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●東京電力核発電人災、なぜ国の責任は認めないの? 町役場を埼玉県に移転させた井戸川克隆前双葉町長が、国と東京電力に個人として賠償を求めた裁判

2025年08月18日 00時00分58秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14年/遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]


(2025年08月02日[土])    [Hatena Blog『日々読学』]
井戸川克隆前町長、《国と東京電力に個人として賠償を求めた裁判…国の責任については認めませんでした》。なぜ? (NHK)《判決のあと、井戸川前町長は「原子力行政の欠陥で双葉町民は避難を余儀なくされたのに、国の責任はないと言い切ったこれほどひどい判決はなく、残念だ」と話していました》。
 ちなみに、東京地裁の阿部雅彦裁判長は…《「NHKから国民を守る党」(立花孝志党首、N国)について、X(旧ツイッター)で「反社会的カルト集団」などと投稿したのは名誉毀損(きそん)だとして、N国が投稿者に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(阿部雅彦裁判長)は27日、N国の請求を棄却する判決を言い渡した》(アサヒコム)。

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
       “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
    「リテラのエンジョウトオルさんによる記事【3.11に改めて問う
     安倍首相の罪! 第一次政権で福島第一原発の津波、冷却機能喪失対策を
     拒否した張本人だった】」

   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
    「「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、
     最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も
     同意見なの? 正気なのかな?
     苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

   『●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」
     幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)
   『●最「低」裁の無残な判決…《裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこない
      という想像力のなさを「予見できない」とした裁判官の想像力のなさ…》
   『●《原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を
     講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を…》
   『●最「低」裁…東京電力《旧経営陣の無罪が確定…強制起訴を実現させた市民は
      最高裁の判断に落胆し、今も避難を続ける被災者らは憤りをあらわにした》
   『●【<ぎろんの森>社説に込めた「原発止める」】《大震災や原発事故を忘れ
     ないという「正しいしつこさ」…私たちは原発の稼働を止めることはできる》
   『●《かつてない甚大な被害を引き起こし、多くの人間を被曝させ、人生を狂わ
      せた責任を、最も罪の大きい経営陣に負わせない決定》を最「低」裁がした
   『●木納敏和裁判長は《計13兆円超の支払いを命じた一審東京地裁判決を取り
    消し》…《「大川原化工機」…相嶋静夫さん…死亡》でも遺族側の控訴を棄却
   『●『決断 運命を変えた3・11 母子避難』上映会《社民、立憲、共産、れいわ、
     無所属の議員が駆け付けたが、復興などと軽々に言う議員は1人もいなかった》
   『●《まるでゾンビ映画のような「原発神話」の復活劇、フクシマの「忘却宣言」》、
      東電は福島を「原状回復」したのか? 「政治判断」しかしない司法の絶望


 何も解決していない東京電力核発電人災、それにしても、最「低」裁を頂点とした司法、判決が酷過ぎないか? アベ様亡き後も、何故に司法判断を放棄し、政治判断を乱発するのか?

   『●「二〇年後の日本を考えよう」
     『週刊金曜日』(2012年12月14日、924号)についてのつぶやき
    《聞き手鎌田慧さん、全町が避難区域の
     「福島県双葉町井戸川克隆町長に聞く」「1000年以上かけた町、
     1000年かかっても復興させる」》

   『●「九電本店前ひろば」が1000日目を越えた!
    《★ 井戸川克隆(前双葉町長) さん【1000日メッセージ】
     青柳様
     皆様の思いは国の代表者に通じると良いのですが、
     今は困難が増しております。
     これに国民の正しい声を皆さんとあげて行かないとドンドン
     暗くなります。
     戦争前夜と言う人がおりますがそのように思わないことが大切か
     と想います。
     国民の底力で諦めを追放しましょう。
     幸いに多くの国民が原爆・原発にNOと言っています。
     国は福島の事故の責任放棄にひたすら走っていますが国民が見て
     いますので悪だくらみは必ず失敗するでしょう。
     長崎、広島、そして福島と忌まわしい被ばくの記憶は繋がって
     しまいました。
     私は力の限り福島の子供達を放射能から避難させるために
     頑張って行きます。
     皆様には引き続きご指導をお願い致します。》

   『●「鼻血問題」: 「原発関連死」と「死の街」発言
   『●「鼻血問題」: 圧力に屈した「アベ様のNHK」
   『●東京電力原発人災鼻血問題: 風評被害に矮小化していて良いのか?
    (ourplanet)《「美味しんぼ」のマンガにも登場する井戸川克隆
     双葉町長は、政府が放射能による被ばくの情報を住民に伝えて
     いない点を指摘し、「福島を離れるか、離れないのかは、全ての
     情報を明らかにした上で、住民が個別に判断するべき」と話し、
     事故の責任させ問われていない現状こそが問題だと指摘した》

   『●東電核発電人災から8年:
     《11日の夜9時すぎには、東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》
    (日刊ゲンダイ)【私が見た「平成」/前双葉町長が語る 地震当日
     夜9時に東電社員とその家族は…】《井戸川克隆さん(72)は、
     当時の双葉町長。…実は、後で分かったことですが、11日の
     夜9時すぎには、東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って
     いなかった。いち早く社宅を出て、役場にいた社員も黙って消え
     去りましたそういう会社ですよ、東電は。現在、どこかで
     何食わぬ顔をして生きているんでしょうけど、ひどい話ですッ…
     “町長、限界ですよ”と。官邸や東電からは断片的な情報しか
     入らず、唯一警察官からもたらされたひと言が命を守る情報でした》

 NHKの記事【双葉町前町長 賠償求めた裁判 東京地裁 東京電力に賠償命じる】(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250730/k10014879311000.html)によると、《14年前の東京電力福島第一原発の事故で、町役場を埼玉県に移転させた福島県双葉町の前の町長が、国と東京電力に個人として賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所は「生活環境が基盤から失われ、精神的苦痛は大きい」として、東京電力に対し、およそ1億円の賠償を命じました。一方、国の責任については認めませんでした。…判決のあと、井戸川前町長は「原子力行政の欠陥で双葉町民は避難を余儀なくされたのに、国の責任はないと言い切ったこれほどひどい判決はなく、残念だ」と話していました》。

 烏賀陽弘道さんのつぶやき:

――――――――――――――――――――――――――――――――
https://x.com/ugaya/status/1950814150546088224

烏賀陽(うがや)弘道
@ugaya

判決、傍聴しました。写真右側の被告=東電・国には9人弁護士がいるのに、左側・原告の井戸川克隆・元町長は一人です一人で膨大な裁判書類を書いて、10年間東電・国との論争をされたということです。精神的賠償の一部約1600万円を認めさせたというのは実はすごいことです。

nhk.or.jpから…

午後4:01  2025年7月31日
――――――――――――――――――――――――――――――――

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250730/k10014879311000.html

双葉町前町長 賠償求めた裁判 東京地裁 東京電力に賠償命じる
2025年7月30日 14時57分

14年前の東京電力福島第一原発の事故で、町役場を埼玉県に移転させた福島県双葉町の前の町長が、国と東京電力に個人として賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所は「生活環境が基盤から失われ、精神的苦痛は大きい」として、東京電力に対し、およそ1億円の賠償を命じました。一方、国の責任については認めませんでした

14年前、双葉町の町長として原発事故の対応にあたった井戸川克隆前町長(79)は、事故で避難を余儀なくされ多額の損害が生じたとして、国と東京電力に個人として7億5000万円余りの賠償を求めました。

30日の判決で東京地方裁判所の阿部雅彦裁判長は「町から避難を余儀なくされ、生活環境が基盤から失われたいまだに自宅周辺の避難指示は解除されておらず、原告が被った精神的苦痛は大きい」と指摘し、自宅や土地の損害や慰謝料などとして、東京電力におよそ1億円の賠償を命じました

一方で、前町長側が「国の避難指示が遅れたため、大量に被ばくした」などと主張したことについては、「原告の避難状況に顕著な変化が生じたと認めるには足りない」として、国の責任は認めませんでした

判決のあと、井戸川前町長は「原子力行政の欠陥で双葉町民は避難を余儀なくされたのに、国の責任はないと言い切ったこれほどひどい判決はなく、残念だ」と話していました。
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●最「低」裁《2022年6月17日…4件の訴訟で「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」として国の賠償責任はないとする統一判断》

2025年08月13日 00時00分07秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14年/遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]


(20250713[])    [Hatena Blog『日々読学』]
最「低」裁、核発電に関する訴訟で政治判断を乱発。「避難者訴訟」、《最高裁は2022年6月17日、群馬や千葉県など4件の訴訟で「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」として国の賠償責任はないとする統一判断》(東京新聞)。これに尽きる…《「原発事故は国の責任」「司法の独立どこいった」「未来に誇れる判断を」…「今も大勢の人がふるさとに帰れず、汚染土の問題も解決されていないのに、事故の風化を感じる国の責任がないとした判決は許せない」…「国も東電も誰ひとり責任を取っていない」》。

 #自民党に投票するからこうなる。そして、最「低」裁。刑事裁判について、東電核発電人災14年を目前にデタラメな判決、冷酷な判決。酷すぎる、株主代表訴訟の東京高裁判決も同様。(東京新聞)《誰も責任を取らずに終わるのか―。未曽有の被害をもたらした東京電力福島第1原発事故を巡る刑事裁判は、旧経営陣の無罪が確定することになった》。(東京新聞社説)《特に原発は、ひとたび事故が起きれば重大な被害をもたらす原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を起こし、原発周辺の住民から命と故郷を奪った》。(東京新聞)《武藤類子さん…刑事告訴するための準備を含めて13年間を費やしてきた。…事故から14年が迫る中での決定に「目前での判断は、被害者の気持ちを踏みにじる冷酷さを感じる」と涙を拭った》。
 核発電全開の異常な国・ニッポン、核発電〝麻薬中毒〟な国・ニッポン。最「低」裁を中心とした異常な司法、検察や警察も異常な司法行政。

   『●東電核発電人災から14年: 核発電全開なんてやっている場合なのかね?
     環境省はニッポンの環境を守る行政機関、それが汚染土をニッポン中に拡散?
   『●《除染土》という名の汚染土を全国に拡散する気の環境省…原子力市民委員会
     《【意見5】環境省が事業者と規制者の双方の役割を重ね持ってはならない》
   『●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」
     幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)
   『●最「低」裁の無残な判決…《裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこない
      という想像力のなさを「予見できない」とした裁判官の想像力のなさ…》
   『●《原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を
     講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を…》
   『●最「低」裁…東京電力《旧経営陣の無罪が確定…強制起訴を実現させた市民は
      最高裁の判断に落胆し、今も避難を続ける被災者らは憤りをあらわにした》
   『●【<ぎろんの森>社説に込めた「原発止める」】《大震災や原発事故を忘れ
     ないという「正しいしつこさ」…私たちは原発の稼働を止めることはできる》
   『●《かつてない甚大な被害を引き起こし、多くの人間を被曝させ、人生を狂わ
     せた責任を、最も罪の大きい経営陣に負わせない決定》を最「低」裁がした
   『●木納敏和裁判長は《計13兆円超の支払いを命じた一審東京地裁判決を取り
    消し》…《「大川原化工機」…相嶋静夫さん…死亡》でも遺族側の控訴を棄却
   『●『決断 運命を変えた3・11 母子避難』上映会《社民、立憲、共産、れいわ、
     無所属の議員が駆け付けたが、復興などと軽々に言う議員は1人もいなかった》

 2022年6月「避難者訴訟」でも、最「低」裁
 浜崎陽介小野沢健太両記者による、東京新聞の記事【国の責任を認めなかった最高裁判決、3年たっても許せない 福島第1原発事故の避難者が「人間の鎖」に込めた思い】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/412167)によると、《東京電力福島第1原発事故で避難者が東京電力や国に損害賠償を求めた訴訟で、国の責任を否定した2022年の最高裁判決から3年を迎えるのを前に、避難者や支援者らが16日、東京都千代田区の最高裁前で敷地周囲を取り囲む「ヒューマンチェーン(人間の鎖)」をつくり抗議の声を上げた。また、最高裁には他の避難者の訴訟も上告中で原告や弁護団はこの日、最高裁に対し3年前の判決を見直すよう求める意見書を提出した》。

   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ…
       《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
    「「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、
     最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も
     同意見なの? 正気なのかな?
     苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

   『●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」
     幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)
   『●最「低」裁の無残な判決…《裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこない
      という想像力のなさを「予見できない」とした裁判官の想像力のなさ…》
   『●《原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を
     講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を…》
   『●最「低」裁…東京電力《旧経営陣の無罪が確定…強制起訴を実現させた市民は
      最高裁の判断に落胆し、今も避難を続ける被災者らは憤りをあらわにした》




[※ ↑ 朝日新聞 (2022年06月18日[土])]

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/412167

国の責任を認めなかった最高裁判決、3年たっても許せない 福島第1原発事故の避難者が「人間の鎖」に込めた思い
2025年6月17日 06時00分

 東京電力福島第1原発事故で避難者が東京電力や国に損害賠償を求めた訴訟で、国の責任を否定した2022年の最高裁判決から3年を迎えるのを前に、避難者や支援者らが16日、東京都千代田区の最高裁前で敷地周囲を取り囲む「ヒューマンチェーン(人間の鎖)」をつくり抗議の声を上げた。また、最高裁には他の避難者の訴訟も上告中で原告や弁護団はこの日、最高裁に対し3年前の判決を見直すよう求める意見書を提出した。


◆「今も大勢の人がふるさとに帰れていない

 原発事故を巡っては、全国各地で国や東電に賠償を求める集団訴訟が起こされ、最高裁は2022年6月17日、群馬や千葉県など4件の訴訟で「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」として国の賠償責任はないとする統一判断を示した。

     (最高裁前で「人間の鎖」をつくり抗議の声を上げる
      参加者たち=東京都千代田区で)

 ヒューマンチェーンの主催団体によると、参加したのは約1150人。炎天下、最高裁前で約1キロにわたって手をつなぎ、「原発事故は国の責任」「司法の独立どこいった」「未来に誇れる判断を」などとシュプレヒコールを上げた。

 原告の一人だった福島県桑折町(こおりまち)の鈴木文夫さん(78)は「今も大勢の人がふるさとに帰れず汚染土の問題も解決されていないのに、事故の風化を感じる国の責任がないとした判決は許せない」と話した。


◆東京電力の株主代表訴訟の原告も参加

 東京高裁で6日、東京電力旧経営陣の責任を否定する判決が出た株主代表訴訟の原告代表、木村結さん(72)=東京都杉並区=は「国も東電も誰ひとり責任を取っていない」と批判した。

 現在も続く訴訟の原告弁護団によると、最高裁判決後に高裁で言い渡された判決は11件あり、いずれも国の責任を認めなかった。最高裁に見直しを求める意見書を提出後、原告代理人の平松真二郎弁護士は都内で会見し「最高裁判決はこれまでの判例の判断枠組みを無視し、勝手に結論だけを決めた。大法廷で審理し、全裁判官の矜持(きょうじ)を示してほしい」と話した。(浜崎陽介小野沢健太


【関連記事】2022年の最高裁判決について詳しく読む:原発事故、国の責任認めず 避難者訴訟、最高裁が統一判断
【関連記事】福島第1原発事故、問われなかった東京電力の責任 「安全よりコストの無責任体質」は、今の経営陣にも…
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●《まるでゾンビ映画のような「原発神話」の復活劇、フクシマの「忘却宣言」》、東電は福島を「原状回復」したのか? 「政治判断」しかしない司法の絶望

2025年07月20日 00時00分18秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14年/遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]


(2025年06月24日[火])
核発電問題、司法が機能しない…。特に、最「低」裁。《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》(元裁判官・樋口英明さん)、という単純なことが理解できない。(樋口英明さん)《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから、反核発電に、高度な工学的知識は不要である、という単純なことが理解できない。東京電力は福島を「原状回復」しなけれなならない、という単純なことが理解できない。

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
       “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
    「リテラのエンジョウトオルさんによる記事【3.11に改めて問う
     安倍首相の罪! 第一次政権で福島第一原発の津波、冷却機能喪失対策を
     拒否した張本人だった】」

