ( Rosemary,  Rosemarinus officinalis ) 和名はマンネンロウ。多年草、常緑樹の針葉でよい香りをしています。地中海沿岸地方原産です。立性のものと匍匐性のものがあります。

ローズマリーの名は自生している場所では、海からもたらされた水だけで生育できるので、Ros ( dew : しずく)、marinus ( sea;海 );すなわち, Rosemaryと名付けられたようです。

 

形状:

立性のものと匍匐性のものがあり, 立性のものは1.5m、稀に2m に達し、葉は常に緑色で長さ-4cm、幅-5mmの葉の上が緑色で下に白く短い毛が濃く生えています。花は、北の地域では夏に咲きますが、暖かい冬の気候では常に咲いています。色はバリエーションに富んでいて、白、桃、紫、青があり、石灰質の土壌では大きく育ちませんがいい香りのローズマリーが育ちます。

 

利用:

料理:生および、乾燥した葉は伝統的な地中海料理に良く使われています。苦味が少しあり、渋くて香りの高い葉はスープに入れて香りを付けたりと幅広く利用できます。薬草の煎じ薬であるチサンはこれで作ります。ローズマリーは鉄、アルミニウム、VB 6に富み、オメガ3脂肪酸 ( DHA・EPA、αリノレン酸などの脂肪酸で、生活習慣病予防やダイエット、美肌に欠かせない栄養素です ) を安定させる働きがあります。抽出物は食物を腐敗する大腸菌、サルモネラ菌 , 黄色ブドウ球菌などの細菌の発育を阻害する抗菌,抗酸化作用、消臭作用があり、食品を長く保存することが出来ます。その働きは食品保存剤よりも優れているといわれています。

医学的使用:養毛剤、収斂剤、発汗剤、刺激剤、駆風剤,健胃剤、神経鎮静剤。伝統的な使い方としては、“ハンガリー女王の麻痺した手足の治療”に使われた。ハンガリー水があります。

ローズマリーに含まれるカルノミン酸は遊離基から脳を守り、発作の危険や、アルツハイマーや筋萎縮性側索硬化症のような神経退行症から脳を守ることがわかっています。又、抗発癌物質があります。抗酸化物であるカルノミン酸、ロズマリン酸、炎症抑制,血行改善、育毛効果のある(生物活性物質)カフェ酸、スルソール酸、がん細胞にアポトーシスを誘導する作用や、血管新生阻害作用などが報告されているベツリン酸、多くの針葉樹に含まれ特有の香りのもととなるピネン、強い抗酸化作用のあるロスマノールが含まれています。

 記憶力を改善する:カルミノシン酸には神経細胞を維持する役割を果たす神経成長因子の生成を高める効果があるため、軽度のアルツハイマー型痴呆患者に対して症状が改善するという報告があります。脳梗塞による壊死を予防するのでアルツハイマー、パーキンソン病への効果も期待されています。

ロズマリン酸には花粉症の症状を和らげる作用がある。抗菌作用もありますが、活性酵素生成能もあるので酵素、金属イオンと共存すると細胞毒性を示す可能性があります。

カルミン酸、カルノソールには生体防御機構を活性化させる作用があります。即ち尿量を増やして腎臓の痛みをとり、解毒作用を高めます。

 

副作用:ローズマリーを適正に採取しガイドラインに沿って使用した場合、即ち香辛料として使用する程度であればその副作用は限られていますが、わずかにアレルギー性の皮膚に対する反応が報告されています。

 

安全性:医用、治療の為の量では一般的に安全ですが、てんかんの発作に対するアレルギー反応に注意がいります。ローズマリーの精油には子供、大人の区別なく、てんかんはローズマリーの使用と関係があると数世紀にわたって報告されているからです。ローズマリーの精油は口から入れば毒性があります。ローズマリーの葉をたくさん摂れば昏睡状態、筋肉の痙攣、吐き気、肺水腫など致命的な反応を起こします。妊婦や母乳で子供を育てている方は大量に摂取しないこと。胎児に影響があり、流産の心配がある。

 

 薬容量:小児:小児については使用が認められていないので小児に対する記述はありません。

大人:1日に4-6g(干量で)を越えないこと。

お茶:3カップ/日。 ハーブに湯に入れて3-5分間浸したもの。2カップの湯に6gのハーブを使う。3杯に分けて、食事をしながら飲むこと。

 

チンク油:1:5に溶かしたものを、2-4ml/日/3回。

 

抽出液:1:1を45%アルコールに中に溶かしたものを1-2ml/日/3回。

 

ローズマリーワイン:20gのハーブを1Lのワインに入れて時々振って5日間置く。

外用:精油(6-10%)2滴を半固体の又は液状のオイル1TBSの中に入れる。精油は外用に使い、決して飲んではいけない。痙攣を引き起こすので内用してはいけない。樟脳アレルギーを起こす人には害がある。

 

煎じて浴用に使う; 1 Lの水の中に50g入れてボイルする。30分間そのままに置いて浴水に加える。

ローズマリーの油は香りを良くするために塗布剤の中に入れて使われている。ハンガリー水は外用として麻痺した手足の回復を促すように、ハンガリー女王のために始めて考案されたもので、これを続けて使用することで回復したと言われています。生の花の付いたローズマリーの新芽1 1/2 ポンドをワインのスピリット1ガロンの中に入れる。4日間静止してこれを蒸留して作る。又、ハンガリー水は痛風に対して非常に効果があると考えられています。手と足につけて強くすり込むと効果があります。この処方箋は1235年、エリザベスの手記の中にハンガリー女王としてウィーンに保存されています。

 

 

ハンガリー水を愛用したというエルジュビェタ・ウォキェトクヴナ(Elżbieta Łokietkówna, 1305-12/29/1380、ハンガリー王カーロイ1世の3番目の妃。ハンガリー語名はエルジェーベト(Łokietek Erzsébet)。

 

ローズマリーワインは少量摂ると心肺の動悸を抑え、腎臓を刺激して水腫を和らげます。緑色のローズマリーの新芽を刻んで白ワインの中に入れ、2-3日後に濾します。脳、神経系を刺激するので循環機能の衰えによる頭痛に効果があります。

若い芽、花は浸出してローズマリー茶にする。暖かい状態で摂取すると頭痛,幼児の激しい腹痛、神経症に効果がある。浸出中に蒸気が漏れないように気をつける。この蒸気は神経性鬱を解き放ちます。新芽とその3倍量の砂糖を一緒に潰すと保存剤と同様の働きがあります。ローズマリーの精油は水又は砂糖の上に30滴垂らして抗痙攣剤として使用します。ローズマリーとフキタンポポの葉を一緒に擦って吸い込むと喘息や喉、肺の感染症に効果があります。又、オーデコロンの成分の一つとしても使われています。