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●再審するかどうかを延々と議論し、三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返した大崎冤罪事件の原口アヤ子さん、《無辜の人の救済》の理念は?

2025年07月08日 00時00分51秒 | Weblog

[↑ ※『再審 法制審に見直し諮問へ/証拠開示・開始判断 課題を議論/袴田さん姉早急に改正を」/ルール不在 裁判官の姿勢次第』(朝日新聞、2025年02月08日)]


(20250617[])
《大崎事件…3回再審を認める決定が出されていますが、検察による抗告で取り消されるというまさに異例の展開》だ。《一審、二審の再審開始決定を最高裁が覆したのは初めてとみられる》(2019年6月25日)。冤罪・大崎事件で終始一貫して無罪を主張、「あたいはやっちょらん」と原口アヤ子さんが〝叫べなくなる〟のを待つ冷酷な司法…《無辜の人の救済》の理念はどこに? 今年の2月、《第4次再審請求について、最高裁は再審を認めない決定》(2025年2月25日)…。原口アヤ子さんは97歳だ…。先日、袴田ひで子さんが訪問、《原口さんは、話すことは難しい状態ですが、ひで子さんに顔を撫でられると口を大きく開けほほ笑みました》(静岡朝日テレビ)。弁護団は、大崎事件第5次再審請求の準備をしている。
 鴨志田祐美さんのつぶやき《大崎事件第4次請求で最高裁は25日付で再審を認めない決定をしました。しかし、全部で23ページの決定のうち、「原決定を破棄自判して再審開始すべき」という宇賀克也裁判官の反対意見が14ページを占めています》。

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」
       /『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「山口正紀さん【裁判長の訴訟指揮も報じるべきだ 大崎事件再審請求】、
     「冤罪は警察・検察だけで作られるものではない。…
     マスメディアにも責任…。だが、だれより責任の重いのが、
     無実の訴えに耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう」」

   『●知らなかった冤罪事件: 鹿児島大崎事件
   『●「飯塚事件」「福岡事件」「大崎事件」
       ……に係わる弁護士たちで『九州再審弁護連絡会』発足

   『●「あたいはやっちょらん」の叫び!…
      「だれより責任の重いのが…でっち上げを追認した裁判官」
    《「やってないものは、やってない」-。殺人罪で服役した原口アヤ子さんは
     一貫して無実を叫んだ。その願いは第三次の再審請求でやっと重い扉を
     開けた。裁判所は早く無実を認めるべきである》。
    「《あたいはやっちょらん》…《だれより責任の重いのが…
     でっち上げを追認した裁判官》、《鹿児島地裁は証拠開示を認めず、
     原口さんの無実の訴えに再審の重い扉を開くことはなかった》。
       年老いた原口アヤ子さん…。無慈悲な司法、長年月に渡る放置
     というか見殺し。司法の「」だ…《原口さんは既に九十歳。三審制でも
     過去二回の再審請求でも救えなかった。司法界の恥と刻まれる》」

   『●39年間「あたいはやっちょらん」、
     一貫して無実を訴えてきた90歳の原口アヤ子さんに早く無罪判決を

    《重い再審の扉が大きく開き、光が差し込んだ。「大崎事件」の
     第3次再審請求即時抗告審。昨年6月の鹿児島地裁決定に続き、
     福岡高裁宮崎支部も再審開始を認めた12日、弁護団や
     支援者たちは喜びに包まれた。逮捕から39年。一貫して無実
     訴えてきた原口アヤ子さんも今は90歳で、残された時間は限られる。
     「命あるうちに無罪判決を」。願いは今度こそ届くのか-》

   『●冷酷な司法…【NNNドキュメント’18/
     あたいはやっちょらん 大崎事件 再審制度は誰のもの?】
   『●大崎事件…再審するかどうかを延々と議論し、

      三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返し
    《会見に同席した元裁判官の木谷明弁護士も「無実の人を救済するために
     裁判所はあるのではないのか大変がっかりしている」と批判した》

   『●《家族への脅迫状…「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろう 
         としているのに許せない。もともと無実なのだから」》
    「大崎事件について、
     《元裁判官の木谷明弁護士…
     「無実の人を救済するために裁判所はあるのではないのか」》と。
     【報道特集】…によると、《”伝説”の元裁判官~冤罪救済に挑む…
     無罪判決を30も出し、全てを確定させた元裁判官。
     退官後、81歳となった今、冤罪救済を目指す弁護士として裁判所に
     挑んでいる。そこで直面した裁判所の現状とは》。
     『イチケイのカラス』…のモデルの一部になっているらしい」

   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
     再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
     一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
     「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
     殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
     「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
     再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益には再審請求にも
     当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
     の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
     ならない》
    「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定
     出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
     のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
     検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
     だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
     でっち上げを追認した裁判官だろう》」

   『●《周防正行さんが「あたいはやっちょらん。大崎事件第4次再審請求・
      糾せ日本の司法」と銘打ち、インターネット上に立ち上げた…CF》
   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
      侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?
   『●原口アヤ子さん・大崎冤罪事件…《被害者は自転車事故による出血性
     ショックで死亡した可能性があり「殺人なき死体遺棄事件」だった》?
   『●大崎事件、再審開始を認めず ――― 終始一貫して「あたいはやっちょ
     らん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びはなぜ裁判官には届かないのか?
   『●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょ
     らんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」
   『●大崎事件《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《医学の専門家でない裁判
      所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断》
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
    「再審法の改正を。いま何かと話題の鹿児島県警。かつて、
     鹿児島県警と言えば、原口アヤ子さんの大崎事件。そして、
     なんと言っても、志布志事件。体質は変わらない。」

   『●工藤隆雄氏《日本の司法には昔から冤罪体質があり…事件の背後には後に
     「冤罪王」「昭和の拷問王」と呼ばれた紅林麻雄という静岡県警の刑事がいた》
    《96歳の原口アヤ子さんが無実を訴え続ける大崎事件の弁護人で、
     日本弁護士連合会の再審法改正実現本部・本部長代行を務める
     鴨志田祐美弁護士は「一刻も早く再審法を改正しなければ悲劇が繰り
     返される」と危機感をにじませ、改正の要点を次のように指摘する》

   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●冤罪・大崎事件…《全部で23ページの決定のうち、「原決定を破棄自判して
     再審開始すべき」という宇賀克也裁判官の反対意見が14ページを占めています》
   『●冤罪・大崎事件…《宇賀克也裁判官…確定判決で有罪の根拠…「証明力はもはや
      無きに等しい」とし、「殺人事件であることの直接証拠は皆無」と断じた》
   『●松橋事件の国賠訴訟、熊本地裁で国に賠償命令…《自白を偏重する捜査の危うさ
         …証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題》を含む冤罪事件

