麻生副首相のナチス発言が今盛んにメディアで騒がれている。特に朝日新聞などが鬼の首を取ったように、麻生発言を右傾化、全体主義の象徴のごとく非難している。はたして本当にそうなのか、改めて問題の発言を聞いてみた。実際、麻生副首相が言おうとしたのは、憲法改正にしても、靖国参拝問題にしても内外の喧噪から離れて静かな環境で議論すべきだということに尽きるのではないか。
確かに「ナチスに学べ」というのは誤解を生み舌足らずであるとは思う。橋下大阪市長の言うようにブラックジョークといえるかもしれない。たた麻生氏自身「民主主義を否定するつもりは全くない」と強調している。話の真意が決して全体主義賛美でないことは明らかだ。
麻生副大臣が指摘するように、靖国神社問題にしてもA級戦犯が合祀された1978年当初は、中国も韓国も首相参拝を全くといってよいほど問題にしなかった。現に歴代の首相が参拝していた。しかし、朝日新聞を始めとしたマスコミが問題にしだして話が大きくなった。参拝を「公人か私人か」などと首相らにその都度尋ねる場面が常態化した。こうしたマスコミの過激な反応を受けて中国韓国が日本攻撃の材料にし始めたのは事実だ。
特に中国では1985年あたりから改革派と保守派が内部で抗争が激化して靖国参拝が政争の具にされてしまった。当時の胡耀邦総書記は、親日派で改革路線を進めていたが、保守派からの攻撃を受けていた。日本の中曽根首相に自分の保身のために靖国参拝を自粛するように懇願したようだ。中曽根首相も胡総書記の意を汲んで参拝を自粛したのがこの問題の発端である。つまり日本のマスコミが騒いでいるのを聞きつけた中国によって政治利用されてしまったのだ。これに味をしめた中国が靖国参拝を日本攻撃の有効な手段にしたといえる。元はといえば日本のマスコミが大騒ぎをしたことが原因である。
慰安婦問題も同様だ。旧日本軍人が書いた捏造の慰安婦強制連行話を朝日新聞の記者が意図的に報道したのが発端である。これに左翼弁護士が加勢して「性奴隷」という全くの虚偽を世界、特に国連に喧伝したのが大きい。結局これが反日教育が徹底していた韓国に伝わり格好の日本叩きの材料になってしまった。挙げ句は河野談話が政府の公式見解とされて日本政府は自分から極めて不利な立場をつくってしまった。これもマスコミの騒ぎからおこった悪しき例といえる。
そして今回の麻生発言を巡るマスコミの喧噪。麻生副首相の真意を曲解してまたもや諸外国に誤解の情報を発信してしまった。朝日新聞など左翼マスコミは中韓の歴史認識を常々支持して自民党政府を攻撃し続けている。しかし、自分たちのこれまでの報道がどれほど国益を損じているか、この期に及んでもわかっていないようだ。マスコミの過去の歴史こそ問題にすべきだろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます