4年前の北京五輪、なでしこジャパンはアメリカとの準決勝戦に破れ、3位決定戦にメダルの望みをかけた。対戦する相手はドイツ、その模様をテレビで見たが、驚いたのは観衆の声援であった。中国の観衆がドイツをまるで中国チームと見間違うほどに熱烈に応援していた。
特にドイツ選手が日本のゴール付近で攻め込むたびにそのボルテージは高まりテレビの解説もかき消されるほどであった。12人目のドイツ選手が、大応援を送る中国観衆だった。そのためかどうかわからないが、日本はドイツに破れメダルを獲得することができなかった。
その時に痛感したのは中国人の異常な反日感情であった。もちろん日中戦争による反日もあるだろうが、それ以上に江沢民時代から進められた「反日教育」が大きく影響していることは間違いない。89年の天安門事件で失った中国共産党への信頼感を回復すべく、反日を若い世代に植え付け逆に共産党の威信を高めようとした。
その一つの反映が先の「なでしこジャパン負けろ」の大声援だった。佐々木監督以下チームはこのときのメダル逸失を非常に悔しがり、そのリベンジにチーム全体が異常な執念を燃やした。それがその後のワールドカップ優勝やロンドン五輪の銀として結実したといってよい。
となれば、我々日本人はあの時の中国観衆の「反日」に感謝?しなければならないだろう。もちろんこれは皮肉であるが、今回の尖閣諸島問題での中国の反日暴動も結局は中国が進めてきた反日教育が大きく原因していることは間違いない。だから政府も簡単にこの動きを取り締まることはできない。自分たちが蒔いた種であるからだ。
中国外務省の報道官が今回の暴動の責任は日本側にあると語ったのは、立場上そういわなければ中国国民に示しがつかなかったのだろう。しかしそんな理屈は国際社会では全く通用しないことは明らかだ。国際世論は、国際常識をわきまえない非文明国とみなすだろう。また自国に進出する外国企業をぞんざいに扱う国として国際信用を失墜させている。結局これがカントリーリスクの悪化につながる。
中国にとって決してプラスになることはない。反日もなでしこジャパンの栄光ならまだ愛嬌で済むが、ここまでくるとその代償は計り知れない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます