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●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》

2024年02月19日 00時00分12秒 | Weblog

(2024年02月17日[土])【【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す見たのは別の日捜査員に見ていないと伝えてもいや見たんだと押し切られた」 福岡】
 (https://www.youtube.com/watch?v=u2fizs8t1Wo)

 酷いなあ…冤罪で死刑執行飯塚事件。当時の首相は麻生太郎氏、法相は森英介氏。冤罪死刑飯塚事件飯塚冤罪事件) … 検察が《証拠品のリストの開示を拒否!? 今度は、《最後の目撃者とされる女性が証言を翻す見たのは別の日捜査員に見ていないと伝えてもいや見たんだと押し切られた」》って、もう無茶苦茶。警察・検察や裁判所は、何時まで「先輩達の罪」を庇い続けるつもりか? いい加減にしろ。
 FBSのニュース映像【【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す「見たのは別の日で捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」 福岡】(https://www.fbs.co.jp/news/news96zjgpbjoq6rw0z29x.html)。《犯人として死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚の妻が、2021年に2度目の裁判のやり直しを申し立て、現在、裁判所、検察、弁護団による協議が続いています。弁護団によりますと、証言を翻したのは女の子2人を最後に目撃したとされる女性です。女性は1992年2月20日の事件当日の朝、小学校に登校していた女の子2人を車で通勤途中に目撃したとされますが、弁護団に対し「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだと押し切られた」などと話したということです》。

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https://www.fbs.co.jp/news/news96zjgpbjoq6rw0z29x.html

【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す「見たのは別の日で捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」 福岡
福岡  2024.02.15 19:49

今から32年前に女の子2人が殺害された「飯塚事件」で新たな展開です。裁判のやり直しをめぐる三者協議が開かれ、弁護団は、女の子を最後に目撃したとされる女性が当時の証言を翻していることを明らかにしました。

この事件は32年前、福岡県飯塚市の小学生の女の子2人が殺害されたものです。

犯人として死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚の妻が、2021年に2度目の裁判のやり直しを申し立て、現在、裁判所、検察、弁護団による協議が続いています。

弁護団によりますと、証言を翻したのは女の子2人を最後に目撃したとされる女性です。

女性は1992年2月20日の事件当日の朝、小学校に登校していた女の子2人を車で通勤途中に目撃したとされますが、弁護団に対し「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだと押し切られた」などと話したということです。

弁護団は、この内容について新たな証拠として裁判所に提出していて、去年11月には女性への証人尋問が行われました。

当時の目撃証言を改めた理由について、女性は「自分の証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話したということです。

弁護団は「確定判決が認定した誘拐場所や時間の根拠がなくなった」「確定判決は久間氏の車に良く似た紺色ワゴン車が同じ頃にその場所で目撃されたことを状況証拠の一つにしているが、この車と犯行は結びつかない」と主張しています。
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   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
        検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定
   『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
        着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
        その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ
     「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》

 何度でも、飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

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●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》

2023年06月22日 00時00分04秒 | Weblog

(20230605[])
冤罪死刑飯塚事件飯塚冤罪事件) … 検察が《証拠品のリストの開示》を拒否!?

   『●飯塚冤罪事件で死刑執行されてしまった久間三千年さん…福岡地検に、
     《裁判所が検察に対し、証拠品のリストを開示するよう勧告》した!

 なぜに堂々と《開示》しないのかね? リストを公開したからといって、一体全体何の問題があんの? 公開しない方が要らぬ疑いを持たれることになるでしょうに。(清水潔さん)《裁判所にも見せられない危ない証拠がゴロゴロしているということなのだろう》。

   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
      侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?
    《根底には再審法(刑事訴訟法)の不備がある。冤罪(えんざい)から
     無実の人を早期救済するため(1)証拠開示の制度化
     (2)審理を長引かせる検察官抗告の禁止-などの法整備を
     日本弁護士連合会や市民グループが求めている。加えて、
     同一事件の審理を同じ裁判官が繰り返し担うことを、
     再審請求審でも禁じると規定するべきではないか。》

   『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
     を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》
    《西山さんは担当刑事に「いろいろ言いたいこともある」と言う。
     だが、過去を恨むのではなく「冤罪で苦しむ人を救済できる、
     再審法の改正が進んでほしい」と冤罪支援を必要とする人には話を
     しにいったりしている》

   『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
     支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ

 《「事案の解明に意味はない」》というのは、どういう開示拒否の理由なのか?
 FBSのニュース映像【女児2人殺害『飯塚事件』の再審請求 弁護側の証人が法廷で語る】(https://www.youtube.com/watch?v=v3Z7t2-wrtQ)によると、《弁護団は、検察が都合の悪い捜査資料を隠しているとして、事件に関わる証拠を開示するよう求めていました。裁判所は3月、検察に証拠品のリストの開示を勧告していましたが、検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はないなどと拒否したということです》。


清水潔さんのつぶやき:

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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1664141522852532225

清水 潔@NOSUKE0607

冤罪死刑の可能性が争われている福岡の「飯塚事件」。
今年3月に裁判所が、検察に対して「証拠品のリストを開示するように」勧告したのだが、なんと検察はこれを拒否。裁判所にも見せられない危ない証拠がゴロゴロしているということなのだろう。これはもうアウトだろう

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nhk.or.jp

「飯塚事件」の再審請求で新たな目撃証言の男性への証人尋問|NHK 福岡のニュース
【NHK】31年前、飯塚市で小学生の女の子2人が殺害されたいわゆる「飯塚事件」で、すでに死刑が執行された元死刑囚の家族が裁判のやり直しを求める2度目…
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午後2:27 · 2023年6月1日
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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1664143130239852545

清水 潔@NOSUKE0607

これまで多くの冤罪事件で、検察・警察が隠していた証拠が開示されたことで無罪が証明された。だから捜査当局はどんな証拠があるのか、そのリストを見せたくない。しかし公務員が税金を使って集めた証拠が、有罪判定だけに使われてはならない民主主義社会なら当然のことだ

午後2:33 · 2023年6月1日
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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1664143967074799616

清水 潔@NOSUKE0607

飯塚事件の捜査は決して揺るがない…、などといいながら、疑惑が浮上しても原判決裁判に出された証拠しかみせない国民一人を死刑にしておいて、隠すものなどあってはならない。飯塚事件の疑惑がいよいよ深まったといえる重大な局面であろう。

午後2:36 · 2023年6月1日
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 布川事件氷見事件東電OL殺害事件志布志事件村木厚子氏冤罪事件足利事件…も確かにとんでもないのだけれど、飯塚事件は極めつきなのだ。冤罪者を死刑にしてしまったというとんでもない事件。国家による殺人。時の法相は、麻生太郎内閣の森英介氏。警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?
 飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

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https://www.youtube.com/watch?v=v3Z7t2-wrtQ




女児2人殺害『飯塚事件』の再審請求 弁護側の証人が法廷で語る
FBS福岡放送ニュース
2023/05/31

31年前に福岡県飯塚市で小学生の女の子2人が殺害された『飯塚事件』についてです。死刑になった男性の家族が、裁判のやり直しを求めている再審請求の証人尋問が、福岡地方裁判所で31日に行われました。

再審=裁判のやり直しを申し立てているのは、久間三千年元死刑囚の家族です。久間氏は31年前、福岡県飯塚市で女児2人を殺害したとして、死刑が執行されました。

弁護団はおととし、久間氏は無実だとして、2度目の裁判のやりなおしを申し立てました。この時に弁護団は、ある男性の証言を無実を主張する新たな証拠として提出しました。福岡地方裁判所では31日、この男性の証人尋問が行われました。

男性は「事件当日に女児2人を乗せた白い軽ワゴン車を男が運転しているのを見た。男の特徴は久間氏とは違った」と証言しています。

弁護団によりますと31日の尋問で男性は、女の子の寂しそうな顔が「脳裏に焼きついていて、記憶違いはない」と話しました。また、当時訪ねてきた警察官が男性に対し「普通車ではないか? 紺色のワゴン車ではなかったかなどと聞いてきたと、新たに明らかにしました。紺色のワゴン車は当時、久間氏が所有していた車で、弁護団は警察が久間氏が犯人だとの見立てのもと、証言を得ようとしたのでは」と説明しています。

弁護団は、検察が都合の悪い捜査資料を隠しているとして、事件に関わる証拠を開示するよう求めていました。裁判所は3月、検察に証拠品のリストの開示を勧告していましたが、検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はないなどと拒否したということです。
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   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
        検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定
   『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
        着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
        その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ
     「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)

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●飯塚冤罪事件で死刑執行されてしまった久間三千年さん…福岡地検に、《裁判所が検察に対し、証拠品のリストを開示するよう勧告》した!

2023年03月27日 00時00分59秒 | Weblog

(2023年03月25日[土])
飯塚事件飯塚冤罪事件)で重要な動きがあった。《服役中に病死した阪原弘元受刑者》の日野町事件や、抗告断念し再審開始の決まった袴田冤罪事件に続く動き。

   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
       飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
   『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
     支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》
   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、再審開始決定…せめて
    《一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない》
   『●袴田巖さん、袴田秀子さん ――― 《捜査機関による証拠捏造》とまで
     言われているのだ、検察側が特別抗告を断念するのも、当然の結果だろう
   『●袴田冤罪事件: 《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査
      機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》

 飯塚事件久間三千年さん。布川事件氷見事件東電OL殺害事件志布志事件村木厚子氏冤罪事件足利事件…も確かにとんでもないのだけれど、飯塚事件は極めつきなのだ。冤罪者を死刑にしてしまったというとんでもない事件。国家による殺人。時の法相は、麻生太郎内閣の森英介氏。警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?
 NHKの記事【飯塚事件の再審請求で福岡地裁が証拠品の開示を検察に勧告】(https://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/20230324/5020013057.html)によると、《31年前、飯塚市で小学生の女の子2人が殺害された、いわゆる「飯塚事件」で死刑が執行された元死刑囚の家族が、裁判のやり直しを求める2度目の申し立てをめぐり、弁護団は、裁判所が検察に対し、証拠品のリストを開示するよう勧告したことを明らかにしました。平成4年、飯塚市で小学1年生の女の子2人が登校途中に連れ去られ、遺体で見つかったいわゆる「飯塚事件」では、殺人などの罪に問われ、一貫して無罪を主張していた久間三千年元死刑囚(70)の死刑が確定し、平成20年に執行されました。元死刑囚の家族は、再審=裁判のやり直しを求める2度目の申し立てをおととし7月に行っています。弁護団によりますと、24日、福岡地方裁判所で協議が開かれ、裁判所が検察に対して、事件に関わる証拠品のリストを開示するよう勧告したということです。また、裁判のやり直しを求めた今回の2度目の申し立ての際、証拠とした新たな証言について、目撃者の男性の証人尋問が実施される見通しが出てきたということです。弁護団は「証拠品のリストが開示された場合、これまで検察が『不存在』としてきた証拠が見つかる可能性もある大きな前進だと捉えたい」と話しています。》

 FBSニュース【『飯塚事件』三者協議 裁判所が証拠リストの開示を検察に勧告】(https://youtu.be/kChLxd8oN7k)によると、《福岡県飯塚市で31年前、女児2人が殺害された『飯塚事件』について、裁判のやり直しをめぐる協議で、福岡地方裁判所は24日、検察に証拠リストの開示を勧告しました。久間三千年元死刑囚は1992年2月、福岡県飯塚市で女児2人を殺害したなどの罪で死刑が執行されました。家族が無実を訴え、裁判のやり直しを求めていて、裁判所、検察、弁護団による三者協議が続いています。弁護団によりますと、24日午後開かれた協議で、福岡地方裁判所は、事件が警察から検察に送致された時の証拠リストを開示するよう、福岡地方検察庁に勧告しました。福岡地方検察庁は「時間を下さい」と応じたということです。弁護団は、「疑問点の具体的な裏付けにつながる可能性があり、一歩前進と捉えている」と話しています》。


【『飯塚事件』三者協議 裁判所が証拠リストの開示を検察に勧告】
 (https://youtu.be/kChLxd8oN7k


 以下の清水潔さんのつぶやきにも出てくるのですが、飯塚事件(飯塚冤罪事件)についてつぶやくと、必ずと言っていいほど、「飯塚事件の犯人は久間三千年です。○○を見て下さい」的なリプライが来ます…、ウンザリします。

 《飯塚事件が、免田事件袴田事件と違うのはすでに死刑が執行されてしまっている点だ》。《飯塚事件という司法の闇を隠蔽し続けることはもはや限界だ》。
 清水潔さんの最初のつぶやき(https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1639391809133744129)から、一連のものを以下にコピペ:

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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1639391809133744129】(これ以降のつぶやき)

清水 潔@NOSUKE0607
死刑が執行されてから冤罪の可能性が浮上し、再審が請求されている「飯塚事件」に大きな動きがあった。地裁が検察に対して当時の捜査・証拠品の目録開示を勧告したのだ。これにより今後の再審請求に大きな影響が出ることは必須だろう(続)

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nhk.or.jp
飯塚事件の再審請求で福岡地裁が証拠品の開示を検察に勧告|NHK 北九州のニュース
【NHK】31年前、飯塚市で小学生の女の子2人が殺害された、いわゆる「飯塚事件」で死刑が執行された元死刑囚の家族が、裁判のやり直しを求める2度目の申…
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午前7:20  2023年3月25日


なぜこれが重要か?これまでの裁判で検察側から法廷に出されてきた証拠はすべてが「有罪立証」のものつまり無罪につながってしまう証拠は隠されてきたからだ。弁護側からすればどんな証拠は何があるかすらわからなかった。これが白日の下に晒されるのが「証拠目録」なのだ(続)

目録開示で冤罪が明らかになったケースは過去何件かあるのだが、特に飯塚事件では重要だ。判決文を読めばわかるが、有罪立証はすべてが状況証拠でありすべてを使い切っているからだ。つまり今後開示されるものは無罪につながる証拠の可能性が高いのだ。これは検察からすれば厳しい事態である(続)

飯塚事件が、免田事件袴田事件と違うのはすでに死刑が執行されてしまっている点だ。そんな事があり得るのか?と普通は思うが、有罪証拠の柱のひとつ「DNA型鑑定」が死刑執行後になって疑惑が生じ、事実上証拠から排除れてしまったのだ。足利事件で問題となったあのMCT118鑑定だったのである(続)

これにより他の証拠は関係車両の目撃者の証言などまったくの状況証拠だけになっている。現代ならばこんな捜査では起訴すらしないであろう証拠である。今回の開示勧告でそれすらも揺らぐ可能性が出来てきた事になる(続)

飯塚事件捜査の危うさ。それはこの事件だけを見てもわからない。足利事件の再審セットで流れを見ていかないと気づかないことが多いのだ。
しかしネットなど飯塚事件を検索するとこの事件は絶対に有罪的な不気味なサイトも多い。誰が何のために主張しているのか。そこにもこの事件の謎がある(続)

今回の地裁の証拠開示勧告に対し検察が従わなければそれこそが無実の疑惑を生む。
当たり前だが「死刑執行」は絶対に間違ってはならない1%の疑惑があっても許されないのだ。しかしこの事件はDNA鑑定排除などすでに疑惑だらけ。久間死刑囚は逮捕前から死刑執行まで無実を主張していたのだ(続)

袴田事件も同じだったが、死刑求刑に一点の揺るぎもないと検察が言うなら、それを再審法廷で立証すればいい。その再審開始に検察が反対することが社会の目からすればいかに疑惑を生じさせているを考えるべき時代となったのだ。(続)

飯塚事件という司法の闇を隠蔽し続けることはもはや限界だ。再審により真実を明らかにしてほしいと願う。なお飯塚事件の詳細については拙著の「殺人犯はそこにいる」(新潮社)で、足利事件からの流れの中で触れているので興味ある方はご覧頂きたい。
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   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
        検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定
   『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
        着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
        その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ
     「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)

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●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》

2022年10月08日 00時00分13秒 | Weblog

(20220923[])
NNNドキュメント’22で、飯塚事件についてのシリーズ【死刑執行は正しかったのか 飯塚事件】の第三弾、【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人の影~】が放送される (放送された)。
 2013年の【死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 切りとられた証拠】、2017年の【死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻】】に続くもの。

 飯塚事件で冤罪にもかかわらず、死刑執行されてしまった久間三千年さん…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)。

 NNNドキュメント’22【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人の影~/次回放送内容 2022年9月25日(日) 24:55【拡大枠】】(https://www.ntv.co.jp/document/)(https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/1894ujh81wjor6o3hesn.html)。《死刑執行後に冤罪の可能性が浮上。1992年、福岡県で女児2名が殺害された「飯塚事件」。逮捕された男は一貫して無実を主張していたが、いくつかの状況証拠で死刑判決を受け執行された…。ところが、その後になって証拠のひとつDNA鑑定に疑義が生じ、事実上排除される。現在、再審請求が行われているが、昨年「犯人かもしれない人物を見た」という証言が浮上する。死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》。

 清水潔さんのつぶやき:

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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1573254125219094528

清水 潔@NOSUKE0607

NNNドキュメント「死刑執行は正しかったのか?」ショートドキュメントが公開されました。6分間バージョンです。ご覧ください。

https://youtu.be/YyaflJGlJWY

午後7:13 2022年9月23日
---------------------------------------------------

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https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/1894ujh81wjor6o3hesn.html

【NNNドキュメント】死刑執行後に"冤罪"の可能性… 飯塚事件の真相に迫る 福岡 NNNセレクション

2022/09/23
日テレNEWS



本編は9月25日(日)24:55〜日本テレビ系列にて放送
こちらでご覧いただけます ⇨ https://www.dailymotion.com/video/x8e0fuj

1992年、福岡県で女児2名が殺害された「飯塚事件」。犯人とされた男は、無実を訴え続けたが死刑は執行された。しかし、その後浮上したえん罪の可能性。浮かび上がる捜査へのいくつもの疑問。「死刑冤罪の闇を12年間にわたり追い続けました。
制作:福岡放送・日本テレビ


【NNNドキュメント‘22】
 毎週日曜日深夜24時55分~ 日本テレビ系列全国放送
https://www.ntv.co.jp/document/

#飯塚事件 #死刑 #Nドキュ #犯人 #裁判 #DNA #証拠 #捜査 #警察 #福岡 #ドキュメンタリー #ドキュメント #NNNドキュメント #NNN #日テレ​​ #ニュース​​ 
=====================================================


 一貫して無罪を主張、死刑執行のその日まで…。にもかかわらず、「飯塚事件」で死刑が執行された久間三千年さん。罪なき人に対しての国家による殺人》。検察は、全ての証拠を開示すべきだ。
 DNA型鑑定のいい加減さ。弁護団は「改ざん」「ねつ造」とまで主張している。足利事件での再鑑定が明らかになり(2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ)、なぜ、慌てるように死刑執行(2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行)を強行したのか? 《最高裁で死刑が確定します。その2年後でした》死刑執行されたのは。たった2年後の死刑執行、これも異例中の異例。この1点でも異常だ。無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」したのだ。菅家利和さんは、会見で、「無実の私が足利事件の犯人にされたのは、科警研の間違ったDNA型鑑定のためであり、絶対に許さないと思いました。なぜなら私と同じ間違ったDNA型鑑定で、飯塚事件の久間三千年さんを死刑を執行されてしまったからです」と語っておられます。
 (目撃18日後の)〝詳細〟な「紺色ワゴン車」目撃証言の滅茶苦茶。75人で検証実験しても、誰一人として詳細な証言を出来ず。一方で、他の重要な目撃証言を一切無視。
 もう1点、どうしても主張したいことは、冤罪者が死刑執行されたことは、被害者への冒涜であり、その遺族・関係者の皆さんをバカにした話であること。

 警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうかか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?

 2022年2月の福岡FBSのニュース報道【シリーズ『飯塚事件』検証① 事件と裁判の経緯】(https://www.fbs.co.jp/fbsnews/news96s3pcomtmowz24mzh.html)によると、《事件発生からまもなく30年。裁判のやり直しをめぐる裁判所、検察、弁護団の協議がいまも続いています。果たして、死刑執行は正しかったのか。》
 【シリーズ『飯塚事件』検証② 証拠となった『目撃供述』】(https://www.fbs.co.jp/fbsnews/news966w0mq34br5l236em.html)によると、《久間氏は、任意の捜査段階から一貫して無実を訴えましたが、最高裁で死刑が確定しました。その2年後には。》《■森法相 「久間三千年を本日死刑執行。」 死刑執行の2か月前に市民団体に届いた手記です。「真実は無実であり、これはなんら揺らぐことはない」と書かれています。弁護団によると久間氏は、死刑執行のその日まで無実を訴えていたと言います。》
 【シリーズ『飯塚事件』検証③ 誘導されたのか『目撃証言』】(https://www.fbs.co.jp/news/news969to2bulxiekek9or.html)によると、《実は久間氏の車には標準のデザインとしてオレンジ色のラインがありましたが、久間氏はそのラインを剥いで使っていました。弁護団は、久間氏の車を事前に見た捜査員が、その特徴にあうように男性の供述を誘導した」と指摘します。》

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
        検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定
   『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
        着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
        その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!

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●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかったのか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!

2022年02月20日 00時00分34秒 | Weblog

20220219[]
一貫して無罪を主張、死刑執行のその日まで…。にもかかわらず、「飯塚事件」で死刑が執行された久間三千年さん。罪なき人に対しての国家による殺人》。検察は、全ての証拠を開示すべきだ。
 DNA型鑑定のいい加減さ。弁護団は「改ざん」「ねつ造」とまで主張している。足利事件での再鑑定が明らかになり(2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ)、なぜ、慌てるように死刑執行(2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行)を強行したのか? 《最高裁で死刑が確定します。その2年後でした》死刑執行されたのは。これも異例中の異例。この1点でも異常だ。無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」したのだ。菅家利和さんは、会見で、「無実の私が足利事件の犯人にされたのは、科警研の間違ったDNA型鑑定のためであり、絶対に許さないと思いました。なぜなら私と同じ間違ったDNA型鑑定で、飯塚事件の久間三千年さんを死刑を執行されてしまったからです」と語っておられます。
 (目撃18日後の)〝詳細〟な「紺色ワゴン車」目撃証言の滅茶苦茶。75人で検証実験しても、誰一人として詳細な証言を出来ず。一方で、他の重要な目撃証言を一切無視。
 もう1点、どうしても主張したいことは、冤罪者が死刑執行されたことは、被害者への冒涜であり、その遺族・関係者の皆さんをバカにした話であること。

 警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうかか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?

 福岡FBSのニュース報道【シリーズ『飯塚事件』検証① 事件と裁判の経緯】(https://www.fbs.co.jp/fbsnews/news96s3pcomtmowz24mzh.html)によると、《事件発生からまもなく30年。裁判のやり直しをめぐる裁判所、検察、弁護団の協議がいまも続いています。果たして、死刑執行は正しかったのか。》
 【シリーズ『飯塚事件』検証② 証拠となった『目撃供述』】(https://www.fbs.co.jp/fbsnews/news966w0mq34br5l236em.html)によると、《久間氏は、任意の捜査段階から一貫して無実を訴えましたが、最高裁で死刑が確定しました。その2年後には。》《■森法相 「久間三千年を本日死刑執行。」 死刑執行の2か月前に市民団体に届いた手記です。「真実は無実であり、これはなんら揺らぐことはない」と書かれています。弁護団によると久間氏は、死刑執行のその日まで無実を訴えていたと言います。》
 【シリーズ『飯塚事件』検証③ 誘導されたのか『目撃証言』】(https://www.fbs.co.jp/news/news969to2bulxiekek9or.html)によると、《実は久間氏の車には標準のデザインとしてオレンジ色のラインがありましたが、久間氏はそのラインを剥いで使っていました。弁護団は、久間氏の車を事前に見た捜査員が、その特徴にあうように男性の供述を誘導した」と指摘します。》

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
        検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定
   『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
        着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
        その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?

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https://www.fbs.co.jp/fbsnews/news96s3pcomtmowz24mzh.html

シリーズ『飯塚事件』検証① 事件と裁判の経緯
福岡 2022/02/17 18:57


【めんたいニュース】
https://youtu.be/KGR2TqCwb74

1992年、福岡県飯塚市の女児2人が殺害された『飯塚事件』で死刑を執行された元死刑囚の遺族が無実を訴え、再審=裁判のやりなおしを求めていています。争点などをシリーズで検証する『30年目の飯塚事件』1回目は事件と裁判の経緯です。

2022年1月、福岡県朝倉市の山中を通る国道に市民が集まりました。

■日本国民救援会 清水信之 福岡県本部事務局長
「いまからこの判決が認定した八丁峠の目撃供述の見学と検証というのをやります。」

いまも再審=裁判のやり直しをめぐって協議が続く『飯塚事件』。その判決が示す事実認定を市民の目線で考えようと、再審開始を支援する市民団体が企画しました。

■参加者
「あの事件自体は知っていたんですよ。だけど新聞ぐらいでしか知らんし、もう日にちがたっているからですね。」

■参加者
「Q.事件が起きた時は何歳ですか? 生まれていないです。」

いまから30年前、福岡県飯塚市の小学1年生の女の子2人が登校途中に行方不明になりました。地域の人たちが、懸命に2人を探しますが、最悪の結果となります。

■当時のニュースの音声
「林の中で7~8歳くらいの女の子2人の遺体が見つかりました。警察は事件に巻き込まれた可能性があるとみて調べています。」

2人は行方不明になった翌日、約30キロ離れた峠道の脇の林の中で遺体で発見され、3キロ離れた場所からは、ランドセルや着衣など複数の遺留品が見つかりました。警察は殺人事件として捜査、そして2年7か月後、女の子と同じ校区内に住む久間三千年元死刑囚を殺人などの疑いで逮捕しました。久間氏は、任意の事情聴取の段階から一貫して無実を主張、逮捕前FBSの記者に対しても次のように話していました。

■久間三千年元死刑囚
「アリバイ以上のものを持っている。100%関係ないということを、あんた達が即信じるわ。やっていないものをやったと思われることだけは、これは必ず白黒つける。」

福岡地方検察庁は、久間氏を容疑否認のまま殺人などの罪で起訴します。この事件では、久間氏を犯人と断定できる直接的な証拠はなく、福岡地方裁判所は複数の状況証拠を総合的に評価・検討しました。現場から見つかった犯人のものとされるDNA型と、久間氏の型が一致したとされたことや、久間氏の車によく似た『紺色ワゴン車』を遺留品発見現場の近くで目撃したという男性の証言。さらに、車の中から血痕と尿痕が見つかったことや、女の子の着衣についた繊維片が、久間氏が乗る車のシートのものと同じ可能性が高いこと、久間氏に土地勘がありアリバイがないことなどです。

■福岡地方裁判所の判決
「個々の状況証拠も、単独では被告人を犯人と断定することはできないものの、これを総合すれば、被告人が犯人であることについては、合理的な疑いを超えて認定できる。」

福岡地方裁判所は、このように述べ、死刑を言い渡しました。そして、2006年に上告が棄却され、最高裁で死刑が確定します。その2年後でした

■森法相(当時)
「本日、久間三千年死刑囚。高塩正裕死刑囚。2名の死刑を執行しました。」

弁護団によると久間氏は、死刑執行のその日まで、一貫して無実を訴え続けたと言います。

■富永記者
「死刑が執行されて1年目の命日となるきょう、弁護団は裁判のやり直しを求めて福岡地裁に入ります。」

久間氏の遺族は、無実を訴え、福岡地方裁判所に再審請求を行いました。死刑執行後の再審請求は、極めて異例です

徳田靖之弁護士
「久間さんの無実が、これで確実に決定的に明らかにされる」

弁護団が重視したのが、警察庁科学警察研究所・科警研が行ったDNA型鑑定と目撃証言の信用性を争うことです。DNA型が一致しないと犯人にはなれず、目撃されたワゴン車が久間氏の車ではなければ、そのほかの状況証拠もその価値が低くなるからです。さらに弁護団は、これらの証拠に重大な疑問があると指摘しました。

■徳田弁護士
「我々弁護人からみると、(DNA型鑑定が)改ざんされている。もしくは、捏造されている。」

DNA型鑑定について弁護団は、鑑定写真の一部が意図的に切り取られていて、切り取られた部分には、別のDNA型が出ていると主張しました。その頃、DNA型鑑定の信用性も揺らいでいました飯塚事件と同じ時期に同じ方法で行われた鑑定の間違いが明らかになったのです。

菅家利和さん
「無実の私が足利事件の犯人にされたのは、科警研の間違ったDNA型鑑定のためであり、絶対に許さないと思いました。なぜなら私と同じ間違ったDNA型鑑定で、飯塚事件の久間三千年さんを死刑を執行されてしまったからです。」

一方、目撃証言の内容は、あまりにも詳しすぎると主張しました。車で通りすぎる間に見たとするワゴン車と男の特徴が、10項目以上も警察の調書にあげられていたのです。弁護団は現場で再現実験を行いましたが、証言のように詳しく記憶できた人はいませんでした。

岩田務弁護士
「信用できるのは、一番最初の『紺色のワゴン車は見た』という証言だけ。後はほとんど誘導だと思います。」

しかし、裁判所は科警研のDNA型鑑定は直ちに有罪認定の根拠にできないとしたものの高度に立証されているとして弁護側の主張を退けました。

■徳田弁護士
「私個人に言わせると、その結論の重大性におびえて、請求棄却という結論に都合がいい証拠だけ取り出して、これに反する決定的な証拠を無視しているんです。」

最高裁判所も請求を棄却し、再審請求の審理は11年半に及びました。久間氏の遺族は去年7月、2回目の再審=裁判のやり直しを福岡地方裁判所に申し立てました。弁護団が、新たな証拠として示したのは、事件当日の午前、久間氏とは別の男が運転する白い車に、幼い女の子2人が乗っているのを目撃したという男性の証言です。

■木村泰治さん
「(女の子の表情が)とにかく楽しくなく、悲しく泣き出しそうじゃないけれど、だから一瞬誘拐でないかなと、でもまさか2人も女の子を乗せとるから。」

■徳田弁護士
「木村さんの話を前提とすると、遺留品発見現場で車両を見たという供述は、まったく意味がなくなる。いずれにしても目撃した中身が、この事件の誘拐状況であるということを立証できるかということがカギになる。」

事件発生からまもなく30年。裁判のやり直しをめぐる裁判所、検察、弁護団の協議がいまも続いています。果たして、死刑執行は正しかったのか。詳しく紐解きながら、再審請求の協議の行方を伝えていきます。
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https://www.fbs.co.jp/fbsnews/news966w0mq34br5l236em.html

シリーズ『飯塚事件』検証② 証拠となった『目撃供述』
福岡 2022/02/17 19:24


【めんたいニュース】
https://youtu.be/fr9iA_JrRQU

1992年、福岡県飯塚市の女児2人が殺害された『飯塚事件』で死刑を執行された元死刑囚の遺族が無実を訴え、再審=裁判のやりなおしを求めていています。『30年目の飯塚事件』2回目は、裁判所が有罪と判断する上で柱となった『目撃供述』についてです。

福岡県朝倉市の峠道を進んだカーブの脇の斜面にある岩陰に小さな地蔵が2体置かれています。

いまから30年前の1992年2月、この場所で福岡県飯塚市の小学1年の女の子2人が遺体で見つかりました。

事件から2年7か月後、警察は久間三千年元死刑囚を殺人などの疑いで逮捕しました。

久間氏は、任意の捜査段階から一貫して無実を訴えましたが、最高裁で死刑が確定しました。その2年後には。

■森法相

「久間三千年を本日死刑執行。」

死刑執行の2か月前に市民団体に届いた手記です。「真実は無実であり、これはなんら揺らぐことはない」と書かれています。

弁護団によると久間氏は、死刑執行のその日まで無実を訴えていたと言います。

久間氏と犯行を直接結びつける証拠はなく、福岡地方裁判所は、複数の状況証拠を積み重ねて久間氏を犯人と認定しました。

有罪認定の柱の1つが現場から見つかった犯人のDNA型と、久間氏のDNA型が一致したとされたこと。そして、もうひとつの柱が、久間氏の車と特徴がよく似た『紺色ワゴン車』を被害者の遺留品発見現場のそばで見たとする目撃証言です。

その状況をCGで再現しました。目撃されたのは遺体発見現場から3キロ離れた峠道のカーブです。

事件当日の午前11時すぎ、軽ワゴン車を運転するAさんが車とそばにいる男を見ました。

車の速度は、時速25キロから30キロ目撃して通り過ぎるまでは、十数秒とみられます。Aさんが、その間に見たと供述した内容は、『・普通の標準タイプのワゴン車。・やや古い型で車体の色は紺色。・トヨタや日産ではない。・車体にはラインが入ってなかった。・確か後部タイヤがダブルタイヤ。・ホイルキャップの中に黒いラインがあった。・車の窓ガラスは黒く、ガラスにフィルムを貼っていたのではないかと思う。』ということです。

調書には男の特徴も書かれています。『①年齢30歳~40歳くらい。②髪は長めで分けていたように思う。③頭の前の方がはげていた。④車を見て慌てたようで前かがみになり、すべったようだった。⑤白の長袖カッターシャツを着て。⑥毛糸みたいで胸はボタンで留める式のうす茶色のチョッキを着ていた。⑦右斜め後方から見るとワゴンの横に立ち背を向けて立っていた。』

わずか十数秒の間に記憶されたのは10項目以上の特徴です。警察が調書をまとめたのは、目撃した日の18日後です。裁判で弁護側は、あまりにも詳しすぎると信用性を争いました。しかし、裁判所は信用できるとして、ほかの状況証拠とともに検討し、久間氏の車と認定しました。

■清水さん

「車が止まっていたのが、そこなんですね。」

1月、その目撃証言が得られた状況を検証しようと、現地で見学会が行われました。飯塚事件の再審請求を支援する市民団体が企画したものです。

■参加者
「おかしいと思いますね。いろんな点がですね。」

■参加者
「やっぱり、実際現場に来てみないと、分からんなと思いますね。」

見学会には、飯塚事件弁護団の岩田務さんも参加しました。

いまのような状況下で、十数項目の目撃情報が得られたことに対して岩田さんは。

■岩田さん
「あり得ない、あり得ない。そんなことあり得ないです。車を見ていたら人が見えないし、人を見ていたら車が見えないし、車についても、ひとつかふたつしか特徴を覚えられない。実験をやったら皆そうだった。」

果たしてAさんのように詳細に記憶できるのか。疑問を持った弁護団は目撃供述を心理学的の観点から考察している厳島行雄教授に協力を依頼し実験を行いました。

実験では当時の状況をできるだけ再現し、2週間後に車や人の特徴などを、どのくらい覚えているか調査しました。

実験は条件を調整しながら2回行われましたが、Aさんのように詳細に記憶できた人はいませんでした。

■厳島教授
「トータルで第1実験で40人、第2実験で35人で75名が誰もダブルタイヤのことに言及できなかったというのは、記憶がないから。」

さらに、現場の左カーブを走行する際、ドライバーがどこを見ているのか科学的に分析しました。実験には『視線』の動きを計測する『アイマークレコーダー』という測定機器が使われました。

この結果、向かって右側に停車しているワゴン車に視線がとどまった時間は、平均で1.18秒、人物に対しては0.43秒でした。

いわゆる『チラ見』にとどまり、粗い情報しか取得できないと弁護団は結論付けました。

■厳島教授
「1つや2つ出てくるのなら分かるんですよ、詳細がね。そこだけ注意して見ていたというのならわかるんですけれど。たった1秒、2秒の目撃、もしくは、もっと長くてもいいですよ、3秒でもいいけれど、そんな時間でですね、そんな細かな詳細が出てくる
ということはあり得ない。」

では、なぜAさんは詳細に供述することができたのでしょうか?

■岩田弁護士
「体験した以外の事が、どこからか情報が入ってこないと、こういう調書はつくれない。」
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https://www.fbs.co.jp/news/news969to2bulxiekek9or.html

シリーズ『飯塚事件』検証③ 誘導されたのか『目撃証言』
福岡 2022.02.18 18:36


【めんたいニュース】
 (https://www.youtube.com/watch?v=ynZvlJEXtA8

1992年に福岡県飯塚市で幼い女の子2人が殺害された『飯塚事件』から30年。裁判のやりなおしをめぐる争点を検証しています。久間三千年元死刑囚の有罪の根拠の1つとなった『目撃証言』について、弁護側は「誘導されたもの」と信用性を争っています。

久間三千年元死刑囚は、1992年2月に女の子2人を殺害したなどとして、最高裁で死刑が確定し、無実を訴える中、2008年死刑が執行されました。

遺族が裁判のやり直しを求める中、弁護団は有罪認定をめぐる裁判所の判断について異議を訴え続けています。

とりわけその信用性を争うのが、久間氏を犯人と認定する上で重要な状況証拠となった目撃証言です。

久間氏の車によく似た『紺色ワゴン車』を事件当日、遺留品発見現場で見たという男性の供述です。

軽ワゴン車を運転しながら見たというその特徴とは、次のような内容です。

「普通の標準タイプのワゴン車で、メーカーはトヨタや日産ではない。やや古い型で車体の色は紺色、車体にはラインが入っていなかったと思う。確か後部タイヤがダブルタイヤでタイヤのホイルキャップに黒いラインがあった。車の窓ガラスは黒く、ガラスに何か貼っていたのではないかと思う。」

さらに調書には人物について、年齢や頭髪、着衣など9項目にのぼる特徴が書かれていました。

この証言について裁判所は信用できるとしましたが、飯塚事件弁護団の岩田務さんは次のように考えています。

■飯塚事件弁護団・岩田務主任弁護士
それは捜査官が誘導したというか、その話に持っていったとしか考えられない。」

裁判資料などによると事件発生から11日後の3月2日、捜査員が初めてAさんから話を聞きます。その2日後に男性と捜査員が八丁峠に同行し、ワゴン車を目撃した場所を特定します。3月9日に調書が作成されます。

2日の段階では「紺色ワゴン車」「男が乗り降りしていた」という情報でしたが、4日午前には「後輪がダブルタイヤ」に「男の年齢と動作」が加わります

そして、同じ日の午後には男の特徴も追加されました

さらに9日の調書には「車体にラインがない」「メーカーはトヨタや日産ではない」などあらたな車の情報が加わり日を追うごとにその内容は詳しくなっていきました

この点について目撃証言の信用性を、心理学の観点から研究し、飯塚事件でも再現実験を行って検証した厳島教授は次のように分析しています。

■人間環境大学心理学部・厳島行雄教授
「今回の飯塚事件で裁判官がよく言っているのは、目撃者が目撃した翌日のラジオで聞いて自分が車を見たんだと、それを友だちに話している。これが印象を強くして、記憶に残っているんだというんだけれど、事後にそんな話をしてもね、元の記憶が良くなるわけないんですよ。ある意味、目撃者も被害者と僕は思ってるんですけれど。彼は何もうそをつこうと思って証言したり、供述している訳ではない。たぶん彼自身がどれが正しくて、どれが間違っているか、というのは分からないという状態であるかもですね。」

3月9日の調書に記された「車体にラインがなかった」という特徴は、その調書がつくられる2日前に、捜査員本人が久間氏の車を見て、ラインがないことを知っていたことが、再審請求をめぐる審理の過程で明らかになりました。

実は久間氏の車には標準のデザインとしてオレンジ色のラインがありましたが、久間氏はそのラインを剥いで使っていました。

弁護団は、久間氏の車を事前に見た捜査員が、その特徴にあうように男性の供述を誘導した」と指摘します。

■岩田弁護士
「信用できるのは、一番最初の紺色のワゴン車は見たという証言だけ。後は、ほとんど誘導だと思います。」

今回私たちは、目撃供述をまとめた元捜査員に話を聞きました。今回、私たちは目撃証言の供述をまとめた元捜査員に話を聞きました。元捜査員は取材に対し「ダブルタイヤなどの詳細な情報は最初から出ていた」3月7日の「下見」については「絶対にない」と否定、また「誘導など出来る訳はなく」「当時のことは捜査報告書に書いてあるはず」と話しました。

■岩田弁護士
証拠開示で、いろいろもっと出てくるはずなんですよ3月7日に下見に行った時の捜査報告書が出てないからですねそれが出てくれば、この話はまた進展すると思います。」

弁護団は、これまでにまだ検察側から示されていない捜査資料の開示を求め、主張を裏付けたいとしています。
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●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?

2022年01月03日 00時00分32秒 | Weblog

[※ 安田好弘さん 《「死刑反対。死刑をおかしい」と言うこと自体が、異端者になってくる》 (2018年7月28日 報道特集)↑]


/ (2021年12月26日[日])
東京新聞の【<社説>死刑廃止論 世界の潮流を見据えて】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/126201?rct=editorial)。

 《米国が連邦による死刑執行を一時停止すると表明した。死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・停止は、もはや世界の潮流となっている。日本でも廃止に向けた議論を進めるべきだ》。

 なんでも《米国》に従うのにね。《バージニア州は今年三月に「死刑は不公平で効果がなく非人道的だ」として、南部の州として初の廃止州となった》。消費税制が無いことや死刑停止・廃止には従わないのね。ニッポンは、死刑存置でいいのですか? 《アムネスティ・インターナショナル…はこうした現状を「世界は死刑という残虐かつ非人道的で、品位をおとしめる究極の刑罰を過去の遺物に葬り去ろうとしている」と説明している》。
 《普遍的な人権問題》としては、冤罪者を死刑にしてしまうこと。「飯塚事件」で死刑が執行された久間三千年さんが思い出される。罪なき人に対しての《国家による殺人》。政権が罪を認めるはずも無いし、最早責任の取りようもない、国家が無辜の人を殺したのですから。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)

 別件ですが、…アクセスジャーナル山岡俊介さんの記事【<主張>“生涯弁護人”は正義の味方か!?】(https://access-journal.jp/63465)によると、《弘中惇一郎弁護士(76)がつい最近出した書籍が話題を呼んでいる…。同じく著名な弁護士なら、弱者保護を主張し、死刑が求刑された事件の刑事弁護を数多く担当する安田好弘弁護士(74)の方がはるかに正義の味方と感じる。安田弁護士には、武富士に訴えられた記事で弁護してもらい、反訴して武富士側は認諾し本紙・山岡側は完全勝訴した》。

   『●ドキュメンタリー『死刑弁護人』: 
      バッシングされ続ける「死刑弁護人」安田好弘さん
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(1/4)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(2/4)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(3/4)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(4/4)
   『●『特捜検察の闇』読了(1/3)
   『●『だまされることの責任』読了(1/3)
   『●木下昌明さん、『死刑弁護人』映画評

 小嶋麻友美・小澤慧一両記者による、東京新聞の記事【「探しましたが、いませんでした」再審請求中の死刑執行…世界では約7割が廃止か停止】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/150291)によると、《2年ぶりの死刑執行に、日弁連や人権団体などからは批判や落胆の声が上がった。日本政府はあくまで死刑制度存続の方針だが、世界では約7割の国が死刑を廃止か停止している国際的な潮流に逆行する日本さらに厳しい視線が集まるのは必至だ》。

   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」…
      「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」

   『●NNNドキュメント「死刑囚の子 殺された母と、殺した父へ」
   『●和歌山毒カレー冤罪事件: 安田好弘弁護士と林眞須美被告
   『●「新宿西口バス放火事件」: ある被害者の心の軌跡
   『●「殺すなかれ…」…「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?

 《赤坂自民亭》の酔いちくれぶりや、一部マスコミの異常なハシャギぶり、思い出すだけでも気分が悪い。《死刑を忠実に実行しているのは日本だけ》、本当に何もかも嫌になるニッポン。さらには、飯塚事件久間三千年さんにどう責任をとるつもりなのか?

   『●袴田冤罪事件を機に死刑制度の再考ができない我国
   『●善良な市民には関係ない?? 
      死刑制度存置派驚異の8割の我国では全く揺るがず!?
   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
      飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
    《今年七月、オウム真理教の死刑囚十三人全員の刑が執行された。
     世界で死刑廃止の流れが進む中、大量執行は国内外に大きな衝撃を
     与えた。だが、国内ではその後、死刑制度の存廃を巡る大きな議論
     にはつながっていないこのままでいいのか。関係者を訪ね歩き、
     考えた》

   『●「死刑のスイッチ」を強制する裁判員制度:
      「やった人でないと、この苦しみは分からない」
   『●「7人に死刑を執行する前日に乾杯する総理大臣と法務大臣
            …これがこの国のグロテスクな現状なのだ」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/126201?rct=editorial

<社説>死刑廃止論 世界の潮流を見据えて
2021年8月23日 07時47分

 米国が連邦による死刑執行を一時停止すると表明した。死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・停止は、もはや世界の潮流となっている。日本でも廃止に向けた議論を進めるべきだ。

 米国のガーランド司法長官が先月、連邦による死刑執行を停止し、死刑政策や執行方法を検証することを明らかにした。

 バイデン大統領はもともと大統領選の公約に、連邦レベルでの死刑廃止を掲げていた。州をまたぐ犯罪など連邦法に違反する事件について、である。

 連邦法以外に各州法による死刑もあるが、全米五十州のうち現在二十三州が廃止三州が執行を停止している。バージニア州は今年三月に「死刑は不公平で効果がなく非人道的だ」として、南部の州として初の廃止州となった。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると今年四月現在、十年以上死刑執行のない国も含めると、世界百四十四カ国・地域が事実上、死刑を廃止している。死刑のない国は既に世界の三分の二以上を占めている

 先進国に限れば死刑制度を存続・執行しているのは日本米国だけだが、米国内で存続しているのは二十四州で半数に満たない。アムネスティはこうした現状を「世界は死刑という残虐かつ非人道的で、品位をおとしめる究極の刑罰を過去の遺物に葬り去ろうとしている」と説明している。

 日本は、国連の国際人権(自由権)規約委員会から死刑制度の廃止を考慮するよう何度も勧告を受けている。確かに世論調査では死刑に肯定的な意見は多いが、情報開示の不十分さゆえに国民の議論が熟さないのではないか。

 生命を奪う究極の刑罰でありながら、誤判や冤罪(えんざい)の恐れが排除できない執行されれば取り返しがつかず、他の刑罰と本質的・決定的に異なる。二〇一八年の国連総会でも死刑の廃止・停止を求める決議が圧倒的多数の賛成を得た

 日本と外国との捜査協力・司法協力の壁ともなっている。日本が犯罪人引渡条約を締結している国は韓国と米国のみで、拡大しない理由は日本に死刑制度があるためとも考えられている。

 死刑の存廃を巡り、日本では活発な議論が交わされてこなかったが、各国が人権尊重の観点から次々と死刑の廃止・停止に踏み切ってきた潮流を見据えたい。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/150291

「探しましたが、いませんでした」再審請求中の死刑執行…世界では約7割が廃止か停止
2021年12月22日 06時00分

 2年ぶりの死刑執行に、日弁連や人権団体などからは批判や落胆の声が上がった。日本政府はあくまで死刑制度存続の方針だが、世界では約7割の国が死刑を廃止か停止している国際的な潮流に逆行する日本さらに厳しい視線が集まるのは必至だ

 「小野川さんを探しましたが、いませんでした」。21日午前、東京拘置所で小野川元死刑囚への接見を申し込んだ弁護人の岩井信弁護士に、職員は淡々と告げたという。再審請求中の死刑執行に裁判を受ける権利の侵害裁判は『ない』ということだ」と怒りをあらわにした。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル日本は「外交では人権を守り抜くとしながら人権をないがしろにする岸田政権の姿勢の表れ」と批判。アムネスティによると、死刑を実質廃止した国は昨年までに約140に上り存置する55カ国でも実際に執行しているのは中東、東アジアなど毎年20カ国程度にとどまる

 米バイデン政権は今年、連邦レベルの死刑執行の停止を発表。州レベルでも、2009年から今年までに計7州が死刑を廃止した。

 国連人権理事会からも再三、死刑の廃止や停止を求める勧告を受ける中、古川法相はこの日の記者会見で、国内世論の支持をふまえ死刑を廃止することは適当ではないと明言した。日弁連の土井裕明副会長は「世論を言い訳に居直るべきではない死刑もやむを得ないという質問文に賛否を尋ねる世論調査の手法にも問題がある」と指摘する。

 8歳の次男をひき逃げ事件で亡くした「被害者と司法を考える会」代表の片山徒有さんは「人は反省し、立ち直ることができる生身の人間の命を国が奪うことはあってはいけない」と主張。「遺族にとっては動機を知ることが永遠にできなくなる対話の機会をつくらないまま改善の余地なしと執行するのはあまりに乱暴だ」と訴えた。(小嶋麻友美、小澤慧一)

【関連記事】米、連邦の死刑執行停止 執行方法などを検証 有色人種への偏り懸念
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●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》

2021年12月06日 00時00分20秒 | Weblog

―――――― 《2次再審請求で問い直される「T供述」の信用性 岩田弁護士は「Kさんが目撃したのが犯人であれば急転直下、真犯人の存在とともに久間さんの無実もはっきりする」と述べ、再審請求でK証言の果たす役割を解説した》



 (2021年09月26日[日])
山口正紀さんによる、レイバーネットの記事【検察による口封じ殺人? 死刑執行された冤罪〜「飯塚事件」を問う】(http://www.labornetjp.org/news/2021/0911yama)。

 《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。その第2次再審請求の支援を訴える「飯塚事件の再審を求める東京集会」が9月4日、オンラインで開かれた。この事件で有罪判決の根拠とされたのが科警研(警察庁科学警察研究所)によるDNA型鑑定だった。一方、同じ時期・同じ手法で科警研が行なった「足利事件」のDNA型鑑定が誤りだったことが明らかになり、再審無罪となった。実は、この足利事件で「DNA型再鑑定へ」と報道されたのが08年10月上旬その10日余り後、突然再審準備中の久間さんの死刑が執行された。それを知った時、私は恐ろしい疑惑に駆られた。この死刑執行は、足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した冤罪が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……。(山口正紀)》

 《検察による口封じ殺人》《国家による殺人》…。布川事件冤罪被害者桜井昌司さん《無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です》と。当時の首相は麻生太郎氏、飯塚を含む福岡8区の出身。その麻生太郎内閣の法務大臣は森英介氏。2008年10月16日、足利事件のDNA再鑑定で、直ぐに、久間さんの死刑執行は停止されるべきだった ――― しかし、わずか10日ほど後の10月28日、死刑は執行された…。首相や法相、検察・警察の関係者、あまりに冷酷だ…。関わった裁判官も。《各裁判所は、弁護側が指摘したさまざまな疑問・矛盾を無視。結局、科警研の「MCT118型鑑定」によるDNA型鑑定をほぼ唯一の根拠とした死刑判決が確定した》。

   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行』 
 
    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)

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http://www.labornetjp.org/news/2021/0911yama

検察による口封じ殺人? 死刑執行された冤罪―「飯塚事件の再審を求める東京集会」(オンライン)から(上)

●山口正紀の「言いたいことは山ほどある」第14回(2021/9/11 不定期コラム)
検察による口封じ殺人? 死刑執行された冤罪――「飯塚事件の再審を求める東京集会」(オンライン)から(上)

     (*2017年NNNドキュメントより)

 「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。その第2次再審請求の支援を訴える「飯塚事件の再審を求める東京集会」が9月4日、オンラインで開かれた。この事件で有罪判決の根拠とされたのが科警研(警察庁科学警察研究所)によるDNA型鑑定だった。一方、同じ時期・同じ手法で科警研が行なった「足利事件のDNA型鑑定が誤りだったことが明らかになり、再審無罪となった。実は、この足利事件で「DNA型再鑑定へ」と報道されたのが08年10月上旬その10日余り後、突然再審準備中の久間さんの死刑が執行された。それを知った時、私は恐ろしい疑惑に駆られた。この死刑執行は、足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した冤罪が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……。(以下、事件・裁判の経過とオンライン集会の模様を3回にわたって報告する)


