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粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

「負けるな北星!の会」に欠けているもの

2014-12-22 22:03:49 | プロ市民煽動家

こんなグループがあることを最近知った。植村隆元朝日新聞記者が北海道の北星学園大学で非常勤講師を務めていたが、彼の過去の記事を巡って教育者としては問題があると大学側に退職を求める脅迫が相次いでいた。この騒ぎを受けて一時は大学側が植村元記者に対して来年の採用を見送ったものの、こうしたグループの支援もあって継続することを決めたようだ。

「負けるな北星!の会」はそれぞれ約40名の呼びかけ人と賛同者で構成されている。呼びかけ人の一人、海渡雄一弁護士は「「言論を暴力で封じ込めるのはテロリズム。テロが放置されないよう市民も結束して『許さない』というメッセージを社会に送るべきだ」と主張している。

その主張は至極当然とは思うが、朝日新聞がこのグループの動きを大々的に報じているのが特徴的だ。朝日新聞はご丁寧に呼びかけ人のメンバーを全て列挙している。このメンバーを見て「やっぱり」と思ってしまった。およそ左翼論壇を代表する人々たちばかりだ。

池澤夏樹、内田樹、香山リカ、姜尚中、小森陽一、中島岳史、森村誠一、和田春樹…。お馴染みの顔ぶれが並ぶ。たとえば池澤夏樹、この作家、過去に「桃太郎は侵略戦争の思想の権化、動物の家来は黍団子という怪しげな給料で雇われた傭兵」といった極論を言い放った人物である。これが高校の国語の教科書に採用されいるのもおかしな話だが。

あるいは香山リカ、この精神科医も「原発維持・推進をしようとする人は心の病気」と発言している。この主張からいえば、原発の将来性を評価する石原慎太郎氏などは心が病み精神的治療が必要になる。これには石原氏は「黙れ!」と一言喝を入れるだけで相手にはしないかもしれない。

また賛同人には上田文雄札幌市長や野中広務元自民党幹事長など40人が名を連ねている。上田市長といえば震災で発生したがれきの広域処理で「放射性物質は拡散させない」とし最初から被災地のがれきを危険物扱いしたのも記憶に新しい。一方野中元幹事長は、今年民放の番組で発言した内容が忘れられない。「戦時中、朝鮮の女工さんが軍に連行されて従軍慰安婦慰安婦にされた」といはっきり語っていた。朝日新聞が吉田証言の誤りを認めた少し前であった。

呼びかけ人も賛同人も朝日が社是としている戦後レジームの死守や反原発を諸手を上げて支持している人ばかりである。これらのメンバーは結局北星学園大学を支援するとともに、この元朝日新聞記者そして朝日新聞をも擁護しようとしているのである。

つまり、8月の朝日新聞による吉田証言取り消しで日本軍による強制連行が虚偽であることを認めて以来、過去の捏造報道に保守メディアを中心に世間の朝日への批判が高まっている。もちろん、過去に捏造記事といわれても仕方がない記事を書いた植村元記者にも非難が集中しているのも当然の帰結だ。この窮地を救う目的もこのグループにあると思える。

ところでこの「負けるな!植村」じゃなく「負けるな朝日!」でもない「負けるな北星!」のフェイスブック」を覗いていみると「北星学園大学が非常勤講師の雇用継続を決定したことについて」の声明が掲載されている。そこには「思想・言論の自由」や「大学の自治」「人権が守られる民主社会」といった憲法での基本的人権の精神が高らかに唱われている。しかし、どこを探しても「慰安婦問題」の「い」の字も出てこない。同様に朝日新聞で報じている呼びかけ人の言葉の中にも全く登場しない。

本日出された朝日新聞の慰安婦報道を巡る検証で第三者委員会が報告書を出している。8月の特集記事を「自己弁護の姿勢が目立ち、謙虚な反省の態度も示されなかった」とその姿勢を厳しく批判している。またこうした朝日の報道による「国際的影響も否定できない」としている、

植村元記者の報道もその例外ではない。彼は韓国で名乗り出た元慰安婦を「女子挺身隊の名の下に戦場に連行された」と書いているが、その女性は全くそんな証言はしていない。これは誤報というよりは捏造の近いものであり、植村元記者はこの疑惑に全く応えず、他のメディアの取材に逃げまくっている。

