[↑ 飯塚事件 冤罪で死刑執行「再審請求…08年死刑執行」(朝日新聞 2024年06月3日[月])]
(2024年06月16日[日])
再審法の改正を。
いま何かと話題の鹿児島県警。かつて、鹿児島県警と言えば、原口アヤ子さんの大崎事件。そして、なんと言っても、志布志事件。体質は変わらない。
『●『冤罪File(2009年12月号)』読了(1/2)』
『●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会』
『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない』
「…など職業裁判官の怠慢の例は
数え上げたらきりがありません。ましてや、福岡事件の西武雄さんや
飯塚事件の久間三千年さんといった無罪な人を死刑・私刑にして
しまった可能性(控え目に表現しています)さえあります。村木厚子さんや
志布志事件の裁判結果などは極々稀な例です」
『●『検察に、殺される』読了』
「『検察に、殺される』…。粟野仁雄著。…ガタガタの特捜。
志布志事件…、氷見事件…。甲山事件…(松下竜一さん
『記憶の闇』)。高知白バイ事件…。布川事件…。足利事件…。
袴田事件…。村木厚子さん冤罪・証拠捏造事件…。」
『●冤罪(その2/2): せめて補償を』
「飯塚事件の久間三千年さんは、冤罪であるにもかかわらず、
死刑を執行された。これは、被害者の遺族に対する、
何と表現して良いのかわからないが……遺族の方たちも
複雑な感情を抱いてしまうはずだ。/どんな背景や力学が
働いたのかはそれぞれの事件によって異なるが、布川事件や
氷見事件、東電OL殺害事件、志布志事件、村木厚子氏冤罪事件、
足利事件……、せめて賠償で報いる以外に方法が無いのではないか。
しかし、その扉は当方もなく厚い。」
『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)』
「山口正紀さん【「可視化」口実の盗聴法大改悪
「刑事司法改革」法案】、「志布志事件の川畑幸夫さん
…足利事件の菅家利和さん…布川事件の桜井昌司さん
…冤罪被害者が声をそろえて「全面可視化を」と訴えた。
…日弁連執行部の賛成で批判記事を書きにくいのかも
しれないが、メディアは「冤罪をなくし、人権を守る」視点から、
法案の危険性を是非伝えてほしい」。青木理さん「刑事司法改革
…端緒は郵便不正事件・・・法務省に都合よく集約…
日本の司法は中世なみ」
『●《黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が
新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ》』
《…志布志事件の被害者川畑幸夫(さちお)さんの聞き書き
「一歩も退(ひ)かんど」…》
『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたと
しても、その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》』
《布川事件の再審無罪決定と相前後して、足利事件、氷見事件、
志布志事件、そして村木厚子さんの郵便不正事件などで次々と
衝撃的な冤罪が明らかになったことを受けて、公訴権を独占する
上に、密室の取り調べが許される検察の暴走が冤罪を生んでいる
との批判が巻き起こり、2009年に民主党政権下で刑事訴訟制度の
改正論議が始まった。しかしその後、政権が自民党に戻る中、
一連の制度改正論議の結果として行われた2016年の刑事訴訟法の
改正では、むしろ検察の権限が大幅に拡大されるという
信じられないような展開を見せている》
『●《首相の演説にやじを飛ばしただけで、警官に排除される時代…
こんな「表現の不自由」な社会を誰が望んだ》?』
「桐山桂一さんの仰る通り、《今日では既に、首相の演説にやじを
飛ばしただけで、警官に排除される時代である。
こんな「表現の不自由」な社会を誰が望んだであろうか》?」
「《鹿児島県警から任意の「捜査関係事項照会」と呼ばれる依頼を受け、
うち4図書館で利用者の個人情報が提供》…。
《警察は政党の手先ではない》訳がないし、《警察は正義の味方と
呼ぶこと》もできない…悲惨な社会。最「低」裁を頂点とした司法も、
検察や警察も、いまやアベ様に忖度する時代。
《岸の末裔が首相では日本に未来はない》。」
『●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょ
らんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」』
「元鹿児島県警捜査員「適正捜査だった」「自白偏重はだめだと徹底的に
言われた時代。決して自白の強制はなかった」…本当だろうか?
原口アヤ子さん以外の3人 (一郎氏・二郎氏・太郎氏) が、
無実なのに「自白」するだろうか? 志布志事件では何が起きたか?
在りもしなかった事件を、鹿児島県警から
「強制的に自白させられた」…。」
東京新聞の【<社説>捜査書類の管理 冤罪招く「廃棄の助長」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/333457?rct=editorial)。《鹿児島県警が昨年、捜査書類の速やかな廃棄を促す内部文書を捜査員らに配布していたことが明らかになった。後に訂正されたが、「即時廃棄」されると再審請求などで被告に有利な証拠が失われる可能性があり、冤罪(えんざい)を招きかねない文書だった。同県警ではほかにも不祥事が続発しており、迷走する組織の立て直しが必要だ。文書は昨年10月、「刑事企画課だより」と題した公文書で、県警本部各部や各署を通じて、捜査員にメールで送られた。再審請求などで、「警察にとって都合の悪い書類だったので(検察に)送致しなかったのではないか、と疑われかねないため、未送致書類であっても、不要な書類は適宜廃棄する必要があります」などと記載されていた。また、末尾では「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」と捜査員らに呼びかけていた》。
(鈴木耕さん)《日本司法の異常さが世界からの批判の的になっているということを、国連ですら認めているのだ。よく言われるように「日本の常識は世界の非常識」の実例である》…それ故の犠牲者がまたしても。再審法改正も進まず。低「民度」なニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引…。
『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ』
『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》』
『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》』
『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
…《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…』
『●人質司法…《保釈請求…東京地裁も却下。否認を貫く相嶋さんに妻が「うそ
をついて自白して、拘置所から出よう」と頼んだが、首を縦に振らなかった》』
『●大川原化工機でっち上げ事件《勾留後に亡くなった1人》…《無罪主張
するほど保釈されない「人質司法」》の問題点が最悪の形で顕在化』
『●《恣意的な捜査がえん罪を引き起こした》大川原化工機でっち上げ事件…
《取調官は「知ったこっちゃないですよ。組織の方針に従うだけですよ」》』
『●大川原化工機でっち上げ事件《勾留後に亡くなった1人》…《無罪主張
するほど保釈されない「人質司法」》の問題点が最悪の形で顕在化』
『●《恣意的な捜査がえん罪を引き起こした》大川原化工機でっち上げ事件…
《取調官は「知ったこっちゃないですよ。組織の方針に従うだけですよ」》』
『●大川原化工機でっち上げ事件の国家賠償訴訟・東京高裁控訴審…《原告側
は事件そのものを「捏造」》《社長らは「真相を明らかにする」》と』
これも、何度でも、書く。飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会の木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者・桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか。日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件(東電事件)、東住吉事件。だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす。殺したのは誰か、検察庁です」》。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/333457?rct=editorial】
<社説>捜査書類の管理 冤罪招く「廃棄の助長」
2024年6月14日 07時48分
鹿児島県警が昨年、捜査書類の速やかな廃棄を促す内部文書を捜査員らに配布していたことが明らかになった。後に訂正されたが、「即時廃棄」されると再審請求などで被告に有利な証拠が失われる可能性があり、冤罪(えんざい)を招きかねない文書だった。同県警ではほかにも不祥事が続発しており、迷走する組織の立て直しが必要だ。
文書は昨年10月、「刑事企画課だより」と題した公文書で、県警本部各部や各署を通じて、捜査員にメールで送られた。
再審請求などで、「警察にとって都合の悪い書類だったので(検察に)送致しなかったのではないか、と疑われかねないため、未送致書類であっても、不要な書類は適宜廃棄する必要があります」などと記載されていた。また、末尾では「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」と捜査員らに呼びかけていた。
この文書が一部、ネットに流出して県警内部でも問題視され、11月に「国賠請求や再審請求への対応に必要な文書は廃棄せずに保管管理する必要がある」といった内容に改められた。県警はこうした経緯を公表していなかったが、最近、報道で明らかになった。
刑事裁判で検察側は、自らに有利な証拠だけを法廷に提出して有罪を立証するケースが大半だ。被告に有利な証拠は、検察は基本的に開示せず、そもそもそうした証拠は警察から検察に送られずに眠っていることも少なくない。
名張毒ぶどう酒事件(第11次再審請求を準備中)の鈴木泉弁護団長は「警察当局が組織的に証拠を廃棄させようとするのは、『全ての証拠開示』を求める私たちにとって、無罪立証の機会を奪う行為ではないか」と憤る。
鹿児島県警では最近、捜査情報を流出させた疑いで巡査長、続いて同様事案で前生活安全部長が逮捕されている。さらに、この前部長が裁判手続きの中で、その後、盗撮容疑で逮捕された巡査部長の捜査中に、「(その事案を)県警本部長が隠蔽(いんぺい)しようとした」と告発。本部長は否定したが、警察庁が監察を行う方針を示している。
警察組織にあるまじき組織の混乱だ。文書廃棄を求める文書がどんな指示に基づいて出されたのかも含め、徹底した監察で背景を洗い出さなければならない。
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[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]
(2024年06月03日[月])
《捜査機関による証拠捏造》された袴田事件…冤罪であるという《真実を明らかに》した時、被害者遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか?
袴田巌さんの再審裁判、検察は再び死刑を求刑した。なんという冷酷…。(大谷昭宏さん)《この期に及んでなお、「死刑を求刑する」と言い放つ検察官に、いまも背筋が凍りついている》。さらには、検察の所業は被害者やその遺族をも欺く酷い仕打ちだ。検察は《被害者遺族の「真実を明らかにしてほしい。尊い4人の命が奪われていることを忘れないで」とする意見陳述書も読み上げた》そうだが、冤罪であるという《真実を明らかに》した時、被害者遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか? 遺族の意見陳述では《袴田さんに言及することはなかった》そうだが、検察はその理由をどう考えるか。袴田巌さんや姉ひで子さん、親族の皆さんの人生を滅茶滅茶にした上に、検察や捜査機関は真犯人を取り逃がした訳だ。被害者遺族にどう説明するのか?
《被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは》誰か? それは、少なくとも、袴田巌さんやひで子さんではない。
日刊スポーツのコラム【大谷昭宏のフラッシュアップ/袴田さん再審裁判 被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは】(https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202405270000098.html)によると、《陳述で孫は被害家族のなかで、ただ1人生き残った自分の母が事件後どれほど苦労したか切々と訴え、袴田さんにふれることは一切なかった。そして最後に「事実を再度精査し、真実を明らかにしてください」と強く訴えたのだった。この言葉を胸に刻み込むべきは、代読した検察官、そう、あなたたちではないのか。》
『●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響
…暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》』
『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官
たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』
『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》』
『●袴田冤罪事件…タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が
進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ』
「《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに
無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も
自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を
何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…
袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』」
『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過
ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》』
『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は
掌中の証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ』
『●48年も獄中に囚われていた袴田巌さん…《検察は再収監を諦めて
いません》って、正気なのかね? すぐさま、袴田巌さんに無罪を!』
『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる』
『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ』
『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる』
『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん』
『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
…裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》』
『●大谷昭宏さん《袴田事件で審理の引き延ばしを図る検察に、陰湿、陰険、
姑息、傲慢…などと書いて、一瞬、書きすぎ? と思ったのだが…》』
『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たし
て人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》』
『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》』
『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》』
『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》』
『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
…《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…』
『●高杉晋吾氏「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」…いつまで《耐えがたいほど
正義に反する日々は…続く》のか? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん』
『●袴田事件、《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である
可能性が極めて高いと思われる》というのに、またしても検察は死刑求刑』
=====================================================
【https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202405270000098.html】
コラム
大谷昭宏のフラッシュアップ
2024年5月27日8時0分
【大谷昭宏】袴田さん再審裁判 被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは
事件から58年、この秋、無罪が確定するとみられる袴田巌さん(88)の静岡地裁再審裁判が22日、検察側論告求刑、姉ひで子さん(91)の意見陳述を最後に結審した。この期に及んでなお、「死刑を求刑する」と言い放つ検察官に、いまも背筋が凍りついている。
メディアの姿勢にも問題はないか。論告は検察の求刑を義務づけているものではない。現に、いずれも再審無罪となった滋賀県東近江市の看護助手患者殺害事件や熊本県松橋町男性刺殺事件の再審裁判で、検察は「量刑は裁判所の適切な判断を」として求刑はしなかった。だが、今回このことにふれたのは地元紙、静岡新聞だけだった。
袴田さんは、いま社会に出ているものの、長期の拘禁で心神喪失状態にあることに鑑み、検察は「刑の判断は裁判所に委ねたい」とすべきだったのではないか。
唯一の証拠となった5点の衣類について検察は、再審開始を決定した東京高裁の大善文男裁判長が「捜査機関によって捏(ねつ)造された可能性が極めて高い」とした点については、これまで同様の主張をしてきた弁護側に対して「非現実的だ」と反論しただけで、高裁の指摘には、ふれようともしなかった。
被告、弁護側には刃(やいば)を突きつけてきても、裁判所という権威とはことを構えたくない。検察の小狡さ(こずるさ)、小賢しさ(こざかしさ)ばかりが目につく。
検察側は結審で、被害者の孫にあたる男性の心情を代読陳述したいと主張。弁護側は、男性は事件当時、生まれてもいなかった。さらに無実の被告側に聞かせる言葉ではないとして反対したが、検察は強行した。
陳述で孫は被害家族のなかで、ただ1人生き残った自分の母が事件後どれほど苦労したか切々と訴え、袴田さんにふれることは一切なかった。そして最後に「事実を再度精査し、真実を明らかにしてください」と強く訴えたのだった。
この言葉を胸に刻み込むべきは、代読した検察官、そう、あなたたちではないのか。
◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。
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[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]
(2024年05月23日[木])
袴田事件、《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》というのに、検察は《死刑を求刑》しました。ヒトデナシの所業です。第三者には《みそタンクに隠すのは不可能》ですが、唯一、《捜査機関の者》はそれが可能だったのではないですか。《捜査機関の者》には《「実行不可能で非現実的な空論だ」》となぜ言えるのですか?
とにかく、91歳の袴田ひで子さんが気の毒でならない。また、検察の所業は被害者やその遺族をも欺く酷い仕打ちだ。検察は《被害者遺族の「真実を明らかにしてほしい。尊い4人の命が奪われていることを忘れないで」とする意見陳述書も読み上げた》そうだが、冤罪であるという《真実を明らかに》した時、遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか? 遺族の意見陳述では《袴田さんに言及することはなかった》そうだが、検察はその理由をどう考えるか。袴田巌さんや姉ひで子さん、親族の皆さんの人生を滅茶滅茶にした上に、検察や捜査機関は真犯人を取り逃がした訳だ。
《白山聖浩弁護士は「間違えましたということができない検察の姿勢は、事件発生時から何も変わっていない」と批判した》。《被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ》。大川原化工機冤罪事件同様、間違いを認めない、謝ることの出来ない検察。そして裁判官の責任。
共同通信の速報【再審でも死刑求刑、結審へ 捏造「理由ない」、袴田さん公判】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/328643)によると、《検察側は論告で、袴田さんが「金品を得るために犯行に及んだ」と指摘。最大の争点となっている「5点の衣類」は袴田さんのものだとし「犯行着衣と認められる」と述べ、死刑を求刑した》。
『●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響
…暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》』
『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官
たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』
『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》』
『●袴田冤罪事件…タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が
進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ』
「《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに
無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も
自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を
何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…
袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』」
『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過
ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》』
『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は
掌中の証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ』
『●48年も獄中に囚われていた袴田巌さん…《検察は再収監を諦めて
いません》って、正気なのかね? すぐさま、袴田巌さんに無罪を!』
『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる』
『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ』
『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる』
『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん』
『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
…裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》』
『●大谷昭宏さん《袴田事件で審理の引き延ばしを図る検察に、陰湿、陰険、
姑息、傲慢…などと書いて、一瞬、書きすぎ? と思ったのだが…》』
『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たし
て人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》』
『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》』
『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》』
『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》』
『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
…《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…』
『●高杉晋吾氏「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」…いつまで《耐えがたいほど
正義に反する日々は…続く》のか? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん』
東京新聞の記事【袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/328784)によると、《「死刑を求刑します」。被告のいない法廷に検察官の声が響いた。22日、強盗殺人事件で死刑が確定している袴田巌さん(88)の再審公判が結審した。検察側が求めたのは56年前と同じ刑。袴田さんの姉ひで子さん(91)は改めて、心神喪失で不在の弟は無実と訴えた。事件発生から58年余となる9月、判決が言い渡される》。
それにしても、《元検事の高井康行弁護士》…酷いね。「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」って、正気で言っているのかね? 「赤みが残る可能性も立証」されただって??
