Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

マフィン~バターガーリックシュリンプとコリアンダーのマフィン

2016年07月31日 | 洋菓子

 
Butter Garlic Shrimp and Cilantro Muffins


最近目を引いたサイト中に『「カップケーキ」って呼ばないで!』 ( Don’t Call Me Cupcake ) : 16 Surprisingly Savory Muffins: http://www.brit.co/savory-muffin-recipes/ というのがあります。なかなか痛快で素敵な内容です。ここに紹介しておこうと思いました。

アメリカの文化に影響された人達は、私を含めて「マフィン」といえば反射的に「ブルーベリーマフィン」と口をついて出てきます。現にカナダでは今もエスター・ブロディ ( Esther Brody ) が著した従来の?材料を使った、マフィンのレシピ本:The 250 Best Muffin Recipes や The 500 Best Muffin Rcepies が売れています。そういった壁に張り付いた古いシミのようなものを搔き落としてくれた、言わば「目から鱗」のサイトが上のウエブページです。

絵はエスター・ブロディのレシピ本

内容に入る前に「マフィン」とは何なのか、wikipediaの解説(『』内)から予備知識を仕入れておきましょう。

『マフィン ( muffin ) にはアメリカ式のカップッで焼いた菓子と、イギリス式の丸型で焼いたパン状のイングリッシュ・マフィンがあります。しかし単に「マフィン」と言えば、今ではイギリスでも一般的にアメリカ式のものを指します。いろいろな種類の粉で作られ、中にブルーベリーなどのフルーツやナッツ、チョコチップなどが入っているものがほとんどです。ベーキングパウダーで膨らませています。

材料:
薄力粉 130g
ベーキングパウダー 小さじ1
バター 50g
砂糖 50g
卵 1個
牛乳 60cc

方法:
1. 薄力粉とベーキングパウダーをふるう。
2. オーブンを180度に予熱する。
3. マフィン型に薄紙を敷くか、バターを塗る(紙製の容器を使う時はそのままで)。
4. バターをクリーム状にして砂糖を入れて混ぜる。
5. 白っぽくなったら溶き卵を数回に分けて入れる。
6. 1の粉と牛乳を数回に分けて交互に入れ混ぜる。
7. 型に入れて180度で25分間焼く。
8. 好みでいろいろなトッピングを加えることができる。』

バターと砂糖を混ぜてその中に卵を混ぜ,その中に粉類と牛乳を交互に混ぜて焼く。というのが基本的な作り方です。砂糖の量が少ない場合や、バターの代わりにオイルを使う場合は液状の材料を先に混ぜておいて、そこに粉状の材料を混ぜます。果物などは最後に入れます。焼き時間は180℃で約25分間です。

次のレシピはBrown eyed Baker から「ブルーベリーマフィン」を、絵はhttps://www.babble.com/best-recipes/back-to-school-blueberry-muffins/ から引用させていただきました。( レシピの順序は一部分入れ替えました )

ブルーベリーマフィン



Brown eyed Baker: は http://www.brit.co/savory-muffin-recipes/ から引用しました。

Ingredients:
1 cup granulated sugar
1 egg
4 tablespoons (2 ounces) unsalted butter, melted and cooled slightly
1¼ cups sour cream

2 cups all-purpose flour
1 tablespoon baking powder
½ teaspoon salt

1½ cups frozen or fresh blueberries

作り方:
砂糖と卵を混ぜた中にバターとサワークリームを入れます。粉類をまぜてそこにブルーベリーを入れます。

基礎知識が整ったところで最初の、『「カップケーキ」って呼ばないで!』に戻りましょう。
「シュリンプ?マフィンの中に?正気なの。」「だったら なんだって言うの。」 ( Shrimp? In a muffin? It sounds crazy, why the heck not. )のセリフで始まるシュリンプとコリアンダーのレシピは、初っ端からぶっ飛んでいます。



バターガーリックシュリンプとコリアンダーのマフィン

材料:
薄力粉                  270g
砂糖                   90g
BP                    3ts
ブラックペッパー粗びき          1ts
塩                    1/2ts
レモンピール               1TBS
生のコリアンダー(チョップ)       1/4C
ミルク                  168g
バター                  75g
卵                     1個

シュリンプ:
シュリンプ(中)              8-1匹
ガーリック(潰す)             4-5個
バター                   15g


作り方:
シュリンプ:
1. オーブンを204℃に加熱する。マフィンのカップの底に油を塗る又は、紙のベイキングカップを入れる。
2. 鍋にバターを溶かしてガーリックを入れる。約20秒ソテーして匂いを出し、シュリンプを入れる。3-4分間シュリンプをクックする。塩を加える。

マフィン:
1. ボールに粉, 砂糖, BP, ペッパー, 塩, レモンピール(卸した)、コリアンダーを入れて混ぜる。
2. ミルク, 溶かしたバター, 卵, シュリンプを混ぜて粉類をしっとりとさせる。油を塗ったマフィンカップに3/4入れる。
3. 204℃で15-20分間焼く、又はきつね色になるまで、つまようじを刺して何もついてこなくなるまで焼く。1分間冷ましてマフィンカップから取り出す。

シュリンプとコリアンダー、それにレモンの香りの相性の良さはどんな料理にでも利用されています。このレシピはまだ試していませんがきっといい結果を得ることができるでしょう。作って近日中に絵をup roadしておきましょう。


続く。


ハラースレー~漁師のスープ

2016年07月28日 | 料理

 Hala'szle



http://www.hormigacocinera.com/receta-gratis/sopa-de-mariscosから引用しました。

皆さんは魚のスープを作るとしたら、どのようなスープを作りますか?
味噌汁にするかもしれませんね。それともドジョウ汁の類でしょうか。ひょっとしたら手の込んだ真薯(しんじょ)でしょうか。石狩鍋等の鍋物でしょうか。肉食が禁じられていた国ではたくさんの魚のレシピがあります。

海のない国、ハンガリーでは淡水魚使って「ハラースレ」を作ります。私は30年以上も前からハラースレーを作っていますが飽きのこない味です。
とりわけ、グンデル カーロイ ( 23/9/1883-28/11/1956 ) が Gundel's Hungarian Cookbook の中で書いた Hala'szle は素晴らしい味です。

「お菓子教室」でも今までに話題になったことはありますが詳しくは述べていなかったのでここに詳しく書いておきましょう。

その前に、グンデル カーロイの功績を称える記念プレートが掲げられたレストランと。その内部をご覧ください。






我々日本人にはあまり知られていませんが、彼がいかに優れた料理人であったかを述べておきましょう。彼が書いたGundel's Hungarian Cookbookは1934年にドイツ語と、その後英語とフランス語に翻訳されました。没後にはロシア語、チェコ語、イタリア語に翻訳され、実に初版本は50回以上出版されました。又1907年に出版されたエスコフィール氏の Le Guide Culinarie の序章を執筆しています。 彼が優れた料理人であったことを少しは納得していただけたでしょうか。

グンデル カーロイのハラースレー(6人分)

材料:
水           2L
鯉           2kg
タマネギ       250g

ピーマン       150g
トマト         70g    
パプリカ        30g

鯉のうろこを取り、胆嚢が敗れないように注意しながら腸を取り出します。鯉の背骨の両側の肉を卸します。1ミリごとにフィレ肉に切れ目を入れると、後で小骨が取れやすくなります。フィレを指二本程の厚さに切ります。フィレと卵と白子も塩じめし、冷蔵庫に入れます。冷やしている間に魚の残りの部分でスープを作ります。これらの煮たものを濾し器で裏ごしします。
濾すとスープは濃く美味しくなります。沸騰したら、パプリカを入れます、スープは前日に作っても構いません。このスープを皿につける前に、冷蔵庫に入れておいたフィレと卵と白子をこのスープに入れ、10分間煮てください。これにはハンガリー産の白ワインがよく合います。

