Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ハーブ

2017年01月21日 | ローズマリー

6. スープ

スープを作る際に、ローズマリーと相性のよい材料には次のものがあります。スイートポテト、(塩、オリーブオイルブラック、ペッパーをして)オーブンで焼いた野菜、チキン、ポテト、ズッキーニ、チックピー、パースニップなど。

 

ポテトローズマリースープ、マシュルーム、リーク、ローズマリースープ、ローズマリースープの3レシピを取り上げました。3番目はドイツのレシピで、ビタミンKに富むセロリの根を使っています。

セロリの根と聞いて古代ローマ帝国時代のセロリの根を使ったオードブル;HORS D’ŒUVRES, APPETIZERS, RELISHES GUSTUM  (  174  “MOVEABLE” APPETIZERS GUSTUM VERSATILE  ) を思い出しました。中世~近代ヨーロッパ料理には全く使われることがなかったのですが、最近になって取り入れられた食材です。少なくとも1890年以前には使われていなかったと思います。今は、日本でも手に入りますので珍しくもないのですが、ドイツのレシピの中にセロリの根が入った経緯は気になるところです。

 

ポテトローズマリースープ

http://www.twopeasandtheirpod.com/potato-rosemary-soup/ から

  

 ローズマリーとフェタチーズで作るスープはクリーミィで寒い冬に最適です。

 

材料(8人分):

オリーブオイル               1TBS

タマネギ(角切り)             1個

ガーリック(みじん切り)          1個

メークイーン(角切り)            5 個
野菜ブロス                 840g

水                     110g

バター                    45g

小麦粉                    22g

牛乳                    340g

フェタチーズ                110g

ローズマリー(みじん切り)         1/2TBS

塩                      -

ブラックペッパー               -

 

方法:

1. 大鍋にオリーブオイル、タマネギを入れて約5分間ソテーする。ガーリックを入れて2分間クックする。ポテト、ブロス、水を入れてボイルする。ポテトが軟らかくなるまで約20分間クックする。ポテトを450g取る。残りのポテトをスティック・ミキサーを使ってピュレする。

2. 鍋にバターを溶かして小麦粉を入れる。2分間クックする。牛乳を入れてとろみがつくまで煮る。 大鍋に入れてボイルする。取っておいたポテト450gを入れる。

3. フェタチーズ、ローズマリーを入れて塩とペッパーで味を調える。5分間クックする。暖かい内にサーブする。

 

マッシュルーム、リーク、ローズマリーのスープ

http://www.keepitsimplefoods.com/soups-stews/mushroom-leek-and-rosemary-soup/ から

 

 

材料(68人分)

ブラウンマシュルーム(チョップ)         130g

リーク(スライス)                2本

タマネギ(ダイス)                1個

オリーブオイル                  30g

セロリ(チョップ)                110g

ベジタブルブイヨンキューブ            1個

水                        1,350g

ローズマリー(みじん切り)            1 TBS

小麦粉                       15g

生クリーム                    75g

塩                         -

ペッパー                      -

 

方法:

大きな鍋にオリーブオイルを熱してタマネギ、セロリを入れて約2分間クックする。リーク、マシュルームを入れて2-3分間クックする。

水、ブイヨン、ローズマリーを入れて約20分間野菜が軟らかくなるまでボイルする。

スティック・ミキサーでピュレにする。生クリームと小麦粉を混ぜてよくブレンドする。塩とペッパーで味を調える。暖かい内にサーブする。ラーズマリーの新芽を入れて飾る。全粒粉で作ったブレッドがよく合う。

 

ローズマリースープ

http://www.kochbar.de/rezept/436500/Scharfe-Rosmarinsuppe.html から

  

 

材料:

ネギ                  1本

ローズマリー(チョップ)        5 枝葉

セロリアック※             250 g

ニンジン                1 本

ガーリック               1個

グリーンチリ              2 個

バター                1TBS

小麦粉                 40 g

ホワイトワイン            150 ml

ニワトリのブロス           800 ml

生クリーム             200 ml

ブラックペッパー            -

塩                   -

ナツメグ                -

 

方法:

タマネギ、ニンジン、セロリ、チリを細かく刻む。バターを熱してタマネギを炒める、セロリ、ガーリック、ニンジンを加える。ニワトリのブロスを加えて野菜が煮えるまでクックする。小麦粉とホワイトワインを混ぜて入れる。細かく刻んだローズマリーの葉を入れる。中火で約10分間煮る。スープをスティック・ミキサーでピュレにしてボイルする。生クリームを固く泡立ててそれを混ぜる。ペッパー、塩、ナツメグで味を調える。

 

※ セロリアック( Celeriac、 Apium graveolens var. rapaceum)。セリ科の植物で地中海原産。セロリの一変種で、根茎を食べます。別名、セルリアック、セロリアーク、ノブセロリ、根セロリ、セロリルート、カブラミツバ。ドイツのレシピはほかのヨーロッパとは一味ちがうでしょっ!!

 

  

http://www.specialtyproduce.com/produce/Celery_Root_902.php から

 

 

 


ハーブ

2017年01月18日 | ローズマリー

5.ローズマリーバス

今週の「お菓子教室」で話題になったものの一つに「ローズマリーのお風呂」があります。話題になったというか、話題にしたと言った方が正確ですが。この寒い日に温かいお風呂はホット息がつけるひとときですよね。そんなつもりで話したのですが。イヤ、正直に言うとブログで「ローズマリー」について書いていることもあって話題にしたのですが・・・・・・意外と反応が淡泊だったことに気がつきました。興味がないというよりは、ローズマリーをお風呂に使うことを意外に思われたのか、或いは今までにやってみたことはあるのだけれど効果が感じられなかったのかもしれません。