 東京電力核発電人災の《最大の戦犯》《張本人》、今は亡きアベ様に忖度してか、「政治判断」しかしない、市民のための「司法判断」をできない司法。「絶望」しかない。 

   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
    「「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、
     最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も
     同意見なの? 正気なのかな?
     苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

   『●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」
     幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)
   『●最「低」裁の無残な判決…《裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこない
      という想像力のなさを「予見できない」とした裁判官の想像力のなさ…》
   『●《原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を
     講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を…》
   『●最「低」裁…東京電力《旧経営陣の無罪が確定…強制起訴を実現させた市民は
      最高裁の判断に落胆し、今も避難を続ける被災者らは憤りをあらわにした》
   『●【<ぎろんの森>社説に込めた「原発止める」】《大震災や原発事故を忘れ
     ないという「正しいしつこさ」…私たちは原発の稼働を止めることはできる》
   『●《かつてない甚大な被害を引き起こし、多くの人間を被曝させ、人生を狂わ
      せた責任を、最も罪の大きい経営陣に負わせない決定》を最「低」裁がした
   『●木納敏和裁判長は《計13兆円超の支払いを命じた一審東京地裁判決を取り
    消し》…《「大川原化工機」…相嶋静夫さん…死亡》でも遺族側の控訴を棄却
   『●『決断 運命を変えた311 母子避難』上映会《社民、立憲、共産、れいわ、
     無所属の議員が駆け付けたが、復興などと軽々に言う議員は1人もいなかった》

 《神話といえば、ギリシャ神話を引き、人間の原子力利用を「『パンドラの箱』を開けてしまった」と表現したのも高木さんでした。…パンドラがふたを開けると、さまざまな災いが箱から飛び出して人間界に蔓延します。そして、最後に箱に残ったのは「希望」だった》…「希望」どころか、このままでは、ニッポンの「箱」に最後に残っているのは「絶望」だけです、きっと。一分一秒でも、さっさと、『パンドラの箱』を閉じねばならぬ。
 東京新聞の【<社説>週のはじめに考える 高木仁三郎さんの「希望」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/410328?rct=editorial)によると、《「これから二〇一〇年にかけて、運転開始から三十年を超える原発が二基、五基、十基というふうに増えてきます。それまでに原発を止めないと、四十年くらいの寿命をもった原発がますます増えてしまいます。そういう時代に大きな原発事故が起こる可能性を、私は本当に心配しています」(「原子力神話からの解放」)  「市民科学者」として知られる高木仁三郎(じんざぶろう)さんは、2000年刊の自著で、原発神話の行く末を見通したかのような警鐘を鳴らしていました》。

   『●高木仁三郎さんの予言
    【「想定外」を16年前に警告 福島第1で故高木さん論文
     (東京新聞、2011年5月7日)

   『●「想定不適当事故」と割り切ってきたくせに、いまさら遅いよっ!!
     「斑目春樹班目春樹)氏。あたり前の発言だけれども、
      ずっと指摘されてきたこと。「想定不適当事故
      「ブラックアウトは起こり得ないので、想定しない」というのは…」

   『●高木仁三郎さんと小出裕章さん
   『●高木仁三郎さんと松下竜一センセ

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/410328?rct=editorial

<社説>週のはじめに考える 高木仁三郎さんの「希望」
2025年6月8日 07時25分

 今年2月に閣議決定された国の第7次エネルギー基本計画は、福島第1原発事故の教訓を踏まえて掲げ続けた「原発依存度を可能な限り低減する」という文言を削除しました。人工知能(AI)の普及などに伴う電力需要の急激な増加を見込み、原発を「最大限活用する」というのです。

 「最大限活用」といっても簡単な話ではありません。7次計画では、2040年度時点でも電力需要の2割程度を原発で賄うとしていますが、新増設は福島の事故後の建設費高騰でままなりません。法律を改正して、これも福島の事故を教訓に定めた老朽原発の運転寿命を引き延ばす、という手まで使って、それでも足りないというのが実情です。

 老朽原発の酷使には当然、トラブルの危険が伴いますが、原子力規制委員会の「OK」は国の規制基準に適合するか否かをみるだけで、安全を保証するものではありません。過酷事故を想定した避難計画の実効性にも疑いがもたれています。住民や国民の不安と不信を置き去りに、まるでゾンビ映画のような「原発神話」の復活劇、フクシマの「忘却宣言」です。

 「これから二〇一〇年にかけて、運転開始から三十年を超える原発が二基、五基、十基というふうに増えてきます。それまでに原発を止めないと、四十年くらいの寿命をもった原発がますます増えてしまいます。そういう時代に大きな原発事故が起こる可能性を、私は本当に心配しています」(「原子力神話からの解放」)

 「市民科学者」として知られる高木仁三郎(じんざぶろう)さんは、2000年刊の自著で、原発神話の行く末を見通したかのような警鐘を鳴らしていました。

 同じ年、高木さんはがんのため62歳で世を去っているので、それは、いわば高木さんの「遺言」です。福島第1原発で事故が起きたのは11年。1号機の運転開始からちょうど40年の出来事でした。

 高木さんは群馬県の前橋市生まれ。東大で核化学を専攻し、都立大助教授などを経て、1975年に「原子力資料情報室」を立ち上げました。国や事業者ではなく、市民が抱く不安に寄り添う市民科学者の立場から、原子力に関する情報を収集、分析、発信し続けた人でした。

 反原発運動の理論的支柱といわれる一方で、豊富な知識に裏打ちされた緻密な分析力で、国や事業者などからも一目置かれる存在でもありました。


◆「原発の時代」は終わる

 政府が躍起になって「神話」の復活、原発の延命を図ろうとも、各原発の老朽化が止まるわけではないし、100年持つわけもない。遅かれ早かれ「大廃炉時代突入するしかないのです。

 高木さんは前掲書にこう書いています。「もう原発の時代は終わるんだ、廃炉の時代がやってくるんだということに備えていくことです。必要なのは、原発に依存しないエネルギー政策を、なるべく迅速に実現することです」「これは、原発がいいの悪いの、好きだ嫌いだというような枠を超えて、冷静で合理的なエネルギーの選択の問題です」と。

 神話といえば、ギリシャ神話を引き、人間の原子力利用を「『パンドラの箱』を開けてしまった」と表現したのも高木さんでした。

 神話によると、プロメテウス神は最高神ゼウスの反対を押し切って、天空の火を人間に与えます。人類はその恩恵で文明を築いた半面、武器をつくって争いを始めてしまいます。

 怒ったゼウスは人間たちを懲らしめようと、ありとあらゆる「災い」を小さな箱に詰め込んで、パンドラという女性に持たせて下界に遣わします。

 パンドラがふたを開けると、さまざまな災いが箱から飛び出して人間界に蔓延(まんえん)します。そして、最後に箱に残ったのは「希望」だった、というお話です。


◆再エネを「選べる」時代

 「高木さんのころとは違って、電力自由化の進んだ今は選択肢のある時代。再生可能エネルギーや省エネのシステムを消費者が比較的安価に選べる時代になっています」と、原子力資料情報室の松久保肇事務局長(46)は考えます。福島の事故を機に金融界から転じた経済分析の専門家、高木さんの衣鉢を継ぐ人の一人です。

 生活者が科学に基づく確かな知識を身に付けて、原子力に頼らない暮らしを選択し、自らの手でパンドラの箱を閉じること-。それが、高木さんが市民に託した「希望」なのではないでしょうか。
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●《かつてない甚大な被害を引き起こし、多くの人間を被曝させ、人生を狂わせた責任を、最も罪の大きい経営陣に負わせない決定》を最「低」裁がした

2025年05月24日 00時00分57秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14年/遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]


// (2025年05月06日[火])
武藤類子さん…事故から14年が迫る中での決定に「目前での判断は、被害者の気持ちを踏みにじる。冷酷さを感じる」と涙を拭った》。
 最「低」裁。東電核発電人災14年を目前にデタラメな判決、冷酷な判決。(東京新聞)《誰も責任を取らずに終わるのか―。未曽有の被害をもたらした東京電力福島第1原発事故を巡る刑事裁判は、旧経営陣の無罪が確定することになった》。(東京新聞社説)《特に原発は、ひとたび事故が起きれば重大な被害をもたらす。原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を起こし、原発周辺の住民から命と故郷を奪った》。(東京新聞)《武藤類子さん…刑事告訴するための準備を含めて13年間を費やしてきた。…事故から14年が迫る中での決定に「目前での判断は、被害者の気持ちを踏みにじる冷酷さを感じる」と涙を拭った》。

 核発電全開の異常な国・ニッポン、核発電〝麻薬中毒〟な国・ニッポン。最「低」裁を中心とした異常な司法、検察や警察も異常な司法行政。

   『●最「低」裁…東京電力《旧経営陣の無罪が確定…強制起訴を実現させた市民は
      最高裁の判断に落胆し、今も避難を続ける被災者らは憤りをあらわにした》

 本田雅和記者による、週刊金曜日の記事【東電責任者“無罪”放免の中、武藤類子さんにドイツ環境賞 「絶望の夜にも出来ることを」/本田雅和】(https://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2025/04/23/antena-1628/)によると、《東京電力福島第一原発事故で最高裁が東電責任者を〝無罪放免した一方で、故郷フクシマを放射能で汚染され、破壊されたことへの静かな怒りを世界に向けて発信し、その責任を問い続けている武藤類子さん(71歳)に、ドイツの国際環境保護団体が彼女の長年の功績を讃える賞を贈った》。

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」
    《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
     と浮かんでくる。福島原発告訴団武藤類子団長が登場する章では、
     「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?
     と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
     「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ
     それが尊厳なんだプライドなんだ」 胸に響く。》

   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
     違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
    《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──
     2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた
     武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を
     揺さぶりました…》

   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     「われらゆるがずの歌声に連なりたい。(佐藤直子)》

   『●東京高裁・細田啓介裁判長…《市民の判断で強制起訴された東京電力
        旧経営陣3人の公判は、無罪判決が維持された》でいいのですか?
    「東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
     「市民の正義無き国ニッポン。(東京新聞)《海渡雄一弁護士は
     「裁判官は現場に行くこともなく、原発事故の被害に向き合おう
     としなかった」と振り返り、「具体的な危険がなければ
     対策しなくていいという判断政府が再稼働を進めようとする中、
     司法が歯止めになっていない」と非難した》。」

   『●刑事裁判…武藤類子さん《「裁判所はこれでいいのか」事故で多数の命が
      奪われたのに、東電の誰も刑事責任を負わないことに納得がいかない》
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
    「「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、
     最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も
     同意見なの? 正気なのかな?
     苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

   『●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」
     幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)
   『●最「低」裁の無残な判決…《裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこない
      という想像力のなさを「予見できない」とした裁判官の想像力のなさ…》
   『●《原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を
     講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を…》
   『●最「低」裁…東京電力《旧経営陣の無罪が確定…強制起訴を実現させた市民は
      最高裁の判断に落胆し、今も避難を続ける被災者らは憤りをあらわにした》

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https://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2025/04/23/antena-1628/

東電責任者“無罪”放免の中、武藤類子さんにドイツ環境賞 「絶望の夜にも出来ることを」
本田雅和・編集部|2025年4月23日8:06PM

 東京電力福島第一原発事故で最高裁が東電責任者を〝無罪放免した一方で、故郷フクシマを放射能で汚染され破壊されたことへの静かな怒りを世界に向けて発信し、その責任を問い続けている武藤類子さん(71歳)に、ドイツの国際環境保護団体が彼女の長年の功績を讃える賞を贈った。

     (長年の反原発運動でドイツの「バイエルン環境賞」を
      受賞した武藤類子さん。(撮影/本田雅和))

 日本時間の3月9日夜、今年の「バイエルン環境賞」の受賞式が、ドイツ・バイエルン市と武藤さんの故郷・福島県三春町の公民館を結ぶ二元中継で開催された。国際環境保護団体「BUND Naturschutz in Bayern e.V.」(バイエルン自然保護連盟=FoE《旧・地球の友》ドイツバイエルン州本部)が主催する賞だ。生物多様性の保全や気候変動対策、持続可能なライフスタイルの推進などに尽力した人々や団体を毎年顕彰してきた。今年で16回目。

 この夜の受賞式で武藤さんは、「事故から14年後の福島の現状」を日独の聴衆に改めて報告。事故は「収束」どころか今も空に海に放射性物質が漏れ出ている状態」で、「原子力緊急事態宣言」はいまだ解除できず。7市町村に帰還困難区域が残り、避難指示が解除された地域も事故前の公衆の被曝限度年間1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに基準を変えて、住民帰還政策が進められていること――などを説明した。

 事故翌年の2012年、福島原発告訴団の団長として国や東電の刑事責任を問う告訴運動を呼びかけた。その成果の一つである、東電旧経営陣が強制起訴され、初めて刑事責任を問われた裁判は、4日前に最高裁が上告を棄却し、被告の〝無罪〟が確定したばかり。

 「かつてない甚大な被害を引き起こし、多くの人間を被曝させ、人生を狂わせた責任を、最も罪の大きい経営陣に負わせない決定を、最高裁がした」。その最高裁と電力会社の人事癒着も指摘し、「司法の危機」にも警鐘を鳴らした。

 「日本政府は被害を小さく見せかけ被害者を切り捨て汚染水〝放出〟や汚染土〝活用〟の名の下に放射性物質の拡散政策を取り続けている」としたうえで、「戦争による核災害も現実味を帯び、どうしたら良いかと途方に暮れる夜もある。現実から目をそらさず、核の恐怖のない安全で豊かな地球環境を取り戻すため出来ることを一つずつやっていく」と誓った。


非暴力直接行動に感銘

 武藤さんの原点は1986年4月、旧ソ連でのチェルノブイリ原発事故にある。地元の福島県内で多数の原発が稼働することに疑問と不安を感じていた武藤さんは当時、教師として勤めていた養護学校の職員会議で「原発事故を想定した防災訓練」を提案したところ同僚や管理職から冷笑された。一時は絶望したものの、その後は故郷近くの田村市の山里で暮らしながら、2003年から山小屋喫茶「燦」を開業。太陽光発電も活用しながら「コンセントの向こう側=この電力はどこから来るか? に思いを馳せる反原発運動」(同日のドイツ側の武藤さんへの応援スピーチ)に取り組んできた。

 そんな武藤さんが、実は「環境先進国・ドイツ」から二つの点で大きな影響を受けていた。一つは1990年代に見たバッカースドルフ再処理工場建設反対運動の記録映画。「警察のガス弾を浴びながらも非暴力直接行動を続ける住民たちを、心底凄いと思った」という。

 もう一つは2023年4月のG7札幌環境大臣会合に参加したドイツのレムケ環境相との面会。福島の被災地を訪れ、武藤さんら原発被害者4人から、汚染水の海洋投棄について話を聞き、海洋投棄に対して「歓迎できない」と表明してくれた大臣が市民の話を真摯に聴き、すぐに環境政策に反映する姿に感激した。もちろん同時期のドイツ国内原発の全基廃止決定にも、足元で福島事故を抱えて体験しているのに脱原発も決められない政治家との間の、彼我の差を実感した。

 「脱原発、人権を守る運動が負け続け、意気消沈の時も武藤さんは確固として前を向き穏やかな言葉で私たちを奮起させてくれる」。FoE Japan満田夏花事務局長の言葉だ。

(『週刊金曜日』2025年3月14日号)
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●最「低」裁…東京電力《旧経営陣の無罪が確定…強制起訴を実現させた市民は最高裁の判断に落胆し、今も避難を続ける被災者らは憤りをあらわにした》

2025年04月24日 00時00分56秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]


(20250406[])
最「低」裁。東電核発電人災14年を目前にデタラメな判決、冷酷な判決。(東京新聞)《誰も責任を取らずに終わるのか―。未曽有の被害をもたらした東京電力福島第1原発事故を巡る刑事裁判は、旧経営陣の無罪が確定することになった》。(東京新聞社説)《特に原発は、ひとたび事故が起きれば重大な被害をもたらす。原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を起こし、原発周辺の住民から命と故郷を奪った》。(東京新聞)《武藤類子さん…刑事告訴するための準備を含めて13年間を費やしてきた。…事故から14年が迫る中での決定に「目前での判断は、被害者の気持ちを踏みにじる冷酷さを感じる」と涙を拭った》。
 核発電全開の異常な国・ニッポン、核発電〝麻薬中毒〟な国・ニッポン。最「低」裁を中心とした異常な司法、検察や警察も異常な司法行政。