鯉は冷凍でないできるだけ新鮮な魚を選びます。美味しいハラースレーは魚のだしの良さが基本になります。

ハラースレーにはいくつかのバリエーションがあります。

a) セゲドのハラースレー: 上と同じように作りますが、4種類の魚を用います。魚のおよその分量は鯉800g、ナマズ500g、チョウザメ350g、スズキ350gとなります。

b) コルヘイのハラースレー: 最初のレシピとほとんど変わりませんが、スープを準備する段階にローリエの葉を入れます。盛り付ける直前に、小さじ1杯の小麦粉と2diのサワークリームとお好みによってはこれにレモン汁を加え、なめらかになるまでよく混ぜ、スープに入れとろみを出します。レモンの輪切りで飾り付けをしてもきれいです。

c) カロチャのハラースレー: 最初のレシピからそれることはパスタを中に入れることです。
パスタの作り方:小麦粉120g、卵1個、塩でかために練ります。それを伸ばし、マッチ棒の太さに切ります。これを油を使わずにオーブンで黄色くなる程度に温め、魚が柔らかくなり切る前に、スープを熱くし、用意したパスタを落とします。

d) バクシのハラースレー: このスープは最初のレシピで示したカロチャのものとほとんど同じように作りますが、パスタをしき麺状に切ります。

次のレシピも参考になさってください。http://www.lajosmari.hu/recept/41/tiszai-halaszle一部分を抜き出しておきました。



Tiszai halászlé
Hozzávalók 4 személyre:

1 egész 1-1,2 kg-os tisztított ponty
500 g apró hal (pl. keszeg, kárász, törpeharcsa)
150-150 g haltej és ikra
1 nagy fej hagyma
1 paradicsom
1 hegyes-csípős zöldpaprika

1 ek. enyhén csípős pirospaprika
kevés cseresznyepaprika

ティサのハラースレー(セゲドにあるティサ川で獲れる魚を使ったレシピ)
4人分:

鯉 1〜1.2キロ
小さな魚(例えばブリーム、フナ、ナマズ)500グラム
魚の卵と白子 150〜150グラム
タマネギ 大1個
トマト 1個
スパイシーなピーマン 1個

少しスパイシーな唐辛子 大さじ1
カスカベル ( Cascabel chili, rattle chili、タバスコ並みの辛さの唐辛子 ) 少量





ザッハートルテ~ウィンツェ チョコラーデ タート

2016年07月25日 | 今月のお菓子

eense Chocolate ( Sacher ) Taart (ウィンツェ チョコラーデ タート) 

次に取り上げるレシピおよび上の画像はHET BESTE BAKBOEK van Ria van Eijindhoven ( オランダ ) から引用したものです。 

2016/10の「あなべるお菓子教室」ではザッハートルテを取り上げました。そのときにはウィーン、ドイツ、勿論デメルとザッハーホテルのレシピも入れて、総計13のレシピを検討したのですが、ドイツ文化圏※であるデンマーク、オランダのレシピを取り上げませんでした。あなべるのレシピに漏れはなかったのか、あらためて考えてみました。 

ドイツ、オーストリア、スイス、 リヒテンシュタインがドイツ語文化圏に入っていますが、ここでは「ドイツ文化圏」を「ドイツの文化の影響を受けている」の意で使いました。

最初に原典を挙げ、その下に訳を書きました。誤訳をご指摘いただければ嬉しいです。

 

WEENSE CHOCOLADE-TAART 

VOOR HET DEEG 

250g pure chocolade     in stukken, breken, au bain-Morie laten smelten en laten afkoelen.

250g zache boter        met een mexer op de hoogste stand in 1/2 minuut romig roeren ,de afgekoelde zachte chocolade erdoor roeren en na elkaar 1/3 van

150g suiker             met

5 eidooiers

3 eieren                 erdoor roeren

250g gemalen

anandelen

(met vel)

110g paneermeel

2 afgestreken tl

bakpoeder              mengen en met 1 eetlepel tegelijk erdoor roeren

5 eiwitten               stijkloppen, al roerend de rest van de suiker geleidelijk toevoegen , de stijve eiwitten voorzichtig door het bestlog scheppen en het in een    ingevette springvorm (28cm) doen, gladstrijken en de voorm op het rooster van de voorwarmde oven schuiven

oven op:                 150-175 graden C

baktijd:                  ongeveer 70 minuten

                         de taarbodem af laten koelen

3 el aalbessengelei        met

3 el water                al roerend aan de kook brengen, de boven-en zijkant van de taart gelijkmatig hiermee bestrijken

 

VOOR HET GLAZUUR

 

100g pure chocolade       met

wat boter                 au bain-Marie romig roeren, de taart er gelijkmatig mee bedekken en de nog vochitige bovenkant met

slagroom                 versieren. 

 

ウィンツェ チョコラーデ タート

材料: 

ダークチョコレート          250g

バター( 柔らかくしておいた)      250g 

チョコレート細かく砕く。ダブルボイラーで溶かし冷ましておく。ミキサーにバターを入れて高速で1/2分間回してクリーム状にする。冷ましておいたチョコレートを1/3ずつ入れて滑らかにする。

 砂糖                 150g

卵黄                  5個

卵                   5個 

砂糖(おそらく半分の80g)、卵黄5個、卵5個、アーモンドプードル(皮付き)250g、ブレッドクラム110g、BP 2tsを混ぜる。 

アーモンドプードル ( 皮付き )      250g

ブレッドクラム             100g

BP                   2 ts

卵白                  5個 

卵白5個に残りの砂糖(おそらく70g)を少しずつ加え、絶えずかき混ぜて固く泡立てる。

均一に脂を塗ったスプリングフォルム ( 28cm ) に入れる。

予熱したオーブン:

150-175℃ 

泡をつぶさないように優しく型を金網の上を滑らせて150-175℃に予熱したオーブンの中に入れ、約70分間焼く。タルトを冷やす。 

レッドカラントゼリー          3TBS

水                   3TBS 

レッドカラントゼリー3TBSに水を同量入れてボイルする。タルトの側面と上に均一に塗る。

 上掛け 

ダークチョコレート           100g

バター                 適量

ホイップクリーム 

二重鍋にダークチョコレート100g、バターを適量入れて混ぜ、タルトの上に均一に塗る。

ホイップクリームを上に飾る。 

「ウィーンを離れたお菓子のレシピは、たどり着いた土地柄を反映して大きくその内容を変える。」そのことは分かっていたつもりですが、今回は少しショックでした。同じプラットホームから出た遠距離列車がしばらく並行して走っていたが、突然大きく向きを変えて走り出した時の衝撃に似ています。線路の行き先が違っていたのだから。 

姿は似ているが、まるで違うお菓子になっている。KLASSIEKE TAARTEN (クラシック タルト)と名の付いたこのお菓子は、少し平坦な顔をしているが、まさしくザッハートルテを模したものだったはずだ。アーモンドの味を強調し、クラムを使った生地は遠い異国を思わせる。レッドカラントの上掛けはあまりに酸味があり、バターを利かせたチョコレート味と相まって、それはそれで調和しているが。

同サイズの本来のザッハートルテであれば200g以上は使うであろうアプリコットジャムは、もったりとして甘い甘いチョコレートと良いハーモニーを奏でるはずです。 

ザッハーホテルのザッハートルテ

サッハーホテルのザッハートルテはhttps://de.wikipedia.org/wiki/%C3%96sterreichische_K%C3%BCche#/media/File:Sachertorte_DSC03027_retouched.jpg から画像を引用させていただきました。

又、デメルのザッハートルテは次のサイトから引用させていただきました。 https://hogletk.wordpress.com/2010/04/21/the-demel-vienna/

 

ドイツの文化圏内に入っている国でありながら、しかもそんなには離れていない隣国なのに、ドイツケルンからはわずか200km余りなのに、まるで3,000km以上も離れたニューヨークと同じようにそのレシピは変化しています。 

ニューヨークタイムズが出したザッハートルテのレシピを紹介しておきましょう。 

The New York Times COOK BOOK by Crig Claiborne 1961から 

1/3 cup butter, at room tempearture

6 tablespoons granulated sugar

1/2 cup (3 ounces) semisweet chocolate pieces, melted

4 egg yolks

1/2 cup plus 1 tablespoon sifted flour

5 egg white

2 1/2 tablespoos apricot jam 

 

ザッハートルテの歴史については http://www.eonet.ne.jp/~annabel/sachertorte.html に詳しく書いておきました。ご覧ください。


ゼラチン、アガー、寒天、ペクチン

2016年07月23日 | 洋菓子

 Gelatin, Agaragar, Agar, Pectin 

 

