「この国のかたち」的こころ

敬愛する司馬遼太郎さんと小沢昭一さんに少しでも近づきたくて、書きなぐってます。

結婚と離婚と仕事とSEX Ⅶ  ダスティンホフマンには…5

2005年09月11日 21時57分28秒 | 結婚観
 女の人と二人きりでお酒を飲むなんてかつてなかったことでした。僕はとにかく一生懸命に話していたという印象が残っています。

 飽きさせてはいけない。

 彼女を愉しませなくてはいけない。

 嫌われたくない。

 とっておきのネタを惜しげもなく披露したのを覚えてます。

 2時間ほどして…。と言ってももう終電近くでしたが駅の改札口近くで、さよならを言いました。そしてその少し前に「また誘っていいかな。」というと「うん。」と言って彼女は小さく笑いました。そして「楽しかった。」と言ってくれました。
 僕は自分が降りるべき駅まで顔がずっと緩みっぱなしだったのだろうと思います。誰彼となく話しかけてみたいような、変な衝動に似た喜びが全身を覆っていました。

 一度OKをもらった僕は毎週のように彼女を誘いました。

 頻繁に呑みに行くわけにも行きませんから日曜日等にドライブにも誘いました。

 僕は10時少し前の天気予報を見て週末の天気を確認するのが日課になっていました。
 そして本屋をあさり今では珍しくなくなった「デート本」の類や、静岡県のグルメ情報誌を買いあさり熱心に研究したりしました。

 彼女はいつもOKしてくれるわけではありません。


 彼女にも都合がありますから当然そういうときは断られます。そういうとき僕は努めて平静を装っていました。なんと言っても僕たちはまだ友人以上のものでなかったのですから、あからさまな動揺を見せるわけにいかないと思ったのでした。

 それが証拠に僕たちはずっとお互いを「さん」付けで呼んでいましたし、手などを繋いだこともなかったのですから。


 お酒をのむデートの何回目かのとき、僕は彼女に自分の好意を告げました。

 でも彼女からは確たる返事はもらえませんでした。

 変にごまかされたのではないと感じました。

 僕の好意というか、恋情みたいなものはある程度わかっていたようです。

 でもそれが現実に僕の口をついて出たとき、彼女としてはそれを受け止めたり、断ったり、変にごまかそうとする用意もなかったようでした。

 でもそれまで僕らは5回以上二人だけで会ってました。

 僕にとってはそれ相応な既成事実を重ねたつもりだったので彼女の対応は僕をがっかりさせました。

 でも彼女の反応の中に嫌悪感は混じっていない印象でしたし、僕を玩ぶタイプでないことは何よりも自分が好きになった人だという確信から変に自信がありました。

 そしてその日の別れ際、僕はおそるおそる聞きました。

 「今度の休みなんだけど…。」

 「私ね、見たい映画があるの。良かったら一緒に行ってくれる?」

 「うん!」

 僕はほっと胸をなで下ろしたのでした。

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2 コメント

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やっと来れた。 (mamachari)
2005-09-12 11:00:54
久しぶりの書き込みになってしまいました。

でも続きを読みそこなわなくって良かった。

また続きを楽しみにしていまーす。
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実は… (aniki)
2005-09-12 21:41:35
すみません。書いてるうちに恥ずかしくなってしまって、何やってんだ自分は、書くのやめようかななんてことを思いながら書いてますんで、なかなか前に進みません。
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