粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

日本維新の会の公約

2013-06-28 11:24:52 | 国内政治

参議院議員選挙の公示を控え、日本維新の会が公約を発表した。その要旨を読んでみると、大方同意できるが、一部に疑問に思うところがある。

まず賛同できるのは外交・安全補償である。「周辺国に隙を見せない安全保障」と明示しているところがいい。もちらんそのために普天間基地の辺野古移設をはっきり打ち出していることとしっかり整合性がある。

歴史認識でも慰安婦問題を具体的に挙げていることは好感が持てる。この問題は決して後世まで禍根を残すべきではないと思う。もちろん、むやみに隣国を挑発するのは問題だが、不当な干渉には毅然と対応すべきだ。

経済・財政や社会保障対策も概ね賛成だ。特に「農協の機能の再定義」というのが重要だ。TPP参加問題で農業関連では実はこの農協こそが「隠れた主役」だと思う。TPP=農協として考えてもいいくらいだ。流通のみならず、農民の生産、消費、資金調達、保険、催事など地方の生活のあらゆる面でこの農協が強い影響力を維持している。

それが地方の発展に貢献した側面はあるが、その強い影響力が地方の活性化の阻害要因になっている事も確かだ。以前橋下大阪市長がタレント弁護士時代にテレビで農協について相当厳しい事を発言していたのたのを思い出し、「農協の再構築」は彼の昔からの持論のようだ。

ただ国歌システムには疑問が残る。自民党もそうなのだが、維新も憲法96条の改正を先行させている。しかし自分自身は96条の改正には反対だ。むしろ本丸の9条改正こそ先決ではないか。今の自衛隊は9条をみてもなんら意義が反映されていない。どうも見ても存在が9条と相反するのが明らかだ。これだけ現在自衛隊が国民に認知されているのに、いまだ自衛隊が法律では宙ぶらりの状態なのは自衛隊に対して失礼だと思う。この9条改正を堂々と国会で時間をかけて論議すべきだと思う。政治家は最初から9条では国民に抵抗が強いとして及び腰だ。しかしそんなに国民は9条に執着をもっているとは自分は考えていない。小細工なしに素直に国民に提示すれば国民は理解してくれるものと信じている。

維新は一院制も主張しているが、確かに今の参議院を見ているとミニ衆議院化していて本来のチェック機能を欠如している。しかし、世界ではこの2院制が十分機能している国は多い。やはり参議院の仕組みを根本に変える事が必要ではないか。アメリカのような各都道府県で定数を統一するとか、選挙ではなく推薦にするとかいろいろ考えられる。

要旨には出ていないが、維新は首相公選制や道州制を提唱しているが、正直あまりピンとこない。議院内閣制で十分首相が政策実行で強力なリーダーシップを発揮している国は多い。首相公選制では大統領制と同じになってしまうと思うが、はたしてそれがよいのか疑問が残る。道州制にしても、どうも日本の風土には合わない気がする。アメリカやドイツの連邦制はそれぞれに歴史を反映したものといえる。道州制導入で、今の北海道の札幌のように人口が3分の1を占め、行政、商業、文化などあらゆる機能が集中するのがはたしてよいのか。


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