アグリコ日記

岩手の山里で自給自足的な暮らしをしています。

タバコと知能指数

2011-01-09 19:30:35 | 思い
 世界のタバコ産業界は、企業として販売戦略上の必要から、一般にどんなタイプの人がタバコを喫い、また喫煙すると結果的にどのような傾向の人間になるのかを、綿密な調査によってかなり早い時期から把握していたという。
 以下はある書籍から引用したその一例である。この分析も今から30年以上前のことになるのだが、ご覧のとおり当時から彼らは、疫学、心理学、人間行動学などの粋を集めて喫煙者の性向を研究していたのである。
一般的に喫煙者は、通常言われているよりもずっと自立性があり、より反社会的で、より外交的で、精神的な健康面ではより弱く、より衝動的で、運任せであり、より情動的で、人当たりはあまりよくなく、性格の強さには欠けていて、一般に心配性である。学校の成績もよくなく、アルコールやコーヒーをより多く消費し、離婚も多く、仕事もよく変え、自動車事故を起こしやすい。

 つまり図式化すれば、タバコに手を出す人というのは、我が強い反面、精神的な支柱に欠け、人生の中に楽しみや喜びが少ない人とも言える。だからこそ「悪いこと」とは知りながらもタバコの誘惑に抗しきれずに深みに嵌っていくのである。特に10代の人格形成期において確立した喫煙習慣から足を洗うのは難しい。またそこがタバコ産業の狙いでもある。この業界の未来は、いかに多くの未熟な人格の中に、「タバコ依存性」を刷り込めるかにかかっている。
 今回は、数ある「タバコ依存性人間タイプ」の中でひとつだけ、「タバコを喫う人は学校の成績がよくない」にスポットを当ててみることにする。タバコ産業界が言うなら本当にそうなのだろうが、統計的にそうだということをわかりやすく説明した、もっと詳しい調査結果なりがないだろうか。
 まず目についたのは最近寄せられたイスラエルからの報告である。テルハショメルにおけるシェバ医療センターの、マーク・ウィーザー博士率いるチームによる調査研究。イスラエル軍に入隊した18歳の男性20,211人を対象にした。うち1日1本以上のたばこを吸う人は全体の28%で、一度もたばこを吸ったことのない人が68%、元喫煙者が3%。調査の結果次のことがわかったという。

非喫煙者の平均知能指数が101に対して、喫煙者の平均知能指数は94。知能指数は喫煙量が増えるほど低く、1日に1本から5本吸う人の平均知能指数は98、20本以上吸う人は90となる。

 つまり非喫煙者に比べて、喫煙者は平均知能指数が低い、喫煙量が多いほど知能指数も有意に低くなるという結果が表れた。もし1日1箱のタバコを吸えば、知能指数は平均11ポイント低くなる。
 しかしこの調査では、喫煙が知能指数を低下させるのか、あるいは知能指数の低い人が喫煙者になりやすいのかがはっきりとわからなかった。喫煙が脳機能に与える影響を掴むには、ある程度長期的・継続的な調査を必要とする。とりあえずこの研究では、知能指数が低い人ほど喫煙者になりやすく、これだけでは喫煙量の増加が知能指数を低減させたとは言い切れないとの考察が加えられている。
 一方、スコットランドで行なわれた研究もある。これによると、同じ試験問題で行ったテストでは、喫煙者の平均成績はいずれも非喫煙者より低い結果だった。しかも、研究を始めてから数十年の間に、喫煙者の論理思惟能力、短期記憶力および長期記憶力はより大幅に低下したことが明らかになったという。ここでは喫煙それ自体が、明らかに大人の知能を低下させていることが証明されている。
 以上二つの調査からわかることは、タバコを喫う人は、「知能指数が低い⇒喫煙する⇒ますます知能が低下する」というどうしようもない悪循環に捕えられていることである。少なくともこの日本において、タバコが自分の健康に、家族や周りの人の健康に、また環境にもよくないということを知らない人はいない。しかしそれでも手を出してしまう抗いがたい衝動の一端が、実は「低い知能」にあったということはいささかショッキングな事実だ。しかし世界的に見て喫煙率と教育レベルが負の相関関係にあるということからも、このことはまったく想像できないことではない。

 しかしタバコによる被害は当然ながら、成人よりも子ども、幼児、更には胎児に対してより大きい。次は1973年にイギリスで行われた調査である。ここでは児童の身長と知能指数、双方について調べられている。
 母親が妊娠中に喫煙すると、生まれてくる子供の身長が低くなる傾向が有る事が判明した。妊娠中に全く喫煙しなかった母親の子供の11歳時の平均身長は144.6cmだったのに対し、1日1~9本の煙草を吸っていた母親の子供の11歳時の平均身長は143.6cm、1日10本以上の煙草を吸っていた母親の子供の11歳時の平均身長は143.0cmだった。妊娠中の母親の喫煙機会が多い程、子供の身長が低くなっている事が分かる。
 また、妊娠中に全く喫煙しなかった母親の子供の11歳時の平均知能指数は102だったのに対し、1日1~9本の煙草を吸っていた母親の子供の11歳時の平均知能指数は96、1日10本以上の煙草を吸っていた母親の子供の11歳時の平均知能指数は95だった。妊娠中の母親の喫煙機会が多い程、子供の知能指数が低くなっている事が分かる。