植村元記者の慰安婦報道が日本の名誉を国際的に毀損しているのにこの負けるな北星!の会」はそんな現状に全く目をつぶっている。しがって「表現の自由」や「学園の自治」がどここ看板倒れの観がしてくる。呼びかけ人や賛同者たちは一度でも元記者や朝日の慰安婦報道について見解をはっきり述べるべきでないか。それがなければ単なる朝日新聞互助会にしかならない。

 


中国人の風刺漫画家とやくみつる

2014-11-07 14:55:21 | プロ市民煽動家

産経新聞の記事で中国人の風刺漫画家の危うい状況を報じていた。

インターネットで風刺漫画が人気の中国人漫画家、王立銘さん(41)が来日中の8月、身の危険を感じて帰国を断念し、日本で新たな生活を始めた。事実上、政治的保護を求めた滞在で「しばらく日本から中国を伝え続けたい」と話している。今年5月に初めての海外旅行で来日。日本人の礼儀正しさなど感じたことを漫画で紹介していたところ、中国共産党機関紙、人民日報系サイト「強国論壇」が8月18日、王さんを「親日、媚日、漢奸(売国奴)」と批判するコラムを掲載。コラムは数時間以内に中国国内の複数のサイトに転載された。

王氏が日本滞在中にどんな日本賛美の漫画を描いてネットに載せたかはわからない。本国を皮肉る箇所も結果的にはあったかもしれない。しかし、一応日本をよく描くだけで中国の当局から「売国奴」呼ばわりされ、身柄を拘束されかねない状況はやはり異常という他はない。

王氏はその不安から事実上の亡命状態になっているようだ。しかし、彼の風刺の精神はその後も健在で最近の中国漁船のサンゴ密猟を皮肉った漫画はとてもストレートだがウイットがあって分りやすく、思わず感心をした。「赤サンゴを積んだ中国漁船が小さな島を取り囲んでいる」と記事では解説しているが、絵の中央で島民に怯える様子がいかにもリアルだし、それを囲む漁船の不気味さが色彩的にも対照的だ。

まあ、こんな漫画をネットに出せばますます中国には帰れそうになくなってしまうだろうが、王氏の今後の奮戦ぶりには熱いエールを送りたい。これに関連して同じ風刺画でつい思い出してしまう日本人漫画家がいる。やくみつる氏、最近はテレビで情報番組のコメンテーターやクイズ番組の回答者として出番が多いが、最近ある討論番組でひどく過激な発言をしていた。(彼の発言は動画5分30杪辺りから)

戦争したい人間はてめえで勝手に行ってください。そのかわり自分は絶対行きたくない。降参してでも、中国領で生き続けることを良しとしてでも、戦いたくない人間はほっといてくれという感じだ。

まさに憲法9条のノーベル平和賞受賞を叫ぶ超リベラルを地で行くようだ。中国に支配されても従属して生き続けることを選ぶ。じかしそこには日本国家に対する甘えがあるのではないか。口ではそんな事いっているが、おそらく自分が生きている間にはそんな事態(中国による日本占領)にはならないと内心はタカをくくっていると思う。そうした安心感からこんな幻想論を語っているに違いない。

それほどリアリティがない彼にとって今回の中国人漫画家の苦境はどう映っているのだろうか。やくみつる氏に王立銘氏のようなサンゴ密漁船の風刺画を求めても所詮無理なのか。彼が仮(中国による日本占領)に降参でもすれば、中国当局はその生存をとりあえず認めてくれるだろう。しかし、彼が風刺漫画家たる表現者の生命は閉ざされるにちがいない。従属の平和を手にした代償として。

王立銘さんによる中国漁船サンゴ密猟の風刺画(産経のウェブサイトより)

 


サンゴの「サ」の字も出てこないグリーンピース

2014-11-05 19:19:56 | プロ市民煽動家

世界的な環境保護団体グリーンピースのホームページ(国内支部)をみて「やっぱり」と思った。ページのトップは川内原発の再稼動反対を訴えるものだった。また新着記事を眺めても原発関連が多いが、太平洋マグロの保存管理情報があるかと思えば「集団的自衛権」に反対する記事もあった。これが環境保護とどんな関係するのかと首をひねってしまう。