東京新聞の記事【袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/328785)によると、《だが、展開した主張や示した証拠は、半世紀以上前の一審時とほぼ同じ。血痕の赤みについても「残る可能性がある」と従来の主張の域を出なかった》。また、《◆「有罪の立証になっていない」 関東学院大の宮本弘典教授(刑事法)…》、一方、《◆「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」 元検事の高井康行弁護士…赤みが残る可能性も立証しているので、確定判決までの証拠によって(袴田さんの)犯人性は裏付けられる》。
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/328643】
再審でも死刑求刑、結審へ 捏造「理由ない」、袴田さん公判
2024年5月22日 14時39分 (共同通信)
(自宅前で取材に応じる袴田巌さんの姉ひで子さん
=22日午前、浜松市)
1966年に静岡県清水市(現静岡市)のみそ製造会社専務一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審第15回公判が22日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれた。検察側は論告で、袴田さんが「金品を得るために犯行に及んだ」と指摘。最大の争点となっている「5点の衣類」は袴田さんのものだとし「犯行着衣と認められる」と述べ、死刑を求刑した。
一連の証拠を捏造とする指摘に対しては「合理的理由がない」と否定した。袴田さんの服と酷似した衣類を用意し、従業員に知られないようにみそ工場に侵入してみそタンクに隠すのは不可能だとして、捜査機関の捏造だとする指摘は「実行不可能で非現実的な空論だ」と強調した。
被害者遺族の「真実を明らかにしてほしい。尊い4人の命が奪われていることを忘れないで」とする意見陳述書も読み上げた。
同日午後、弁護側の最終弁論や、姉ひで子さん(91)の最終意見陳述を経て結審する見通し。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/328784】
袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」
2024年5月23日 06時00分
「死刑を求刑します」。被告のいない法廷に検察官の声が響いた。22日、強盗殺人事件で死刑が確定している袴田巌さん(88)の再審公判が結審した。検察側が求めたのは56年前と同じ刑。袴田さんの姉ひで子さん(91)は改めて、心神喪失で不在の弟は無実と訴えた。事件発生から58年余となる9月、判決が言い渡される。
旧清水市一家4人強盗殺人事件と袴田さんの再審 1966年6月30日、旧清水市のみそ製造会社専務宅から出火、焼け跡から4人の他殺体が見つかった。従業員だった袴田さんが強盗殺人罪などで起訴され、無罪を主張したが80年に最高裁で死刑が確定した。第2次再審請求審で2014年に静岡地裁が再審開始を認め、死刑執行と拘置が停止に。袴田さんは約48年ぶりに釈放された。検察の異議申し立て(即時抗告)で審理は続き、昨年3月、東京高裁は「5点の衣類」が捜査機関に捏造(ねつぞう)された可能性を指摘した上で、再審開始を決定。検察側の特別抗告断念で確定し、同10月27日に再審の初公判が開かれた。
(自宅でくつろぐ袴田巌さん=浜松市内で
(袴田さん支援クラブ提供の動画から))
◆再審7カ月 ようやく結審
「強固な殺意」「生命軽視の態度は顕著」—。
静岡地裁の202号法廷。男性検察官は論告で、袴田さんの罪状などについて淡々と口にしていった。読み上げは数時間。「特段くむべき事情も認められない」と極刑が相当とした。
求刑時、ひで子さんは正面を見つめたまま、表情も変えなかった。この日は白色のジャケット姿。「白(無実)ということを強調するように」との考えからだ。再度の死刑求刑については「検察側の都合でやっていることだから、当たり前だと思う」と受け止めた。
袴田さんが待ち望んだ再審の開始が確定したのは昨年3月。同10月に始まり、7カ月をへて結審した。ひで子さんは記者会見で「ようやく終わった。判決が出たら、巌に裁判のことを伝えようと思っております」。「もうこれで勝ったようなものだと思っている」と晴れやかな表情で語った。
◆弁護団「検察官は汚点残した」
ひで子さんの会見には、弁護団も同席。検察側の死刑求刑への怒りを示し、角替清美弁護士は「検察官は今日、汚点を残した」。白山聖浩弁護士は「間違えましたということができない検察の姿勢は、事件発生時から何も変わっていない」と批判した。
検察側が証拠捏造(ねつぞう)を否定したことにも不満を示し、小川秀世弁護士は「5点の衣類が(犯行時の着衣との)根拠は何もない」と批判。「裁判所に捏造をはっきりと認定してもらいたい。弁護側はそれだけの立証はできた」と自信をのぞかせた。
一方、公判後に会見した静岡地検の小長光健史次席検事は死刑求刑について「極めて悪質な事案であることを踏まえた」と理由を述べ、「被告人が有罪であることは立証されている」と説明。証拠捏造の疑いの指摘には「現実的に行い得ない」と反論した。
取材に応じた検察幹部は「法と証拠に基づき、証拠を十分に検討し、慎重に見極めて事案に見合う量刑として求刑した。メンツのために死刑求刑したということはこれっぽっちもない」と強調した。(東田茉莉瑛、長谷川竜也)
(袴田巌さんの再審公判で、静岡地裁に入る姉ひで子さん(左)
と弁護団事務局長の小川秀世弁護士)
◇
◆みそ製造会社専務の孫「真実を明らかにして」と意見陳述
再審公判では、事件で殺害されたみそ製造会社専務の孫が書面で意見陳述した。書面は検察官が自席で代読。冒頭で「尊い4人の命が奪われたことを忘れないで」と訴え、「事実を精査し、真実を明らかにして」と願いを伝えた。袴田さんに言及することはなかった。
孫は、自身の母である専務の長女が、事件で家族を失ったことで「計り知れないほどの悲しみと恐怖を感じ、重度のうつ病にかかった」と述べた。2014年に静岡地裁が再審開始を決定する直前に亡くなったという。
読み上げられた書面では、事件で生き残ったことなどを理由に長女がネット上で犯人視されてきたことや、「自殺した」とうわさされたことを明かし、「根拠のない話」と強調。再審公判で、事件の真相が解明されることを望んだ。(佐々木勇輝)
◇
◆「お母さん、遠からず真実を立証して帰りますからね」
再審公判も終盤に近づいた午後5時過ぎ。袴田巌さんの姉ひで子さんは最終意見陳述で証言台に立った。国井恒志裁判長と正対し、片手にはA4判の用紙。「今朝方、母さんの夢を見ました、元気でした、夢のように元気でおられたらうれしいですが、お母さん、遠からず真実を立証して帰りますからね」と読み上げた。
袴田さんが獄中から母にあてた手紙だった。無実を信じた母は一審の公判に通い続け、1968年の死刑判決の2カ月後に亡くなった。ひで子さんは、袴田さんが体験した苦悩や無念を代弁するように読み上げ、用紙を持つ手は震えた。
手紙部分を伝え終えると、時折、裁判長に視線を向けながら「(袴田さんは)釈放されて10年たちますが、いまだ拘禁症の後遺症、妄想の世界にいる。心は癒えておりません」と言葉をつないだ。(足達優人)
【関連記事】袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま
【関連記事】獄中の袴田巌さんが手紙につづった「無実」 高杉晋吾さんと往復書簡 「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」
【関連記事】袴田さんに検察は求刑どうする 検察組織は変わったのか…OBは語った
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/328785】
袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま
2024年5月23日 06時00分
1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審公判が22日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で結審した。検察側は、事件現場近くで見つかった「5点の衣類」は袴田さんの犯行時の着衣と認められるなどとして死刑を求刑。弁護側は、捜査機関が証拠を捏造(ねつぞう)したと主張し、無罪を訴えた。判決は9月26日。
◆検察側 捏造は「非現実的で実行不可能な空論」
長期間拘束された影響による拘禁症状が残る袴田さんに代わって出廷した姉ひで子さん(91)は最終意見陳述で、「巌を人間らしく過ごさせてくださいますよう、お願い申し上げます」と訴えた。
(支援者とドライブへ出かける袴田巌さん
=22日午後2時59分、浜松市内で)
刑事訴訟法は再審公判について、「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠」が認められた場合に開かれると規定。袴田さんも無罪の公算が大きい。
検察側は論告で、金品を得るための袴田さんの犯行と指摘。最大の争点となった5点の衣類に付着した血痕を巡っては「赤みは残りうる」と弁護側に反論した。証拠を捏造した、との指摘には「非現実的で実行不可能な空論」と否定した。その上で「強固な殺意に基づく極めて冷酷で残忍な犯行」と述べた。検察側は論告に先立ち、「事実を精査し、真実を明らかにしてほしい」との被害者遺族の意見陳述書を読み上げた。
弁護側は最終弁論で、東京高裁による再審開始決定などを引き合いに「検察側の証拠はすでに否定されているか、ほとんど価値がないものだ」と主張。5点の衣類について「袴田さんを犯人に仕立てあげるために捜査機関が捏造した証拠」と改めて訴えた。
5点の衣類は事件発生から1年2カ月後、袴田さんの勤務先のみそタンク内で見つかった。確定判決は袴田さんの犯行時の着衣と認定。再審請求審では、長期間みそ漬けにされた血痕に赤みが残っていたことは不自然かが争われ、東京高裁は昨年3月、弁護側の主張を認めて赤みは残らないと判断。捜査機関による証拠捏造の可能性を指摘し、再審開始を認めた。再審公判は昨年10月に始まり、この日は15回目。
戦後、被告の死刑確定後に再審公判が開かれた4事件では、いずれも検察側が死刑を求刑したが、無罪となっている。(足達優人、佐々木勇輝)
◆検察がこだわった「証拠捏造」への反論
【記者解説】 7カ月の審理の末、検察側は56年前と同じ死刑を求刑した。再審公判で袴田さんの有罪立証に改めて取り組んだが、過去の主張の繰り返しが目立った。その一方で、証拠捏造(ねつぞう)の疑いを払拭することには強いこだわりを見せた。
(袴田巌さんの再審公判で、支援者らに手を振って
静岡地裁に入る姉ひで子さん(前列左)と弁護団
事務局長の小川秀世弁護士(同右))
再審公判は、過去の判決や決定に拘束されない。再審請求審では検察側、弁護側双方の争点は5点の衣類に付いた血痕の赤みに絞られたが、検察側は再審公判で「一から立証し、裁判官に総合判断を求める」と表明していた。
だが、展開した主張や示した証拠は、半世紀以上前の一審時とほぼ同じ。血痕の赤みについても「残る可能性がある」と従来の主張の域を出なかった。
5点の衣類を捜査機関が捏造した疑いに対しては、当時の状況や発覚のリスクなどから「非現実的で、不可能」と多くの時間を費やして否定した。この日の論告でも、「捏造の主張に合理的な根拠はない」などと否定の言葉を繰り返した。
弁護側は5点の衣類だけでなく、他の一部の証拠も捏造されたと主張。捏造を認定した上での無罪判決を求めている。再審開始を判断した静岡地裁、東京高裁に続いて三たび裁判所が捏造の疑いを指摘すれば、捜査当局への打撃は計り知れないだろう。(山本真嗣)
◆「有罪の立証になっていない」
関東学院大の宮本弘典教授(刑事法)の話 1年以上みそ漬けされた「5点の衣類」の血痕には赤みが残らないと判断した再審開始決定で、確定判決の証拠構造に疑いが出た。再審では検察側に「赤みが残る」ことを証明する必要があった。どのような状況であれば赤みが残り、実際にその状況で5点の衣類がみそタンクに漬かっていた事実を証明しなければならなかった。検察側は「赤みが残りうる」という可能性の指摘にとどまった。有罪の立証になっていない。
◆「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」
元検事の高井康行弁護士の話 当時のみそタンク内の状況を再現できない限り、「5点の衣類」の血痕に赤みが100%残らないとは言えない。再審のポイントは、捜査機関が5点の衣類を捏造(ねつぞう)したかどうか。検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した。赤みが残る可能性も立証しているので、確定判決までの証拠によって(袴田さんの)犯人性は裏付けられる。
【関連記事】袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」
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(2024年03月02日[土])
常に無実を訴え続けた久間三千年さんを冤罪で死刑執行してしまった飯塚事件。こんな理不尽なことが世の中にあるだろうか? こんな不《正義》が許されるのか。#正義の行方。きちんと確認することもなく、気安く死刑執行にサインしたのは、当時、飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相だ。《一貫して全面否認だったが、2006年に死刑判決が確定。08年に執行された》。僅か2年後に死刑執行。もう一つ、足利事件のDNA鑑定問題との関係…《2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ》⇨《2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行》。なぜ、そんなに死刑執行を急いだのか? 両事件では同じDNA鑑定手法が使われていた。足利事件の再鑑定結果をなぜ待たなかったのか? 《2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず》。もう一点加えれば、木寺一孝監督「浮かばれないのは被害者の2人。死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか」。真犯人を逃してしまったこと、さらには、被害者や遺族が居た堪れないこと、やるせないこと。検察や警察の大きな罪だ。
《「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう》。そして、マスコミ。《事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち》。
《◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初》。《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。
『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》』
【映画『正義の行方』特報予告(2024年4月27日㊏公開)】
(https://youtu.be/mlLKQ26ZZzc)
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文化庁芸術祭大賞受賞の傑作ドキュメンタリー、ついに映画化
映画『正義の行方』4/27㊏よりユーロスペースほか全国順次ロードショー!
◤イントロダクション◢
これは私たちの「羅生門」
死刑が執行されたいまも多くの謎につつまれた「飯塚事件」
〈真実〉と〈正義〉がぶつかりあう圧巻のドキュメンタリー
1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された「飯塚事件」。DNA型鑑定などにより犯人とされた久間三千年は2008年に死刑が執行された。しかし冤罪を訴える再審請求が提起され、事件の余波はいまなお続いている。本作は、弁護士、警察官、そして新聞記者という立場を異にする当事者たちが語る〈真実〉と〈正義〉を突き合わせ、事件の全体像を多面的に描きながら、この国の司法の姿を浮き彫りにしていく。
圧巻は、事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち。その姿勢は、マスメディアへの信頼が損なわれ、新聞やテレビなどの“オールドメディア”がビジネスモデルとしても急速に翳りを見せる今日、たしかな希望として私たちの心を捉える。ある記者は言う。「司法は信頼できる、任しておけば大丈夫だと思ってきたけど、そうではないと。このことこそ社会に知らせるべきだし、我々の使命だと思っています」
「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう。
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『正義の行方』
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2024/4/27(土)より[東京]ユーロスペースほか全国順次公開
監督:木寺一孝 制作統括:東野真 撮影:澤中淳 音声:卜部忠 照明:柳守彦 音響効果:細見浩三 編集:渡辺政男 制作協力:北條誠人(ユーロスペース) プロデューサー:岩下宏之
特別協力:西日本新聞社 協力:NHKエンタープライズ テレビ版制作・著作:NHK 制作:ビジュアルオフィス・善 製作・配給:東風
2024年/158分/DCP/日本/ドキュメンタリー (C) NHK
WEB https://seiginoyukue.com
X @seiginoyukue
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木寺一孝監督「事件の経過を知り、大変なことだと驚いた。死刑が執行されて、もし無罪になれば、法治国家が揺らぐ大問題だと」。《司法の場では、検察官、弁護士、裁判官が証拠をそれぞれ取捨選択》…でも、これは検察官に証拠が偏在し、弁護士サイドに公開されない多数の検察官や警察官サイドに〝不利な〟証拠、被告の無実を示す証拠が開示されないことが問題なのでは。それらの証拠は国費を使って警察や検察が集めた証拠なのではないのか。裁判官が証拠の開示を強く求めない理由は何か?
