アグリコ日記

岩手の山里で自給自足的な暮らしをしています。

不摂生・・・なのか?

2004-12-20 08:24:37 | 暮らし
ふと思い出して、去年の手帳を開いてみた。
いったい、自分はもうどのくらい酒を飲み続けているのか。
考えてみたらもう長いこと、酒を飲まない日の記憶がない。
猫や鶏に夕方餌をやり終わると、いつも当たり前のようにどぶろくをコップに注いでいる。

調べてみたら、直近の禁酒の日が1年前のクリスマス。
そうか、もうまるまる1年経つのか・・・

毎晩飲むのはビールならば3、4本くらい。
実際は日本酒やウイスキーなんかを取り混ぜて気分に応じて飲み替えるので正確にはわからない。
それを毎日続けて、よくこうして健康に生きていると思う。
サラリーマンだった頃は、こうではなかった。
毎日飲んでいれば、そのうち必ず具合が悪くなって飲まない日が来たものだ。
当時はやはりひと月に2回くらいは禁酒をする結果になっていたと思う。
しかも酒量は、今の半分くらいだった。
それがどうして今は、こんな酒びたりともいえるような暮らしをさも当たり前のように続けられるのか。
どうしてこれで体の調子がおかしくならないのか。
我ながら、不思議なところではある。

まあもっとも、あの頃に比べれば酒のつまみに食べるものは違う。
都会で暮らしていた頃は、やはり出来合いのものや肉・魚が多かった。
20代前半の全盛期には、一度に鶏1羽や、肉1kgをぺろりと平らげたものだった。
体重も今より20kg近く多かった。
昔からあまり外で飲むのが好きではないので、いつも料理をしながらひとりで飲んでいた。

今では猫や犬、放し飼いの鶏がいるものだから、
1日たりとも家を空けられない。
もっともお金がないので飲みに行こうという気にもならないが、
毎日、畑で穫れたカボチャや大根、また味噌やニンニクなんかをつまみにして飲んでいる。
味噌なんて750gのパックが一週間で無くなる。
買う食材は少ないとは言え、味噌や塩、醤油は自然塩仕込みのものを買っているので、
食費の中のウエイトがとても大きい。
だから今のところ味噌の自給が当面の目標になってたりする。

今日も茹でたジャガイモを箸で突きながら考える。
よく毎日同じ物ばかり食べ続けてやって行けてるものだ。
ひと昔前には想像もできなかった。
私だって柿ピーを食べることもあれば、カントリーマームをおやつに食べることもある。
というか、食べ物にタブーはない。
あれば何でも食べるし、買い物に行けば何でも食べたい物を買って来ている。
ただ最近、そんなにあれこれと食べたいとは思わなくなった。
たまに昔よく食べたコンビニの調理パンが無性に食べたくなったりして、
用事のついでに街中のコンビニに入ってみたりはするのだけれど、
棚を目の前にしていざパンを手にとってみると、
なぜかどうしても、食べたい気が失せてしまう。
我ながら不思議だ。
買う意欲はあるのだが、食べる意欲が無くなってしまう。


そして自分の生活は不摂生なんだろうかと、改めて考える。
不摂生と言えば、そんな気もする。
そう思わなければ、これが当たり前のような気にもなってくる。

人それぞれ作って来た体質、住む環境、日常の体の使い方は大きく違う。
食生活も、それに合わせて各人各様のあり方があっておかしくない。
実際に気候や風土、生活習慣が違う場所では、それに応じて自ずと異なった物を食べているではないか。
それを本来の食文化、なんて呼んだりするかもしれない。
でも今の日本ではそんなことを度外視して、ただ栄養学の教科書に書かれている内容を闇雲にすべての人に当てはめようとしてはいないか。


不摂生とは、まずは自分で勝手にそう思い込むことから出て来る概念かもしれない。
各人は自ら構築した概念に己を当てはめて日々暮らしている。
今の私の暮らしだって固定観念に囚われなければ、充分に人の個性のバリエーションの範疇に収まるような気もする。
誰かの書いた教科書を盲信する必要はない。
現実の自分や周囲を観察し試行錯誤を繰り返すうちに、おのずと今の自分に合った食生活が導き出されてくるものではなかろうか。

というわけで、とりあえず自分はまだ正常の範囲内だと
納得することにした。
でもそれはそれでいいとして、別の観点から
禁酒や断食はしてみたいものだと思う。
今もクリスマスや年末年始を前にして、改めてそんなことを思い直しているところである。





【写真はレオ。玄米とスーパーから頂いてくる魚のあらを主食にして、よくこんなに健康に育つもんだ。】





コメント (27)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« タインの見た夏の雪 3 | トップ | 野犬 »
最新の画像もっと見る

27 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
酒とコトバの日々 ((=)彡)
2004-12-20 12:38:40
あぐりこさん。こんちは。

なんとも他人事と思えないような独白。うひ。

僕も酒は欠かしてません。(C-Uメンバーはみな酒呑みなのか?)

食べ物もつい最近臨時収入があったので「たまには定食屋にでも入ってみるか」と考えて思案してるうちに「スーパーの惣菜にしようか」さらに「やっぱり味噌でも舐めてよう」と結局いつもと同じ結果に。

なんでも好きなもの食べていい、といま言われてもどうもピンと来るものがなくなってる。

もちろん土地土地の旬のものなどが口にできればうれしいことこの上なし、なのだけれど、ヒト1人(自分)を満たすためにはいまあるもので足りてるんですよね。



一方、断食。僕も48時間くらいやったことありますけど。なかなかおもしろいです。

断食明けにからだに負担にならないような食べ物を考えておく必要はあります。

が、断食の最中は特にあれが喰いたいだのツライだのってことはなかったです。そしてなにより、からだがすっきり軽く感じられしかも脳みそがくっきりします。



僕が現在、一日ニ食生活をしてるのもその断食の時に感じたこと「メシを喰らうということはからだにとっては少なからず負担(インパクト、ストレス)になっている」ということを発見したからです。

あと、旅の経験から、硬いものをよくよく噛んでると少量で満腹になる。というのも生活にフィードバックしてることです。
返信する
これは釣りなのか? (南無)
2004-12-20 17:18:53
たしかにC-Uは酔っぱらい集団だな(笑



肉体をよく使ってはたらいた後の酒は美味いのだよ。

hiroizmともたまには飲むのだけど彼女は酒が強い。ていうか洋酒に詳しい。



多分肴が無くても味噌があればいい。

でも旨い物があった方が酒は旨くなることは事実だね。



>海月さん

>>臨時収入?ってなんだべさ(笑

返信する
Qurax2さん、 (agrico)
2004-12-20 19:25:23
酒、タバコ、麻薬、女遊び・・・と世にいわゆる「中毒」症状になるモノは幾つもあるけれど、

「食べ物」の習慣こそ、その際たるものではないかと思います。

食習慣はなかなかに変えることが難しい。

例えば平たく言えば、贅沢に慣れた人がそれを変えようとしてもそれなりの意思の強さと時間がかかる。

短い時間で変えようと思えば、それなりの状況に自分を追い込まないとならなかったりしますね。

私も今の食生活になるのに6年かそれ以上かかってるし、

今でも変わり続けてますよ。

今まで自分が変わっていく大きな転機になったことのひとつに、瞑想との出会いがあります。

始めは座禅でした。

仕事で外国人を連れてさる曹洞宗のお寺に体験座禅をしに行ったのが始まりです。

なんだ、こんなに簡単なものなのか・・・

と思ってそれから毎朝しているうちに、

思いがけない方向に来てしまった感じですね。

もっとも今は特にしてませんが、

瞑想は、それを習慣にすれば日常的にできるものみたいです。



いや、面白いことに、

私も1日2食なんですよ。

これももう、10年近くになります。

食べ物に関しての印象は、Qurax2さんの言うとおりです。

わたしもそれで、2食にしたんですよ。

当時30を越えたばかりの頃、

不思議と幾つものことが重なって身に起こり、

大きな人生の転機を形作りました。

以来断食にも関心を持って、最長で3日間の断食をしたことがありますが、

そのうち本格的にしてみたいです。

2週間くらい、ね。

さすがにちょっときっかけが要りそうです。
返信する
南無さん、 (あぐりこ)
2004-12-20 19:38:10
この記事は数日前に浮かんだことを書き留めていたもので、

猫の連載を先に開始したのでアップするのが遅れてしまいました。

もっとも南無さんの「肉体の衰え」にトラックバックしようか迷ったんですが、

なんだか南無さんやぱこさんへの自慢話のようになってしまいそうでやめたんです。

私も人並みに肉体的に弱い部分(例えば目とか歯)は持ってますが、

今のところいたって健康体ですもんね。

多分100歳を越すくらいは長生きしそうですよ。



ひろ(っ)ぽんさんと飲む機会があるなんて、羨ましいです。

どうして身の周りに、こんなに異常なほどの酒飲みばかり集まるのでしょう。

縁というか、業というか、

同じような基本構造を持った人格がそれぞれのバリエーションを携えて集まった感がしますね。

今度Contemporary Unitの参加資格に酒量の欄を加えねばならないのでは。
返信する
C-Uの宴会 (南無)
2004-12-20 19:44:03
凄いだろうな。

いつか皆会えるよ。

hiroizmはこわいぞヨ(笑



年相応に順番だよ。

オレもアナタぐらいの時までゴジラだ、なんだとか異名がついていたんだから(藁

虎を放ったよ!

