粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

井戸川克隆と荒木田岳

2014-05-13 16:26:04 | プロ市民煽動家

漫画「美味しんぼ」に実名で登場する人物で「福島の真実」を語るくらいだから、さぞかしその道の「エキスパート」だと普通は思う。医師、放射線医学、原子力工学、生物学、物理学、化学?もちろん、専門以外の人々が福島の現実を様々に主張する自由はある。しかし、こと福島県民の生命に関わる深刻な問題に断定的な結論を出すにはやはり、その道の専門家の英知が必要だ。その点この二人の人物はどうなのか。

井戸川克隆氏、67歳か68歳、ウィキペディアによれば1946年?月?日生まれとある。よくわからない。それはともかく福島県双葉町出身だ。福島県立小高工業高等学校卒業、会社役員を経て、2005年双葉町長に初当選…。工業高校卒業だから確かに「理系」に違いない。また原発立地自治体の首長として原子力関係の知識を深めたことも想像ができなくはない。

しかし、漫画で彼が語る自身の「鼻血経験」から被曝が原因と明言し、「福島に住むな」と警告するには飛躍が過ぎるのではないか。長年原子力を研究し、200万県民の健康調査を続けてきた様子はない。また岐阜県の医者が彼の知人として漫画にも登場するがどう見ても福島のこまめに回って県民の動向を調べたようにはみえない。

荒木田岳氏、1969年11月生まれの44歳、石川県出身。茨城大学人文学部卒業、新潟大学大学院法学研究科修士課程修了。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程終了。現在福島大学行政学類准教授である。専門は社会学や行政学である。これは井戸川氏と違って完全な「文系」である。

何度も断っておくが、学者でも専門外のことについて発言するのは自由である。したがってボランティアか研究のためか福島の除染作業に加わってその感想を述べるのは勝手である。しかし、一部地域の除染作業に参加して喉の痛みを感じたことで「福島は取り返しがつかない」とか「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんてできない」と口走るのはいかがなものか。これまた論理の飛躍としかいいようがない。

福島大学から荒木田准教授に発言には注意をするようにお達しがあったようだが、それも当然であろう。行政学者が福島県民の深刻な命に関わることを軽々しく発言すべきではない。ウィキペディアのよると大学院から反原発運動に参加するほどの活動家であり、実際原発事故以後妻子を新潟に「避難」させている。彼の原発に対する立ち位置は明白であり、除染作業経験が究極の反原発運動の口実や手段に利用されたのではないかと勘ぐりたくなる。

はっきりいって井戸川氏も荒木田氏も原発の専門家でもなんでもなく素人に近いと思われる。それをまるで福島県民の代表のごとく、県民の生存に関する重大な事案を口走ること自体傲慢で不遜であると考える。もちろんこうした人物に原作者が「取材」をして「福島の真実」を描写するなど見当違いであり悪質だとさえ思う。



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