●疑惑の死刑執行1年後、妻が再審請求

 死刑執行からちょうど1年後の09年10月28日、久間さんの妻が新たなDNA型鑑定などを新証拠(再審を開始すべき理由)として、福岡地裁に再審請求を申し立てた。

 しかし、福岡地裁は14年、科警研が行なったDNA型鑑定を「(久間さんの)犯人性を基礎づける事実とすることはできない」と認めたものの、「DNA型鑑定以外の状況証拠による確定判決は揺るがない」として、再審請求を棄却した。

 再審弁護団は即時抗告したが、福岡高裁は18年、即時抗告を棄却。弁護団は特別抗告したが、最高裁第1小法廷は今年4月21日、特別抗告も棄却した。

 このため、久間さんの妻と再審弁護団は7月9日、確定判決の根拠とされた目撃証言を否定する新たな目撃証言などを理由に、2度目の再審請求を福岡地裁に申し立てた。

 オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会の木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。

 集会では、弁護団から第1次再審請求を棄却した最高裁決定と第1次請求の総括、第2次再審請求の経過と内容が詳しく報告され、再審請求人である久間さんの妻のメッセージが読み上げられた。また、8月に国家賠償請求訴訟(国賠)の控訴審で勝訴したばかりの桜井さんが再審実現に向けて連帯のアピールを行い、「死刑執行は口封じ何というひどい国だろう。久間さんの無念は必ず晴らせると確信しています」と訴えた。

 集会について報告する前に、第1次請求に対する最高裁決定、第2次再審請求書、弁護団が編集したブックレット『死刑執行された冤罪・飯塚事件』(2017年・現代人文社)などをもとに、まず事件と裁判、再審請求審の経過を紹介しておこう。


●福岡県警は事件直後から久間さんを犯人視し、「見込み捜査」

 92年2月20日、飯塚市内で登校途中の小学校1年生女児2人が行方不明になり、翌日、約20キロ離れた福岡県甘木市(現・朝倉市)の山中で遺体が発見された。死因は扼殺、2人の膣内などから微量の血液が検出された。

 福岡県警は、かつて近くで起きた同種の事件で捜査対象にしたことのある久間さんを事件直後からマークし、その動静を監視(見込み捜査)。3月には遺留品発見現場付近で「ダブルタイヤのワンボックスカーを目撃した」とのT証人の調書を作成した。久間さんは、この「目撃証言」に合致する車を持っていた。

 続いて県警は久間さんに毛髪を任意提出させ、遺体周辺から採取された血液とともに科警研に鑑定を依頼。科警研は6月、〈血液型は、犯人のものとみられる血液、久間ともにB型。DNA型は「MCT118型鑑定」の結果、犯人のものとみられる型と久間が提出した毛髪から採取した型が一致した〉との鑑定書を出した。

 県警は7月、その「追試」として帝京大学の石山昱夫(いくお)教授にDNA型鑑定を依頼した。石山教授は「ミトコンドリア法」という当時、最も鋭敏な検査とされた方法で検査。約1年半後の94年1月に出された石山教授の鑑定書は、「久間さんのDNA型は検出されず被害者以外の第三者(犯人と思われる)の型が検出された」と結論した。

 それでも県警は94年9月23日、久間さんを死体遺棄容疑で逮捕した。
 翌日の『朝日新聞』夕刊(東京本社版)は、社会面トップ見開きで《56歳無職男性を逮捕/小1女児2人殺害事件/遺体運び捨てた容疑/DNAと繊維鑑定が決め手》と大々的に報道、久間さんの経歴や一問一答を掲載した。『読売新聞』も、社会面4段で《無職の56歳男性逮捕/遺棄容疑/殺人容疑でも追及》と大きく報じた。

 『朝日』はその後も、続報で《ワゴン車入念に清掃/容疑者、売却直前に》《容疑者に似た男目撃/遺留品の現場、車で去る》などと犯人視の報道を続けた。

 久間さんは66日間に及んだ取調べに一貫して否認した。県警は10月14日、久間さんを死体遺棄罪で起訴し、殺人容疑で再逮捕した。だが、その後も「自白」は一切なかった

 95年2月20日、福岡地裁で初公判が開かれ、久間さんは起訴内容を全面否認。その後も一貫して無実を訴え続けた。しかし99年9月29日、福岡地裁は久間さんに死刑判決を言い渡した。判決は「被告人の犯行との結びつきを証明する直接証拠がなく、個々の状況事実の単独では被告人を犯人と断定することが出来ない」としながら、概略次のような「状況事実」を列挙し、有罪と認定した。

 ①被告人の車のシートから検出された血痕と被害者の1人の血液型が一致する ②遺体から検出された血液型、DNA型が被告人と一致する ③現場付近で目撃された車と被告人の車種が一致する ④被害者の着衣に付着した繊維と車のシートの繊維が同一 ⑤被告人には土地鑑があり、アリバイも不明。

 私が参加する「人権と報道・連絡会」では2010年1月の定例会で、弁護団の徳田靖之弁護士から事件と裁判の経過について詳細な報告を受けた。その中で徳田弁護士は、一審判決が有罪の根拠とした「状況事実」について、次のように問題点を指摘した。

 「①車のシートの血液型が被害者と一致したというが、血液型だけでそれを被害者の血痕と断定することはできない。③④は車種が同じというだけの話。⑤は全くの間接証拠に過ぎない。③の目撃者が目撃した人物は『年齢30~40歳。髪は長めで七・三分け』ということだったが、久間さんは当時55歳、髪はオールバックだった」

 結局、一審判決は「②科警研によるDNA型鑑定に依拠して有罪と認定したことになる。だが、そのDNA型鑑定をめぐっても重大な矛盾があった。実は、科警研は「MCT118型鑑定」のほかに、独自に「HLADQα型」検査も行っていたが、この検査では被害者の血液から久間さんの型は検出されなかった。そして、石山教授の「ミトコンドリア法」による鑑定も不一致だった。つまり、県警は複数のDNA型鑑定を行ったものの、「MCT118型鑑定」以外はすべて「久間=犯人説を否定していたことになる。

 久間さんはこの一審判決に対して直ちに控訴したが、2001年10月10日、福岡高裁は控訴を棄却。さらに06年9月8日、最高裁は上告を棄却した。各裁判所は、弁護側が指摘したさまざまな疑問・矛盾を無視。結局、科警研の「MCT118型鑑定」によるDNA型鑑定をほぼ唯一の根拠とした死刑判決が確定した。


●「足利事件のDNA型再鑑定へ」報道の直後に死刑執行

 その2年後、状況が大きく動いた。同じ科警研鑑定(「MCT118型鑑定」)を証拠に有罪とされた足利事件について、08年10月、東京高裁が再鑑定する方針を決めた

 足利事件とは、1990年5月、栃木県足利市のパチンコ店で4歳女児が行方不明になり、渡良瀬川河川敷で遺体が発見された事件だ。栃木県警は91年12月、科警研のDNA型鑑定を証拠として保育園の送迎バス運転手だった菅家利和さんを逮捕。菅家さんは起訴され、裁判途中から無実を訴えたが、無期懲役の有罪判決が確定、服役させられていた。

 この東京高裁の再鑑定方針について、新聞各紙は、《高裁、DNA再鑑定へ》(10月17日付『朝日』)、《DNAを再鑑定へ》(18日付『毎日新聞』)と、全国版で大きく報じた。

 これは当時、再審請求を準備していた久間さんに大きな希望の光となったはずだ。ところが、この報道から10日後の10月28日、法務省は突然、久間さんの死刑を執行した。

 死刑執行を命じた法務省が、足利事件の再鑑定報道を知らなかったはずはない。森英介法相は「慎重かつ適正な検討を加えた」と述べた。いったいどんな「検討」をしたのか

 それから約半年後の09年5月、足利事件のDNA型鑑定結果が出た。弁護側・検察側が推薦した鑑定人2人が、いずれも「STR法」による鑑定で「犯人と菅家さんのDNA型は一致しない」と結論した。

 弁護側推薦の本田克也・筑波大教授は、「MCT118型」による追試鑑定も行った。結果は、菅家さんが「18―29型」、犯人は「18―24型」。どちらも「16―26型」としていた科警研の鑑定結果は、精度の低い「MCT118法」においても完全な誤りだった

 飯塚事件弁護団は、この本田教授に飯塚事件の再鑑定を依頼した。ところが、飯塚事件では捜査段階で採取された鑑定試料を科警研が全量消費していた」という。このため、本田教授は科警研鑑定のデータ・写真を解析し、再鑑定した。

 その結果は、「科警研鑑定はDNA型も血液型も誤りという衝撃的な内容だった。血液型は、犯人がAB型、久間さんはB型。「MCT118型」によるDNA型は、犯人が「16―25型」、久間さんは「18―30型」だった。科警研鑑定は、犯人・久間さんとも「16―26型」としていたが、それはすべて間違っていた、と本田鑑定は指摘した。

 遺族と弁護団は死刑執行1年後の10月28日、本田鑑定を新証拠に再審を請求した。だがメディアの反応は鈍く、全国紙各紙が社会面3~4段で伝えただけだった。その背景には、逮捕時にメディアが繰り広げた犯人視報道がある。徳田弁護士は「人権と報道・連絡会」で、「九州では東京以上にひどい犯人視報道が行われ、みんな久間さんを殺人鬼と信じ込まされました」と話した。メディアも〈無実の死刑〉に加担していた。(続く)

Last modified on 2021-09-11 22:51:36
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http://www.labornetjp.org/news/2021/0913yama

●山口正紀の「言いたいことは山ほどある」(2021/9/13不定期コラム)
検察による口封じ殺人? 死刑執行された冤罪――「飯塚事件の再審を求める東京集会」(オンライン)から(中)

 久間三千年(くま・みちとし)さんの死刑執行は、「DNA冤罪」が露顕するのを恐れた検察の「口封じ殺人」ではなかったか――こんな恐るべき疑惑をはらんだ「飯塚事件」。その再審を目指して開かれたオンライン集会(9月4日)では、最高裁「特別抗告棄却」決定(4月21日)の問題点、久間さんの妻と再審弁護団が福岡地裁に申し立てた第2次再審請求(7月9日)の内容が詳しく報告された。一連の報告は、①科警研DNA型鑑定のデータ改ざん有罪判決の根拠とされたT目撃証言の不自然さ――など、死刑判決の「証拠」が福岡県警によって改ざん・捏造されたものであることを明らかにした。

     (*写真=徳田靖之弁護士(NNNドキュメントより))


●「もっと早く再審請求していれば」……

 集会ではまず、刑事裁判から弁護活動に取り組んできた徳田靖之弁護士が、第1次再審請求の経過と請求棄却決定の問題点を報告、最初に飯塚事件の3つの特徴を挙げた。

 第1は、死刑が執行されてしまった事件であること。執行は08年10月28日だったが、徳田弁護士は少し前に久間さんに面会し、再審請求について話し合っていた。「あの時もう少し早く再審請求していれば、執行はなかったのではないか。弁護士の怠慢で執行を許してしまった。その過ちを背負いながら再審に取り組んできました」と徳田弁護士は悔やむ。

 一方、死刑執行された事件であることは、裁判官にはハードルの高さになり、慎重な審理を求められる。もし再審無罪になれば、国家による過った殺人を認めることになる。「それが、裁判所が再審開始を拒み続ける理由にもなります」と徳田弁護士。

 第2は、真犯人を特定できる証拠の血痕がありながら、捜査段階で全量消費されてしまったこと。被害者の膣内などから採取された血痕・体液は「100回鑑定ができるぐらい十分な量があった」(石山昱夫・帝京大学教授)のに、科警研の技官たちは3回の鑑定で全部使い切ってしまった」という。しかも、「使い切った」理由も明らかにされていない。徳田弁護士は「これが、無実を証明するうえで大きなハンデになっています」と述べた。

 だが、試料の血痕はほんとうに「全量消費」されたのか、そんな疑問もある。

 第3は、任意取調べを受けた段階から死刑執行の日まで、久間さんが終始一貫無実を訴え、完全否認を貫いた事件であること。わが国ではこれまで、免田事件など再審で死刑囚が無罪になった事件はあるが、その多くは何らかの形で「自白」が取られており、その任意性、信用性が否定されて再審開始の道が開かれてきた。

 本件では、こうした自白が全く存在せず、直接的証拠もない。確定判決も、「間接事実の総合評価によって犯人性を判断するしかない」とした。それだけに、裁判では有罪認定の中核となった「状況証拠」の証拠能力、信用性が徹底的に吟味されなければならない。弁護団は再審請求で、確定判決の証拠構造の中核が、①科警研のDNA型鑑定②遺留品発見現場でのT目撃証言であるとし、この2つに証拠価値がないことを立証した。


●DNA型鑑定、目撃証言のでたらめさを立証した新証拠

 福岡地裁に申し立てた第1次再審請求(09年10月)で、弁護団は2つの新証拠を提出した。1つは、本田克也・筑波大教授によるDNA型鑑定・血液型鑑定に関する法医学鑑定書。2つ目は、厳島行雄・日本大学教授によるT目撃証言に関する心理学鑑定書だ。本田鑑定は、科警研による「MCT118型」鑑定の証拠能力を全面的に否定した。鑑定書によると、「MCT118型」によるDNA型について、科警研鑑定は犯人・久間さんとも「16―26型」としていたが、久間さんのDNA型は「18-30型」であり、明らかに誤っていた。血液型についても「被害者はO型とA型であり、犯人はAB型。B型の久間さんは犯人ではありえない」と結論した。久間さんの無実を物語る衝撃的な鑑定だ

 再審請求審では、科警研がDNA型鑑定の際に撮影したネガフィルムが証拠開示され、本田教授が解析した結果、科警研鑑定書に添付された写真が改ざんされていたことも明るみに出た。ネガフィルムには確定判決で証拠採用された写真より広い範囲が写っていた。そのネガの写真に焼き付けられていない部分に、「久間さんでも被害者のものでもないDNA型」が確認された。これは真犯人のもの以外に考えられない。

 科警研はそれを隠すため、意図的に写真を切断して焼き付けたと考えるほかない。徳田弁護士は「ネガフィルムは科警研による証拠改ざんの痕跡を示す証拠」と指摘した。

 厳島鑑定は、T目撃証言が警察官に誘導されたものであると断定した。T目撃証言とは、女児2人が行方不明になって数時間後、〈遺留品発見現場の近くの山道で久間さんの車と特徴が同じ紺色のワンボックスカーを見た〉という内容だ。厳島教授は現場で再現実験を行い、このT証言の不自然さを指摘した。

 事件発生(92年2月20日)から2週間余、3月9日に作られた供述調書は、T証人が「目撃した」という不審車と不審人物について、極めて詳細に供述している。

 T供述は不審車の特徴として、①ナンバーは不明②標準タイプのワゴン車③メーカーはトヨタやニッサンではない④やや古い型⑤車体は紺色⑥車体にはラインがなかった⑦後部タイヤはダブルタイヤ⑧後輪のホイルキャップの中に黒いラインがあった⑨窓ガラスは黒く車内は見えなかった――という9項目を挙げた。

 不審人物の特徴としては、①頭の前の方が禿げていた②髪は長めで分けていた③上衣は毛糸で④胸はボタン式⑤薄茶色の⑥チョッキで⑦チョッキの下は白いカッターの長そでシャツを着ていた⑧年齢は30~40歳だった――という8項目を挙げた。

 しかし、T証人がこの不審車を目撃したという現場の「八丁峠」はカーブが続く山道。T証人は坂道の下りカーブを時速20~30キロで運転中、左カーブで対向車線に停まっていた「不審なワゴン車」を見た、としている。

 はたして、山道の下りカーブを運転中に、前記のような詳細な「目撃」が可能なのか。車がすれ違うのに要するのはほんの数秒。しかも、「後輪がダブルタイヤだった」というのは、下りカーブで後ろを振り返って見る危険を冒さなければ知り得ない情報だ。

 厳島教授は、現場での走行再現実験の結果に基づき、「目撃はごく短時間であり、対象物の詳しい形状まで記憶することは不可能T目撃証言は作られた供述」と断言した。

 さらに、再審請求審で証拠開示された捜査報告書により、T証言が捜査員の誘導によるものであることを示す事実が明らかになった。実は供述調書が取られる2日前の3月7日、捜査員が久間さん宅を下見して車を調べ、「車体にはボディラインなし」などと報告していた。この捜査員が2日後、T証人の聴取を担当し、調書を作成していたのだ。

 当時、久間さんが乗っていたのは、マツダの「ウエストコースト」というワゴン車。この車種には本来、車体に特徴的なラインが付けられていたが、久間さんはラインを消して乗っていた。そのことを知らなければ、わざわざ「トヨタやニッサンではない」「ラインがなかったなどと供述するわけがない。詳細なT証言は、捜査員による完全な誘導だった


●再審申し立てに判断を回避した最高裁

 確定死刑判決が有罪認定の根拠とした2つの柱=DNA型鑑定とT目撃証言は、弁護団が提出した2つの新証拠と再審請求審で開示された証拠により、完全に破綻した。

 ところが、2014年3月31日付で福岡地裁が出した決定は「請求棄却」だった。

 地裁決定は、科警研のDNA型鑑定については「証明力の評価に変化が生じた」として事実上、証明力を否定した。しかし、T目撃証言については、「厳島鑑定は供述の信用性を揺るがすものではない」「新証拠によって旧証拠の証明力や信用性が減殺されることはない」などとして、証拠能力を認めた。

 山道の下り坂カーブを走行中、わずか数秒間すれ違っただけで、運転者の髪形や詳しい服装から、「車体にはラインがなく、後輪はダブルタイヤだった」などという車の特徴までつかみ記憶していた、などという荒唐無稽な「証言」を、裁判官たちは「信用できる」と言うのだ。そんな裁判官たちの判断を私たちは「信用できる」だろうか。

 そのうえで地裁決定は、「DNA型鑑定以外の状況証拠を総合すれば、事件本人(注;久間さん)が犯人であることについて、合理的な疑いを超えた高度の立証がされていることに変わりはなく、新証拠はいずれも確定判決の認定に合理的な疑いを生じさせるものではない」と結論付け、再審請求を棄却した。

 さらに福岡高裁は18年2月6日、弁護団の即時抗告を棄却、最高裁も今年4月21日、「記録を精査しても、原決定(再審請求棄却決定)を取り消すべき事由は見当たらない」として、特別抗告を棄却する決定を行なった。

 弁護団は特別抗告で、2つの新証拠をめぐる論点だけでなく、高裁決定の憲法違反も指摘していた。福岡高裁の再審請求審では、裁判官3人のうち1人が、刑事裁判で死刑判決を出した一審・福岡地裁の審理に主任裁判官として参加していた。

 かつて自分が加わり死刑判決を出した裁判の再審請求に対して、ニュートラルな状態で審理に臨むことができるのか。裁判官は、もし再審請求を認めれば、自分が「無実の人に対する死刑」を命じた事実に直面することになる

 弁護団は特別抗告で、「これは憲法37条が定める〈公平な裁判を受ける権利〉に反する」と指摘し、憲法違反を主張したが、最高裁決定はこれについて判断を示さなかった

 この決定について、徳田弁護士は「決定文はわずか6ページ。ほとんど何も書いていないに等しく、これでは分析のしようもない。特別抗告から3年も経っており、最高裁は特別抗告を正面から受けとめて真摯に検討していると思っていたのに、弁護団の申立てに対してほとんど判断を回避した」と憤りをこめて批判した。

 それでも徳田弁護士は、第1次再審請求の到達点として、次の2点を挙げた。

 第1に、DNA型鑑定で久間さんの型が全く検出されなかったことが明らかになり、有罪判決の証拠の主たる柱の1つが破綻したこと。第2に、T目撃証言が捜査員に誘導されたものであることが明らかになり、その信用性が徹底的に揺らいだこと。

 それに、第2次再審請求では、警察が握りつぶしてきた真犯人につながる新たな目撃証言が加わる。この強力な新証拠を前に、裁判所は、司法が犯した「冤罪死刑」という取り返しのつかない過ちに目を逸らし続けることができるだろうか。(続く)

Last modified on 2021-09-15 11:03:30
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http://www.labornetjp.org/news/2021/0915yama

●山口正紀の「言いたいことは山ほどある」(2021/9/15不定期コラム)
検察による口封じ殺人? 死刑執行された冤罪――「飯塚事件の再審を求める東京集会」(オンライン)から(下)

 久間三千年(くま・みちとし)さんの死刑執行は、「口封じのための国家殺人」ではなかったか――「飯塚事件」の再審実現を目指して開かれたオンライン集会(9月4日)で、この事件の捜査をめぐり、「真犯人の目撃証言無視という新たな疑惑が指摘された。弁護団は7月に申し立てた第2次再審請求で「事件当日、被害少女2人と真犯人と思われる人物を目撃した」というKさんの証言を新証拠として提出した。驚くべきことにKさんは事件直後、犯人に直結するこの目撃を警察に通報したのに、福岡県警はこの決定的証言を調書も取らずに握りつぶしていた。事件発生から29年ぶりに浮上した真犯人の影。久間さんに対する見込み捜査に突っ走っていた警察は、「冤罪による死刑」だけでなく、みすみす「真犯人を逃がす」というもう一つの重大な罪も犯していた疑いが濃厚になった。


●「今にも泣きだしそうだった少女の顔」――鮮烈な29年前の記憶

 集会では、徳田靖之弁護士に続き、再審弁護団主任弁護人の岩田務弁護士が第2次再審請求の新証拠と第2次再審請求の課題について報告した。

 新証拠は、福岡県内に住む男性Kさん(72歳)が、「事件当日の1992年2月20日午前11時ごろ、飯塚市内の八木山バイパスを走行中、後部座席に小学生の女児2人を載せたワンボックスタイプの軽自動車を目撃した」という証言だ。

 その現場は、女児2人が行方不明になった場所に近接した場所。Kさんが弁護士に行なった陳述によると、問題の軽自動車は制限を下回る時速40キロ以下でノロノロ運転していた。その後ろについてイライラしていたKさんは、登坂車線で軽自動車を追い越す際、「こんな迷惑な運転をするのはどんな奴か」と思って運転席を見た。すると、「自分より少し若いくらい(30~40歳)の色白で坊主頭、細身の男性」が運転しており、後部座席には「オカッパ頭でランドセルを背負った女の子」が乗っていた。また、後部座席には「もう1人、女の子が横になっていて、その横にもランドセルがあった」――。

 しかし、Kさんはなぜ、そのような30年近くも前の古い記憶をはっきり覚えていたのか。そしてなぜ、今ごろになって「証言」することにしたのか。当然、検察側は突っ込んでくる。これについて岩田弁護士は、①記銘②保持③想起――の3点から説明した。

①〈記銘〉=なぜ記憶に残ったか。理由は、非常に強い印象を受けた出来事であったこと。後部座席に乗っていた女の子は「うらめしそうな」「うらさびしそうな」「今にも泣きだしそうな」表情をしていた。その異常な表情とともに、平日昼前の時間帯にランドセルを背負った子どもが車に乗っているのを不審に感じ、「誘拐ではないか」という思いを抱いた。さらにその夜、「飯塚市内で少女2人が行方不明」というニュースが流れ、「自分が見たのは行方不明の少女たちではないか」と思い、翌朝110番通報して目撃内容を伝えた

②〈保持〉=なぜ記憶を保ち続けたか。110番通報の1週間後、刑事が来て事情聴取を受け、目撃内容を詳細に説明した。ところが、刑事はメモをしただけで供述調書は取らず、その後何の連絡もしてこなかった。しかし、自分が目撃したのは被害少女と真犯人だと確信し、3年後の第1回公判を傍聴して直接確認した。すると、被告人は自分が目撃したのと全くの別人で驚いた。ただ、「DNA型鑑定が一致した」という検察官の冒頭陳述を聞き、自分が目撃した車は事件に関係がなかったのか、と思い直した。

③〈想起〉=なぜ今回、その目撃を思い出したのか。その後も事件について関心を持ち続けていた。2019年、『西日本新聞』が飯塚事件に関する特集記事を連載した。その中に、「DNA型鑑定が崩れた」という記事があり、「それなら、やはり自分が見たのは犯人だったに違いない」と思い、『西日本新聞』に連絡した。それが記事になり、徳田弁護から連絡があって、新証拠となる詳細な陳述書が作成された。その中で、弁護士にこう訴えた――「あの女の子の恨めしそうな表情が28年間、私を離してくれなかった」。


●第2次再審請求で問い直される「T供述」の信用性

 岩田弁護士は「Kさんが目撃したのが犯人であれば急転直下、真犯人の存在とともに久間さんの無実もはっきりする」と述べ、再審請求でK証言の果たす役割を解説した。

 K証言は、第1次再審請求の地裁決定がほぼ唯一の「証拠」とした「T供述」と真っ向から対立する。事件の2週間余り後、「不審なワゴン車を見た」と供述したT証言と、事件翌朝、「少女2人が乗った軽自動車を見た」と通報したK証言。2つの証言の信用性は表裏一体であり、K証言の信用性が強まれば、T供述の信用性は弱まる。

 しかも、T供述は犯行(被害少女)を直接目撃したものではなく、間接証拠に過ぎない。しかし、K証言は「被害少女2人を目撃した」というもので、直接証拠となる。

 この重要な手掛かりとなる目撃通報を受けた福岡県警は、直ちに捜査員を出して供述調書を取るべきなのに、1週間後に刑事が来てメモしただけで放置した。

 その一方、警察は久間さんに対する見込み捜査に走り、「久間=犯人」に合致する証拠集めに躍起になった。そうして作られたのが、「ワゴン車の詳しすぎる特徴」をはじめ、捜査員に誘導された痕跡が顕著なT供述だった。

 岩田弁護士は「第2次再審請求では、T供述の信用性が攻防の中心になる。全部目撃するのは不可能なほど膨大な情報を『目撃した』とするT供述を、裁判官は『誘導はなく、信用できる」と評価した。これをKさんの目撃証言を中心に、いろんな方向から崩していく。それが第2次再審請求の課題です」と報告を締めくくった。


●「久間三千年は無実です」――妻の悲痛なメッセージ

 岩田弁護士の報告に続き、再審請求人である久間さんの妻が集会に寄せた次のようなメッセージが紹介された。

 「久間三千年は無実です。私たち家族の幸せは、平凡な生活の中にあり、夫の優しさ思いやりは、日々の生活の中に満ちあふれていました。夫は一方的に犯人扱いされ逮捕、起訴され裁判にかけられました夫は終始一貫して無実を訴え続けてきました
 私たち家族は、夫を疑ったこともなく、理不尽な仕打ちを受けながらも夫が生かされていることだけを、心のよりどころとして、耐え続けてきました。突然の死刑執行に目の前が真っ暗になり何も考えられなく、途方に暮れました。
 無実を訴え続ける夫に殺人の汚名を着せて、命まで奪う国の法律があるとは、思ってもみませんでした。
 無実を訴え続け命まで奪われた夫の無念を晴らし名誉を回復するために再審請求をしましたが、最高裁での特別抗告も棄却されました。
 令和3年7月9日に、第2次再審請求をしました。
 どうしてなのでしょうか。終始一貫して無実を訴えている者の再審の審理は、無理なのでしょうか。すぐにでも裁判を受ける権利は平等にあるべきです。
 無茶なことを言っているのではなく、裁判が間違っているからやり直して欲しいと願っているだけです。公平な権利さえも与えられないのでしょうか。
 裁判所において、刑事裁判の目的は、「無罪の発見である」、被告人の人権保障にある。
 「百人の真犯人を逃がしても一人の無辜(むこ)を罰してはならない」とする考え方。
 刑事裁判は、憲法に保障されている人権を守るためにあると、ある書籍に書いてありました。このことを原点として裁判に臨んでいる裁判官もいらっしゃいます。
 検察官の職務についても「公益の代表者」と義務づけ、真相究明と同時に被告人の後見的役割を担う、とあり、法的用語や条文など解りにくいところは多いのですが、再審を願っているだけなのです。
 どうか、皆様方のお力添えを宜しくお願い致します。いつ、どんな時でも一人の人間が公平公正な裁きを受けられることを心から望んでいます。
 令和3年9月4日」


●「久間さんの無念を晴らす」――桜井昌司さんの連帯アピール

 続いて、布川事件冤罪被害者桜井昌司さんが連帯のアピールを行なった 「話を聞くたび、ひどい事件だと思います。東の足利、西の飯塚と言われ、DNA型鑑定で有罪にされた。しかし、久間さんは死刑が執行された何という国家だろうと思う。警察はなぜK証人にきちんと聴取しなかったのか。別の事件で警察は久間さんを疑っていたそうで、警察はひたすら有罪証拠をかき集めた。布川でも同じことがありました。

 T供述を検証した八丁峠の映像を見て思いました。現場は九十九折の山道で、道路の左側には溝があり、脱輪するかもしれない。そんな場所で、対向車がダブルタイヤだったなんてわかりっこない。こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか

 日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない

 再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です

 桜井さんは1967年に起きた布川事件で杉山卓男さん(故人)とともに無期懲役刑が確定したが、2011年に再審無罪をかちとった。8月27日、この冤罪の責任を問う国家賠償訴訟の控訴審で勝利し、国・県は上告できず9月10日、勝訴が確定した。桜井さんは13日に会見し、「54年間ずっと背負っていた冤罪の重荷を下ろすことができた」と話した。

 だが、桜井さんの闘いは終わらない。国賠訴訟の一審勝訴後、直腸がんが見つかり、食事療法でがんと闘っている。そうして、冤罪と闘う全国の「獄友」の雪冤のために東奔西走する久間さんの無念を晴らす。それも、桜井さんの大きな目標の1つだ。(了)

Last modified on 2021-09-15 11:00:47
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●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)

2021年04月28日 00時00分48秒 | Weblog

(20210425[])
時事通信の記事【飯塚事件、再審認めず 元死刑囚側の特別抗告棄却―最高裁】(https://www.jiji.com/jc/article?k=2021042300996&g=soc)。

 《福岡県飯塚市で1992年、小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で、殺人罪などで死刑が執行された久間三千年元死刑囚=執行時(70)=の再審請求審で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は23日までに、元死刑囚側の特別抗告を棄却する決定をした。21日付。再審開始を認めない判断が確定した》。

   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行』  

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

 酷いなぁ…。予想通り…(2018年06月18日)裁判官も含めて《司法》は意地でも非をを認めることはできないでしょうね、だって、「無罪の久間三千年さんを死刑」にしてしまっているのですから。「死刑のスイッチ」は既に押されてしまっています。いまや、取り返しようも無いのです。責任の取りようがない。最「低」裁というアタマも腐敗しきっています。《司法》が非を認めたとたんに、崩壊のスタートですから。決して認めないでしょうね。マスコミもダンマリ。
 アベ様には寛大なるご判断、一般市民には《あまりにも横暴》、冷酷な小池裕最高裁判事は大崎事件でも…再審するかどうかを延々と議論し、三度にわたる再審開始決定をちゃぶ台返しした方。

   『●大崎事件…再審するかどうかを延々と議論し、
      三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返し
    「まず、小池裕裁判長について。《小池裕氏は、NPO法人による
     森友学園問題で国側が持つ交渉記録等の証拠保全の申し立てについて、
     最高裁の裁判長として保全を認めなかった高裁判断を支持し、
     抗告を棄却した》方です。アベ様には寛大なるご判断、一般市民には
     《あまりにも横暴》、冷酷。「司法判断」としてもデタラメ」

 現在の最高裁裁判官は、アベ様の息のかかった方々ばかりだ、と言われています。

   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
    「【2017年最高裁判所裁判官国民審査】によると、以下の7名だそうです。
      ①小池裕
      ②戸倉三郎
      ③山口厚 
      ④菅野博之
      ⑤大谷直人
      ⑥木澤克之
      ⑦林景一
     …最後にもう一度、思い出そう…《はたしてこれらは、単なる偶然なのか
     つまり、安倍首相は最高裁人事まで私物化し、“オトモダチのオトモダチ”
     のために、ポストを用意してやったのではないか。そういう疑念が
     頭をもたげてくるのである》」

   『●「完全に司法に影響を与えようとする
     露骨な圧力にほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果
   『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁には
         もはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁
   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》
              核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
   『●《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている》…〝本土〟
       マスコミの無関心も相まってソレが沖縄では如実に表れ続けている

 青木俊@AokiTonkoさんと清水潔@NOSUKE0607さんのつぶやき:

- -  -   - -  -   - -  -   - -  -   - -  -   - -  -   -
https://twitter.com/AokiTonko/status/1385568659125334016

青木 俊@AokiTonko

〔同小法廷は、鑑定結果を証拠から除いた場合でも、元死刑囚が犯人であることへの高度の立証がされており…〕←ウソ
福岡高裁の「車の目撃証言は信用できる」も、ウソ

なぜウソかは事件について書かれた文献を読めばわかる。本でいえば、例えば「殺人犯はそこにいる」(清水潔

午後9:18  2021年4月23日
- -  -   - -  -   - -  -   - -  -   - -  -   - -  -   -

- -  -   - -  -   - -  -   - -  -   - -  -   - -  -   -
https://twitter.com/AokiTonko/status/1385577215102910468

青木 俊@AokiTonko

………
NNNドキュメントが実験をしている。目撃者の言うような状況で、車の側面のラインの色が識別できるか? 日大の教授が研究室のメンバーを率いて事件現場で科学的に実験した。結論は「不可能」。もちろん裁判所はこういう実験はしていない。

午後9:52  2021年4月23日
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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1385572625653526528

清水 潔@NOSUKE0607

当時のDNA鑑定が証拠能力失い、残るあの一瞬の車両の目撃証言で人一人が死刑になってしまったとすれば本当に恐ろしい
しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、国家による殺人を無かった事にする国家の強引さであろう。

午後9:33  2021年4月23日
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 ついでと言っては何ですが…桜井昌司さんについて:

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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1382664962091339780

清水 潔@NOSUKE0607

【放送告知】強盗殺人容疑で有罪判決を受け、罪を償わされてから冤罪が明らかになった男性をカメラが追いました。裁判の間違いを裁判所が認めるまでに38年。ようやく潔白を手に入れて今度は10年で末期がん宣告です。壮絶な人生を描くヒューマンドキュメンタリー。日曜日深夜です。

午後8:59  2021年4月15日
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https://twitter.com/n_docu/status/1382622646618050561

NNNドキュメント【公式】@n_docu

今度の #NNNドキュメント

「濡れ衣」
~闘い続けた余命一年~

制作:#日本テレビ
ナレーション:#石井康嗣

殺人の「濡れ衣」を着せられ「29年投獄」された男。闘い続け…ようやく「潔白」を手にした。しかし「がんで余命一年宣告」今度は病魔が男を襲う。

#布川事件 #桜井昌司 #冤罪 #清水潔
午後6:11 · 2021年4月15日
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 免田栄さん《朝は「針一本落としても聞こえるくらい静か今日も誰かが召されると思うと体がぎゅーっと緊張した」と目をつむった》そうだ。ましてや、飯塚事件久間三千年さんは…。《森雅子法相…回答はにべもなかった。「個々の事項については答えを差し控える慎重な検討を経て執行命令を発した」》。〝急いで〟久間さんの死刑を執行した、当時の法相は……「『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」: 無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」』…冤罪者を死刑! 警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうかか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?」

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https://www.jiji.com/jc/article?k=2021042300996&g=soc

飯塚事件、再審認めず 元死刑囚側の特別抗告棄却―最高裁
2021年04月23日17時26分

     (最高裁判所=東京都千代田区)

 福岡県飯塚市で1992年、小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で、殺人罪などで死刑が執行された久間三千年元死刑囚=執行時(70)=の再審請求審で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は23日までに、元死刑囚側の特別抗告を棄却する決定をした。21日付。再審開始を認めない判断が確定した

 久間元死刑囚は無罪を主張したが、遺体に付着した血液のDNA型鑑定や目撃証言などに基づき死刑が確定した。しかし、鑑定が再審無罪となった足利事件と同じ時期や手法で行われたことなどから、執行後の2009年、妻が「誤りがある」などと再審請求していた。

 同小法廷は、鑑定結果を証拠から除いた場合でも、元死刑囚が犯人であることへの高度の立証がされており、「確定判決に合理的な疑いは生じない」と結論付けた。

 福岡地裁は14年3月、鑑定について「単純に有罪認定の根拠にはできない」とする一方、試料が残っていないため再鑑定ができず、元死刑囚とDNA型が合致する可能性も十分にあると指摘。元死刑囚の車から女児と同じ血液型の血痕が検出されたことなどを理由に「高度の立証がされている」として請求を棄却した。

 福岡高裁も18年2月、遺留品の発見現場付近で「元死刑囚の車と似た車を見た」とする目撃証言の信用性を認め、元死刑囚側の即時抗告を棄却した。
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●免田栄さん《朝は「針一本落としても聞こえるくらい静か。今日も誰かが召されると思うと体がぎゅーっと緊張した」と目をつむった》

2021年01月22日 00時00分01秒 | Weblog

(2021年01月03日[日])
一瀬圭司記者による、西日本新聞のコラム【ある朝、突然死刑台に 一瀬圭司】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/675748/)。

 《改めて言うが、国がどんな基準でその順番を決めているのか、さっぱり分からない。冤罪(えんざい)の可能性を慎重に判断しているつもりかもしれないが、人選が正しいかは検証不可能である》。

 免田栄さん《朝は「針一本落としても聞こえるくらい静か今日も誰かが召されると思うと体がぎゅーっと緊張した」と目をつむった》そうだ。ましてや、飯塚事件久間三千年さんは…。《森雅子法相…回答はにべもなかった。「個々の事項については答えを差し控える慎重な検討を経て執行命令を発した」》。〝急いで〟久間さんの死刑を執行した、当時の法相は……「『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」: 無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」』…冤罪者を死刑! 警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうかか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か?
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か?
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                  無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●死刑存置賛成派と飯塚事件
    「死刑存置がこんなに多い国って他にあるのか? 
     「死刑容認85%って本当?」 フランスかどこかでは1件の無実者の死刑で、
     死刑廃止を決断した、と聞いた。我国は、飯塚事件の久間三千年さんに
     どう責任を?」

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の
       再鑑定で死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
      飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
    《◆世論の過半は死刑賛成 時の法相だったロベール・バダンテール
     弁護士の回想録「そして、死刑は廃止された」(藤田真利子訳、
     作品社)が、その経緯を教えてくれます。…逆に、ミッテラン氏は
     「世論の過半は死刑に賛成ですが私は良心に基づいて死刑に
     反対します」と、姿勢を鮮明にしたのです》

 《裁判員として市民が死刑判断に加わる時代》…《死刑のスイッチ》を押させられる恐ろしい時代に。

   『●無残!……『朝日』は、素人に《人を裁くという経験を通じ、
               死刑と向き合い、是非を考え》させたいらしい
   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~
   『●「裁判員制度」の下での「死刑制度」存置支持
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
   『●裁判員制度下で少年死刑判決
   『●裁判員の心を慮る・・・
   『●そのスイッチを押せない
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(1/2)
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(2/2)
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
   『●なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を押させる
      必要があるのか、さっぱり理解不能…国は一体何を意図?
   『●死刑で何か解決しますか? なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を
             押させる必要が? 「鏡」に映る姿を見なくていいの?

=====================================================
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/675748/

ある朝、突然死刑台に 
一瀬圭司
2020/12/22 11:00


 クリスマスソングが街にあふれるこの時期、法務省の担当記者は毎朝身構える。近年、歳末の死刑執行が恒例となりつつあるからだ。昨年は仕事納めの前日、福岡一家4人殺害事件(2003年)の中国人死刑囚の刑を執行した。

 なぜこの時期なのか。中国人死刑囚の刑死を発表する森雅子法相の記者会見に出席したが、回答はにべもなかった。「個々の事項については答えを差し控える慎重な検討を経て執行命令を発した」

 そもそも国は死刑制度自体の情報開示に消極的だ。「死刑囚の心情の安定」が理由とされる。10年に東京拘置所の刑場を報道機関に公開したものの、執行する死刑囚の選び方や処遇の実態はベールに包まれたままである。

 一端を知りたいと数年前、免田栄さん=5日死去、享年95=を福岡県大牟田市の自宅に訪ねた。獄中で34年を過ごし、死刑囚として戦後初めて「死刑再審」で無罪を勝ち取って30年が経過していた。

 当時87歳、かつては険しかったであろう眼光が柔和になる一方、拘置所での記憶は鮮明だった。執行は朝、突然告知されるのが通例。だから朝は針一本落としても聞こえるくらい静か今日も誰かが召されると思うと体がぎゅーっと緊張したと目をつむった。

 「刑務官も人間。死刑囚を連れて行くときの表情は真っ青で、ろう人形みたいやった」。前日までに執行を告知していた時代があり、1975年に隣の舎房にいた死刑囚が執行前日に自殺したことで当日朝の告知に変更された、とも。「生き証人」の体験から、ともすれば無機質に遂行されているようにも感じられる執行の現実を垣間見た。

 現在、執行は法定の「6カ月以内」をはるかに超えることが常態化。人選は官僚の起案とされるが、特定の人物について検討するよう指示したと証言する法相経験者もいた

 改めて言うが、国がどんな基準でその順番を決めているのか、さっぱり分からない。冤罪(えんざい)の可能性を慎重に判断しているつもりかもしれないが、人選が正しいかは検証不可能である

 社会に戻り37年、免田さんは裁判には誤判がつきまとうことを講演会や著書で訴えた。その間、幾度も司法制度は改革され、裁判員として市民が死刑判断に加わる時代になった。死刑に対する立場は種々あるにしても、市民間で議論するには情報があまりに乏しい。「人権だ、民主主義だと言いながら、取り残された最大の問題が死刑制度ではないか」。遺(のこ)した言葉は、変わらぬ国の「秘密主義」を問い続ける。 (社会部)
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●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政

2019年06月06日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【布川事件 国・県に賠償命令 「証拠開示拒否・警察偽証は違法」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000134.html)と、
蜘手美鶴記者による【「ウソや証拠独占冤罪生む」布川事件損賠判決 逮捕から52年 桜井さん捜査批判】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000121.html)。

 《一九六七年に茨城県利根町布川で男性が殺害された布川事件で、再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が国と県に計約一億九千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十七日、東京地裁であった。市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証を「違法」と認定》。
 《布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決一九七三年で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を促した》

 《桜井昌司さんと杉山卓男さんは冤罪で29年間も獄中に》。《市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証「違法」と認定。国と県に対し連帯して約七千六百万円を支払うよう命じた。市原裁判長は、これらの違法行為がなければ遅くとも控訴審で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高いと指摘した》。
 検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、逆に、証拠の捏造…行政がデタラメ。桜井昌司さん《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》と言います。そして、強大な権力には政治判断=忖度を乱発し、弱者には厳格・冷酷な司法判断…司法の堕落。そんな中で、《判決後に記者会見した桜井さんは「警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む踏み込んだ判決に感謝している」と評価》しておれる。また、《弁護団からは「画期的だ」との声が上が》った。
 《自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ》…他の冤罪事件にも波及することを望む。

 東京新聞の社説【布川事件に賠償 再審でも証拠開示を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019053102000176.html)によると、《再審無罪となった男性に対し、「国と県は賠償せよ」と東京地裁が命じた。一九六七年の布川事件(茨城)だ。検察に不利な証拠でも開示義務を指摘した点は大きい。再審でも同じルールが必要だ。母親が早く自白するように言っている」「被害者宅近くで目撃証言がある」-。取り調べでは事実と異なる供述の誘導があった。公判でも捜査官の偽証があった。検察官も証拠開示を拒否した。損害賠償を認めた根拠には、警察・検察側の不公正の数々が積み重なっている。何より判決が証拠開示の在り方について、「裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白なものは、被告に有利か不利かを問わず法廷に出す義務がある」と述べた意義は大きい。検察が合理的な理由がなく証拠開示を拒否することは、できないはずである手持ち証拠は基本的にすべて法廷に出すという規範が働くことが期待される。万一、証拠隠しが発覚すれば、賠償義務が生じることになるからだ。問題は再審のケースである。刑事訴訟法には、再審での証拠開示についての明文規定がない。検察側は再審では積極的に応じようとしない傾向があるし、訴訟指揮権も裁判官の裁量次第である。…近年の再審無罪のケースは、検察側の証拠開示が決め手になっている場合が多い。松橋事件(熊本)、東京電力女性社員殺害事件(東京)、東住吉事件大阪)…。新証拠が確定判決をゆるがせ、無罪に導いている。もはや全面的な証拠開示が必要なときだ。裁判員裁判の時代でもある。冤罪(えんざい)をこれ以上、生んではいけない

   『●『冤罪File(2010年3月号)』読了
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
    「…など職業裁判官の怠慢の例は
     数え上げたらきりがありません。ましてや、福岡事件西武雄さん
     飯塚事件久間三千年さんといった無罪な人を死刑・私刑にして
     しまった可能性(控え目に表現しています)さえあります。村木厚子さん
     志布志事件の裁判結果などは極々稀な例です」

   『●『冤罪ファイル(2010年10月号)』読了
   『●『検察に、殺される』読了
   『●布川事件の記録映画、・・・そして、・・・・・・・・・
    《布川事件、再審無罪 発生から44年 水戸地裁土浦支部 2011年5月24日》

   『●冤罪だらけ: 裁判官の目は節穴か?
   『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚
   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●東電OL殺人事件元被告マイナリさん、
        冤罪15年間への償いはできるのか?
   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                     ・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず
   『●またしても裁判所は機能せず、闘いは高知高裁へ:
          高知白バイ「冤罪」事件、地裁が再審請求を棄却
   『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
            『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
       刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●刑事訴訟法の「改正」どころか、警察・検察に、
             司法取引と盗聴拡大という「追いゼニ」
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 廃止か?」
               …話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
    《狭山事件…で逮捕され、31年も獄中生活を余儀なくされた石川和雄さん
     だけでなく、「冤罪オールスターズ」と呼びたくなる面々が集まっていた。
       67年、茨城で起きた「布川事件」の強盗殺人犯とされ、29年も刑務所に
     ブチ込まれた桜井晶司さん(2011年、無罪が確定)。66年、一家4人が
     殺害された「袴田事件」で犯人とされ、48年も獄中に囚われていた
     袴田巌さんの姉・秀子さん。そして90年、栃木で起きた「足利事件」で
     女児殺しの犯人にでっち上げられて17年を獄中で過ごした菅家利和さん
     (2010年、再審で無罪が確定)》

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
    《直後には東京地検特捜部でも捜査報告書の捏造事件が発覚し、
     加えて足利事件布川事件といった重要事件での冤罪が相次いで
     判明したため、検察に対するメディアや世論の批判はかつてないほど高まった》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000134.html

布川事件 国・県に賠償命令 「証拠開示拒否・警察偽証は違法」
2019年5月28日 朝刊

     (国家賠償を命じる判決を受け、記者会見する桜井昌司さん
      =27日午後、東京都千代田区で)

 一九六七年に茨城県利根町布川で男性が殺害された布川事件で、再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が国と県に計約一億九千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十七日、東京地裁であった。市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証「違法」と認定。国と県に対し連帯して約七千六百万円を支払うよう命じた。

 市原裁判長は、これらの違法行為がなければ遅くとも控訴審で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高いと指摘した。

 判決で市原裁判長は、県警の警察官が取り調べ段階で桜井さんに、母親が早く自白するように言っている被害者宅近くで桜井さんを見たという目撃者がいる-などと発言した内容は虚偽で欺くような取り調べ手法は違法と判断。ほかにも供述の誘導があり、「限度を超えた取り調べがあった」と非難した。警察官が取り調べを録音したテープの存在を隠し、公判で偽証したとも批判した。

 検察官の証拠開示の在り方については、「裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白なものについては、被告に有利か不利かを問わず法廷に出す義務がある」と指摘。その上で、控訴審段階で弁護側が、目撃者に関する捜査報告書や別の目撃証言を巡る参考人調書などの開示を求めたにもかかわらず、検察側が開示を拒絶したのは合理的理由はなく、違法だとした。

 桜井さんには既に、拘束された二十九年分の刑事補償として約一億三千万円が支払われたが、判決は控訴審判決時点から損害が発生していたと認定し、刑事補償額を差し引いた七千六百万円の支払いを命じた。

 判決後に記者会見した桜井さんは「警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む。踏み込んだ判決に感謝している」と評価した。


<水戸地検の横井朗次席検事のコメント> 判決内容を精査し上級庁などと協議した上で対応を検討したい。

<茨城県警の浅野芳徳監察室長のコメント> 判決内容を精査し今後の対応を検討する。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000121.html

「ウソや証拠独占冤罪生む」布川事件損賠判決 逮捕から52年 桜井さん捜査批判
2019年5月28日 朝刊

     (支援者らを前に、勝訴を報告する桜井昌司さん
      (前列、左から2人目)=27日、東京都千代田区で)

 布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決(一九七三年)で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を促した。弁護団からは「画期的だ」との声が上がり、桜井さんは捜査機関の在り方を批判した。 (蜘手美鶴

 「捜査官がウソを言い、検察官が証拠を独占するやり方が冤罪(えんざい)を生む。それが許されないのは当たり前。裁判所が踏み込んで認定してくれて感謝している

 判決後、弁護団と東京都内で記者会見した原告の桜井昌司さんは、逮捕から五十二年の「戦い」を振り返り、支援者の前でほっとした表情を見せた。捜査や公判の違法性が認められた点を挙げ、「検察官や警察官の個人責任を問う法律をつくるべきだ」と訴えた。

 桜井さんと同じ冤罪被害者も訴訟を支援した。大阪市の女児死亡火災で再審無罪となり、自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ。


<布川事件> 1967年8月、茨城県利根町布川の大工玉村象天さん=当時(62)=が自宅で絞殺され、県警は別の窃盗容疑などで逮捕していた桜井昌司さんと杉山卓男さんを強盗殺人の疑いで再逮捕した。2人は公判で無罪を主張したが、水戸地裁土浦支部は70年に無期懲役判決を言い渡し、78年に最高裁が上告を棄却して確定した。2人の再審請求に同支部は2005年、再審開始を決定。11年5月に無罪判決が言い渡された。
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●なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を押させる必要があるのか、さっぱり理解不能…国は一体何を意図?

2019年06月04日 00時00分13秒 | Weblog


東京新聞の記事【<91342人 裁判員10年>(2)死刑でよかったのか 37件 重くのしかかる命の判断】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052002000110.html)。

 《判決言い渡しから四年がたったが、「本当にあれでよかったのか」との思いが頭から離れない。死刑執行を伝えるニュースに触れるたびに、「自分も人を殺すのに加担したのではないかとの後悔がぶり返す》。

 なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を押させる必要があるのか、さっぱり理解できない。国の意図にまるまま乗せられていないか? 十分な審議時間を要する、死刑が予想されるような重大事件に何の知識も経験ももない〝素人〟裁判官を関わらせる意図が不明だ。国会議員が関わるような重要な刑事事件にこそ、参加させればよいではないか。

 沖縄タイムスの【社説[裁判員制度10年]市民の参加促す工夫を】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/422319)によると、《刑事裁判に一般市民の感覚を反映させる目的で導入された裁判員制度が21日で10年となる》。
 どこの社説も、裁判員制度に前向き過ぎて、不思議過ぎる。御用広報紙を使い、最高裁がやらせタウンミーティングまで開いて導入した裁判員制度だから?

   『●『つぶせ! 裁判員制度』読了
    《政府は、タウンミーティング(TM)という企画を主催し、…この中で、
     司法制度改革をテーマにした七回のうち六回までがシナリオ通りの
     やらせだったといいます…。…ほとんど、「平成田舎芝居」…》。
     「サクラの動員も」。
    《産経新聞は、…「裁判員制度全国フォーラム」(最高裁、
     産経新聞等の主催)で、一人当たり三〇〇〇円から五〇〇〇円を
     支払うことで計二四四人をサクラとして動員したが、…魚住昭氏が
     「最高裁が手を染めた『27億円の癒着』」(『月刊現代』平成一九年
     四月号)という記事で詳細にレポートしています。…産経新聞としては、
     最高裁から出る広告料金でサクラの動員費用を支払って余りある
     という計算があるらしい。ここまで来ると最高裁とマスコミの癒着ぶり
     よくわかります》

   『●善良な市民には関係ない??  
      死刑制度存置派驚異の8割の我国では全く揺るがず!?
   『●袴田冤罪事件を機に死刑制度の再考ができない我国
   『●「死刑のスイッチ」を強制する裁判員制度: 
      「やった人でないと、この苦しみは分からない」
   『●裁判員の心を慮る・・・
   『●シロウト裁判官の地獄…: 「裁判員の経験を
      話した親しい友人にこう問われた。「人を殺したのか?」」
   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 廃止か?」
              …話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン

〝素人〟に《死刑のスイッチ》(森達也さん)を押させるなんて…あまりに残酷だ。

   『●無残!……『朝日』は、素人に《人を裁くという経験を通じ、
               死刑と向き合い、是非を考え》させたいらしい
   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~
   『●「裁判員制度」の下での「死刑制度」存置支持
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
   『●裁判員制度下で少年死刑判決
   『●裁判員の心を慮る・・・
   『●そのスイッチを押せない
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(1/2)
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(2/2)
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない

 奇妙な論理の展開。
〝素人〟に裁判官をやらせると、冤罪が無くなるのか? 〝素人〟に《死刑のスイッチ》を押させることが民主主義? 《良き学校》?、冗談じゃない。
 東京新聞の記事【市民裁判員10年 民主主義を学ぶために】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019052002000154.html)によると、《<陪審制や参審制でも導入しない限り、わが国の刑事裁判はかなり絶望的である> 裁判官は捜査結果を追認するだけに終わり、それが冤罪(えんざい)の原因になっていると…。「真実を見抜く眼力を持っていると裁判官が考えるのは自信過剰」とも記した…◆人民のための学校だ 十九世紀のフランスの政治思想家トクヴィルは米国の陪審制についてこう記した。<人民の審判力を育成し、その自然的叡智(えいち)をふやすように役立つ(中略)無料の、そして常に公開されている学校のようなものである> 単なる裁判ではなく、民主主義を養う人民の学校であると看破した。日本の裁判員制度もまた同じであろう。長い歴史を持つ陪審と比べ日本はまだ十年だ。民主主義を成熟させる良き学校としたい》。
 また、【裁判員裁判10年 経験者が課題指摘 「貴重な経験できた」「人生を左右は重い」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201905/CK2019052002000148.html)によると、《判決後の心理的負担を訴える参加者もいた。六十代男性は「判決が下り、被告人とその家族は今どうしているのだろうか、と前橋に来る度に思い出す」と述べた。別の六十代男性は「人の人生を左右するのは重いと感じる」と明かした…前橋地裁では裁判員裁判で一八年十二月末までに百七十六人の被告に判決を下し、千四百三十八人が裁判員、補充裁判員に選任された。裁判員の辞退率は最初の〇九年が48・8%、一〇年は45・6%、一一年は54・1%。〇九年と一〇年は欠格事由に該当するとして呼び出されなかった人などが含まれるため単純比較はできないが、一八年は69・4%と過去最高だった》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052002000110.html

<91342人 裁判員10年>(2)死刑でよかったのか 37件 重くのしかかる命の判断
2019年5月20日 朝刊



【裁判員裁判で死刑判決を受けた人数
 (https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/images/PK2019052002100053_size0.jpg)】

 長い前髪の隙間から見上げる被告の目が、裁判員席をにらんでいるように見えた。でも、全く感情が読み取れない。反省しているのか、いないのか。親子三人が殺傷された強盗殺人事件。裁判官と裁判員の計九人で出した結論は死刑だった。

 愛知県小牧市の会社員男性(31)は二〇一五年二月、名古屋地裁で裁判員裁判に参加した。公判は結審まで十回あったが、中国人の被告はほとんど言葉を発しなかった。「命で償って」と極刑を求める遺族と、「より長く罪と向き合って」と無期懲役を望む被害者の元婚約者。「ちゃんと被告から話を聞きたい。時間が足りない」と思いながら判決の日を迎えた。

 判決言い渡しから四年がたったが、「本当にあれでよかったのか」との思いが頭から離れない。死刑執行を伝えるニュースに触れるたびに、「自分も人を殺すのに加担したのではないかとの後悔がぶり返す

 裁判員裁判の対象には、殺人など最高刑が死刑の事件が含まれる。最高裁によると今年三月末時点で、全国で三十七件の死刑が言い渡された。死刑求刑事件は「究極の判断が迫られる重大事件こそ、市民の視点を入れるべきだ」として対象になったが、「市民には負担が大きすぎる」との懸念が依然として根強い。

 東京都練馬区の不動産業、田口真義さん(43)は一〇年九月、東京地裁であった保護責任者遺棄致死事件の裁判員裁判に携わった。直面したのが、被告の人生を左右する判断を迫られ不安がる裁判員と、「私たちが間違えるわけがない」と言わんばかりの自尊心を見せる裁判官。田口さんは「人は誰だって間違えることはある。重大な事件こそ、市民の慎重な視点が必要」と考える。

 ただ、負担の大きさは否めない。裁判員経験者や弁護士でつくる市民団体「裁判員経験者ネットワーク」の牧野茂弁護士は、「死刑を言い渡した市民には、どうしても自責の念が生まれがちだ」と指摘。緩和するために、「死刑の評決要件を全員一致にするなど、条件をより厳しくすることで、苦痛を和らげることが必要だ」と提案する。

 強盗殺人罪に問われた中国人の被告は昨年十月、最高裁で死刑が確定した。「いつ執行されるか、恐怖にさらされているんでしょうね」と元裁判員の男性。制度導入後、既に裁判員に裁かれた三人が絞首台に送られている。「彼の刑が執行されても、そのニュースは絶対に聞きたくない
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●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行

2018年06月18日 00時00分15秒 | Weblog


西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の再審請求審 識者「公正さ疑問」】(https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/390048/)と、
【飯塚事件再審認めず 福岡高裁 「目撃証言信用できる」】(https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/392137/)。

 《福岡県飯塚市で1992年に女児2人が殺害された「飯塚事件」の再審請求を巡り、久間三千年元死刑囚=執行時(70)=を死刑とした一審福岡地裁判決(99年)に関与した柴田寿宏裁判官が、福岡高裁での再審請求即時抗告審の「結審」時に裁判体裁判官3人で構成加わっていたことが分かった。一審や二審の裁判官が再審請求審に関わっても違法ではないとした最高裁判例があるが、識者は「一審判決を書いた裁判官の関与は公正さに欠け、避けるべきだった」と疑問視》。
 《「飯塚事件」で、福岡高裁は6日、殺人などの罪で死刑が確定し、執行された久間三千年(みちとし)元死刑囚=執行時(70)=の再審請求を退けた福岡地裁決定を支持し、弁護側の即時抗告を棄却した。岡田信裁判長は、DNA型鑑定の証明力を事実上否定した一方で、目撃証言など他の状況証拠の信用性を認め元死刑囚が犯人であることが重層的に絞り込まれていると判断》。

 それにしても、滅茶苦茶がまかり通っていないか? しかも、滅茶苦茶な高裁決定。《岡田信裁判長は、DNA型鑑定の証明力を事実上否定》しておきながら、《目撃証言など他の状況証拠の信用性を認め元死刑囚が犯人であることが重層的に絞り込まれていると判断》…なんてあり得ない論理。物証も無く、判決後2年で「死刑」。しかも、久間三千年さんは終始無罪を主張していた。
 2008年10月16日に足利事件のDNA再鑑定が決定された時点で、久間三千年さんの死刑は停止されるべきだったはずで…でも、彼/彼女らは知らぬ顔で、無実を主張続けていた久間三千年さんをわずか10日程の後の10月28日に死刑執行。凄い人たちです。良心の欠片も無い。

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
       「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」

 裁判官も含めて《司法》は意地でも非をを認めることはできないでしょうね、だって、「無罪の久間三千年さんを死刑」にしてしまっているのですから。「死刑のスイッチ」は既に押されてしまっています。いまや、取り返しようも無いのです。責任の取りようがない。最「低」裁というアタマも腐敗しきっています。《司法》が非を認めたとたんに、崩壊のスタートですから。決して認めないでしょうね。マスコミもダンマリ。

   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
               飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行
  
    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                       無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

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https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/390048/

死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の再審請求審 識者「公正さ疑問」
2018年01月30日 06時00分

 福岡県飯塚市で1992年に女児2人が殺害された「飯塚事件」の再審請求を巡り、久間三千年(みちとし)元死刑囚=執行時(70)=を死刑とした一審福岡地裁判決(99年)に関与した柴田寿宏裁判官が、福岡高裁での再審請求即時抗告審の「結審」時に裁判体裁判官3人で構成加わっていたことが分かった。一審や二審の裁判官が再審請求審に関わっても違法ではないとした最高裁判例があるが、識者は「一審判決を書いた裁判官の関与は公正さに欠け、避けるべきだった」と疑問視している。

 即時抗告審の決定は2月6日に出される予定。

 柴田裁判官は95年2月に始まった飯塚事件の一審の審理に96年5月から加わり、99年9月に死刑判決を出した裁判官3人のうちの1人。福岡高裁によると、2017年4月に高裁に赴任し、飯塚事件の即時抗告審を担当する第2刑事部に5月末まで所属した。6月から職務代行裁判官として那覇地裁で勤務、9月にそのまま同地裁へ異動した。

 関係者によると、第2刑事部時代の昨年5月18日には検察側、弁護側との最終の3者協議に他の裁判官2人と共に出席。弁護団共同代表の徳田靖之弁護士が20分にわたり、有罪判決の根拠となった目撃証言などに信用性はないとする最後の意見陳述を行い、同日、岡田信裁判長が手続き終了を表明して事実上結審した。

 再審請求の審理は通常の公判とは違い非公開で実施。裁判体は3者協議で検察、弁護側双方から意見を聞いたり、証拠開示を勧告したりして、最終的な再審開始の可否を判断する。

 刑事訴訟法は一審や二審の公判を担当した裁判官が上級審の審理に関与することを禁じている。最高裁は59年、再審請求審はこの規定の対象外としたが、神奈川大の白取祐司教授(刑事訴訟法)は「75年の最高裁『白鳥決定』は、疑わしきは被告人の利益にという刑事裁判の鉄則は再審請求にも適用されると判断し、再審は無辜(むこ)の救済制度として生まれ変わった。59年の古い判例は見直されるべきだ」と指摘。今回のケースも「一審判決に関わった裁判官の心証は白紙でなく、再審請求審で中立公正な判断はできない」と批判した。

 福岡高裁は取材に対し、柴田裁判官の具体的な関与や審理の公正さへの影響について「個別の事件についてコメントしない」と回答。第2刑事部を2カ月で離れたことは「那覇地裁の裁判長の健康上の理由に伴うもの」と説明した。

 ◆飯塚事件 1992年、福岡県飯塚市で小学1年の女児2人=ともに当時(7)=が行方不明になり、同県甘木市(現朝倉市)の山中で遺体が見つかった。94年に殺人などの容疑で逮捕された久間三千年元死刑囚は無罪を主張。DNA型鑑定が有罪認定の根拠の一つとなり、2006年に死刑が確定、08年に執行された。元死刑囚の妻が09年に再審請求。福岡地裁は14年、DNA型鑑定は「直ちに有罪認定の根拠とすることはできない」としつつ「他の状況証拠で高度な立証がなされている」と請求を棄却。弁護側が福岡高裁に即時抗告した。

=2018/01/30付 西日本新聞朝刊=
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https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/392137/

飯塚事件再審認めず 福岡高裁 「目撃証言信用できる」
2018年02月07日 06時00分

 福岡県飯塚市で1992年に女児2人が殺害された「飯塚事件」で、福岡高裁は6日、殺人などの罪で死刑が確定し、執行された久間三千年(みちとし)元死刑囚=執行時(70)=の再審請求を退けた福岡地裁決定を支持し、弁護側の即時抗告を棄却した。岡田信裁判長は、DNA型鑑定の証明力を事実上否定した一方で、目撃証言など他の状況証拠の信用性を認め元死刑囚が犯人であることが重層的に絞り込まれていると判断した。弁護側は最高裁に特別抗告する方針。

 久間元死刑囚は捜査段階から一貫して無罪を主張。犯行を裏付ける直接的な証拠がない中、高裁は確定判決や地裁決定と同様に(1)被害者の所持品の遺棄現場で目撃された不審車と元死刑囚の車の特徴が一致(2)元死刑囚の車のシート繊維と、女児の服に付着した繊維の鑑定結果が符合(3)元死刑囚の車から被害者と同じ血液型の血痕と尿痕を検出-などの状況証拠を踏まえ「元死刑囚以外に、こうした事実関係のすべてを説明できる者が存在する可能性は抽象的なものにとどまる」とした。

 弁護側が「警察官の誘導があった」と主張した目撃証言については「誘導はうかがわれず信用性は揺るがない」と退けた。

 再審無罪となった「足利事件」と同じ「MCT118法」が使われたDNA型鑑定については「犯人と元死刑囚の型が一致したとも一致しないとも認めることはできない」と判断した上で「DNA型鑑定を除いても高度の立証がなされている」と結論付けた。


■適正、妥当な決定

 福岡高検の秋山実次席検事の話 即時抗告審においても検察官の主張が認められたもので、適正、妥当な決定であると考える。


■死刑判決の裁判官関与「憲法違反」 弁護団、特別抗告へ

 飯塚事件の再審開始を認めなかった福岡高裁決定を受け、会見した弁護団は6日、一審の死刑判決に関わった柴田寿宏裁判官が再審請求即時抗告審にも一時関与した問題について「公平な裁判を保障した憲法に違反する可能性がある」と指摘、特別抗告の理由とする方針を明らかにした。

 弁護団の徳田靖之共同代表によると、昨年5月に高裁で開かれた弁護側、検察側、高裁による最終の3者協議に柴田裁判官は名乗らずに出席したという。「公正でも適正でもない。その場で分かっていれば審理から外れるように求めていた」と批判。今回の決定について「一審の合議内容などが(柴田裁判官から)今回の高裁の裁判体に伝わっていたとすれば信用性が決定的に揺らぐ」と指摘した。

 高裁や弁護団によると、柴田裁判官は1999年の福岡地裁の死刑判決を出した裁判官3人のうちの1人。飯塚事件の再審請求を担当する福岡高裁第2刑事部に昨年4月から5月末まで所属し、9月に那覇地裁に異動した。

 飯塚事件 1992年2月、福岡県飯塚市で小学1年の女児2人=ともに当時(7)=が行方不明になり、山中で遺体が見つかった。94年に殺人などの容疑で逮捕された久間三千年元死刑囚は一貫して無罪を主張。福岡地裁は99年、DNA型鑑定などを根拠に死刑判決を言い渡し、2006年に最高裁で確定、08年に執行された。09年に妻が再審を請求。福岡地裁が14年に棄却、弁護側が即時抗告した。

=2018/02/07付 西日本新聞朝刊=
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●「死刑という刑罰」: 飯塚事件では「冤罪被害者」を死刑…「冤罪被害者」の命を、最早、償いようもない

2018年05月04日 00時00分02秒 | Weblog


レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 第239回/死刑映画週間『獄友』『白と黒』など8本を上映〜「死刑という刑罰」を考える】(http://www.labornetjp.org/news/2018/0216eiga)。

 《金聖雄(キム・ソンウン)監督の『獄友(ごくとも)』は、日本で起きた狭山袴田布川足利といったよく知られた殺人事件で長期拘束された5人の「冤罪(えんざい)被害者」に焦点を当てたドキュメンタリー。彼らはなぜウソの自白をしたのか、獄中で何があったのか? 互いに「獄友」と励まし合ってきたことなどが描かれる》。

   『●氷見事件(富山冤罪事件)の冤罪被害者のいま
                 ・・・「人生の歯車は狂ったまま」
   『●「人生の歯車は狂ったまま」:
       東京新聞・桐山桂一さん「冤罪とは犯罪よりも罪深い刑罰」

   『●名張毒ぶどう酒事件という冤罪
   『●「疑わしきは罰する」名張毒ぶどう酒事件、あ~っため息が・・・
   『●司法権力の〝執念〟:
           映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』

   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                     ・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず

   『●名張毒ぶどう酒事件第八次再審請求審:  
         検証もせずに、今度は新証拠ではないとは!
   『●「触らぬ神にたたりなし、ということなのか」?  
      訴えることが出来なくなるのを待つ司法の残酷さ!
   『●司法権力の〝執念〟: 映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』
   『●奥西勝冤罪死刑囚が亡くなる: 
        訴えることが出来なくなるのを待った司法の残酷さ!
   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                     ・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず

 例えば、氷見事件では、今も「人生の歯車は狂ったまま」だそうだ。
 例えば、名張毒ぶどう酒事件奥西勝さんは、訴えることが出来なくなるのを…冷酷。
 例えば、飯塚事件では、冤罪者・久間三千年さんを死刑・殺人・私刑。「冤罪被害者」の命を、最早、償いようもない。
 《安倍政権下での死刑執行は31》…だそうだ。

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、
       「この重すぎる現実」: 無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」

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http://www.labornetjp.org/news/2018/0216eiga

木下昌明の映画の部屋 : 死刑映画週間『獄友』『白と黒』など8本を上映


木下昌明の映画の部屋 第239回
死刑映画週間『獄友』『白と黒』など8本を上映〜「死刑という刑罰」を考える

 死刑って何だろう。なぜ廃止にならないのか。これまで映画でも絞首刑をはじめ、ガス室、銃殺、首に金輪をはめてネジで絞めあげるなどの数々の処刑を見てきたが、そんな残酷シーンに衝撃を受けても、いつしか忘れてしまう。

 死刑は世界的にみれば廃止に向かっている。隣国の韓国では20年間も執行されていない。が、日本をはじめ中国や北朝鮮はいまだに続いている。これでいいのか?

 「死刑という刑罰」を考える映画週間と銘打ち、8本の映画と8人の「語る人」によるイベントを2月17日に開催する。

 新作の金聖雄(キム・ソンウン)監督の『獄友(ごくとも)』は、日本で起きた狭山袴田布川足利といったよく知られた殺人事件で長期拘束された5人の「冤罪(えんざい)被害者」に焦点を当てたドキュメンタリー。彼らはなぜウソの自白をしたのか、獄中で何があったのか? 互いに「獄友」と励まし合ってきたことなどが描かれる。

 イスラエルの『スペシャリスト~自覚なき殺戮(さつりく)者』は、ユダヤ人を強制収容所に送り込んだナチスの親衛隊中佐アイヒマンの裁判記録。ここから哲学者ハンナ・アーレントが追究した‟凡庸”な悪の本質もあぶり出されてくる。

 中山節夫監督の『新・あつい壁』は、ルポライターの主人公が、無実なのに死刑にされた男の事件を追った劇映画。

 堀川弘道監督の『白と黒』は1963年と旧作ながら面白い。死刑廃止論者の弁護士が妻を殺されたのに犯人の弁護を買ってでる――犯人像が二転三転するミステリー。そこから何がみえてくるのか?

 その他『プリズン・エクスペリメント』『HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話』『弁護人』『ヒトラーへの285枚の葉書』など。『ヒトラー……』にはギロチンがちらりと出てくるが、胸にぐさり――。これらの作品を素材に金聖雄、鵜飼哲(さとし)、黄英治(ファン・ヨンチ)、坂上香、森達也、佐藤慶紀、太田昌国氏らが語る。

 ちなみに安倍政権下での死刑執行は31人。(『サンデー毎日』2018年2月25号)

※2月17日~23日東京・渋谷ユーロスペースにて。問い合わせ03-3461-0211

〔追記〕『ヒトラーへの285枚の葉書』についてわたしが語ることになりました。改めて見直すと、死刑がどうのの問題を超えて、なかなか奥行の深い作品で、考えさせられました。
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●冷酷な司法…【NNNドキュメント’18/あたいはやっちょらん 大崎事件 再審制度は誰のもの?】

2018年05月01日 00時00分06秒 | Weblog


NTVのテレビ【NNNドキュメント’18/あたいはやっちょらん 大崎事件 再審制度は誰のもの?】(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-82.html)。

 《原口アヤ子さん(90)。…出所後「自白は強要されたものだ」と主張した。原口さんが再審を求めて22年。…再審制度の目的は「罪のない人の救済」。だがなぜ再審は始まらないのか。制度の在り方を問う》。

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」
         /『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「山口正紀さん【裁判長の訴訟指揮も報じるべきだ 大崎事件再審請求】、
     「冤罪は警察・検察だけで作られるものではない。…
     マスメディアにも責任…。だが、だれより責任の重いのが、
     無実の訴えに耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう」」

   『●知らなかった冤罪事件: 鹿児島大崎事件
   『●「飯塚事件」「福岡事件」「大崎事件」
       ・・・・・・に係わる弁護士たちで『九州再審弁護連絡会』発足

   『●「あたいはやっちょらん」の叫び!…
      「だれより責任の重いのが…でっち上げを追認した裁判官」
    《「やってないものは、やってない」-。殺人罪で服役した原口アヤ子さんは
     一貫して無実を叫んだ。その願いは第三次の再審請求でやっと重い扉を
     開けた。裁判所は早く無実を認めるべきである》。
    「《あたいはやっちょらん》…《だれより責任の重いのが…
     でっち上げを追認した裁判官》、《鹿児島地裁は証拠開示を認めず、
     原口さんの無実の訴えに再審の重い扉を開くことはなかった》。
       年老いた原口アヤ子さん…。無慈悲な司法、長年月に渡る放置
     というか見殺し。司法の「」だ…《原口さんは既に九十歳。三審制でも
     過去二回の再審請求でも救えなかった。司法界の恥と刻まれる》」

   『●39年間「あたいはやっちょらん」、
     一貫して無実を訴えてきた90歳の原口アヤ子さんに早く無罪判決を

    《重い再審の扉が大きく開き、光が差し込んだ。「大崎事件」の
     第3次再審請求即時抗告審。昨年6月の鹿児島地裁決定に続き、
     福岡高裁宮崎支部も再審開始を認めた12日、弁護団や
     支援者たちは喜びに包まれた。逮捕から39年一貫して無実
     訴えてきた原口アヤ子さんも今は90歳で、残された時間は限られる。
     「命あるうちに無罪判決を」。願いは今度こそ届くのか-》

 逮捕から39年間の「あたいはやっちょらん」の叫び!…「だれより責任の重いのが…でっち上げを追認した裁判官」。そして、今、《昨年6月の鹿児島地裁決定に続き、福岡高裁宮崎支部も再審開始を認めた》にも係わらず、なぜ再審は始まらないのか? 2回も再審開始を地裁が決めたにもかかわらず、検察の抗告がいたずらに時間を浪費し、有罪か無罪かを争うのではなく、再審開始かどうかをいつまでも争う。また、証拠を警察が独占し、場合によっては隠蔽している可能性すら指摘されている。
 冷酷な司法。警察・検察・裁判所は、原口アヤ子さんが「沈黙すること」を、冷酷にも、待っているのではないのか? 彼/彼女らは、自分たちがソレに加担しているという意識はないのか?
 冤罪者を死刑によって、「沈黙させて」もいる。飯塚事件では、決して再審は認められない…《司法権力の“執念”》。《再審制度の目的…「罪のない人の救済」》は、死刑後に達成されても…。
 原口さんは、かつて言っていたそうだ、「やっていない罪を受けて、死ぬことはできません」。

   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                     ・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず
   『●司法権力の〝執念〟: 映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』
    《別の意味で恐るべし、司法権力の“執念”

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                       無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」

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http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-82.html

2018年2月18日(日) 24:55
あたいはやっちょらん
大崎事件 再審制度は誰のもの?

1979年鹿児島県大崎町で男性が牛小屋の堆肥の中から遺体で発見された。逮捕されたのは義姉の原口アヤ子さん(90)。共犯とされた親族3人の自白が決めてだったが、出所後「自白は強要されたものだ」と主張した。原口さんが再審を求めて22年。鹿児島地裁は2度も再審開始の決定を出したが、検察側の不服申し立てに阻まれている。再審制度の目的罪のない人の救済。だがなぜ再審は始まらないのか。制度の在り方を問う。

ナレーター/湯浅真由美 制作/鹿児島読売テレビ 放送枠/30分

再放送
2月25日(日)11:00~ BS日テレ
2月25日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」
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●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」: 無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」

2017年11月24日 00時00分42秒 | Weblog


リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない? DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】(http://lite-ra.com/2017/09/post-3445.html)。

 《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》。


 本当に《死刑執行は正しかったのか》? 《足利事件で大きな批判を浴びているのに、死刑案件の飯塚事件まで冤罪が明らかになれば司法当局のメンツがもたないそのため臭いものに蓋をした》、《死刑執行で冤罪を隠蔽した》。
 飯塚事件の冤罪者・久間三千年さん。取り返しようのない手遅れ…冤罪者に死刑執行。一貫して無実を訴えていたにもかかわらず、「死刑判決からたった2年足らずの死刑囚に執行命令」が出されたこと、さらに、(足利事件について)「2008年10月16日にDNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべきだった」のに、同年10月28日に死刑が実施されたこと…あまりに酷すぎます。残酷すぎます。このNNNドキュメント’17では、《DNA鑑定の捏造》《警察による見込み捜査の疑い》も指摘。足利事件の杜撰なDNA鑑定が大騒ぎとなった当時、《足利事件を担当した佐藤博史弁護士で、取材に対し「足利事件と同様に、精度が低い鑑定で有罪が確定したのは全国で8人いる。現在の技術で、正しい判断をすべきだ」と話している》。
 久間三千年さんやご家族の皆さんは、一体どれほど無念だったことでしょうか。さらには、真の犯人を逃すことで、あるいは、冤罪者が死刑にされることで、被害者やそのご遺族に対しても大変な侮辱行為です。
 冤罪者を死刑! 警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうかか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か?
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か?
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン

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http://lite-ra.com/2017/09/post-3445.html

飯塚事件、なぜ再審を行わない? DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!
2017.09.10

     (日テレHPより)

 死刑が確定から30年以上収監された末に2014年に再審が決定した袴田事件、逮捕から17年にして冤罪が明らかになった足利事件……。これまで数多くの冤罪事件が起こってきたが、冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に福岡県で起こった「飯塚事件」である。
 そして、この飯塚事件にスポットをあて、冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ。
 話題となっているのには理由がある。番組では、裁判所が死刑と判断した数々の証拠を検証し、それらに大きな疑問があることをことごとく指摘警察による見込み捜査によって犯人に仕立て上げられついには死刑を執行された疑いが濃厚であることを告発したのだ。
 まずは事件のあらましを紹介しよう。この事件はいまから25年前の1992年2月20日に起こった。福岡県飯塚市の小1女児2人が登校中に行方不明になり、翌日遺体で発見される。捜査は難航したが、2年7カ月後に逮捕されたのが近所に住む久間三千年氏だ。
 久間氏は一貫して無実を主張。一方、確固たる直接的な証拠がないなかで、99年に福岡地裁は死刑判決を下す。だが、それは数々の状況証拠を積み重ねただけのものだった。
 たとえば、久間氏にアリバイがないことや、久間氏の車内座席から微量の血痕と尿痕が検出され、血液型が被害者の1人と一致したこと。被害者に付着した繊維片が久間氏の車座席シートと類似していること。また、被害者のランドセルなどが発見された場所での目撃された車の特徴が、久間氏が所有するワゴン車の特徴と一致したこと。そして、被害者の遺体から見つかった血液によって血液型とDNA型が判明したが、それが久間氏と一致したこと。これが有罪判決の何よりの決め手とされた。
 そうして2006年10月に最高裁で死刑は確定。わずか2年後2008年10月28日久間氏の死刑は執行される。
 問題は、この死刑執行のタイミングだ。じつは2008年1月に今回のドキュメントのチーフディレクターでもある清水潔氏が中心となり、日本テレビが足利事件の犯人として無期懲役が確定していた菅谷利和氏の冤罪報道キャンペーンを開始し、同年12月19日東京高裁は足利事件のDNA型再鑑定をおこなうことを決定した。だが、10月17日の段階から再鑑定の方針はマスコミで報じられ、大きな話題となっており、菅谷氏と同様、当時の精度の低いDNA鑑定の検査法「MCT118」法によって犯人のDNA型と一致したことが有罪の理由とされ、死刑が確定していた久間氏にも注目が集まろうとしていたにもかかわらず足利事件のDNA型再鑑定の方針が報じられて約10日後というタイミングで、久間氏の刑は執行されたのだ。


DNA鑑定の誤りは、意図手的な証拠捏造だった可能性も

 これについては当時から「足利事件で大きな批判を浴びているのに、死刑案件の飯塚事件まで冤罪が明らかになれば司法当局のメンツがもたないそのため臭いものに蓋をしたのではないか」「死刑執行で冤罪を隠蔽した」といった批判や疑惑が指摘されていた。
 実際、久間氏の死刑執行から約8カ月後の2009年6月に菅谷氏が釈放されると、DNA型鑑定に注目が集まった。しかも、菅谷氏と久間氏のDNA型鑑定は検査法が同じだっただけではない。「じつは飯塚事件と足利事件のDNA鑑定は、科学警察研究所同じ技官同じ方法でおこなっていた」というのである。
 技官も方法も同じさらには検査時期もほぼ同じ。つまり、足利事件と同様、飯塚事件のDNA鑑定も誤りがある可能性が高いということだ。
 また、裁判で証拠として提出されたDNA型鑑定のネガフィルムが意図的に切り取られておりカットされた部分には久間氏でも被害者でもないまったく別のDNAが存在していたことが明らかになっている。その上、弁護団側がおこなった再鑑定でも、犯人と久間氏のDNA型は一致しなかった
 絶対的証拠だったはずのDNA型鑑定が間違っていた可能性だけでなく、意図的な捏造疑惑が浮上している飯塚事件。そして死刑執行後の2009年、久間氏の妻が異例の再審請求をおこなうが、2014年に福岡地裁はそれを棄却。その理由は驚くべきものだった。

   「(DNA鑑定は)『鑑定結果を直ちに有罪認定の根拠とすることは
    できない』として、事実上、証拠から排除したのである」「それでも
    裁判所はDNA鑑定を排除しても、それ以外の状況証拠で判決は
    正しかったと結論づけた」

 決定打とされたDNA型鑑定は証拠から外すが、再審は行わない──都合の悪いことは“なかったことにする”。これを欺瞞と言わずしてなんと言おう。しかも、すでに犯人とされた者が国家によって死刑が執行されている重大案件なのだ。番組では、久間氏の妻が「最初はDNA鑑定が一致したとして逮捕されたのだから、そのDNA鑑定が一致していないということであればこれは犯人でないということなんですよね。だから、そこがすごくおかしいと思いました」と強く怒りを訴えているが、その通りだろう。

 だが、DNA鑑定の結果が排除されても、まだ疑うべき重要証拠はある。血液型だ。当初、遺体から発見された血液は被害者と犯人の混合血液で、警察はこれをB型と断定。久間氏の血液型もB型だ。しかし、弁護団の鑑定ではAB型だという結果が出たのだ。

 また、「久間氏の車内座席から検出された血痕の血液型が被害者の1人と一致した」という証拠についても、弁護団は「血痕の血液型は久間氏の家族とも一致する」と主張。「被害者に付着した繊維片が久間氏の車座席シートと類似している」ことも、「シート繊維の鑑定は全種類の車でおこなったわけではなく久間氏の車しか対象にしていない結果」でしかない。


目撃証言にも、警察による誘導の疑いが

 そして、目撃証言にも重大な疑惑がある。被害者の遺留品が見つかった場所で目撃されたワゴン車と人物の特徴が一致したことで久間氏が捜査線上に浮上したが、一瞬、車ですれ違っただけのその目撃談は、日を追うごとに詳しくなっていったのだ。
 目撃者の証言が得られたのは事件から11日後のことだったが、最初は「紺色のワゴン車」としか話していなかった。それが事件から13日後には「紺色ボンゴ車で後輪はダブルタイヤ」と言い、18日後には「ガラスにフィルムが貼ってあった」と追加された。それは、まるで久間氏の車の特徴に寄せていっているかのような証言だ。さらに番組では、注目すべき点は目撃者が「車はトヨタや日産ではない」「車体にはラインが入っていない」と語っていることだとする。
 久間氏の車には、銀色の細いラインが入っている。しかし、番組の調査によると、もともと久間氏が所有していたワゴン車は銀色のラインだけではなく黄色とオレンジ色のラインが入っているもの。久間氏はこの派手なラインを剥がし、銀色のラインが残った状態で乗っていたのだ。目撃者はこの銀色のラインが残った状態の車を目撃したことになるが、そのため番組は、「黄色とオレンジのラインの存在を知らなければ、銀色のラインを無視して『ラインはなかった』という証言はできないのではないのか」と疑問を呈する。
 しかも、こうした疑問を裏付ける当時の捜査資料を入手。こんな疑惑も明らかにしている。

   「事件の日から18日後、警察は目撃者A氏の目撃調書を作成した。
    これによって久間氏に捜査の的を絞ったはずだった。ところが、
    A氏の目撃調書をつくる2日前に捜査員自ら久間氏の車を
    確認していたという。その日の捜査資料には、すでに
    『車にラインはなかった』などの特徴が書かれていたのだ」

 ようするに捜査員は、あらかじめ黄色とオレンジのラインが剥がされていたということを知っていた、ということだ。さらにこの捜査員こそが、車の目撃者から聞き取りをおこない、調書を書いていたというのである。これは目撃証言を誘導した結果ではないのか
 ことごとく覆される重要証拠と、見込み捜査の疑い。しかし、肝心の久間氏の死刑はすでに執行されてしまっているこの重すぎる現実を突きつけるこの番組は、あらためて死刑は取り返しのつかない刑だと言われる所以を実感させられるものだった。そんななかで、足利事件をはじめ、桶川ストーカー殺人事件、南京事件など、徹底した調査報道でスクープを連発してきた清水ディレクターがこの問題を追求していることは、大きな救いだろう。
 無罪を訴え、最後まで刑務官に怒りを隠さなかったという久間氏その無念と、背後でおこなわれていた警察の卑劣な見込み捜査や証拠のでっち上げ、改ざん司法の闇に対する追求と真相解明を、今後も期待したい。

伊勢崎馨
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