西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/311256?rct=tokuhou)。《1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」。元死刑囚の妻による第2次再審請求で、福岡地裁は非公開審理を終え、再審開始を巡る決定が4月以降に出る見通しとなった。同月には、事件関係者に密着したドキュメンタリー映画「正義の行方」の上映が始まる。監督の木寺一孝さん(58)が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」だった。(西田直晃)》
何度でも、書く。飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会の木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者・桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか。日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件(東電事件)、東住吉事件。だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす。殺したのは誰か、検察庁です」》。
『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!』
『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行』
「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日に
DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
大変に大きな疑問である」
『●NNNドキュメント’13:
『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』』
『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」』
『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行』
「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず
福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」
『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)』
『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》』
『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!』
『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》』
『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》』
『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/311256?rct=tokuhou】
こちら特報部
警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は
2024年2月25日 12時00分
1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」。元死刑囚の妻による第2次再審請求で、福岡地裁は非公開審理を終え、再審開始を巡る決定が4月以降に出る見通しとなった。同月には、事件関係者に密着したドキュメンタリー映画「正義の行方」の上映が始まる。監督の木寺一孝さん(58)が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」だった。(西田直晃)
◆制作期間10年超、それぞれの述懐の「熱量」
「30年以上前の事件であっても、登場人物の誰もがはっきりした記憶を持ち、自分自身の感情の揺れをそのまま語ってくれた。それでいて熱量もあった」
(映画「正義の行方」について話す木寺一孝監督)
インタビューのさなか、木寺さんは10年超の制作過程を振り返りつつ、自らも熱っぽく語った。警察官、弁護士、地元紙の西日本新聞の記者らの述懐により、事件の全体像、今もあいまいな真実の断片を照らし出すよう試みた。
木寺一孝(きでら・かずたか) 映画監督。1965年、佐賀県有田町生まれ。88年に京都大を卒業後、NHKに入局し、死刑や少年事件などを題材にしたドキュメンタリー番組を制作した。昨年退局。他の監督作品に「”樹木希林”を生きる」。
◆女児2人を殺した罪などで2008年に死刑執行
事件が起きた飯塚市は、福岡県中部に位置する人口約12万の地方都市。当時、女児2人が登校の途中に行方不明になり、翌日に約20キロ離れた山中で2人の遺体が見つかった。その2年7カ月後、同じ校区に住む久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚=執行時(70)=が死体遺棄容疑で同県警に逮捕された。殺人罪などでも起訴され、一貫して全面否認だったが、2006年に死刑判決が確定。08年に執行された。元死刑囚の妻が命日の1年後に再審請求した。
(久間三千年 元死刑囚(関係者提供))
木寺さんはこの第1次再審請求から3年後の12年に撮影を始めた。「事件の経過を知り、大変なことだと驚いた。死刑が執行されて、もし無罪になれば、法治国家が揺らぐ大問題だと」
再審開始決定後に世に出す予定だったが、機会はなかなか訪れない。「事件の撮影から離れた時期もあった」と明かす木寺さん。転機は、西日本新聞が18〜19年に掲載した独自の調査報道だった。計83回に及ぶ検証紙面に「勇気を得た」といい、取材を重ね、再審請求の行方にかかわらず、世に問おうと決めた。
第1次再審請求は21年4月、最高裁で退けられたが、22年にBS1スペシャルで3部作のドキュメンタリー番組を放送。今回、それを基に劇場版をまとめた。
◆警察官はつぶやき、弁護士はうなだれた
「無力やった…」とつぶやく元駐在所員、「俺たちが久間さんを殺した…」とうなだれる弁護士、「僕は被告の立場…」と述懐する新聞記者。15人ほどの関係者がカメラの前で独白し、スクリーンに浮かび上がったのは三者三様の「葛藤」だった。警察は元死刑囚の自白や謝罪を得られなかったこと、弁護団は再審請求が遅れたこと、新聞社は逮捕前に「重要参考人」のスクープを打ったこと。それぞれが抱える出口のない自問自答をすくい上げた。
(劇中の一場面。事件を振り返る逮捕当時の
福岡県警捜査1課長=ⓒNHK)
「関係者は事件を今まで引きずってきた」と語る木寺さん。「事件当日、被害女児の捜索に携わった小学校の教員でさえ、自分が見つけられていたら…という苦しみを抱えている。その先生は生け花を始め、子ども向けの小説を書くようになった。あの日を起点に人生が左右された人々がたくさんいる」
腰を据えて関係者の胸の内に迫った。元死刑囚が犯人だという心証について、地元での類似事件や元死刑囚の前歴が影響した点を、捜査員自身があけすけに語っている。「裁判は検事と弁護士の芝居」という司法への不信感が見て取れるフレーズも。先行した犯人視報道に「特ダネ競争のプレッシャー」があったと記者は吐露する。「差し向かいで話を聞く中で、予期しない本心がその場で言葉になった」(木寺さん)。仕事への矜持(きょうじ)と表裏一体の本音があぶり出されている。
◆「人が人を裁くのがいかに難しいか」
制作過程を通じ、木寺さんは「人が人を裁くのがいかに難しいか。あらためて痛感した」と強調する。
「DNA鑑定などの科学鑑定にしても、一つの結論ではなく、二手に分かれて論争の対象になる。司法の場では、検察官、弁護士、裁判官が証拠をそれぞれ取捨選択し、人物の主観が入り込む余地がある。『正義の行方』と題したが、撮影を積み重ねるうちに、正義の行方はさらに混沌(こんとん)としてきた。飯塚事件の白黒も簡単には言えない」
(劇中の一場面。現場で事件を振り返る
元西日本新聞の記者=ⓒNHK)
その上で、現行の司法制度への見解をこう語る。
「難しいからこそ、本来はもっと慎重に、厳密に精査しないといけない。死刑制度のある日本では特に」と語り、さらに、こう付け加えた。「誤りが分かればすぐに改めればいいのに、なかなか日本では認めたがらない。報道も、司法も。袴田巌さんの事件だって、再審開始が決定後も長々と公判は続いている。間違いが分かっても、そこから逃げている面は否めない」
女児たちの遺体が発見された雑木林には、2体の小さな地蔵が今も並ぶ。木寺さんは「最終的に立ち返るのはこの現場」と言葉に力を込めた。
「浮かばれないのは被害者の2人。死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか。その点を絶対に忘れてはいけないし、知ってほしいという思いで撮影した」
◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初
飯塚事件で再審が始まれば、死刑執行事件で史上初となる。久間元死刑囚の妻は21年7月、新証拠とともに第2次再審請求をした。弁護団は今月中旬、新証拠の一端を公表した。
確定判決の根拠の一つは、被害女児2人を最後に目撃した女性の証言だった。ところが、この女性が「事件当日には子どもを見ていない」と、弁護団に対して証言を覆した。女性に対する福岡地裁の尋問も既に行われ、再審可否の争点となるという。
(久間三千年元死刑囚が妻に宛てた無罪を訴える手紙)
第1次再審請求審では、被害女児の遺体に付着した血液と元死刑囚のDNA型が一致したとする鑑定結果の信用性が争われた。裁判所は鑑定の信用性の弱さを認めた一方、他の複数の証拠で犯人性は証明されているとして請求を退けた。
死後再審の例は少ない。再審公判で無罪判決が出たのは、日弁連の支援事件では殺人罪で懲役13年が確定した1953年の「徳島ラジオ商殺し」だけだ。ほかには84年に滋賀県日野町で起きた強盗殺人の犯人とされ、無期懲役となった元受刑者が死亡した「日野町事件」で、2018年に大津地裁が再審開始を決定した。検察側が抗告し、現在は最高裁で争われている。
◆死刑確定後、早い段階で執行された
飯塚事件について、元東京高裁判事の木谷明弁護士は「DNA鑑定の信用性に疑いが出て、再審請求されるのが確実だったのに、死刑確定の2年後という早い段階で執行された。この事件だけ特に執行を急いだ理由は見当たらず、DNA再鑑定をできなくさせるためと疑われてもやむを得ない。せめて、死後でもうやむやにせず、しっかり結末を付けるべきだ」と話す。
青山学院大の葛野尋之教授(刑事法)は「本人の死後、近親者の死亡や高齢化、事件後の関係悪化で再審請求人が不在になりがちだ。弁護士会などの公益的な立場にある機関が請求人になれる法整備が必要だ」と指摘し、こう続ける。
「死刑確定後の再審無罪は4件あるが、どの事件も最初から明らかに無罪と分かっていたわけではない。受刑者の死亡後に有力な新証拠が出てくるケースもあり、死刑執行については慎重に吟味しなければならない。飯塚事件の例は、死刑制度と再審制度を並行する限り不可避的に起きる問題をはらんでいる」
◆デスクメモ
女児らの最後の目撃者とされた女性は「(捜査側から)自分の記憶と違う調書を作られた」と語ったという。事実としたらとんでもない話だ。過去の出来事では済まされない。恣意(しい)的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う。(北)
◇
映画「正義の行方」の公開は、4月27日から東京都渋谷区の「ユーロスペース」で。全国で順次上映される。158分。
【関連記事】被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ
【関連記事】再審法改正へ高まる機運 現状は裁判所のさじ加減、冤罪被害の救済で世界に遅れ
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(2024年02月17日[土])【【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す「見たのは別の日で捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」 福岡】
(https://www.youtube.com/watch?v=u2fizs8t1Wo)
酷いなあ…冤罪で死刑執行、飯塚事件。当時の首相は麻生太郎氏、法相は森英介氏。冤罪死刑・飯塚事件(飯塚冤罪事件) … 検察が《証拠品のリストの開示》を拒否!? 今度は、《最後の目撃者とされる女性が証言を翻す「見たのは別の日で捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」》って、もう無茶苦茶。警察・検察や裁判所は、何時まで「先輩達の罪」を庇い続けるつもりか? いい加減にしろ。
FBSのニュース映像【【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す「見たのは別の日で捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」 福岡】(https://www.fbs.co.jp/news/news96zjgpbjoq6rw0z29x.html)。《犯人として死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚の妻が、2021年に2度目の裁判のやり直しを申し立て、現在、裁判所、検察、弁護団による協議が続いています。弁護団によりますと、証言を翻したのは女の子2人を最後に目撃したとされる女性です。女性は1992年2月20日の事件当日の朝、小学校に登校していた女の子2人を車で通勤途中に目撃したとされますが、弁護団に対し「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」などと話したということです》。
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【https://www.fbs.co.jp/news/news96zjgpbjoq6rw0z29x.html】
【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す「見たのは別の日で捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」 福岡
福岡 2024.02.15 19:49
今から32年前に女の子2人が殺害された「飯塚事件」で新たな展開です。裁判のやり直しをめぐる三者協議が開かれ、弁護団は、女の子を最後に目撃したとされる女性が当時の証言を翻していることを明らかにしました。
この事件は32年前、福岡県飯塚市の小学生の女の子2人が殺害されたものです。
犯人として死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚の妻が、2021年に2度目の裁判のやり直しを申し立て、現在、裁判所、検察、弁護団による協議が続いています。
弁護団によりますと、証言を翻したのは女の子2人を最後に目撃したとされる女性です。
女性は1992年2月20日の事件当日の朝、小学校に登校していた女の子2人を車で通勤途中に目撃したとされますが、弁護団に対し「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」などと話したということです。
弁護団は、この内容について新たな証拠として裁判所に提出していて、去年11月には女性への証人尋問が行われました。
当時の目撃証言を改めた理由について、女性は「自分の証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話したということです。
弁護団は「確定判決が認定した誘拐場所や時間の根拠がなくなった」「確定判決は久間氏の車に良く似た紺色ワゴン車が同じ頃にその場所で目撃されたことを状況証拠の一つにしているが、この車と犯行は結びつかない」と主張しています。
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『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!』
『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行』
「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日に
DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
大変に大きな疑問である」
『●NNNドキュメント’13:
『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』』
『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か?
廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン』
『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か?
廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン』
『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」』
「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》
『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行』
「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず
福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」
『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)』
『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》』
『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
…検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定』
『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん』
『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》』
『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》』
『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?』
『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!』
『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》』
『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ
「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)』
『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》』
『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》』
何度でも、飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会の木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者・桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか。日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件(東電事件)、東住吉事件。だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす。殺したのは誰か、検察庁です」》。
[↑ ※袴田事件《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]
(2023年11月08日[水])
〝叫べなくなる〟のを待つ冷酷な司法…原口アヤ子さん、一貫して「あたいはやっちょらん」。
大崎事件、(第4次再審請求の即時抗告審)再審開始認めず。福岡高裁宮崎支部・矢数昌雄裁判長殿、一体どうなってんのかね、裁判所は? ――― 原口アヤ子さん、一貫して「あたいはやっちょらん」。《「無辜(むこ)の人の救済」を目的とする再審の理念》はどこに? (西日本新聞)《医学の専門家でない裁判所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断と言える》。
原口アヤ子さんの懸命の叫びは裁判官には届かない…。(2022年07月)《これまでに地裁、高裁で計3度再審開始が認められたが、いずれも検察側の不服申し立てを受け、2019年には最高裁が、鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部の開始決定を取り消していた》、かつて、最「低」裁もちゃぶ台返ししている。一体どこまでボンクラ裁判官なのか?
『●《周防正行さんが「あたいはやっちょらん。大崎事件第4次再審請求
・糾せ日本の司法」と銘打ち、インターネット上に立ち上げた…CF》』
『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?』
『●原口アヤ子さん・大崎冤罪事件…《被害者は自転車事故による出血性
ショックで死亡した可能性があり「殺人なき死体遺棄事件」だった》?』
『●大崎事件、再審開始を認めず ――― 終始一貫して「あたいはやっちょ
らん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びはなぜ裁判官には届かないのか?』
『●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょ
らんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」』
『●大崎事件《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《医学の専門家でない裁判
所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断》』
東京新聞のコラム【<視点>大崎事件の新鑑定 殺人でなく事故死では 論説委員・桐山桂一】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/287218?rct=shiten)。《1979年に鹿児島県大崎町の牛小屋で遺体が見つかった大崎事件は、そんな状況から起きた。親族の原口アヤ子さんらが絞殺したとして、殺人罪などで有罪確定。既に服役を終えてもいる。だが、客観証拠がほとんど存在しないのだ。実際に過去3回も裁判所で「再審開始」が決定されたが、その都度、検察の抗告により上級審で退けられた》。
再審法改正が必要。袴田事件…事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ。(西日本新聞)《日本弁護士連合会は…再審法(刑事訴訟法の再審規定)の整備を求める集会を国会内で開いた。法曹関係者に加え、与野党の議員が約60人(代理も含む)出席。証拠開示の制度化や、再審請求審での検察の不服申し立て(抗告)禁止を法制化する必要があるとの認識で一致した。再審を規定する刑事訴訟法の条文はわずか…》。
東京新聞のコラム【<考える広場>冤罪はなぜ生まれるか? 桐山桂一・論説委員が聞く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/271962)/《冤罪(えんざい)ほど人生や人権を踏みにじる不正義はない。静岡県の四人殺害事件で犯人とされた袴田巌さんの再審が決まった。鹿児島県の大崎事件は再審請求が高裁で退けられたが、冤罪が疑われる。再審法改正を求める日弁連の中心として、全国を走り回る鴨志田祐美弁護士に「なぜ冤罪は生まれるのか?」を聞いた》。
何度でも、飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会の木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者・桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか。日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件(東電事件)、東住吉事件。だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす。殺したのは誰か、検察庁です」》。
『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たし