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」
    《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
     と浮かんでくる。福島原発告訴団武藤類子団長が登場する章では、
     「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?
     と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
     「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ
     それが尊厳なんだプライドなんだ」 胸に響く。》

   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
     違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
    《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──
     2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた
     武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を
     揺さぶりました…》

   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     「われらゆるがず」の歌声に連なりたい。(佐藤直子)》

   『●東京高裁・細田啓介裁判長…《市民の判断で強制起訴された東京電力
        旧経営陣3人の公判は、無罪判決が維持された》でいいのですか?
    「東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
     「市民の正義無き国ニッポン。(東京新聞)《海渡雄一弁護士は
     「裁判官は現場に行くこともなく、原発事故の被害に向き合おう
     としなかった」と振り返り、「具体的な危険がなければ
     対策しなくていいという判断政府が再稼働を進めようとする中、
     司法が歯止めになっていない」と非難した》。」

   『●刑事裁判…武藤類子さん《「裁判所はこれでいいのか」事故で多数の命が
      奪われたのに、東電の誰も刑事責任を負わないことに納得がいかない》
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
    「「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、
     最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も
     同意見なの? 正気なのかな?
     苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

   『●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」
     幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)
   『●最「低」裁の無残な判決…《裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこない
      という想像力のなさを「予見できない」とした裁判官の想像力のなさ…》
   『●《原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を
     講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を…》

 井上真典片山夏子両記者による、東京新聞の記事【国も無罪、東京電力幹部も無罪「じゃあ誰が原発事故の責任をとるの?」 自宅には除染廃棄物…被害者の嘆き】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/390086)によると、《誰も責任を取らずに終わるのか―。未曽有の被害をもたらした東京電力福島第1原発事故を巡る刑事裁判は、旧経営陣の無罪が確定することになった。強制起訴を実現させた市民は最高裁の判断に落胆し、今も避難を続ける被災者らは憤りをあらわにした。(井上真典片山夏子)》。

   『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも
      再稼働したくなる浜岡原発という「金のなる巨大木」
   『●“日本一避難しにくい原発”伊方原発…大島堅一さん「エネルギー政策で、
      インフラが不十分で逃げにくい場所を選び、差別的にリスクを押し付け」
    「志賀原発、女川原発、柏崎刈羽、そして伊方原発…稼働させたいという
     核発電「麻薬」中毒者に好き勝手やらせていると、日本中が迷惑し、
     世界にも事故の影響が及ぶ恐れ。」

 南海トラフ巨大地震…使用済み核燃料プールが倒壊したら? 砂上にペラペラの壁を造ってまでも再稼働したくなる浜岡原発という「金のなる巨大木」、伊方原発は “日本一避難しにくい原発”。(再) 稼働しないこと、廃炉に向けてすぐに作業を開始することしかないはずなのに、核発電〝麻薬〟中毒の皆さんときたら…《政府作業部会…南海トラフ地震では、震源域にある中部電力浜岡原発(静岡県)や四国電力伊方原発(愛媛県)の対策を求めた》って、《対策》などあるものかっ!!
 荒井六貴小沢慧一両記者による、東京新聞の記事【原発事故と地震が重なったら… 「複合災害」に初言及、でも「政府に議論の枠組みなし」 南海トラフ被害新想定】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/395510)によると、《3月31日発表された南海トラフ巨大地震の被害想定では、原発事故が地震と同時に起きる複合災害」に初めて言及した。14年前の東京電力福島第1原発事故を念頭に、道路が壊れて住民の避難に支障が出ることや、多数の避難者で避難所が不足し道路渋滞が起きるなどの課題を列挙した。一方で具体的な対策は示していない。(荒井六貴小沢慧一)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/390086

国も無罪、東京電力幹部も無罪「じゃあ誰が原発事故の責任をとるの?」 自宅には除染廃棄物…被害者の嘆き
2025年3月6日 20時50分

 誰も責任を取らずに終わるのか―。未曽有の被害をもたらした東京電力福島第1原発事故を巡る刑事裁判は、旧経営陣の無罪が確定することになった。強制起訴を実現させた市民は最高裁の判断に落胆し、今も避難を続ける被災者らは憤りをあらわにした。(井上真典片山夏子)。


◆「原子力行政におもねった判断」

 「最高裁の正義にいちるの望みをかけてきたのに残念」。6日、旧経営陣を告訴・告発した「福島原発告訴団」の武藤類子団長(71)=福島県三春町=は、最高裁の上告棄却決定を受けた記者会見で、悔しさをにじませた。

     (東電旧経営陣2人の無罪が確定する事を受け、記者会見する
      河合弘之弁護士(左)と福島原発告訴団の武藤類子さん=6日、
      東京・霞が関の東京地裁司法記者クラブで(市川和宏撮影))

 刑事告訴するための準備を含めて13年間を費やしてきた。「夢中で走ってきた。振り返る間もなかった」と話す。事故から14年が迫る中での決定に「目前での判断は、被害者の気持ちを踏みにじる冷酷さを感じる」と涙を拭った。

 検察官役の指定弁護士を務めた石田省三郎弁護士は「国の機関である地震本部の見解を軽視し、原子力行政におもねった不当な判断。………………。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/395510

原発事故と地震が重なったら… 「複合災害」に初言及、でも「政府に議論の枠組みなし」 南海トラフ被害新想定
2025年4月1日 06時00分

 3月31日発表された南海トラフ巨大地震の被害想定では、原発事故が地震と同時に起きる複合災害」に初めて言及した。14年前の東京電力福島第1原発事故を念頭に、道路が壊れて住民の避難に支障が出ることや、多数の避難者で避難所が不足し道路渋滞が起きるなどの課題を列挙した。一方で具体的な対策は示していない。(荒井六貴小沢慧一


◆震災と原発事故、重なればさまざまな支障が…

 政府作業部会の報告書では「東日本大震災では福島第1原発事故に伴い、長期かつ遠方での避難生活を余儀なくされ、復旧・復興の遅れが生じた」と指摘。南海トラフ地震では、震源域にある中部電力浜岡原発(静岡県)や四国電力伊方原発(愛媛県)の対策を求めた。

     (浜岡原発(2021年5月撮影))

 原発事故との複合災害のケースでは、8点の課題を挙げた。停電や通信途絶で住民への状況周知や事故情報の収集が困難になることや、道路や建物被害、車両確保が難しくなり、対応要員の参集や住民避難、屋内退避に支障を来すとした。避難が長期化し、身体的・精神的負担や生活継続への影響も出るとした。


◆津波対策の巨大な防潮堤建設、工期や工費は示されず

 個別の原発では、浜岡原発に最も大きな津波が押し寄せると想定し………………。
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●《原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を…》

2025年03月20日 00時00分33秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14年遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]


(2025年03月14日[金])
またしても最「低」裁だった、虚しい…東電核発電人災14年を目前にデタラメな判決。(東京新聞社説)《特に原発は、ひとたび事故が起きれば重大な被害をもたらす。原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を起こし、原発周辺の住民から命と故郷を奪った》。
 核発電全開の異常な国・ニッポン、核発電〝麻薬中毒〟な国・ニッポン。最「低」裁を中心とした異常な司法、検察や警察も異常な司法行政。

   『●東電核発電人災から14年: 核発電全開なんてやっている場合なのかね?
     環境省はニッポンの環境を守る行政機関、それが汚染土をニッポン中に拡散?

 東京新聞の社説【<社説>旧経営陣の無罪 原発事故不問にできぬ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/391447?rct=editorial)によると、《東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣の無罪が確定した。「レベル7という最悪事故の刑事責任を不問に付しては重い教訓になり得ない原発事故が再び起きかねないと懸念する。…最大の争点は、東電が巨大津波を予見できたかどうか。無罪とした一、二審に続き、最高裁も予見可能性があったとは認定できないと結論付けた。…特に原発は、ひとたび事故が起きれば重大な被害をもたらす。原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯(しんし)に受け止め、万全の対策を講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を起こし、原発周辺の住民から命と故郷を奪った》。
 
 あれから14年を目前に、あんな酷い無残な判決を出すのだから、またしても最「低」裁だった…東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?  FoE Japanの声明《東電旧経営陣の無罪が確定した東電についても国についても、原発事故の加害者の責任は問われぬままだ私たちは怒りをもってこれに抗議する》。
 刑事裁判においても、《未曽有の事故を風化させないためにも、人災を起こした責任を明確に問うべきだ》というのに、14年を直前に、無残な判決。《未曽有の原発事故を引き起こし、今なお収束していないにもかかわらず、誰1人刑事責任を問われない》…《巨大津波の襲来を現実的には認識できず事前の対策で事故が防げた証拠もないだから無罪-。》?? 一体どんな論理なのか? 《地震大国でどこであっても危ないのを承知で建設し、津波予防が必要との専門家の指摘にも反応せずにいた安全対策をすべき経営責任者の刑事的責任はないと決着した。裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこないという想像力のなさ予見できないとした裁判官の想像力のなさも目を見張る》(政界地獄耳)。

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」
    《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
     と浮かんでくる。福島原発告訴団武藤類子団長が登場する章では、
     「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?
     と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
     「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ
     それが尊厳なんだプライドなんだ」 胸に響く。》

   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
     違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
    《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──
     2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた
     武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を
     揺さぶりました…》

   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     「われらゆるがず」の歌声に連なりたい。(佐藤直子)》

   『●東京高裁・細田啓介裁判長…《市民の判断で強制起訴された東京電力
        旧経営陣3人の公判は、無罪判決が維持された》でいいのですか?
    「東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
     「市民の正義無き国ニッポン。(東京新聞)《海渡雄一弁護士は
     「裁判官は現場に行くこともなく、原発事故の被害に向き合おう
     としなかった」と振り返り、「具体的な危険がなければ
     対策しなくていいという判断政府が再稼働を進めようとする中、
     司法が歯止めになっていない」と非難した》。」

   『●刑事裁判…武藤類子さん《「裁判所はこれでいいのか」事故で多数の命が
      奪われたのに、東電の誰も刑事責任を負わないことに納得がいかない》
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
    「「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、
     最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も
     同意見なの? 正気なのかな?
     苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

   『●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」
     幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)
   『●最「低」裁の無残な判決…《裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこない
      という想像力のなさを「予見できない」とした裁判官の想像力のなさ…》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/391447?rct=editorial

<社説>旧経営陣の無罪 原発事故不問にできぬ
2025年3月13日 08時04分

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣の無罪が確定した。「レベル7という最悪事故の刑事責任を不問に付しては重い教訓になり得ない原発事故が再び起きかねないと懸念する。

 同原発は2011年、東日本大震災の巨大津波で冷却不能に陥り炉心溶融や建屋爆発で大量の放射性物質を放出。旧経営陣は、避難を余儀なくされた福島県内の病院の入院患者ら44人を死亡させたなどとして強制起訴されていた。

 最大の争点は、東電が巨大津波を予見できたかどうか。無罪とした一、二審に続き、最高裁も予見可能性があったとは認定できないと結論付けた

 東電は08年、国の地震予測である長期評価を基に津波が最大約15メートルに達すると試算したが、最高裁は、長期評価は信頼度が低く津波の現実的な可能性を認識させなかったと判断。想定外という東電側の主張をそのまま認めた

 では何のための長期評価だったのか。地震予測は不確実さを伴うもので、長期評価を信頼度が低いと一蹴するのは適切ではない。

 特に原発は、ひとたび事故が起きれば重大な被害をもたらす。原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯(しんし)に受け止め、万全の対策を講じるべきでなかったか。

 しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を起こし、原発周辺の住民から命と故郷を奪った

 同原発の元所長は、政府事故調査委員会のヒアリングで、防潮堤の建設費用を数百億円と想定して「一番重要なのはお金」「最後は経営はお金」と人命よりコストを優先する企業体質に言及したが、結果的に事故処理に膨大な費用と年月を要することになり、経営判断を誤ったというほかない。

 旧経営陣を相手取った株主代表訴訟では、東京地裁が「長期評価には相応の信頼性があり、津波は予見できたという正反対の判断から13兆円の支払いを命じた

 民事裁判に比べ、刑事裁判の立証は難しい側面はある。JR西日本の福知山線脱線事故でも、業務上過失致死傷罪に問われた経営陣は無罪に終わった

 同罪は個人にしか適用できず、企業など組織の刑事責任を追及しやすくするため、組織罰の導入を求める意見もある。組織としての安全意識を高める効果も期待できる。検討課題とすべきだ。
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●最「低」裁の無残な判決…《裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこないという想像力のなさを「予見できない」とした裁判官の想像力のなさ…》

2025年03月19日 00時00分00秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]


 (20250313[])
あれから14年を目前に、あんな酷い無残な判決を出すのだから、またしても最「低」裁だった…東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?  FoE Japanの声明《東電旧経営陣の無罪が確定した東電についても国についても、原発事故の加害者の責任は問われぬままだ私たちは怒りをもってこれに抗議する》。
 刑事裁判においても、《未曽有の事故を風化させないためにも、人災を起こした責任を明確に問うべきだ》というのに、14年を直前に、無残な判決。《未曽有の原発事故を引き起こし、今なお収束していないにもかかわらず、誰1人刑事責任を問われない》…《巨大津波の襲来を現実的には認識できず事前の対策で事故が防げた証拠もないだから無罪-。》?? 一体どんな論理なのか?

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/福島第1原発事故「予見できない」東電旧経営陣に無罪?予見するのが専門家のはず】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202503070000075.html)によると、《★11年に起きた東日本大震災の東京電力福島第1原発事故を巡り、検察官の不起訴処分に対して検察審査会が起訴議決して刑事事件として公判に至った東京電力旧経営陣2人の上告審が6日、開かれた。業務上過失致死傷罪が争われ、最高裁第2小法廷は12審判決を支持し、無罪を言い渡した地震大国でどこであっても危ないのを承知で建設し、津波予防が必要との専門家の指摘にも反応せずにいた安全対策をすべき経営責任者の刑事的責任はないと決着した。裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこないという想像力のなさ予見できないとした裁判官の想像力のなさも目を見張る。 ★ただ多くの民事訴訟では東京電力の賠償責任はすべての判決で認定されており、司法の落とし穴に陥ったのではないか。》

   『●もう一度、「幸運に恵まれる」とでも思っているのかね? 《辛うじて難を
     逃れた》にすぎない、《辛うじて事なきを得たにすぎない》女川原発を再稼働
   『●東京電力核発電所人災の教訓も能登半島地震の警告も無視してオンボロ核発電所
        を稼働させたいとはね…ところで、福島は「原状回復」したのですね?
   『●《原発回帰》《原発復権》《原発を最大限活用》核発電全開…《「脱原発依存」
       の看板を下ろすのは、福島の教訓を忘れ去るということだ》(東京新聞)
   『●狂気の核発電推進…「原状回復」することも無く教訓も警告も無視し「原発
     回帰・原発復権」、しかも「コストやリスクをこっそり国民に押しつける…」

 電気代で回収できるからいいわ…、フ・ザ・ケ・ル・ナ! 何が核発電は電気代が「安い」だ! とっくに破綻しているんだよ! 核発電全開をしておきながら、《電気代に上乗せされた賠償金》、フ・ザ・ケ・ルのも大概にしろ!
 高田奈実記者による、毎日新聞の記事【原発・出口なき迷走/なぜ東電が払うべき9.2兆円が国民に? 電気代に上乗せされた賠償金】(https://mainichi.jp/articles/20250310/k00/00m/020/042000c)によると、《東京電力福島第1原発事故の処理費用が膨らみ続けている。賠償などにかかる費用の想定は現在、計234兆円。事故から14年となったが、原発で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しはめどが立たず、収束までの道筋は見えていない。原発再稼働もままならない東電の賠償能力が問われる中、電気を利用する全ての人がその負担を背負わされている》。

   『●東電核発電人災から14年: 核発電全開なんてやっている場合なのかね?
     環境省はニッポンの環境を守る行政機関、それが汚染土をニッポン中に拡散?

