グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

“やつ”は、台風の風に乗って?

2013-04-20 22:51:56 | Weblog
“やつ”は、台風の風に乗って?

次回関連の資料として昨年分の再掲載です。



台風がきたときの楽しみ・・・それは珍しい生物との遭遇です。

図鑑でしかみたことのない珍しい昆虫や鳥たちが、南からの湿った
風にのってやってくることがあるからです。

そんな風のなかで

 あれはなんだっっ。.jpg

 「んんっ、なんだかみなれな“もの”がこっちにやってくるぞ・・・

なんて、大空を飛んでいる なにか を目にして・・・

しかも、そいつが翼を広げると 2メートルを軽くこしている生き物
だったとしたら、それは逃げますよ、とりあえず。映画のジュラシッ
クパーク世代なら、きっと

 「プ・プテラノドン!」  ドーン!.jpg

なんておもっちゃうかも〔小説では急降下して襲いくるプテラノドン
だって登場しますし
〕。


そんな2メートル20センチもの大きさを誇る鳥が、和歌山で保護
されました。 アフリカハゲコウ のメス、「キン」です。

6月21日に山口県美祢市の秋吉台サファリランドで、イベント飛
行訓練中に上昇気流に乗ったまま、行方不明となっていたというキン。

直線距離でいっても、約360キロ移動していたことになりますか
ら、「キン」にとっても、ちょっとした小旅行気分が味わえたので
はないでしょうか。
羽はとりあえず切られていたとはいいますけれど〕おりしも日本
海を朝鮮半島にむかって北上していた、台風5号のもたらす南から
の風にうまく乗ったのか・・・。

少し痩せたが目立った外傷はない」ということで、めでたし・め
でたしの結末でよかったです。


◎ 飼育係の方々も、ほっと安心されことでしょう。おつかれさまでした。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染






鳥とヒトの立場が逆転したかのような鳥インフル。

2013-04-20 21:55:22 | Weblog
鳥とヒトの立場が逆転したかのような鳥インフル。

 “我々は、家禽ではほとんど症状をおこさないウイルスが、ヒトに感染
  すると深刻な被害をもたらすという異例な状況に直面している


これは4月11日に 国際獣疫事務所/OIE が、現在中国で発生して
いる鳥インフルエンザ〔N7H1型〕について発した警告の声明です。

そうなんです。従来の高病原性鳥インフルエンザであれば、まずは家禽や
大量飼育されているトリの大量死がおこるため、その大量死の痕跡をたど
っていけば感染源を特定して〔かかったトリを殺処分することで〕感染の
拡大を食い止めることができた。

しかし、今回の中国で発生している鳥インフルエンザ〔N7H1型〕では

 ヒトが発症したことで、トリの感染がわかる

こともあるという、これまでのヒトとトリの立場が、まるで逆転したかの
ような深刻な被害が発生しているのです。 前回は こちら 。

そして、これは〔あまり考えたくない〕次の段階の予想ですが・・・農業の
現場をしるものとして、これ以上の感染をひろがげないためにしなければ
ならないこと
はわかりますよ。

それは ふん
大量飼育されているメガファームのケイフン処理の問題です。

高病原性鳥インフルエンザであれば、トリの大量死がおこったり、早期発見
されて殺処分されたりするためにケイフンは生じにくい。しかし「低病原性」
の鳥インフルに感染した場合は、トリは〔感染したことが気づかれぬままに
ウイルス入りのケイフンを毎日毎日生じさせていくのです。

そのような状態のケイフンが、たとえば

  たい肥置き場に無造作にケイフンが積まれている
  ケイフンが、近在の農地の野菜の栽培用に散布される
  なかには一般家庭の自家菜園用に使用される

としたらどうでしょうか。 〔たとえヒトからヒトへの感染がないままに、
このウイルスの性質が推移したとしても
〕このウイルスがまん延する可能
性は、間違いなく高くなる。そのような事態は、防がなければなりません。

なんといっても鳥インフルエンザは、「感染した鳥の排泄物などやそれによ
る汚染物への接触で感染していく」のはまぎれもない事実なのですから。
また、上記のような状態でなかったとしても、鳥インフルンザのウイルスは、
ケイフンに接触した、ネズミ・カラス・人・水などでもひろがっていくものなの
ですから。 → 参考資料/家畜感染症とふん尿の関係についは こちら 。

したがってこのウイルスが発見された地域にある農場では、定期的なウイ
ルス検査を行う必要があります。そのうえで「低病原性」の鳥インフルに
感染したことが判明した場合には、

 トリの処分とともに、ケイフンの処理〔埋設や焼却〕を素早くおこなう

という、ウイルス拡散をすこしでも遅らせるための措置がとても大切にな
るのです。

ということで今回は、今回の鳥インフルエンザの特異性と、そのかわった
「低病原性」の鳥インフルが 次の段階に移行するのを防ぐために

 頭〔感染ルートの解明〕だけではなく、尻〔フン〕も隠そう

というおはなしでした。


◎ 渡り鳥も運んでくる鳥インフル。日本も、対岸の火事をきめこむわけ
  にはまいりません。必要になるのは、ウイルスが侵入したとしても
  すこしでもウイルスの拡散被害を遅らせるための努力です。
   こちらは 中国語版の「本当は危ない有機野菜」 となります。

 中国語版・有機野菜.jpg 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