て人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》』
鴨志田祐美さん《日本の刑事司法のガラパゴス化は、法務省が考えているよりも深刻です》。小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たして人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は、まだまだ続く》(大谷昭宏さん)。
袴田冤罪事件、《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》の例ではないか。《残酷で異常な出来事と欧米などでは受け止められている》、《日本でも放置し続けてきた再審法を整備すべきときが来ている。法務・検察はそのことも自覚すべきである》(東京新聞社説)。何十年にも渡って無実の袴田巌さんを牢屋につなぎ、しかも証拠が捏造されていたとまで裁判所が指摘。再審裁判で、「有罪」を主張するのはいったいどういう神経か? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、一体どこまで人権侵害すれば気が済むのか。(東京新聞社説)《無実の訴えから半世紀。日本の刑事司法の異様さをも表している。すでに87歳の高齢。残る人生と名誉をこれ以上、検察は奪ってはいけない》。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/287218?rct=shiten】
<視点>大崎事件の新鑑定 殺人でなく事故死では 論説委員・桐山桂一
2023年11月1日 06時00分
被害者の男性は朝から酒に酔っていた。午後5時半ごろには雑貨店で焼酎を買った後に自転車ごと深さ1メートルの側溝に転落してしまった。
誰かに引き上げられ、道路脇に横たわったままの状態で放置された。夜になって近隣の男性2人が小型トラックの荷台に被害者を乗せ、自宅まで運んだ。それが午後9時ごろのことだ。
1979年に鹿児島県大崎町の牛小屋で遺体が見つかった大崎事件は、そんな状況から起きた。
親族の原口アヤ子さんらが絞殺したとして、殺人罪などで有罪確定。既に服役を終えてもいる。だが、客観証拠がほとんど存在しないのだ。
実際に過去3回も裁判所で「再審開始」が決定されたが、その都度、検察の抗告により上級審で退けられた。
第4次の再審請求は高裁に棄却されてしまい、弁護側は現在、最高裁に特別抗告を申し立てている。新鑑定により、殺されたのではなく「事故死」だったとの主張だ。「自宅に運ばれた時点で既に被害者は呼吸停止か心停止だった」ことを示す。
埼玉医科大学総合医療センター長の澤野誠教授による医学鑑定である。重症外傷患者の診療を専門とする日本随一の外傷センターで、頸椎頸髄の損傷症例数は国内でトップだ。澤野氏は救護活動についての専門家でもある。
「遺体には三つの明らかな出血があった」と澤野氏は指摘する。「溝への転落による限度を超えた頸部の後屈と右捻り。飲酒と低体温による脱水と腸管動脈の収縮からの広範囲な小腸壊死を出血が示します」
溝への転落で頸髄損傷による運動麻痺や頸椎を支える靱帯の損傷をきたしたことも分かるという。さらに近隣の2人がトラックに乗せた際、頸椎保護をしない手荒な救護だったため、頸髄損傷が悪化し、呼吸停止した可能性が高いともいう。
だが、搬送した2人は「被害者は歩いて自宅に入った」と供述した。確定判決のよりどころだが、新鑑定とは合致しない。かつ2人の供述を立命館大学の稲葉光行教授が分析したところ、「2人で被害者を抱えて玄関に入った」「千鳥足で被害者1人で玄関に入った」と食い違う。
さらに「被害者を自宅土間に置いた」という点は「覚えていない」とか、沈黙や言いよどみが高い頻度で起きているという。稲葉教授は「搬送した2人が実際に体験したことを述べたものではないと考えるのが妥当」と結論づけている。
これら医学鑑定と供述分析を合わせると、確定判決が殺人事件と決め付けたことに疑問が湧くであろう。つまり被害者は自宅に運ばれた時点で既に死亡しており、殺人事件にはなり得ない―そう指し示していよう。原口さんは一貫して「やっちょらん」。最高裁は新証拠に真摯に向き合ってほしい。
【関連記事】<考える広場>冤罪はなぜ生まれるか? 桐山桂一・論説委員が聞く
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/271962】
<考える広場>冤罪はなぜ生まれるか? 桐山桂一・論説委員が聞く
2023年8月23日 08時00分
(コラージュ・小河奈緒子)
冤罪(えんざい)ほど人生や人権を踏みにじる不正義はない。静岡県の四人殺害事件で犯人とされた袴田巌さんの再審が決まった。鹿児島県の大崎事件は再審請求が高裁で退けられたが、冤罪が疑われる。再審法改正を求める日弁連の中心として、全国を走り回る鴨志田祐美弁護士に「なぜ冤罪は生まれるのか?」を聞いた。
<再審法> 刑事訴訟法の再審規定。500以上も条文のある同法のうち、再審の条文は19のみで、規定が不備なまま、70年以上も放置されている。再審請求審は裁判所の裁量に委ねられ、証拠開示の基準や手続きは不明確なうえ、再審開始が決定されても検察官の不服申し立てなどによって、冤罪被害者の早期救済が妨げられている。
◆証拠開示ルールを今すぐ 弁護士・鴨志田祐美さん
桐山 全国キャラバンの手ごたえはどうでしょう。
鴨志田 ここ一カ月だけでも沖縄や島根、三重などを回りました。各地の弁護士会が企画したシンポジウムなどです。東京の中学のPTAからは生徒と保護者向けに話を頼まれました。京都の高校では生徒自身が再審法改正の立法論まで研究している。それだけ広がりはあるし、共感を持ってくれています。
私自身は二十年近く再審弁護に関わっています。日弁連では二〇一九年の人権擁護大会で再審法改正の決議を採択しましたが、直前に最高裁による大崎事件の再審取り消しがありました。そのころからマスコミの論調も法制度そのものがおかしいと変わってきた感じがします。
桐山 大崎事件は一九七九年に男性の遺体が発見された事件ですが、物証がなく、本当に殺人事件なのか。事故死だった可能性が指摘されます。事件当初の鑑定も「他殺か事故死か不明」と変更され、第四次再審請求で出された救命救急医の鑑定では「被害者は家に運び込まれるまでに既に死亡していた」です。それなら殺人事件にならず、犯人とされる原口アヤ子さんも「再審無罪」のはずです。ところが、福岡高裁宮崎支部は今年六月に「再審認めず」の判断をした。不可解に思えました。
鴨志田 原口さんは一度も「自白」せず無実を訴えています。共犯者とされた親族の「自白」が確定判決の支えなのです。でも、その人たちは「供述弱者」。知的障害などがあって、厳しい取り調べに迎合してしまう。今なら供述弱者には録音・録画すべきことが捜査機関内でも共通認識ですが、当時は違った。それなのに裁判所まで供述を「信用できる」と安易に判断するのは、本当におかしい。
第四次再審請求ではクラウドファンディングで寄付を募りました。集まった千二百万円で映画監督の周防正行さんに再現動画を作ってもらいました。被害者は酒に酔い側溝に転落。道路に引き上げられ、近隣の二人にトラックの荷台に乗せられました。自宅に搬送されるまでを裁判記録に従い忠実に再現しました。CGアニメも制作し、関係者の供述どおりに人を動かすと、近隣の二人の供述の食い違いがビジュアルに分かりました。
桐山 六六年に起きた袴田巌さんの事件では過酷な取り調べがあり、「自白」に至りました。確定判決の証拠である「五点の衣類」は何と事件から一年二カ月もたって発見。その衣類に付いた血痕の変色を手掛かりに再審決定が出ましたが、東京高裁は「証拠の捏造(ねつぞう)」の可能性に言及しました。
鴨志田 無実の人が死刑になっていたかもしれない事件です。民主化されていないどこかの国でなく、この日本で何の落ち度もない人が犯人に仕立て上げられる。冤罪は多重構造だと思います。まず警察が誤った見込みで捜査すると、そのストーリーに沿った証拠しか集められない。「見立ての呪縛」です。
国家権力が地引き網みたいに集めた証拠の中には、被告人に有利な無罪の証拠も紛れているわけです。しかし、検察も見立てが固まると、そこから引き返すことができません。有罪方向の証拠だけを選択して裁判所に出しているのです。
桐山 なぜ裁判所は見抜けないんだろうと一般の人は受け止めます。裁判所は本当にちゃんと判断しているのだろうか。司法の根底を揺るがす事態が起こっている気がします。
鴨志田 無罪方向の証拠は隠され、有罪方向の証拠ばかりをもとに判断するから裁判所も間違えるのですね。再審段階になってもなお、なかなか無罪方向の証拠が開示されない点も大問題です。開示が実現するか否かは裁判官次第という「再審格差」がそこにあります。
大崎事件では、ある裁判官が証拠開示を勧告したら、それまで「ない」と言っていた証拠が二百十三点も出てきました。第三次再審ではさらに十八点の証拠が警察から見つかりました。その中に確定判決を覆す珠玉の証拠があったのです。
裁判所が職権で取り寄せることができるから証拠開示ルールは必要ないと法務省は言いますが誤りです。袴田さんの事件でも第二次再審になって初めて、確定審で提出されていなかった証拠が六百点以上も開示されました。「五点の衣類」のカラー写真などですね。
つまり「再審格差」があるから、開示のルールが必要なのです。どんなにやる気のない裁判官の下でも証拠開示せねばならないルールにしないと永久に格差は埋まりません。
◆刑事司法はガラパゴス化
桐山 先進国では例外的に日本には死刑制度が残ります。米国でさえ死刑執行する州は少数派です。一度執行したら取り返しがつかない刑だけに、もっと慎重にチェックすべきです。
鴨志田 米国では死刑の選択には通常事件以上に慎重で厳格な手続きを要求しています。日本では裁判のどの段階にもそんな配慮はありません。少なくとも死刑という特別な刑には特別な手続きが必要です。確定有罪判決の手続きに憲法違反があれば、新証拠がなくても、再審に入れる制度にすべきです。
日本には「確定力神話」もあると思います。三審制で裁判官が三回も吟味して有罪だったら、間違いはないだろうと。ひっくり返したら四審制になると。三審制の結論を動かすべきでないという考えに縛られることを確定力神話というのです。検察も、起訴したものは99・9%有罪でしょ、間違いあるはずがないと。真犯人が出てくるとか、DNA鑑定で別人だったとか、そんなことでもない限り再審を認めない考え方ですね。
桐山 八〇年代には死刑事件の再審無罪が続きました。その後も冤罪が相次いでいますが、再審決定まで歳月がかかり過ぎる問題もありますね。
鴨志田 冤罪はヒューマンエラーではなく、システムエラーの問題だと捉えないと、永久に解決しないと思います。袴田さんの事件などは「証拠の捏造」まで指摘されたのですから、「真相究明委員会」を設けるべきです。航空機事故のように、徹底的に当時の警察や検察、裁判所などの関係者を呼んで、どこに間違いがあったのかを究明しないといけないと思います。
日本の刑事司法のガラパゴス化は、法務省が考えているよりも深刻です。
<かもしだ・ゆみ> 1962年生まれ。神奈川県出身。早稲田大法学部卒。会社員などを経て2002年に司法試験合格、弁護士に。大崎事件再審弁護団事務局長。日弁連再審法改正実現本部本部長代行。著書に『大崎事件と私 アヤ子と祐美の40年』(LABO)。共著に『見直そう!再審のルール』(現代人文社)。
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[↑ ※袴田事件《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]
(2023年11月05日[日])
《捜査機関による証拠捏造》…《いまも、死刑囚のまま》から脱却させないニッポンの司法。 再審裁判でも《裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠》をまたしても持ち出す気か? どこまで非道なのか。
《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》の例ではないか。《残酷で異常な出来事と欧米などでは受け止められている》、《日本でも放置し続けてきた再審法を整備すべきときが来ている。法務・検察はそのことも自覚すべきである》(東京新聞社説)。何十年にも渡って無実の袴田巌さんを牢屋につなぎ、しかも証拠が捏造されていたとまで裁判所が指摘。再審裁判で、「有罪」を主張するのはいったいどういう神経か? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、一体どこまで人権侵害すれば気が済むのか。(東京新聞社説)《無実の訴えから半世紀。日本の刑事司法の異様さをも表している。すでに87歳の高齢。残る人生と名誉をこれ以上、検察は奪ってはいけない》。
『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たして
人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》』
西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/袴田巌さんが獄中でつづった書簡に記した「世界最強のチャンピオン」 長期の拘束はどう精神をむしばんだのか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/286458?rct=tokuhou)。《1966年の強盗殺人事件で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(87)に対し、27日に開かれた再審初公判。無罪の扉を開く法廷がようやく始まったが、48年間の身柄拘束で心神喪失状態となった本人の姿はなかった。今も元気だったら、どんな言葉を発していたのか。獄中書簡や証言により、拘禁症状が袴田さんから奪ったものを考えた。(西田直晃)》。
琉球新報のコラム【<金口木舌>かなわなかった普通の人生】(https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2425585.html)。《2014年の釈放まで約48年間も拘置された死刑囚の袴田巌さん。強盗殺人容疑で逮捕された30歳のプロボクサーは87歳に。高裁で捜査機関の証拠捏造(ねつぞう)が指摘され、再審公判が先週始まった ▼長年の拘禁で心神喪失状態にある。初公判は90歳の姉ひで子さんが出廷し「真の自由」を訴えた。来春結審し、無罪となる公算だ。交流した人の中に強盗殺人の布川事件の桜井昌司さんと杉山卓男さんもいた》。
『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、再審開始決定…せめて
《一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない》』
『●袴田巖さん、袴田秀子さん ――― 《捜査機関による証拠捏造》とまで
言われているのだ、検察側が特別抗告を断念するのも、当然の結果だろう』
『●袴田冤罪事件: 《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査
機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》』
『●<コラム 筆洗>《高裁は捜査機関による証拠捏造の可能性まで踏み
込んでいる…袴田さんをただ犯人にしたいという卑劣なトリックだろう》』
『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃ
にした《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる』
『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ』
『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる』
『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん』
『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
…裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》』
『●大谷昭宏さん《袴田事件で審理の引き延ばしを図る検察に、陰湿、陰険、
姑息、傲慢…などと書いて、一瞬、書きすぎ? と思ったのだが…》』
『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たして
人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》』
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【https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2425585.html】
<金口木舌>かなわなかった普通の人生
公開日時 2023年10月30日 05:00
更新日時 2023年10月29日 15:01
57年前の逮捕後、獄中から気丈な書簡を送っていた。次第に「私の生を支えるものは憎悪に成った」と書くように。死刑確定後、心は一層むしばまれた
▼2014年の釈放まで約48年間も拘置された死刑囚の袴田巌さん。強盗殺人容疑で逮捕された30歳のプロボクサーは87歳に。高裁で捜査機関の証拠捏造(ねつぞう)が指摘され、再審公判が先週始まった
▼長年の拘禁で心神喪失状態にある。初公判は90歳の姉ひで子さんが出廷し「真の自由」を訴えた。来春結審し、無罪となる公算だ。交流した人の中に強盗殺人の布川事件の桜井昌司さんと杉山卓男さんもいた
▼2人は無期懲役で獄中に29年、仮出所して再審無罪。「普通のおじさん」になろうと奔走した歳月はドキュメンタリー映画「ショージとタカオ」(井手洋子監督)に詳しい
▼杉山さんは8年前に亡くなり、今年8月、桜井さんと井手監督が鬼籍に入った。冤罪(えんざい)を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/286458?rct=tokuhou】
袴田巌さんが獄中でつづった書簡に記した「世界最強のチャンピオン」 長期の拘束はどう精神をむしばんだのか
2023年10月28日 12時00分
1966年の強盗殺人事件で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(87)に対し、27日に開かれた再審初公判。無罪の扉を開く法廷がようやく始まったが、48年間の身柄拘束で心神喪失状態となった本人の姿はなかった。今も元気だったら、どんな言葉を発していたのか。獄中書簡や証言により、拘禁症状が袴田さんから奪ったものを考えた。(西田直晃)
◆「人間らしさと誠実さがにじんでいた」メッセージ
(支援者と一緒に日課のドライブへ向かう袴田巌さん㊨)
〈お母さんへ 私はこの事件となんの関係もないのだから、お母さんは自信を持って堂々と来て下さい〉
〈憎い奴は、僕を正常でない状態にして、犯人に作り上げようとした奴です〉
「主よ、いつまでですか —無実の死刑囚・袴田巌獄中書簡—」(1992年、新教出版社)に収録された手紙は逮捕翌年の67年、母に宛てたものから始まる。「無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会」(東京)のメンバーが約5000枚のハガキや日記などから選別し、出版。人格面から無罪を証明する新証拠として、第1次再審請求審(81〜2008年)で静岡地裁に提出された。
当時、編集に携わった救う会副代表の門間幸枝さん(82)は「家族へのメッセージに人間らしさと誠実さがにじんでいた」と回想する。この時期は無罪判決に望みを持ち、行く末を楽観視している様子も見て取れる。事件の1年2カ月後にみそタンクで見つかり、犯行着衣とされた衣類にも言及し、当時から「捏造(ねつぞう)」の疑いに触れていた。
〈私は、裁判所には無罪がわかって頂けると信じています〉
〈あの血染めの着衣が絶対に僕のものではないという証拠は、ネームがないことです。僕の着物はクリーニング屋に出すので『ハカマタ』と入っています。(中略)真犯人が動き出した証拠です。これでますます有利になりました〉
「警察の取り調べで拷問された袴田さんは、裁判所では真実が明らかになると信じていたようだ」と推察する門間さん。だが、68年に静岡地裁が死刑を宣告。その2カ月後には最愛の母が亡くなった。
最高裁での死刑確定(80年)までの文面には、死刑への恐怖に揺れる胸の内がにじむ。
(2018年、袴田さんの支援活動で記者会見する
門間幸枝さん(左)、袴田ひで子さんら=東京・霞が関で)
〈そして沈んだ灰色に汚れた白壁と、染みだらけの部屋には、何か死の匂いに近いものすら感じます〉
〈さて、私も冤罪(えんざい)ながら死刑囚。全身にしみわたって来る悲しみに耐えつつ、生きなければならない。そして死刑執行という未知のものに対するはてしない恐怖が、私の心をたとえようもなく冷たくする時がある。(中略)自分の五感さえ信じられないほどの恐ろしい瞬間があるのだ。しかし、私は勝つのだ〉
肉親を失った悲しみを振り返る場面でも、精神的な動揺がうかがえる。
〈昭和四三年母からの便りが突然途絶えた。私はこの時自分の人生で最も悲しい時が迫るのを感じ、体中一気に凍るような衝撃を受けた。(中略)全てを呪いたい狂暴(きょうぼう)な気持ちの中で、また次第に絶望状況に陥ったものであった。その頃、獄中で両親の死を知った〉
〈死刑そのものが怖いのではなく、怖いと恐怖する心がたまらなく恐ろしい〉
死刑確定後、次第に文面が長くなり、内省的、哲学的な表現が多くなる。「悪魔」という単語も現れた。
〈ドアに付いた染みが死を意味したり、壁の色が何か異様にみえて人間の姿に固まり、(中略)本当に悪魔が鍵孔(かぎあな)を操っているとしか思えない〉
〈調室の壁に絵がかけられていた。(中略)気がつくと私の顔を悪魔がのぞいていた。戦りつを覚えて手の平で顔をおおった。私は人類が逆に滅びるのだとその時思った〉
(静岡市でチラシを配布するなどして袴田巌さんの
無罪を訴える支援者たち)
一方で「神」「愛」といった言葉が増えていった。81年に姉ひで子さん(90)宛ての手紙でキリスト教への帰依を伝え、84年暮れに洗礼を受けている。カトリック信徒の門間さんは「獄中で深く聖書を読み込んだのは、信仰によって恐怖を乗り越えようとしたのだろう」と話す。
ボクサーだった過去も支えになっていた。こう日記にしたためている。
〈房に帰って腕立て伏せ百回。シャドーボクシングを用いて、全身の筋肉をほぐす。一五分間。(中略)もし、人生から愛を根こそぎ取り去ったら、生きるに値する何ものも残らぬ〉
書簡集は、殺人罪で20年近く投獄され、後に無罪となった「ハリケーン」こと、米国の元ボクサー、ルビン・カーター氏に宛てた89年の手紙で終わる。「闘いと心の支えである国際的な同志」にこう伝えていた。
〈今、私は無実を晴らす闘いの世界最強のチャンピオンになることを願っています〉
門間さんは言う。「逮捕後の袴田さんは、一度も声を出して心から笑えていないはずだ。叫ぶこと、笑うことができず、書くことしかできなかった。今は重い拘禁症状があるが、思いは書簡に詰まっている」
◇ ◇
◆「恐怖や絶望から、袴田さんの意識は虚構と現実が入れ替わってしまった」
長期の身柄拘束は、袴田さんの精神状態にどんな影響を及ぼしたのか。
姉ひで子さんが異変を感じ始めたのは、1980年12月に死刑が確定してから。拘置所に移って2、3カ月たったころ、面会で「昨日処刑があった。隣の人だった」と明かされた。このころから「毒殺される」「電波を出すやつがいる」などと漏らすようになった。90年ごろになると、支援者や弁護士の面会を拒否するように。92年以降はひで子さんも年数回しか面会ができなくなり、95年以降、途絶えた。
「99年1月にひで子さんと東京拘置所で面会を求めたが、ダメだった。拘置所に様子を聞くと、房の中をぐるぐる回っているという説明だった」と話すのは当時、衆院議員だった保坂展人・世田谷区長。2002年11月の衆院法務委員会で「心神喪失の状態にあるときは法務大臣の命令で執行停止とある。この状態を放置することはできないのでは」と質問した。
(袴田巌さんの再審初公判が開かれた静岡地裁の
法廷(代表撮影))
森山真弓法相(当時)は「少し常軌を逸し始めた精神状態なのかもしれない。拘置所のほうで症状を見て判断してほしい」と答弁した。「大臣がここまで言ったことで、刑の執行は実質できなくなった」と保坂氏は振り返る。
保坂氏は翌年3月、ひで子さんらと約30分間面会したが、袴田さんは「袴田巌はもういない。全能の神である自分が吸収した」。再審請求の話題を投げ掛けたが、自身が「東京国家調査所の所長」で「東京拘置所はなくなった。死刑執行をできないようにした」と答えたという。
1994年の静岡地裁の再審棄却の決定文書を読んでからは、裁判関係書類の差し入れを拒否するように。その後も思うように面会できず、拘禁症状は改善しなかった。だが法務省は、2011〜12年に法相を務めた元衆院議員の平岡秀夫弁護士が健康状態について報告させた際、「問題はない」と答えたという。
保坂氏は「死刑執行の恐怖や再審が実現しない絶望から、袴田さんの意識は虚構と現実が入れ替わってしまった。釈放されて9年たっても、法廷に立って『やっていない』と自分の言葉で言えない状態に精神が縛られていることがどんなにむごいことか。法務省、検察庁はどこまで認識しているのか」と指摘し、一日も早い判決を求める。(山田祐一郎)
◆デスクメモ
普通、初公判で焦点となるのは、身柄を拘束されていた被告が初めて公の場で話す認否などだ。だが今回は袴田さん側の無罪主張は明らかで、むしろ検察が有罪立証をどう続けるのか、どれだけ時間をかけるのかが注目されている。主客逆転。裁かれているのは検察側かもしれない。(本)
【関連記事】「冤罪ごり押し…恐ろしい」検察に吹き荒れる逆風 袴田さん再審で有罪立証するのは結局「メンツ」のため?
【関連記事】幻覚、妄想…「拘禁反応」の恐ろしさとは? 袴田事件で浮き彫りに 再審無罪ならば回復するのか
【関連記事】袴田巌さんを釈放した元裁判長、本紙に語った再審制度の課題「検察官も苦しいはず」
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[↑ 映画『オレの記念日』フライヤー(https://oreno-kinenbi.com/wp-content/uploads/2022/08/oreno-kinenbi_flyer.pdf)]
(2023年09月12日[火])
桜井昌司さん《他の冤罪被害者・支援者と積極的に交流し、冤罪をなくすための活動にも積極的に取り組んできました》、《同氏による冤罪をなくすための活動とその成果は東京弁護士会人権賞の受賞に相応しいものです》。桜井さんの重要な貢献。
布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしてい》た。《逮捕から仮釈放されるまでの身体拘束は約二十九年におよび、無罪となるまでに約四十四年を要した》。先日8月23日に、お亡くなりになった。とても残念で仕方がない。もっともっと冤罪被害者の支援を続けていただきたかった。冤罪被害者やそのご家族の支援、桜井さんの重要な活動でした。
『●桜井昌司さん《冤罪被害の実態を世の中に広く訴える活動…冤罪をなくす
ための活動とその成果は東京弁護士会人権賞の受賞に相応しいもの》』
『●金聖雄監督《冤罪被害という絶望的なテーマの中で、私が映画を作り
ながら希望を見出していくと言う不思議な感覚を、ぜひ映画を観る…》』
『●原一男さん《桜井昌司さんは違う。「冤罪事件が私を生まれ変わらせて
くれた、ありがたい、と思っている」と価値観を逆転させる奇跡の言葉。》』
『●桜井昌司さんの〝獄中ノート〟が「…あったから、無罪をとれた。弁護士の
皆さんが無罪をとれる、頑張ろうと発奮してくれたきっかけでもあった」』
そして、もう一つ忘れてはいけないことが《再審法を改正》、《再審法の制定》に向けての活動。
『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》』
《布川事件冤罪被害者・桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官が
なぜわからないのか。日本の警察はこれまでも証拠を捏造して
きました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されて
きたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも
懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、
ゴビンダさんの事件(東電事件)、東住吉事件。だれもその責任を
追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を
法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず
果たせると確信しています。必ず勝ちます。
一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす。
殺したのは誰か、検察庁です」》
『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ』
日刊スポーツのコラム【大谷昭宏のフラッシュアップ/桜井昌司さんの霊前に2つの「記念日」届けたい 無実の罪で29年間の服役】(https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202309110000105.html)。《何事にも前向きで「この人生不運だったが、不幸ではなかった」と言い切る。だが冤罪(えんざい)に泣く他者のことになると柔和な表情は一変する。日野町事件、大崎事件、もちろん袴田事件。不当な判決や決定の場には決まって桜井さんの怒りをたぎらせた顔があった。その一方で冤罪をなくすことは、犯人をでっち上げた警察官、検察官、無実の人に不当な判決を下した裁判官、生涯もだえ苦しむこの人たちを楽にしてあげることにもなるという》。
『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》』
《「疑わしきは被告の利益に」という原則を再審請求の審理にも適用
した妥当な判断だ。元受刑者は他界しており、名誉回復への道は
遠かった。審理の長期化を改め、情報開示の制度化など、えん罪を
防ぐための仕組みづくりを急ぐべきだ》
『●大崎事件《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《医学の専門家でない裁判
所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断》』
『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
…裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》』
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【https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202309110000105.html】
大谷昭宏のフラッシュアップ
2023年9月11日8時0分
【大谷昭宏】桜井昌司さんの霊前に2つの「記念日」届けたい 無実の罪で29年間の服役
8月23日死去、31日ご葬儀。日にちがたってしまったが、この方の訃報にはどうしてもふれておきたい。無実の罪で29年間も服役した布川事件の桜井昌司さんが亡くなった。76歳だった。
最後にお会いしたのは昨年10月。自身を描いた映画「オレの記念日」が完成、大阪の劇場で舞台あいさつされた時だった。がんと闘病中だったが「医者が2年という余命宣告を1年超えたよ」と、舞台の合間に元気に京都を往復されていた。
バンド演奏に詩作り。何事にも前向きで「この人生不運だったが、不幸ではなかった」と言い切る。だが冤罪(えんざい)に泣く他者のことになると柔和な表情は一変する。日野町事件、大崎事件、もちろん袴田事件。不当な判決や決定の場には決まって桜井さんの怒りをたぎらせた顔があった。その一方で冤罪をなくすことは、犯人をでっち上げた警察官、検察官、無実の人に不当な判決を下した裁判官、生涯もだえ苦しむこの人たちを楽にしてあげることにもなるという。
水戸市で行われた葬儀では、そんな桜井さんが刑務所内で「人生にはいつか春が来る」の思いを込めて作詩した「ゆらゆら春」を合唱。やさしかった桜井さんの思い出に、唇をふるわせている人もいたという。
不当な無期懲役の判決が確定した日も、息子の無罪を訴えて駅に立ってくれた父が亡くなった日も、みんな「オレの記念日」にしてきた桜井さん。いまも検察の陰湿執拗(しつよう)な審理妨害が続く袴田事件の87歳、巌さんの再審無罪確定。そして生涯の念願だった再審法の制定。この2つの新たな記念日を、1日も早く桜井さんの霊前にお届けしたい。
◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。
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[↑ 映画『オレの記念日』フライヤー(https://oreno-kinenbi.com/wp-content/uploads/2022/08/oreno-kinenbi_flyer.pdf)]
(2023年09月03日[日])
布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしてい》た桜井昌司さん。《逮捕から仮釈放されるまでの身体拘束は約二十九年におよび、無罪となるまでに約四十四年を要した》。先日8月23日に、お亡くなりになった。とても残念で仕方がない。もっともっと冤罪被害者の支援を続けていただきたかった。冤罪被害者やそのご家族の支援、桜井さんの重要な活動でした。
『●桜井昌司さん《冤罪被害の実態を世の中に広く訴える活動…冤罪をなくす
ための活動とその成果は東京弁護士会人権賞の受賞に相応しいもの》』
『●金聖雄監督《冤罪被害という絶望的なテーマの中で、私が映画を作り
ながら希望を見出していくと言う不思議な感覚を、ぜひ映画を観る…》』
『●原一男さん《桜井昌司さんは違う。「冤罪事件が私を生まれ変わらせて
くれた、ありがたい、と思っている」と価値観を逆転させる奇跡の言葉。》』
今西憲之さんの〝弔辞〟、dot.の記事【”獄中ノート”で再審無罪に 布川事件・桜井昌司さん死去「法治国家日本を蘇らせる闘い」/今西憲之】(https://dot.asahi.com/articles/-/199886)。《茨城県利根町布川で1967年に男性が殺害された「布川事件」で、杉山卓司さん(故人)[※ブログ主注 「杉山卓男さん」の誤植?] とともに強盗殺人罪に問われ、無期懲役確定後に2011年に再審無罪を勝ち取った桜井昌司さんが、8月23日、76歳で亡くなった。筆者は週刊朝日の記者時代から、何度も桜井さんに話を聞いてきただけに、思い出はつきない》。
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【https://dot.asahi.com/articles/-/199886】
”獄中ノート”で再審無罪に 布川事件・桜井昌司さん死去「法治国家日本を蘇らせる闘い」
2023/08/29/ 13:10
今西憲之
(桜井昌司さん=2022年9月/撮影・加藤夏子)
茨城県利根町布川で1967年に男性が殺害された「布川事件」で、杉山卓司さん(故人)とともに強盗殺人罪に問われ、無期懲役確定後に2011年に再審無罪を勝ち取った桜井昌司さんが、8月23日、76歳で亡くなった。筆者は週刊朝日の記者時代から、何度も桜井さんに話を聞いてきただけに、思い出はつきない。
(【写真】ラジオ番組に出演した時の桜井昌司さん)
桜井さんは、茨城県警に逮捕された1967年から約3年間、ほぼ毎日、ノートに日記を書き続けていた。留置場での日常、家族への思い、そして警察の嘘だらけの取り調べや不当なでっちあげの真相など、詳細をつづった“獄中ノート”は全17冊に及んだ。
私がそのノートに触れたのは、2011年5月のことだった。
桜井さんから、
「あの日記があったから、無罪をとれた。弁護士の皆さんが無罪をとれる、頑張ろうと発奮してくれたきっかけでもあった」
と聞いた。そこで、桜井さんの冤罪(えんざい)を晴らすために闘っていた弁護団の一人、塚越豊弁護士のところにうかがい、17冊の獄中ノートを見せてもらい、コピーもいただいた。ノートの表紙には「心影」というタイトルが書かれていた。
ノートを読み始めると、震える思いだった。茨城県警のストーリーありきの捜査、何を言ってもまったくとりあわず、絶望の淵に突き落として自白調書を作成していく様子や、奈落の底でもがき苦しみ、悔しさでいっぱいの桜井さんの思いが綴られていた。
塚越弁護士は私にこう言った。
「一度確定した判決をひっくり返すのは非常に困難。再審が決定し、無罪になった重要なポイントの一つが桜井さんの獄中ノートを新証拠として提出できたこと。我々はノートを“宝物”と呼んでいます」
獄中ノートの中身を紹介したいと思う。
当初は、別件の窃盗容疑で逮捕された桜井さんだが、その後、身に覚えがない強盗殺人事件のことを厳しく追及されるようになる。調べを担当したのがノートに頻繁に登場するA刑事。当時、桜井さんはまだ20歳と若い盛り。その心理をA刑事は巧みに利用していく。
〈飯を喰わせてくれ。それから話すよ。(とA刑事にいうと)そしたら驚きだ。寿司を喰わしてくれたもんな〉(68年4月14日)
■余りにも汚い調べ方にあらためて驚いた
A刑事はそんなアメを与えながらムチも用意する。
〈生理現象で頼んだら待てという。(中略)(おなかが)痛かったので更にお願いしたら、(中略)5分待てと来た。(中略)何でもねえのに頼むか!!〉(68年3月8日)
まだ社会に出て間もない桜井さんはA刑事の手練手管により、狭い取調室の中で筋書きどおりに「自白」を誘導されていった。 獄中ノートには、こんな記述もある。
〈公判で一つ聞いてみよう。“嘘発見器”の事を。Aさんは俺が嘘を言っていると出たと言ったが、もしあの時言った事が嘘と出たのなら、あの機械は“嘘作成器”〉(68年1月12日)
〈誰が(事件現場で)桜井昌司を見た!! と言ったんだよAさん!! 余りにも汚い調べ方にあらためて驚いた〉(68年5月13日)
この獄中ノートの内容は、何度か刑務官らに読まれていたという。記述した翌日の取り調べで、ノートの内容をなぜかA刑事らが知っており、Aさんの心情を逆手にとって自白を求めてきたのだ。
このため桜井さんは、獄中ノートの一部を「暗号化」するようになった。桜井さんは取材にこう苦笑しながら語っていた。
「警察、検察、刑務官とみんな一緒になって自分を犯人に仕立てようとしていることがわかったから、暗号で本心を書き残そうとした。暗号は三つのパターンがありました。でも、獄中ノートは自分で再審などにはそう大事だと思ってなかった。偶然に見つかったもので、暗号を自分でも忘れていました。それを、塚越弁護士の奥さんが解読してくださったんです」
■「うその自白」したことを悔やむ
ノートには、「うその自白」をした桜井さんが、次第にそれを悔やみ始める記述もある。
〈私は罪を犯したから認めたのでなく、(中略)認めなくては助からぬと言われたからに他ならないのだ。(中略)権力が作った事実の為にひざまずくしかないと判断したからだ〉(68年1月10日)
〈強殺(強盗殺人)の罪をかぶれば皆んなの頭の中から私自身が犯した窃盗の事は消え去る。(中略)偽りのないあの頃の俺の心だった〉(68年4月18日)
〈嘘の供述というものを話し出した時、まさか本物の犯人にされるとは〉(68年1月19日)
桜井さんが窃盗事件を起こしていたのは事実だった。それをネタにA刑事は、桜井さんを強盗殺人事件の犯人にしたてあげようと陥れた。桜井さんはこう言っていた。
「あの頃は若かったから、窃盗なんてちんけなことで捕まるのが格好悪いと思っていた。殺人を狭い取り調べの部屋で認めても、後で本当のことがわかりおとがめなし、と勝手に信じて認めた。A刑事は罪を認めれば死刑にならない、認めないなら死刑と言い始めた。だから、供述調書にも認めるサインをした。もう権力の言いなりになって死刑を逃れるしかないという心境になりました」
桜井さんのノートからは、「死刑」だとA刑事から追い詰められ、絶望感に打ちひしがれていく様子がわかる。
〈やっぱり恐いんだな。死刑になる事が〉(68年1月4日)
〈警察が見事に犯人を作り出した。俺が罪を犯したのは警察の調べ机の上でだ!!(中略)よくこうも何でも悪い方へばっかりくっつけたもんだ。本当に感心する〉(68年8月14日)
■桜井さんと杉山さんに無期懲役の判決
裁判所ではきちんと無実が判明すると信じていた桜井さんだが、法廷では、
「桜井さんや杉山さんを見た」
というありえない目撃証言が飛び出した。寿司を出してくれたA刑事は法廷で、
「捜査や供述の過程で利益誘導や脅迫行為は一切ない」
という証言を繰り返した。
70年10月6日、一審の水戸地裁は桜井さんと杉山さんに無期懲役の判決を言い渡した。絶望したのか、その日の獄中ノートにはこうある。
〈もう日記を書くのは止めた……。今日で終りだ……〉
控訴も上告も棄却され、1978年にいったん無期懲役刑が確定する。だが、それでも桜井さんはへこたれなかった。再審請求が認められ、2011年に無罪を勝ち取ったのだ。
無罪判決確定後、桜井さんは全国で冤罪に苦しむ仲間の支援活動を続けた。得意のノドを披露してCDも出し、カンパを集めた。2015年8月から1年半続けたラジオ番組「桜井昌司の言いたい放題!人生って何だ!!」でも、DJとして冤罪などについてしゃべりまくっていた。
2015年8月には、筆者(今西)が司会をしていたラジオ番組に出演していただき、自慢の歌も披露してもらった。
「今西さん、こうやって歌える、大きな声で歌える、自由は本当にいい。今もA刑事や検察、裁判所を恨む、腹が立つ。けどね、刑務所に入ったおかげで人の善意を学んだ。だからたくさんの弁護士、支援者が集まってくれてその善意で無罪がとれた。今、袴田事件が同じことになっている。絶対に袴田さんは無罪だ」
桜井さんが語っていた言葉が今もよみがえる。
(筆者が司会を務めたラジオ番組に出演した時の桜井昌司さん)
■法治国家日本を蘇らせる闘いを貫く
桜井さんは警察の捜査の違法性を訴え、国や県に損害賠償を求める訴訟も起こした。東京高裁判決は、警察と検察の取り調べについて違法性を認定。2021年にこちらも勝訴した。この訴訟の途中、2019年に直腸がんが発見された。
近年は闘病生活が続き、直接会う機会は減っていた。それでも今年1月、誕生日のメッセージを送ると、2022年に完成した布川事件のドキュメンタリー映画「オレの記念日」(金聖雄監督)に触れ、
〈有り難うございます。かなり回復して来ましたので、今年は完治すると思います。今年は、もう私のドキュメンタリー映画が完成しまして、また面白い1年になりますが、法治国家日本を蘇らせる闘いを貫くつもりです〉
と意欲満々だった。「闘い」半ばの死が悔やまれてならない。
ご冥福をお祈りいたします。
(布川事件を扱った映画「オレの記念日」に出演した
桜井昌司さんと金聖雄監督/撮影=加藤夏子)
(AERA dot.編集部・今西憲之)
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[↑ 映画『オレの記念日』フライヤー(https://oreno-kinenbi.com/wp-content/uploads/2022/08/oreno-kinenbi_flyer.pdf)]
(2023年08月24日[木])
《逮捕から仮釈放されるまでの身体拘束は約二十九年におよび、無罪となるまでに約四十四年を要した》。
原一男さん《悪政まみれのクソニッポン国の中で、理不尽にも冤罪事件で29年間の牢獄生活を余儀なくされた桜井昌司さん。私だったら、生きる気力を無くして絶望の淵に沈んでしまうだろう。しかし、桜井さんは違う。「冤罪事件が私を生まれ変わらせてくれた、ありがたい、と思っている」と価値観を逆転させる奇跡の言葉。まさに、国家権力の横暴さを無化せしめる魔法を見せてくれる映画である》。
『●桜井昌司さん《冤罪被害の実態を世の中に広く訴える活動…冤罪をなくす
ための活動とその成果は東京弁護士会人権賞の受賞に相応しいもの》』
『●金聖雄監督《冤罪被害という絶望的なテーマの中で、私が映画を作り
ながら希望を見出していくと言う不思議な感覚を、ぜひ映画を観る…》』
東京新聞の記事【布川事件の桜井昌司さん死去 再審で無罪確定、76歳】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/272035)。《茨城県利根町布川で1967年に男性が殺害された「布川事件」で無期懲役となり、再審で無罪が確定した桜井昌司(さくらい・しょうじ)さんが23日午前10時30分、直腸がんのため水戸市内の病院で死去した。76歳。茨城県出身。葬儀・告別式は31日午後1時から水戸市堀町2106の2、水戸市斎場で。喪主は妻恵子(けいこ)さん。67年に茨城県警に逮捕され、78年に強盗殺人罪などで無期懲役が確定。共犯とされた杉山卓男さん=2015年死去=とともに獄中から無実を訴え続けた。01年に第2次再審請求し、09年に再審開始が確定。11年に水戸地裁土浦支部の再審公判で無罪となった》。
とてもショックだ。最近、ブログ【桜井昌司『獄外記』/布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。】(https://blog.goo.ne.jp/syouji0124)が滞り気味だったが…。(当ブログ主の勝手な想い)gooブログ〝仲間〟の桜井昌司さん。ご冥福をお祈りいたします。
東京新聞の【おくやみ/桜井昌司さん死去 「布川事件」再審で無罪確定】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/272153)。《茨城県利根町布川で一九六七年に男性が殺害された「布川事件」で無期懲役となり、再審で無罪が確定した桜井昌司(さくらい・しょうじ)さんが二十三日、直腸がんのため死去した。七十六歳。茨城県出身。》《再審無罪後は、三重の名張毒ぶどう酒事件などの元被告や遺族が冤罪(えんざい)を訴える活動を支援。獄中での作品をまとめた詩集「壁のうた」も出版した》。
