Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ハーブ

2017年10月23日 | 月桂樹

月桂樹 1 

     

     

とても香りの良い月桂樹が手に入りました。長い間待ち望んでいたニオイがします。体の隅々にまで溶け込むような香りです。安らぎが香りとなって匂っています。

月桂樹について調べてみました。

 

月桂樹(ラウルス・ノビリス: Laurus nobilis、別名 Sweet Bay. True Laurel. Bay. Laurier d'Apollon. Roman Laurel. Noble Laurel. Lorbeer. Laurier Sauce. Daphne. )

「クスノキ科の常緑高木。地中海沿岸原産。雌雄異株。葉にはシネオール ( 芳香成分 ) が含まれ、葉を乾燥させたものをローリエ(フランス語: laurier)、ローレル(英語: laurel)、ベイリーフ(英語: bay leaf)などと呼ぶ。」 

月桂樹の葉に含まれるα-メチレン-γ-ブチロラクトン構造をしたコスチュノリド( costunolide ) などのサポニンであるセスキテルペン類が胃液分泌を亢進し、胃排出能を抑制することで強いアルコール吸収抑制活性を発揮します。

血管を拡張し、唾液の分泌を促進し、食欲の増進や消化を助けます。穏やかな麻酔作用があるので蜂刺され、リューマチ、神経痛などの効果があると言われています。

 

「月桂樹」と言えば古代ギリシャで競技に勝った勝者が頭にのせていた姿を思い出します。ギリシャのペダニウス・ディオスコリデス ( Dioscorides Material Medica, AD 50-60 ) からまず取りかかりました。

 

月桂樹 2

1-49. DAPHNELAION

SUGGESTED: Laurel Oil — Laurus-Alexandrina [Fuchs], Daphne-Alexandrina※1 [Brunfels], Ruscus hypoglossum, [Linnaeus], Ruscus hippoglossum, Uvularia, Baslingua

— Laurel of Caesar [Mabberley], Horse Tongue, Double Tongue

 

月桂樹— スイートベイ、ラウレル、ローマンラウレル ラウリナムは完熟したベイリーフの実 ( 木から落ちそうな、外皮の内側には手で絞れるほどの油を蓄えた) をボイルして作る。 

未熟なオリーブのオイル、イトスギ ( Cypress ※2 ), カヤツリグサ ( juncus odoratus ※32 ) 菖蒲( calamus ※4 )を「ベイリーフ」をボイルした後に入れたり、「ベイリーフの実」を入れることがあります。 

Daphne※1

アポローンに求愛されたダフネが自らの身を月桂樹に変える話は、ギリシヤ神話の中で有名です。ダフネは月桂樹を指します。

 

      

     Apollo and Daphne by Pollaiolo, c. 1470–80 (National Gallery, London) 

                        ダフネの両方の腕と片方の脚はすでに木になっています。


月桂樹 3

Cypress 2

Cupressus sempervirens, Cupressus funebris — Cypress

フランス( Gallia )とイタリアトスカーナ産の ( Hetruria ) 松の軟らかい樹脂。以前はトルコ、イズミルの松から取れる樹脂 ( colophonia resina ) すなわちコロポン ( colophon ) を使っていた。

 

juncus odoratussynonym of Juncus marginatus Rostk. 3

日本でカヤツリグサの仲間で薬効があるとされているのは「カンガレイ;Scirpus triangulatus Roxb.」です。ヨーロッパにあるカヤツリグサは「ヒメカンガレイ;S. mucronatus L.」ですが、これが上で言うカヤツリグサにあたるのか疑問です。

少し調べてみました。少し古い文献ですが。"An Experimental History of The Materia Medica" から。( 本当に古い。AD. 40-90 2カ所に「カヤツリグサ」の記載がありました。

 

1-16. カヤツリグサ ( SCHOINOS )

カヤツリグサはリビア、アラビアにあるが、ナバテア王国 ( パレスチナに存在した古代アラビアの王国 ) のものが一番良い。アラビアのものがそれに次ぐ。リビア産は使えない。

新鮮な、赤い、花の咲いたものを選ぶ。切ると紫色になる。少し焼いて、噛んだり手で揉むとバラの花のような甘い香りがする。花、茎、根を使う。利尿作用、通経作用、鼓腸を改善する。花は飲み物にすると胃痛、激しい吐き気に効果があります。同様に肺、肝、腎臓にも効果があります。解毒剤と一緒に使いますが、根は収斂作用がきついので胃がキリキリとする時に使います。水腫、痙攣には1ティースプーンを、時には同量のペッパーを一緒に与えます。煎じて腰湯にすると外陰部の炎症に効果があります。

Babylonian juncus 又は teuchitis と呼ばれることがあります。

 

4-52. カヤツリグサ

Schoenus incanus — Bog Rush

Schoenus ferrugineous — Rusty Bog Rush

Shoenus mucronatus — Clustered Bog Rush

Juncus conglomeratusj uncus effusus — Rushes, Sweet Rushes

Juncus arabicus — Rush, Sea Rush

Juncus acutus — Sharp Rush, Dutch Rush

 

二種類あります。一つはsmooth juncus, あとの一つはsharp juncusです。

実に注目すれば、2つのタイプに分けることができます。一つは実のないタイプ、後の一つは丸く、黒い実のある-しかし、茎は肉厚なものです。

3つ目のタイプは―更に肉厚で上の2つよりもザラザラとした- holoschoenosと呼ばれているものです。これは上のものと似た種を付けます。種はどれも(干して飲み物の中に入れて薄めたワインと一緒に飲みます)下痢、下血、利尿し対して効果があります。又、頭痛

煮も効果があり、根の近くの柔らかい葉は毒グモに刺されたときに使います。

エチオピアカヤツリグサの種は眠気を誘います。又の名をjuncus laevis, oxypternos又は supercilium solisと言い、ローマ人は juncus marinus あるいは juncus manual Africans, chuduaと言います。

 

色々調べましたが「カヤツリグサ」を特定することができませんでした。


月桂樹 4

calamus ※4

「菖蒲 ( Calamus aromaticus ) はインド産の赤-黄色で節が太く割ると小さいピースになるものが一番良い。茎は繊維質で白っぽく口にすると粘液質で渋く、刺激がある」とThe Materia Medicaに記載がある通り、原産地は南中国から近東。 

旧約聖書にも記載があり、古くから使われていたことが分かります。

雅歌

4:14ナルド、サフラン、菖蒲、肉桂、
さまざまの乳香の木、
没薬、ろかい、およびすべての尊い香料である。

 

イザヤ書

43:24あなたは金を出して、
わたしのために菖蒲を買わず、
犠牲の脂肪を供えて、わたしを飽かせず、
かえって、あなたの罪の重荷をわたしに負わせ、
あなたの不義をもって、わたしを煩わせた。

 

名称は国によって次のように変化します。

Name: Acórus cálamus L. ( Acorus calamus L. )

Engl.: calamus, European sweet flag, sweet flag, cinnamon sedge, flagroot, gladdon, myrtle flag, myrtle grass, myrtle sedge, sweet cane, sweet myrtle, sweet root, sweet rush, sweet sedge.
Deu.: Echter Kalmus, Deutscher Ingwer, Europäischer Kalmus, Kalamus, Kalmus, Magenwurzel.
Suom.: rohtokalmojuuri, kalmanjuuri, kalmojuuri.
Sven.: kalmus, kalmusrot.
Fran.: acore roseau, acore calame, acore odorant, acore vrai, acorus aromatique, belle-angélique, radote, roseau odorant.
Ital.: calamo aromatico

 

       

絵はhttps://www.henriettes-herb.com/galleries/photos/a/ac/acorus-calamus-3.html から 

https://www.henriettes-herb.com/eclectic/madaus/acorus.html には菖蒲に関する、ヨーロッパとのかかわりが詳しく書かれています。参考にしてください。 

( こういったレシピをみると今更ながらに、当時の交易範囲や当時の人達の世界観が今以上に広いことに驚かされます。インドやアジアにまでも手を広げていた商人、貿易商などごく一部分の人達だけだったのでしょうが、人種、地域にこだわりのない広い心が素晴らしいと思います。国という国境が生み出す弊害が今はとても大きいようです。)

 

夏の終わりから秋にかけて花をつけるハーブは、ちょうど今咲いています。あと一回くらいで、本項をいったん切り上げることにします。「匂いゼラニウム」と「ステビア」を取り上げようと思っています。

 

月桂樹 5

ベイリーフに戻ります。

     

古代ギリシャ、ローマの書物の中には、Alexandrian Laurel, Cherry Laurel, Dwarf Laurel, Roman Laurel, Spurge Laurel の名がありRoman Laurel以外のローレルは今もネット画像上で見ることが出来ます。