血行がよくなって(どんなハーブでもお風呂に使うと血行はよくなりますが)、特にローズマリーは収斂作用、静菌作用、抗酸化作用があって、皮膚には良い結果をもたらすと思うのです。このところ食べ物に集中して書いていますので、体のケアーに関する項目を挿入しようと思います。

「ローズマリーをお風呂に使うには、ローズマリーの枝葉を3-4本入れる。」のではなく、水から蓋をした鍋の中で加温して、沸騰したら火を止めてそのまま30分間置いた湯をお風呂に入れるのが効果的です。(私はこの方法をずーっと採用しています)香りだけを楽しむには枝葉を2―3本お風呂の中に放り込むだけで事足りますが、薬効はほとんどありません。

 

 

ドイツのサイトから “ハーブバス”;ttp://www.paradisi.de/Wellness/Baeder/Kraeuterbad/ をご紹介します。(ハーブバスについては、ハンガリー水やオーストリア=ハンガリー帝国に敬意を表してハンガリーのサイトも検索したのですが、ハーブに関してはやはりドイツが一番進んでいるようです。一部分加筆しました。)

 芳香を持つハーブ又はそのエッセンスをオイルと混ぜて入浴剤として使うと体だけではなく精神状態をも正常に維持する働きがあります。その働きはハーブによって異なります。 

1. それでは、目的に応じた入浴の方法を説明しましょう。

適応:
浴湯温度を38℃に設定して10分間入浴すると効果的な薬効を得ることができます。20分を越えることがあってはいけません。入浴後は休息をとることで体が温まり効果が高まります。

生のハーブは乾燥ハーブの倍の量を使うことで同じ効果を得ることができます。又ハーブが手に入らないときはできるだけ良質のハーブオイルとハーブ乳化剤を使います。浴湯には1カップ(230g)の牛乳を入れると上手く乳化してくれます。又ハーブの浸出液には良質の植物オイルを使うと上手く乳化してくれます。

 

ミツロウ、キャンデリラロウ、(大豆、トウモロコシ、卵白から作られる)レシチン、アカシアガム等の天然の素材を使って生み出される乳化剤、エマルジョン、ローションの作り方は下記のサイトを参考にしてください。

 

http://allnaturalbeauty.us/emulsions.htm 

http://heilkraeuter.de/salben/material.htm 

http://www.beautybad.de/badesalz/badeoel-selber-machen.html

http://naturkosmetik-selbstgemacht.de/kurs/teil-10-tinkturen.htm

 

 

https://www.leaf.tv/articles/natural-emulsifiers-for-homemade-lotions/

 (このブログは料理に関して書くことが目的ですので、コスメに関しては深くは触れませんが、ご希望であればおっしゃってください。コメントでも結構です)

 

Badeöl selber machenから「ハーブオイルの作り方」を引用しておきます。 

ハーブオイルの作り方:

エッセンシャルオイルとバスオイルを作るには次の材料を揃えます。

 

カモミールの花                   80g

松の葉                       80g

タイム                        80g

ローズマリー                     80g

セージ                        80g

コールドプレス製法のオリーブオイル         250g

 

方法:

ハーブを摘み取りよく切れるナイフでチョップし、密閉できる広口瓶に入れてオイルを注ぐ。ハーブがオイルの上に出るようであればオイルを少量追加する。冷暗所に3週間保管する。 

バスオイルはきれいな瓶に小分けして使う。1 TBS を浴槽に入れると、カモミールの花は熱を下げ、リラックス効果をもたらします、タイムがタンを取りセージと共に気管支の炎症を抑えます、ローズマリーは抗菌、抗ウイルス作用を発揮し、総合して器官の機能を高めてくれます。

 

2. ハーブバス

 

 

ハーブバスにはハーブ又はハーブのエッセンスとベースとなるオイルを混ぜたものを使います。

(もととなる20のローズマリー活用例を書いたサイトにはハーブバスの方法が記載してないのでドイツのレシピを上に入れておきました。参考にしてください)

 

 

 

 


ハーブ

2017年01月16日 | ローズマリー

 4. ローズマリーソルト

 
ここではローズマリーの葉だけではなく、レモンの皮を使ったソルトをご紹介します。塩を使う代わりにローズマリーソルトを使うと料理に深みが生まれます。

 

  

http://aseasyasapplepie.com/rosemary-lemon-sea-salt/ を参考にしました。

 

材料:

粗塩                     220g

ローズマリーの葉(刻む)           3 TBS

レモンの皮   (卸す)           1個分

 

方法:

1.材料をフードプロセッサーに入れて回す。

2.香りをかいでローズマリーとレモンの量を調節する。

3.110 ℃のオーブンに15-20分間入れて乾燥させる。

4.フードプロセッサーに入れて塊を粉砕する。

5.冷まして密閉できるガラス容器の中に入れる。

香りは日ごとに薄くなるが1年間位は使えます。

 

http://sassysouthernyankee.com/2014/12/rosemary-infused-sea-salt/ から

 

下の写真はローズマリーソルトの材料と完成品です。ローズマリーの大きさはすこし荒い様です。もう少し細かい方が歯に挟まらなくていいかもしれません。

 

 

ローズマリーの葉を直接食するローズマリーソルトとローズマリーバターは食べる量に気を付けなければなりません。詳しいことは後で述べますが、ローズマリーの葉をたくさん摂ると昏睡状態、筋肉の痙攣、吐き気、肺水腫など致命的な反応を起こします。妊婦や母乳で子供を育てている方は大量に摂取しないことです。胎児に影響があり、流産の心配があります。大人では、1日に4-6 g(干量で)を越えないことが大切です。4-6 g という量は普通の料理を普段通り食べていれば摂ることのない量ですが、頭の中に入れておくことは大事だと思います。

 

 


ハーブ

2017年01月14日 | ローズマリー

3.ローズマリーバター

 

 http://www.finecooking.com/recipes/garlic-rosemary-butter-condiment.aspx を参考にしました。