布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしてい》た桜井昌司さん。冤罪被害者やそのご家族の支援、桜井さんの重要な活動だ。《他の冤罪被害者・支援者と積極的に交流し、冤罪をなくすための活動にも積極的に取り組んできました。たとえば、2019年3月には、桜井氏の呼びかけで「冤罪犠牲者の会」が設立され、冤罪事件同士が情報交換や相互支援を通じて連帯しながら冤罪をなくすための運動をしています。また、同年5月には「再審法改正をめざす市民の会」に参加し、共同代表を務めています》(東京弁護士会)。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/272153】
おくやみ
桜井昌司さん死去 「布川事件」再審で無罪確定
2023年8月24日 07時24分
茨城県利根町布川で一九六七年に男性が殺害された「布川事件」で無期懲役となり、再審で無罪が確定した桜井昌司(さくらい・しょうじ)さんが二十三日、直腸がんのため死去した。七十六歳。茨城県出身。葬儀・告別式は三十一日午後一時から水戸市堀町二一〇六の二、水戸市斎場で。喪主は妻恵子(けいこ)さん。
六七年に茨城県警に逮捕され、七八年に強盗殺人罪などで無期懲役が確定。共犯とされた杉山卓男(たかお)さん=二〇一五年死去=とともに獄中から無実を訴え続けた。〇一年に第二次再審請求し、〇九年に再審開始が確定。一一年に水戸地裁土浦支部の再審公判で無罪となった。逮捕から仮釈放されるまでの身体拘束は約二十九年におよび、無罪となるまでに約四十四年を要した。
一二年には国と県に賠償を求め提訴し、捜査の違法性が認められ、二一年、国と県に賠償を命じた東京高裁の判決が確定した。
再審無罪後は、三重の名張毒ぶどう酒事件などの元被告や遺族が冤罪(えんざい)を訴える活動を支援。獄中での作品をまとめた詩集「壁のうた」も出版した。
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『●『冤罪File(2010年3月号)』読了』
「特集・再審が動いた! 「狭山事件」、東京高裁が検察に証拠開示を
勧告。「布川事件」、再審開始確定。「足利事件」、再審で、誤判の
原因究明へ。」
《「刑事も悪い、検事もひどい。でも今振り返って、誰を一番恨むか
と聞かれたら、やっぱり裁判官だな。裁判官だけは分かってくれる
と信じていたからね」/裁判官の非常識について語り出すと布川事件は
とめどがない。…「一審の裁判長が法廷で俺に言ったんですよ。
『どうしてそんな大事な日のことを忘れるんですか』って。
…『どうして大事な日なんですか。俺にとったら普通の日ですよ』と。
そうでしょ。犯人にとったら忘れられない日でも、
俺には普通の日ですよ」/語るに落ちた裁判官」》
『●『冤罪File(No.10)』読了』
『●冤罪デモ』
『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない』
『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》』
『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
…検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定』
『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん』
『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》』
『●飯塚冤罪事件で死刑執行されてしまった久間三千年さん…福岡地検に、
《裁判所が検察に対し、証拠品のリストを開示するよう勧告》した!』
『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》』
《布川事件冤罪被害者・桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官が
なぜわからないのか。日本の警察はこれまでも証拠を捏造して
きました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されて
きたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも
懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、
ゴビンダさんの事件(東電事件)、東住吉事件。だれもその責任を
追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を
法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず
果たせると確信しています。必ず勝ちます。
一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす。
殺したのは誰か、検察庁です」》
―――――― (里見繁氏) 布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
(2023年06月07日[水])
大崎事件、(第4次再審請求の即時抗告審)再審開始認めず。福岡高裁宮崎支部・矢数昌雄裁判長殿、一体どうなってんのかね、裁判所は? ――― 原口アヤ子さん、一貫して「あたいはやっちょらん」。《「無辜(むこ)の人の救済」を目的とする再審の理念》はどこに? (西日本新聞)《医学の専門家でない裁判所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断と言える》。
原口アヤ子さんの懸命の叫びは裁判官には届かない…。(2022年07月)《これまでに地裁、高裁で計3度再審開始が認められたが、いずれも検察側の不服申し立てを受け、2019年には最高裁が、鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部の開始決定を取り消していた》、かつて、最「低」裁もちゃぶ台返ししている。
『●《周防正行さんが「あたいはやっちょらん。大崎事件第4次再審請求
・糾せ日本の司法」と銘打ち、インターネット上に立ち上げた…CF》』
『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?』
『●原口アヤ子さん・大崎冤罪事件…《被害者は自転車事故による出血性
ショックで死亡した可能性があり「殺人なき死体遺棄事件」だった》?』
『●大崎事件、再審開始を認めず ――― 終始一貫して「あたいはやっちょ
らん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びはなぜ裁判官には届かないのか?』
『●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょ
らんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」』
西日本新聞の一連の記事。
【【速報】鹿児島の「大崎事件」再審開始を認めず 高裁宮崎支部】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1095049/)によると、《鹿児島県大崎町で1979年に男性=当時(42)=の遺体が見つかった「大崎事件」で、一貫して無実を主張しながら殺人と死体遺棄の罪で懲役10年が確定し、服役した原口アヤ子さん(95)が裁判のやり直しを訴えた第4次再審請求の即時抗告審について、福岡高裁宮崎支部(矢数昌雄裁判長)は5日、再審開始を認めない決定をした。事故死だとする弁護側主張が認められるかどうかが争点だった》、《原口さんの再審請求は、地裁と高裁で計3度、認められたが、いずれも検察が抗告。上級審が再審開始を取り消す異例の経過をたどっていた》。
【【社説】大崎事件「棄却」 再審は誰のための制度か】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1095634/)にると、《刑事裁判をやり直す再審制度はいったい誰のためにあるのか。改めて根本的な疑問を抱かざるを得ない。殺人罪などが確定、服役した原口アヤ子さん(95)が無実を訴え続ける鹿児島県の「大崎事件」の第4次再審請求即時抗告審である。福岡高裁宮崎支部は、被害者とされる男性は事故死だったとする弁護側の主張を退けた鹿児島地裁決定について「判断に誤りはない」として、訴えを棄却した》。
『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》』
『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》』
『●冷酷な司法…【NNNドキュメント’18/
あたいはやっちょらん 大崎事件 再審制度は誰のもの?】』
『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん』
『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》』
《殺害容疑をかけられて12年間服役した元看護助手・西山美香さんは
今年3月、再審無罪が確定した。…西山さんの弁護団長を務めた
井戸謙一弁護士は…「冤罪で絶望している人に道を開いた裁判だ
と思います」…判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の
改善の必要性を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」
と話している》。
《無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い。
再審関係の条文は古いままで、手続きも事実上、裁判官のさじ加減次第
である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ》
『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》』
《「疑わしきは被告の利益に」という原則を再審請求の審理にも適用
した妥当な判断だ。元受刑者は他界しており、名誉回復への道は
遠かった。審理の長期化を改め、情報開示の制度化など、えん罪を
防ぐための仕組みづくりを急ぐべきだ》
『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも
例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』
《袴田事件は、代用監獄、長期勾留、死刑制度、再審制度など日本の
刑事司法が抱える重大な問題の全てを孕んだ事件だが、
マスメディアの報道のあり方についても大きな課題を突きつけている。
今なお続く犯人視報道、人権侵害報道――この事件で、袴田さんと
同じく、人生を大きく狂わされた熊本さんが私たちに遺した大きな宿題だ》
『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ』
【「再審の在り方に逆行」 大崎事件の高裁決定、元裁判官らが批判】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1095326/)によると、《大崎事件の第4次再審請求を認めなかった5日の福岡高裁宮崎支部決定に対し、識者や元裁判官からは「確定判決は正しいとの直感に基づき、証拠から事実を認定していない。決定内容は(請求を棄却した)鹿児島地裁決定の焼き直し」との批判が相次いだ。「無辜(むこ)の人の救済」を目的とする再審の理念に立ち返るべきだとの声も聞かれた》。
【【解説】医学的証拠を軽視した判断 大崎事件再審不開始】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1095330/)によると、《【解説】今決定は、弁護側の新証拠を否定し、原口アヤ子さん(95)と親族が殺人、死体遺棄の犯人だとする確定判決が正しいと結論付けた。医学の専門家でない裁判所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断と言える》、《▶疑義ある自白、また吟味されず 弁護側は「被害者は事故死だった」と主張。根拠は埼玉医科大教授で高度救命救急センター長の澤野誠医師による「医学鑑定」だ》。
【鹿児島「大崎事件」4次請求、高裁も再審認めず 弁護側の「事故死」主張退ける宮崎支部決定】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1095332/)によると、《鹿児島県大崎町で1979年に男性の遺体が見つかった「大崎事件」で、一貫して無実を主張しながら殺人と死体遺棄の罪が確定し、服役した原口アヤ子さん(95)が裁判のやり直しを求めた第4次再審請求で、福岡高裁宮崎支部(矢数昌雄裁判長)は5日、再審開始を認めない決定をした。「男性は事故死だった」と主張する弁護側が根拠とした医学鑑定について「決定的な証拠とはいえない」として請求を棄却した昨年6月の鹿児島地裁決定を追認した》。
【親族の自白の信用性のなさ「分厚く書くべきだった」 大崎事件第3次請求で再審認めた元裁判長の後悔】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1095633/)によると、《鹿児島県大崎町で1979年に男性の遺体が見つかった「大崎事件」の第4次再審請求で、福岡高裁宮崎支部(矢数昌雄裁判長)は5日、殺人罪などで服役後も無実を訴える原口アヤ子さん(95)の裁判のやり直しを認めなかった。同支部の裁判長として第3次請求を審理し、2018年3月に再審を認めた根本渉弁護士(66)…》。
袴田事件…事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ。
最後に、【再審法改正「超党派で」 日弁連の集会、国会議員ら出席】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1095651/)によると、《日本弁護士連合会は6日、再審法(刑事訴訟法の再審規定)の整備を求める集会を国会内で開いた。法曹関係者に加え、与野党の議員が約60人(代理も含む)出席。証拠開示の制度化や、再審請求審での検察の不服申し立て(抗告)禁止を法制化する必要があるとの認識で一致した。再審を規定する刑事訴訟法の条文はわずか…》。
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【https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1095049/】
【速報】鹿児島の「大崎事件」再審開始を認めず 高裁宮崎支部
2023/6/5 11:07 (2023/6/5 12:29 更新)
#大崎事件 #イチから学ぶ 大崎事件 #事件事故裁判
山口新太郎
(再審開始の可否決定を控え、福岡高裁宮崎支部前で
のぼりなどを掲げる大崎事件の支援者たち=
5日午前9時51分、宮崎市(撮影・星野楽))
(再審開始が認められず、支援者に受け止めを話す
鴨志田祐美弁護士=5日午前11時5分、宮崎市の
福岡高裁宮崎支部(撮影・星野楽))
(再審開始が認められず、「不当決定」と書かれた旗を
掲げる関係者(中央)=5日午前11時2分、宮崎市の
福岡高裁宮崎支部(撮影・星野楽))
(福岡高裁宮崎支部に入る大崎事件の弁護団=
5日午前10時44分、宮崎市(撮影・星野楽))
鹿児島県大崎町で1979年に男性=当時(42)=の遺体が見つかった「大崎事件」で、一貫して無実を主張しながら殺人と死体遺棄の罪で懲役10年が確定し、服役した原口アヤ子さん(95)が裁判のやり直しを訴えた第4次再審請求の即時抗告審について、福岡高裁宮崎支部(矢数昌雄裁判長)は5日、再審開始を認めない決定をした。事故死だとする弁護側主張が認められるかどうかが争点だった。
▶【解説】司法の判断に疑問、有罪の疑わしさは明白
原口さんの再審請求は、地裁と高裁で計3度、認められたが、いずれも検察が抗告。上級審が再審開始を取り消す異例の経過をたどっていた。
原口さんを有罪とした確定判決によると、被害者の男性(原口さんの義弟)は79年10月12日、酒に酔って側溝に転落し、路上に倒れていた。軽トラックで迎えに来た隣人2人が荷台に乗せ、男性の自宅に連れ帰った。原口さんは男性を日頃から良く思っておらず、泥酔して土間に座り込む姿を見て殺害を決意。夫と別の義弟に持ちかけて絞殺し、おいも加わって遺体を牛小屋の堆肥に埋めた-とされた。
弁護側は「男性は殺害されたのではなく、側溝転落による事故死だった」と主張。第4次請求では新証拠として、救急救命医の医学鑑定などを提出した。医学鑑定は、男性が側溝転落で頸(けい)随(ずい)(首の神経)を損傷し、運動まひを負ったと推定。隣人2人の不適切な搬送もあって状態が悪化し、「自宅に運ばれた時点で呼吸停止して死亡していた」と結論づけていた。
昨年6月の鹿児島地裁決定は、医学鑑定が指摘した状況が起きた可能性は「否定できないが高くない」として再審を認めず、弁護側が即時抗告した。
高裁支部の審理でも、弁護側は医学鑑定を新証拠の柱に位置付けた。検察側は、医学鑑定を「基礎になった情報は限定的で、証明力に限界がある」と主張した。(山口新太郎)
イチから学ぶ 大崎事件
解決したはずの殺人事件が「そもそも、実は殺人事件ではなかった」―。そんな可能性が指摘されている「大崎事件」をできるだけ分かりやすく説明します。
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【https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1095634/】
【社説】大崎事件「棄却」 再審は誰のための制度か
2023/6/7 6:00
#総合面 #事件事故裁判 #大崎事件
刑事裁判をやり直す再審制度はいったい誰のためにあるのか。改めて根本的な疑問を抱かざるを得ない。
【関連】鹿児島「大崎事件」4次請求、高裁も再審認めず 弁護側の「事故死」主張退ける
殺人罪などが確定、服役した原口アヤ子さん(95)が無実を訴え続ける鹿児島県の「大崎事件」の第4次再審請求即時抗告審である。
福岡高裁宮崎支部は、被害者とされる男性は事故死だったとする弁護側の主張を退けた鹿児島地裁決定について「判断に誤りはない」として、訴えを棄却した。
この事件は物証に乏しい。関係者の供述が有罪立証の柱で、確定判決は状況証拠の積み重ねから導かれた。
まず指摘したい。今回の決定は「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則にかなっているだろうか。
最大の争点は、弁護側が提出した救急医による医学鑑定の評価だった。再審開始の要件となる新証拠だ。
決定は、新証拠により、確定判決で示された解剖医の旧鑑定は証明力が減殺されたとは認めながら、殺人などの事実認定は「客観的状況や共犯の自白」により維持される、と結論付けた。
刑事裁判は起訴内容に合理的な疑いの余地があれば有罪とはならない。決定に対し弁護団は「(私たちに)無罪の立証を要求しているようだ」と批判した。確かに、決定の証拠評価には疑問が残る。
原口さんは逮捕時から一貫して無実を主張している。過去に3回の再審開始決定を受け、いずれも覆った。2019年には、鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部の開始決定を最高裁が取り消した。このときも第三者の鑑定より供述に重きを置く論理構成だった。
この最高裁の判断が、大崎事件再審請求を担当する裁判官に影響を与えていないか。再審は認めずとの結論ありきの審理なら許されない。
弁護団は「甚だしい人権侵害」として最高裁に特別抗告する。最高裁には丁寧で説得力のある審理を求めたい。
今回の決定を受け、再確認しなければならないのは刑事訴訟法435条である。再審請求は確定判決を受けた者の利益のためにあると定める。誤判により冤罪(えんざい)が生じる現実を否定できないからだ。
ただ再審のルールは十分に明文化されてはいない。これまで私たちは社説で、再審開始の決定が出たら速やかに舞台を再審の法廷に移すルール作りを提案してきた。
非公開の再審請求審ではなく、公開の再審法廷で検察、弁護双方が主張を戦わせ、有罪かどうかはその場で裁判所が判断すればよい。確定判決の安定性も大事だが、現状は損なうものが大き過ぎる。
今年に入り、高裁レベルで再審開始の判断が相次いだ。静岡県で1966年に起きた袴田事件や滋賀県日野町で84年に発生した強盗殺人事件である。専門家の間でも再審法整備を求める声が高まっていることも背景にあろう。これを大きなうねりにしたい。
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(2023年06月05日[月])
冤罪死刑・飯塚事件(飯塚冤罪事件) … 検察が《証拠品のリストの開示》を拒否!?