上の絵は1350年代に流行った「健康全書」に描かれた「ベイリーフ」です。

ベイリーフの葉に含まれるミルセン※は、香水として使われています。主にハエ、蛾、ネズミなどの忌避剤として、他の香料、メントール、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、ゲラニオール、ネロール、リナロールを製造する際の原料としても使われています。又、抗菌,抗黴、抗炎症、利尿、収斂作用があります。

栄養学的にベイリーフはミネラル、ビタミンに富み、ベイリーフ100g中に鉄43㎎、マグネシウム8.167㎎、ビタミンB6 1.74㎎、カルシウム834mg、総繊維26.3g、炭水化物74.97g、ビタミンC 46.5㎎、銅0.416㎎、ビタミンB9 180µg、亜鉛3.7㎎が含まれています。 

※ミルセン (myrcene)

天然に存在する有機化合物でローリエ、バーベナ、キャラウェイ、フェンネル、タラゴン、イノンド、オウシュウヨモギ、セイヨウトウキ、ミルキア属、マツ属、アモムム属(ショウガ科)、ハッカ属、アキギリ属、カラハナソウ属、アサ属の植物などに含まれます。

 

インドの料理を作るとき、特にビリヤニには欠かせないハーブです。ベイリーフと呼ばれていますが、実は、クスノキ科ニッケイ属の植物で、英語ではインディアン・ベイ・リーフ(Indian Bay Leaf)、ヒンズー語でテージバッタ(Tejpatta)、マラヤーラム語でシナモンアム・タマラ(Cinnamomum Tamala)、テルグ語でビリヤニ・アーク(Biryani Aaku)、またはバグハラク(Bagharakku)というハーブです。

 

テージバッタは、ネパールから入って来て、ヒンズー語となった言葉です。
インドでは乾燥させて内臓疾患に、スパイシーな煮込み料理や炒め料理に香り付けに使われます。北インド、ネパール、ブータンでは、料理、お茶にします。

英語名のインディアン・ベイ・リーフから、この葉がローリエ(ベイ・リーフ)の仲間だと思われていますが、葉の大きさと厚みがローリエとは全く異なります。下欄の3.がそれにあたります。

 

ベイリーフと呼ばれている5種を取り上げました。

1. Bay laurel (Laurus nobilis lauraceae)

 http://florawww.eeb.uconn.edu/198500843.html から

    

 

2. California Bay Leaf (Umbellularia californica)

 http://www.laspilitas.com/nature-of-california/plants/682--umbellularia-californica から

    

 

3. Indian Bay Leaf (Cinnamomum tamala, Lauraceae)

 https://www.amazon.in/Live-Indian-Plant-Tejpatta-Spice/dp/B01N42C40L  から

    

 

4. Indonesian Bay Leaf or Indonesian laurel (Salam leaf, Syzgium polyanthum, Myrtaceae)

 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Syzy_polyan_070404-3398_sbrg.jpg から

    

 

5. West Indian Bay Leaf (Pimenta racemosa, Myrtaceae)

http://herbaria-old.plants.ox.ac.uk/vfh/image/index.php?item=1326&gazetteer=5991 から  

 

  

 

月桂樹 6

インディアン・ベイリーフについてもう少し詳しく調べました。

https://www.healthbenefittimes.com/indian-bay-leaf/ から

    

絵はhttps://www.ayurtimes.com/tejpata-tej-patta-tejpat-indian-bay-leaf-cinnamomum-tamala/ から 

インディアン・ベイリーフ(Cinnamomum tamala)は2-10mになる常緑樹で熱帯、亜熱帯地方の900-2500mのヒマラヤ高地、インド北東部メガラヤ(Meghalaya)州のカーシ丘陵(Khasi hills)、はインド、タミル・ナードゥ州のニルギリ丘陵(nilgiri hills)、シッキム州の麓で見られます。インド、ネパール、ブータン原産です。

インドベイリーフは3つにわけることができます。楕円形の、先のとがった、滑らかで固い葉のベイリーフがあります。

ベイリーフはインド、ネパール、ブータン料理には欠かせないものです。ムグライ料理分けてもビニヤニやコルマには必要です。ローストして挽いたベイリーフをスパイスに混ぜたものはガラムマサラと呼ばれています。

 

 

 

 

 

 

 

 



 


ハーブ

2017年10月18日 | コリアンダー

コリアンダー 3

恐るべし! ナメクジの歯舌。

   

       

写真は https://japaneseclass.jp/trends/about/%E6%AD%AF%E8%88%8C から。

 

