Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

フェタチーズの作り方

2016年09月20日 | 洋菓子

フェタチーズ ( Feta )

 


フェタチーズを作ろうと思ったので少し調べてみました。Wikipedia と下記のサイトを参考にさせていただきました。 

フェタチーズ ( フェタ ) はギリシャの代表的なチーズで、白色でねっとりしています。食塩水の中で熟成するので塩味がきつく、食べるときに塩抜きをする必要があります。しかし、他のチーズとちがって、「食べ頃」期間が長く重宝するチーズです。フェタが最初に文献にあがるのはビザンティン帝国時代に書かれた ( Poem on Medicine 1209 ) の中で、prósphatos  ( Greek: πρόσφατος, "recent" or "fresh" ) の名でクレタ島、アルーマニアで作られていたようです。

 

最初はアメリカのレシピから、サイトの主は http://www.ucclermont.edu/academics/academic-departments/science-health/s-h-faculty/DFankhauser.html

https://fankhauserblog.wordpress.com/tag/bacteria/ から引用させていただきました。なかなかの力作です。レンネットの作り方なども入っています。

 

 

材料:

山羊のミルク                       3.8 L

ヨーグルト                        1 TBS

レンネット1/2 tablet+水1/4 cup

 

方法:

1. ミルク3.8 L を30℃ に温める。

2. ヨーグルトを1 TBS 入れてよく混ぜる。蓋をして室温で1時間静置する。

   冷たい塩素のない水に錠剤 ( レンネット ) を溶かす。

          

 

3. レンネットを混ぜる。

 

     

4. レンネットを入れたミルクを室温で一晩静置する。

 

    

  

 

5.翌朝、ミルクがゲル化してホエイが一部分分離しているのを確かめる。

 

     

 

6. 鍋の縁にナイフを入れてカードを鍋の底まで切る。 1.3 cm 間隔で平行にナイフを入れる。これと 90° の角度でナイフを入れて1.3 cm の立方体に切る。又はスライスする。

 

 


7. きれいな手を鍋の底まで入れて優しく混ぜる。大きなピースがあればナイフで1.3 cm の立方体に切る。10-15分間静置してカードが収縮するように時々混ぜる。

     

8. ストレイナーに布を敷いてホエイを漉す。カードを布の中に入れて保存する。

 

 


9. ホエイが出なくなるまで布の中に入れて ( 約2-4時間 ) 水気を切る。室温又は冷蔵庫の中で水気を切る。

 

      

 

10. 水気を切ったカードをボールの中に入れる。塩を1/2 ts 混ぜる。 

     


11. チーズを型に入れる。布を敷いてその中にチーズを押し込む。布でくるんで重しをして一晩寝かせる。

     

 

12. 12.5 %の塩水を作る。ホエイ560 g に塩75 mlを入れて溶かす。塩水が酸性でないとチーズが溶けるので、蓋をして一晩おく。

 

     

 

13. チーズを4.2 cm の大きさに切って広口の瓶に入れる。塩水を注ぎ入れて蓋をする。4-5日間冷蔵庫に入れるとチーズが硬くなる。

     

14. 冷蔵庫に保管して、使う前には塩抜きをする。

 

 

 

次はギリシャのサイト http://www.sheblogs.eu/ftiaxno-tyri-feta/ から引用しました。

 

フェタチーズを作るには羊の乳を70%、山羊の乳を30%用意します。ギリシャのフェタチーズを作るにはどちらか一方だけでは作れません。

 

材料:

ミルク        2 L
レンネット   


毛などが入らないようにチーズクロスでミルクを漉してから鍋に入れる。

 

    

ミルクを90℃ で殺菌する。

     


ミルクを38℃ に冷まして、レンネットをスプーンの先にのる量を、塩 1 tsを少量の水に溶かして混ぜる。

 

   

 

ミルクに注いで全体に行き渡るようによく混ぜる。 

40分間静置する。短く切ってホエイを出す。(鍋を少し傾けるとホエイが出ているのが見える) 