『●飯塚冤罪事件で死刑執行されてしまった久間三千年さん…福岡地検に、
《裁判所が検察に対し、証拠品のリストを開示するよう勧告》した!』
なぜに堂々と《開示》しないのかね? リストを公開したからといって、一体全体何の問題があんの? 公開しない方が要らぬ疑いを持たれることになるでしょうに。(清水潔さん)《裁判所にも見せられない危ない証拠がゴロゴロしているということなのだろう》。
『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
司法の良心を示せるか?』
『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?』
《根底には再審法(刑事訴訟法)の不備がある。冤罪(えんざい)から
無実の人を早期救済するため(1)証拠開示の制度化
(2)審理を長引かせる検察官抗告の禁止-などの法整備を
日本弁護士連合会や市民グループが求めている。加えて、
同一事件の審理を同じ裁判官が繰り返し担うことを、
再審請求審でも禁じると規定するべきではないか。》
『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》』
《西山さんは担当刑事に「いろいろ言いたいこともある」と言う。
だが、過去を恨むのではなく「冤罪で苦しむ人を救済できる、
再審法の改正が進んでほしい」と冤罪支援を必要とする人には話を
しにいったりしている》
『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》』
『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ』
《「事案の解明に意味はない」》というのは、どういう開示拒否の理由なのか?
FBSのニュース映像【女児2人殺害『飯塚事件』の再審請求 弁護側の証人が法廷で語る】(https://www.youtube.com/watch?v=v3Z7t2-wrtQ)によると、《弁護団は、検察が都合の悪い捜査資料を隠しているとして、事件に関わる証拠を開示するよう求めていました。裁判所は3月、検察に証拠品のリストの開示を勧告していましたが、検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否したということです》。
清水潔さんのつぶやき:
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【https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1664141522852532225】
清水 潔@NOSUKE0607
冤罪死刑の可能性が争われている福岡の「飯塚事件」。
今年3月に裁判所が、検察に対して「証拠品のリストを開示するように」勧告したのだが、なんと検察はこれを拒否。裁判所にも見せられない危ない証拠がゴロゴロしているということなのだろう。これはもうアウトだろう。
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nhk.or.jp
「飯塚事件」の再審請求で新たな目撃証言の男性への証人尋問|NHK 福岡のニュース
【NHK】31年前、飯塚市で小学生の女の子2人が殺害されたいわゆる「飯塚事件」で、すでに死刑が執行された元死刑囚の家族が裁判のやり直しを求める2度目…
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午後2:27 · 2023年6月1日
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【https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1664143130239852545】
清水 潔@NOSUKE0607
これまで多くの冤罪事件で、検察・警察が隠していた証拠が開示されたことで無罪が証明された。だから捜査当局はどんな証拠があるのか、そのリストを見せたくない。しかし公務員が税金を使って集めた証拠が、有罪判定だけに使われてはならない。民主主義社会なら当然のことだ。
午後2:33 · 2023年6月1日
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【https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1664143967074799616】
清水 潔@NOSUKE0607
飯塚事件の捜査は決して揺るがない…、などといいながら、疑惑が浮上しても原判決裁判に出された証拠しかみせない。国民一人を死刑にしておいて、隠すものなどあってはならない。飯塚事件の疑惑がいよいよ深まったといえる重大な局面であろう。
午後2:36 · 2023年6月1日
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布川事件や氷見事件、東電OL殺害事件、志布志事件、村木厚子氏冤罪事件、足利事件…も確かにとんでもないのだけれど、飯塚事件は極めつきなのだ。冤罪者を死刑にしてしまったというとんでもない事件。国家による殺人。時の法相は、麻生太郎内閣の森英介氏。警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?
飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会の木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者・桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか。日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件(東電事件)、東住吉事件。だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす。殺したのは誰か、検察庁です」》。
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【https://www.youtube.com/watch?v=v3Z7t2-wrtQ】
女児2人殺害『飯塚事件』の再審請求 弁護側の証人が法廷で語る
FBS福岡放送ニュース
2023/05/31
31年前に福岡県飯塚市で小学生の女の子2人が殺害された『飯塚事件』についてです。死刑になった男性の家族が、裁判のやり直しを求めている再審請求の証人尋問が、福岡地方裁判所で31日に行われました。
再審=裁判のやり直しを申し立てているのは、久間三千年元死刑囚の家族です。久間氏は31年前、福岡県飯塚市で女児2人を殺害したとして、死刑が執行されました。
弁護団はおととし、久間氏は無実だとして、2度目の裁判のやりなおしを申し立てました。この時に弁護団は、ある男性の証言を無実を主張する新たな証拠として提出しました。福岡地方裁判所では31日、この男性の証人尋問が行われました。
男性は「事件当日に女児2人を乗せた白い軽ワゴン車を男が運転しているのを見た。男の特徴は久間氏とは違った」と証言しています。
弁護団によりますと31日の尋問で男性は、女の子の寂しそうな顔が「脳裏に焼きついていて、記憶違いはない」と話しました。また、当時訪ねてきた警察官が男性に対し「普通車ではないか? 紺色のワゴン車ではなかったか」などと聞いてきたと、新たに明らかにしました。紺色のワゴン車は当時、久間氏が所有していた車で、弁護団は警察が「久間氏が犯人だとの見立てのもと、証言を得ようとしたのでは」と説明しています。
弁護団は、検察が都合の悪い捜査資料を隠しているとして、事件に関わる証拠を開示するよう求めていました。裁判所は3月、検察に証拠品のリストの開示を勧告していましたが、検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否したということです。
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『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!』
『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行』
「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日に
DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
大変に大きな疑問である」
『●NNNドキュメント’13:
『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』』
『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か?
廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン』
『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か?
廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン』
『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」』
「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》
『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行』
「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず
福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」
『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)』
『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》』
『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
…検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定』
『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん』
『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》』
『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》』
『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?』
『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!』
『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》』
『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ
「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)』
[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]
(2023年05月21日[日])
死刑制度反対、裁判員制度反対。
大杉はるか記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/日弁連が「終身刑」創設を提言 今なぜ必要なのか?】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/251295?rct=tokuhou)によると、《◆デスクメモ 過去の任地で「裁判員裁判で初の死刑判決」になるかもしれないと目された裁判を担当した。判決日は傍聴席へ。緊張で体がこわばり、背中が汗ばんだ。裁く側に一般市民。その立場で誰かに死を求めるのか。あまりに重い判断。無期刑が言い渡された瞬間、力が抜けたのを覚えている。(榊)》
『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ』
『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる』
『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん』
袴田冤罪事件、「無罪」判決の次は、《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》の問題へ。検察や警察、《捜査機関による証拠捏造》に対する責任ある対応が求められる。裁判官やメディアの責任も免れない。
そして、飯塚事件。既に死刑執行してしまった…。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会の木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者・桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか。日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件(東電事件)、東住吉事件。だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす。殺したのは誰か、検察庁です」》。
『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?』
《根底には再審法(刑事訴訟法)の不備がある。冤罪(えんざい)から
無実の人を早期救済するため(1)証拠開示の制度化
(2)審理を長引かせる検察官抗告の禁止-などの法整備を
日本弁護士連合会や市民グループが求めている。加えて、
同一事件の審理を同じ裁判官が繰り返し担うことを、
再審請求審でも禁じると規定するべきではないか。》
『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》』
《西山さんは担当刑事に「いろいろ言いたいこともある」と言う。
だが、過去を恨むのではなく「冤罪で苦しむ人を救済できる、
再審法の改正が進んでほしい」と冤罪支援を必要とする人には話を
しにいったりしている》
何度も引用しているが、何度でも。(斎藤貴男さん)《当時、「週刊文春」の記者だった私は、彼を殺人犯に仕立てた連中に、「今のお気持ちは」と尋ねて回る取材を仰せつかったのだが、凄まじい成果を得てしまった。「犯人は梅田だと上が言うから逮捕したまで。証拠なんかねえよ」と、元刑事は笑ったし、元裁判官は、「判決とは国家の意思なんだ。真犯人なんか誰でもいい。裁判所が死刑だと言えば吊るせばいい。無期だと言ったらつなげばいいんだ」と、力説してくれたものである》…。凄まじい。
『●《権力の横暴とそれに従属するマスコミの報道姿勢への問題意識を燃料に
書いてきた──。脚本家がそう明言するドラマが、地上波で放送…》』
『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ「エルピス」
で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)』
(斎藤貴男さん)《葉梨康弘氏は…③死刑執行は冗談のネタ……だと捉えている》。良い付け事件で《死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)》…何を考え《ハンを押した》のだろう。《当たり前だ。ざっと列挙するだけでも葉梨氏は、①法相なんてチョロいポスト、②大臣の立場は金儲けに使えるはず、③死刑執行は冗談のネタ……だと捉えている。そんな人間に、法秩序の維持や国民の権利擁護の重責を担わせておけるはずがない。さらにまた、東大法学部出の彼は、世襲政治家の娘婿になって政界入りする以前、警察庁のキャリア官僚だった。前述のような発想ないし確信は、つまり警察官としての職務と日常において培われたものではなかったか。》、《「梅田事件」を思い出す》。
『●ズブズブ壺壺ヅボヅボでない自民党議員にとっては大チャンスなのに?
……まあ、やる気のある、自民党にそんな議員が居ればの話ですがね』
以前引用した室井佑月さんのコラム、最後の部分が重要。《話は変わって、2009年から裁判員制度がはじまった。当時から私は、市井の人に死刑を決めさせるのは荷が重すぎると大反対だった。いや、主語を大きくしてはいけない。あたしには無理だ。今回のことでそれを再認識した。もし裁判員として選ばれたら、堂々と拒否してこういおう。「できません。冤罪もあることですし、あたしは死刑制度に反対です。人の命を、自民党の人たちみたいに軽く考えられないので」》。
《人の命を、自民党の人たちみたいに軽く考えられないので》。裁判員制度反対…「できません。冤罪もあることですし、あたしは死刑制度に反対です。人の命を、自民党の人たちみたいに軽く考えられないので」(室井佑月さん)。ブログ主も、「できません」「あたしは死刑制度に反対です」。『死刑のスイッチ』を押すのは、押させられるのは、まっぴら御免だ。
『●死刑存置を目指して、市民の意識のハードルを下げさせる制度』
「裁判員制度に乗せられて、「死刑のスイッチ」を押させられるなんて、
真っ平御免だ。ましてや、それが冤罪であったりすれば、二重三重の
意味でトラウマ必至だ。死刑存置をもくろむ国や官僚、政治家が、
死刑に対する市民の意識のハードルを下げさせるための制度が
裁判員制度であると思う。その片棒を担がされるなんて耐えられない。
敢えて重大犯罪の裁判にシロウト裁判員を参加させるところがその証左」
『●『つぶせ! 裁判員制度』読了』
『●『官僚とメディア』読了(3/3)』
『●『裁判員制度の正体』読了』
『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~』
『●死刑という制度: 「吊るせ、吊るせ」の合唱で何か状況は変わるのか?』
『●「裁判員制度」の下での「死刑制度」存置支持』
『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない』
『●裁判員制度下で少年死刑判決』
『●裁判員の心を慮る・・・』
『●そのスイッチを押せない』
『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(1/2)』
『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(2/2)』
『●裁判員制度: 被告にとっても憲法違反』
『●裁判員制度を即刻中止に』
『●「死刑のスイッチ」を押すこと: 裁判員のストレス障害』
『●裁判員制度という不始末に最高裁はどのような落し前を?』
『●「死刑のスイッチ」を強制する裁判員制度:
「やった人でないと、この苦しみは分からない」』
『●裁判員制度反対…「冤罪もあることですし、あたしは死刑制度に反対
です。人の命を、自民党の人たちみたいに軽く考えられないので」』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/251295?rct=tokuhou】
こちら特報部
日弁連が「終身刑」創設を提言 今なぜ必要なのか?