上の写真のナメクジ頭の真ん中にあるのが口で、その中に馬蹄形をしたギザギザが見えますよね。それが歯舌で、大きく拡大したものが下の写真です。

ナメクジに歯があるのは知っていたのだけれど、これ程とは思ってもいませんでした。

ナメクジはせいぜい舐めて削り食べるくらいだと思っていました。コリアンダーの葉の一部分が土の上に落ちていたのを見て、ナメクジの食べたせいだとは気づかなかったのが大きな誤算でした。

夜中に起きて2晩に渡って、大きな丸々と太ったナメクジを3匹捕まえました。

 

つづく。

 


ハーブ 

2017年10月16日 | コリアンダー

コリアンダー 2

 

    

9/17日にコリアンダーをご紹介してから約1ヶ月が過ぎました。お約束通りその後のコリアンダーの写真をアップしますが、あまり乗り気ではありません。

ご覧の通りの生育状況です。虫に喰われて10株近くあったコリアンダーも今は3株になってしまいました。下の方に生えている双葉の植物はロケットです。一緒に植えておくと互いの食害を防ぐことが出来る( 真偽のほどはわかりません )と小耳に挟んだので種を蒔いたのです。

コリアンダーの葉は未だ一枚も食べないで、イヤ、食べられないでいます。

「寒冷紗をかければよかったかも。或いはマルチをしておけば。」などと反省しています。 

接写していますので、大きく育っているように見えますが、実際は惨めな状態なのです。自然は厳しい!! 猛省。

 

 

つづく。

 


ハーブ

2017年10月15日 | カレーリーフ

カレーリーフ 12

 

    

以上をまとめると次のようになります。

 

材料;

カレーリーフ(カップの中にきつく詰める)                             1 C
ひよこ豆 ( Toor Dal / Tuvaram Paruppu )                                     2 TBS
ローストしたレンズマメ ( Roasted Gram Dal / Pori Kadalai )        2 TBS
ウラド豆( Urad dal / Ulundu Paruppu )                                    2 TBS
クミン                              1 ts
ブラックペッパー                         1 ts
レッドチリ                              2-3
塩                                   -

 

方法;

カレーリーフを鍋に入れて乾燥するまで弱火でフライする。横にとっておく。

同じ鍋に残りの材料を入れてきつね色にフライする。プレートに入れて冷ます。

ブレンダーに塩と一緒に入れて細かく挽く。

密閉して保管すると数か月もつ。

 

同じサイトの中に、以下の ” パウダーもの “ のレシピが出ていました。参考になさって下さい。

Indian Curry Rice Recipe

Homemade Red Pepper Powder

Bombay Sandwich Masala

Sambar Powder

Rasam Powder

Bachelor Sambar Powder

Biryani Masala Powder

Vatha Kuzhambu Powder

Idli Powder

Horse Gram Powder

Sandwich Masala Powder

Garam Masala Powder

Dominos Oregano Seasoning

 

 

 


ハーブ

2017年10月14日 | カレーリーフ

カレーリーフ 11

カレーリーフパウダーの作り方~“ 写真で説明 ” がここから始まります。先に述べたレシピとは少し異なりますが、パウダーは以下のような手順で作ります。

 

カレーリーフパウダーレシピ ( Karuveppilai Podi Recipe )

https://www.yummytummyaarthi.com/2016/06/curry-leaves-powder-recipe-karuveppilai.html から

    

全ての材料を準備する。

   
カレーリーフを洗って乾燥する。

    


鍋に入れる。

    


水分がなくなるまでローストする。

   


他の材料を用意して、鍋に入れてきつね色になるまでローストする。

    

プレートにとって冷ます。

    


ブレンダーの中に塩と一緒に入れて挽く。

    

細かく挽いて密閉して保管する。

    

 

 

 

つづく。

 

 


ハーブ

2017年10月13日 | カレーリーフ

カレーリーフ 10

 

※プレーン・イドリー

少し寄り道になりますが、イドリーの作り方を、日本人のサイト; http://indohego.exblog.jp/11092323/ からそのまま引用させていただきました。少し手の込んだ料理です。口当たりが滑らかで、発酵させているので少し酸味があります。ネパールの料理人が作ったイドリーですが、何度か食べたことがあります。インドの料理とは思いない繊細さです。一度試してみる価値はあると思います。


インドの蒸しパン。  

        


【材料】
日本米                                 600 g
インディカ米                           100 g

ウーラッド豆 ( モヤシ豆)                200 g
ベーキング・パウダー                  ひとつまみ
塩                                      少々


