「この国のかたち」的こころ

敬愛する司馬遼太郎さんと小沢昭一さんに少しでも近づきたくて、書きなぐってます。

「疑」   堀江社長逮捕

2006年01月23日 22時39分18秒 | 漢字歳時記
 ライブドア(東京都港区)グループによる証券取引法違反事件で、東京地検特捜部は23日、同社社長、堀江貴文容疑者(33)らを同法違反容疑で逮捕した。特捜部は同日、堀江容疑者を初聴取。関連会社の株価をつり上げる目的で、会社買収などの際に虚偽の事実を公表した偽計や風説の流布の疑いについて、指示・関与や違法性の認識について説明を求め、立件は可能と判断したとみられる。今後、ライブドアの粉飾決算疑惑についても追及する。IT(情報技術)時代の寵児(ちょうじ)による事件は、重大な局面を迎えた。

                         (毎日新聞) - 1月23日

 堀江社長が逮捕されましたね。他の3人の役員も一緒のようです。

 逮捕容疑は▽04年10月、LDM(当時はバリュークリックジャパン)が、情報誌出版会社「マネーライフ社」を株式交換で買収すると発表した際、実際には、既にライブドアが実質支配する「VLMA2号投資事業組合」が買収済みだったのに、これを隠して虚偽事実を公表した(偽計)▽同年11月、LDMの第3四半期の決算短信で、架空売り上げを計上して、本来は赤字だったのに黒字と虚偽公表した(風説の流布)疑い。

 だそうですね。

 漢字のはもともと

なんですが

これは杖を立てた人が後ろを向き、進むか退くかを決めかねて立ち止まっている形なんですね。



つまり心が迷っている様子を示しているんですね。

 これに足の形(膝の関節から下の足の形)



を加えて進退に迷うの意味を示したのがなんですね。

 進もうかどうしようか自分で疑い迷うという自分の問題であったものが、拡大して全てを疑う、つまり他人をも「疑う」という意味になったようです。

 ただし堀江社長も他の容疑者も自分たちのしてきたことについては全く疑いを持ってなかったようで、進退については「進」ことしかしてませんでしたね。また彼等には「進」しかなくて「退」どころか「停」とか「定」なども許されなかった会社の経営状態ではなかったかと思われるのです。

 僕らは堀江社長に「夢」みたいなものを抱いていたと思えてなりません。バブル経済の破綻後、日本には景気の良い話は余り聞かれませんでした。そこに突然自信満々で乗り込んできたのが堀江社長だったのです。つぶれかけで引き取り手のないプロ野球球団を再生させるってどうやるんだろうって思いませんでしたか。わずか30歳そこそこで手に入れたいものは全て手に入れ、威張りくさっている古株に一泡も二泡も吹かせる姿は痛快ですらあったはずです。

 希望のない日本の先行きに通気性の良い風穴を空けてくれそうな人だったのですが、彼等のしていたことは法律の隙間を縫って人の期待値を金に換えていただけなのかもしれません。
 社会貢献を伴わない仕事はいつか破綻するという証明なのでしょうか。

 株のことはよく分からないのですが、単に自分の儲けだけの感覚で株ってするのでしょうか、この会社は面白い…、この会社の発想は…、今度の新製品は…って考えているときってその会社に対する愛情に似た期待値ってないんですかね。

 丸山弁護士がコメントしてたことなんですが、「規則にはそれが成立した事情が必ずある、そしてそれには多くの人の血と涙があってはじめて成立したものだからそれを規則に触れないから何やってもいいんだと捉えないで欲しかった。」といってました。
 
 「」(ギ)と同じ音の漢字には
」(いつわる)「」(あざむく)という漢字があります。
 でも逆に「」(ただしい)や「」(よろしい)があります。

 同じ「ギ」でも人間の行為としては正反対になります。

 彼等にとって必要だったのは「」(どのように行動するかを思いはかり、行動に移ろうとする前段階なので似せることで、だれがどのように「」になるか考えることなのではないでしょうか。


 明日の日の出は今日と同じ6:47です。日没が今日より1分遅くて17:00ちょうどです。
 月が木星の近くを通ります。


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