 核発電全開の異常な国・ニッポン、核発電〝麻薬中毒〟な国・ニッポン。
 FoE Japanの【声明:福島第一原発事故から14年――多くの痛みと矛盾を直視し、原発ゼロへ】(https://foejapan.org/issue/20250311/23163/)によると、《東日本大震災と福島第一原発事故の発生から14年がたちました。FoE Japanは本日、以下の声明を発出しました》、《東日本大震災とそれに続く福島第一原発事故の発生から14年が経過した。事故はまだ収束しておらず、被害は続いているふるさとのかたちは変貌し、避難した人も、帰還した人も、また新たに移住した人も、さまざまな困難に直面している。…FoE Japanは、原発事故の被害を直視し、原発のない、持続可能で民主的なエネルギー政策の実現を目指して、全国、全世界の人たちとともに歩みを進めたい》。

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」
    《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
     と浮かんでくる。福島原発告訴団武藤類子団長が登場する章では、
     「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?
     と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
     「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ
     それが尊厳なんだプライドなんだ」 胸に響く。》

   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
     違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
    《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──
     2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた
     武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を
     揺さぶりました…》

   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     われらゆるがずの歌声に連なりたい。(佐藤直子)》

   『●東京高裁・細田啓介裁判長…《市民の判断で強制起訴された東京電力
        旧経営陣3人の公判は、無罪判決が維持された》でいいのですか?
    「東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
     「市民の正義無き国ニッポン。(東京新聞)《海渡雄一弁護士は
     「裁判官は現場に行くこともなく、原発事故の被害に向き合おう
     としなかった」と振り返り、「具体的な危険がなければ
     対策しなくていいという判断政府が再稼働を進めようとする中、
     司法が歯止めになっていない」と非難した》。」

   『●刑事裁判…武藤類子さん《「裁判所はこれでいいのか」事故で多数の命が
      奪われたのに、東電の誰も刑事責任を負わないことに納得がいかない》
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
    「「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、
     最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も
     同意見なの? 正気なのかな?
     苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

   『●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」
     幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202503070000075.html

コラム
政界地獄耳
2025年3月7日7時36分
福島第1原発事故「予見できない」東電旧経営陣に無罪?予見するのが専門家のはず

★11年に起きた東日本大震災の東京電力福島第1原発事故を巡り、検察官の不起訴処分に対して検察審査会が起訴議決して刑事事件として公判に至った東京電力旧経営陣2人の上告審が6日、開かれた。業務上過失致死傷罪が争われ、最高裁第2小法廷は12審判決を支持し、無罪を言い渡した地震大国でどこであっても危ないのを承知で建設し、津波予防が必要との専門家の指摘にも反応せずにいた安全対策をすべき経営責任者の刑事的責任はないと決着した。裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこないという想像力のなさを「予見できないとした裁判官の想像力のなさも目を見張る。

★ただ多くの民事訴訟では東京電力の賠償責任はすべての判決で認定されており、司法の落とし穴に陥ったのではないか。思い出すのは99年、小渕恵三内閣での東海村JCO臨界事故だ。JCOが事故正規のマニュアル以外に「裏マニュアルで作業を行い、事故当時はそれも簡略化していた。我が国初の臨界事故2人が死亡、1人が重症となったほか、667人の被ばく者を出した。この時は安全履行義務違反が明らかで刑事責任が問われた。責任はJCOに集中したが、情報伝達の手際の悪さも住民らを苦しめた官邸も事の重大さに気づかず、科技庁など役所も事態をのみ込めず的確な指示が遅れ、住民避難指示も二転三転し事態を悪化させた

★今回の判決を見るまでもなくその後、全国の多くの原発は停止に追い込まれ、今は再稼働ラッシュだ。では本当にマニュアルは順守されているか、情報伝達は包み隠さず周知されているか。非常電源は津波などで水没の恐れのある地下から移設されているか。それぞれで改善されただろうが、責任の所在はどうなっているのか多くの教訓がデータに残してあっても次世代に引き継がれなければ意味がない経験のないことを予見するのが専門家ではないのか。最高裁判決が性善説に寄り添う、法の概念に沿っているのなら、いささか心もとない。(K)※敬称略
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https://mainichi.jp/articles/20250310/k00/00m/020/042000c

原発・出口なき迷走
なぜ東電が払うべき9.2兆円が国民に? 電気代に上乗せされた賠償金
高田奈実 2025/3/11 11:30(最終更新 3/11 16:11)

     (賠償や廃炉費用の負担分が記載されたグリーンコープ
      でんきの明細書のコピー=2024年12月23日、高田奈実撮影)

 東京電力福島第1原発事故の処理費用が膨らみ続けている。賠償などにかかる費用の想定は現在、計234兆円。事故から14年となったが、原発で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しはめどが立たず、収束までの道筋は見えていない。原発再稼働もままならない東電の賠償能力が問われる中、電気を利用する全ての人がその負担を背負わされている

 23・4兆円のうち、被災者らへの賠償費用は9・2兆円。実はこの一部は既に全国の家庭が負担している事故の「加害者」である東電が払うべき費用を、なぜ電気の利用者が負担するのか

 「本来、原子力事業者が負うべき責任を小売りに負わせている」。福岡市の新電力「グリーンコープでんき」の東原晃一郎理事はこう憤る。

 賠償費用は当初、東電と他の原発を持つ電気事業者が負担することになっていた。しかし、事故直後に5兆円と見積もられた費用の総額は倍近くまで拡大。そのため、国は新電力を含めて原発を持たない小売事業者にも負担を課す制度を導入し、2017年に省令を改正した。20年に新たな料金制度を認可し、送電線の利用料である「託送料金に上乗せする形で賠償負担金を回収できるようにした。


「さかのぼって負担」との国の理屈

 ………………。
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https://foejapan.org/issue/20250311/23163/

声明:福島第一原発事故から14年――多くの痛みと矛盾を直視し、原発ゼロへ
2025.3.11

東日本大震災と福島第一原発事故の発生から14年がたちました。

FoE Japanは本日、以下の声明を発出しました。


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2025年3月11日

声明:福島第一原発事故から14年――多くの痛みと矛盾を直視し、原発ゼロへ

東日本大震災とそれに続く福島第一原発事故の発生から14年が経過した。事故はまだ収束しておらず、被害は続いているふるさとのかたちは変貌し、避難した人も、帰還した人も、また新たに移住した人も、さまざまな困難に直面している

2024年1月1日に発生した能登半島地震では、多くの家屋が倒壊し、道路が寸断され、孤立集落が発生した。現在の原子力防災避難計画が「絵にかいた餅」であり、複合災害に対応できないものであることを改めて私たちにつきつけた。

それにもかかわらず、多くの痛みや苦しみ、矛盾を置き去りにして、日本政府は着実に原発回帰政策を進めている。これは、福島第一原発事故の教訓を蔑ろにするものであるあるばかりか、原発の抱えるコストとリスク、解決不可能な核のごみ問題から目をそむけるものである。

2025年2月18日に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」では、福島原発事故以降ずっと盛り込まれていた「原子力依存度の可能な限りの低減」という言葉が削除された。また、2040年度電源構成に占める原発の割合を2割とした。これは既存原発の大半に当たる30基以上を再稼働させる想定であり、実現可能性が疑わしく合理性に欠ける。

原発のコストは上昇を続け、今や最も高い電源である。政府は原子力を「他電源と遜色がないコスト水準」としているが、政府のコスト試算は、原発の建設費、安全対策費、廃炉費用、事故発生頻度など多くの箇所にコストの過小評価がみられ、科学的ではない。たとえば原発の新規建設費を7,203億円としているが、近年海外で建設されている原発の実際の費用は数兆円にのぼる。

原発は、ウラン採掘から燃料加工、運転、核燃料の処分、廃炉に至るまで、放射性物質による汚染や人権の問題がつきまとう

2024年11月、福島第一原発事故により溶け落ちた核燃料デブリの試験取り出しが大きく報じられた。何度も遅延とトラブルを繰り返し、作業員の被ばくを伴って取り出されたデブリの量は0.7グラム。東電はこれをもって「デブリの取り出し開始」とみなし、廃炉ロードマップの第3期開始として、今後、本格的にデブリの取り出しを行っていくとしている。しかし880トンにおよぶデブリを取り出して、その先どこでどのように処理するかは決まっていない。デブリの取り出しが至上命題化しているがこれが正しいのか、いったん立ち止まって広く議論を行うべきではないか。

環境省は、除染で生じた放射性物質を含む大量の土を、公共事業等で再利用する方向で、省令案の見直しを進めている。省令案には、責任主体や管理期間、情報公開、住民への説明についての明確な規定はない。放射性物質は集中管理し、環境中に拡散させないことが原則だ。それにも関わらず、批判や不安の声をあげる人たちは「風評加害者のレッテルをはられ黙らせられようとしている

3月6日、福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣2人について、最高裁は、検察役の指定弁護士の上告を棄却東電旧経営陣の無罪が確定した東電についても国についても、原発事故の加害者の責任は問われぬままだ私たちは怒りをもってこれに抗議する

FoE Japanは、原発事故の被害を直視し、原発のない、持続可能で民主的なエネルギー政策の実現を目指して、全国、全世界の人たちとともに歩みを進めたい
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「福島の今とエネルギーの未来 2025」発行ーー廃炉と復興の今、国内外の原発の稼働状況を、図と文章でわかりやすく解説
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●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」 幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)

2025年03月12日 00時00分57秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14年遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]


(2025年03月08日[土])
刑事裁判においても、《未曽有の事故を風化させないためにも、人災を起こした責任を明確に問うべきだ》というのに、14年目を直前に、無残な判決。《未曽有の原発事故を引き起こし、今なお収束していないにもかかわらず、誰1人刑事責任を問われない》…《巨大津波の襲来を現実的には認識できず事前の対策で事故が防げた証拠もないだから無罪-。》?? 一体どんな論理なのか?

   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
    「「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、
     最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も
     同意見なの? 正気なのかな?
     苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

 本当に最「低」裁だな…東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
 毎日新聞の記事【東電強制起訴、旧経営陣の無罪確定へ 福島原発事故で最高裁上告棄却】(https://mainichi.jp/articles/20250306/k00/00m/040/100000c)によると、《東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣2人の上告審で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は、無罪を言い渡した1、2審判決を支持し、検察官役の指定弁護士による上告を棄却する決定を出した》。

 小野沢健太三宅千智両記者による、東京新聞の記事【東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」 幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/390090)/《東京電力福島第1原発事故を巡り、最高裁は巨大津波は予見できなかったとして、検察官役の指定弁護士側の上告を退けた世界最悪レベルの原発事故を起こしても、刑事責任はないとの結論になった旧経営陣の刑事裁判。市民感覚の反映を目的にした強制起訴制度によって、不起訴のままでは埋もれていた東電社内での対策先送りの実態が、公開の法廷で明らかになった。その一方、強制起訴で裁判になった事件の大半が有罪にはなっておらず、立証の難しさをあらためて示した。(小野沢健太三宅千智)》。

 《ひとたび事故が起きると多くの国民の命や生活を脅かす原発の危険性を考えれば、巨大津波の可能性を認識しながらも、対策を放置した東電には今後も原発を運転する資格はない》。
 東京新聞の記事【世界最悪レベルの原発事故なのに…その責任は一切問わず 東京電力の旧経営陣、無罪確定へ 最高裁が上告棄却】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/389968)によると、《東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣2人の上告審で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は、巨大津波は予見できなかったとして、検察官役の指定弁護士側の上告を退ける決定をした。5日付。2人を無罪とした一、二審判決が確定する。岡村、草野耕一尾島明の3裁判官全員一致の意見。》

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」
    《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
     と浮かんでくる。福島原発告訴団武藤類子団長が登場する章では、
     「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?
     と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
     「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ
     それが尊厳なんだプライドなんだ」 胸に響く。》

   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
     違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
    《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──
     2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた
     武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を
     揺さぶりました…》

   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     「われらゆるがず」の歌声に連なりたい。(佐藤直子)》

   『●東京高裁・細田啓介裁判長…《市民の判断で強制起訴された東京電力
        旧経営陣3人の公判は、無罪判決が維持された》でいいのですか?
    「東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
     「市民の正義無き国ニッポン。(東京新聞)《海渡雄一弁護士は
     「裁判官は現場に行くこともなく、原発事故の被害に向き合おう
     としなかった」と振り返り、「具体的な危険がなければ
     対策しなくていいという判断政府が再稼働を進めようとする中、
     司法が歯止めになっていない」と非難した》。」

   『●刑事裁判…武藤類子さん《「裁判所はこれでいいのか」事故で多数の命が
      奪われたのに、東電の誰も刑事責任を負わないことに納得がいかない》

 東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
 東京新聞の記事【福島原発事故、なぜ東京電力の刑事責任は問われないのか? 論点は同じなのに…民事で13兆円支払い命令も】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/390063)によると、《東京電力の旧経営陣個人の責任が問われた裁判は、刑事と民事の判断が分かれており、刑事責任を認定する難しさが改めて浮き彫りになった。刑事と民事の裁判の主な争点は、いずれも巨大津波を予見できたか、対策を取って事故を回避できたかの2点だ。強制起訴による刑事裁判は無罪とした一方、東電の株主が旧経営陣を訴えた民事訴訟では、2022年7月の東京地裁判決が賠償責任を認め、旧経営陣4人に計13兆円の支払いを命じた。論点がほぼ同じにもかかわらず、刑事と民事で逆の結論になったのはなぜか。…》

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https://mainichi.jp/articles/20250306/k00/00m/040/100000c

東電強制起訴、旧経営陣の無罪確定へ 福島原発事故で最高裁上告棄却
2025/3/6 13:24(最終更新 3/6 14:23)

     (最高裁判所=東京都千代田区隼町で、本橋和夫撮影)

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣2人の上告審で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は、無罪を言い渡した1、2審判決を支持し、検察官役の指定弁護士による上告を棄却する決定を出した。

 世界最悪レベルの原発事故を巡り、安全対策を指揮してきた旧経営陣の刑事責任が問われないことが確定する。裁判官3人全員一致の意見で、5日付。検察官出身の三浦守裁判官は審理から外れた。

 強制起訴されたのは、東電の勝俣恒久元会長と、いずれも元副社長の武黒一郎(78)、武藤栄(74)両被告。勝俣元会長は2024年10月に84歳で死去し、裁判が打ち切られていた。

 3人は、原発に津波が押し寄せて事故が起きることを予見できたのに漫然と運転を続け、福島県大熊町にあった双葉病院と介護老人保健施設から避難を余儀なくされた入院患者ら44人を死亡させたとして、16年2月に強制起訴された。

 公判では、旧経営陣が巨大津波の襲来を予見し、事故を回避できたかが最大の争点になった。

 東電は08年3月、政府の地震調査研究推進本部地震本部)が公表した地震予測長期評価」に基づく「最大15・7メートルの津波が原発に襲来する可能性があるとの試算を把握した。ただ、長期評価の信頼性を精査する必要があるとして外部の専門家に検討を依頼し、すぐに巨大津波への対策を取らなかった

 指定弁護士は長期評価には信頼性があり、これに基づけば巨大津波を予見できたとして、禁錮5年を求刑した。

 1審・東京地裁は19年9月の判決で、長期評価は専門家から信頼性に疑問の声が上がっており、原発を止めると判断するほどの信頼性があったとは言えないと指摘。巨大津波を予見できなかったとして無罪を言い渡し、2審・東京高裁判決も23年1月に支持していた。【巽賢司】
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/390090

東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」 幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判
2025年3月7日 06時00分

 東京電力福島第1原発事故を巡り、最高裁は巨大津波は予見できなかったとして、検察官役の指定弁護士側の上告を退けた世界最悪レベルの原発事故を起こしても、刑事責任はないとの結論になった旧経営陣の刑事裁判。市民感覚の反映を目的にした強制起訴制度によって、不起訴のままでは埋もれていた東電社内での対策先送りの実態が、公開の法廷で明らかになった。その一方、強制起訴で裁判になった事件の大半が有罪にはなっておらず、立証の難しさをあらためて示した。(小野沢健太三宅千智


◆「15.7メートルの津波」試算は出ていた

     (東京電力の武黒一郎元副社長(左)と武藤栄元副社長
      =いずれも2019年9月19日、東京・霞が関の
      東京地裁前で(木口慎子撮影))