【調理手順】
<前日の準備>
1.日本米( Boild Rice ) とインディカ米( Raw Rice ) は別々に洗って、8時間水に浸しておく。(ここでは煮たコメだけを使っていますが、生米と煮たコメを半分ずつ使うのが普通です。)
2. ウーラット豆を8時間、3倍の量の水で浸しておく。
3.8時間浸した1.と2.別々にミキサーでグラインドする。浸していた水で硬さを調節する。
4.ペースト状になった1.と2.を良く混ぜ合わせた後一晩、発酵させる。( 30℃ 位の場所に置く。)


<翌日>
5.発酵して、(2倍に)増量した生地を適量ボールに取り、ベーキング・パウダーと塩を一つまみ入れ、水を少し加えて硬さを調整する。かなりトロトロな感じ。
6.専用の蒸し器の型に生地を流し込んで、蒸気の上がっている蒸し器にセットする。
7.10分~15分蒸して出来上がり。

   

 

 

つづく。

 

 

 

 


ハーブ

2017年10月12日 | カレーリーフ

カレーリーフ 9

上のレシピを読んだだけでは、どんな料理なのかピンとこないかもしれません。別のサイトで写真の入ったものがありますので、それをご紹介しておきます。

 

※  Pleasant Pull of The Past ~ Curry Leaf Podi ( カレーリーフパウダー )

http://www.themahanandi.org/2009/11/16/pleasant-pull-of-the-past-curry-leaf-podi/ から

サイトの作者は次のようにこの料理について述べています。

『友達の家に行った折、見事なカレーリーフの木をみかけた。彼女は私のために枝を数本切ってくれた。カレーリーフの葉が少なくて、料理を作るときに数を数えながら使ったことを思い出しました。嬉しかった。アーンドラ ( Andhra ) の伝統的なカレーリーフパウダー karivepaaku podi ( curry leaf podi ) を作ろうと思いました。お米に混ぜても、クックした野菜やサラダの上にかけてもその香りで味が引き立ち、幾通りにも使える調味料です。これは私の母から教えてもらったものです。』

 

      

 

生のカレーリーフ~秋の穏やかな陽のもとで乾燥させる  4C
ゴマ                        1/4C

レッドチリ                   薬指の長さのものを12

クミン                        1 ts

ガーリック                      2個

塩                          1 ts

カレーリーフは緑色の残る程度に乾燥させる。これを鉄鍋に入れて弱火で加熱する。お皿に入れて冷ます。これは粉にした時に湿気を含んでいないように乾燥させるのが目的で、緑色が残るようにする。

同じ鍋を使って乾燥チリ、ガーリックを茶色にローストする。お皿に入れる。

クミン、ゴマを香りが出るまでローストする。お皿に入れて冷ます。

冷ました材料をグラインダで粉にする。密閉して保管すれば香りは3か月持ちます。

カレーリーフパウダーはチャパティ、イドリー ( idly )※、ドーサ ( dosa )、ペサラットゥ( pesarattu ) に振りかけます。

煮込み料理の最後に、例えば、ローストポテト、ニンジン、ビーンズなどに入れます。

キッチンに常備しておくと料理の幅が広がります。

 

           


              Curry Leaf Podi (Karivepaaku Podi)

 

 

つづく。

 

 

 


ハーブ

2017年10月11日 | カレーリーフ

カレーリーフ 8

カレーリーフをふんだんに使った料理です。インド料理のファンの方なら嗚呼あれかと思われると思います。そうなんです。あれなんです。

 

A Mad Tea Party

https://madteaparty.wordpress.com/2009/12/05/curry-leaf-powder/ から

           

カレーリーフパウダー #1

 

カレーリーフ                                                        3 C

チャナダール( ヒヨコマメ:Cicer arietinum )                            2 TBS

ウラッドダール( ケツルアズキ、もやし豆:Vigna mungo )          2 TBS

メティシード( フェヌグリーク:Trigonella foenum-graecum )    1/2 ts

セサミシード                                   1TBS

コリアンダーシード                                1TBS

タマリンド                              ライムの大きさの半分

レッドチリ                    ( カシミリチリ2、 庭のレッドホットチリ8 )

クミンシード                                       1 1/2 ts

ガーリック(小)                                6

オイル                                   2ts

塩                                             -

 