そして、自分が注目した中国漁船のサンゴ密猟に関する記述は一切なかった。200隻を超える中国船が大挙して小笠原諸島近海に押し寄せ、海底のサンゴを根こそぎ強奪する。世界自然遺産に登録されているかけがえのない海が隣国の強欲のために汚される。そんな傍若無人の行為にこの環境保護団体は、全く抗議しようという姿勢が見られない。中国政府がそんなに気兼ねしているのかとつい勘ぐりたくなる。

ウィキペディアによるとグリーンピースがが展開している活動はいくつかあるようだが、主に「海洋生態系問題」と「原子力問題」といえる。まず海洋生態系問題だが、その中心は捕鯨反対運動であることは間違いない。世界で290万人のサポーターを持つ国際組織であるが、どうも日本人にとっては反捕鯨団体のイメージが強い。そしてやたら日本の調査捕鯨船に接近して暴力的な妨害活動をする反日団体と見られる。

だから、もう一つの運動の柱である原子力でも反原発であって、現在ホットな話題の川内原発再稼動反対に精力を注ぐのは当然の流れといえる。さらに、沖縄辺野古に生息すると言われるジュゴンの保護も訴えている辺りは、沖縄の反基地闘争の片棒を担いでいる様子も窺える。

原発問題と絡んでいるが、グリーンピースは西側諸国の核実験には反対して過去アメリカとフランスの実験に対しては激しい抵抗をしているのだ。日本の捕鯨に対する妨害活動同様、核実験反対運動が過激であるために米国などでも「エコテロリスト」と見なされている。その反面、旧ソ連や中国、北朝鮮の核に反対する動きは極めて鈍い。

要するにグリーンピースは西側諸国の叩きやすいところに狙いを定めて反対運動を繰り広げていると言ってよい。その一番の標的が日本ともいえる。叩くことが世界にアピールされて喝采を浴び、反権力の存在価値を高める。アイスランドのあるジャーナリストは「グリーンピースは環境保護団体のような顔をしているが、実は政治的権力と金を追求する多国籍企業である」と述べている。

そんな反日団体が今回の中国船の密猟には全くといってよいほど沈黙するのは当然とも言える。本当に生存しているか確認されていない沖縄のジュゴンの保護を訴えても、遺産として天文学的とも思われる価値のある小笠原の珊瑚礁にはなんら特別関心を示さない。この団体の目は、同じ船でも辺野古の湾内を市民団体が乗り込むカヌーの方に向いている。ブイで囲んだ埋立水域に不法侵入して海上保安庁に制止される。海保もこんなことに対処する暇があったら小笠原に向いたいと思っているはずだ。

追記:この記事の1日後にグリーンピースのホームページにサンゴ密猟の新着記事が出ていた。少し自分自身早合点したことは猛省したいと思う。


山本太郎議員、本当の自分に気づく?

2014-10-29 19:40:09 | プロ市民煽動家

「歩く風評被害山本太郎が来ているぞ、そんな使い方でも結構」…あの参議院議員からこんな衝撃的なフレーズが飛び出した。26日に行なわれた福島県知事選の期間中に山本議員は福島市を訪れて街頭演説をしていた。演説が終わって、聴衆に向って希望者とツーショットの写真に応じますと自分から呼びかけた。「私にはほぼ肖像権はありません。私と一緒に撮った写真をブログに添付して流してもらって結構」といったあとに冒頭の発言になったのだ。

歩く風評被害…自分自身を含めて山本太郎議員に批判的な人間が言うなら分るが、まさか本人が自称するなど希有な話だ。自他ともに認めることは社会的に公認されたも同然だ。こちらの「突っ込みどころ」なくなってしまってちょっと困る?

時代は変わったということか。そして、もはや彼に対するこの表現は世間的にも「定着」して、この反原発旗手もこの流れに抗しきれなくなったのか。考えてみればあの朝日新聞さえ長年の捏造報道を取り消すくらいだ。これを「トレンド」として使わない手はないと本人が考えて、あえて自分を自嘲気味に表現したのかもしれない。

ただ福島でのこの発言は、結果的には単なるジャークとしてちょっとした失笑にしかならなかった。山本太郎議員の存在が全くといってよいほどに小さくて無視される対象でしかなかったようだ。いわば、昔の三流芸人のパフォーマンス程度ということだ。