 静岡朝日テレビの記事【再審で無罪が確定した袴田巌さんの姉・ひで子さん 「大崎事件」で無実を訴えて再審を求めている原口アヤ子さんと面会/静岡朝日テレビ】(https://news.yahoo.co.jp/articles/ced84b78d2d69b306111293ed1a89619bca217fb)によると、《再審で無罪が確定した袴田巌さんの姉・ひで子さんが、いわゆる「大崎事件」で無実を訴えて再審=裁判のやり直しを求めている原口アヤ子さんと面会しました。原口アヤ子さんは1979年、鹿児島県大崎町で、義理の弟を殺害した罪で10年間服役しましたが、一貫して無実を訴えていて、再審請求を続けています》。


 鴨志田祐美弁護士のつぶやき:

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https://x.com/kamo629782/status/1934489313666089334

鴨志田祐美@冤罪と再審を語る「鴨志田ちゃんねる」公開中!
@kamo629782

過去に3回、再審開始が認められているのに、検察官の不服申立によって再審無罪への道を阻まれている大崎事件原口アヤ子さん。

46年間冤罪と闘っている98のアヤ子さんを、58年かけて弟の冤罪を晴らした92のひで子さんが励ます姿を、目をそらさずに見て下さい。

………………。

午後2:52  2025年6月16日
―――――――――――――――――――――――――――――


 《96歳の原口アヤ子さんが無実を訴え続ける大崎事件の弁護人で、日本弁護士連合会の再審法改正実現本部・本部長代行を務める鴨志田祐美弁護士は「一刻も早く再審法を改正しなければ悲劇が繰り返される」と危機感をにじませ、改正の要点を次のように指摘する。「一つは証拠開示の問題です。大崎事件の第2次再審では高裁の裁判長の積極的な訴訟指揮で、それまで検察官がない、ないと言い続けてきた証拠が213点出てきました。さらに第3次再審になると新たに18点出た。なぜ、こんなことが起きるのか。証拠開示を定めたルールがないからです。大崎事件だけでなく、布川事件東電女性社員事件松橋事件などは、再審を求める中で重要な証拠が開示され、再審開始決定の決め手になった。規定がないために、検察は隠し通そうとし、開示が個々の裁判官の“やる気”に左右されるのです」》(秦融氏による、(2023/7/22(土))Yahoo!ニュースの記事)。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/ced84b78d2d69b306111293ed1a89619bca217fb

再審で無罪が確定した袴田巌さんの姉・ひで子さん 「大崎事件」で無実を訴えて再審を求めている原口アヤ子さんと面会
6/15(日) 13:08配信
静岡朝日テレビ

 再審で無罪が確定した袴田巌さんの姉・ひで子さんが、いわゆる「大崎事件」で無実を訴えて再審=裁判のやり直しを求めている原口アヤ子さんと面会しました。

 原口アヤ子さんは1979年、鹿児島県大崎町で、義理の弟を殺害した罪で10年間服役しましたが、一貫して無実を訴えていて、再審請求を続けています。

 15日午前、袴田ひで子さんは鹿児島県志布志市の原口さんが入所する施設に面会に訪れました。袴田ひで子さんが原口さんに会うのは2019年以来でおよそ6年ぶりの再会です。

 原口さんは、話すことは難しい状態ですが、ひで子さんに顔を撫でられると口を大きく開けほほ笑みました。

 この日原口さんは98歳の誕生日を迎え、支援者らもお祝いに駆け付けました。

 大崎事件をめぐってはこれまでに3回再審を認める決定が出されていますが、検察による抗告で取り消されるというまさに異例の展開です。

 

 2024年6月、福岡高等裁判所宮崎支部4度目の再審請求でも、再審を認めない決定を出していて弁護団は5度目の再審請求に向け今後具体的な内容や時期を検討するとしています。
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●松橋事件の国賠訴訟、熊本地裁で国に賠償命令…《自白を偏重する捜査の危うさ…証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題》を含む冤罪事件

2025年04月12日 00時00分33秒 | Weblog

(2025年03月20日[木])
松橋事件再審無罪…これまた、典型的な《自白を偏重する捜査の危うさ証拠開示の在り方検察が常に抗告する姿勢の問題》を含む冤罪事件だった。

 日本弁護士連合会の【松橋事件】(https://www.nichibenren.or.jp/activity/human/retrial/shien/matsubase.html)よると、《この事件で、宮田さんが犯人であることを直接示す証拠は、宮田さんの「自白だけでした。裁判のやり直しのための準備をしていた弁護士は、1997年、まだ開示していない証拠を見せるよう検察官に求めました。そして、弁護士が開示された証拠物を確認したところ、その中に、シャツの布切れが「4枚」ではなく「5枚」あることがわかったのです。しかも、その「5枚」の布切れを並べてみると、なんと、完全な1枚のシャツが復元されたのです。宮田さんが「燃やした自白させられていたシャツの左袖部分も、捜査機関はずっと持っていたのです。さらに、「切出小刀に巻き付けて刺した」とされたそのシャツの左袖部分からは、血液が検出されていなかったこともわかりました。シャツの左袖は、犯行に使われてもいなかったし、その後に燃やされてもいなかったのです》。
 この日本弁護士連合会の重要な結論…《証拠開示の法制化検察官の不服申立ての禁止は、一刻も早く、実現されるべきです》。

 《96歳の原口アヤ子さんが無実を訴え続ける大崎事件の弁護人で、日本弁護士連合会の再審法改正実現本部・本部長代行を務める鴨志田祐美弁護士は「一刻も早く再審法を改正しなければ悲劇が繰り返される」と危機感をにじませ、改正の要点を次のように指摘する。「一つは証拠開示の問題です。大崎事件の第2次再審では高裁の裁判長の積極的な訴訟指揮で、それまで検察官がない、ないと言い続けてきた証拠が213点出てきました。さらに第3次再審になると新たに18点出た。なぜ、こんなことが起きるのか。証拠開示を定めたルールがないからです。大崎事件だけでなく、布川事件東電女性社員事件松橋事件などは、再審を求める中で重要な証拠が開示され、再審開始決定の決め手になった。規定がないために、検察は隠し通そうとし、開示が個々の裁判官の“やる気”に左右されるのです」》(秦融氏による、(2023/7/22(土))Yahoo!ニュースの記事)。