 

    

    

    

 

    

 

    

 

濃い塊になるように混ぜて、底に沈めておく。 


チーズクロスをボールの中に広げてチーズを注ぎ入れる。チーズの入ったチーズクロスを吊るしてその下に水盤を置いてホエイを受ける。

 

    

 

4-5時間静置してからチーズクロスを取ってボールに入れる。更に荒塩を周りに振って4-5時間水分を取る。

 

   

 

  

 

   

 

保存するにはボールの中に入れて荒塩とホエイで作った塩水の中に入れる。長期乾保存する時は塩の中に入れて大理石で重石をする。

 

     

 

 

再びギリシャのサイト http://kthnotrofia.pblogs.gr/ftiahnw-tyri-feta-kai-myzhthra.html から、(上と重複する部分は、一部分省略しました。)

 

羊のミルクは脂肪分が多く、柔らかいチーズになり、山羊のミルクを入れると固くなるのでそれぞれのミルクを7 : 3で入れる。最初にミルクを布で濾して異物を取り除く。鍋に入れて65℃に加熱して滅菌をする。ミルクの出所が不明の時には90℃で加熱する。 

65℃になったら火を止めて35℃まで冷ます。レンネットを塩素のない水に溶かしてミルクの中に溶かす。 

      

 

まんべんなく混ぜたら45分間静置して固まるのを待つ。固まるまでかき混ぜてはいけない。

 

    

  

    

 

水気を切るために小さな穴の開いた特別の入れ物に入れる。さめたら塩を少しずつ加える。塩をする作業は5-7日間、水気がしっかりと抜けて硬くなるまで続ける。

 

     

 

   

    

 

最後にチーズを樽に詰めて塩水をチーズがかぶるまで入れて熟成を待つ。7%の塩水を用意して、香り付けにローズマリー又はセイヴォリィの若枝を入れる。冷所に保管する。通常3ヶ月間保存するが、それよりも早く出して、若いチーズを楽しむこともできる。 

 

3つのレシピを比べて異なる点を抜き出すと;

 

1 レンネットを入れる時のミルクの温度です。レシピの上から順に、30℃、38℃、35℃となっています。

2 レンネットを入れてその後ミルクを寝かせておく時間です。一晩、40分、45分。

3 塩をするタイミングと量です。水気を切ったカードの中に入れる方法、塩をまぶす方法の二通りがありました。

 

山羊と羊の乳は汚染されているか、いないかは大切なことです。チーズを作る工程は常に細菌が増殖する好環境だからです。汚染の可能性のあるミルクは速やかに処理をする必要があります。完全に滅菌されたミルクはレンネットを入れた後ゆっくりと反応をさせることができます。山羊や羊のミルクの代わりに低温殺菌牛乳を使うのであれば一晩寝かせても問題はありません。塩を全体にまぶす必要もないでしょう。ほんの少し( 1/2 ts ) の塩をカードの中に入れる方法も可能です。

ホエイで作った食塩水は汚染の可能性が高いので食塩濃度と保存場所に注意する必要がありそうです。

下にたばこ塩産業 塩事業版 1997.10.25 のサイト

; http://www.geocities.jp/t_hashimotoodawara/salt6/salt6-97-10.html から

引用させて頂いた水分活性値と食品の表をあげておきます。生ものを扱うときは食塩、砂糖には細菌の増殖を止める効果はあっても殺菌効果がないことに常に気を配るべきでしょう。好塩菌は塩の中で増殖はしないものの生き続けているからです。

 

食塩と砂糖溶液の水分活性値と食品

 

水分活性値

食塩 (%)

砂糖 (%)

食            品

1.00~0.95

0~8

0~44

新鮮肉、果実、野菜、シロップ漬けの缶詰果実、塩漬けの缶詰野菜、フランクフルトソーセージ、マーガリン、バター、低食塩ベーコン

0.95~0.90

8~14

44~59

プロセスチーズ、パン類、生ハム、ドライソーセージ、高食塩ベーコン、濃縮オレンジジュース

0.90~0.80

14~19

59~飽和

熟成チェダーチーズ、加糖練乳、ジャム、砂糖漬け果実の皮、マーガリン

0.80~0.70

19~飽和

 

糖蜜、高濃度の塩蔵魚

 

 

 

 


マフィン~バターガーリックシュリンプとコリアンダーのマフィン

2016年07月31日 | 洋菓子

 
Butter Garlic Shrimp and Cilantro Muffins


最近目を引いたサイト中に『「カップケーキ」って呼ばないで!』 ( Don’t Call Me Cupcake ) : 16 Surprisingly Savory Muffins: http://www.brit.co/savory-muffin-recipes/ というのがあります。なかなか痛快で素敵な内容です。ここに紹介しておこうと思いました。

アメリカの文化に影響された人達は、私を含めて「マフィン」といえば反射的に「ブルーベリーマフィン」と口をついて出てきます。現にカナダでは今もエスター・ブロディ ( Esther Brody ) が著した従来の?材料を使った、マフィンのレシピ本:The 250 Best Muffin Recipes や The 500 Best Muffin Rcepies が売れています。そういった壁に張り付いた古いシミのようなものを搔き落としてくれた、言わば「目から鱗」のサイトが上のウエブページです。

絵はエスター・ブロディのレシピ本

内容に入る前に「マフィン」とは何なのか、wikipediaの解説(『』内)から予備知識を仕入れておきましょう。

『マフィン ( muffin ) にはアメリカ式のカップッで焼いた菓子と、イギリス式の丸型で焼いたパン状のイングリッシュ・マフィンがあります。しかし単に「マフィン」と言えば、今ではイギリスでも一般的にアメリカ式のものを指します。いろいろな種類の粉で作られ、中にブルーベリーなどのフルーツやナッツ、チョコチップなどが入っているものがほとんどです。ベーキングパウダーで膨らませています。

材料:
薄力粉 130g
ベーキングパウダー 小さじ1
バター 50g
砂糖 50g
卵 1個
牛乳 60cc

方法:
1. 薄力粉とベーキングパウダーをふるう。
2. オーブンを180度に予熱する。
3. マフィン型に薄紙を敷くか、バターを塗る(紙製の容器を使う時はそのままで)。
4. バターをクリーム状にして砂糖を入れて混ぜる。
5. 白っぽくなったら溶き卵を数回に分けて入れる。
6. 1の粉と牛乳を数回に分けて交互に入れ混ぜる。
7. 型に入れて180度で25分間焼く。
8. 好みでいろいろなトッピングを加えることができる。』

バターと砂糖を混ぜてその中に卵を混ぜ,その中に粉類と牛乳を交互に混ぜて焼く。というのが基本的な作り方です。砂糖の量が少ない場合や、バターの代わりにオイルを使う場合は液状の材料を先に混ぜておいて、そこに粉状の材料を混ぜます。果物などは最後に入れます。焼き時間は180℃で約25分間です。

次のレシピはBrown eyed Baker から「ブルーベリーマフィン」を、絵はhttps://www.babble.com/best-recipes/back-to-school-blueberry-muffins/ から引用させていただきました。( レシピの順序は一部分入れ替えました )

ブルーベリーマフィン



Brown eyed Baker: は http://www.brit.co/savory-muffin-recipes/ から引用しました。

Ingredients:
1 cup granulated sugar
1 egg
4 tablespoons (2 ounces) unsalted butter, melted and cooled slightly
1¼ cups sour cream

2 cups all-purpose flour
1 tablespoon baking powder
½ teaspoon salt

1½ cups frozen or fresh blueberries

作り方:
砂糖と卵を混ぜた中にバターとサワークリームを入れます。粉類をまぜてそこにブルーベリーを入れます。

基礎知識が整ったところで最初の、『「カップケーキ」って呼ばないで!』に戻りましょう。
「シュリンプ?マフィンの中に?正気なの。」「だったら なんだって言うの。」 ( Shrimp? In a muffin? It sounds crazy, why the heck not. )のセリフで始まるシュリンプとコリアンダーのレシピは、初っ端からぶっ飛んでいます。