2023年5月21日 12時00分
死刑の代替刑として終身刑を創設するよう、日弁連が提言している。具体像まで示しており、先月には超党派議連で話題に上がった。かつて国会でも終身刑は議論されたが、実現せずにきた。今なぜ終身刑が必要なのか。実現の課題は何か。(大杉はるか)
◆死刑は廃止すべきか 世論も考慮
超党派議連「日本の死刑制度の今後を考える議員の会」が先月開いた会合。日弁連が昨年11月に提言した終身刑創設について、取りまとめに携わった当時の日弁連副会長、伊井和彦弁護士らが説明した。
(「日本の死刑制度の今後を考える議員の会」が開いた
会合=東京都千代田区の衆院第二議員会館で)
提言では、殺人や強盗殺人罪といった現行の死刑適用罪の全てを対象とし、死刑を終身刑に置き換える。その上で、刑確定から15年か20年経過後に、地裁に「特別減刑」を申し立てられるようにする。地裁の裁判官は受刑状況や本人の心情、事件に関する世論などを踏まえ、減刑について判断。減刑が確定すれば、10年経過後から仮釈放の適用もある無期刑になる。終身刑とはいえ、通算25年か30年経過後に外に出られる道を残した。
日弁連は2002年から複数回、死刑制度の廃止に向けて提言しており、16年には終身刑制度の検討を提言。今回の提言で初めて特別減刑制度の導入を明確に訴え、具体像を示した。
なぜ終身刑創設なのか。
「あえて、死刑に代わる終身刑を提案しているのは世論の関係がある」
先の会合で伊井弁護士はそう切り出した。
19年の内閣府世論調査では「死刑もやむを得ない」との回答が約80%に上った。死刑存置が圧倒的に見えるが、うち「状況が変われば、将来的に廃止してよい」は約40%。「終身刑が導入されれば死刑を廃止する方がよい」は約35%あり、提言の意義を見いだした。
◆「冤罪で極刑」を回避
伊井氏は「こちら特報部」の取材に「死刑に代わる具体的な制度を示して議論していくことが重要だと考えた。重い罪を設ける一方で、冤罪(えんざい)で死刑になることは回避できる」と語った。
日弁連内も死刑の存廃で割れ、廃止に賛成でも終身刑は反対、提言行為自体に反対など、幅広い意見があったという。半年近い議論の末、ようやく昨年11月の理事会で、提言は全91人の8割の賛同を得た。
(日弁連の提言について説明する伊井和彦弁護士
=東京都新宿区で)
「刑罰は国家権力による人権抑制制度。そのあり方について人権の観点からものを言うのは弁護士会の使命だ」と伊井氏は語る。
もう一点、大きな変化がある。昨年6月に成立し、再来年までに施行される改正刑法だ。強制労働である懲役刑と、一部の罪に適用される労働のない禁錮刑は、拘禁刑に一本化される。拘禁刑での労働の目的は改善更生や社会復帰になり、健康などの問題で労働させることが適当でなければ労働は免除される。
これまでも受刑者の処遇は、改善更生の意欲喚起や社会生活への適応能力育成に重きが置かれてきたが、確定死刑囚となると「心情の安定に留意」としか定められていなかった。
では、死刑の代替刑として終身拘禁刑が設けられた場合、処遇はどうなるか。
「改善更生を目的にしないといけない」と伊井氏は話し、こう続ける。
「終身拘禁刑は30年経過後に仮釈放の可能性があり、将来の社会復帰を可能とする処遇にすべきだ。仮に社会復帰ができなくても凶悪な考えだった人が改善される形の処遇が必要だ」
◆無期刑は「事実上の終身刑」か
終身刑を設ける上で看過できない問題がある。
伊井氏は「前提として、無期刑を本来の趣旨に戻すべきだ」と主張する。
無期懲役は刑法上、受刑者に「改悛(かいしゅん)の状」があるときは、10年経過後から仮釈放を認めている。制定時に「在監期間を長くすると囚人を自暴自棄に陥らせる弊害がある」(法務省)と考えられたからだ。
だが無期刑は「事実上の終身刑」と指摘されてきた。2000年末の無期受刑者は1047人(全受刑者の2%)だったが、21年末には1725人(同4.4%)と大幅増加。新規で仮釈放された無期受刑者の平均在所期間も、00年の21年2カ月から、21年には32年10カ月に延びている。40年前の1981年の15年7カ月と比べると、倍の長さだ。
社会の高齢化に伴い、受刑者も高齢化しており、刑の長期化はその一因になるとも考えられる。
18年1月に八王子医療刑務所から移転開設された「東日本成人矯正医療センター」は、身体や精神疾患のある受刑者向けの医療専門施設。昨年の入所人員は307人で、健康な受刑者も補助作業をしている。
被収容者の平均年齢は身体疾患が62歳、精神疾患が51歳だが、最高齢は男性93歳、女性82歳という。
元裁判官の森炎弁護士は「仮釈放の総数は微増しているが、服役期間は長期化し、受刑中の死亡者も増加傾向にある」と指摘する。
仮釈放制度については、日弁連が10年、服役期間が15年に達するまでに初回の仮釈放の審理を開始、受刑者本人の審理参加などを求める意見書を提出。だが見直しは進んでいない。
◆終身刑の導入国では適用増加
その一方、終身刑の創設に伴い、適用例が多くならないかという懸念もある。
NGO「ペナル・リフォーム・インターナショナル」などの政策提言によると、世界216カ国中、183の国・地域で法律上の終身刑が設けられ、うち149カ国で終身刑を最高刑(極刑)としている。世界の終身刑受刑者は00年の26万1000人から14年の47万9000人に84%アップした。背景には、世界的な死刑の減少に加え、薬物犯罪などへの厳罰化、死刑適用罪より軽い犯罪にも適用されていることが考えられるという。
NPO監獄人権センター代表の海渡雄一弁護士は「終身刑と有期刑の間に、無期刑がある制度となれば、世界的にも極めて例外」と指摘する。「無期刑の言い渡しを受けている人が終身刑に移行しないかが心配だ」として、「終身刑には死刑適用基準をそのまま横滑りさせるべきだ」と話す。
そして最大の課題は、死刑の廃止だろう。
国会では08年、議連「量刑制度を考える超党派の会」(解散)が終身刑創設の法案化を進めたことがある。この時は死刑廃止を、前提とはしなかった。
現在活動するのが、冒頭の「日本の死刑制度の今後を考える議員の会」。平沢勝栄会長は「まずは死刑の実態を見て聞いてから存廃の議論をするべきで、とても判断できる段階ではない」と語るにとどまる。
前出の伊井氏はくぎを刺す。「先進国で死刑を廃止していないのは日本と米国だけ。米国は連邦レベルで執行を停止している。日本は国会でも死刑という刑罰制度を認めていいのか考えてもらわないといけない。死刑廃止がすぐにできないなら、まずは死刑執行停止法が必要だ」
龍谷大の福島至名誉教授(刑事法)も「死刑はなるべくやめて終身刑にしようという点を曖昧にするのは危うい。少なくとも廃止の方向性を示す必要がある」と訴えている。
◆デスクメモ
過去の任地で「裁判員裁判で初の死刑判決」になるかもしれないと目された裁判を担当した。判決日は傍聴席へ。緊張で体がこわばり、背中が汗ばんだ。裁く側に一般市民。その立場で誰かに死を求めるのか。あまりに重い判断。無期刑が言い渡された瞬間、力が抜けたのを覚えている。 (榊)
【関連記事】被告人や受刑者による「獄中者組合」ってどんな組織?なぜ活動は終了したのか?
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[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]
(2023年04月30日[日])
(東京新聞社説)《少なくとも証拠開示制度を改めるべきであるし、再審開始の決定に対する検察官の不服申し立ては禁止すべきである。国会も再審法の全面改正に取り組むべきであることは、袴田さんの冤罪事件が雄弁に物語っている》。
そして、飯塚事件。既に死刑執行してしまった…。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会の木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者・桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか。日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件(東電事件)、東住吉事件。だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす。殺したのは誰か、検察庁です」》。
『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?』
《根底には再審法(刑事訴訟法)の不備がある。冤罪(えんざい)から
無実の人を早期救済するため(1)証拠開示の制度化
(2)審理を長引かせる検察官抗告の禁止-などの法整備を
日本弁護士連合会や市民グループが求めている。加えて、
同一事件の審理を同じ裁判官が繰り返し担うことを、
再審請求審でも禁じると規定するべきではないか。》
『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》』
《西山さんは担当刑事に「いろいろ言いたいこともある」と言う。
だが、過去を恨むのではなく「冤罪で苦しむ人を救済できる、
再審法の改正が進んでほしい」と冤罪支援を必要とする人には話を
しにいったりしている》
袴田冤罪事件、「無罪」判決の次は、《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》の問題へ。検察や警察、《捜査機関による証拠捏造》に対する責任ある対応が求められる。裁判官やメディアの責任も免れない。さらには、《刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されている》問題の解決だ。
東京新聞の【<社説>再審法の整備 議員の良心で欠陥正せ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/245600?rct=editorial)/《一九六六年の静岡一家四人殺害事件の犯人とされた袴田巌さんの再審開始決定までをたどると「再審法」の不備が明らかだ。国会議員が率先し、制度見直しの特例法など法整備を進めるべきだ。東京高裁が「血痕の変色」という明確な争点で、弁護側の主張に軍配を上げ、「再審開始」を決めたのは三月のことだ。捜査機関による証拠捏造(ねつぞう)の可能性にも言及したほどで、検察も特別抗告を断念せざるを得なかった。事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ》。
『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、再審開始決定…せめて
《一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない》』
『●袴田巖さん、袴田秀子さん ――― 《捜査機関による証拠捏造》とまで
言われているのだ、検察側が特別抗告を断念するのも、当然の結果だろう』
『●袴田冤罪事件: 《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査
機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》』
『●<コラム 筆洗>《高裁は捜査機関による証拠捏造の可能性まで踏み
込んでいる…袴田さんをただ犯人にしたいという卑劣なトリックだろう》』
『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃ
にした《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/245600?rct=editorial】
<社説>再審法の整備 議員の良心で欠陥正せ
2023年4月22日 08時18分
一九六六年の静岡一家四人殺害事件の犯人とされた袴田巌さんの再審開始決定までをたどると「再審法」の不備が明らかだ。国会議員が率先し、制度見直しの特例法など法整備を進めるべきだ。
東京高裁が「血痕の変色」という明確な争点で、弁護側の主張に軍配を上げ、「再審開始」を決めたのは三月のことだ。捜査機関による証拠捏造(ねつぞう)の可能性にも言及したほどで、検察も特別抗告を断念せざるを得なかった。
事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ。
例えば証拠開示の問題がある。もともと検察はすべての証拠を裁判所に提出するわけではなく、有罪立証に必要な証拠を出し、死刑の確定判決に導いている。
再審を求めても、再審法にはそもそも証拠開示の手続きが存在しない。裁判所の訴訟指揮だけに頼り、いわば「さじ加減」に委ねられる。法の不備を露呈しているし、無罪方向の証拠を検察が隠しうる現状は明らかにおかしい。
袴田さんの再審請求は一九八一年から始まったが、約六百点もの未開示証拠が明らかになったのは二〇一〇年以降のことだ。争点となった犯行時の着衣のカラー写真も含まれており、それが再審開始決定に結び付いた。
また、裁判所が再審決定をしても、検察が抗告できる仕組みも問題である。実際に静岡地裁が袴田さんの再審決定を出してから、既に九年が経過している。これも検察が抗告したためだ。一刻も早い冤罪(えんざい)救済のためには、検察側の抗告を法律で禁止すべきなのだ。検察側に不服があるならば、再審公判で主張すれば良いと考える。
再審請求審の長期化も問題だ。無実の人がどんどん高年齢化していくのは人道にも反する。
制度改正のためには本来なら法務省が改正案をつくる。だが、一九八〇年代に四件の死刑囚の再審無罪があり、再審法に問題点が多いのを知りつつ放置していたのは法務・検察にほかならない。
それゆえ、あえて国会議員に議員立法による再審特例法など法整備を求めたい。議員の良心を発揮する場面であろう。再審要件を緩和し、一刻も早く無辜(むこ)を救う−。そんな法律の必要性を袴田さんの事件は何より物語っている。
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[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]
(2023年04月05日[水])
袴田冤罪事件、「無罪」判決の次は、《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》の問題へ。検察や警察、《捜査機関による証拠捏造》に対する責任ある対応が求められる。裁判官やメディアの責任も免れない。
『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも
例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』
《袴田事件は、代用監獄、長期勾留、死刑制度、再審制度など日本の
刑事司法が抱える重大な問題の全てを孕んだ事件だが、
マスメディアの報道のあり方についても大きな課題を突きつけている。
今なお続く犯人視報道、人権侵害報道――この事件で、袴田さんと
同じく、人生を大きく狂わされた熊本さんが私たちに遺した大きな宿題だ》
デモクラシータイムスの映像記事【【高瀬毅のずばり!真相】再審の扉 ついに開く ~袴田さん無罪の公算~】(https://www.youtube.com/watch?v=KCeRqGXpIhM)。《57年前の1966年に静岡県で起きた一家4人殺害・放火の「袴田事件」。逮捕され、死刑判決を受けた袴田巌さんが、無罪を求めて闘ってきた裁判でついに再審開始が確定。検察が最高裁に不服申し立てをする「特別抗告」を3月20日に断念したからです。東京高裁での再審開始決定から検察の断念までを映像を中心に伝え、再審の長期化の問題を考えました。
司会:高瀬毅 (ノンフィクション作家)
ゲスト:鴨志田祐美 (弁護士)
2023年3月23日 収録》
【【高瀬毅のずばり!真相】再審の扉 ついに開く ~袴田さん無罪の公算~】
(https://www.youtube.com/watch?v=KCeRqGXpIhM)
『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、再審開始決定…せめて
《一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない》』
『●袴田巖さん、袴田秀子さん ――― 《捜査機関による証拠捏造》とまで
言われているのだ、検察側が特別抗告を断念するのも、当然の結果だろう』
『●袴田冤罪事件: 《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査
機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》』
『●<コラム 筆洗>《高裁は捜査機関による証拠捏造の可能性まで踏み
込んでいる…袴田さんをただ犯人にしたいという卑劣なトリックだろう》』
<コラム 筆洗>《▼高裁は捜査機関による証拠捏造(ねつぞう)の可能性まで踏み込んでいる。震える。事実なら小説の見立て違いどころではなく、袴田さんをただ犯人にしたいという卑劣なトリックだろう》。
検察=《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》。「証拠なんかねえよ」どころか、証拠を捏造。《真犯人なんか誰でもいい》どころか、袴田さんサイドに、袴田さんが「犯人でないのならば、真犯人は誰か?」を求めるデタラメ。司法が、真犯人を逃すという二重、三重の意味での甚大なミスをやった訳。
『●『美談の男』読了』
『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき』
『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示』
『●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難……
袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん』
『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を』
『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
司法の良心を示せるか?』
『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」』
『●映画「ザ・ハリケーン」と袴田事件:「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」』
『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》』
《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけには
いかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に
許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…
検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか
▼事件から五十二年。長すぎる旅である》
『●《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…
政権や検察に忖度した東京高裁、そして、絶望的な最「低」裁』
「NTVの【NNNドキュメント’18/我、生還す -神となった死刑囚・
袴田巖の52年-】…《今年6月、東京高裁が再審開始を取り消した
「袴田事件」。前代未聞の釈放から4年半、袴田巖さんは死刑囚のまま、
姉と二人故郷浜松で暮らす》」
「三権分立からほど遠く、法治国家として公正に法に照らした
「司法判断」ができず、アベ様ら政権に忖度した「政治判断」乱発な、
ニッポン国の最「低」裁に何を期待できようか…。
《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ」
『●冤罪は晴れず…「自白を偏重する捜査の危うさ…
証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」』
『●袴田秀子さん《ボクシングに対する偏見…
チンピラだっていうイメージ…その印象以外に何の証拠もなかった》』
『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》』
「週刊朝日の記事【袴田事件で「捜査機関が証拠を”捏造”」
弁護団が新証拠の補充書を最高裁に提出 】」
《静岡地裁の再審開始決定を取り消した東京高裁決定から、
1年余りが経過した。死刑が確定した元プロボクサーの
袴田巌さん(83)は最高裁に特別抗告中だが、弁護団はこのほど
“新証拠”を提出した》
『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…』
『●(ジョー・オダネルさん)「焼き場に立つ少年」は
《鼻には詰め物…出血しやすい状態…なんらかの形で被爆した可能性》』
『● CD『Free Hakamada』の《ジャケットには、元プロボクサーの
袴田さんが…名誉チャンピオンベルトを持った写真》』
『●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」
と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました』
「袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん」
『●映画『BOX 袴田事件 命とは』で熊本典道さん役…《「法廷では
裁判官自身も裁かれている」。自分で自分を裁こうとした日々…》』
『●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響
…暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》』
『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官
たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』
『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》』
『●袴田冤罪事件…タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が
進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ』
「《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに
無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も
自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を
何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…
袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』」
『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過
ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》』
『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は
掌中の証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ』
『●48年も獄中に囚われていた袴田巌さん…《検察は再収監を諦めて
いません》って、正気なのかね? すぐさま、袴田巌さんに無罪を!』
『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》』