 34年も経ってようやく、松橋事件の再審無罪が確定。その国賠訴訟。「自白を偏重する捜査の危うさ…証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」が指摘されていた。検察や警察のデタラメ、そして役立たずな司法。《責任は極めて重い》。《名誉を回復するには、あまりにも長過ぎる34年間》であり、償いようのない時間だ。熊本地裁で、国に賠償命令が出された。当然だ。
 時事通信の記事【国に2380万円賠償命令 「松橋事件」国賠訴訟―熊本地裁】(https://www.jiji.com/jc/article?k=2025031401100&g=soc)によると、《判決で品川裁判長は、捜査段階で宮田さんが「凶器の小刀に巻き付け、犯行後に燃やした」と供述していた布片が、実際には残っていたことが起訴後明らかになったと指摘。検察官は公判の被告人質問などで布片が残っていることを明らかにする注意義務があったのに怠っており、違法だと判断した。…判決後、記者会見した遺族側弁護団共同代表の斉藤誠弁護士は「えん罪の発生を防ぐ役割を裁判所に期待したが、不十分」と話した》。

 冤罪はいつまでたっても晴れないケースが多い。松橋事件のような稀な例を除けば(といっても、検察は最「低」裁に特別抗告していた訳で、誤りを認めたのではない)、警察や検察、裁判所は決して誤りを認めようとしない。袴田冤罪事件なんてその典型だ。検察=《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ》と。長く長く、気が遠くなるほど長く《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》の状態を強いられた。アノ検事総長は今も誤りを認めていないし、謝罪の言葉さえない。

   『●冤罪は晴れず…「自白を偏重する捜査の危うさ…
       証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」
    (東京新聞社説)【松橋事件再審 早く無罪を告げるため】
    《一九八五年の松橋(まつばせ)事件(熊本県)の再審が決まり、
     殺人犯とされた男性は無罪となろう。決め手の新証拠は何と
     検察側から出てきた再審における証拠開示の明確なルールづくりが
     必要だ。…一つはやはり自白を偏重する捜査の危うさ…もう一つは
     証拠開示の在り方…さらに検察が常に抗告する姿勢の問題だ》

   『●34年間、《もっと早く解決できなかったのかという無念》…
             宮田浩喜さん、松橋冤罪事件の再審無罪が確定
    (琉球新報社説)《名誉を回復するには、
     あまりにも長過ぎる34年間だった一人の人生を踏みにじる
     重大な人権侵害を招いた自白偏重の捜査手法と、それをチェック
     できなかった裁判所の責任は極めて重い

   『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、
                 逆に、証拠の捏造…デタラメな行政
    (東京新聞の社説)【布川事件に賠償 再審でも証拠開示を】
     《近年の再審無罪のケースは、検察側の証拠開示が決め手になって
     いる場合が多い。松橋事件(熊本)、東京電力女性社員殺害事件
     (東京)、東住吉事件(大阪)…。新証拠が確定判決をゆるがせ、
     無罪に導いている。もはや全面的な証拠開示が必要なときだ。
     裁判員裁判の時代でもある。冤罪(えんざい)をこれ以上、
     生んではいけない


   『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性を
       説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》
    《元看護助手・西山美香さん…「…鹿児島・大崎事件(第4次
     再審請求中=懲役10年)の原口アヤ子さんは41年間無実を
     訴えていますし、松橋事件(懲役13年)も無罪確定まで34年
     かかっています。正直、再審開始が決まったときはほっとした
     と同時に、長く闘われている方には申し訳ない気持ちも
     ありましたね。」》

   『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
     支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》
    《(琉球新報)<社説>日野町事件再審決定 証拠開示の制度化急げ 
     …「疑わしきは被告の利益にという原則を再審請求の審理にも適用
     した妥当な判断だ。元受刑者は他界しており、名誉回復への道は
     遠かった審理の長期化を改め、情報開示の制度化など、えん罪を
     防ぐための仕組みづくりを急ぐべきだ。…
     捜査当局が再審請求の段階で新たに開示した証拠に基づく
     再審開始決定が近年相次いでいる。茨城の布川事件や、熊本の
     松橋事件などは新証拠がきっかけとなり、再審無罪につながった。
     日野町事件も再審裁判が始まれば無罪となる可能性がある。さらに
     言えば、確定前の裁判でネガなどの証拠が明らかになっていれば、
     判決内容に影響を与えていたかもしれないのだ検察の責任は重い

   『●工藤隆雄氏《日本の司法には昔から冤罪体質があり…事件の背後には後に
     「冤罪王」「昭和の拷問王」と呼ばれた紅林麻雄という静岡県警の刑事がいた》

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https://www.jiji.com/jc/article?k=2025031401100&g=soc

国に2380万円賠償命令 「松橋事件」国賠訴訟―熊本地裁
時事通信 2025年03月14日18時34分配信

     (松橋事件国賠訴訟の判決後、「一部勝訴」と書かれた
      垂れ幕を掲げる弁護士=14日午後、熊本地裁前)

 熊本県宇城市(旧松橋町)で1985年、男性が刺殺された「松橋事件」で、殺人罪などで服役後、再審無罪が確定した宮田浩喜さん(2020年に死去)の遺族が、捜査などに違法性があったとして国と県に約8480万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、熊本地裁であった。品川英基裁判長は、捜査の違法性は認めなかった一方、公判で検察官に注意義務違反があったとして、国に約2380万円の支払いを命じた。


死刑確定事件、全て控訴断念 検察側、有罪主張も再審無罪

 判決で品川裁判長は、捜査段階で宮田さんが「凶器の小刀に巻き付け、犯行後に燃やした」と供述していた布片が、実際には残っていたことが起訴後明らかになったと指摘。検察官は公判の被告人質問などで布片が残っていることを明らかにする注意義務があったのに怠っており、違法だと判断した。

 一方、県警の取り調べについては、暴力やどう喝などがうかがわれないことなどから「社会通念上相当と認められる方法を逸脱したとは認め難い」とした。

 訴訟は宮田さんが20年9月に起こしていたが、亡くなったため遺族が引き継いでいた。

 判決後、記者会見した遺族側弁護団共同代表の斉藤誠弁護士は「えん罪の発生を防ぐ役割を裁判所に期待したが、不十分」と話した。

 熊本地検の話 判決内容を検討し、関係機関および上級庁と協議した上で適切に対応したい。
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https://www.nichibenren.or.jp/activity/human/retrial/shien/matsubase.html

松橋事件

事案の概要

 1985年(昭和60年)1月8日の朝、熊本県松橋(まつばせ)町(現在の宇城市)で、一人暮らしをしていた59歳の男性が自宅で亡くなっているのが発見されました。事件が起きた町の名前にちなんで、「松橋事件」と呼ばれている事件です。

 遺体には多数の刺し傷があり、死因は失血死でした。状況からして、被害者が何者かに殺害されたことは明らかでした。

 被害者の遺体は、発見時には死後2~4日間が経過していると推定されました。殺人事件として捜査を開始した警察は、遺体発見の3日前の1月5日夜に、被害者の家で開かれていた酒宴の際に被害者と言い争いをしていた宮田浩喜さんに目をつけ、1月8日夜、警察署に呼び出しました。