バターガーリックシュリンプとコリアンダーのマフィン

材料:
薄力粉                  270g
砂糖                   90g
BP                    3ts
ブラックペッパー粗びき          1ts
塩                    1/2ts
レモンピール               1TBS
生のコリアンダー(チョップ)       1/4C
ミルク                  168g
バター                  75g
卵                     1個

シュリンプ:
シュリンプ(中)              8-1匹
ガーリック(潰す)             4-5個
バター                   15g


作り方:
シュリンプ:
1. オーブンを204℃に加熱する。マフィンのカップの底に油を塗る又は、紙のベイキングカップを入れる。
2. 鍋にバターを溶かしてガーリックを入れる。約20秒ソテーして匂いを出し、シュリンプを入れる。3-4分間シュリンプをクックする。塩を加える。

マフィン:
1. ボールに粉, 砂糖, BP, ペッパー, 塩, レモンピール(卸した)、コリアンダーを入れて混ぜる。
2. ミルク, 溶かしたバター, 卵, シュリンプを混ぜて粉類をしっとりとさせる。油を塗ったマフィンカップに3/4入れる。
3. 204℃で15-20分間焼く、又はきつね色になるまで、つまようじを刺して何もついてこなくなるまで焼く。1分間冷ましてマフィンカップから取り出す。

シュリンプとコリアンダー、それにレモンの香りの相性の良さはどんな料理にでも利用されています。このレシピはまだ試していませんがきっといい結果を得ることができるでしょう。作って近日中に絵をup roadしておきましょう。


続く。


ゼラチン、アガー、寒天、ペクチン

2016年07月23日 | 洋菓子

 Gelatin, Agaragar, Agar, Pectin 

 

ココナッツと寒天を使った涼しげなデザート、これは http://www.feastie.com/recipe/olives-dinner/coconut-pomegranate-and-lime-kantenから引用しました。 ココナッツ、ザクロ、寒天を使った夏のお菓子です。カリフォルニア州ロサンゼルスのレドンドビーチからのメッセージですが、ザクロをいったん水で洗ってから寒天で固めるなどちょっとした「コツ」が見られます。 レシピは上のサイトから得ることができます。興味のある方はご覧になって下さい。 2014年来、日本には国内生産を上回る量の寒天が現在輸入されています( チリ、韓国、モロッコの3 カ国で8 割以上を占める ) が、海外では寒天を使ったレシピが最近増えてきました。上のサイトの記事は、もう一度寒天を見直す良い刺激になりました。寒天のどの点が注目されているのかサイト内の会話から知ることができます。 Coconut, Pomegranate and Lime Kanten INGREDIENTS for the clear portion 2 cups cold water 1 tsp agar powder 2 TB raw agave syrup for the coconut portion Small can of full-fat coconut milk (161 mL) 1 tsp agar powder 1/8 tsp salt to finish 1/2 pomegranate, seeded and rinsed lime zest of 1/2 lime

我々が料理によく使う「ゼラチン、アガー、寒天、ペクチン」は食品衛生法でいうところの食品添加物に当たります。それらの特性をよく知り、活用することが大切だと思います。一度は詳細を知っておくことも大切だと思い、今回取りあげました。

<食品添加物の定義> 食品衛生法第4条第2項で、「添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。」と定義し、次の4つがそれに当たります。

<指定添加物> 食品添加物は、化学的合成品や天然添加物など製造方法の違いに係わらず食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定した添加物でなければ、使用することができません。 平成27年9月18日現在、449品目が指定されており、食品衛生法施行規則別表第1「指定添加物リスト」に収載されています。

