Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ビスコッティ

2019年04月30日 | 今月のお菓子

ビスコッティ 2

 

biscottiは複数形、単数はbiscotto。ラテン語で“bis”は“二回”、“coctum”は“焼く”を意味します。「一回焼いて火を通し、二回焼いて乾燥させる。」この食べ物は長旅、特に戦争をするときには不可欠のものとなったはずです。小麦粉とアーモンド、あるいは松の実、ひょっとしたらクルミを使った可能性が考えられます。松の実とクルミは油の回りが早いからアーモンドでしょうか。ローマ帝国は突然に崩壊しますから、文化の継承、発展はありませんでした。ルネッサンスを迎え、トスカーナで地元のワイン、vin santo と一緒に供されるまでは。

ところでイタリアでは“ビスコッティ”とはカリカリした、丸い、四角い、クッキーを指します。北アメリカや日本でいうところのビスコッティはイタリアでは“カントゥチーニ;cantucci ”と言います。

 

アントニオマッテイが1858年にビスケット工場、店舗をプラート(イタリア共和国トスカーナ州北西部の都市)を開きました。

https://www.foodscovery.it/foodheroes-magazine/biscottificio-mattei-prato/ から

 

    

 

プラートで初めてのビスケット工場( Biscottificio Antonio Mattei )で、その看板の下にカントゥチーニの工場( Manufacturers of cantuccini )と書かれていたのです。その結果、cantuccinibiscuitsの名が関連付けられて記憶に残り、名前に混乱が生じました。

 

現在公表されている上の絵では正面、真ん中にカントゥチーニの工場( Fabbricante di Cantucci )とあり、その下にクッキーとその他( Biscotti ed Altri Generi )の文字が見えます。

余計にわからなくなったでしょうか?

 

そうそう、以前ビスコッティ・サヴォイアルディについてお話しましたよね。あれもビスコッティですから。「イタリアではクッキーをビスコッティという」と関連付けて覚えて置いて下さいね。

 

さていよいよカントゥチーニのレシピに取り掛かろうと思います。




ビスコッティ

2019年04月29日 | 今月のお菓子

ビスコッティ 1

ビスコッティと言えば、「甘い、固い、保存食のような、旨味のない」という印象があって、作ろうと思ったことのないお菓子だったのですが。下にあるビスコッティを食べて、気持ちが変わりました。知人が、最近(ペンシルベニア州、ピッツバーグに住む)が買ってきてくれたものですが、特にこの下のものは、牛乳に浸して食べた後の後味が良いんです。正確に表現すると、牛乳と一緒に食べた結果「チョコレートヘーゼルナッツビスコッティ」が本来の味を発揮したということでしょうか。

ビスコッティというものは、「牛乳と食べると美味しいよ。」あるいは、「ヴィンサントと一緒に食べると美味しい。」といったものではなく、一緒に食べて初めて「ビスコッティ」という作品になる、という印象を深く受けました。

   

 

上の絵はBiscotti Brothersのホームページ;https://biscottibrothers.com/ から引用させていただいたものです。

 

のラベルはお土産に貼ってあったもので、左上にカロリーが明記してあります。上の写真では、ヘーゼルナッツが白い粒として見えていますが、お土産は、ヘーゼルナッツが細かい粒状に加工されてその姿はみえなくなっていました。見た目ではなく、味を重視して改良している点がいいですね。

 

ビスコッティについて少し調べてみることにしました。

古代ローマ時代にその起源があることに驚きました。

あのガイウス・プリニウス・セクンドゥス( Pliny the ElderGaius Plinius Secundus, AD 23–79 ) が「この食べ物は数世紀の間食べられることになるだろう」と自慢していたという程の、ローマ軍団の主食であったということなのだが。彼の著述のどこにその記載があるのか?見つからないのです。おそらく探し方が悪いのでしょうが。

アピキウスにそれに関連するであろう内容が見つかりましたので、そのまま引用しておきます。

 

[125] BOILED DINNER SALACATTABIA [2]

PEPPER, FRESH MINT, CELERY, DRY PENNYROYAL, CHEESE [3], PIGNOLIA NUTS, HONEY, VINEGAR, BROTH, YOLKS OF EGG, FRESH WATER,  SOAKED BREAD AND THE LIQUID PRESSED OUT, COW’S CHEESE AND CUCUMBERS ARE ARRANGED IN A DISH, ALTERNATELY, WITH THE NUTS; [also add] FINELY CHOPPED CAPERS [4], CHICKEN LIVERS [5]; COVER COMPLETELY WITH [a lukewarm, congealing] BROTH, PLACE ON ICE [and when congealed unmould and] SERVE UP [6].

 

[1] Read: Pandectes—embracing the whole science.

[2] Read: Salacaccabia—from salsa and caccabus—salt meat boiled in the pot. Sch. Sala cottabia; G.-V. cattabia.

[3] Sch. casiam instead of caseum.

[4] Sch. Copadiis porcinis—small bits of pork; List. cepas aridas puto—“shallots, I believe”; Lan. capparis; Vat., G.-V. id.