 そして、その後12日間にわたり、警察は宮田さんを呼び出して連日長時間の取調べを行いました。宮田さんは、1月19日までは犯行を否認していましたが、1月20日、自宅を訪れた警察官らに、やってもいない罪を認める自白」をし、逮捕されてしまったのです。その際、宮田さんは、「切出小刀を使って被害者を殺した」と話し、捜査機関に自分が持っていた切出小刀を提出しました。

 捜査機関はその後、「切出小刀」を調べましたが、その「切出小刀」には、血液が一切付いていなかったのです。

 捜査機関は、その理由を説明するため、2月5日、宮田さんに、「何年か前まで着ていた赤と茶のネルシャツの左袖を切出小刀に巻き付けて刺した」と自白させました。これは、宮田さんが最初に自白をさせられた1月20日には出てきていなかった話でした。

 そして、その翌日の2月6日、捜査機関は、宮田さんの家から発見された、左袖部分を除いたチェック柄のシャツの布切れ4枚を宮田さんに見せ、「このシャツの左袖を切り開いて使った。巻き付けた左袖は犯行後に燃やした」と自白させたのです。

 この自白をもとに、宮田さんは、2月10日に起訴され、裁判にかけられることになりました。宮田さんは、裁判の途中から無罪を訴えましたが、熊本地方裁判所は宮田さんに懲役13年の判決を言い渡し、この判決は1990年に最高裁判所で確定し、宮田さんは長期間服役することになってしまったのです。


経過と問題点

 
この事件で、宮田さんが犯人であることを直接示す証拠は、宮田さんの「自白だけでした。

 裁判のやり直しのための準備をしていた弁護士は、1997年、まだ開示していない証拠を見せるよう検察官に求めました。そして、弁護士が開示された証拠物を確認したところ、その中に、シャツの布切れが「4枚」ではなく「5枚」あることがわかったのです。しかも、その「5枚」の布切れを並べてみると、なんと、完全な1枚のシャツが復元されたのです。宮田さんが「燃やした自白させられていたシャツの左袖部分も、捜査機関はずっと持っていたのです。さらに、「切出小刀に巻き付けて刺した」とされたそのシャツの左袖部分からは、血液が検出されていなかったこともわかりました。シャツの左袖は、犯行に使われてもいなかったし、その後に燃やされてもいなかったのです。


完全に復元されたシャツ

 
そのシャツの左袖部分は、宮田さんが起訴された4日後の1985年2月14日に宮田さんの家から発見されて捜査機関の手に渡り、その日のうちに血液の付着の有無について調べる手続が行われていました。そして、14日後の2月28日には「血液の付着を証明し得ない旨の鑑定書が作られていました。しかし、捜査機関は、そのことを全て把握しておきながら、「燃やした」とされたシャツの左袖部分が見つかったことも、その部分に血液が付いていなかったことを示す鑑定書も、当初の裁判では提出しなかったのです。

 裁判のやり直しの段階になってようやく、捜査機関が弁護士側に開示してこなかったシャツの左袖部分が発見されたことで、宮田さんが虚偽の自白をさせられた可能性が濃厚となり、2016年6月30日、熊本地方裁判所は、裁判のやり直しを認めました。

     (再審開始決定に喜ぶ宮田さん)

 しかし、検察官は、この判断を不服として、福岡高等裁判所に「即時抗告」をしたのです。2017年11月29日、福岡高等裁判所は、検察官の「即時抗告」を退け、裁判のやり直しを支持しましたが、これに対して検察官は、さらに、最高裁判所に特別抗告まで行いました

 2018年10月10日、最高裁判所は検察官の「特別抗告」を棄却し、ようやく宮田さんの裁判のやり直しが確定しました。その後の2019年2月、宮田さんに対するやり直しの裁判が行われ、熊本地方裁判所は、2019年3月28日、宮田さんに無罪判決を言い渡しました。事件が起き、宮田さんが犯人として逮捕されてから、34年以上も経ってのことでした。

 無罪が確定した翌年の2020年10月29日、宮田さんは87歳で亡くなりました。宮田さんのことをずっと支え、裁判のやり直しの手続にも協力していた宮田さんの長男は、2017年9月、父親の汚名がそそがれる様子を見ることも叶わず、病気で亡くなりました

 捜査機関が証拠を隠すことなく、シャツの左袖部分が見つかり鑑定書が作成された1985年2月の段階で、その証拠を弁護士に開示するとともに裁判所に提出していれば、そもそも、その後に宮田さんに有罪判決が言い渡され、宮田さんが長期間にわたって服役することにはならなかったかもしれません。宮田さんが、34年以上もの間、殺人犯の汚名を着せられて苦しむ必要はなかったのです。

 また、裁判のやり直しを認めた2016年6月30日の熊本地方裁判所の判断に対し、検察官が即時抗告特別抗告といった不服申立てを行わなければ、宮田さんの長男がご存命の間に、宮田さんに対して無罪判決が言い渡されていたことでしょう。しかも、「即時抗告」や「特別抗告」の手続が行われていた間に、宮田さんご自身の認知症も進んでしまいました。検察官の不服申立てが禁止されていれば、宮田さんが、人生の最晩年の約3年間を、殺人犯の汚名を着せられたまま過ごさなくてもすんだはずです。また、裁判の意味をもっと理解した上で、ご自身の雪冤が果たされた喜びをより一層噛み締めることができたはずです。

 証拠開示の法制化検察官の不服申立ての禁止は、一刻も早く、実現されるべきです。
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●冤罪・大崎事件…《宇賀克也裁判官…確定判決で有罪の根拠…「証明力はもはや無きに等しい」とし、「殺人事件であることの直接証拠は皆無」と断じた》

2025年03月17日 00時00分39秒 | Weblog

―――――― (里見繁氏) 布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》


(20250302[])
冤罪・大崎事件で終始一貫して無罪を主張、「あたいはやっちょらん」と原口アヤ子さんが〝叫べなくなる〟のを待つ冷酷な司法…《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《第4次再審請求について、最高裁は再審を認めない決定》…。原口アヤ子さんは97歳だ…。
 鴨志田祐美さんのつぶやき《大崎事件第4次請求で最高裁は25日付で再審を認めない決定をしました。しかし、全部で23ページの決定のうち、「原決定を破棄自判して再審開始すべき」という宇賀克也裁判官の反対意見が14ページを占めています》。

 (東京新聞社説、2019年6月28日)《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた》…かつて、最高裁は、再審するかどうかを延々と議論し、三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返ししている。
 (東京新聞、池田悌一記者、2019年6月27日)《第一次再審請求審を加えると、三度にわたり再審開始決定が出ながら、再審の扉は唐突に閉じられた。「疑わしきは被告の利益に」という刑事裁判の鉄則は守られたのか。新旧証拠の総合評価で確定判決に疑いが生じれば、再審を開始すべきだとする「白鳥決定」に沿ったと言えるか疑問だ》。