 

材料:

 

ガーリック                 14g

塩                   1 ts

レモンジュース                1 ts

グリーンシャルトリューズ ※       1 ts

ローズマリー                1/2 ts

バター                   120g

ブラックペッパー                        -

 

方法:

ガーリックを縦半分に切って芯を取る。刻んで塩を1ts振る。ナイフの腹を使って塩と一緒に押しつぶし、ガーリックペーストを2ts作る。ボールに入れてレモンジュース、シャルトリューズ、ローズマリーを加えて混ぜる。バターを加え、塩とペッパーを加えてペーストにする。

ラップを使って棒状に形作る。又は、下の写真のようにワックスペーパーでくるんで両端をソーセージのように閉じる。或いはラメキンに入れる。

冷蔵庫に入れて固める。冷蔵庫内で2週間、冷凍庫で1ヶ月間保存できます。


(ローズマリーの他にオレガノ、チャイブを入れると香りが増します。)

 

http://www.bettycrocker.com/recipes/ridiculously-easy-herb-compound-butter/0dc6fe5b-0862-419d-b700-aae5151f900e から写真を引用しました。

 

※ シャルトリューズ (Chartreuse) は、カトリック教会に属する修道会(カルトジオ会)で、11世紀からフランスに伝わる薬草系リキュール(霊薬、万能薬と言われる)です。「リキュールの女王」とも称されます。詳細な製造法は明らかにされておらず、現在でもシャルトルーズ修道院の修道士2人のみが知る秘伝となっています。ブランデーをベースに砂糖、アンゼリカ、シナモン、ナツメグの他130種類のハーブが入っています。極めて苦味が強く、アルコール度数、糖度が高いのが特徴です。

     

  

        

     修道士がリキュールの中に秘伝のスパイスを入れているところ?

 

使い方:

溶かしてグリルしている肉や魚にかけたり、ライ麦パンに塗ってローストビーフと一緒に食べる。蒸した野菜に絡める。ご飯又はパスタと混ぜる。焼いたポテトの上にのせる。

ブレッドの角切りに絡めてクルトンにするなど活用範囲が広いです。

 

 

 


ハーブ

2017年01月13日 | ローズマリー

2.ローズマリーオイル

 

http://www.pepperdesignblog.com/2012/12/05/handmade-gifts-rosemary-infused-olive-oil/ に少し手を入れました。

   

 

材料:

ローズマリーの葉              1カップ

オリーブオイル               1カップ

ローズマリーの枝葉             3-4本

 

方法:

ローズマリーをよく洗います。必要であれば水の中に浸してから洗い、汚れをしっかりと取ります。洗った後はよく乾かします。用意したローズマリーの葉を摘み取ります。ローズマリーの葉とオイルの半量を鍋に入れてオイルから匂いが出るまで約5-10分間温めます(決してボイルしません)。ビンの中に、残しておいたローズマリーの枝と残りのオリーブオイルと煎じたオリーブオイルを入れます。

しっかりと栓をして1-2週間置きます。作ってから2週間目が、一番香りが良い時です。長持ちさせるには冷蔵庫で保管します。

         

 

ローズマリーオイルは写真のように、ローズマリーの色を濃く煮出さないで薄く止めておくことが、質の良い、香りのよいローズマリーオイルを手にするコツです。できればできるだけ早く使い切ることも大切です。必要なだけ作り、作り置きしないことが大切です。乾燥したローズマリーの葉を使うと褐色のオイルになり思ったほどの香りが出ません。できるだけ新鮮な葉を使うことが大切です。熱を加えないでオイルの中に1か月ほど入れておく方法もありますが上の方法は、折衷案で両方のいいところを取ったものです。長期間の保存はボツリヌス菌などの嫌気性菌が増殖する心配がありますので、あまりお勧めはできません。

 

 

 

 


ハーブ

2017年01月11日 | ローズマリー

 

  ローズマリー( Rosemarinus officinalis )

        

 

上は庭先の植木鉢で育てているローズマリーです。今の時期はどこの地域でもローズマリーがこのように沢山の花を付けていることでしょう。匂いをかぐとさわやかな香りが鼻から頭の中を通り抜けてゆきます。皆さんはこのローズマリーをどのように活用しておられますか?

料理の得意な方は青身魚のグリルや、肉の下準備に、或いはオリーブオイルやビネガーなどに漬け込んで使っておられるのではないかと思っています。ローズマリーはⅠ年中葉を付け、寒さにも強い、料理に、そして体のケアーにも役に立つ植物です。ここではローズマリーの利用方法を20回に分けてご紹介してゆきます。

 

1.ローズマリーの香りを利用する一番簡単な方法はオイルやビネガーに漬けることです。 

http://www.eatingwell.com/recipe/250612/oregano-rosemary-marjoram-vinegar/ に少し手を入れました。

 

オレガノ、ローズマリー、マジョラムビネガー

ローズマリーの他にオレガノ、マジョラムをビネガーの中に加えると野菜だけではなくブレッドのディッピングソースにもなり、味に奥行きができて応用範囲が広がります。洒落たガラス瓶に入れてハーブを飾るとハンドメイドのすばらしい贈り物として喜ばれることでしょう。

   

 https://www.yuppiechef.com/spatula/how-to-preserve-herbs/ に少し手を入れました。

三種のハーブを入れたビネガーはトマトやモッツアレラにかけたり、オリーブオイルやディジョンマスタードと混ぜてパスタサラダのドレッシングに使うことができます。

材料:

ホワイトビネガー            6 cups

オレガノ                9 枝葉

ローズマリー              9枝葉

マジョラム               9枝葉

デコレーションのためのハーブ        -

 

方法:

