脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

がんになった緩和ケア医の言葉

2020年11月17日 | つぶやき
2020年11月17日火曜日、
今朝の6時台のNHKニュースを見ました。

そこで末期癌になった緩和ケア医師のことが報道されていました。

NHK神戸の井上幸子さんの報告でした。

思わず手を止めて見入ってしまいました。

神戸市のクリニックの、
9歳の娘と5歳の息子がいる44歳の医師です。

8年にわたり、末期癌患者の痛みを和らげる緩和ケア医として働いてきましたが、

去年、長引く咳が気になり、念のため病院で検査したところ、肺癌がんがみつかったそうです。

生命の根幹である、脳幹にも7から8ミリの転移が見られて、最も重い「ステージ4」と診断され、

あと、どれくらい生きられるかの、
「生存期間中央値」はあと2年だそうです。(現在からだとあと1年)

緩和ケア医が、癌患者になってみて、
抗がん剤のつらさを率直に患者として語られていたのが、印象的でした。

3週間に1回、抗がん剤を患者として受けてみて

それまで、専門医として抗がん剤のつらさも理解しているつもりでしたが、そのだるさは想像以上だったそうです。

抗がん剤については、 
専門医としては、患者に対して、説明してきましたが、実際に患者になってみると、

昔から使われている抗がん剤より、楽ですよ、と僕も言ってきたし、一般的に言われているんですが、(実際自分が患者となって抗がん剤を受けてみると)
すごくしんどかったんですよ。」

と話されていました。

がんの治療についても、以下のように話されていました。

1回目の治療がきかなくなった、
効いてないんじゃないか、となったとき、
すごくショックだったんで、

あとこれ(治療)何回もつかなと思いますね。
これがダメでした、となって、

次の治療ってなって、
もうちょっと(治療を)頑張ってみようかと。」

「(患者さんが)お一人お一人、
皆さんそれを乗り越えられてきた。

ちょっとした希望と絶望の間を ずっと行ったり来たり行ったり来たりされていたんだろうなと思う。

改めて(患者を)尊敬するというか、

患者さんが僕の先生というか、体力が続く限り、患者さんのそばにいたい」
と、先生はおっしゃってました。

(NHK +で本日なら朝の6時台のニュースで再生して見られると思います)

がんになったこの先生は、患者としての揺れる気持ちを、
医師としてではなく、患者としての素直に話されてました。

先生のそれらの患者としての治療に対する期待と迷いの言葉が、

かつての、ブラッドパッチ治療が自費のころの、私の気持ちと同じでした。

ブラッドパッチ治療しても、慢性化した症状はすぐにはよくならないものもあり、
かえって新たな症状が出てきたりもしました。

なかでも、症状が、悪化したようになると、
家族にも、ブラッドパッチ治療は効果がないんじゃないの?
お金の無駄、もうやめたら?と非難されたり、

症状がつらくて、近くの医師を受診してブラッドパッチしたことを言うと、
「ほらね」と
あからさまにブラッドパッチ治療を疑問視されたり、初対面の医師に、脳脊髄液減少症治療の主治医を非難されたりもしました。

悲しかったし、つらかった。

私が治療後、具合悪くて地元医師を受診すればするほど、
主治医が批判されてしまうのだと恐ろしくなりました。

癌患者が、抗がん剤しかすがるものがなくて、
抗がん剤治療しても、目に見えて効果がなかったり、
副作用でかえって具合が悪くなったとしても、
同じように他の医師や家族に、

「ほら、抗がん剤なんか効果がないじゃないか!信じて受けたあなたが悪い、もうやめな」的な言葉って

普通は言われないと思います。

けれど、
脳脊髄液減少症患者は、

平気で周りから言われちゃうんですよ。
そんな治療やめたら?
効果ないんじゃない?と。

かつては、
「ブラッドパッチはおまじないみたいなもの、患者の感じる効果は、プラシーボ効果(暗示効果)」と非難する無知な医師も大勢いました。
(今もいますが。)