 そして、4回目。《裁判官5人中4人の多数意見》…《「原決定を破棄自判して再審開始すべき」という宇賀克也裁判官の反対意見》を4人はどう思ったのか?
 東京新聞の記事【最高裁、大崎事件の再審認めず 新証拠は「証明力に限界」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/388216)によると、《1979年、鹿児島県大崎町で男性の遺体が見つかった「大崎事件」の第4次再審請求で、最高裁第3小法廷(石兼公博裁判長)は、殺人罪などで服役した原口アヤ子さん(97)の弁護側が提出した新証拠は「証明力に限界がある」として、原口さん側の特別抗告を棄却する決定をした。25日付。さらに不服を訴える手段はなく、再審を認めない判断が確定した。裁判官5人中4人の多数意見。》

 《殺人の事実認定に「合理的疑い」》《「原決定を破棄自判して再審開始すべき」という宇賀克也裁判官の反対意見》を他の裁判官4人はどう思ったのか?
 三宅千智記者による、東京新聞の記事【46年前の「大崎事件」最高裁が再審認めず 第4次請求、裁判官1人は「再審開始決定すべき」と反対意見】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/388209)によると、《◆反対意見の裁判官、殺人の事実認定に「合理的疑い」 一方、宇賀裁判官は反対意見で、救命救急医の鑑定を「写真は極めて鮮明で、死因の特定は可能として信用性を認めた。その上で、複数回の再審請求があった事件は、過去の審理の証拠も含めて評価する必要があると指摘。第1次請求審で、死因を窒息と推定した鑑定が撤回されたことも踏まえ、確定判決で有罪の根拠となった証拠は「証明力はもはや無きに等しい」とし、「殺人事件であることの直接証拠は皆無」と断じた》


 最高裁によるちゃぶ台返しなど、異例の経過を辿る冤罪・大崎事件…《鴨志田祐美弁護士は「検察官の不服申し立てがなければ、原口さんはずっと前に再審無罪になっていたと思う」と現行制度を批判》。
 三宅千智記者による、東京新聞の記事【「最高裁判事の矜持を疑う」大崎事件の再審請求棄却に怒りの弁護団 初めて反対意見を出した判事の指摘は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/388307)によると、《「なぜ一貫して無実を訴えている人が供述弱者の自白に引っ張り込まれ、救われずにいるのか多数意見を書いた最高裁判事の矜持(きょうじ)を疑う」。4度目の再審請求の棄却が確定し、原口アヤ子さんの弁護団が26日、東京都内で記者会見して怒りをあらわにした。原口さんの第1~3次の再審請求審では、地裁や高裁が計3回再審開始を認めたにもかかわらず、検察官の不服申し立てを受けていずれも上級審が取り消すという異例の経過をたどってきた。弁護団事務局長の鴨志田祐美弁護士は「検察官の不服申し立てがなければ、原口さんはずっと前に再審無罪になっていたと思う」と現行制度を批判した》。
 そして、《現状ではルールがない証拠開示の制度化や、再審開始決定に対する検察官の不服申し立て禁止などを盛り込んだ法改正案の骨子》…再審法の改正の動きも、非常に鈍い。

   『●大崎事件…再審するかどうかを延々と議論し、
      三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返し
    《会見に同席した元裁判官の木谷明弁護士も「無実の人を救済するために
     裁判所はあるのではないのか大変がっかりしている」と批判した》

   『●《家族への脅迫状…「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろう 
         としているのに許せない。もともと無実なのだから」》
    「大崎事件について、
     《元裁判官の木谷明弁護士…
     「無実の人を救済するために裁判所はあるのではないのか」》と。
     【報道特集】…によると、《”伝説”の元裁判官~冤罪救済に挑む…
     無罪判決を30件も出し、全てを確定させた元裁判官。
     退官後、81歳となった今、冤罪救済を目指す弁護士として裁判所に
     挑んでいる。そこで直面した裁判所の現状とは》。
     『イチケイのカラス』…のモデルの一部になっているらしい」

   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
     再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
     一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
     「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
     殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
     「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
     再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に再審請求にも
     当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
     の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
     ならない》
    「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定
     出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
     のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
     検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
     だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
     でっち上げを追認した裁判官だろう》」

   『●《周防正行さんが「あたいはやっちょらん。大崎事件第4次再審請求・
      糾せ日本の司法」と銘打ち、インターネット上に立ち上げた…CF》
   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
      侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?
   『●原口アヤ子さん・大崎冤罪事件…《被害者は自転車事故による出血性
     ショックで死亡した可能性があり「殺人なき死体遺棄事件」だった》?
   『●大崎事件、再審開始を認めず ――― 終始一貫して「あたいはやっちょ
     らん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びはなぜ裁判官には届かないのか?
   『●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょ
     らんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」
   『●大崎事件《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《医学の専門家でない裁判
      所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断》
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
    「再審法の改正を。いま何かと話題の鹿児島県警。かつて、
     鹿児島県警と言えば、原口アヤ子さんの大崎事件。そして、
     なんと言っても、志布志事件。体質は変わらない。」

   『●工藤隆雄氏《日本の司法には昔から冤罪体質があり…事件の背後には後に
     「冤罪王」「昭和の拷問王」と呼ばれた紅林麻雄という静岡県警の刑事がいた》
    《96歳の原口アヤ子さんが無実を訴え続ける大崎事件の弁護人で、
     日本弁護士連合会の再審法改正実現本部・本部長代行を務める
     鴨志田祐美弁護士は「一刻も早く再審法を改正しなければ悲劇が繰り
     返される」と危機感をにじませ、改正の要点を次のように指摘する》

   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
りんく   『●冤罪・大崎事件…《全部で23ページの決定のうち、「原決定を破棄自判して
     再審開始すべき」という宇賀克也裁判官の反対意見が14ページを占めています》』

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/388216

最高裁、大崎事件の再審認めず 新証拠は「証明力に限界」
2025年2月26日 12時35分 (共同通信)

     (97歳の誕生日を迎えた原口アヤ子さん
      =2024年6月15日、鹿児島県の介護施設)

 1979年、鹿児島県大崎町で男性の遺体が見つかった「大崎事件」の第4次再審請求で、最高裁第3小法廷(石兼公博裁判長)は、殺人罪などで服役した原口アヤ子さん(97)の弁護側が提出した新証拠は「証明力に限界がある」として、原口さん側の特別抗告を棄却する決定をした。25日付。さらに不服を訴える手段はなく、再審を認めない判断が確定した。裁判官5人中4人の多数意見

 今回の請求で弁護側は、遺体の写真を鑑定した結果、男性は酒に酔って道路脇の溝に落ちた後、頸椎を保護しない不適切な救護をされたことにより、確定判決が原口さんが殺害したと認定した時間より前に死亡していたと主張していた。

 これに対し第3小法廷は、鑑定は遺体を直接検分したわけではなく、一部が写った写真の限定的な情報により推論を重ねたものだとして「証明力には限界があり、死因の一つの可能性を指摘したにとどまる」と判断。共犯者の自白や目撃証言は「信用性は相応に強固だ」とした。学者出身の宇賀克也裁判官は「再審開始決定を行うべきだとの反対意見を付けた。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/388209

46年前の「大崎事件」最高裁が再審認めず 第4次請求、裁判官1人は「再審開始決定すべき」と反対意見
2025年2月26日 11時59分

 鹿児島県大崎町で1979年に男性の遺体が見つかった「大崎事件」の第4次再審請求の特別抗告審で、最高裁第3小法廷(石兼公博裁判長)は、殺人罪などで服役した義姉の原口アヤ子さん(97)の再審開始を認めない決定をした。25日付。一審に続いて請求を棄却した福岡高裁宮崎支部決定が確定した。裁判官5人のうち4人の多数意見。宇賀克也裁判官は「再審開始決定をするべきだと反対した。

 大崎事件の再審請求を巡り、最高裁で反対意見が出たのは初めて

 第4次請求審で原口さんの弁護側は男性の死因について、司法解剖写真を基に救命救急医が調べた鑑定書を新証拠として提出。男性は酔って道路の溝に落ちた際に首を損傷し、自宅に運ばれたときには死亡していた可能性が高かったとした。自宅到着後に絞殺された殺人事件ではなく、事故死と主張した。

 第3小法廷は、この鑑定を「死因の一つの可能性を指摘したにとどまる」として、死因を証明しきれたわけではないと判断。「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たらない」と結論づけた。共犯として服役した原口さんの元夫(故人)についても再審開始を認めなかった。


◆反対意見の裁判官、殺人の事実認定に「合理的疑い」

 一方、宇賀裁判官は反対意見で、救命救急医の鑑定を「写真は極めて鮮明で、死因の特定は可能として信用性を認めた

 その上で、複数回の再審請求があった事件は、過去の審理の証拠も含めて評価する必要があると指摘。第1次請求審で、死因を窒息と推定した鑑定が撤回されたことも踏まえ、確定判決で有罪の根拠となった証拠は「証明力はもはや無きに等しい」とし、「殺人事件であることの直接証拠は皆無」と断じた。

 原口さんの共犯とされた親族3人=いずれも有罪確定=の自白も「いずれも知的障害がある供述弱者で、精神的なプレッシャーで虚偽の自白をした可能性が考えられる」と判断。殺人の事実認定について「合理的な疑いが生じざるを得ない」と指摘した。

 宇賀裁判官は行政法が専門で元東京大教授。昨年1月に再審請求を棄却した「名張毒ぶどう酒事件」の最高裁決定でも、再審を開始するべきだとの反対意見を付けた。(三宅千智


 大崎事件 鹿児島県大崎町で1979年10月、男性=当時(42)=の遺体が自宅横の牛小屋で見つかり、男性の義姉の原口アヤ子さんと男性の長兄(原口さんの当時の夫)、次兄が殺人と死体遺棄罪で、男性のおいが死体遺棄罪で起訴された。原口さんは一貫して無罪を訴えたが、懲役10年が確定して服役。出所後の95年に再審請求をした。第1次請求は2002年に一審が再審開始を認めたが、二審が取り消した。第2次は13年の一審から全て認めず、第3次は一、二審ともに認めたが、最高裁が19年に取り消した


【関連記事】<視点>大崎事件の新鑑定 殺人でなく事故死では 論説委員・桐山桂一
【関連記事】<社説>再審制度見直し 議員立法で法改正急げ
【関連記事】「名張毒ぶどう酒事件」再審認めず 最高裁、第10次請求棄却確定へ 1人が初の反対意見
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/388307

「最高裁判事の矜持を疑う」大崎事件の再審請求棄却に怒りの弁護団 初めて反対意見を出した判事の指摘は
2025年2月27日 06時00分

 鹿児島県大崎町で1979年に男性の遺体が見つかった「大崎事件」の第4次再審請求の特別抗告審で、最高裁第3小法廷(石兼公博裁判長)は、殺人罪などで服役した義姉の原口アヤ子さん(97)の再審開始を認めない決定をした。25日付。一審に続いて請求を棄却した福岡高裁宮崎支部決定が確定した。裁判官5人のうち4人の多数意見。宇賀克也裁判官は「再審開始決定をするべきだ」と反対した。(三宅千智


◆新証拠「一つの可能性を指摘したにとどまる」

 大崎事件の再審請求を巡り、最高裁で反対意見が出たのは初めて

 第4次請求審で原口さんの弁護側は男性の死因について、司法解剖写真を基に救命救急医が調べた鑑定書を新証拠として提出。男性は酔って道路の溝に落ちた際に首を損傷し、自宅に運ばれたときには死亡していた可能性が高かったとした。自宅到着後に絞殺された殺人事件ではなく、事故死と主張した。

 第3小法廷は、この鑑定を「死因の一つの可能性を指摘したにとどまる」として、死因を証明しきれたわけではないと判断。弁護側が新たに示した関係者の供述分析とともに「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たらない」と結論づけた。共犯として服役した原口さんの元夫(故人)についても再審開始を認めなかった。


◆反対意見の裁判官「死因の特定可能」

 一方、宇賀裁判官は反対意見で、救命救急医の鑑定を「写真は極めて鮮明で、死因の特定は可能」として信用性を認めた

 その上で、複数回の再審請求があった事件は、過去の審理の証拠も含めて評価する必要があると指摘。第1次請求審で、死因を窒息と推定した鑑定が撤回されたことも踏まえ、確定判決で有罪の根拠となった証拠は証明力はもはや無きに等しい」とし、「殺人事件であることの直接証拠は皆無」と断じた。

 原口さんの共犯とされた親族3人=いずれも有罪確定=の自白も「いずれも知的障害がある供述弱者で、精神的なプレッシャーで虚偽の自白をした可能性が考えられる」と判断。殺人の事実認定について合理的な疑いが生じざるを得ない」と指摘した。

 宇賀裁判官は行政法が専門で元東京大教授。昨年1月に再審請求を棄却した「名張毒ぶどう酒事件」の最高裁決定でも、再審を開始するべきだとの反対意見を付けた。


 ◇  ◇


◆「検察官の不服申し立てがなければ」現行制度を批判

 「なぜ一貫して無実を訴えている人が供述弱者の自白に引っ張り込まれ、救われずにいるのか多数意見を書いた最高裁判事の矜持(きょうじ)を疑う」。4度目の再審請求の棄却が確定し、原口アヤ子さんの弁護団が26日、東京都内で記者会見して怒りをあらわにした