きれいに洗った瓶と栓を沸騰する湯の中に入れて10分間煮る。

ビネガーを90 ℃ 以上に熱して瓶の中に入れ、冷めたら洗って乾燥させたハーブを入れる。贈り物にするときは生のきれいに洗ったハーブを飾ります。

冷蔵庫に入れておくと1年間保存できます。                              

                                                    

               

       マジョラム( marjoram、Origanum majorana )

                  

        オレガノ  ( Oregano, Origanum vulgare )

マジョラムは去年の夏に撮ったものですが、オレガノは何時でも撮れるということで写真が無くて青い葉を探して無理やり今日撮りました。どちらのハーブも栽培が簡単で、あると料理を作るときに重宝します。どちらもシソ科の多年草ですので一度植えれば、枯れて無くなることはありません。

 

 

 

 


1980年代をみてみよう ・・・・・其の五の3

2017年01月07日 | 1980年代をみてみよう

ブイヤベース~鯛 ( Red Snapper à la Bouillabaisse )   

ブイヤベースはギリシャのκακαβιά(Kakavia )http://www.dailygourmet.co.uk/greek-fish-stew/#.WG798I9OL5o
(下写真)が起源でマルセイユに伝わった料理であると言われています。レッドスナッパーが獲れないので代わりにタラを使っています。しかし左上に置かれたブレッドがボールの中に浸った状態で置かれていることに注目してください。Kakaviaがブイヤベースの元になったことに納得がいきます。

    

マルセイユの人々が、ブイヤベースが単なる魚のスープと異なるところはサフランとフェンネルの香りがすることだと言っていることからしても、(上の写真から、)ギリシャのKakaviaがブイヤベースの下地であることに異論は無いところでしょう。

 

様々な魚、カニ、トマト、ニンジンを使ったフィッシュスープ ( Κακαβιά, ψαρόσουπα με διάφορα ψάρια, καβούρια, ντομάτα και καρότα ) 

http://www.gourmed.gr/syntages/kakavia-psarosoypa-me-diafora-psaria-kavoyria-ntomata-kai-karota  から

 

  

上のレシピではタラではなくダスキーグルーパー、ホワイトグルーパ、フサカサゴ、マトウダイ、メバルを使っています。

4回のシリーズから皆様は何を感じ取られたでしょうか? 新たなレシピへの挑戦であればうれしいのですが。

 

 

 

 


1980年代をみてみよう ・・・・・其の五の2

2017年01月06日 | 1980年代をみてみよう

ブイヤベース~鯛 ( Red Snapper à la Bouillabaisse )  

鯛( レッドスナッパー※ )のブイヤベース 材料(6人分):

タマネギ(チョップ)              1個

ニンジン(チョップ)              2本

レッドベルペッパー(チョップ)         1個

フェンネル(茎と葉、チョップ)         340g

ガーリック(ミンス)               2個

オリーブオイル                   56g

トマト(チョップ)               1,350g

ベイリーフ                          1枚

タイム                          1/4 ts

フェンネルシード                     1/2 ts

パセリ                          6 TBS

サフラン                         1ピンチ

トマトペースト                        30g

ホワイトワイン(ドライ)                  340g

レッドスナッパー(塩コショウをした)       1500-1800g

ホンビノスガイ

( Hard clam、学名: Mercenaria mercenaria )   12個

ムール貝                     12個

エビ( 大)                     24匹

ペルノ※※                     1 TBS

砂糖                                        1 ts

方法: 鍋にタマネギ、ニンジン、ベルペッパー、フェンネル、ガーリック、オイルを入れてクックする。蓋をして中火で10-12分間野菜が軟らかくなるまで煮て、トマト、ベイリーフ、タイム、フェンネルシード、パセリ 4TBS を入れる。小さなボールにサフラン、トマトペースト、ホワイトワインを入れて約10分間煮る。それをスナッパーの上にかけてホイルをして176℃で15分間焼く。魚を返して更に30分間焼く。スパチュラを使って魚を平皿に移し、覆いをして90℃ のオーブンに入れて保温しておく。

別の鍋に貝とワイン110gを入れて蓋をして約3分間強火で加熱する。ムール貝を加えて4分間蒸す。煮汁を56gとっておく。覆いをして保温しておく。 トマトソースを大きなソースパンに移してベイリーフを取り除く。エビ、を加えて中火でクックする。残しておいたパセリ2 TBS、ペルノ、漉した煮汁、砂糖を混ぜてコショウで味を調える。取り出したエビ、ソース、貝、ムール貝を魚の周りに飾る。ルイユとトーストを添えてサーブする。

※ レッドスナッパーを鯛と訳していますが正確にはレッドスナッパーはフエダイ亜科に属する魚で、日本の真鯛とは別のものです。レッドスナッパーはスズキ目、スズキ亜科、フエダイ科に次ぐ、フエダイ亜科に属しています。日本の鯛は正しくはRed sea bream ( Pagrus major ) です。

スズキ目: Perciformes( 20亜目 )

  スズキ亜目:Percoidei フエダイ科:Lutjanidae フエダイ亜科:Lutjaninae( アメフエダイ亜科以下、3亜科17属108種が属します ) 4亜科の代表?魚の絵をに入れておきました。(多種類でこれらの4種類の魚は代表とは言えませんが、これらをご覧になっていかに種類が多いかを実感していただけると思います)     

    アメフエダイ亜科 Apsilinae

                                                               

         Paracaesio

         Apsilus

         Lipocheilus

         arapristipomoides  

   ハマダイ亜科 Etelinae Pristipomoides   

            

          ハマダイ属 Etelis

         イシフエダイ属 Aphareus

         アオチビキ属 Aprion Randallichthys

 

 フエダイ亜科 Lutjaninae 

                                                                                                                 

        フエダイ属 Lutjanus ゴマフエダイ、ウラウチフエダイ、センネンダイ、

    パラフエダイバラ 、レッドスナッパーなど68種

        マダラタルミ属 Macolor

             Pinjalo

             Rhomboplites

             Hoplopagrus

            Ocyurus

            Hemilutjanus   

    イトヒキフエダイ亜科 Paradichthyinae    

                                   

            Symphorichthys

 

又、スズキ亜目( Percoidei )の中には。スズキ、マダイ( Red sea bream、Pagrus major )、ハタ、アジ,石鯛、アマダイ、キス、シイラ、ブラックバス、リーフフィッシュ、テッポウオ等、79科549属3,176種があります。

 

       

http://captainscatchseafoodri.com/seafoods/ から引用しました。

上がレッドスナッパーで、笛を吹くような口元 ( 笛鯛の名の謂われ ) をしています。下は真鯛で二つを比べるとその差は一目瞭然です。

鯛と連子鯛(別名キダイ)は次の分類の中に入っています。 

スズキ目: Perciformes( 20亜目 )

スズキ亜目:Percoidei

   タイ科

     マダイ亜科 マダイ属

     キダイ亜科 キダイ属 

真鯛がレッドスナッパーのような熱帯魚の仲間でなくて何故かホットしました。

 

ブリーム ( Bream : Abramis brama ) は古くからヨーロッパで知られている名で、ヨーロッパの河川や湖沼に棲む川魚です。古い中世の料理書を開くと必ずと言っていいほど出てくる、ヨーロッパ人にとっては馴染みのある魚です。場所によって色が異なりBlack Bream, Yellowfin Bream, Frypan Bream, Pikey Bream, Tarwhine, Silver bream 等の名で呼ばれています。

                                

一方、レッドスナッパーが属するフエダイ亜科の魚は大西洋、インド洋、太平洋の熱帯、亜熱帯地域に分布しているのでヨーロッパ人にとっては近年になって初めて接した魚だと思われます。鯛に似た海魚(真鯛)を見た時、昔からなじみのあるブリーム(Red sea bream) の名を付けたのだろうと思われます。

                                       

※※ペルノはアニスシードをはじめ15種類のハーブから造られたリキュール(40度)で、氷を入れると黄緑色の色が黄白色に変化する独特の香りがあるアニスリキュールです。 名高いアプサンは、1792年にスイス人医師のピエール・オーディナーレ氏が独自の製法でアブサンを開発しましたが、1915年、フランスで製造禁止となり、その代替品として発売したのが、ペルノ・アブサン(68度)です。

レシピのリキュールは「ペルノ」であり、ペルノ・アブサンではありません。念のため。

アブサンに含まれるニガヨモギの主成分であるツヨンに、マリファナに似た幻覚等の向精神作用があり、閃き?を引き出す霊酒として、ゴッホ、ヴェルレーヌ、ロートレックなどの芸術家に愛飲されました。アブサンに魅せられた人々、アブサニストは最終的には心身に異常を来たし、人生を破滅させたことは記憶の中にしまっておくべきでしょう。  

                         

 

    引用先: http://www.athomecatering.co.uk/menu/main-courses/

上の絵は品よく?ブイヤベースを、一人前サーブしたところです。いい絵なので引用させていただきま した。右側にオレンジ色に見えるものは、ルイユを注ぎ入れているところが写し込まれたもの。

 

次回はマルセイユのブイヤベースの元となった、ギリシャのブイヤベース( κακαβι )について述べることにしましょう。

 

 

 


1980年代をみてみよう ・・・・・其の五の1

2017年01月05日 | 1980年代をみてみよう

ブイヤベース~鯛 ( Red Snapper à la Bouillabaisse ) 

まづ、ルイユ( Rouille;ルイユはブイヤベースの出汁に出てしまった魚や、付け合わせのパンに付けるためのソースです。)から

 

材料(225g分):

ブレッドクラム               100g

ガーリック(潰した)             3個

レッドペッパーのロースト          168g

トマトペースト                2 ts

カイエンペッパー              1/2 ts

パプリカ                  1/2 ts

オリーブオイル                56g

 

小さなボールにブレッドクラムを水 3 TBSと一緒に入れてパンを湿らせます。水を絞ったらフードプロセッサーの中にガーリック、レッドペッパー、トマトペースト、カイエンペッパー、パプリカを入れて回し、ペースト状にします。そこにオリーブオイルと水 2 TBSをすこしずつ加えてソースにします。8時間前に作っておくことができます。

  

絵はhttp://www.aprendresansfaim.com/2015/01/bouillabaisse-de-marseille.html から 

レシピ(次の)はhttp://www.marmiton.org/recettes/recette_la-rouille_62683.aspx から引用させていただきました。 

材料 ( 8 人分):
ガーリック                        4 個

ブレッドクラム                     一握り

魚の出汁                        少量

卵黄                          1個

オリーブオイル                     少量

サフラン(粉)                    1 ピンチ
サフラン                        少量

パプリカ                       1 ピンチ

エスプレットペッパー( Espelette pepper ※ )     1ピンチ

塩                          1 ピンチ

※エスプレット( Espelette pepper )は、フランス南西部のエスプレットを中心とした地域で生産されるトウガラシ、またその粉を指します。1650年、コロンブスとともにアメリカ大陸から戻ったバスク人が伝えたと言われています。

フランス、スペイン、ポルトガルで栽培されているそのほかのトウガラシについてはhttp://www.superhotchiles.com/francespaingallery.html に詳しく述べられています。

 

                 Piment D' Espelette

 

方法:

ガーリックを潰します。ブレッドクラムを魚のブロスに浸して絞り、ガーリック、卵黄を加えます。材料をよく混ぜてそこにオイルを注ぎ、よく混ぜてマヨネーズ様にします。粘度が出たらスパイスと塩を加え、冷蔵庫で1時間冷やします。焼いたクルトンに魚のスープ又はブイヤベースを添えてサーブします。 