重い鉄製の鍋( カラヒ※、karahi )にオイルを1 1/2 ts入れて中火でカレーリーフをフライする。プレートに入れて冷ます。

同じ鍋にオイルを1/2 ts 熱しウラッドダールがピンクになり、ニオイが出るまでフライする。冷ます。全ての材料を混ぜてグライダーで出来るだけ細かく挽く。米、ギー又はジンジャーオイルを少量混ぜてサーブする。ヴァダム( vadams )と一緒に出せば貴方は南インド通です。  

        

※  カラヒ

こんな形をしているのですが、少し違います。取っ手は熱くなるので、飾り程度です。料理中は丈夫なハンドルで挟んで鍋を保持します。通販では高価なステンレス製や銅製のカラヒが並んでいますが、あれは実用ではなく飾り用です。やはりカラヒはインドに行って手に入れないとダメなのかもしれません。カラヒは鉄製の厚い鍋で、熱の通りが良くて、丈夫で、料理の材料にしっかりと熱を伝えてくれる優れものでなければ長く使うことはできません。

 

 

 つづく。

 

 


ハーブ

2017年10月10日 | カレーリーフ

カレーリーフ 7

“ エビ、トマト、タマリンドカレーマレーシア風“ のレシピに戻ります。

 

ペースト;

レッドオニオン(チョップ)            1/2 個

ガーリック(チョップ)             2 個

ロングレッドチリ(チョップ)          1–2本

ジンジャー(チョップ)             1 TBS

シュリンプペースト                1 ts

 

方法;

全ての材料をフードプロセッサーに入れる、又はモルタルを使ってなめらかになるまで挽く。

オイルを熱してペーストとカレーリーフをクックする。6-7分間黒く色づくまで混ぜる。カレーパウダーを入れて1分間クックする。

火を強めてトマトを入れてクックする。1分間混ぜる。水を250 ml 、タマリンドピュレ、パームシュガーを加えて煮る。塩を入れ、蓋をして5分間クックする。

残りのタマネギを厚さ3 mmの半月状にスライスする。タマネギ、エッグプラントを鍋に入れ、蓋をして7-8分間軟らかくなるまでクックする。

 エビを加えて弱火にしてゆっくりと2-3分間クックするのまで煮る。ライムジュースを加えて味のバランスを取る。蒸した米を添えて直ぐにサーブする。

          

   

                     タイのシュリンプペースト

 

                 

                   ベトナムのシュリンプペースト

 

シュリンプペースト( shrimp paste )は、オキアミやエビに塩を加え、発酵させて作った南アジア特有の調味料で魚醤の一種です。旨味成分を多く含み、強いニオイがします。

インドネシアではトゥラシやトラシ ( terasi )、マレーシアではブラチャン ( belacan )、タイではカピ( กะปิ )、ベトナムではマムトム ( Mắm tôm ) , マムズオック( mắm tôm/mắm ruốc )、ブルネイではナピ( ngapi )、インド北部では アンジュレープ( Dangpuithu )、 中国ではシアジアン( 蝦醤 )またはシアガオ( 蝦膏 )などと呼ばれています。

日本で“ シュリンプ ”と言えば、小さいエビをイメージしますが“ オキアミ ” のことです。美味しい ” フォ “ を作りたくて、ベトナムでガイドのおじさんと一緒に一日かけて “ エビペースト ”を探したことを思い出しました。エビのジェスチャーまでして説明するのですが店のお姉さんは首をかしげるばかりです。結局見つけることが出来なかったのですが、日本に帰ってきて何気なく入った中華街の店で手に入れた、ほろ苦い経験があります。

 

 

つづく。

 

 

 


ハーブ

2017年10月09日 | カレーリーフ

カレーリーフ 6

 

     

マレーシアカレーパウダーは上の製品だけでなく、どのメーカーも原料を明らかにはしていません。成分のはっきりしないものについては自分で、使用の都度作るのが一番です。

 

  マレーシアカレーパウダーの作り方;

コリアンダーシード 6、フェンネルシード 2 ts、フェネグリークシード 1 ts、クミンシード 2 ts、ブラックペッパー 2 ts、米 2 ts、クローブ 2、スターアニス 0.5、シナモンスティック  2.5 cm、カルダモンシード 0.25 ts、インディアンチリパウダー※※2 ts、レッドチリ 4、カレーリーフ 3 – 4枚をローストする。冷めたら粉に挽く。粉になったらターメリックパウダーを2 ts混ぜる。

 

※※インディアンチリについては http://www.clovegarden.com/ingred/cp_indiz.html のサイトが詳しい。一部分だけ引用しておきます。詳しくはサイトをご覧下さい。

    

ミルチ ( Mirch )  はヒンズー語でチリのことです。チリは南アメリカからポルトガル人が植民地のゴアに運び込んだことから、インド中に広まりました。今では一番の輸出国です。南インドには特にたくさんの種類があります。一番多いのは乾燥チリです。

写真は北インドのタジャスタンでのチリの乾燥の様子です。

インドのチリを分類することは難しく、インドではマイルド、ホット、ミーディアムの区別がなされているだけです。名前でチリを呼ぶことはありません。

 

 

つづく。

 


ハーブ

2017年10月08日 | カレーリーフ

カレーリーフ 5

 

エビ、トマト、タマリンドカレーマレーシア風

 

   

 http://www.sbs.com.au/food/recipes/malaysian-prawn-tomato-and-tamarind-curry

 

材料(2人分)

植物油                    1½ TBS

カレーリーフ                   20 枚

マレーシアカレーパウダー※            3 ts

トマト(チョップ)                250 g

タマリンド                     3 ts

ブラウンシュガー                 1–2 ts

レッドオニオン(スライス)            ½ 個

ベイビーエッグプラント(又は1 cmのスライス) 120 g

グリーンプロウン                    8 匹

ライム又はレモンジュース           2–3 ts

ブラウンライス(スティーム)

ライム

 

 

次回はマレーシアカレーパウダーについて述べます 。

 


ハーブ

2017年10月07日 | カレーリーフ

カレーリーフ 4

サンバル( sambhar, சாம்பா ர் )は南インドで食べるスープ。キマメ( Cajanus cajan )と野菜を煮込んで作る。使われる野菜は季節のものが多く、ナス、大根、オクラ、カボチャなどといったさまざまなものを単独で、または組み合わせて使用します。

 

カレーリーフの香りは乾燥させると失われるので、インドなどでは生の状態で使われています。カレーリーフ自体には味はなく、あくまで料理の香り付けのために使われます。しかも生を加熱しないと、香りは立ちません。

ココナツミルクなどを使ったカレーに入れると、一層その風味を生かすことができます。

カレーリーフティーは、乾燥したカレーリーフに熱湯を注ぐとできます。イストゥー ( ジャガイモのココナッツミルク煮 ) やコサンバリなど、淡い味のものを作るときは、カレーリーフが無いと物足りなく感じます。南インド屋のレシピは、あっさりした味なので、カレーリーフが活躍します。

                

https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/138869 から引用させて頂きました。

 

ココナッツ風味のフィッシュカレー、カジキのミーン・モリ

材料4人分

ココナッツオイル            2 TBS

しょうが (千切り)           2片

青唐辛子( 斜め1 cm切 )          2

タマネギ( 縦に薄切 )         1/2個

カレーリーフ               20枚

水                   1/4カップ

ターメリック               1/2 ts

 

カジキ                 4切れ

水                   1カップ

ココナッツミルク            1カップ

塩                     1 ts

 

フライパンにココナッツオイルを入れて中火にかけ、カレーリーフを入れてしんなりするまで炒めたら、水とターメリックを加えてなじむまで煮る

カジキをひと口大に切って加え、表面の色が変わる程度に炒めたら、水 1カップ、ココナッツミルク 1カップ、塩、 小さじ1 tsを加えて火が通って味がなじむまで10分ほど火を弱めて煮る。

 

 

つづく。

 

 


ハーブ

2017年10月06日 | カレーリーフ

カレーリーフ 3

 

カニを使ったちょっと贅沢な「クラブラッサム」をご紹介しましょう。

 

 

   

 

クラブラッサム

https://www.hungryforever.com/recipe/nandu-rasam-recipe/ から

 

材料 

ラッサム;

カニの足                 8本

パールオニオン             10-12個

トマト(チョップ)           小2個

ジンジャーガーリックペースト      1 TBS

ターメリック               ¼ ts

塩                    -

ゴマ油                 1 TBS

マスタード                1 ts

クローブ                 2

フェンネル               1 TBS

シナモン                 1/2

カレーリーフ               10枚

コリアンダー              1 TBS

 

レッドチリ                 4

ブラックペッパー             1 ts

クミン                  ½ ts

コリアンダー               1 ts

パールオニオン( チョップ )        5

 

方法;