がん患者も、脳脊髄液減少症患者も、
患者としての治療に対する期待と不安という共通点と、

緩和ケアまで整っている癌患者と、

医師でさえまだまだ知らない脳脊髄液減少症の患者の、
あまりの差に、
複雑な気持ちになりました。

でも、
末期癌になった緩和ケア医の先生の言葉のひとつひとつが、

私の脳脊髄液減少症を見逃してきた医師とは違う、
患者に寄り添った医師の言葉に感じました。

先生は、自らが患者になって、
より患者の言葉に耳を傾けるようになったそうです。

患者になって患者の気持ちがわかった医師こそ長生きしてほしいです。

そして、その体験を若い医師に、語り続けてほしいです。

そして、
「患者が、ちょっとした希望と絶望の間を行ったり来たり何度もしながら、一人一人がそれを乗り越えてきたこと」を、

医師として尊敬し、

「患者さんが僕の先生です。」と言えるような、若い医師が
これからどんどん増えてほしいです。

そして、
脳脊髄液減少症に対しても、
患者の見た目からは想像もできない苦しみに、

優しく寄り添い、
痛みや、激しい痺れや、だるさの、

脳脊髄液減少症の闘病中の心と体の苦しみの緩和ケアも、

もっと進んでほしいと願っています。
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本当の「原因不明」と誤診の「原因不明」

2020年11月17日 | 本当に"原因不明の症状"ですか?
苦しい何らかの症状があって、
日常生活にも支障が出ているのに、

いくら病院で検査しても原因がわからないとどうなるか?

わかります?

それはね、医師はなんとか病名をつけて、患者を区分して治そうとはしてくれるってこと。

でも、その区分が間違っていても、医師も患者も、なかなかその間違いに気づけないってこと。

たとえば、症状の原因が、普通の検査でわからないと、どつなるか?

① 医師が知ってる範囲の、その患者それぞれの主訴にあてはまりそうな、そうともいえそうな病名を診断と称してつける。

たとえば、うつ病とか、ストレス障害とか、機能性ディスペプシアとか、
胃炎とか、逆流性食道炎とか、PMSとか、起立性調節障害とか、パニック障害とか、

慢性疲労症候群(筋原性脳脊髄液炎)とか、線維筋痛症とか、etc.

② 症状が軽くみられると、ストレスのせい、気のせい、あなたの気にしすぎ、と軽くあしらわれ、あまり気にしないようにと帰されておわり。

③ 精神的な症状だと医師に思われると精神科の病と診断され、精神科に回され、カウンセリングや投薬治療がはじまる。

④ 患者が若くて引きこもりや、不登校と誤解されて、そっちの方向の支援がはじまる。

⑤患者が高齢だと、症状から、更年期障害とか、認知症とか思われ、その治療がはじまる。

こんなとこですかね。

これ、
すべて、
脳脊髄液減少症で起こりうる症状だって知識が、
医師の頭の中にあれば、

もっと多くの人たちが、もっと早期に、脳脊髄液減少症の早期発見早期治療にたどりつけるのに。

すべての医師が脳脊髄液減少症について深い知識を持つ日は
いったいいつ来るのか?

患者は、医師を神様みたいに、教祖様みたいに信じ込まず、

原因不明という事は、
本当にその時代では原因がまだわからなくて治療法もまったくない状態で、症状の緩和の対症療法しかないのか、

それとも、原因もあって、治療法もまがりなりにもあるにもかかわらず、

医師にその知識がないために、見逃され誤診された結果、「原因不明」にされていまい、それを患者が疑いもしないだけなのか、

「原因不明」には二つの意味が含まれると私は思う。

現段階では、不完全な研究途上のものであっても、
原因も治療法もあるのに、

患者が、医師の言うまま、自分の症状は「原因不明」と思い込んで、

ミスミス回復の機会を失う事だけは、
患者は、絶対してはならないと思う。

医師の知識不足、勉強不足、誤診による、「原因不明」にさせられている患者たちも相当数、いると思う。

多彩な症状がでるのに医師にも認知度の低い脳脊髄液減少症は特に。

患者自身がいかに視野を広げ、自分の回復の可能性について考えられるか、が
気づけるか気づかないかのポイントだと思う。
医師を教祖様みたいに信じ込んでいる人は、新たな視点で自分の症状の原因を考えるのは、

かなり困難だと思う。
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