ココナッツと寒天を使った涼しげなデザート、これは http://www.feastie.com/recipe/olives-dinner/coconut-pomegranate-and-lime-kantenから引用しました。 ココナッツ、ザクロ、寒天を使った夏のお菓子です。カリフォルニア州ロサンゼルスのレドンドビーチからのメッセージですが、ザクロをいったん水で洗ってから寒天で固めるなどちょっとした「コツ」が見られます。 レシピは上のサイトから得ることができます。興味のある方はご覧になって下さい。 2014年来、日本には国内生産を上回る量の寒天が現在輸入されています( チリ、韓国、モロッコの3 カ国で8 割以上を占める ) が、海外では寒天を使ったレシピが最近増えてきました。上のサイトの記事は、もう一度寒天を見直す良い刺激になりました。寒天のどの点が注目されているのかサイト内の会話から知ることができます。 Coconut, Pomegranate and Lime Kanten INGREDIENTS for the clear portion 2 cups cold water 1 tsp agar powder 2 TB raw agave syrup for the coconut portion Small can of full-fat coconut milk (161 mL) 1 tsp agar powder 1/8 tsp salt to finish 1/2 pomegranate, seeded and rinsed lime zest of 1/2 lime

我々が料理によく使う「ゼラチン、アガー、寒天、ペクチン」は食品衛生法でいうところの食品添加物に当たります。それらの特性をよく知り、活用することが大切だと思います。一度は詳細を知っておくことも大切だと思い、今回取りあげました。

<食品添加物の定義> 食品衛生法第4条第2項で、「添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。」と定義し、次の4つがそれに当たります。

<指定添加物> 食品添加物は、化学的合成品や天然添加物など製造方法の違いに係わらず食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定した添加物でなければ、使用することができません。 平成27年9月18日現在、449品目が指定されており、食品衛生法施行規則別表第1「指定添加物リスト」に収載されています。

<既存添加物> 長年使用されていた実績があるものとして厚生労働大臣が認めたものを「既存添加物名簿」に収載し、引き続き使用することを認めています。 既存添加物名簿には365品目が収載され、品名や基原、製法、本質などは、「既存添加物名簿収載品目リスト」に収載されています。安全に問題のあるもの、使用実態のないものについては、名簿から消除されることがあります。

<天然香料> りんごや緑茶、乳などの動植物から得られる着香を目的とした添加物で、一般に使用量が微量であり、長年の食経験で健康被害がないとして使用が認められているものです。 「天然香料基原物質リスト」に612品目の基原物質が収載されています。

<一般飲食物添加物> 食品衛生法第10条では、「一般に食品として飲食に供されているもので添加物として使用されるもの」と定義されています。 例 オレンジ果汁を着色の目的で使用する場合   こんにゃくの成分であるマンナンを増粘の目的で使用する場合 「一般飲食物添加物品目リスト」に品目が収載されていますが、すべての食品が対象となります。 我々が日常使っている添加物の特性をまとめました。

 

                             ゼラチン       アガー      寒天                ペクチン        

                                                                                                                             HM   LM

材料             骨,皮のコラーゲン   カラギーナン      テングサ,オゴノリ                  柑橘類、リンゴ

溶解温度               50-60℃       90℃以上     90℃以上            90-100℃  90-100℃

冷えて固まる温度 20℃以下       30-40℃     30-40℃                 60-80℃  30-40℃

凝固後に

溶け出す温度   25度以上      60℃以上      85℃以上        80-90℃  50-100℃

アガーは溶解温度と固まったものが溶け出す温度との間隔がほかのものに比べて狭いので、扱いやすいといえます。

そんなアガーの特性を生かして作ったスイーツの絵を見つけましたので紹介しておきます。

http://auntyyochana.blogspot.jp/2006/11/pictures-of-agar-agar-jelly-pudding.html から引用しました。 アガーの中にはどんな材料も溶かし込むことができるので、カスタードプディング、パンプキンプディング、チョコレートプディング等何にでも姿を変えて演出することができます。固まるときの温度が低いので、生の果物のほか何でも中に入れることができます。上のサイト: AUNTY YOCHANA SHOWS YOU HER GOODIES... をご覧ください。

ゼラチン、寒天は一般食品添加物、アガー、ペクチンは既存添加物になっています。その他にキサンタンガム、アマシードガム、アルギン酸、アラビアガム、エレミ樹脂等数えきれない程の増粘安定剤があります。そのうち比較的よく使われているものを次に挙げておきます。

寒天については、厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課
(平成3年6月) (平成19年10月一部改正)で、

”(問4) 寒天を使用した食品において、「寒天」はどのように表示すればよいか。

(答) 寒天を食品として使用する場合には、食品添加物表示は不要である。なお、食品添加物としての目的で使用する場合には、現在Bリストに収載されていないので報告を行う必要があり、また、食品添加物としての表示が必要である。” と記されています。食品品として使う場合は記載する必要はありませんが添加物として使う場合には必要です。

 

カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC) 植物繊維のセルロースを水酸化ナトリウムなどで処理して製造し、水に容易に溶け、粘性、安定性、保護コロイド性などの特性を持っています。糊の感触があるのでアイスクリーム、シャーベット、ソース、めん類等に使われています。(指定添加物)

キサンタンガム グラム陰性菌であるキサントモナスの培養液から分離して製造します。成分は、グルコース、マンノース、グルクロン酸などからなる多糖類です。ローカストビーンガム、グァーガムと併用すると、増粘効果が出ます。100℃近い高温で加熱しても、温度が下がっても粘度が変わらず、塩分など塩濃度が濃くても影響受けず、酸性・アルカリ性でも安定しています。しかも冷凍・解凍を繰り返しても粘性に変化はほとんどないのでドレッシング、たれ類、漬物、つくだ煮、冷凍食品、レトルト食品に使われています。(既存添加物)

グァーガム(グァー、グァルガム、グァーフラワー) マメ科グァーの胚乳成分を粉砕して製造します。主成分は、ガラクトマンナンからなる多糖類で、冷水に容易に溶け、高い粘性を示すのでドレッシング、ソース、アイスクリーム、即席めん類等に使われています。(既存添加物)

添加物に関しての資料は東京都福祉保健局のhttp://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/shokuten/index.htmlから引用させていただきました。


パン~モラヴィアンコーヒーケーキ

2016年07月21日 | パン

Moravian Coffee Cake

ジェームス ビアード ( James A. Beard ) が1973年に著した ”ビアードさんのパンの本 ( Beard on bread ) ” の中にモラビア風コーヒーケーキ ( Moravian Coffee Cake ) のレシピがあります。日本でも翻訳( 1976年に根田春子訳で )され、その後10年余りの間に十数刷発行されているのでこのパンを作られた方も多いと思いますが、皆さんはどのようなモラヴィアンコーヒーケーキを焼かれたでしょうか。

レシピ通りに膨らませた生地の上にブラウンシュガー1/2カップとシナモン2tsを混ぜて振りかけ、溶かしバター1/2カップを上から注ぎ、2倍の大きさに膨らませて、177℃で30-35分焼くと、パンは次のような姿になります。



このパンを作った方はパンを作ることに慣れていてうまく焼いていますが、それでも表面が焦げているのがわかります。彼は自身のサイトhttp://www.brooksbakesbread.com/?cat=4 の中で「全体に甘すぎて、レシピに書かれているトッピングのブラウンシュガー以下は不要なのでは。」と述べています。私も何回か試みましたが、甘くて、そして砂糖が焦げて苦くて食べられませんでした。

本に書かれているレシピは ( 中型食パン型2個分 ) で次の通りです。

強力粉                 3~5 1/2カップ
ドライイースト             14g
水                   1/2カップ
グラニュー糖              1/2カップ
バター                 1/4ポンド
塩                   小さじ1/2
卵                   2個
マシュトポテト(インスタントでもよい) 1/2カップ
ブラウンシュガーまたは赤砂糖      1/2カップ
シナモン                小さじ2
溶かしバター              1/2カップ

粉2カップとイーストを混ぜ合わせます。鍋に水、グラニュー糖、バター、塩を入れて、38℃~46℃に温め、粉とイーストに加えて混ぜます。ここにマッシュポテト、粉1カップを加えて混ぜます。これをつやが出るまで焼く8~10分こねます。暖かいところにおいて発酵させます。
発酵したらガスを抜いて2等分し、10分休ませます。たたきのばすか、めん棒で伸ばして巻き上げます。22.5x12.5x7.5センチの型2個にバターをぬって生地を入れ、ブラウンシュガーとシナモンを混ぜ、生地の上から振りかけます。溶かしバターを上から注ぎ、温かいところに置いて、2倍の大きさにふくらむまで約1時間発酵させます。
あらかじめ177℃に熱しておいたオーブンに型を入れ、30~35分焼きます。型の中で5分ほどさましてから取り出します。