<既存添加物> 長年使用されていた実績があるものとして厚生労働大臣が認めたものを「既存添加物名簿」に収載し、引き続き使用することを認めています。 既存添加物名簿には365品目が収載され、品名や基原、製法、本質などは、「既存添加物名簿収載品目リスト」に収載されています。安全に問題のあるもの、使用実態のないものについては、名簿から消除されることがあります。

<天然香料> りんごや緑茶、乳などの動植物から得られる着香を目的とした添加物で、一般に使用量が微量であり、長年の食経験で健康被害がないとして使用が認められているものです。 「天然香料基原物質リスト」に612品目の基原物質が収載されています。

<一般飲食物添加物> 食品衛生法第10条では、「一般に食品として飲食に供されているもので添加物として使用されるもの」と定義されています。 例 オレンジ果汁を着色の目的で使用する場合   こんにゃくの成分であるマンナンを増粘の目的で使用する場合 「一般飲食物添加物品目リスト」に品目が収載されていますが、すべての食品が対象となります。 我々が日常使っている添加物の特性をまとめました。

 

                             ゼラチン       アガー      寒天                ペクチン        

                                                                                                                             HM   LM

材料             骨,皮のコラーゲン   カラギーナン      テングサ,オゴノリ                  柑橘類、リンゴ

溶解温度               50-60℃       90℃以上     90℃以上            90-100℃  90-100℃

冷えて固まる温度 20℃以下       30-40℃     30-40℃                 60-80℃  30-40℃

凝固後に

溶け出す温度   25度以上      60℃以上      85℃以上        80-90℃  50-100℃

アガーは溶解温度と固まったものが溶け出す温度との間隔がほかのものに比べて狭いので、扱いやすいといえます。

そんなアガーの特性を生かして作ったスイーツの絵を見つけましたので紹介しておきます。

http://auntyyochana.blogspot.jp/2006/11/pictures-of-agar-agar-jelly-pudding.html から引用しました。 アガーの中にはどんな材料も溶かし込むことができるので、カスタードプディング、パンプキンプディング、チョコレートプディング等何にでも姿を変えて演出することができます。固まるときの温度が低いので、生の果物のほか何でも中に入れることができます。上のサイト: AUNTY YOCHANA SHOWS YOU HER GOODIES... をご覧ください。

ゼラチン、寒天は一般食品添加物、アガー、ペクチンは既存添加物になっています。その他にキサンタンガム、アマシードガム、アルギン酸、アラビアガム、エレミ樹脂等数えきれない程の増粘安定剤があります。そのうち比較的よく使われているものを次に挙げておきます。

寒天については、厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課
(平成3年6月) (平成19年10月一部改正)で、

”(問4) 寒天を使用した食品において、「寒天」はどのように表示すればよいか。

(答) 寒天を食品として使用する場合には、食品添加物表示は不要である。なお、食品添加物としての目的で使用する場合には、現在Bリストに収載されていないので報告を行う必要があり、また、食品添加物としての表示が必要である。” と記されています。食品品として使う場合は記載する必要はありませんが添加物として使う場合には必要です。

 

カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC) 植物繊維のセルロースを水酸化ナトリウムなどで処理して製造し、水に容易に溶け、粘性、安定性、保護コロイド性などの特性を持っています。糊の感触があるのでアイスクリーム、シャーベット、ソース、めん類等に使われています。(指定添加物)

キサンタンガム グラム陰性菌であるキサントモナスの培養液から分離して製造します。成分は、グルコース、マンノース、グルクロン酸などからなる多糖類です。ローカストビーンガム、グァーガムと併用すると、増粘効果が出ます。100℃近い高温で加熱しても、温度が下がっても粘度が変わらず、塩分など塩濃度が濃くても影響受けず、酸性・アルカリ性でも安定しています。しかも冷凍・解凍を繰り返しても粘性に変化はほとんどないのでドレッシング、たれ類、漬物、つくだ煮、冷凍食品、レトルト食品に使われています。(既存添加物)

グァーガム(グァー、グァルガム、グァーフラワー) マメ科グァーの胚乳成分を粉砕して製造します。主成分は、ガラクトマンナンからなる多糖類で、冷水に容易に溶け、高い粘性を示すのでドレッシング、ソース、アイスクリーム、即席めん類等に使われています。(既存添加物)

添加物に関しての資料は東京都福祉保健局のhttp://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/shokuten/index.htmlから引用させていただきました。


テリーヌ~夏のフルーツテリーヌ

2016年07月15日 | 洋菓子

A terrine of summer fruits



http://cookery-ideas.co.uk/a-terrine-of-summer-fruits-2/から引用しました。この絵はよほど人気があるらしく、いろいろなところで引用されています。このblgもそうだけれど。アイキャチングがあるのでしょう。
サイトの持ち主は、このレシピは Delia Smith’s Summer Collectionから引用したといっています。気になる方は http://www.deliaonline.com/recipes/books/delias-summer-collection をみてください。

ところで夏といえばやはり「涼しさを感じる」テリーヌでしょう。そこでいかにも涼しそうな「果物のテリーヌ」を取り上げました。果物のテリーヌにはゼラチンを使ったもの、アガーアガーなどの寒天類を使たものなどの透明感を主張するものと、マスカルポーネなどのチーズ、アイスクリームなどの乳脂肪をつかたもの、ブレッドを使った、どちらかというとサマープディング※に近いものなどがありますが、ここでは絵にあるような透明感を出したテリーヌを目指そうと思います。ここでもただのテリーヌではなく、今までとは全く異なるレシピを作り出そうと思います。ちょっとやってみますね。

とりあえずレシピを丸写しします。それから気が付いたところに思いついたことを書き足していきます。
そうこうするうちに、丸写ししたレシピが頭の中では全く原型を留めないほどに変形してゆきます。
只「これは良い」と思ったところの「精神」だけは取り込んでおいて。

Serves 6-8

Ingredients
15 fl oz (425 ml) sparkling rosé wine
2 oz (50 g) caster sugar
2 x 0.4 oz (11 g) sachets gelatine powder
1 tablespoon fresh lime juice
For the fruit:
12 oz (350 g) small strawberries
8 oz (225 g) raspberries
12 oz (350 g) blackcurrants, redcurrants and blueberries – 4 oz (110 g) of each or any other combination you like.

You will also need two 2 lb (900 g) loaf tins, 7½ x 4¾ inches x 3½ inches deep (19 x 12 cm x 9 cm deep), preferably non-stick but anyway with a good surface.

テリーヌ全体を固めるものに、このレシピではスパークリングのロゼワインを使っています。このほかに、ホワイトグレープジューズ、グレープ・ピーチジュース、オレンジ・レモン・ザクロのジュース等のジュース類、ウオッカなどのリキュール類が考えられます。

一方、果物はベリー類、オレンジ類を入れるだけではなく、ミント、チャイブなど全体の味を引き締める緑色をしたハーブを入れることも考えられます。(最初に取りあげた絵からもわかるように)一つ一つが個性的な存在でいて全体のバランスを崩さないことが大切になります。

Method
First prepare the fruit: remove the stalks and halve the strawberries if they are any larger than a quail's egg.

ここでいうように果物の大きさも考える必要があります。果物を潰さないように注意しなければなりません。

Then mix the fruits together in a large bowl, being very gentle so as to avoid bruising them. In a small saucepan heat half the rosé wine till it begins to simmer, then whisk the sugar and gelatine into it.
Make sure that everything has dissolved completely before adding the remaining wine and the lime juice.
Then pour the liquid into a jug and allow it to cool.
While that's happening, lay the mixed fruit in one of the loaf tins – and it's worth arranging the bottom layer with the smallest, prettiest-shaped fruit as this will be on top when the terrine is turned out.

テリーヌはひっくり返すわけですから、底即ちサーブしたときに上にくるところにはきれいな、小さな果物を入れると美味しそうに見えることになります。

Next, pour all but 5 fl oz (150 ml) of the liquid over the fruit. Now lay a sheet of clingfilm over the tin, place the other tin directly on top, then put two unopened tins of tomatoes or something similar to act as weights into the top tin and put the whole lot into the fridge for about 1 hour, or until it has set.
Then warm up the remaining 5 fl oz (150 ml) wine mixture and pour it over the surface of the terrine.

Note: In testing I have found that it is necessary to add the smaller amount of jelly at the end to avoid spillage when weighting, as it's this weighting which makes the terrine easy to slice.
Re-cover with clingfilm and return to the fridge overnight to set firm.
When you are ready to serve, turn out the terrine by dipping the tin very briefly in hot water and inverting it on to a plate.
Use a very sharp knife (also dipped first into hot water) to cut it into slices. Serve with chilled pouring cream, crème fraîche or Greek yoghurt.

※サマープディングについて少し知っておく必要がありそうです。
絵とレシピを http://www.oprah.com/food/Summer-Pudding-with-Rum-Whipped-Creamから引用させていただきました。



Servings: Makes 8 servings
Ingredients
1 pint strawberries , cored and sliced
1 1/2 cups sugar
1 1/2 pints raspberries , plus additional for garnish
1 pint blueberries , plus additional for garnish
2 tablespoons framboise (or other raspberry liqueur)
1 to 1 1/2 pounds brioche or other egg bread
1 cup (1/2 pint) heavy cream , cold
3 tablespoons sugar
1/2 teaspoon pure vanilla extract
1 tablespoon dark rum

ストロベリーを11分間、ラズベリーとブルーベリーを6分間砂糖を入れて煮ます。これをブレッドの入れ物の中に入れてブレッドで蓋をして冷蔵庫で一晩~二晩寝かせます。

Directions
Combine strawberries, sugar and 1/4 cup water in a large (6- to 8-quart) saucepan and cook uncovered over medium-low heat 5 minutes. Add 2 cups raspberries and all blueberries and cook 5 more minutes, stirring occasionally, until mixture simmers. Continue cooking 1 minute. Remove from heat and add remaining raspberries and framboise.

Slice bread into 1/2-inch-thick slices and remove crusts. Ladle about 1/2 cup cooked berry mixture into bottom of soufflé dish (approximately 7 1/2 inches across by 3 inches high). Arrange one layer of bread slices side by side in a circular pattern (this will become the top when pudding is unmolded); add more berry mixture to saturate. Continue adding bread, slicing to fit mold, and berry mixture. Finish with bread, and top with any remaining berry mixture.

Cover pudding loosely with plastic wrap and place a plate (with approximately the same diameter as inside of mold) on top. Weight with a heavy can and refrigerate. Remove weight after 6 to 8 hours. Continue to refrigerate overnight or up to 2 days.

これだけでは中のフィリングは固まりません。( 果物は少なくとも30分以上煮て、総量が2/3~1/2にならないとナイフで切れるほど固く固まらないでしょうから ) 普通サマープディングは切り分けると中のフィリングがドッと外に出てきます。

To make topping:
In a small bowl, whip cream until it starts to thicken. Add sugar, vanilla and rum. Continue to whip until stiff peaks form.

Run a knife around outside of pudding; unmold upside down onto a serving plate. Garnish with fresh fruit. Serve in wedges with whipped cream.

それでは果物を使った更に進化?したレシピはないものでしょうか。(サマープディングは完成したデザートです。これに敢えて手を加えようというのではありません)

これは terrina di frutta fresca con coulis al kiwi というデザートです。Doli che piacere!  Antonio e Cinzia Piccinardi の97p.から引用した” フルーツテリーヌ のキウイソース” 添えです。

絵にあるようにバナナと卵黄、ゼラチンを使ってストロベリー、マンゴーなどの旬のフルーツを閉じ込め、冷蔵庫で冷やし固めた後、キウイで作ったソースをかけ低ます。カスタードをゼラチンで固めるとはイタリアのレシピは示唆に富んでいます。茶碗蒸しのデザート版です。

http://www.cucina-naturale.it/ricette/dettaglio/4458 にも terrina al torroncino con coulis di kiwi  という参考になるレシピがあります。豆腐を使っていますがほかのものに変えることもできます。

              

上のレシピを組み合わせた、新しい、涼しげでありながらコクのあるレシピの構想を組み立てることができたでしょうか。?