レッドチリ、ブラックペッパー、クミン、コリアンダーを1分間弱火でローストする。

火から下ろして冷まして挽く。チョップしたパールオニオンを加えて挽く。

カニをターメリックと混ぜて20分間置く。足は味がしみるようにペストル又は石で割る。

オイルを圧力鍋の中で熱してクローブ、シナモンをフライする。チョップしたタマネギを加えてソテーする。

チョップしたトマト、ジンジャーガーリックペーストを加えて潰す。足、マサラペースト、塩を加えて味を調える。全てを加えて水を5-6カップ加える。圧力鍋の蓋をして8-9分間クックする。火から下ろす。できあがったラッサムを混ぜる。

オイルを鍋に熱してフェンエル、カレーリーフに熱を加える。ラッサムを加えてボイルする。

チョップしたコリアンダーを飾ってサーブする。レモンジュースを1 ts振り掛けてからサーブするのも良い。( ラッサムは冷蔵庫に入れて置くと2-3日間持つ。 )

 

つづく。

 

 


ハーブ

2017年10月05日 | カレーリーフ

カレーリーフ 2

 

     

 

          

 実と花の画像はWiki. から引用させていただきました。

 

白く小さい花は香油に用いられ、熟すと小さい黒い実がなりますが、種には毒があります。また、葉・樹皮・根は強壮作用があります。干した葉をお茶にするとハーブらしい香りがしますが、生の葉には独特の強い匂いがします。2-3回飲んだ感想を述べると、ドライのものには強いて述べるほどの薬効は感じられませんでしたが、生のものには強い強壮効果がありました。( 個人差があると思いますので、誰にでも効果があるとは言い切れませんが )

 

カレーリーフにはギリニンビン( Girinimbine、カルバゾールアルカロイドに属する)のほかに mahanimbine, koenimbine, isomahanine, mahanine などが含まれています。

ギリニンビンは肝細胞癌のアポトーシスを減らし、増殖を抑制する働きがあります。

カレーリーフには、滋養強壮や食欲増進、消化促進などの効能、ウイルスなどの殺菌や、解熱、発疹の抑制などの効能があるとされています。

 

ラッサム ( rasam, ரசம் ) は、南インドでよく飲まれているスープです。トマト、タマリンドなどを黒胡椒、ニンニクなどで味付けしたもので、辛味と酸味が強く、ご飯にかけたり、ティファンと共に食べます。トマトがメインなら「トマトラッサム」、ショウガを多めに使うと「ジンジャーラッサム」、ニンニクを効かせれば 「ガーリックラッサム」となります。

 

 

つづく。

 


ハーブ

2017年10月04日 | カレーリーフ

カレーリーフ 1

 

        

 春先に25 cmの背丈だったカレーリーフも今日測ってみると110 cm にも伸びていました。南インド出身の方に頂いた木です。下から1/3のところから上の方は枝葉と枝葉の間が大きく開いています。今年の夏に伸びたところです。そろそろ半分の長さに切り詰めて、室内に取り込むつもりですがその前に「カレーリーフ」について調べておこうと思います。切り取った葉と枝をどのように活用したらいいのか、前もって知っておこうと思ったからです。

 

カレーリーフ( Curry leaves,  Murraya koenigii, syn. Chalcas koenigii, ミカン科、インド原産。カレーノキの葉 )別名、オバゲッキツ( 大葉月橘 )、ナンヨウザンショウ( 南洋山椒 )、カリヴェンプ ( タミル語 : கறிவேப்பிலை )、カラピンチャ( シンハラ語 :  කරපිංචා )、カリヴェブ( カンナダ語 :  ಕರಿಬೇವು )、カリパク( テルグ語 : కరివేపాకు )、ガンドラ ( パンジャーブ語 :  करीपत्ता, मीथ णीम )、キトニム( ヒンディー語 :  मीथ नीम पत्ता )、ポコッカリ( マレーシア語 :  Pokok Kari )、サラムコジャ( インドネシア語 :  Salam koja )といいます。

 

Monisha Bharadwaj 著の The Indian Spice Kitchen から引用すると;

『 アーユルベーダでは強壮、駆風、刺激剤として使います。吹き出物、虫刺されにはペースト状にして、消化不良にはカレーリーフの汁をレモンジュース、砂糖と混ぜたものを、遺伝性糖尿病には毎朝カレーリーフ10枚を3か月間食べるように処方しています。汁を数滴たらすと目がよくなり、髪の毛が灰色になるのを妨げます。ココナッツオイルと一緒にボイルしたものを擦り込むと髪の毛が生えます。( 真偽のほどは分かりません )』と述べています。

 

 

つづく。