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中国ボーイズアイドルの創生 TFBOYSと中国プデュ~原際画「易安音楽社」の林墨(リン・モウ)

2021年04月21日 | 創造営2021
「創造営2021」には90名もの練習生が登場しましたが、練習生たちの所属する事務所は様々です。番組制作に参画するような有力事務所もあれば、できたばかりの事務所もあり、また、この種のサバイバル番組に人材を送り込むだけのキャスティング会社のような事務所もあります。
中国には、アイドルをいちから育成し、自社でグループデビューさせられるだけの力量のある事務所は僅かしかありません。
グループデビューはできても、その後の活動展開、楽曲やMVのプロデュース、宣伝などを含めた運営力のある事務所は更に少ないです。

目下のところ、中国ボーイズアイドル最大の成功例はTFBOYSです。小中学生の頃から芸能活動している3人のメンバーは全員大学生となり、2021年8月には「デビュー8周年コンサート」が予定されています。移り変わりの激しい中国において、彼らの誕生、成長、存在、そのすべてが「奇跡」と言っても過言ではありません。
TFBOYS 中央:王俊凱、右:王源、左:易烊千玺(イーヤンチェンシー)


TFBOYSを育てた事務所「時代峰峻」は、グループアイドルを自社からデビューさせる力があります。
この事務所では、アイドルを目指す多くの小中学生の少年がレッスンに励んでおり、練習生は「TF家族」と呼ばれています。TFBOYSを頂点とするTFファミリーは絶大なブランド力を持ち、「箱推し」ファンが存在します。箱推しファンは、まだ幼い練習生が事務所に入ったときからチェックし、その成長を見守っています。
「TF家族」のメンバーは流動的で、TFBOYSのコンサートのバックダンサーを務めることなどでファンの前に姿を現します。つまり、ジャニーズJr.のような存在です。
時代峰峻 TF家族公式サイト http://www.tfent.cn/

今のところ、TFファミリーは「中国プデュ」と一定の距離を置いています。TFからデビューできる可能性のある子は、そう簡単に「中国プデュ」に出しません。但し、时代峰峻の所属でも俳優寄りの活動をしているタレントを数名「中国プデュ」に送り込んでいます。

「創造営2021」に参加し、常にデビュー枠である11位内をキープしている林墨(リン・モウ)は、2014年から2016年まで「TF家族」の一員でした。
TF家族を脱退した後、2017年に現所属事務所「原際画」に移り、名前を黄其淋から芸名の林墨(リン・モウ)に変えました。

林墨(リン・モウ) 2002年1月6日生まれ 重慶出身 上海戯劇学院ミュージカル学科在学中 所属事務所:原際画
明るく賑やかで周囲を盛り上げるキャラクター。トークセンスが独特。ダンス、ボーカルともに安定した実力を持つ。


本来「PRODUCE 101」形式の番組は、視聴者である”国民プロデューサー”がアイドルを養成してデビューに導くというコンセプトです。しかし、実際には最初から相当数の固定ファンがついている練習生が多数存在します。林墨(リン・モウ)もそのうちの一人です。

林墨の所属する事務所・原際画(上海原際画文化伝媒有限公司)は、2016年に設立された比較的新しい会社です。
社長の黄鋭(ホアン・ルイ)はTFBOYを育てたプロデューサーの一人で、「時代峰峻」創設初期からのスタッフでした。TFBOYSの初期のバラエティの多くは黄鋭がプロデュースしたものです。
TFBOYSの活動が軌道に乗り、弟グループのデビューに向けて準備が進められていた2016年、黄鋭は「運営方針に対する意見の不一致」を理由に独立してしまいました。そこで新しく立ち上げた会社が「原際画」です。そして独立する際に、「TF家族の有望な練習生を2人連れていった」と言われており、その2人のうちの一人が、当時まだ14~15歳だった林墨(原名:黄其淋)です。
原際画に移籍した林墨は、「易安音楽社」という二次元(漫画)と三次元(実際のアイドル)の融合をコンセンプトとする6人グループのメンバーとして活動を始めました。

2017年「易安音楽社」発足。メンバーを発表。林墨は当時15歳。


2019年の「易安音楽社」。主要メンバーの何洛洛がR1SE(創造営2019)としてデビューしたため、何洛洛を抜いたメンバーで活動。


「易安音楽社」は中国土着の等身大のアイドルを作り出そうとしていました。自然な黒髪、明るく健康的な笑顔、カラフルなファッションが特徴です。
しかし、現時点では当初のメンバー6名のうち林墨を含む3名が「中国プデュ」に投入されています。いまの中国芸能界で、一つの事務所の力だけでアイドルグループをプロデュースすることが、いかに難しいかを表わしているともいえます。

原際画にも「TF家族」と同様の形で、幼い練習生が多数在籍しています。
「創造営2021」第8期で林墨の「弟たち」(後輩)が紹介されています。林墨自身は19歳になったばかりなのに、会社や後輩たちの未来を背負う立場にあります。
なお、林墨と同じ時期に「TF家族」を離れたもう一人の有望な練習生は、現在「青春有你3」に参加している孫亦航(スン・イーハン/原名:黄宇航)です。
孫亦航もまだ19歳ですが、練習生暦7年で老成したイメージがあります。林墨より更に重責を負っている印象を受けます。


前回29位で惜しくも「創造営2021」決勝進出を逃した呉海(ウーハイ)は、元々ダンス講師、振付師として名が知られていました。
呉海(ウーハイ) 1997年11月17日生まれ 重慶出身。日本語、英語が流暢。サンタ、力丸らと組んだ二公の「JOKER」がよかったです。


呉海はTFBOYS、その弟グループ「時代少年団」、練習生「TF家族」の振付やダンス講師をしていたことがあります。
地元では有名なイケメンダンス講師として成功を収めていましたが、裏方ではなく表舞台に立つことを目指して「創造営2021」に参加しました。

このほか、インフルエンサー(網紅/ワンホン)としてかなりの人気・実績がありながら、中国プデュに「練習生」として参加するケースが増えています。インフルエンサーというのは、具体的にいうとTikTokerです。
例えば、20位で「創造営2021」のファイナルに勝ち進んだ張欣尧(ジャン・シンヤオ)はTikTok(抖音)に1000万以上のフォロワーを持つ有名TikTokerです。
練習生ひとりひとりに、それぞれ異なるバックグラウンドがあります。
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