生地を電動ミキサーを使って撹拌する行程ともっと甘いのが好きな方は、シュガーアイシングをかけてくださいという ”粉砂糖を1 1/4~2カップ使ったシュガーアイシングのレシピ” は省略しました。

このレシピはJames A. Beard ( 1903/5/5—1985/1/21 、アメリカ料理界の長老で、新聞、雑誌、テレビで活躍し、料理学校を経営、数多くの料理書を著した ) のものであるということで様々な方が作られたと思いますが、レシピを疑問に思った方は少ないようです。
レシピに先立って ”これは甘みを控えた、コーヒーケーキの典型的なもの。モラビア人たちが定住している、ペンシルバニアなどでよく見かけられます。焼きたてに、バターやプリザーブを添えていただくとすばらしい味です。“ と前置きされた「モラビアンコーヒーケーキ」の本当の姿はどのようなものなのでしょう。一度作った経験のある方は、このレシピに対してかすかな疑問を抱かれているのでは?と思います。

ネットで偶然、両親がシカゴに住むモラビア人から「モラヴィアンシュガーケーキ」の情報を得ることができました。
彼は次のように述べています。『現在アメリカには二通りのモラビア人が住んでいます。それは宗教の自由を求めて1700年代に現在のチェコのモラヴィアからドイツを経てアメリカのノースカロライナとペンシルバニアに移り住んだペンシルベニアドイツ語を話すモラヴィア兄弟団 ( Moravian ) と最近になってアメリカのシカゴ、ウイスコンシン、ミシガン、オハイオ、ニューヨーク、カナダに移り住んだ人達です。モラヴィアンコーヒーケーキは、もともとはイースターの朝のために作られたものです。』

この情報がきっかけでネット上から次の3つのレシピを得ることができました。

ミネソタ州、ワコニアにあるワコニア モラヴィアン教会 ( Waconia Moravian Church ) のサイトから引用しました。http://www.waconiamoravian.org/multipage.php?id=15121&



これがモラヴィアンシュガーケーキだと言うのです。

Recipe #1 - TRADITIONAL MORAVIAN SUGAR CAKE ( 伝統的なモラヴィアンシュガーケーキ )

材料:
マシュポテト          1C
ポテトを煮た湯         1C
ドライイースト         14g
ぬるま湯            1/4C
バター             1/2C
ショートニング         1/2C
砂糖              1C
卵               2個
塩               1ts
中力粉             6C

トッピング:
ブラウンシュガー        2/3C
シナモン            1TBS
バター             1/2C

作り方:
ポテトを約25分間柔らかくなるまで煮る。煮汁を1C取っておく。イーストをぬるま湯に入れて溶かす。バター、ショートニング砂糖をボールに入れてクリーム状に練る。卵を加える。順次、マッシュポテト、取っておいた煮汁、塩、イースト液を入れて混ぜる。小麦粉を混ぜて柔らかいドウを作る。ドウをボール状にして脂を塗ったボールに入れる。タオルをかぶせて暖かい場所に置いて2倍の大きさになるまで(2-3時間)寝かせる。軽く粉を打ったボード上でパンチし、軽く練って2分割する。33 x 23 x 5cm大きさの脂を塗った型に入れる。均一に型に入れて軽くタオルをかぶせて2倍の大きさになるまで膨らませる。親指と人差し指を使って大きな凹みを全面に作る。その穴の中にトッピングを入れる。180℃ で約25分間表面がきつね色になって真ん中まで火が通るまで焼く。
四角に切って熱いうちにサーブする。

Recipe #2 - Winklers ※ Moravian Sugar Cake ( モラヴィアンシュガーケーキ )
※Winklersというのはノースカロライナ州中北部のウィンストン・セーラムの旧市街にあるベイカリーの名。

材料:
ドライイースト          14g
砂糖               1/2ts
水(110F)           3/4C
水                3/4C
砂糖               1/2C
ノンファット粉ミルク       2TBS
インスタントマシュポテト     2TBS
塩                1/2ts
バター              1/2C
小麦粉              3C

トッピング:
ブラウンシュガー         1C
シナモン             1ts
バター              1/2C

作り方:
暖かい水の中に砂糖1/2tsとイーストを振り入れて泡立つまで置いておく。
材料を7種類と粉を1C入れて木杓子で混ぜる。残りの粉を入れてブレッドのドウの固さになるように必要であれば粉を足す。脂を塗ったボールに入れて返し、脂で覆う。バターを少量ずつドウの中に埋め込む。2倍の大きさに約1時間かけて膨らませる。パンチして脂を塗った浅い型(43 x 30 cm)の中に入れて30分間かけて膨らませる。ブラウンシュガーとシナモンを振る。表面を軽くへこませて残りのバター1/2Cを振りかけて180℃で12-15分間きつね色になるまで焼く。熱くして又は室温でサーブする。

Recipe #3 - LAZY MORAVIAN SUGAR CAKE (quicker to make, but still very good)( 怠け者のモラヴィアンシュガーケーキ;素早く作れてしかも味がよい)

材料:
小麦粉              3 3/4C
砂糖               1 1/2C
ベイキングパウダー        2 1/2ts
バター              6TBS
ミルク              1 1/2C

オーブンを180℃に予熱する。23 x 33cm又は 5 x 23cmの型に脂を塗る。粉類を混ぜる。バターを入れてミルクを混ぜる。スプーンで型の中に入れてブラウンシュガーとシナモンを混ぜて作ったトッピングを全面に振る。バターを所々に置く。20-25分間焼く。

三番目のレシピは詳細が不明ですが、一番目と二番目のレシピからモラヴィアンシュガーケーキの内容 ( 中力粉を使ったお菓子のレシピであったこと。砂糖、卵、バターの量が多い柔らかい生地であること。粘度が高く、保水性に優れた馬鈴薯デンプン(マシュポテト)を入れてモチモチ感を狙っていること。生地と相性に良いブラウンシュガーとシナモンを使ったこと ) が把握できたと思います。

又次のサイト https://anguksuar.wordpress.com/2009/07/25/setting-the-table/morsugcake/ には次のようなコメントがありました。絵と一緒に紹介しておきます。



これが有名なモラヴィアンシュガーケーキです。小さいときにはよく食べたものです。プディングの入ったケーキとしてよく知られています。ドウの全面に凸凹を作って、溶かしバター、シナモンとブラウンシュガーをその中に盛り入れてプディングにしたものです。

ビアードはモラヴィアンケーキを食べてこれをパンにしようと思ったのでしょう。シュガーケーキを焼く型の1.5倍の深さの型を使ってその中にドウを入れたのですが、型の深さに比例して、焼き時間を1.4倍にしなければならなくなりました。砂糖を180℃で35分間焼けば上の絵のようになります。ちょっと強引過ぎた?ようです。彼はレシピの粉の量を3~5 1/2Cと幅を持たせて書いています。3Cの場合はトッピングは焼いている途中で生地の中に埋もれて焦げませんが、5 1/2Cの粉でドウを作った場合は最初の絵のように、トッピングはドウの上を滑って周りのクラストを焦がしてしまいます。しかも絵からも分かるように柔らかい生地のために、まるでパウンドケーキのように真ん中が割れます。

モラヴィアンシュガーケーキの長所を持ったパンを作るにはいくつかの工夫が必要になってきます。モラヴィアンケーキの内容を踏襲しつつ新しいモラヴィアンコーヒーケーキ(パン)を作ってみることにしました。

新しいお菓子や料理を作るには幾つかの方法があります。その中で手始めに試みることは、”内の物は外に、外の物は内に”という方法です。「何それ?」といわれるかもしれませんが、これがなかなかいい方法なのです。
ここでは、外にかけた物を中に入れて巻き込むだけの事ですが、フィリングの一部を取り出してトッピングにすることもアイデアの一つとしてとりあげることができます。(その逆も可能です)幾つかの例はこれまで教室で実際に作ってお見せしてきたので、「あれの事!」と思い出されることでしょう。それでは私の作ったモラヴィアンコーヒーケーキの絵を張り付けておきましょう。砂糖の量を減らすためにクルミのみじん切りを一緒に入れました。食べる前に厚くスライスしてラップに包み40秒ほど電子レンジにかけると焼きたてのフカフカした風味が味わえます。