 

「絞った飲み物と漬したパン」というフレーズ (青色の箇所) が見つかりました。しかし考えてみると、それほど考えなくても分かることなのでしょうが、この頃のパンは、少なくとも1800年後半までは、パンには小麦の粒が、粉になり切れずに小麦粉の中に混じっていたのが普通ですから、何かに浸して食べるのが普通なんでしょうが。


つづく




キランソウ

2019年04月11日 | キランソウ

キランソウ

 

 

  

キランソウの花が咲きました。とは言ってもこの花は、先日裏のお家から頂いたばかりのものですが。いただいた際に、「十二単?アジュガ?」とも言っておられました。それに「匍匐性とも。直立性のものもある?」とか。いったい何者?と思い調べてみました。上の写真の花は調べた結果キランソウというものでした。

 

Wikiによれば、「世界中の熱帯 - 温帯地域に約50種が分布する。」ということですから、そんなには大きな種ではなさそうです。紫系,白系の花をつけ、園芸、薬用になるのもあるようです。以下 Wiki 等を参考にさせていただきました。

 

日本には12種ほどが生息しています。

 

タチキランソウ Ajuga makinoi

                

            http://mikawanoyasou.org/data/tatikiransou.htm から

 

キランソウ Ajuga decumbens (シソ科 多年草、生薬名キンコツソウ【筋骨草】)北海道から九州に普通。ロゼット状に育って春に青紫色の花を咲かせる。薬草としても知られ、別名をジゴクノカマノフタという。キランソウ 地獄の釜の蓋。「キ」は「紫[ムラサキ]」、「ラン」は「藍(藍色)」のことで、「紫藍草」。織物の「金襴[キンラン]」に由来。
採取時期; 3~5月の開花期。
主要成分; サポニン、タンニン、フラボノイド配糖体。
効果/効能; 解熱、咳止め、健胃、下痢止め、去痰 開花期(早春から晩春)に全草を採取して水洗いし、乾したものが「筋骨草(きんこつそう)」です。気管支炎で咳や痰が出る場合に煎じて服用します。解熱、健胃、下痢、腹痛、高血圧にも効果があると言われています。

薬効・用い方;鎮咳、去淡、解熱、健胃、下痢止めに、1日量1015グラムに水0.5リットルを加えて、煎じながら約1/3まで煮詰めて、こしたものを、13回に分けて服用します。
山野を歩いている時などに、虫にさされた場合には、茎葉をもみつぶして患部に塗るとよく、化膿した切り傷や腫れ物などに、つけると「ウミ」を出す作用があります。うるしかぶれや草負けの場合には、煎じた液で患部を洗浄します。

キランソウもタチキランソウもシソ科キランソウ属ですが、キランソウ属というのは隣りあって生えていると、すぐに交雑してしまいます

 

シマカコソウ Ajuga boninsimae

                    

           https://www.ootk.net/cgi/shikihtml/shiki_3657.htm から

 

オニキランソウ Ajuga dictyocarpa

 

ヒイラギソウ Ajuga incisa

 

オウギカズラ Ajuga japonica

本州、四国、九州に分布。根元から走出葉を出して増える。葉が扇の形に似る。

 

ルリカコソウ Ajuga multiflora

 

ジュウニヒトエ Ajuga nipponensis

キランソウに似るが、茎は立ち上がり、花は穂状、うすい紫。分布:本州、四国

花の色は,かすかに紫を帯びた白色であることが多い。最近よく園芸店で出回っている類似種にセイヨウジュウニヒトエがあるが,こちらは濃い紫色の花を咲かせ,盛んに走出枝を出して繁茂するので区別出来る。ただし,ジュウニヒトエそのものも,時折似たような環境に生えるキランソウと交雑して,紫色味の強い花を咲かせることがある。これをジュウニキランソウと呼ぶ。ジュウニヒトエの血の方が濃いタイプは,セイヨウジュウニヒトエと紛らわしいかも。

          

                   http://primula.velvet.jp/flowers/jyunihi.html から

この花が十二単なんですねえキランソウに比べるとずーっと白っぽいです。

 

ヒメキランソウ Ajuga pygmaea

 

ツルカコソウ Ajuga shikotanensis

 

ヤエヤマキランソウ Ajuga taiwanensis

 

キランニシキゴロモ Ajuga x bastarda

 

ジュウニキランソウ Ajuga x mixta

 

ジュウニヒトエとキランソウの雑種。

 

ニシキゴロモ Ajuga yesoensis

以下の種は栽培種だが、逸出して野生状になっている場合もある。

 

セイヨウジュウニヒトエ Ajuga reptans

ヨーロッパ原産。花壇に植えられているキランソウ、ジュウニヒトエといわれているものは、ほとんどは本種である。

                     

           http://mikawanoyasou.org/data/seiyoujyuunihitoe.htm から

セイヨウジュウニヒトエが十二単と呼ばれているものなのですね。葉の辺縁がすんなりとしています。最初に述べたキランソウには毛が生えていて、ほかのものとは葉の形も違います。