粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

朝日新聞の意図的情報操作

2013-06-27 15:04:47 | 反原発反日メディア

福島大学が全国の大学に呼びかけた企画で、福島から15人、全国から30人の小学生の子どもたちに参加を募集している。福島猪苗代湖町のホテルに夏休み集まって、原発事故の避難者が暮らす会津若松市の仮設住宅を訪問したり、北塩原村の湖で交流したりするものだ。

しかし企画に応じた熊本学園大学にはこれに抗議する電話が30件、メールが20件、直接抗議に訪れた者が2人いたようだ。理由は「子どもの被曝が心配」ということだ。これを大々的に取り上げたのは朝日新聞の熊本総局である。記事の最後にはなんと放射能防御プロジェクトを主宰する木下黄太氏のコメントがのせてある。木下黄太氏といえば福島ばかりか関東地方も放射能汚染が酷くそこからの西への自主避難を呼びかける超過激な反原発市民運動家である。

木下氏の「多少でも被曝するわけで、子どもの事を考えたらこういうことはしない」という批判のコメントで締めくくっている。しかし、木下黄太氏のブログを見ると6月12日にすでにこの「子ども大使」の企画を厳しく非難して、参加する熊本の大学(福島大学ではない。その点が不可解だ)へ読者が直接抗議することを示唆している。すなわち大学窓口のホームページが彼のブログからリンクが出来るのだ。大学への抗議が続出した時期と呼応する。つまり彼の強力な指示でこの反対運動が現実のものとなった公算が高いといえる。(信夫山ネコさんのブログ参照)

朝日新聞はこうした背景を知ってか知らずか、いち早くこの騒動に着目して、あろうことか木下氏のコメントまで文末に登場させている。どうも朝日と木下氏の「出来レース」という印象を拭うことができない。

いうまでもなく、福島でも猪苗代湖辺りは線量も極めて低く、日本の他地域とほとんど変わらない。まして、短期間の訪問に過ぎない。今年に入って、国連の科学委員会や世界保健機関の福島の現調査でもその被曝は軽微で将来的にも影響はほとんど問題ないレベルであることが報告されている。こうした大学への抗議は全く見当違いも甚だしいし、福島県民に対しても非常に失礼な話である。

朝日新聞が木下氏らの主張を検証もしないで無批判に掲載するのも大いに問題だ。最近わかったことだが、朝日の熊本版では、木下黄太氏のコメント部分は始めから削除されており、朝日のネットのみに掲載されている。一般的に朝日のネット記事を見ると、記事は前半で概略が紹介され、後半で核心部分が登場することが多い。さらにそこは有料購読者のみが閲覧できるようになっている。

今回の記事でも核心というか本音の部分が有料部分となっているのはどういうことを意味するか。おそらく、朝日新聞のコアな読者のみに伝えたかったということだろう。木下黄太コメントは熊本の一般読者には「刺激的」過ぎて掲載を控えたのではないかと勘ぐってしまう。より過激な反原発記事は、朝日の固い支持者中心に発信するというこの新聞社の意図的な操作を感じないわけにはいかない。

追記:自分自身、逆に熊本学園大学でこの企画参加に取り組む学部の方に「応援メール」を送ったが、即座にその窓口の方から誠意のこもった返答メールを頂いた。


朝日新聞を代表する記者(福島総局)本田雅和記者(左)

市民活動家、木下黄太氏(右)




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