ヨーグルト~タンドリーチキン

2016年07月16日 | ヨーグルト

ヨーグルト乳酸菌と効果、商品名 

 

http://おすすめ乳酸菌.com/%E7%A8%AE%E9%A1%9E/から絵を引用させていただきました。サイトを開くと楽しい絵の入った解説があります。

 

現在日本ではたくさんの種類のヨーグルトが市場にあります。世界中を見渡しても稀な国だと思います。「あなべるお菓子教室」では、売られているヨーグルトを使って簡単に家庭で作る方法をすでにお話してきましたが、この数年の間に5-6種類のヨーグルトが又新しく誕生しました。ネットで調べればすぐにわかることですが、各メーカー間の効果が比較しやすいように新製品を追加して一覧表にしました。マーケットで新しくヨーグルトを選択する際の参考にしてください。

 

            乳酸菌名                    効果                     商品名 

 

 

 

          ガゼリ菌 SP株                     内臓、皮下脂肪                        ナチュレ恵

 

          LB 81 乳酸菌                     皮膚機能の改善                   ブルガリアヨーグルト

 

          BB 536                                  花粉症                             森永ビヒダス

 

          カゼインシロタ株                       発がんリスク                       ヤクルトソフィール

 

          ガゼリLG 21                                     ピロリ菌                     明治プロピオヨーグルト

 

          ラムノーザス LGG                 便秘、インフルエンザ                   タカナシ LGG

 

          ビフィドバクテリウム HN019    抗アレルギー       ルナバニラヨーグルト

 

          ビフィドバクテリウム BE 80           便秘                                    ダノンビオ

 

          L-55                                     整腸作用                              オハヨー乳業

 

          ビフィズス菌 LKM 512           アトピー、腸の老化                          メイトー

 

          ビフィズス菌 Bb-12                       便秘                    十勝プレーンヨーグルト 四つ葉, 小岩井

 

         OLL 1073R-1                            インフルエンザ                            明治R-1

 

       クレモリス菌FC株                            コレステロール                    フジッコカスピ海ヨーグルト

 

         乳酸菌PA-3 株                               痛風                               明治PA-3ヨーグルト

 

         プロバイオティクス乳酸菌                     便秘                              グリコ ヨーグルト健康

 

         ラクトバチルス ブルビスemsp;       便秘          カゴメ植物性乳酸菌ブルビス      

 

 

 

カスピ海ヨーグルト、ラクトバチルス ブルビスなど植物由来の乳酸菌 ( 植物性乳酸菌ではありません ) はほかの乳酸菌 ( 動物由来の乳酸菌 ) とは違って増殖のための最適温度が20-30℃と低めです。培養時の温度設定を従来の設定温度よりも10-20℃低めにすると安定したヨーグルトができます。

 

ヨーグルトを使ったレシピを一つご紹介しておきます。長年私が使ってきたもので、教室で何回かご紹介したので、お家で作られている方もあるかもしれませんが取りあげておきました。絵は次のサイトから引用させていただきました。  http://www.yummytummyaarthi.com/2014/10/tandoori-chicken-recipe.html
レシピの内容は上のサイトから引用したものではなく、30数年前にインドの友人から譲り受けたものです。 Tandoori Murgha(タンドールで焼いたニワトリ肉)という料理で、北インドの料理です。内容を少し自分用に変えて使ってきました。 4-5人分 ニワトリ              1.3kg 塩                 1/2ts タマネギ (卸したもの)      1個 ショウガ (卸したもの)      親指大 ガーリック (卸したもの)     2個 コリアンダーシード(挽いたもの)  1TBS チリパウダー            1/2ts ターメリック            2ts※ ヨーグルト             500g レモンジュース           1個分 ブラックペッパー          適量 ※Tandoori Murghaにターメリックを使うなんてみたことがないと言われるかもしれない。しかし私はこのレシピが一番だと思っている。ショウガは非常に細かく刻んだ方がいいが、中途半端に刻むのであれば卸しても良い。 全てをボールに入れて4-5時間~一晩冷蔵庫で寝かせる。グリル又はオーブンで焼きます。本当はタンドールで焼くのですが、インドの家庭にタンドールを備えた家庭は少ないので、時々、スパイスの混合液をつけながら焼いてゆきます。このレシピのいいところは、レモンジュースとコリアンダーでレモン味とレモンの香りをニワトリに付け、且つ、レモンの酸味でヨーグルトの酸味を深めているところです。( 使うヨーグルトは酸味のある、香りのついていないものを選びます )フランスパリの下町を歩くと、コーニッシュにイングリッシュマスタードソース※を付けて焼くいい匂いが通りを流れてきます。(イングリッシュマスタードに入っているワインヴィネガーとヨーグルトに含まれる酸は同じ酢酸です)酸っぱい調味料とニワトリは良い取り合わせです。ヨーグルトは多すぎるように思われるかもしれませんが、一晩ニワトリを漬けておくことでニワトリの肉を柔らかくし、鉄板で、あるいはオーブンでニワトリを焼くとヨーグルトがニワトリの肉の方に吸い寄せられるようにくっ付き、ヨーグルトが余るということがありません。 サフランライスの上に焼いたトリをのせその上にオニオンリングとレモンスライスで飾ります。ナンとスライスしたトマトサラダを添えてサーブすると「タンドーリ ムルガ」の完成です。 ※イングリッシュマスタードは非常に簡単に手作りすることができます。 イングリッシュマスタードの絵とレシピはhttp://www.davidlebovitz.com/2013/03/homemade-mustard-recipe-joe-beef/から引用しました(レシピの一部分を手直ししています)。 マスタードシード55gを一晩ホワイトワインヴィネガー80gに漬けておきます。そして次の材料をすべて一緒にブレンダ―に入れて攪拌します。ビンに入れて出来上がり。 材料;カイエンペッパーひとつまみ、ターメリック1/2ts、塩1/2ts、蜂蜜又はメープルシロップ1TBS。ホワイトワイン又は水80g。絵からわかるように出来上がりは少し粘度があります。水又はヴィネガーで酸味と固さ調整します。 できるだけ上のレシピ(タンドリー ムルガ)に近い画像をhttps://za.pinterest.com/pin/304626362267661235/ から引用しました。口頭だけでお伝えしていたのを(お菓子とは関連がないので)ここに書置きしておきます。




上はタンドールです。比較的小さなもので、大きなものはもっと深く、中に入れた炭が見えないほどの深さがあります。https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g43732-d6154497-Reviews-Tandoori_Oven-Columbus_Mississippi.html から引用しました。

それから、以前から気になってのですが詳しくお伝えしていなかったタンドリーチキンに使われている「赤色色素」について述べておこうと思います。

タンドリーチキンに使われている「赤色色素」はいずれも通常使用量による反復投与毒性試験、発がん性試験、変異原性試験で毒性のないことが確認されてはいますが、日本以外の国では禁止されている物も多く、少なくとも食べて体にとって有益であるとは言えません。日本で使われている(許可されている)赤色色素には次の物があります。 石油から作る合成着色料(タール色素);赤色2号、3号、40号、102号、105号、106号。 植物を原料とした天然着色料;アカネ色素等 動物を原料とした天然色素;カイガラムシ由来のコチニール等 がありますが「天然色素」の名前に惑わされて害がないと思ったら大変です。一つ一つについて言及はしませんが、最近はインド人の友人もタンドリーチキンには色素を使わないことが多いです。どうしても「赤色」にこだわる、お年寄りのお客様にはパプリカの粉を使っているようです。許可された色素や添加物であっても年間「キログラム」の単位で摂取すれば何らかの障害が起きるのは当然でしょう。

ヨーグルトをたくさん使う、ラッシー、フローズンヨーグルト、ケバブのソースなどについては又の機会にしましょう。

 

 