     (再審開始を認めない最高裁決定を受け会見する
      鴨志田祐美弁護士(左から3人目)ら)

 原口さんの第1~3次の再審請求審では、地裁や高裁が計3回再審開始を認めたにもかかわらず、検察官の不服申し立てを受けていずれも上級審が取り消すという異例の経過をたどってきた。弁護団事務局長の鴨志田祐美弁護士は「検察官の不服申し立てがなければ、原口さんはずっと前に再審無罪になっていたと思う」と現行制度を批判した。

 証拠の開示もなかなか進まなかった。最初の再審請求から20年以上がたった第3次請求審で、検察側は事件当時の状況を近隣住民が再現した写真のネガフィルムを開示。確定判決で認定された現場状況と再現に食い違いが見つかった。鴨志田弁護士は「最初から一度に証拠が開示される制度でなければ、理不尽な現実を繰り返すことになる」と指摘した。


◆柴山元文科相「被害者目線を持った上で迅速に法改正を」

     (総会であいさつする議員連盟の柴山昌彦会長(中))

 この日は、再審制度の見直しを求める超党派議員連盟が国会内で総会を開催。現状ではルールがない証拠開示の制度化や、再審開始決定に対する検察官の不服申し立て禁止などを盛り込んだ法改正案の骨子について意見を交わした。

 議連会長の柴山昌彦元文部科学相(自民党)は「被害者の目線を持った上で、迅速に法改正しなければならない」と強調。今国会の会期中に議員立法による法改正の実現を目指す方針を確認した。

 一方、法務省は今春にも法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する方針。鈴木馨祐法相は、法改正の必要があるかどうかも含めて議論する意向を示しており、最終的な見直しの姿は見えない。

 大崎事件 鹿児島県大崎町で1979年10月15日、男性=当時(42)=の遺体が自宅横の牛小屋で見つかり、男性の義姉の原口アヤ子さんと男性の長兄(原口さんの当時の夫)、次兄が殺人と死体遺棄罪で、男性のおいが死体遺棄罪で起訴された。原口さんは一貫して無罪を訴えたが、懲役10年が確定して服役。出所後の1995年に再審請求をした。第1次請求は2002年に一審が再審開始を認めたが、二審が取り消した。第2次は2013年の一審から全て認めず、第3次は一、二審ともに認めたが、最高裁が2019年に取り消した


【関連記事】<社説>再審制度見直し 議員立法で法改正急げ
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●冤罪・大崎事件…《全部で23ページの決定のうち、「原決定を破棄自判して再審開始すべき」という宇賀克也裁判官の反対意見が14ページを占めています》

2025年03月06日 00時00分35秒 | Weblog

―――――― (里見繁氏) 布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》


(20250302[])
冤罪・大崎事件で終始一貫して無罪を主張、「あたいはやっちょらん」と原口アヤ子さんが〝叫べなくなる〟のを待つ冷酷な司法…《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《第4次再審請求について、最高裁は再審を認めない決定》…。原口アヤ子さんは97歳だ…。

 (東京新聞社説、2019年6月28日)《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた》…かつて、最高裁は、再審するかどうかを延々と議論し、三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返ししている。
 (東京新聞、池田悌一記者、2019年6月27日)《第一次再審請求審を加えると、三度にわたり再審開始決定が出ながら、再審の扉は唐突に閉じられた。「疑わしきは被告の利益に」という刑事裁判の鉄則は守られたのか。新旧証拠の総合評価で確定判決に疑いが生じれば、再審を開始すべきだとする「白鳥決定」に沿ったと言えるか疑問だ》。

 そして、4回目。
 湯之前八州記者による、西日本新聞の記事【大崎事件、最高裁が再審認めず 原口アヤ子さんの特別抗告を棄却】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1320036/)によると、《鹿児島県大崎町で1979年に男性=当時(42)=の遺体が見つかった「大崎事件」で殺人罪などに問われて懲役10年が確定し、服役した原口アヤ子さん(97)が裁判のやり直しを求めた第4次再審請求について、最高裁は再審を認めない決定をした。請求を退けた2023年6月の福岡高裁宮崎支部決定を支持し、原口さんの特別抗告を棄却した》。


 鴨志田祐美さんのつぶやき:

―――――――――――――――――
https://x.com/kamo629782/status/1894589052185448514

かもん弓(鴨志田 祐美)@新刊『再審弁護人のベレー帽日記』発売中!
@kamo629782

大崎事件第4次請求で最高裁は25日付で再審を認めない決定をしました。

しかし、全部で23ページの決定のうち、「原決定を破棄自判して再審開始すべき」という宇賀克也裁判官の反対意見が14ページを占めています。

………

午後0:23  2025年2月26日
―――――――――――――――――

 (※宇賀克也裁判官については、こちらから。)


   『●大崎事件…再審するかどうかを延々と議論し、
      三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返し
    《会見に同席した元裁判官の木谷明弁護士も「無実の人を救済するために
     裁判所はあるのではないのか大変がっかりしている」と批判した》

   『●《家族への脅迫状…「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろう 
         としているのに許せない。もともと無実なのだから」》
    「大崎事件について、
     《元裁判官の木谷明弁護士…
     「無実の人を救済するために裁判所はあるのではないのか」》と。
     【報道特集】…によると、《”伝説”の元裁判官~冤罪救済に挑む…
     無罪判決を30件も出し、全てを確定させた元裁判官。
     退官後、81歳となった今、冤罪救済を目指す弁護士として裁判所に
     挑んでいる。そこで直面した裁判所の現状とは》。
     『イチケイのカラス』…のモデルの一部になっているらしい」

   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
     再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
     一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
     「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
     殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
     「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
     再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に再審請求にも
     当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
     の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
     ならない》
    「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定
     出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
     のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
     検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
     だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
     でっち上げを追認した裁判官だろう》」

   『●《周防正行さんが「あたいはやっちょらん。大崎事件第4次再審請求・
      糾せ日本の司法」と銘打ち、インターネット上に立ち上げた…CF》
   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
      侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?
   『●原口アヤ子さん・大崎冤罪事件…《被害者は自転車事故による出血性
     ショックで死亡した可能性があり「殺人なき死体遺棄事件」だった》?
   『●大崎事件、再審開始を認めず ――― 終始一貫して「あたいはやっちょ
     らん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びはなぜ裁判官には届かないのか?
   『●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょ
     らんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」
   『●大崎事件《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《医学の専門家でない裁判
      所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断》
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
    「再審法の改正を。いま何かと話題の鹿児島県警。かつて、
     鹿児島県警と言えば、原口アヤ子さんの大崎事件。そして、
     なんと言っても、志布志事件。体質は変わらない。」

