グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

セロファンを落とすヒトはだぁれ?

2013-04-03 20:54:17 | Weblog
セロファンを落とすヒトはだぁれ?

農業用の商品資材がはいっている業者さんのけっこう大きな倉庫が
あります。
その倉庫の一画の、南に面した軒下に、お菓子の箱とか タバコの
箱をあける部分についている セロファン が 落ちているのです。

ほとんど毎朝。ときには数枚。

夕刻、暗くなる前にはなかったはずの、パッケージをあけるときに
引っ張る金色などの光る部分のついたセロファンが、毎朝8時前に
は落ちているのです。

はじめは、こう思ったんですよ。「ははぁ~ん。そうか、高校や中
学に入学前のやんちゃなボウズ〔複数形/笑〕が、夜にはひと気の
なくなる倉庫にやってきて、ここでタバコでも吸ってるな」って。

しかしですね、それにしては、タバコの吸殻は見当たらない。
そして吸殻をかたづけるほどの人物であるのならば、これみよがし
に箱の上部のセロファンだけを捨てるということもないでしょう。

しだいにひろがっていく謎・・・。
そして毎朝、捨てられていくセロファン。

昨年の3月中旬から始められたこの奇妙な行為は、4月の中旬にな
っても続いていくのでした。

そんな4月も終わりに近づいたある早朝。相変わらず捨てられてい
る数枚のセロファンを拾おうとして膝を曲げたわたくしは、なにか
の生きものの複数の鳴き声を耳にしました。

ピィピーピィ。ピィピーピィ。

それは、かすかだけれど あきらかにトリの雛の鳴き声。倉庫の高
い壁のに架けられているトイのちかくから聞こえてきます。

さっそく梯子をかけてトイの近くまで昇ってみると、その声は屋根
の裏側にあいているわずかなすき間の中からきこえているのでした。

おそらくは中に巣があり。その巣の中で生まれた雛が鳴いている。

餌を持った親鳥が変えてきたものと勘違いした雛たちは〔なにせむ
こうからも、こちらはみえませんものね〕われ先にと、いっそう激
しくなき始めるのでした。

そしてまさにそのとき。

倉庫の陰の部分からとんできた飛行物体〔親鳥〕が、わたくしの姿
に驚き、方向を換えてとび去っていったのです。よほどあわてたら
しく、咥えていたセロファンを空中で放ちながら。

春の朝日のなかで、きらきらとひかりながら、そのセロファンは
アスファルトの地面に向かって、ひらひらと落ちていくのでした。
そして思いましたよ・・・〔見ることが叶わないのだけれど〕雛の
いる巣のなかは、きっとセロファンでいっぱいなのだろうなって。

なぜにセロファンなのか・・・は、もちろん わかりません。

しかしさきほど出会ったこの巣の世帯主は、きっと セロファンが
大好きなのでしょうね。わたくしは ゆっくりと梯子を降りていき
ながら、セロファンで埋め尽くされた巣の一角で、くつろいでいる
親鳥の姿を想像したのでした〔子育てで大変なのだからこれくらい
の贅沢は させてもらわないと・・みたいなかんじで/笑〕。

・・・しかしです。

落ちているセロファンって そうそうないのでしょうから、探す
のは けっこう大変じゃないかってと思うのです。まあしかし、
それでも好きなのでしょうね、セロファンが〔趣味とか、嗜好っ
て、そういうものですよね〕。

ということで、今回は 昨年倉庫の一角で遭遇したセロファンフ
ァンのムクドリのおはなしでした。ちなみに 今年は、昨年の秋
に倉庫の壁の補修がおこなわれたので、昨年の巣の入り口が塞が
れてしまい、巣をかけるのは不可能になっています。
けれど思うんです。今年も 彼〔だと思う〕は、どこかに作って
いるであろう巣に、セロファンをせっせと運びこんでいるのだろ
うなと〔家族には迷惑がられたりして/笑〕。


◎  そういえば、光るものが大好きなカラスや、電柱について
  いたガイシや白い瀬戸物の陶器を集めていたカラスがいた
  のも思い出しました。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「里地里山複合大汚染