テリーヌ~夏のフルーツテリーヌ

2016年07月15日 | 洋菓子

A terrine of summer fruits



http://cookery-ideas.co.uk/a-terrine-of-summer-fruits-2/から引用しました。この絵はよほど人気があるらしく、いろいろなところで引用されています。このblgもそうだけれど。アイキャチングがあるのでしょう。
サイトの持ち主は、このレシピは Delia Smith’s Summer Collectionから引用したといっています。気になる方は http://www.deliaonline.com/recipes/books/delias-summer-collection をみてください。

ところで夏といえばやはり「涼しさを感じる」テリーヌでしょう。そこでいかにも涼しそうな「果物のテリーヌ」を取り上げました。果物のテリーヌにはゼラチンを使ったもの、アガーアガーなどの寒天類を使たものなどの透明感を主張するものと、マスカルポーネなどのチーズ、アイスクリームなどの乳脂肪をつかたもの、ブレッドを使った、どちらかというとサマープディング※に近いものなどがありますが、ここでは絵にあるような透明感を出したテリーヌを目指そうと思います。ここでもただのテリーヌではなく、今までとは全く異なるレシピを作り出そうと思います。ちょっとやってみますね。

とりあえずレシピを丸写しします。それから気が付いたところに思いついたことを書き足していきます。
そうこうするうちに、丸写ししたレシピが頭の中では全く原型を留めないほどに変形してゆきます。
只「これは良い」と思ったところの「精神」だけは取り込んでおいて。

Serves 6-8

Ingredients
15 fl oz (425 ml) sparkling rosé wine
2 oz (50 g) caster sugar
2 x 0.4 oz (11 g) sachets gelatine powder
1 tablespoon fresh lime juice
For the fruit:
12 oz (350 g) small strawberries
8 oz (225 g) raspberries
12 oz (350 g) blackcurrants, redcurrants and blueberries – 4 oz (110 g) of each or any other combination you like.

You will also need two 2 lb (900 g) loaf tins, 7½ x 4¾ inches x 3½ inches deep (19 x 12 cm x 9 cm deep), preferably non-stick but anyway with a good surface.

テリーヌ全体を固めるものに、このレシピではスパークリングのロゼワインを使っています。このほかに、ホワイトグレープジューズ、グレープ・ピーチジュース、オレンジ・レモン・ザクロのジュース等のジュース類、ウオッカなどのリキュール類が考えられます。

一方、果物はベリー類、オレンジ類を入れるだけではなく、ミント、チャイブなど全体の味を引き締める緑色をしたハーブを入れることも考えられます。(最初に取りあげた絵からもわかるように)一つ一つが個性的な存在でいて全体のバランスを崩さないことが大切になります。

Method
First prepare the fruit: remove the stalks and halve the strawberries if they are any larger than a quail's egg.

ここでいうように果物の大きさも考える必要があります。果物を潰さないように注意しなければなりません。

Then mix the fruits together in a large bowl, being very gentle so as to avoid bruising them. In a small saucepan heat half the rosé wine till it begins to simmer, then whisk the sugar and gelatine into it.
Make sure that everything has dissolved completely before adding the remaining wine and the lime juice.
Then pour the liquid into a jug and allow it to cool.
While that's happening, lay the mixed fruit in one of the loaf tins – and it's worth arranging the bottom layer with the smallest, prettiest-shaped fruit as this will be on top when the terrine is turned out.

テリーヌはひっくり返すわけですから、底即ちサーブしたときに上にくるところにはきれいな、小さな果物を入れると美味しそうに見えることになります。

Next, pour all but 5 fl oz (150 ml) of the liquid over the fruit. Now lay a sheet of clingfilm over the tin, place the other tin directly on top, then put two unopened tins of tomatoes or something similar to act as weights into the top tin and put the whole lot into the fridge for about 1 hour, or until it has set.
Then warm up the remaining 5 fl oz (150 ml) wine mixture and pour it over the surface of the terrine.

Note: In testing I have found that it is necessary to add the smaller amount of jelly at the end to avoid spillage when weighting, as it's this weighting which makes the terrine easy to slice.
Re-cover with clingfilm and return to the fridge overnight to set firm.
When you are ready to serve, turn out the terrine by dipping the tin very briefly in hot water and inverting it on to a plate.
Use a very sharp knife (also dipped first into hot water) to cut it into slices. Serve with chilled pouring cream, crème fraîche or Greek yoghurt.

※サマープディングについて少し知っておく必要がありそうです。
絵とレシピを http://www.oprah.com/food/Summer-Pudding-with-Rum-Whipped-Creamから引用させていただきました。



Servings: Makes 8 servings
Ingredients
1 pint strawberries , cored and sliced
1 1/2 cups sugar
1 1/2 pints raspberries , plus additional for garnish
1 pint blueberries , plus additional for garnish
2 tablespoons framboise (or other raspberry liqueur)
1 to 1 1/2 pounds brioche or other egg bread
1 cup (1/2 pint) heavy cream , cold
3 tablespoons sugar
1/2 teaspoon pure vanilla extract
1 tablespoon dark rum

ストロベリーを11分間、ラズベリーとブルーベリーを6分間砂糖を入れて煮ます。これをブレッドの入れ物の中に入れてブレッドで蓋をして冷蔵庫で一晩~二晩寝かせます。

Directions
Combine strawberries, sugar and 1/4 cup water in a large (6- to 8-quart) saucepan and cook uncovered over medium-low heat 5 minutes. Add 2 cups raspberries and all blueberries and cook 5 more minutes, stirring occasionally, until mixture simmers. Continue cooking 1 minute. Remove from heat and add remaining raspberries and framboise.

Slice bread into 1/2-inch-thick slices and remove crusts. Ladle about 1/2 cup cooked berry mixture into bottom of soufflé dish (approximately 7 1/2 inches across by 3 inches high). Arrange one layer of bread slices side by side in a circular pattern (this will become the top when pudding is unmolded); add more berry mixture to saturate. Continue adding bread, slicing to fit mold, and berry mixture. Finish with bread, and top with any remaining berry mixture.

Cover pudding loosely with plastic wrap and place a plate (with approximately the same diameter as inside of mold) on top. Weight with a heavy can and refrigerate. Remove weight after 6 to 8 hours. Continue to refrigerate overnight or up to 2 days.

これだけでは中のフィリングは固まりません。( 果物は少なくとも30分以上煮て、総量が2/3~1/2にならないとナイフで切れるほど固く固まらないでしょうから ) 普通サマープディングは切り分けると中のフィリングがドッと外に出てきます。

To make topping:
In a small bowl, whip cream until it starts to thicken. Add sugar, vanilla and rum. Continue to whip until stiff peaks form.

Run a knife around outside of pudding; unmold upside down onto a serving plate. Garnish with fresh fruit. Serve in wedges with whipped cream.

それでは果物を使った更に進化?したレシピはないものでしょうか。(サマープディングは完成したデザートです。これに敢えて手を加えようというのではありません)

これは terrina di frutta fresca con coulis al kiwi というデザートです。Doli che piacere!  Antonio e Cinzia Piccinardi の97p.から引用した” フルーツテリーヌ のキウイソース” 添えです。

絵にあるようにバナナと卵黄、ゼラチンを使ってストロベリー、マンゴーなどの旬のフルーツを閉じ込め、冷蔵庫で冷やし固めた後、キウイで作ったソースをかけ低ます。カスタードをゼラチンで固めるとはイタリアのレシピは示唆に富んでいます。茶碗蒸しのデザート版です。

http://www.cucina-naturale.it/ricette/dettaglio/4458 にも terrina al torroncino con coulis di kiwi  という参考になるレシピがあります。豆腐を使っていますがほかのものに変えることもできます。

              

上のレシピを組み合わせた、新しい、涼しげでありながらコクのあるレシピの構想を組み立てることができたでしょうか。?