 「対策を進める方向だと思っていたので、予想外の結論に力が抜けた

 一審の法廷で、地震・津波対策を担当していた東電社員は、2008年7月に東電本店であった会議での衝撃をこう振り返った。

 この日の会議は、担当社員らが武藤栄元副社長に、津波対策の判断を仰ぐために設けられた。その4カ月前、最大15.7メートルの津波が来るとの試算が出ていた。社員らは防潮堤などの工事に4年の歳月と数百億円の工費がかかると説明。武藤元副社長は「研究しようと言い、外部機関への調査依頼を指示した。実質的な対策の先送りだった


◆「外部への検討依頼でいいと思った」

 事故2年前の2009年2月には、………。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/389968

世界最悪レベルの原発事故なのに…その責任は一切問わず 東京電力の旧経営陣、無罪確定へ 最高裁が上告棄却
2025年3月6日 19時41分

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣2人の上告審で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は、巨大津波は予見できなかったとして、検察官役の指定弁護士側の上告を退ける決定をした。5日付。2人を無罪とした一、二審判決が確定する。岡村、草野耕一尾島明の3裁判官全員一致の意見。


◆争点は「予見できたかどうか」

 被告は原子力部門のトップだった武黒一郎元副社長(78)と、事故対策の実質的な責任者だった武藤栄元副社長(74)。2人とともに強制起訴され、昨年10月に84歳で死去した勝俣恒久元会長は公訴棄却となり、裁判が打ち切られた。

     (福島第1原発(資料写真))

 争点は、旧経営陣が巨大津波を予見でき、対策することで事故を回避できたかどうか。東電内部では2008年、最大15.7メートルの津波が来ると試算しており、その根拠となった政府の地震予測長期評価」(02年公表)の科学的な信頼性が争われた。


◆一、二審判決は「相当」

 第2小法廷は、長期評価について「一般に受け入れられるような積極的な裏付けが示されていたわけではなく、防災対策にかかわる地方公共団体なども全面的には取り入れていなかった」と指摘。「10メートルを超える津波が襲来する現実的な可能性を認識させる情報だったとまでは認められない」と信頼性を否定した。その上で「業務上過失致死傷罪の成立に必要な予見可能性あったと認定することはできない」と結論づけた。

 対策すれば事故を避けられたかについては、原発の運転を停止するしかなくそこまでの注意義務はなかったとした一、二審判決を「相当」とした。


◆「国に報告する義務あった」補足意見も

 草野裁判官は補足意見で、東電が巨大津波の試算を把握した08年当時、速やかに国に報告する義務があったと指摘。報告があれば国が原発の運転停止を命じ、事故を避けられた可能性があったとした。一方で、一、二審判決に不合理な点はないと多数意見に賛成した。

     (最高裁判所)

 また、第2小法廷に所属する三浦守裁判官は審理に加わらなかった。検察官時代にこの事件処理に関わっていたためとみられる。三浦裁判官は22年6月の避難者による集団訴訟の判決で、国の賠償責任を認める反対意見を付けていた。

 起訴状によると、勝俣元会長を含む旧経営陣3人は、原発の敷地の高さ(海抜10メートル)を上回る津波を予測できたのに対策を怠り、避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら44人を死亡させたなどとされていた。(三宅千智


   ◇


◆「旧経営陣が取るべき対策はなかったのか」検討なし

 強制起訴された東京電力旧経営陣を無罪とした最高裁決定は、「巨大津波は予見できなかったのひと言で、世界最悪レベルの事故を起こした旧経営陣に対して、誰も刑事責任は負わせないとの結論を出した。

 13ページの決定文は大半が一、二審判決の要約と補足意見で、第2小法廷としての決定理由は1ページ分だけ事故回避には原発の運転を止めるしかなかったとの各判決を踏襲し、旧経営陣がほかに取るべき対策はなかったのかは検討せず、事故に向き合うことを放棄した。

     (東京電力ホールディングス本社=東京・内幸町で)

 福島第1原発事故の取材を通して感じることは、自然の脅威に対し、事故対策が万全と言えることは決してないということだ。ひとたび事故が起きると多くの国民の命や生活を脅かす原発の危険性を考えれば、巨大津波の可能性を認識しながらも、対策を放置した東電には今後も原発を運転する資格はない


◆事故から14年、2万人が福島県外に避難したまま

 政府は2月に閣議決定したエネルギー基本計画の改訂版で、事故以降に明記し続けてきた「可能な限り原発依存度を低減するとの表現を削除し、原発の積極活用を加速させようとしている。

 事故から14年がたとうとする中、今も福島県には人が住めない地域が残り、約2万人が県外への避難を余儀なくされている。原発事故に対し、司法による責任追及や被害者救済には限界がある現実が突きつけられた。それでもなお、原発を使い続けるのか立ち止まって考えるべきだ。(小野沢健太


東京電力旧経営陣の刑事裁判 東京電力福島第1原発事故を巡り、福島県民らが2012年6月、東電元幹部らを告訴・告発。東京地検は不起訴としたが、検察審査会は勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の3人を2度にわたり「起訴すべきだ」と議決。検察官役の指定弁護士が2016年2月、業務上過失致死傷罪で強制起訴した。2019年9月の一審東京地裁判決は無罪(求刑禁錮5年)を言い渡し、2023年1月の二審東京高裁判決は指定弁護士側の控訴を棄却した。


【関連記事】「最高裁裁判官が東京電力と利害関係」原発事故めぐる強制起訴の上告審で被害者側が意見書「退任後に判断を」
【関連記事】ほぼ同じ証拠と争点なのに…旧東電経営陣の責任を問う訴訟の判決が民事と刑事で正反対になった背景〈控訴審〉
【関連記事】電力と人間が変えた「風景」 写真家として、原発事故訴訟の「検察官役」弁護士が見たもの
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●狂気の核発電推進…「原状回復」することも無く教訓も警告も無視し「原発回帰・原発復権」、しかも「コストやリスクをこっそり国民に押しつける…」

2024年11月11日 00時00分00秒 | Weblog

(2024年10月14日[月])
原状回復」することも無く教訓警告も無視して「原発回帰」「原発復権」、しかも、「コストやリスクをこっそり国民に押しつける…」デタラメの限りを尽くす核発電推進派。コスト的にも、とっくに破綻している。東京電力を破産させず、一体いくらの税金を注ぎ込んだのか。また、発電コストも核発電が異常に高いことは既に顕在化。「核発電は安い」はとっくの昔に破綻している。百万歩譲って「核発電は安い」からと言って、命にかかかわるリスクと比較でき得るのか? 「利権」に群がり、カネに蝟集する核発電寄生〝虫〟・核発電麻薬〝中毒〟者。
 南海トラフ地震によるリスク…浜岡核発電所伊方核発電所、そして、上関川内核発電所。核発電所を動かしたいということに、狂気を感じる。ペラペラの壁…、無謀な避難経路…、利権…。老朽核発電所…。《破滅的な事故》のリスクなど、想像する能力もないのか?

   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も
      3基で計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?
   『●膨大な《デブリの総量も3基で計約880トン》のうち、福島第1原発
     2号機の《1グラム程度を数回採取する予定》…いまだ、それさえも困難?
   『●東京電力福島第一核発電所《1~3号機に計約880トンあると推計されている》
     放射線量が極めて高いデブリ…「8億8千万グラムのデブリも1グラムから」
   『●「8億8千万グラムのデブリも1グラムから」…《現場に東京電力社員が
     いない下請け任せの姿勢と、点検でミスを見抜けない管理のずさんさを露呈…》
   『●《着手》ねぇ? 「8億8千万グラムのデブリも1グラムから」…《放射線量
        が極めて高》い、その数グラムのデブリをどこで保存するつもりなの?
   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
   『●何もかもがいい加減…命を賭して何をやっているのか? 南海トラフ地震の
     リスクの第一に議論すべきは核発電所であり、再稼働・新規建設など以ての外

 太田理英子記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/原発新増設の巨額コストを国民に負担させる政府の新構想 電気料金にこっそり上乗せ…「反対署名」が始まる】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/354987?rct=tokuhou)、《政府が原発の新増設を進めるため、建設費などのコストを電気料金に上乗せし、消費者から広く徴収する支援制度の導入を検討している。「コストやリスクをこっそり国民に押しつける制度はおかしい」。環境団体や市民団体が、構想に反対する声を集めようと、オンライン署名活動を始めた。そもそも、この構想はどんな問題をはらんでいるのか。(太田理英子)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/354987?rct=tokuhou

こちら特報部
原発新増設の巨額コストを国民に負担させる政府の新構想 電気料金にこっそり上乗せ…「反対署名」が始まる
2024年9月19日 12時00分

 政府が原発の新増設を進めるため、建設費などのコストを電気料金に上乗せし、消費者から広く徴収する支援制度の導入を検討している。「コストやリスクをこっそり国民に押しつける制度はおかしい」。環境団体や市民団体が、構想に反対する声を集めようと、オンライン署名活動を始めた。そもそも、この構想はどんな問題をはらんでいるのか。(太田理英子

     (日本原電敦賀原発3、4号機の建設予定地=
      福井県敦賀市で(本社ヘリ「まなづる」から))


◆「電力自由化に反する」

 「原発を特別扱いして独占的地位を確立することになり、電力自由化に真っ向から反する大変な問題だ」。署名開始に合わせて開かれた18日のオンライン記者会見で、呼びかけ人の一人、龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)はそう強調した。

 2016年に始まった電力の全面自由化は、競争原理の導入で大手電力会社による地域独占体制を崩し、電気料金を値下げすることも大きな目的だった。しかし、政府の原発支援構想は新たな国民負担につながる可能性がある。


◆料金上乗せ「英国モデル」

 政府内で検討しているのは、英国の原発支援策「RABモデル」を参考にした新たな制度。同モデルは、国が認可した原発について、建設が始まった時点で、建設費や維持費を、電力小売会社に負担させる仕組みだ。小売会社は、顧客の電力料金に上乗せして負担分を回収する当初の想定よりも建設費が膨らんでも、必要経費と認められれば、料金に追加で上乗せもできる

 構想が浮上した背景には、東京電力福島第1原発事故後、既存の原発の再稼働には巨額の事故対策費などが必要となり、電力会社側の財政負担が重くなっている事情がある。新制度で、稼働前から原発事業者に一定の収入を保証することで原発投資を促し、新増設を進める狙いとみられる。経済産業省は今後、具体案を検討する。


◆既に賠償費用は料金に転嫁

     (政府が再稼働を進める東京電力柏崎刈羽原発1兆円を超える
      事故対策費用をかけている=5月、新潟県で
      (本社ヘリ「あさづる」から))

 大島氏はRABモデルについて、「建設コストの増大や遅延のリスクなどを一般市民に転嫁することになる」と問題視する。これまでも、福島第1原発事故の賠償費用を、家庭向けの電気料金に含まれる託送料金(送配電網の利用料)に上乗せするなど、原発にかかるコストを表に出にくい形で、国民に負担させる流れができていると指摘。「税金だと分かりやすいため、託送料金としてじわじわと取る形になるのでは」


◆「温暖化対策も遅れる」

 東北大の明日香寿川(じゅせん)教授(環境政策論)は、自身が加わっている研究グループの試算を元に、原発新増設を進めれば再生可能エネルギーを中心にした場合よりも電力価格が高くなると指摘。「原発は二酸化炭素の削減コストが高く、温暖化対策も遅れる」とした。

 長崎大の鈴木達治郎教授(原子力政策)は「国際原子力機関(IAEA)の予測などでも、明らかに原子力シェアは世界的に衰退しているのに、政府は客観的評価をしていない」と指摘。新制度の検討が不透明な意思決定プロセスで進むことを懸念し、「データを公開して国民的議論をする仕組みが必要だ」と訴えた。


◆首相と経済産業相宛てに提出を目指す

 署名活動は環境問題などに取り組む13団体と有識者ら9人が企画し、運営サイト「Change.org」で募っている。10月25日で一度締め切り、首相と経産相宛てに提出する予定。


【関連記事】政府が原発新増設「検討」と明示…福島事故から封印のはずが推進姿勢 運転期間の延長、計17基再稼働も
【関連記事】原発しか持たない日本原子力発電が大ピンチ 敦賀の2号機も東海第2もメド立たず 一方で岸田政権は新増設に前向き
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●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた

2024年09月15日 00時00分24秒 | Weblog

[※ ↑【連載6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟】 (東京新聞 2022年06月11日)]


(2024年08月06日[火])
津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も同意見なの? 正気なのかな? 苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

 《「大量の海水が敷地に浸入することを防ぐことはできなかった可能性が高い」と指摘。国が東電に対策を義務付けなかったことと、原発事故の発生に因果関係はないと結論づけた》?
 「安全な原発」という形容矛盾を表していて、「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」のならば、国は核発電所を稼働させてはいけなかったのだ。国に明確な責任がある。《「地震、津波は想定外だから仕方なかったと言っているに等しい》。







[※ ↑ 朝日新聞 (2022年06月18日[土])]

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/184060

原発事故、国の責任認めず 避難者訴訟、最高裁が統一判断「津波対策命じても防げなかった可能性高い」
2022年6月18日 06時00分

最高裁第2小法廷の裁判官4人は「国の責任」をどう判断したのか?
  名 前              前 職       判断
――――――――――――――――――――――
 菅野博之              大阪高裁長官             
 草野耕一              弁護士                       認めず
 岡野和美              消費者庁長官
――――――――――――――――――――――
 三浦守                  大阪高検検事長          ○
                                                                 認める
――――――――――――――――――――――
=====================================================


 太田理英子記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/最高裁判事2人をやめさせたい理由とは…原発訴訟で国の責任を否定した不可解な経緯 弁護士らが弾劾請求】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/344577?rct=tokuhou)。《問題としたのは、福島県や群馬県で起こされた4件の訴訟で、国の責任について最高裁が初めて示した判断。国が2002年に公表した地震予測長期評価」を基に巨大津波を予見できたか▽防潮堤の設置などの対策を講じれば事故は防げたか―が主な争点とされた》。さらに、《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之草野耕一岡村和美の3判事が「多数意見」として導いた結論だ。…請求人は「裁判官は憲法及び法律にのみ拘束されるとの憲法規定に反するとし、退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事の訴追を求めた》、《ただ、今後の審理が実現するかは不透明だ。戦後間もない制度導入から昨年までの間、約2万4000件の訴追請求のうち、弾劾裁判に至ったのは判事が刑事事件を起こしたケースなど10件にとどまる。今年4月には、交流サイト(SNS)での不適切投稿を巡り、仙台高裁の岡口基一元判事が罷免され、話題になった》。

   『●岡口基一判事罷免問題…こんな結末で良かったのか? 国に楯突くような
     裁判官は「罷免」しても構わないというバイアスが掛かってはいまいか?
   『●岡口基一判事罷免問題…例えば、岡口基一・元判事がヒラメ裁判官
     だったとしても、裁判官弾劾裁判で「罷免」判決を出したでしょうか?
   『●疑問はシンプル…岡口基一元判事がたとえヒラメ裁判官であったとしても
     弾劾裁判で罷免しただろうか? 結論は《今回の弾劾裁判は間違っている》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/344577?rct=tokuhou

こちら特報部
最高裁判事2人をやめさせたい理由とは…原発訴訟で国の責任を否定した不可解な経緯 弁護士らが弾劾請求
2024年8月2日 12時00分

 東京電力福島第1原発事故での国の賠償責任を否定した2022年6月の最高裁第2小法廷判決を巡り、他の同種訴訟の原告や弁護士らが1日、判事2人は罷免すべきだとし、国会の裁判官訴追委員会に訴追するよう請求した。ただ、実際に訴追されて国会の「弾劾裁判所」で審理されるケースは少なく「狭き門」。それでもなぜ、踏み切ったのか。(太田理英子

     (最高裁判事に対する弾劾訴追請求の概要を説明する
      宮腰直子弁護士(右端)ら=1日、衆院第1議員会館で
      (佐藤哲也撮影))


◆津波の予見可能性、明確な判断示さず

 「最高裁判事が法を順守せずに判決を下すのは異常事態フェアに裁判する能力、意思に欠ける判事は弾劾裁判で罷免するしかない」。請求人の一人の宮腰直子弁護士は、東京都内の記者会見で力を込めた。請求人には原告や弁護士ら計10人が名を連ねた。