では、御免下さい。
返信する
酒の匂いに誘われて (20cm)
2004-12-20 20:21:25
食物と言えばわたしも有るものを食べる派です。南の島で暮らしたときは毎日タロイモだけでも不思議と不満はなかったですね。

ただ、東京で一年タロイモを食べ続けられるか?と言うと自信がありません。

風土や環境も有るのでしょう。



ただ、有る物をおいしく食べようとしない人と無いものねだりの人は嫌いです。



返信する
うわぁ! (ぱこ)
2004-12-20 20:41:03
ここを開いて、みんなの名前を見ただけで禿藁でつ。

なんだか、フツーの生活に背を向けてるというか、背を向けられてる人ばっかだ。(爆

確かに、コンビナートで身体を張った仕事をしてた頃は酒が今よりも旨かったような気がします。

南無さんも書いてたけど、早上がりした時に事務所で飲むコップ酒が好きだったなぁ…

もっぱらデスクワークばかりの昨今は、かえって深酒することが増えて、悪酔いする日も多くなりました。

一人で飲むことが多い今は、気の置けない仲間と会話を肴に飲みたいと痛切に思う日があります。(涙

デスクワークは確実に私を偏屈にしましたですよ。

いっぺんc-uで飲みたいなあ…

っていうか、「異人」達をこの目で見てみたいな。(笑
返信する
20cmさん、 (agrico)
2004-12-20 22:12:31
体の柔らかい人は体が壊れない。

と同じように、異文化の中で楽しめるかどうかは適応力の問題かもしれませんね。

たまたま今日、酒飲みの集団が発見されたように、

Contemporary Unitは旅人の集団でもあるでしょうよ。

私もそのうち、国内や南米を貧乏旅行した体験を書こうと思ってました。

今でも大衆食堂は好きだけれど、

(入る時は滅多になくなったけどね)

私の旅にはほとんど大衆食堂しかなかったですね。

または腹の足しになるようなパンみたいなものを買って、

そこらで坐って食べる。

そんな風にして見上げた空が、今の私たちを造っているのでしょうね。

つまりまだ「雑種」の未分化性を持ってるってことですかね。

特化されてしまって、適応力を失った姿ではないということ。

どちらもそれなりに楽しい人生にはなるだろうけれど、

これからどうなるかわからない旅の空の人生をお互い選んで来てるのかもしれませんね。

私がいきなりこんな田舎でみんなから受け容れられて暮らしていけるのも、

転々と外国暮らしをした経験があるからこそなんですよ。

異文化には強いのです。
返信する
ぱこさん、 (あぐりこ)
2004-12-20 22:28:06
私は昔デスクワークが主の仕事だったから、

あの頃の不健康な状態はよくわかりますよ。

ストレスはてきめんに胃に来ますね。

それと比べると今の方が遥かに健康的です。

その代わりに経済基盤と体重を失いましたけどね。

今思えば、どちらも当初思ったよりも大したことのないものではありました。

20cmさんもQurax2さんも含めて、私たちはどんな状況でも生きて行けますよ。

ぱこさんの今の暮らしとこれからの暮らしが、更にあの「マヤの呼ぶ声」以上の作品を産んで行くんでしょう。

あの作品には大きな感動と感化を受けました。

BLOG界でのぱこさんの存在はぐぐっと重くなりましたよ。

いえ、体重の話ではないのです。



いつか思いっきり飲みましょう!

みんなでうちに来て泊まっていってくれないですかね。

どぶろくとカビた布団だけはたくさんありますよ。
返信する
南無さん、 (あぐりこ)
2004-12-20 22:47:10
CU宴会楽しみです。

猫家でしてくれれば嬉しいのですが、

ただ、いざという時に救急車の来るのに30分はかかるのですよ。

まあ、いつ死んでも悔いのない人たちだとは思いますが。



私もやっとひろ(っ)ぽんさんの怖さを想像できる年齢になりました。

彼女の文章は心奥を震わせます。

BLOGでこれだけ深みにインパクトするものは少ないです。

(まあ、私の知っている世界は狭いでしょうけれど)

このような輪を広げていければいいですね。



雪の無い冬なので、次々と仕事ばかりやって来ますが、

南無さんの方も同じなんでしょうね。

冬になったら少し腰を据えて書こうと思ってましたが、

これじゃあいつになることやら。

でも、皆さんのお蔭で暖かい年末を過ごせそうですよ。
返信する

コメントを投稿

暮らし」カテゴリの最新記事