 








パン~マジパンツオップ

2016年07月13日 | パン

Marzipanzopf ( マジパンを編み込んだパン )



この絵はBackvergnugen wie noch nie から引用しました。zopfとは冒頭にあるように、三つ編み、あるいはくるくるとフィリングをドウの中に巻き込んだパンを指します。写真のパンはフィリングを巻き込んだドウを2つに切り分けて編んだパンです。この絵のパンは非常に上手に編み込まれていて、これ以上の「業物」をネット上で見つけることはできませんでした.

http://makandelights.blogspot.jp/2012/11/nusszopf.htmlから絵を引用しました。



これに比べて最初のzopfは層が5-6つあっておいしそうに見えます。ナッツの層が多いほど、ナッツが一塊に固まっているよりも、均等に美味しさが広がっている方が、見た目も味も優れていると言えるでしょう。そのためにはドウをできるだけ伸ばしてナッツをできるだけ広げて巻いていくしかないでしょう。その方法を見てみましょう。



この絵はhttp://vorgekostet.de/nusszopf/から引用させていただきました。どのようにすれば層の多いきれいなzopfができるのか、このサイトには詳しい作り方が述べられています。半分に切ってできるだけ回転させるのではなく、できるだけたくさんナッツを巻き込むことも必要だということがわかります。ドウは薄く、くるくるとナッツを巻き込んで、半分に切ってきれいに編み込むことがtip のようです。

レシピも引用させていただきました。

Zutaten:

Für den Teig:

200 ml Milch
425 g Mehl (Typ 450)
20 g frische Hefe
75 g Butter
50 g Zucker
1/2 TL Salz
1 Ei (Größe M)

Für die Füllung:

100 g gemahlene Mandeln
100 g gemahlene Haselnüsse
1,5 TL Zimt
1/8 TL gemahlene Nelken
1/8 TL frisch geriebene Muskatnuss
100 ml Milch
25 g Butter
50 g Marzipan (habe stattdessen Nougat genommen)
50 g brauner Zucker
1/4 TL Meersalz
1-2 TL Honig
1 TL Rum
1 TL Amaretto
1 Biozitrone

Für die Glasur:

1 Ei
2 TL Milch
30 g gehobelte Haselnüsse oder Mandeln
3-4 TL Aprikosenmarmelade
1-2 TL Wasser

サイトから引用したこのレシピは「優れたレシピ」の雰囲気があります。長所を抜き出してさらに改良をすれば新しいレシピが生まれるかもしれません。詳しくみていくことにしましょう。

生地については、Type 450 ( 薄力粉 )を使い、そこに卵を入れているところが気になります。
フィリングについては、マジパンだけではなくヘーゼルナッツとアーモンドにシナモン、クローブ、ナツメグ、バターブラウンシュガー,海塩、蜂蜜、ラム酒おまけにアマレットを入れているところが気になります。
上掛けに粉糖とレモンジュース、水といったものではなく、卵、牛乳、アーモンド、ヘーゼルナッツのスライス、アプリコットマーマレード、水を使っているところが凝って?いるところでしょうか。

アーモンドにしても、ヘーゼルナッツを主に使うにしてもこのパン( Marzipanzopf )のいいところをしっかりと抑えておく必要があります。箇条書きにしておきましょう。

1. パンの生地とナッツのフィリングとの取り合わせ。(どんな料理にも言えることですが、バランス感覚が重要です)

2. まず砂糖の量について;
フィリングの多くの砂糖を使った場合には生地とトッピングの砂糖の量を控えたほうがバランスが取れます。この場合は生地の中の砂糖の量(50g)、フィリングの中の砂糖の量(50g、蜂蜜15-30g)、マジパンの中の砂糖の量(25g)トッピングの中の砂糖の量(アプリコットマーマレードとして30-40g)の量がしっかりと全体の中でバランスが保たれているか検討する必要があります。

3. アーモンドとヘーゼルナッツのバランスはとれているか。フィリングの中にアマレットを使っているところを見ると、このレシピはアーモンドを主体としたフィリングを考えており、ヘーゼルナッツはアーモンドの味と香りを生かすための補助としているようです。100gのヘーゼルナッツは果たして適量であるか検討した方がよさそうです。

4. 生地の中の卵は1個と、薄力粉425gに対して少し多いように思われます。砂糖50gと一緒になるとパン自体のふくらみ具合が少し誇張されるように感じるからです。

5. クローブとアマレットは使うことが無理かもしれません。今の日本人の嗜好にあっていないように思われます。(もう少し時代を経れば事情は異なってきます)

6. トッピングは仕上がりの色と全体の味のバランスから言って、今まで通りレモンのアイシングにするのが無難のようです。

気付いた点はこんなところだけれど、一度しっかりとレシピを作って、それから焼いてみようと思っています。近日中に絵をuproadしましょう。

http://www.deliciousdays.com/archives/2013/10/18/t-h-e-nut-braid-as-close-as-it-gets/
は、上のドイツレシピの英語版です。こちらの方が詳細に書かれているようです。参考になさってください。絵も挙げておきます。(生地の巻き込み方がはっきりとわかります。)





続く。




ピッザ~シシリアンピッザ

2016年07月10日 | パン

Sizilianische Sfincione ( ジツィリアニッシュ スフィンチィオーネ )

この絵はhttp://www.chefkoch.de/rs/s0/sfincione/Rezepte.htmlから引用しています。



このサイトには上の絵 ( Albertos Sfincione, アルベルト スフィンチィオーネ )のほかに5種類のシシリアンピッザが紹介されています。シシリアンピッザの特徴はなんといっても,ふっかふっかのピッザ生地です。ナポリピッザのクラストの厚さは1-2mm、ミラノピッザの厚さは5mm以下と薄いのが特徴なのに対して、シシリーのピッザは2cmくらいある。とは言っても、ナポリやミラノと違って、シシリーの町がピザのサイズを決めているわけではないから、薄く作るピッザ職人はいるだろうし、はっきりと決まったわけではないが。それに丸く作ったり、四角く作ったりとてんでバラバラなのだが。
トッピングと生地のバランスがよく、いろんなフィリングをのせることができて、栄養的にもバランスが取れている。ちょっとしたランチには最適だと思っています。
ドイツでも,シシリーのピッザと言えば、ふかふかに作る。Focaccia 同様スフィンチョーネ(Sfincione) は強力粉,油、水、塩、イーストで作りますが、スフィンチィオーネは厚さがもっとある。フォカッチャとは異なりトッピングが華やかだ。ブレッドクラムにオレガノを混ぜて上に振りかけるのが特徴です。

ドイツのかわいらしいシシリアンピッザを紹介しよう。本場のものに比べて、ふかふか度は少し劣るかな?
生地の中に卵を入れているんですよね。それでクラストに少し色が付いているようです。私の解釈では、もともとピッザは丸く、一人に対して一個を(二個、三個でもいいが)サーブしてナイフとフォークで食べるものと思っているのでドイツのこのピッザの方がシシリーよりも本格的?なのではと思ってしまいました。



このレシピはhttp://www.chefkoch.de/rezepte/2146291344873262/Sizilianische-Sfincione.htmlから引用しました。

材料


生地:

小麦粉                                  500g
生イースト                                                     30g

ミルク                                                        250 ml

                                                               1
                                                             1/2 ts


トッピング:

トマト                                                          1 kg

オリーブオイル、良質                                   100 ml
ニンニク                                                       3
塩                                   1 ts
オリーブブラック

ミル                                   1 TBS
チーズ(Caciocavallo)または他のイタリアンハードチーズ 200g
オリーブオイル、ベーキングシート用              

 

十数年前この愛らしくも美味しいピッザに魅せられずっと気になっていたのでここにレシピを載せておくことにしました。
Knob lauchzeheはニンニク、 Oregano, getrockneは生のオレガノのこと。絵からも察せられるように生のトマトを1kgも使って赤い色を演出しています。(オレガノは振りかけるよりもトマトソースの中に入れて使った方が味に深みが出ると思います)

http://www.ciaoitalia.com/seasons/season-2100/episode-2123/palermo-style-pizza-i-sfincione-i
から一般的なレシピを引用しよう。

Ingredients ( 9インチピッザ 2個分 )         

材料                

ピッザのイーストドウ 1
タマネギのみじん切り       大1

水                1c

オリーブオイル          1/2C

トマトソース          1 1/2C

海塩、こしょう           適量

アンチョビ            8

カチョカヴァッロ又はモッツァレラ 112g

ブレッドクラム(トーストした)  1C

 乾燥オレガノ          2TBS

オリーブオイル           2TBS



カチョカヴァッロは次のようなチーズです。カチョ(チーズ)・カヴァッロ(馬)の意。



熱するとよく伸びて、とろけるチーズです。

Directions

Preheat the oven to 425°F.
Simmer the onions in the 1 cup water until soft. Drain.
Sauté the onion in olive oil until golden. Stir in the tomato sauce and simmer for 10 minutes.
Season with salt and pepper.
Liberally oil two 9-inch cake pans. Divide the dough in half and place each half in a cake pan,
spreading it out with your fingers so it covers the bottom in an even layer. Sprinkle the anchovies
(or eliminate them) over each half, pushing them down into the dough as far as they will go.
Scatter the cheese evenly over the anchovies. Spread the tomato and onion sauce evenly over the cheese.
Mix the bread crumbs and oregano together and sprinkle them in an even layer over the sauce.
Bake for 30 minutes or until the crust is nicely browned. Drizzle with olive oil and cut into pieces.
Serve hot.