     (最高裁判事に対する訴追請求の報告会=1日、
      衆院第1議員会館で(佐藤哲也撮影))

 問題としたのは、福島県や群馬県で起こされた4件の訴訟で、国の責任について最高裁が初めて示した判断。国が2002年に公表した地震予測長期評価」を基に巨大津波を予見できたか▽防潮堤の設置などの対策を講じれば事故は防げたか―が主な争点とされた。

 高裁判決の段階では、群馬以外の3件は、津波は予見可能で事故は防げたとし、国の責任を認定。ところが、小法廷は長期評価の信頼性予見可能性について明確な判断を示さないまま、「適切な防止措置が取られていたとしても、事故が発生した可能性は相当ある」とし、国の賠償責任を否定した。唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之草野耕一岡村和美の3判事が「多数意見」として導いた結論だ。


◆被災者の生活権回復を願う思いも代弁

 民事訴訟法上、最高裁は事実認定のための審理はせず、憲法判断や法令解釈について審理するが、宮腰弁護士らは「必要な法令解釈を怠ったまま二審判決を破棄した」などと問題視。三浦判事も反対意見で「多数意見は、重大な危険を看過してきた安全性評価の下で、適切な検討もされなかった考え方をそのまま前提にするものと批判していた。請求人は「裁判官は憲法及び法律にのみ拘束されるとの憲法規定に反するとし、退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事の訴追を求めた。

     (最高裁)

 同種訴訟の下級審判決では、国の責任について判断が割れていたが、小法廷判決以降、国の責任を否定する判断が続く現在も、大勢の被災者が避難生活を強いられている。請求人に加わるルポライターの鎌田慧さんは「判決は、原発脱却を逆転させた政府方針にも大きく影響した。請求は、原発が破ってきた個人の人権、生活権の回復を願う人たちの思いも代弁している」と強調する。

 最高裁広報課は取材に対し、「コメントは差し控える」と答えた。


◆「訴追は99%難しい」それでも…

 憲法に基づく「裁判官弾劾制度」は、国民らの請求を受けて、国会議員で構成する訴追委が、訴追の適否を決める仕組み。訴追されれば、同じく国会議員14人による弾劾裁判所が公開の法廷で審理し、罷免するか否かを判断する。

 ただ、今後の審理が実現するかは不透明だ。戦後間もない制度導入から昨年までの間、約2万4000件の訴追請求のうち、弾劾裁判に至ったのは判事が刑事事件を起こしたケースなど10件にとどまる。今年4月には、交流サイト(SNS)での不適切投稿を巡り、仙台高裁の岡口基一元判事が罷免され、話題になった。

 今回の請求人の小野寺利孝弁護士は「訴追は99%難しいと言われる」と明かす。それでも今も20件以上の同種訴訟で闘う被災者らの存在が念頭にある。「請求は、裁判官の良心と公正らしさを問うもの他の訴訟を指揮する裁判官への警鐘乱打になれば


【関連記事】「原発事故は国の責任と認めて」 福島被災者らが最高裁囲む「人間の鎖」で訴え 国賠訴訟判決から2年
【関連記事】「原発はもう、あり得ない」福島から避難した新潟でまた…柏崎刈羽再稼働に前のめりな国や東京電力への怒り
【関連記事】敦賀原発2号機、再稼働に不適合と結論 「原子炉直下に活断層否定できず」と原子力規制委 廃炉の可能性も
【関連記事】原発事故時の賠償は「東京の人が負担してくれるのか」 柏崎刈羽、住民説明会で噴出した国と東京電力への不信
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●辺野古抗告訴訟、《原告の資格がないとして県敗訴とした一、二審判決が確定》――― アベ様《政権を忖度した判決が連発》危惧が的中…

2022年12月30日 00時00分16秒 | Weblog

(20221214[])
山口厚裁判長は、伊藤詩織さんの上告審ではまともな判決。その一方で、アベ様がごり押しした人事であったことも指摘されています。リテラは、《事実上の“学識者枠”の拡張であり、弁護士枠の削減だった。そんなところから、いま法曹界では「官邸による最高裁への人事介入ではないか」と恐れられ、安倍政権を忖度した判決が連発されるのではと危惧されているのだ》…辺野古破壊は、まさにアベ様や元・最低の官房長官のガースーオジサンへの《忖度》としか思えない。
 そう、沖縄。(琉球新報)《裁判官が時の権力におもねるような判断ばかりを示すならば、司法に対する信頼は失墜する裁判官は良心に従い職権を行使する独立した存在である》べきだというのに、またも、自公政権への《忖度》。そももそ、《不服審査請求など論外》なはずだ。

   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
            「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
    《また、今年1月の人事発表では、任期終了で交代する判事2名の
     うち、ひとつは“弁護士枠”であったにもかかわらず、安倍内閣は
     日弁連推薦の候補者をはずし、その後任に刑法学者の山口厚氏を
     あてた。山口氏は一応弁護士資格を持ってはいるが、取得してわずか
     1年足らず。事実上の“学識者枠”の拡張であり、弁護士枠の削減
     だった。そんなところから、いま法曹界では「官邸による最高裁への
     人事介入ではないか」と恐れられ、安倍政権を忖度した判決が
     連発されるのではと危惧されているのだ》

   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
    「【2017年最高裁判所裁判官国民審査】によると、以下の7名だ
     そうです。
      ①小池裕
      ②戸倉三郎
      ③山口厚 
      ④菅野博之
      ⑤大谷直人
      ⑥木澤克之
      ⑦林景一
     …最後にもう一度、思い出そう…《はたしてこれらは、単なる偶然なのか
     つまり、安倍首相は最高裁人事まで私物化し、“オトモダチのオトモダチ”
     のために、ポストを用意してやったのではないか。そういう疑念が
     頭をもたげてくるのである》」

   『●「完全に司法に影響を与えようとする
     露骨な圧力にほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果
   『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁には
         もはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁
   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り
      続けるのか?》 核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
   『●《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている》…〝本土〟
       マスコミの無関心も相まってソレが沖縄では如実に表れ続けている
   『●あの「逮捕潰し」は問い直されなくてもいいのか? 刑事は刑事、
     民事は民事で済ませていいのか? アノ中村格氏がいまや警察庁長官
    《ジャーナリストの伊藤詩織氏(33)が性被害を受けたと訴えて
     元TBS記者の山口敬之氏(56)に損害賠償を求めた訴訟の
     上告審で、最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)は山口氏の上告を
     退けた。山口氏が同意なく性行為に及んだと認定して約332万円の
     賠償を命じた二審・東京高裁判決が確定した。7日付の決定で、
     第一小法廷は憲法違反などの上告理由がないとだけ判断した》

 琉球新報の記事【辺野古抗告訴訟、沖縄県の上告棄却 最高裁、県の敗訴確定 埋め立て承認撤回を取り消した国交相裁決の違法性は判断せず】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1629400.html)によると、《名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄県による埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして、沖縄県が裁決取り消しを求めた抗告訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は8日、県の上告を棄却した裁決の違法性について判断せず、入り口論で県の訴えを退けた一、二審判決が確定した》。

   『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
        沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…
    「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法
     〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
     不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、一般国民の
     権利救済制度を使うこと自体がおかしいが「個人」になりすまし
     に救済を求めに判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる
     安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている

   『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
     「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」
   『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
      辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず
    《行政の不当行為に対して国民が不服を申し立てる行政不服審査法」に
     基づく不服審査請求を石井啓一国交大臣(公明党)に行い、裁決が
     出るまで効力を一時的に失わせる執行停止も求めたのだ》

   『●《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている》…〝本土〟
       マスコミの無関心も相まってソレが沖縄では如実に表れ続けている
   『●辺野古基地サンゴ訴訟、最「低」裁上告棄却…《国が、地方自治体の
      裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実》を無視
   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く

 斎藤貴男さんのコラムの一部をもう一度引用したい ―――――― 最「低」裁を頂点とする司法に失望してばかりだが、最近、衝撃を受けたことを再掲。(斎藤貴男さん)《当時、「週刊文春」の記者だった私は、彼を殺人犯に仕立てた連中に、「今のお気持ちは」と尋ねて回る取材を仰せつかったのだが、凄まじい成果を得てしまった。「犯人は梅田だと上が言うから逮捕したまで証拠なんかねえよ」と、元刑事は笑ったし、元裁判官は、「判決とは国家の意思なんだ真犯人なんか誰でもいい裁判所が死刑だと言えば吊るせばいい無期だと言ったらつなげばいいんだ」と、力説してくれたものである》…。

   『●裁判員制度反対…「冤罪もあることですし、あたしは死刑制度に反対
       です。人の命を、自民党の人たちみたいに軽く考えられないので」

 それにしても、沖縄についての裁判結果は酷いものばかり。最「低」裁の声が上がるのも、もっともだ。《三権分立が機能する民主国家》は幻想であり、《国民の権利救済という司法の役割に望み》はなく、《裁判所は沖縄の声に真摯(しんし)に向き合》うこともない。
 琉球新報の【<社説>抗告訴訟県敗訴確定 司法の使命を放棄した】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1629315.html)によると、《権力の集中と乱用を防ぐはずの三権分立が機能不全に陥っているのではないか。今回もまた、裁判所が実体審理に踏み込まなかった。名護市辺野古の新基地建設を巡り、県の埋め立て承認撤回を国土交通相が取り消す裁決をしたのは違法だとして、県が裁決の取り消しを求めた抗告訴訟で、最高裁は8日、県の上告を棄却した。原告の資格がないとして県敗訴とした一、二審判決が確定した》。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1629315.html

<社説>抗告訴訟県敗訴確定 司法の使命を放棄した
2022年12月9日 05:00

 権力の集中と乱用を防ぐはずの三権分立が機能不全に陥っているのではないか。今回もまた、裁判所が実体審理に踏み込まなかった

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、県の埋め立て承認撤回を国土交通相が取り消す裁決をしたのは違法だとして、県が裁決の取り消しを求めた抗告訴訟で、最高裁は8日、県の上告を棄却した。原告の資格がないとして県敗訴とした一、二審判決が確定した。

 新基地建設を強行する政府の手法は違法ではないのかという肝心の問題に裁判所としての判断を示さないまま、門前払いで訴訟が終わる。納得できるはずがない司法が自らの使命を放棄したと言わざるを得ない。

 米軍普天間飛行場の移設に伴う辺野古の埋め立てを巡り県は2018年8月、埋め立て承認の後になって予定海域に軟弱地盤や活断層が見つかったことや、県との留意事項違反、環境保全の問題点などの理由を列挙し、埋め立て承認の撤回を決めた。

 これに対し沖縄防衛局は、本来は国民の権利救済を目的とした行政不服審査制度を使って国交相に審査請求などを行い、国交相は県の撤回を取り消す裁決をした。

 県が行った撤回の処分と、それを無効にした国の手法について、裁判所は中立の立場でそれぞれの妥当性について判断を示す必要があった

 だが、那覇地裁は県に原告の資格がないとして、中身に踏み込まずに訴えを却下。控訴審の福岡高裁那覇支部も一審判決を支持していた。

 上告を受けた最高裁も弁論を開くことなく、「都道府県が抗告訴訟により審査庁の裁決の適法性を争うことを認めていない」と結論付けた。

 埋め立て承認の撤回は、当時の翁長雄志知事が死去の直前に方針を決めたものだった。県民の負託を受けた県政が真剣に検討した処分にもかかわらず、その判断の是非に司法は正面から向き合うことなく撤回を巡る訴訟は終結した。遺憾というしかない。

 県民投票でも明らかな民意に反して政府が基地建設を強行し、県が決めた撤回も内閣の「身内」による決定で無効にしてしまう訴訟要件の「入り口論」で自治体の主張を退けることは、地方から訴えられた国の行政手法に司法がチェックを入れず、追従することに他ならない。地方自治にも禍根を残す判決だ。

 ただ、辺野古新基地を巡る法廷闘争は終わりではない。軟弱地盤改良に必要な設計変更の不承認を巡り、県と国が新たな訴訟に入っている。辺野古周辺の住民らも国を相手に抗告訴訟を起こしている。一審で一部の原告適格が認められるなど、県の訴訟より踏み込んだ審理がされている。

 三権分立が機能する民主国家であることを信じ、国民の権利救済という司法の役割に望みをつないでいる。裁判所は沖縄の声に真摯(しんし)に向き合ってもらいたい
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●名古屋入管職員に殺人容疑無しと自信を持って言えるのならば、卑劣にも《ウィシュマさん妹の「特定活動ビザ」不許可》とするのか?

2022年08月22日 00時00分27秒 | Weblog

[※【ウィシュマさん死亡問題の入管開示資料 1万5113枚全て黒塗り 遺族「ごまかさないで」】 (東京新聞 2021年08月17日[火]、https://www.tokyo-np.co.jp/article/125024)↑]


(2022年08月07日[日])
どこまで卑怯な国なのか、恥ずかし過ぎる。なんて姑息なことを。「殺人」ではない自信があるのならば、係争しているご遺族に堂々と「特定活動ビザ」を許可すればいい。《亡くなった当時の映像や資料を渡してもらえず、真相究明もされていないため、日本に残って国賠訴訟に参加・発言している》ことが、それほど疎ましいのか。正々堂々と、公平にやんなさいよ。《東京入管の通知書には、不許可とした理由について「特定活動への変更を認めるに足りる相当の理由があると認められません」》というのは、まともな不許可理由でしょうか? 《相当の理由がある》と解釈すると、何か不都合があるのでしょうか? 《駒井弁護士は「(訴訟の相手方である)国、入管が(許可するかどうか)自由に決める。不正義がおこなわれていると強く感じる」と話した》…またしても、《不正義がおこなわれている》ニッポン。
 世界に、ニッポンの恥を拡散する愚行だ。

   『●《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度を
     笑われて「シャラップ」と言い放つ始末》…その司法からの逃亡

 弁護士ドットコム【ウィシュマさん妹の「特定活動ビザ」不許可 「精神的に衝撃を受けている」】(https://www.bengo4.com/c_16/n_14821/)によると、《代理人をつとめる駒井知会弁護士によると、裁判に参加するという理由での許可は、過去に例があるという。駒井弁護士は「(訴訟の相手方である)国、入管が(許可するかどうか)自由に決める。不正義がおこなわれていると強く感じる」と話した。ウィシュマさんの死をめぐっては、遺族が昨年11月、殺人被疑事件として名古屋地検に刑事告発。名古屋地検が今年6月に不起訴嫌疑なしとしたため、8月8日に検察審査会に申し立てることとなっている》。

 先日、恥をさらしたばかりだというのに ――――― 《職員の行為と死亡の因果関係を認定できなかった》…《最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した》《「地震、津波は想定外だから仕方なかったと言っているに等しい》と同じでは? 「殺される側」に責任を押しつけ。《過去にも同種の事案が起きていながら、なぜ悲劇は繰り返されるのか》、《わが国の入管体制のずさんさ》を見て見ぬふりの司法、こんな国で良いのですか? ――――― そして、《不正義》にも、《ウィシュマさん妹の「特定活動ビザ」不許可》とする恥知らずぶり。

   『●《「人間として扱って欲しい」…ウィシュマさんの遺品である番号が
       振られた青いシャツの写真を示し、人間は数字ではない、と》…
    「周香織氏による、レイバーネットの記事【安田菜津紀さん渾身の
     黒板解説〜TBS「サンデーモーニング」でウィシュマ事件】…。
     望月衣塑子記者による、東京新聞の記事【ウィシュマさん死亡問題の
     入管開示資料 1万5113枚全て黒塗り 遺族「ごまかさないで」】」

   『●《人道上の対応》? 《ウィシュマンさんの名誉や尊厳の観点》から
      同席拒否? ➙《遺族は弁護士の同席を強く希望して》るんだよ!
   『●武田砂鉄さん《忘却に加担するのか、しっかり掘り返して問うのか、
     メディアが問われている。またいつもの感じでやっているの…》
    「「入管がウィシュマさんを見殺しに」《人命軽視》、1万5113枚
     すべて黒塗り隠蔽体質》…もう、滅茶苦茶だ」
    【「入管がウィシュマさんを見殺しに」代理人弁護士が語る人命軽視、
     隠蔽体質】…《スリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん
     (当時33)が、名古屋出入国在留管理局の施設で亡くなった問題は、
     わが国の入管体制のずさんさを浮き彫りにした。過去にも同種の事案が
     起きていながら、なぜ悲劇は繰り返されるのか。遺族側の代理人である
     指宿昭一弁護士に聞いた》

   『●古川禎久法相「捜査機関で死因含め、適正な捜査が行われる」はホント
       なのか? ウィシュマさん事件で入管幹部らを殺人容疑で刑事告訴
   『●ドキュメンタリー映画『牛久 Ushiku』…《華やかな東京オリンピック
     開催の影で、露わになる日本の“おもてなしの現実”と“偽りの共生”》
   『●ドキュメンタリー映画『牛久 Ushiku』…《職員たちは「暴力」とは認識
     していない…入管側の認識が、一般常識とあまりにもかけ離れている》
   『●「殺す側の論理」、ついには人の「死」にまで「自己責任論」を持ち
      出すようになったよ。あなたは「殺す側」に居るつもりらしいが…
   『●《名古屋地検は…殺人容疑で告訴されていた当時の名古屋入管職員
     13人を「嫌疑なし」として不起訴にした》…恥ずかしい、野蛮過ぎる

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https://www.bengo4.com/c_16/n_14821/

ウィシュマさん妹の「特定活動ビザ」不許可 「精神的に衝撃を受けている」
2022年08月03日 16時05分

 名古屋入管で昨年3月に亡くなったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんの妹、ポールニマさんが、短期から長期の在留資格への変更を申し立てたところ、東京出入国管理局長が8月3日、不許可としたことがわかった。

 ポールニマさんともう1人の妹ワヨミさん、その代理人が同日、都内で記者会見を開いて明らかにした。ポールニマさんらは現在、ウィシュマさんの死について真相究明をもとめる国家賠償訴訟を起こしているが、その裁判への参加に影響を与えかねない事態となった。


●在留資格「特定活動」への変更が認められなかった

 ポールニマさんは昨年5月に来日。当初は長期滞在の予定はなかったが、ウィシュマさんが亡くなった当時の映像や資料を渡してもらえず、真相究明もされていないため、日本に残って国賠訴訟に参加・発言している

 これまで短期滞在の在留資格を3カ月ごとに更新してきたが、今年5月の更新時、東京入管から短期滞在の更新は今回限りと言われたという。そのため、6月20日、長期滞在ができる「特定活動」という在留資格への変更許可を申し立てていた。

 8月3日午前にポールニマさんが受け取った東京入管の通知書には、不許可とした理由について「特定活動への変更を認めるに足りる相当の理由があると認められません」と記されている。


●代理人「不正義がおこなわれていると強く感じる」

 次回の国賠訴訟の期日は9月14日だが、ポールニマさんの在留資格は8月25日に切れてしまう。裁判に参加するには、短期滞在の更新を認めてもらうか、いったん帰国して再度入国することになる。だが、帰国後に改めて入国ビザを得るには半年ほどかかるとされる。

 ポールニマさんは8月3日、東京・永田町の参院議員会館で開いた記者会見で「特定活動の許可はおりるんじゃないかと期待していました。不許可になるとは思っておらず、精神的にすごく衝撃を受けています」と述べた。

 代理人をつとめる駒井知会弁護士によると、裁判に参加するという理由での許可は、過去に例があるという。駒井弁護士は「(訴訟の相手方である)国、入管が(許可するかどうか)自由に決める。不正義がおこなわれていると強く感じる」と話した。

 ウィシュマさんの死をめぐっては、遺族が昨年11月、殺人被疑事件として名古屋地検に刑事告発。名古屋地検が今年6月に不起訴嫌疑なしとしたため、8月8日に検察審査会に申し立てることとなっている。
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●《史上最大の公害事件》核発電人災について《東電の旧経営陣に対し、東電に賠償するよう株主が求めた》株主代表訴訟…13兆円の賠償命令

2022年07月27日 00時00分09秒 | Weblog

[※ ↑【連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟】 (東京新聞 2022年06月11日)]


 (2022年)07月15日[金])
デモクラシータイムスの映像記事【【白井聡 ニッポンの正体】原発事故はまた起きる!最高裁、驚愕の無責任判決 ゲスト:馬奈木厳太郎さん】(https://www.youtube.com/watch?v=dIljdGNGO9s)、《東京電力福島第一原発事故について被害者が国の賠償責任を問うた訴訟で、最高裁が6月に、「責任がない」という判断を示しました。この判決をどう見るのか。また、今後再び事故が起きうる可能性について福島の事故を基に再検証しました。2022年7月10日 収録》。


【【白井聡 ニッポンの正体】原発事故はまた起きる!最高裁、驚愕の無責任判決 ゲスト:馬奈木厳太郎さん】
 (https://www.youtube.com/watch?v=dIljdGNGO9s

 《史上最大の公害事件》、核発電人災。《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国の日本で原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》…なはずなのに。最「低」裁。そんな論理が許されるのならば、二度と核発電所の稼働など許されない。さっさとすべて廃炉作業に入るべき。(琉球新報)《電力会社と共に「安全神話」を掲げて原発政策を進めてきた国の責任も問われる》べきなのに…。

   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?

   『●《史上最大の公害事件》…最「低」裁は《仮定に仮定を重ねて…国の
     責任を否定した。被害者が何を裁判に求めていたかに…向き合わず…》
    《原発避難者訴訟で最高裁が初判断「国の責任認めず」 
     争点は「津波の予見」できたのか添田孝史
     …この史上最大ともいえる公害事件を、誰が引き起こしたのか
     防げなかったのか
      それを追及するため、大きくわけて3種類の訴訟が起こされている。
     当時の東電幹部を業務上過失致死傷罪で強制起訴した
     刑事裁判(1審無罪)。東電の旧経営陣に対し、東電に賠償するよう
     株主が求めた株主代表訴訟。そして17日に最高裁で判決があった
     のは、住民らが国や東電に損害賠償や原状回復を求めた
     訴訟(集団訴訟)だ》

   『●《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国」の日本で
     原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》





[↑ 朝日新聞朝刊 (2022年07月14日[木])]

 さて、《史上最大の公害事件》、核発電人災についての《東電の旧経営陣に対し、東電に賠償するよう株主が求めた》株主代表訴訟、東京地裁は《13兆3210億円の賠償を命じた》。当たり前な判決だと思う。漸く、地裁・高裁レベルではまともな判決も出るようになった。
 田中恭太記者による、アサヒコムの記事【東電旧経営陣4人に13兆円の賠償命令 原発事故めぐる株主代表訴訟】(https://www.asahi.com/articles/ASQ7F3Q0DQ76UTIL03D.html)によると、《朝倉佳秀裁判長は勝俣恒久元会長、清水正孝元社長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の4人に13兆3210億円の賠償を命じた。取締役としての注意義務を果たしていれば原発事故は防げたという判断で、原発事業者の経営責任の重さを示した画期的な判決となる》。
 琉球新報の【<社説>原発事故株主訴訟 経営陣の責任は当然だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1549669.html)によると、《東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟で、東京地裁は13日、勝俣恒久元会長や清水正孝元社長ら旧経営陣4人に計13兆円余りの支払いを命じた。安全対策を怠った当時の経営トップの責任を司法として初めて認めた》。

 《だが、原発事故で住む土地を失い避難生活を続ける人がいる。廃炉の見通しは立たず、大量の汚染水が日々生じている。どんな金額を積んでも取り返せる被害ではない》。そんなに核発電を続けたければ、国や電力会社は福島を《原状回復》して見せて下さい。100兆歩譲って、《原状回復》して見せてくれたら、再稼働について議論して下さい。《原状回復》なんてできないわけですから、さっさと全炉の廃炉作業に移るべき。11年間超、なにをゴチャゴチャ言っているのか。電力が足りない? この11年間以上、国や電力会社は何をやっていたのか?

   『●星北斗座長「甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい」 
            …では、何が原因なのか?、を説明して下さい!
   『●2011年の『X年後』:星北斗座長「現時点で 
     放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?
   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見て
      みたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?
    《とくに、原発事故による放射性物質の拡散の影響、それによる
     疾病の増大、小児甲状腺癌の発生と検査体制の問題については、
     とても数十行の文章では意を尽くせない。それについては稿を
     改めようと思う》

   『●《【原発耕論…】福島事故で被ばくしたこどもたちに、不安なく過ご
     せる未来を!(311子ども甲状腺がん裁判)》(デモクラシータイムス)
   『●子ども甲状腺がん裁判《東電側…弁護団…「原告らは…甲状腺の健康
     リスクの上昇には関わりがない」などと因果関係を否定》…血も涙も無し
   『●3.11から11年で、この有様…《配管は…事故直後…炉内の汚染蒸気を
     放出する排気(ベント)で使われた。11年が過ぎても、人が近づけない》

 《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ…安倍晋三》様だ。そのアベ様もいまは亡い。キシダメ氏は、国会での議論も無く、国葬をぶち上げた。正気とは思えない。リテラ《3.11に改めて問う安倍首相の罪! 第一次政権で福島第一原発の津波、冷却機能喪失対策を拒否した張本人だった》。

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
       “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき


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https://www.asahi.com/articles/ASQ7F3Q0DQ76UTIL03D.html

東電旧経営陣4人に13兆円の賠償命令 原発事故めぐる株主代表訴訟
田中恭太 2022年7月13日 15時07分

     (東京地裁に入る東電株主代表訴訟の原告や弁護士ら
      =2022年7月13日午後2時30分、東京都千代田区、
      井手さゆり撮影)

 東京電力福島第一原発事故をめぐり、東電の株主48人が旧経営陣5人に対し、「津波対策を怠り、会社に巨額の損害を与えた」として22兆円を東電に賠償するよう求めた株主代表訴訟の判決が13日、東京地裁であった。朝倉佳秀裁判長は勝俣恒久元会長、清水正孝元社長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の4人に13兆3210億円の賠償を命じた。

 取締役としての注意義務を果たしていれば原発事故は防げたという判断で、原発事業者の経営責任の重さを示した画期的な判決となる。

13兆円の賠償命じた朝倉佳秀裁判長とは 原発訴訟で初の現地視察も
識者「他の電力会社にも影響」東電株主訴訟、原告勝訴の意味合いとは
「過去最高」の22兆円、払える? 原発事故の東電株主訴訟、判決へ
【そもそも解説】株主代表訴訟、勝っても賠償金入らず でも闘う理由

 被告は、経営の2トップだった勝俣元会長、清水元社長、原発を担う「原子力・立地本部」の責任者だった武黒元副社長、武藤元副社長、小森明生元常務の5人。


賠償や廃炉の費用、22兆円を請求

 原告は事故前から脱原発を求めてきた東電の個人株主らで、2012年3月に提訴した。被害者への賠償、廃炉、除染など、原発事故で東電に生じる費用を総額22兆円と算出し、東電に支払うよう求めていた。株主側は、22兆円の請求額は国内の株主代表訴訟で過去最高額とみていた。

 株主らは、02年に国が公表した地震予測「長期評価」や、これを元に東電子会社が08年に計算した最大15・7メートルの津波予測には信頼性や合理性があったと指摘。旧経営陣は、巨大津波の到来を予見できたのに、原発事故を防ぐ防潮堤の建設や原子炉建屋の浸水対策を怠り取締役が負うべき「善良な管理者」としての注意義務に違反したと主張した。

 特に武藤元副社長については、15・7メートルの計算結果の報告を受けたのに、妥当性の検討を土木学会に委ねることで対策を先送りしたと強調した。武黒元副社長に対しても、この方針を了承して何の措置も講じなかったと訴えた。


5人の被告、いずれも反論

 一方、武黒、武藤、小森の3氏は「長期評価には津波対策に採り入れるべき信頼性はなかった」と反論した。長期評価の取り扱いについて社外の専門家である土木学会に検討を依頼したのは「合理的」で、むしろ注意義務は尽くしていたとも主張した。

 勝俣氏と清水氏は、会社全体をみる立場で原発の専門的な知識はなく、「対策が必要になれば担当部署から報告・提案があると認識していた」と反論した。会長については、業務上の執行権限もなかったともしていた。

 株主代表訴訟では、取締役らの違法行為や経営判断の誤りで会社が被った損害について、会社が責任を追及しない場合株主が会社に代わって賠償を求める。東電は被告側の立場で補助参加していた。


刑事裁判では一審無罪

 東電旧経営陣の個人の責任を問う裁判としては、勝俣、武黒、武藤の3氏が、検察審査会の議決に基づき、業務上過失致死傷罪で強制起訴された刑事事件もある。東京地裁は19年に無罪判決を言い渡し、東京高裁の控訴審判決が23年1月に予定されている。

 また、事故で被害を受けた住民らが国を訴えた集団訴訟では、最高裁が6月に責任を認めない判決を出していた。(田中恭太)
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1549669.html

<社説>原発事故株主訴訟 経営陣の責任は当然だ
2022年7月15日 05:00

 東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟で、東京地裁は13日、勝俣恒久元会長や清水正孝元社長ら旧経営陣4人に計13兆円余りの支払いを命じた。安全対策を怠った当時の経営トップの責任を司法として初めて認めた

 未曽有の被害をもたらした原発事故で、責任の所在を明確にした判決の意義は大きい。原発は安全でも低コストでもない。経営者個人が負担するにはあまりに巨額な責任を負うことになる原発の経営は、事業として破綻していると言っていい。脱原発を進めなければならない

 訴訟は、廃炉や汚染水処理の費用などで会社に巨額の損害を与えたとして、一部株主が旧経営陣5人に対して総額22兆円を東電へ賠償するよう求めた。2012年3月の提訴以来、巨大津波による事故を予見できたかどうかが焦点となってきた。

 予見可能性を巡り、政府の地震調査研究推進本部が02年に公表した地震予測「長期評価」に基づき、東電子会社は福島第1原発に最大15.7メートルの津波が到達する試算を出していた。13日の判決は、長期評価は科学的信頼性が認められるとし、大津波が来ることは予見できたと結論付けた

 試算を得ながら対策を先送りした東電の対応について、朝倉佳秀裁判長は「いかにできるだけ現状維持できるか、有識者の意見のうち都合の悪い部分を無視ないし顕在化しないようにするかということに腐心してきた」と厳しく批判。試算に基づき建屋や重要機器室の浸水対策工事を実施していれば、事故を避けられた可能性があったと判断し「事故対策を速やかに指示すべきだったが、取締役としての注意義務を怠ったと旧経営陣の賠償責任を認めた

 原発事故が起きるまで、国も電力会社も原発は「安全」だと強調して設置を推進してきた。その内側では、対策工事の費用がかさむことを嫌がり、現場任せの対応で適切な対策を先送りしていた。発電コストを抑えることが経営者の関心であり、原子力事業者としての徹底した安全意識は根本から欠けていた

 今回の賠償額は国内の民事訴訟で最高とみられる。津波対策を放置した経営判断のつけは巨額の代償となった。だが、原発事故で住む土地を失い避難生活を続ける人がいる。廃炉の見通しは立たず、大量の汚染水が日々生じている。どんな金額を積んでも取り返せる被害ではない

 旧経営陣3人が強制起訴された刑事裁判では、大津波の予見可能性はなかったとして一審は無罪となった。だが、今回の判決は東海第2原発(茨城県)を運営する日本原子力発電が浸水対策を取っていたことなどを挙げ、東電も「浸水対策を発想することは十分に可能だった」とした。経営陣が責任を負うのは当然だ

 電力会社と共に「安全神話」を掲げて原発政策を進めてきた国の責任も問われる
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●《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国」の日本で原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》

2022年07月09日 00時00分08秒 | Weblog

[※ ↑【連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟】 (東京新聞 2022年06月11日)]


※2022年07月08日(金) 正午前、安倍晋三氏が銃撃され、夕方に、亡くなりました。このような暴挙は許されるはずもありません。故人のご冥福をお祈りします。
 安倍氏がたとえどのような思想を持っていようが、暴力によって言論を封殺するなどあってはなりません。安倍氏とは全く異なる思想を持っていようが、政治信条であろうが、同様です。今回、野党議員の多くがそうしたように、たとえ野党の議員の皆さんに対する同様な蛮行があったとしても、自民党の皆さんも断固としてその蛮行を非難するはずです。当たり前です。ましてや、ヘイトや差別をまき散らす非道など、恥ずべきことはやめるべき。
 戦争という暴力も同様です。いかなる理由があろうとも、戦争してはいけない。

 一方、安倍晋三氏の数々の〝案件〟が消えてなくなるわけでは、当然、ありません。いまマスコミで繰り広げられている、安倍氏を神のごとく崇め奉ることなど許されるはずもない。今後も、非難されるべきは非難すべき。今後も、死者は鞭打たれるべきだ。
 また、選挙は選挙、です。冷静な投票行動をお願いします。自公お維コミに投票すること、選挙に行かずに間接的に自公を支持すること、そのような投票行動がどの様な未来をもたらすかを冷静に判断すべき。戦争できる国にしてはいけない。

   『●死者に鞭打つ…風見鶏氏・中曽根康弘元首相《日本の戦後
     民主主義政治を歪めた張本人》が《ダンマリを貫いた》問題とは?
   『●風見鶏氏・中曽根康弘元首相《左派労働運動(総評)をつぶし、
        社会党をつぶすことまで意図していたとあけすけに…》
   『●《「国民には自助だ共助だと自己責任押し付けて中曽根の葬式には
     公助か」の声》(リテラ)…河野太郎行革担当相は閣議の際に無言?