これは今回の知事選の性格も反映している。与野党相乗りの候補の圧勝が予想され、複数の反原発候補たちが票を潰し合う一強多弱が影響している。あの鼻血前町長が得票数2万9千票程度で3位に甘んじるなどその惨敗ぶりは酷かった。

山本議員自身も応援する候補を決められず、ただ持論の反原発論を披瀝するだけのていたらくに終わってしまった。実際なんのために福島に訪れたのかさっぱりわからない。10月だというのにピンクのTシャツで余計にわびしく感じられる。

ただ、演説の中身を聞けば山本太郎議員が真から反省してこのように自認したわけではない。「今のままではまずい。人体実験されぱなしだ。福島だけじゃない。東京もそう…」と関東全ての県を列挙している。まるで訂正は認めても「本質は変わらない」と開き直る朝日新聞のように、彼の反原発放射脳は治癒?しない。太郎冠者(患者?)の狂言は続く。

おそらく次に彼が訪れるのは川内原発がある鹿児島であろう。再稼動問題がいよいよ大詰めを迎えつつある。鹿児島県民にとってはあのピンクのTシャツだけは着て欲しくないと思うだろう。いくら県内に桜島があるといってもあまりにも色がどぎつく不気味過ぎる。だから彼にとってここは「歩く風評被害」をともかく連呼することでしか鹿児島県民をなだめることはできない。

追記:とりあえず川柳を一句

放射脳狂言続く太郎冠者


ある夫婦漫才の生き残り策

2014-10-25 17:29:48 | プロ市民煽動家

反原発運動が下火になって今頃どうしているのだろうと思っていた。あの吉本興業の夫婦漫才「おしどり」、こんなところで持ち余すエネルギー?を発散させていた。

針金の格納容器 原発を追及し続ける「おしどり」が個展

針金芸でおなじみの「おしどり」が都内で開いた個展はきょう、好評のうち幕を閉じた。15日から5日間にわたって個展を開いた下北沢のギャラリーには、50点余りの針金アートが並ぶ。

…マコさんがモチーフを考え、ケンさんが針金を曲げた。

 がぜん人目を引くのが実物の20分の1の格納容器(写真)だ。メルトダウンした東電福島第一原発1号機がモデルになっている。ケンさんによれば、タイベックが格納容器の中に入っているのは「人間が原発の犠牲になっている」ことを表す。

夫婦漫才というより曲芸漫才いや実態は針金芸をネタにした反原発活動家といったほうがわかりやすい。実際妻のおしどりマコの方は、3年前の原発騒動華やかなりしころはジャーナリストとして名を馳せていた。東電などの記者会見に出席し関係者に質問をする様子が動画でよく見かけられた。

特にまだ週刊文春が反原発一色でいたころは、煽り記事を寄稿したりして世間の耳目を集めていた。しかし記事内容にその虚偽が指摘されてその後活躍の場を失っていた。

自分のブログでも当時彼らのことを取り上げて早く「本業」に復帰することを提言したが、実際は現在もこんな場所で反原発の火を燻らせていたようだ。しかし、写真で見る「格納容器」はグロテスク過ぎる。針金でかたどっているが、その中にあるのは原発作業員の防護服である。「人間が原発の犠牲になった」という意味らしいがとても悪趣味で芸としては笑えない。

以前おしどりマコは曲芸で「福島県民を元気にさせたい」といっていたが、こんなもの見せられたら県民も有り難迷惑であろう。というかアン八っピーな気分になってしまう。反原発の区長さんがいる東京世田谷の下北沢だからできる個展である。

この個展を紹介しているのが反原発ジャーナリスト田中龍作氏である。彼はおしどりマコが現在も在籍している自由報道協会のかつてのメンバーであった。あの上杉隆氏も代表を退き有力メンバーも続々退会して今やペーパーカンパニーでしかない協会だ。

田中氏も昔のよしみでかつての盟友の個展を記事で紹介したのかもしれない。しかし、この記事が開幕時でなく閉幕後というのはどうしたことか。こんなところに協会仲間の人間関係の希薄さを感じる。

記事には福島の原発の配電盤に侵入して感電死したネズミも作品にあるようだ。それを「コミカル」だとしているがどんなものだろう。これが吉本の芸だといわれても…。記事の中に夫のケンが「NO」を形取った針金を頭に載せてご満悦の写真があるが、どうも見た目が冴えない。「NO」と言われているのが一体誰なのか。