二つとも魚のブイヤベースのためのレシピです。バスク地方を思い起こさせるレシピとフランスの一般的なレシピを取り上げておきました。二つのレシピを見比べると優れたところと、料理の内容によって補った方がよいと思われるところが見えてきます。

 

トースト: 

材料(16枚分):

イタリアン又はフレンチブレッド1.8mm の厚さにスライスしたもの  1斤

オリーブオイル                          56g

 

方法:

ブレッドのスライスにオイルを塗って180 ℃のオーブンで15-20分間、又はきつね色になるまで焼く。冷ましたら密閉して保管すると2日間持つ。

 

 

 

次回は鯛のブイヤベースです。

 

 

 

 

 


1980年代をみてみよう ・・・・・其の五

2017年01月03日 | 1980年代をみてみよう

ブイヤベース~鯛 ( Red Snapper à la Bouillabaisse ) 

暮れの寒い風の吹く海に出て釣った鯛を頂きました。石鯛は煮ものとお刺身にして、連子鯛は( 普通の鯛に比べると少し味が劣る(という)ので、 )お正月用に塩をして焼いておきました。日にちが経って少し硬くなった連子鯛をだしに入れて少し熱を加えて頂きました。これが思いのほか美味しかったんです。

これに味を占めて、春先の鯛の旬に合わせて今から「 鯛料理 」を準備しておこうと思いました。今回の鯛は新しかったのと、養殖物ではないので( 連子鯛の養殖物はないですが )味が特に良かったのですが、普通のものでも美味しく食べることのできるブイヤベースを考えることにしました。これだとスーパーで手に入る鯛でも使えるでしょう?

 

写真は鯛のブイヤベースです。1984年9月号の Gourmet 誌からレシピともども引用させていただきました。写真奥左のオレンジ色のものがガーリックペッパーソース ( ルイユ、Rouille )で右側がトースト( Crisp Toasts)です。その奥の何気なく置かれている飲み物がシャサーニュ-モンラッシェ ブラン( Chassagne-Montrachet Blanc 1982 )です。

 

ワインの方はブログを見ている方々の懐具合で調達すべきもので、シャサーニュ-モンラッシェもいいですが、100歩譲って、ヴァン・ド・ペイ( Vins de Pays )の中から選ばれるのも一考だと思います。私は特別の場合は除いてここから選んでいます。ヴァン・ド・ペイについてはここでは触れませんが、詳しく知りたい方は 

https://www.asahibeer.co.jp/enjoy/wine/know/wine/c_02.html 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%82%A4 

http://www.nouvellesselections.com/winery/detail.php?post_id=1000704

http://avis-vin.lefigaro.fr/connaitre-deguster/tout-savoir-sur-le-vin/guide-des-regions-et-des-appellations/languedoc/appellation-vin-de-pays-d-oc

 

等を参考になさってください。お気に入りの、日常使いの手ごろなワインを手に入れることができるかもしれません。

 

後の3つのレシピは次回に詳しく述べることにします。ご期待ください。

 

 

 


1980年代をみてみよう ・・・・・其の四の3

2017年01月03日 | 1980年代をみてみよう

それではアルトン・ブラウンのレシピを見てみましょう。彼の料理はアメリカ料理を代表していると言っていいでしょう。 ※ About Alton Brown ( Wikiから )

  

アルトン・ブラウン(写真上)のリンクです。興味のある方はご覧になって下さい :

Alton's Website
Like Alton on Facebook
Follow @AltonBrown on Twitter
Listen to the Alton Browncast

アルトン・クロウフォード・ウォルター・ブラウン(Alton Crawford Walter Brown:1962年7月30日-)は、アメリカ合衆国の料理人、テレビタレント、俳優撮影監督。1998年からシカゴのWTTWでGood Eatsという料理番組に出演しています。1999年からGood Eatsはフード・ネットワークで全米に放送されるようになりました。2005年よりアイアン・シェフ・アメリカで実況解説をしています。2006年からFeasting on Asphaltにホストとして出演しています。

http://www.foodnetwork.com/recipes/alton-brown/corn d-beef-recipe.html から

材料: 水                      1.88 L

塩                               1 C

ブラウンシュガー                       2 TBS

硝酸カリウム(硝石)                                  2 TBS

シナモンスティック                    1本

マスタードシード                  1 ts

ブラックペッパー                  1 ts

クローブ                      8粒

オールスパイス                   8粒

ジュニパーベリー                  12粒

ベイリーフ                     2枚

グラウンドジンジャー                1/2 ts

氷                        900g

肩バラ肉                   1.8—2.25 kg

タマネギ (四つ切小)               1個

ニンジン(荒切り大)                1個

セロリ茎 (荒切り)                1本

 

方法: ストックポットの中に塩、砂糖、硝酸塩、シナモン、マスタードシード、ブラックペッパー、クローブ、オールスパイス、ジュニパーベリー、ベイリーフ、ジンジャー、水を入れる。 砂糖と塩が溶けるまでクックする。火から下ろして氷を入れる。氷が溶けるまで混ぜる。又は、冷蔵庫の中に7℃になるまで入れておく。冷めたら肩バラ肉をジップロックに入れて塩水を入れて、10日間の間冷倉庫で保管する。毎日肉が塩水の中に浸っていることを確認する。 10日後に塩水から出して冷水で洗う。肩バラ肉を大きな鍋に入れてそこにタマネギ、ニンジン、セロリを入れて水を2.5 cm の上まで入れる。強火でボイルする。その後、火をゆるめてゆっくりと2 1/2 時間コトコトと肉にフォークが通るまで煮る。火から下ろし、線維を切る方向で肉をスライスする。

コーンビーフの作り方を幾つかの例を通してみてきました。取り立ててアメリカの料理の仕方を非難するつもりはないのですが、すこしおかしいのでは?と思うのは私一人ではないでしょう。 少し前のブログ「オリーヴ~塩漬け」でもふれたように、食べる時に塩を抜くという手間が要りますが、塩の中に長期間保存したものを食べるという方法が体には一番いいと思うのです。薬品を使ってオリーブの中のアクを抜くというやり方は感心しません。食べ物は見かけだけでは無いと思うのです。 コーンビーフの作り方も同じです。肉のタンパク質が63℃から凝固を始め、68℃から水分を分離し始めることを応用した、その手順を踏むことで体にいい、そして色のいい食品となります。硝酸塩を使えば肉を塩水の中に漬けておくだけでコーンビーフができあがるという方法は、なるほど簡単で、色よく仕上げる方法ではありますが、多少面倒でもしっかりと守るべきところに妥協は許されないと思います。

 

 

 


1980年代をみてみよう ・・・・・其の四の2

2017年01月02日 | 1980年代をみてみよう

 

Corned Beef ( コーンビーフ)

https://www.reference.com/food/origin-corned-beef-cabbage-77480f907b803f3d にはアイリッシュの人たちが聖パトリックの祝日に、コーンビーフとキャベツを食べる歴史と理由が述べられています。コーンビーフがお祭りの中心の一つであることが伺えます。

 

 

http://www.novum.ie/en/news/happy-st.-patricks-day から

聖パトリックはシャムロック(正確にはアイルランド語の seamróg は、マメ科のクローバー、シロツメクサ、コメツブツメクサや、ウマゴヤシ、カタバミ科のミヤモカタバミなど葉が3枚に分かれている草を指しています)を手にアイルランドで 『三位一体』 を説き、キリスト教を布教したので祝日にはこのようなシロツメクサを配した絵が描かれます。

聖パトリックの祝日(3/17)に間に合うように塩漬け肉を作る方法。 

http://www.thekitchn.com/how-to-make-corned-beef-for-st-78650  から全文をそのまま引用させていただきました。

    

 パトリックの祝日がやってきます。これを機会に自宅で牛肉を塩漬けにしようと思い至りました。時間はたっぷりとあります(この記事は3月10日に書かれたようです)ご一緒に始めませんか?

 

コーンビーフって何 ?

塩を擦り付けて、又は塩水の中に入れて肩バラ肉を塩漬けしたものです。この塩漬け肉は普通ボイルするか又は弱火長時間かけて煮て柔らかくします。ライブレッドでサンドしたルーベンサンドイッチ(Reuben sandwich )又は聖パトリックの祝日にアイルランドでは、ボイルしたキャベツ、ポテトと一緒に夕食に頂きます。

どうしてコーンドビーフっていうの ?  どこにトウモロコシがあるのかしら ?
肉を保存する際に使う粒の大きな塩を指しています。(最初に提示したコーンビーフの材料の写真の中に大粒の塩が写っています)

塩漬け方法:
塩漬けにするのは簡単です。: ばら肉にスパイスと塩をこすりつけて冷蔵庫の中に長時間寝かせます。又は、スパイスと塩で塩水を作り肉を漬して冷蔵庫で保管します。今回は塩水を使う方法を選びました。塩とスパイスには:マスタード、シナモン、ナツメグ、ブラックペッパー を使います。

以下、貯蔵過程における肉の褪色(灰色に変わる)について述べられていますが削除しました。食紅及び硝酸カリウム等の使用説明だからです。このような化学薬品は数十年も前から発がん性の可能性があることが言われています。 ボツリヌス菌などの汚染を防ぐには、肉の汚染に気を配り、洗浄をしっかりとすれば問題のないことは明白です。又、塩を使って長期保存すればきれいな本来の肉色をしたコーンビーフができます。薬品を使って、手間を省いて問題を回避する方法はもうやめた方がいいと思っています。 

肉:
小さくても1.8 kg の良質な牛肩バラ肉を使うようにほとんどのレシピには書かれていますが、私は1.35 kg の肉を選びました。

 

レシピ:
牛肉が手に入ったら次は塩水です。いよいよ塩水を作ります!このレシピは アルトン・ブラウンのコーンビーフレシピ( Alton Brown's corned beef recipe )とコーンビーフのモートン製品( Morton product : Morton Tender Quickはこの上の画像の左上にあり、アマゾンで購入可ですが、硝酸ナトリウム、亜硝酸塩が入っています )にあわせて私が調整したものです。

 

材料:

水               1.88 L

モートンテンダークイック     2 C

ブラウンシュガー        130g

シナモン            1 TBS

マスタードシード      1 ts

ブラックペッパー        2 ts

クローブ            1 ts

ジュニパーベリー        15

ジンジャー           1/2 ts

氷       

牛肩バラ肉           1.35―2.25 kg

 

方法:

水の中に砂糖、スパイスを入れて弱火で加熱します。混ぜて煮溶かします。火から下して氷を加え、氷が解けたらフリーザーバッグの中に肉を入れて冷やした塩水を注ぎ入れます。封をして冷蔵庫に入れます。毎日揺らして肉が常に塩水に浸っているようにします。7―10日間するとできあがりです。( 亜硝酸塩を使うので加熱処理していません)

 

 

 

次回はアルトン・ブラウンとは一体誰なのか、そして彼のレシピのレシピとは一体どのようなものなのかご紹介しましょう。

 

 

 


1980年代をみてみよう ・・・・・其の四の1

2017年01月01日 | 1980年代をみてみよう

 コーンビーフ  ( Corned Beef )

 

1984年 3月の Gourmet 誌を何気なく見ていたらコーンビーフが目に飛び込んできました。平皿の真ん中の、スライスされた赤い肉がコーンビーフです。
この絵をみて、数日前に自宅で昼食を共にしたインド人との会話を思い出しました。

 

長く続く会話の中に「コーンビーフ」と言う言葉が出てきました。少し間をおいて、怪訝な顔で「コーンビーフってなに?」と言うのです。なんて説明をしたらわかりやすいだろうと一呼吸会話がとぎれると、続けて「どう綴るの?」と尋ねるのです。「cornedって・・・塩漬けの意味の。」と説明しても、「トウモロコシのコーン???」と質問が続いて飛び出しました。