(2022年06月26日[日])
苦しむ市民を救わない司法、最「低」である。最大の戦犯・アベ様に気を遣う最「低」裁。《史上最大の公害事件》で、国の責任を免罪するとは、呆れ果てる。
 馬奈木厳太郎弁護士の言葉に尽きる。「もし対策を取っていたら防潮堤を造ったことだろう、それでは事故は防げなかっただろうと、仮定に仮定を重ねて、最高裁は国の責任を否定した被害者が何を裁判に求めていたかに最高裁は向き合わず、考え方を示すことを回避した。大変悔しい」。

   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?

   『●《史上最大の公害事件》…最「低」裁は《仮定に仮定を重ねて…国の
     責任を否定した。被害者が何を裁判に求めていたかに…向き合わず…》

 そんな論理が許されるのならば、二度と核発電所の稼働など許されない。さっさとすべて廃炉作業に入るべき。

 「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」のならば、国は核発電所を稼働させてはいけなかったのだ。国に明確な責任がある。《「地震、津波は想定外だから仕方なかったと言っているに等しい》。
 沖縄タイムスの【社説[原発避難者訴訟]国の主張 追認する判決】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/977002)によると、《東京電力福島第1原発事故で避難した住民らが国に損害賠償を求めた集団訴訟で、最高裁が、国の賠償責任を認めない判決を言い渡した。東電を規制する立場だった国の法的責任を不問に付すもので、最高裁の判断にはいくつかの疑問が残る。訴訟は「巨大津波を予見できたか」「対策を講じていれば事故を回避できたか」が争点となっていた。最高裁は、予見の可能性について判断を示さなかった。事故回避については、津波の被害は事前の試算を大きく超え、国が規制権限を行使して、東電に防潮堤の設置などを命じても、事故を防げなかった可能性が高いと結論付けた。国策として原発建設を推し進めてきた国には、積極的に対策を講じる責任があったはずだ。最高裁の判断はその責任を軽視したと言わざるを得ない》。

 (AERA)《…「長期評価」…15.7メートル…。…「津波評価技術」…5.7メートル…。「長期評価」は、法律にもとづいた、国による公式な地震の予測だ。一方「津波評価技術」は、電力会社が費用を全額負担して土木学会に委託し、電力社員が中心になって取りまとめた何の法的裏付けもない予測である。しかし国は、自らが予測した「長期評価」より、「津波評価技術」の方が信頼できるとし、「だから高い津波は予見できなかった」と主張しつづけてきた》。そして、最「低」裁は、《国は「3.11の津波は、長期評価が予測する津波より大きかった。だから長期評価の津波に備えていたとしても、事故は防げなかった」と主張していた。これを認めた形だ》。《東京高裁(千葉控訴審)は、想定にある程度の余裕を持たせた対策をするのが一般的なので、「長期評価」に備えて防潮堤の建設や建屋の水密化などをしておけば、3.11の津波でも影響は相当程度軽減され、「本件事故のような全電源喪失の事態に至るまでのことはなかった蓋然性が高い」とし、国の責任を認めていた》というのにだ。
 琉球新報の【<社説>原発事故国の責任否定 原発政策への信頼失墜】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1535494.html)によると、《最高裁は東電に対策を取らせていても実際の津波は想定より大きく、事故に至ったと判断した。想定できないから免責されるという論法なら地震大国日本で原発は稼働させてはならないだろう想定外であっても原発政策を推進してきた国の結果責任は免れない。事故対策は原発政策の根幹だ。今回の事故で国の責任を認めないのなら国の原発政策はもはや信用できない。信頼は地に落ちたも同然だ》。

 東京新聞の【<社説>原発避難者訴訟 納得しがたい判断だ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/184112?rct=editorial)によると、《そのような事態は予想できたはずであるならば防潮堤を高くしたり、原子炉建屋の防水対策をしたり、電源車を高台に配置するなど、全電源喪失の事態に陥らないための対策は十分、考えられたのではないかそもそも「危険」と考えれば、原発の運転停止の判断もありうるはずである。実際に日本原子力発電東海第二原発(茨城)の場合は、「最も危険な想定」で津波高を一二・二メートルとし、〇九年に従来の倍になる高さの盛り土工事や建屋扉の防水工事などをした。その結果、大津波の被害から免れたのである。「対策をしてもムダとでも言うような論法を許すならば、地震の巣と呼ばれる日本列島の上で原発を運転させること自体がもはや犯罪的ではないだろうか》。
 核発電所の再稼働など《もはや犯罪的》なのだ。やれるものなら《原状回復》して見せてから、《原発回帰》を口にせよ。福島を元の姿に戻して見せよ。

 さらに最も腹立たしいのは、最大の戦犯が未だにのうのうと政治家で居続けていること。最大の戦犯・アベ様が、核発電所を新規に作りたいそうです…正気じゃない。その核発電所に「アベシンゾウ」とでも名付けては如何か?

   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
             核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
       事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●高松高裁原発避難者訴訟…《「長期評価」を真摯に受け止めていたら、
       遅くとも東日本大震災の前までに、さまざまな津波対策は取れた》







[※ ↑ 朝日新聞 (2022年06月18日[土])]

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●《史上最大の公害事件》…最「低」裁は《仮定に仮定を重ねて…国の責任を否定した。被害者が何を裁判に求めていたかに…向き合わず…》

2022年06月30日 00時00分29秒 | Weblog

[※ ↑【連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟】 (東京新聞 2022年06月11日)]


(20220626[])
添田孝史記者による、AERAの記事【原発避難者訴訟で最高裁が初判断「国の責任認めず」 争点は「津波の予見」できたのか】(https://dot.asahi.com/aera/2022062100013.html)。

 《「肩透かし判決だ」 判決言い渡し後、「『生業を返せ、地域を返せ!』福島原発訴訟(生業訴訟)」の弁護団事務局長の馬奈木厳太郎弁護士は、最高裁の正門前に姿を見せ、判決文を振りかざして怒った。高裁判決では判断が割れていた津波の予見可能性や、それに国が適切に対応していたかについて、最高裁が判断を示すと期待していた。ところが津波のリスクを国の規制権限でどう扱うべきだったか、十分検討せずに、国の責任を認めない結論を導いていたからだ。「もし対策を取っていたら防潮堤を造ったことだろう、それでは事故は防げなかっただろうと、仮定に仮定を重ねて、最高裁は国の責任を否定した被害者が何を裁判に求めていたかに最高裁は向き合わず、考え方を示すことを回避した。大変悔しい」》

 馬奈木厳太郎弁護士の言葉に尽きる。






[※ ↑ 朝日新聞 (2022年06月18日[土])]

 苦しむ市民を救わない司法、最「低」である。最大の戦犯・アベ様に気を遣う最「低」裁。

   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?


 最大の戦犯は未だにのうのうと政治家で居続けている。最大の戦犯・アベ様が、核発電所を新規に作りたいそうです…正気じゃない。その核発電所に「アベシンゾウ」とでも名付けては如何か?

   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
             核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
       事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●高松高裁原発避難者訴訟…《「長期評価」を真摯に受け止めていたら、
       遅くとも東日本大震災の前までに、さまざまな津波対策は取れた》

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https://dot.asahi.com/aera/2022062100013.html

原発避難者訴訟で最高裁が初判断「国の責任認めず」 争点は「津波の予見」できたのか
2022/06/22 18:00
添田孝史

     (東京電力福島第一原子力発電所の様子。左から4号機、
      3号機、2号機、1号機/2012年9月、朝日新聞社ヘリから)

 2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故から11年。各地に避難した人らが国と東電に損害賠償を求めた4件の集団訴訟で最高裁第二小法廷が17日、判決を言い渡した。AERA 2022年6月27日号の記事から紹介する。

原発事故、訴訟をめぐる主な出来事はこちら

*  *  *

「肩透かし判決だ」

 判決言い渡し後、「『生業を返せ、地域を返せ!』福島原発訴訟(生業訴訟)」の弁護団事務局長の馬奈木厳太郎弁護士は、最高裁の正門前に姿を見せ、判決文を振りかざして怒った。

 高裁判決では判断が割れていた津波の予見可能性や、それに国が適切に対応していたかについて、最高裁が判断を示すと期待していた。ところが津波のリスクを国の規制権限でどう扱うべきだったか、十分検討せずに、国の責任を認めない結論を導いていたからだ。「もし対策を取っていたら防潮堤を造ったことだろう、それでは事故は防げなかっただろうと、仮定に仮定を重ねて、最高裁は国の責任を否定した被害者が何を裁判に求めていたかに最高裁は向き合わず、考え方を示すことを回避した。大変悔しい」

 群馬訴訟の原告の一人、丹治杉江さんは「最高裁がきっと、原因と責任を明らかにしてくれる。一歩だけでも前進すると信じていました。こんな判決が出るとは思っていませんでした。どうしたらいいんだろうと呆然としています」と話した。


■史上最大の公害事件

 現在でも、福島第一原発の周辺には放射線量が高くて人が住めない「帰還困難区域」が335平方キロ(東京23区の約半分)もある。廃炉、除染、賠償など事故の後始末には約22兆円かかると推計されている。これは原発事故関連を除いた東日本大震災の被害約17兆円を超えており、今後さらに増えそうだ。最大16万人以上が避難を強いられ、今も多くの人が元の生活に戻れない。遠方へ複数回、長期間の避難を強いられた心労が、福島県だけで2300人を超える震災関連死の主因となった。

 この史上最大ともいえる公害事件を、誰が引き起こしたのか防げなかったのか

 それを追及するため、大きくわけて3種類の訴訟が起こされている。当時の東電幹部を業務上過失致死傷罪で強制起訴した刑事裁判(1審無罪)。東電の旧経営陣に対し、東電に賠償するよう株主が求めた株主代表訴訟。そして17日に最高裁で判決があったのは、住民らが国や東電に損害賠償や原状回復を求めた訴訟(集団訴訟)だ。

 集団訴訟は、住民らの避難先などに分かれ全国で約30件あり、そのうち4件(生業<福島>、千葉、群馬、愛媛)について、この日最高裁で判決があった。提訴から9年以上かかっている。

 高裁段階での争点は、福島第一に大津波が襲来することを予見できたかどうかだった。

 国の地震調査研究推進本部が2002年7月に発表した「長期評価」は、古文書には記録は無いが、福島沖でもマグニチュード8.2程度の大津波を起こす地震(津波地震)が発生しうると、地震学研究の成果をもとに予測していた。これにもとづくと福島第一の津波高さは15.7メートルになり、敷地高さ(10メートル)を越える


■津波の予見が争点

 一方、東電など電力業界は、事故が起きるまで土木学会の「津波評価技術」と呼ばれる津波予測の方法を使っていた。これは、東北地方太平洋側では、古文書に確実に残っている地震しか想定していない。「津波評価技術」にもとづいて、福島第一原発地点の津波高さは5.7メートルになる東電は想定していた。

 「長期評価」は、法律にもとづいた、国による公式な地震の予測だ。一方「津波評価技術」は、電力会社が費用を全額負担して土木学会に委託し、電力社員が中心になって取りまとめた何の法的裏付けもない予測である。しかし国は、自らが予測した「長期評価」より、「津波評価技術」の方が信頼できるとし、「だから高い津波は予見できなかった」と主張しつづけてきた

 「長期評価」と「津波評価技術」、どちらが信頼できるか、4高裁で評価はわかれた。仙台高裁(生業訴訟)は、「長期評価」を「津波評価技術」より重んじた。東京高裁(千葉控訴審)や高松高裁(愛媛控訴審)は、両者を同等に扱った。この3高裁は、津波は予見できたとして、国の責任を認めていた


■求められた厳密な立証

 東京高裁(群馬控訴審)は「長期評価の知見には、種々の異論や信頼性に疑義を生じさせる事情が存在していた」、一方で津波評価技術」について「確立しており実用として使用するのに疑点のないもの」と判断し、国の責任を認めなかった

 最高裁判決は、おそらく東京高裁(千葉控訴審)と同じように、「長期評価」と「津波評価技術」を同等に扱い、国の責任を認めるのではないか、と予想されていた。ところが、最高裁判決は、長期評価の信頼性については詳細な判断を示さず、それに備えた対策をしていたとしても事故は防げなかったとした。

 事故が回避できたかどうかについて、国は「3.11の津波は、長期評価が予測する津波より大きかった。だから長期評価の津波に備えていたとしても、事故は防げなかった」と主張していた。これを認めた形だ

 東京高裁(千葉控訴審)は、想定にある程度の余裕を持たせた対策をするのが一般的なので、「長期評価」に備えて防潮堤の建設や建屋の水密化などをしておけば、3.11の津波でも影響は相当程度軽減され、「本件事故のような全電源喪失の事態に至るまでのことはなかった蓋然性が高い」とし、国の責任を認めていた

 また事故が防げたか厳密に検討するためには、原発の詳細な資料が必要で、それは東電や国が持っているから、原告住民側が細部まで厳密に主張、立証することは難しい。そのため原告側が、一定程度の結果回避措置を立証すれば、それを東電や国が相当の根拠、資料で否定できない限り、事故は防げたと類推されるという考え方を仙台高裁は採用していた。

 しかし最高裁は、東京高裁や仙台高裁の考え方を退け、現実の津波は長期評価を基に予測した津波よりはるかに大きかったので、大量の海水が主要建屋に浸入し、実際に起きた事故と同じような事故に至っていた「可能性が相当にある」と判断し、国の責任はないとした。


■残る未解明な点

 最高裁で国の責任は認められなかったが、集団訴訟は2002年7月に発表された「長期評価」に国がどう対応したか、を主に争っており、それ以外の時期の国の動きや、東電とのやりとりについては、細かく調べているわけではない。

 来月13日には、株主代表訴訟の判決がある。株代訴訟では、もっと遅い時期に焦点があてられている。2008年7月に東電幹部が津波対策を先送りした経緯や、同じころに約1100年前に起きた貞観津波にどう対処したかなど、集団訴訟では大きな争点とならなかった問題も調べられている。

 裁判長らは昨年10月、裁判官として初めて福島第一原発の敷地内を視察するなどして結果回避の方法についても精査しており、東電元幹部ら個人の責任がどう判断されるか、判決が注目されている。

 また来年1月18日には、刑事裁判の控訴審判決も東京高裁であるが、ここも2008年以降の動きが中心になっている。

 国の意思決定過程でも、未解明なことは多い。たとえば2009年から10年にかけて、原子力安全・保安院長まで1100年前の津波が福島第一の敷地の高さを越えていたという最新の研究成果が知らされていた。ところがそれは事故まで放置されていた。検討すれば「(経産省の)資源エネルギー庁等から非難される可能性がありました」と当時の保安院審議官は東京地検に供述している。経産省は、実際に保安院に何か圧力をかけたのか、保安院が忖度しただけなのか、わかっていない。

 地震の揺れで損傷は無かったのか、津波後の対処をうまくやれば被害を少なくできたのではないか、などの点も徹底した解明が必要だろう。最高裁判決で終わり、にしてはいけない。(ジャーナリスト・添田孝史)

※AERA 2022年6月27日号
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