 








トルテ~アプリコットトルテ

2016年06月26日 | 洋菓子

Aprikosentorte

アプリコットのタルトといえば、あなべるの「アプリコットのタルト」を思い出すかも知れない。



さらにおいしいものは作れないだろうか。Aprikosentorte mit Gussはどうだろうこういう感じかな?というのがあったのでリンクしておこう。

このレシピはアプリコットとアーモンドを組み合わせたタルトで、あなべるのレシピと基本的には変わらないけれど、バニラシュガーを使ったところが目を引く。7月はアプリコットの季節なので生のアプリコットを使った新しいアプリコットのタルトにトライしようと思う。

画像は http://www.davewilson.com/product-information-commercial/product/apricots から引用しました。

サイトの中にはアプリコットの品種が数種紹介されています。(商業用ですが)

サイトからどんなレシピのアプリコットタルトが今の時代にのっているのか眺めてみよう。季節の果物を使ったタルトは色々あるけれど、品のいい、見た目のいい、味はもちろんいいものがいい。こんなのはどうだろうかレシピ



Zutaten für 0 Portionen        1個分

für Rührteig:            生地:
3 Eier, getrennt           卵           3個
250 g Zucker            砂糖         250g
1 Vanillezucker          バニラシュガー     1
100 ml Öl             オイル         100ml
100 ml Milch            牛乳         100ml
250 g Mehl             小麦粉        250g
1/2 Pack. Backpulver        ベーキングパウダー  1/2パック

für Belag:              トッピング:
800 g Zwetschgen            西洋スモモ
Zimt-Zucker oder Puderzucker      シナモンシュガー又は粉糖

これは西洋スモモのレシピだけれど、形がいい。アイキャッチングに優れている。上のレシピのいいところと合わせて2?で割れば?(ここが難しい、そして楽しいところだ)いいタルトができるかもしれない。
上のレシピは強力粉に少し多めのバターと粉糖を入れたタルト生地で、アパレイユに乳脂肪分約28%、pH約4.5のサワークリームを使っている。バニラプディングパウダーの中にバニラシュガーとシナモンを入れたリッチな味だ。

Teig

250 g Mehl (Type 550)
150 g Butter
120 g Puderzucker
1 Ei, Größe M
1 Tl Backpulver


Guss

0,5 l Crème fraîche
2 Eier (Größe M)
1 Pk. Vanille-Puddingpulver
2 El Puderzucker
2 Pk. Vanillezucker
3 El Zitronensaft

次回投稿時には新しく作ったタルトの絵をお見せしよう。無事にアップロードできるかな?楽しみだ。






こんなのを作ってみた。



レシピは次の通り;
粉糖を入れたパートブリゼを空焼きしておきます。さっくりとした口当たりに仕上がります。そこにカトルカールからバターを取って代わりに牛乳を入れた生地を流し込みます。縦に細長く切った生のアプリコットを並べて170℃で30分間焼きます。一口口に含むと、思った以上に酸っぱいアプリコットの酸味が舌を刺激します。冷ましてから、粉糖の中にバニラビーンズを1か月以上寝かせて、バニラの香りをしっかりと捉えたバニラシュガーをたっぷりと振りかけます。少しするとアプリコットから出る熱気で粉糖が溶けます。その上にしっかりと煮込んだ濃いアプリコットジャムを流し入れます。アプリコットの酸味を和らげるとともに、アプリコットの光るような朱色を演出します。
アプリコットのとろりとした朱色と奥深い甘酸っぱさをうまく引き出せれば成功です。