粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

安倍内閣、ここに「男」はいないのか

2016-08-28 10:01:56 | 厄介な隣国

昨日の記事とは「男」つながりだ。昨日は野党の代表のことだったが、与党そして安倍内閣についても書かないわけにはいかない。特に日本の防衛外交に関してだ。

今年に入って沖縄の尖閣諸島周辺が深刻な状況に陥っている。中国の海警船が短期間に10隻以上も尖閣の領海や接続水域に侵入し、さらには中国軍艦までが領海侵犯に及ぶなど、中国の乱暴狼藉は目に余る。もはや、中国の侵略行為とみてよいほどの状況である。

しかし、日本政府は中国の露骨な侵犯行為にただ抗議をするだけで実際の対抗措置を講じていない。むしろ、中国の尖閣侵犯を放置しているのではないかという疑念さえ覚える。表向きは中国に厳しいとされる安倍首相だが、民主党政権時と比べて実際は尖閣の実効支配がはるかに失われつつある。石垣島の漁船はもはや尖閣周辺で漁はおろか近付くことさえできない。民間の飛行機も尖閣上空を飛行ができない。安倍政権がこれを認めないからである。

尖閣上陸はともかく、石垣漁船の尖閣周辺での操業は確保すべきだ。そのためには海保が漁船を操業を護衛することが肝心だ。それがまず尖閣実効支配の担保になる。あるいは、外務省や国土交通省、農林水産省の閣僚や幹部が尖閣周辺を視察することも必要だ。すなわち、政府が率先して尖閣の実効支配をアピールすることが肝心だ。しかし、残忍ながら、安倍政権にはそんな動きがまるで見られない。

与党の自民党にも媚中派が多くいるし、まして公明党そのものが親中派と言ってよい。外務省、国土交通省などの官僚にもその手の人間は少なくない。野党もほとんど親中派だし、主要メディアも然り。そして、見逃せないのは同盟国のアメリカの存在だ。表向きは日米同盟での協調を示しながらも、日本が中国と極東の海で衝突することを嫌っている。

そんな内外の想像以上のプレッシャーがあることは十分理解しているつもりだ。それでも安倍内閣が中国の侵犯を放置してよいという理由にはならない。現況の防衛力や老練な外交力を駆使しいく。あるいは防衛予算の増額や法整備の拡充を必要だ。そして、全力でこの理尽な隣国に立ち向かっていく覚悟を示さなければならない。

残念ながら、安倍首相以下現在の内閣にそんな気概はあまり感じられない。首脳会談を実現させるために問題を穏便に済ませようということでは尖閣の実効支配は失われ、無法国家による陵辱の餌食になりかねない。

かつて、イギリスのサッチャー首相は南米にある自国領土フォークランド諸島が他国に占拠された時奪還の軍隊を派遣しようとした。これに対して議会では「あんな小さな島を守るために大金を使うのか」「戦争するより話し合いを!」という意見ばかりだったという。しかし、サッチャー首相は「ここに男はいないのか」と怒りを露わにして議会の男たちを一喝したという。

この言葉を安倍首相以下日本の閣僚にそっくりぶつけたい。まして尖閣はイギリスにとってのフォークランドとは比較にならないほど日本の防衛上重要な拠点である。安倍内閣よ、ここに男はいないのか。


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