「この国のかたち」的こころ

敬愛する司馬遼太郎さんと小沢昭一さんに少しでも近づきたくて、書きなぐってます。

「恵方巻き」と日本的消化能力について

2006年02月03日 23時34分36秒 | 漢字歳時記
恵方巻
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恵方巻、恵方巻き(えほうまき)とは、節分に食べる太巻きの事。商売繁盛、無病息災、願い事が叶う、その年必ず幸運が訪れる、厄落とし等の意味を持つ。「恵方寿司」とも呼ばれる。

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概要
節分の夜にその年の恵方(歳徳神の在する方位)に向かって、目を閉じて願い事を思い浮かべながら太巻きをまるかぶり(関西方言で「まるかじり」の意)するのが習わしとされる。食べている間は、無言でなければならない。

七福神に因んで、かんぴょう、キュウリ、シイタケ、伊達巻、うなぎ、でんぶ等七種類の具を入れて、福を食べるという意味合いもあるらしい。「福を巻き込む」という説明もある。

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発祥
現在の恵方巻の起源は、江戸時代末期から明治時代初期にかけて、大阪・船場の商人による商売繁盛の祈願事として始まったといわれる。当時使われていた旧暦では、立春の前日である節分の日は大晦日にあたり、前年の災いを払うための厄落とし、年越しの行事として行われた。また豊臣秀吉の家臣・堀尾吉晴が、偶々節分の前日に巻き寿司のような物を食べて出陣し、戦いに大勝利を収めたという故事を元にしているという説もある。その他にも恵方巻の発祥地の候補には、和歌山(紀州)、滋賀(近江)等がある。1960年代から行われていたという説もある。

恵方巻の習慣は明治時代に一旦廃れたが、1977年に大阪海苔問屋協同組合が道頓堀で行った海苔の販売促進行事で復活することとなった。

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全国的普及
現在では程度の差こそあれ商業的にはほぼ全国展開されている。こうした恵方巻の全国販売はセブンイレブンが先駆けであり、1989年に広島県の加盟店オーナーの発案により販売を開始したところヒット。中国、関西、九州地方での販売を経て、1998年にコンビニ初の恵方巻全国販売を開始した。このヒットを受けてローソンが2001年より、ファミリーマートが2003年より全国販売を開始し、03~04年を境にして主要コンビニで全国販売が行われることとなった。

1990年代以降、毎年1月初頭から節分期間まで、全国展開するコンビニエンスストアがテレビCMを放映したり、スーパーマーケットが販促活動を行うなどPRをおこなっている。 ミツカンが行った調査では、恵方巻の認知度は全国平均88%であり、「実際に食べた」と答えた人の全国平均は62%と、全国に広まってきている。

近年の恵方巻の広まり方は、バレンタインデー・ホワイトデーの菓子贈答と同じく、海苔業界やコンビニ業界など、関係業界の主導のもと販売促進を目的に「全国に定着した行事」であることが人為的に喧伝されているものという面もある。こうした観点から、前述の起源を全くの作り話であると断じ、あるいは本来の意図を持たない海鮮巻きなどの登場でその意義が全く理解されていないと主張する者もいる。

 と出ていました。

 クリスマスにしろバレンタインデーにしろ日本人は宗教的な儀式に関連して何かしら食べることが好きらしい。

 しかもその本来の宗教性はほとんど骨抜きにされて、厳粛さはメルヘンに変換されて大衆に息づくという図式を持っているような気がする。

 バレンタインデーはチョコレートメーカーが仕掛けたものだが、二番煎じを狙ったホワイトデーはチョコレートだったりキャンディーだったりと今ひとつ定着しないまま宣伝のあざとさだけが先行して、よく分からない状態に陥っている。

 その点ではこの「恵方巻き」は豆を撒くだけという、食生活的には貧弱な国民的行事に逆転の発想で多少なりとも豪華さを付け加えた点で評価できる。

 セブンイレブンの店長が言い出したことではあるが、この日は「恵方巻き」を購入すれば、夕飯の献立を考慮しなくて良いわけであり、しかも縁起物であるから堂々と食卓に並べられ、しかも値段的にそう張る代物でもないわけだから、主婦層が飛びついたのも頷ける。しかも、本来の由来は関係なく、食べ方の異様性と御利益だけが先行しているため、見た目が太巻きであれば、「恵方巻き」であるので、食品としても自由度が高い。

 これが果たして今後日本の伝統的な行事としてバレンタインデー並みに定着するか、もつ鍋や讃岐うどんのようにピークを迎えたあと、それなりに落ち着いていくのかは今後を見ないとわからない。

 ただ、この恵方巻きの素性はその知名度と共にしれてきており、南南東にむかって一気にたべるというような特異な食べ方は次第にすたれ、ただこの日は太巻きを食べる日というようなところに向かっていくように思われるのである。

 今までも、そして恐らくこれからもこのようにして日本人は特異なものを程良く無毒化して大衆に定着させる能力を発揮してゆくのではないだろうか。

 猿まねが上手く、創作が不得意な日本人であるが、アレンジャーとしては世界に誇って良い民族だと僕は考えている。


 ところでこの「」という字ですが、




 を見て頂ければ分かりますが、元々は上部を括った嚢(ふくろ)のかたちなんですね。今使っている(めぐむ)という意味ではなかったんです。
 むしろ「つつましむ、いましむ」という緊張した心の状態をいう使用例が多いそうです。後にそのように気を張って気配りすることから「めぐむ、いつくしむ(かわいがる」に意味となったものだということです。

 ですから「恵」は本来、人に恵んであげるのが筋でして、その態度は慎ましやかで、精神的張りをもって人に臨むべきだと「恵」という漢字は主張するのであろうと思います。

 ただコンビニの宣伝に載せられて訳も分からず、太巻きを食べてるようじゃ、御利益は望めないんじゃないでしょうか。

 とにかくオセロでもやっているみたいに、「みんなが知っている」に乗り遅れまいとする狂騒曲は、みていて妙な違和感を覚えるときがある。

 明日の日の出は6:39です。日の入りは17:11分です。

 朝も夕も少しずつ伸びてますね。


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