 同様の調査は1984年にアメリカでも行われており、6~11歳の児童約9000人を対象としている。やはり母親が喫煙をする子どものグループの方が、母親が喫煙をしない子どものグループよりも、平均して1cmほど身長が低かったという。妊婦の喫煙が子どもの出生時の身長や体重に影響を与える事は既に知られていたが、実は子供が成長した後まで影響を与えていることがわかった点で革新的である。
 つまりこういうことである。母親が妊娠中に喫煙をする程、子どもの身長は低くなる。また同時に子どもの知能指数も低くなる。よって、母親の妊娠中の喫煙が「身長が低くて知能指数の低い子どもを作る」というわけである。これは母親が受動喫煙をする場合にも、当然ながら当てはまる。
 一方で、厚生労働省が1996~2004年に全国の中高生を対象にした調査結果がある。それによると、両親のいずれかが喫煙者である場合、この子が(未成年で)喫煙する割合は、両親ともタバコを喫わない場合よりも1.3~1.8倍高くなるという。
 これと今までの調査結果を組み合わせると、このようになる。
「親が喫煙する⇒子どもの知能が低下⇒子どもが喫煙⇒やがては親になって更にその子どもの知能を低下させる」
 なんという壮大な悪循環だろう。冒頭で述べたとおり、未成年で一度つけてしまった喫煙習慣はほとんどの場合一生涯断つことができない。よって本人もその子どもたちにも子々孫々、血と金とをタバコ産業に貢ぎ続ける奴隷階級の地位が約束されることになる。ある日誰かが気づいても、そこから抜け出ることは容易ではない。
 タバコに含まれる化学物質には「変異原性」がある。変異原性とは、「生物の遺伝情報に変化をひき起こす作用を有する性質」のことで、別名「遺伝子毒性」とも呼ばれる。タバコの怖いところは、煙を吸うことによってその人の遺伝子が損傷し、以後その壊れた遺伝子が子孫へと伝達されることである。知能を例にとれば、喫煙(または受動喫煙)によって低下した知能が子や孫へと受け継がれていく。もし幾代にもわたって喫煙し続ければ、その家系は著しく知能の劣った血筋となる。
 だから喫煙は、その人だけの問題ではない。あえて厳しいことを言えば、タバコを喫うならば家庭を持つことはもちろん、人類のためにはも子どもを作ることも好ましくない。また環境汚染という観点からは、地球に住むこともやめた方がいい。もしある国において喫煙率が上がるとすると、次の世代にはその国の人材資源は確実に低下することになる。

 ここで話のついでに、有名な人物の知能指数(またはその推定値)を紹介してみよう。さてどの人がどれほどの知能指数を持っているだろうか。
アルベルト・アインシュタイン(ドイツの理論物理学者) 173
ガリレオ・ガリレイ(イタリアの天文学者、物理学者、哲学者) 185
エマヌエル・スヴェーデンボリ(18世紀スウェーデン・バルト帝国の科学者、政治家、神秘主義思想家)205
ゴットフリート・ライプニッツ(17世紀ドイツの物理学者、数学者、哲学者、経済学者、歴史学者、神学者)205
ジョン・スチュアート・ミル(19世紀イギリスの哲学者、経済学者)200
ブレーズ・パスカル(17世紀フランスの数学者、物理学者、哲学者、思想家、宗教家)195
レオナルド・ダ・ヴィンチ 205
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(ドイツの詩人、劇作家、小説家、哲学者、自然科学者、政治家、法律家) 185
ボビー・フィッシャー(アメリカのチェス世界チャンピオン)187
J・F・ケネディ(アメリカ大統領) 119
シャロン・ストーン(アメリカの女優) 200
ノーマン・シュワルツコフ(湾岸戦争時の米軍司令官) 170
山下清(画家) 68
アドルフ・ヒットラー(ドイツの政治家) 150
ヨーゼフ・ゲッベルス(ナチス党宣伝大臣・敗戦時の首相) 180
酒鬼薔薇聖斗(小学生を殺害して首を校門に置いた14才の中学生。韓国から帰化) 70  
チャールズ・マンソン(アメリカのカルト教祖)109 
宮崎勤(幼女連続殺人犯) 135
村井秀夫(オウム真理教のNo.2) 180

 ブッシュ大統領のIQは91で、ブッシュ父の97と並んでアメリカ史上最も知能指数の低い大統領と言われている。クリントン大統領のIQは182でブッシュ大統領のちょうど2倍。どうやら政治家は、知能指数だけでなれるものではないようだ。
 現在ギネスブックに掲載されている「最も知能指数の高い人」は、マリリン・ボス・サヴァント(アメリカ女性・作家 現在64歳)IQ 228。
 また、直近の学力テストなどを見ると随分後退した感じがするが、かつて日本人は学力・知力ともに極めて優秀な民族だった。
 オーストリアのウィーン大学・医科大学が50カ国国民の平均IQを比較した結果がある。以下はそのうち29ヶ国分。
Country  IQ Real GDP Per Residual Fitted
Argentina 96 12013 -3017 15030
Australia 99 22452 5799 16653
Belgium 99 23223 6570 16653
Brazil 87 6625 -3534 10159
Canada 97 23582 8011 15571
China 98 3105 -13007 16112
Congo (Brazzaville) 73 995 -1587 2582
Congo (Zaire) 68 822 946 -124
Croatia 90 8749 -5033 11782
Cuba 85 3967 -5109 9076
Czech Republic 98 12362 -3750 16112
Denmark 97 24218 8647 15571
Egypt 83 3041 -4953 7994
Ethiopia 67 574 1239 -665
Finland 98 20847 4735 16112
France 97 21175 5604 15571
Germany 103 22169 3351 18818
Ghana 62 1735 5106 -3371
Guinea 70 1782 824 958
Hong Kong 107 20763 -220 20983
India 82 2077 -5376 7453
Iran 84 5121 -3414 8535
Iraq 87 3197 -6962 10159
Ireland 87 21482 11323 10159
Israel 90 17301 5519 11782
Italy 103 20585 1767 18818
Japan 110 23257 651 22606
Kenya 72 980 -1061 2041
Korea, South 106 13478 -6964 20442

 ご覧のとおり、日本はIQ 110で一位。以下香港(107)、韓国(106)、ドイツとイタリア(103)と続く。日本人と並んでユダヤ人の知能指数が高いことはよく知られているが、この表ではイスラエルの数値が非常に低くなっているのが不思議である。
 似たような結果が、アイルランド・アルスター大学のリチャード・リン名誉教授の調査でも出されている。以下は彼のHP(Richard Lynn - Home)からの抜粋要約。

 私の主要な発見は、東アジアの民族は、ヨーロッパあるいはアメリカなどのヨーロッパ起源の人間よりも5ポイントIQが高いというものである。また男性は、平均知能指数が女性より5ポイント高い。私はまず、日本人の知能指数について研究した1977年の論文の中で、東洋人のIQが高いことを明らかにした。続く数年、香港、台湾、韓国、支那、シンガポール、アメリカの各地で多数の調査を行い、同様に東洋人のIQが高いことを確認した。
 1983年、雑誌「Nature」に日本人のIQが、過去半世紀の間に漸次上昇したことを発表したが、これはいわゆるFlynn効果で、多数の国で知能が年々増加することを示したJim Flynnの論証に従うものである。1989年に私は栄養の増進が知能の増進を促すことを提唱した。私はまた、脳の大きさと反応速度が知能と関連することを示す論文を発表した。
(中略) 
 1991年私は異なる民族同士の知能レベルの相違に研究を発展させた。私はサハラ砂漠周辺の黒人の平均IQは70であるとの結果を得た。アメリカ合衆国の黒人の平均IQは85であることが知られている。これはアメリカの黒人は、白人の遺伝子を約25%持ち、良い環境に居住しているためと考えられる。
 私は民族間の知能指数の違いを、古代アフリカからユーラシアに移動した人間が寒い冬の気候の中で耐えて生きていかなければならかったことで説明できると考えた。この現象は特に氷河期において顕著である。植物性の食料は一年のうちの相当の期間得られないから大きい動物を狩って食料としなければならない。それにはそのための道具や、武器、小屋を作り、火をおこさねばならない。このような問題は知能を向上させ、ことに東洋人の知能を更に高めることになったと考えられる。

 このようにして、日本人を始めとする東アジア沿岸部の民族、またヨーロッパ北部を起源とするコーカソイド(いわゆる白人)は知能を高めていったのだろうか。理論としては概ね説得力があるが、ではエスキモーやベーリング海峡を越えて移住したアメリカ原住民たちの知能指数はどうなのか?知能指数は上がると同様に、居住環境によって下がることもありうるのではないか?そんなことも考慮しないとならないから現実は複雑である。
 とかく民族間の知能比較データは、人種差別につながるというので一般にはあまり公開されていない。だから上記の2つは我々庶民にとっては貴重で興味深い資料と言える。しかし知能指数は、あくまで脳の有する機能の一側面を、単位社会の中で偏差的に表しただけのものだということを、当然ながらわきまえておかないとならない。
 日本人が知能の高い国民だったことは、過去の歴史からも容易に推測できる。ただ近代、そのような民族を快く思わない国民もあるのであり、私がもしそのような敵性国家(または反国家分子)だったら、日本人のIQを隠密裏に低下させるのに、まずはタバコの普及、それと農薬と化学合成添加物を日常の食品の中に徐々に混入していけばいいだろうと思っている。が、怖いのは、現にその事が日本社会の中で起こっていることなのである。これっていったいどういうことだろう。

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