「『コーンビーフ』は料理とその歴史にさほど興味のない方には正確には理解されていないのでは?」と、彼の質問から通じなかった理由に思い当たりました。

 

今取り上げているコーンビーフはCorned beef のことですが、日本でいうところのコーンビーフではありません。これだけの説明では「いったい何の事・・・・・?」という反応が返ってくるばかりでしょうね。

それもそのはずかも知れません。「Corned beef」は成程、発音すれば「コーンビーフ」と聞こえますが、正確に言うとコーンとビーフの間に、1/8呼吸くらいの間が入ります。-edを発音している(つもりの)間が空くのです。――― 言葉を換えれば、 -edの発音が聴こえづらいために―――― corned beefは日本語表記すればコーンビーフとなってしまいます。「そんなこと説明されなくっても分かってるよ。」と言われそうですが、コーンビーフが正確に伝わらなかった理由のもう一つに、日本でコーンビーフと言えば、巻き取り鍵で開ける、缶詰の中にこれでもかと押し込まれた、あのボロボロの、脂っぽくて白い、ギュウギュウに詰められた肉が思い出されてくるからでしょう。

本当の?コーンビーフの姿は遠のくばかりなのかもしれません。

 

先に、Guormet 誌に載っていたコーンビーフのレシピ( 上の写真の料理 )をご紹介してから「コーンビーフ」の説明を始めることにします。

 

コーンビーフ

材料:

コーンビーフ            875g

タマネギ(1/2に切る)        1個

ブラックペッパー          10粒

冬野菜

ホースラディッシュ

ディル

バター

 

方法:

鍋に水を5 L 入れてボイルする。コーンビーフ、タマネギ、ペッパーを入れてクックする。アクを取って3.5時間コトコトと煮る。20分間は肉を煮汁の中に立てて蓋をせずにクックする。ボードの上にのせて繊維を切る方向で肉を切り、野菜を添えてサーブする。

( レシピにはうたわれてはいませんが、写真上に写っているモルタルの中に、溶かしバターの中にディルとホースラディッシュを入れたコーンビーフに付けるソースが入っているのでしょう。)

「コーンビーフがどのようなものなのか」の理解が深まるように、 https://www.chefsteps.com/activities/corned-beef からコーンビーフの作り方を引用させていただきました。“ 9日間塩水の中に漬けて作る “という本格的なものです。

コーンビーフを作ることは、生ハムを作るよりもずっとハードルは低く、ローストビーフと同じくらいの手間で出来るので試してみる価値はありそうです。(下の絵は材料を並べたもの。)

  

       Flavor-Packed Homemade Corned Beef With Nine-Day Brine

 

材料:

肩バラ肉                                           3 kg

コリアンダー                       180 g

ブラックペッパー                     144 g  

マスタードシード                       90 g

ディルシード                        90 g

スターアニス                        40 g

メイス                           18 g

クローブ                          18 g

チリ                            10 g

塩                             240 g

ピンクソールト                         12 g

ブラウンシュガー                        140 g

冷水                             8 L

 

方法:

1. 肩バラ肉の余分な脂肪を取り除く。

  

 

2.塩水を準備する。

コリアンダー                      80 g

ブラックペパー                     64 g

マスタードシード                    40 g

ディルシード                      40 g

スターアニス                      40 g

メイス                           8 g

クローブ                          8 g

チリ                            5 g

塩                           240 g

ピンクソールト                         12 g

ブラウンシュガー                        140 g

冷水                           8 L

 

スパイスは全て挽いて塩、砂糖、水と一緒に混ぜる。

 

 

3 塩水の中に牛肩バラ肉を漬ける。

ばら肉を塩水に漬けて冷蔵庫に7-10日間入れておく。肉の中に塩水が行き渡ってピンク色になる。 一日に一度塩水をかき混ぜて塩の濃度を均一にする。

 

  

4 肉にすり込むスパイス。

コリアンダー                  100 g

ブラックペッパー                  80 g

マスタードシード                  50 g

ディルシード                  50 g

メイス                   10 g

クローブ                    10 g

チリ                      5 g

 スパイスを小さなボールに入れて混ぜる。

 

5 こすりつける。

塩水から肉を取り出してタオルで水気を取り、スパイスを全て肉にこすりつける。

 

6 加熱する。

ばら肉を真空バッグに入れて60 °Cで48時間クック※する。封をしたまま(密閉して)冷蔵庫で保管する。

 

 

※ 真空(低温)調理法( cuisson sous-vide )は、1979年にフランスでジョルジュ・プラリュ( Georges Pralus,1940/1/2-2014/5/15 )がフォアグラのテリーヌ調理のために開発した調理法です。生あるいは焼き目をつけて下処理をした肉と調味液をフィルム袋に入れて真空密封し、温度と時間がコントロール出来る調理器で調理します。細菌の増殖を抑えて食中毒を防ぐために、加熱後に90分以内に3℃以下に急速冷却する必要があります。タンパク質が63℃から凝固を始め、68℃から水分を分離し始めることを応用した料理方法です。

7 供するときには封を開けて漬け汁を捨てます。アイルランド人のように肉をスライスしてキャベツと一緒にサンドイッチにしたり、イギリス人のようにイングリッシュマフィンの中にとろとろの卵と一緒に入れたり、メキシコ人のようにターコーの中に細切りにしたコーンビーフをジャラペーノやキャベツと一緒に入れたり、あるいはスライダーバンの中にスイスチーズと一緒に入れて食べます。

 

  

残ったらラップに巻くか袋に入れて冷蔵庫で保存します。他のデリミートと同じくらい、2-3日日持ちします。

 

 

続きます。