イタリア人の書いたレシピも紹介しましょう。http://www.ricettedisicilia.net/piatti-unici/lo-sfincione-la-vera-pizza-dei-palermitani/から



La ricetta è per una teglia grande dalla quale si ricavano circa 12 porzioni

パスタ;

粗挽きセモリナ粉                       500g

強力粉 (マニトバ粉)                         500g

ぬるま湯                          250ml

乾燥ビール酵母                      20g

砂糖                          1TBS

オイル                         1/2C

塩                            20g


トッピング;
皮むきカットトマト                                   500g

マイワシ(塩出しした又はマイワシのオイルづけ)  6匹
カチョカヴァッロ生                                 300g

カチョカヴァッロすりおろし                           300g

塩                                       適量

オレガノフレッシュ                             -

タマネギ                    2個



ところでスフィンチオーネの生地はフォカッチャのレシピとの違いはあるのだろうか、それともないのか?

http://ricette.giallozafferano.it/Focaccia.html
  からみてみよう。

フォカチャの材料:
小麦粉                   470 g
乾燥ビール酵母               5 g
砂糖                    16 g

水                   230g
ミルク                  115 g
エキストラバージンオリーブオイル     45 g
塩                   12 g

このレシピは「ふっくら」とさせるために牛乳を115gを使い、しかも砂糖を16g、加えてオリーブオイルを45gと随分とリッチな内容です。そのために塩を12gを使っています。上に引用したピッザのレシピも同じようです。

ここは小麦粉をよく練り、寝かせることでデンプンの甘さを引き出して生地のコクを利用しようとおもいます。ほんの1-2時間も生地を寝かすと、小麦粉の中の β-アミラーゼが働いてデンプンを麦芽糖に変えてくれます。そのため、小麦粉の中に全粒粉を(10%くらい、入れすぎると生地がバサつく)入れるとおいしいドウができます。その方がトッピングが生きるのではと思うのです。商売では時間をかけて寝かせることはできませんが、家庭ならば可能じゃないでしょうか。面倒ならば前の晩にドウを冷蔵庫に入れておけばしっとりとした生地が出来上がります。

とは言っても、クラストのレシピを紹介しておいた方が、親切かも知れない。私がずーっと使ってきたフォカッチャのレシピを紹介しておこう。

強力粉        400g
塩          1/2ts
イースト       3/4ts
湯          250g

強力粉の10%を全粒粉に代えるといつもとは違った味わいが得られます。単純だけど、なかなかいいレシピです。2回パンチをしてから使うと旨さが引き立ちます。寝かせることで牛乳と砂糖を入れる必要はなくなります。ピッザの生地として使うときにはオリーブオイルを少し入れ、コクとバリッとした歯触りを出すこともあります。

イギリスのフォカッチャのレシピを紹介しよう。
http://www.bbc.co.uk/food/recipes/focaccia_08389から引用しました。



Ingredients
500g/1lb 2oz strong white bread flour
2 tsp salt
2 sachets dried easy blend yeast
2 tbsp olive oil
400ml/14fl oz cold water
olive oil, for drizzling
fine sea salt

いかにもイギリスらしい絵とレシピです。砂糖もなければ、牛乳も入れない。こういうレシピを見るとうれしくなってしまいます。小麦粉の質が問われる、逆に言えば、小麦粉の質が良ければ非常に美味しいフォカッチャができるレシピです。( 蛇足ですが、最後から二つ目にあるオリーブオイルは出来上がったフォカッチャの上に振りかけるためです。海塩はここ数年前から欧米で使われ出した塩です。ひところは岩塩が流行っていたけれど、天然の塩の成分が漏れなく入っている塩は甘みがあって「やっぱり」美味しいので当然の成り行きだと思っています。)

トッピングには次のような食材が使われています。すべてを使うのではなく、いくつかの組み合わせで味の調整を図ります。

まず基本になる物は、トマト、タマネギ、レッドペッパー、オリーブオイルです。これに以下の材料を組み合わせてトッピングを作ります。(タマネギは前もって炒め、ブレッドクラム焼いておきます)

松の実、レーズン、オリーブ、アンチョビ、レッドワイン、挽肉、オレガノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、カチョカヴァッロくらいでしょうか。魚介類はアンチョビをのぞいては使わないようです。決まった訳ではないので、使って駄目ではありません。
























ローズウオーター

2016年07月06日 | ダマスクローズ

Rosewater



バングラデシュのサイトhttp://www.shajgoj.com/2015/12/16014/から引用しました。
サイトにはローズウオーターは肌のpHを維持する働きがあり、これを家庭で作ることで人工バラの香水を使う必要が無くなり、100%純粋なローズウオーターを、少しの手間をかけることで手に入れることができると説明があります。2つの方法が書かれていました。ここにご紹介しておきます。

『 新鮮な薔薇の花びらで作る方法-1-

新鮮な農薬に汚染されていない、同じ種類のバラの花を2つ
蒸留水を二杯花に注ぐ。                
弱火で10-15分間加熱する。淡いピンク色から赤い色になるように温度に気を配る。
冷ましてから濾す。瓶に詰めて冷蔵庫で保存する。1週間使用することができます。


乾燥した薔薇の花びらで作る方法-II-

大きなガラスの容器を用意してそこに農薬を使っていない、乾燥した薔薇の花を1/4カップ
熱い蒸留水を1/2カップゆっくりと入れる。
冷ました後で瓶に入れて冷蔵庫で保管します。
1週間使用することができます。

肌の細菌感染、皮脂によるてかりを防ぎ、乾燥肌を予防し、皮膚の水分を補給します。』





上の絵はhttp://www.thelocalrose.com/allure/making-rose-water-part-2/から引用させていただきました。
彼女が手に持ているのはダマスクローズではなく、単なる赤い花びらの薔薇だと思われますが、このサイトにもローズウオーターの作り方が述べられています。



次のサイトからは
http://indianapublicmedia.org/focusonflowers/rose-water/から画像を引用しました。この方法も先の方法と同じで、鍋の中に薔薇の花びらと水を入れて、その中に受皿を置きます。(鍋の中に見えるのがローズウオーターを受ける受け皿です)鍋の上に鍋の蓋をひっくり返して置いて加熱します。その蓋の上に氷を置いて冷却すると、鍋の蓋の凹面が下を向いているので鍋の中の受け皿の中に蒸留した、ロースウオーターが滴り落ちるという仕掛けです。

次のサイトでは生の薔薇の花びら、乾燥したバラの花びらを煮て作る方法が述べられています。




ローズウオーターを作る方法にはこれらのサイトのように、バラの花びらを水で煮るだけのものから、更には本格的な蒸溜装置を使ったものまで様々な方法があります。
ローズオイルはバラの花からごく微量の量が採取されるだけですから、数キロの花びらを使った大がかりな仕事になります。庭に咲いている200-300のバラの花からローズオイルをとるには次のような方法が一般的です。

オイル(オリーブ、グレイプシードなどの)の中に薔薇の花を入れて熱する、あるいは数日そのまま放置する方法。
水の中に花びらを入れて熱し、その水蒸気を集めて、蒸留水の上に浮いたオイルを掬ういわゆる水蒸気蒸留、があります。
ローズオイルは4-5kgのバラを使って1g程度の量しか取れないので庭に咲いているバラからオイルを取るというわけにはいかないようです。かといってバラの花びらを水で煮て、それをローズウオーターとするのはあまりに芸がないように思います。それではと考えたのが次の方法です。今までの方法に囚われることなく文明の利器?を使って効率よくローズウオーターとできればオイルを取ろうと思います。

我が家に咲く薔薇は来年の5月まで待たなくてはなりません。今はしっかりと世話をして花が咲くのを待つばかりです。しばらくお待ちください。

続く。