   『●工藤隆雄氏《日本の司法には昔から冤罪体質があり…事件の背後には後に
     「冤罪王」「昭和の拷問王」と呼ばれた紅林麻雄という静岡県警の刑事がいた》
    《96歳の原口アヤ子さんが無実を訴え続ける大崎事件の弁護人で、
     日本弁護士連合会の再審法改正実現本部・本部長代行を務める
     鴨志田祐美弁護士は「一刻も早く再審法を改正しなければ悲劇が繰り
     返される」と危機感をにじませ、改正の要点を次のように指摘する》

   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》

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https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1320036/

大崎事件、最高裁が再審認めず 原口アヤ子さんの特別抗告を棄却
2025/2/26 12:11 (2025/2/26 16:13 更新)
湯之前八州

     (大崎事件・関係者相関図)

 鹿児島県大崎町で1979年に男性=当時(42)=の遺体が見つかった「大崎事件」で殺人罪などに問われて懲役10年が確定し、服役した原口アヤ子さん(97)が裁判のやり直しを求めた第4次再審請求について、最高裁は再審を認めない決定をした。請求を退けた2023年6月の福岡高裁宮崎支部決定を支持し、原口さんの特別抗告を棄却した。

 事件は1995年の第1次再審請求以来、地裁や高裁が再審開始を3度決定したにもかかわらず、検察の不服申し立てで上級審が取り消す異例の経過をたどってきた。

 確定判決によると、亡くなった男性は原口さんの義弟。79年10月に酒に酔い側溝に転落し、隣人2人に軽トラックの荷台に乗せられて自宅に連れ帰られた。確定判決は「原口さんは男性を日頃から良く思っておらず、泥酔した姿を見て殺害を決意した」と指摘。共犯とされた親族3人の自白や、死因を絞殺とする法医学鑑定を踏まえ「夫や別の義弟を誘って絞殺し、おいも加わって遺体を自宅牛小屋の堆肥に埋めた」と認定した。親族3人は一審で懲役1~8年が確定。いずれもその後に本当はやっていないと無実を訴えている

 第4次請求で弁護側は改めて、…………………。
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●工藤隆雄氏《日本の司法には昔から冤罪体質があり…事件の背後には後に「冤罪王」「昭和の拷問王」と呼ばれた紅林麻雄という静岡県警の刑事がいた》

2024年12月14日 00時00分58秒 | Weblog

[※ 「裁かれるべきは警察、検察、裁判所 袴田事件」(週刊金曜日 1490号、2024年09月27日) ↑]


(2024年10月30日[水])
《敗戦後の一時期、難事件を次々に解決し「名刑事」と謳われた紅林麻雄という警部補がいた。幸浦事件二俣事件小島事件島田事件など…後にすべて逆転無罪が確定》。《拷問で自白を強要して真犯人をでっち上げる一方、捜査側に不利な証拠は隠蔽・破棄するという強引な手法が、静岡県警に伝統として受け継がれていた》(長周新聞)。デモクラシータイムスでも、『戦後一時期の静岡県の特異性』、「・静岡県警は冤罪のデパート」、「・一人の警部の存在 紅林麻雄 最後は警視」…この全ての事件はひっくり返っていく。〝殺しの神様〟〝拷問王〟…。

     ウィキペディア: 「紅林麻雄

 講談社ビジネスには、工藤隆雄氏による記事【静岡県警が生んだ《昭和の拷問王》の呪縛に終止符か…再審判決「袴田事件」が突き付けた冤罪大国・日本の「司法のいい加減さ」】(https://gendai.media/articles/-/137974?page=1&imp=0)が出ている。《そうなると、冤罪大国・日本司法のいい加減さ」がさらけ出され、国民から警察、検察、裁判所は信頼を一層なくすことだろう。この袴田事件は突如として起きた冤罪と思う人もいるかも知れないが、そうではない日本の司法には昔から冤罪体質があり、それが起こしたといってもよい。中でも袴田事件が起きた静岡県内では戦後に次のような冤罪事件が起きていた。…これらの事件の背後には後に「冤罪王」「昭和の拷問王」と呼ばれた紅林麻雄(1908~1963)という静岡県警の刑事がいた。例えば二俣事件。静岡の片田舎で一家4人が何者かに惨殺された事件だが、地元の二俣署では犯人が中々捕まえられなかった。そこへ名刑事と呼び声高い紅林が派遣され捜査をした。紅林は証拠もないのに地元の少年を犯人だと決め付け逮捕し、部下に少年がボロ雑巾のようになるまで拷問させ、嘘の自白をさせた。それを知った二俣署の山崎巡査が少年にはアリバイがあり犯人ではないと批判する。すると、紅林は「少年がアリバイのために時計の針をずらして工作した」と言いがかりをつけて、少年を犯人に仕立て上げた。そればかりか批判した山崎巡査を捜査から除外し、精神異常者であると医師に診断させ、警察も辞めさせた。…そんなことばかりして「手柄」を上げていったのである。そんな紅林の姦計を知ってか知らでか警察上層部や検察が紅林は優秀な刑事だとし表彰した。それが在職中に351回もあったというから常軌を逸している。…その後、二俣事件など一連の裁判が行われ、次々と死刑判決が無罪判決に転じると、さすがの警察上層部も不信を抱かざるをえなくなり、紅林を訊問した。それに対し、紅林は「私は間違っていない国の治安のために家族の幸せも顧みずに働いたこの私のどこが悪いのか」と自己弁護をしたという。しかし、結局紅林は警察を退職した。その後、家で酒浸りになると体を壊し、昭和38年に55歳の若さで脳出血により死去した。これを機に静岡県警での冤罪体質は是正されると誰しもが思ったのではないか》…? その後に起きたのが袴田冤罪事件
 記事はさらに続く、《■日本の司法は発展途上国並み》《現在、日本では「北稜クリニック事件」「日野町事件」「大崎事件」などのように牢獄から冤罪を訴えている人たちはまだまだたくさんいる。流れ作業のように判決が済んだからそれで終わりと刑務所、拘置所に放り込んでおくのではなく、無実を訴える者には納得するまで裁判を開き意見を聞いてやるべきだろう。そうでなければ、無実の人たちを司法殺人で闇に葬ることになる。そうならないためにも警察、検察、裁判所にはより一層の慎重さを望むと共に、市民の我々も司法の動向を見据える必要がある。具体的には証拠開示の制度化再審開始に関する検察の抗告禁止などの法改正である。それらが確立しなければいつまた静岡だけでなく、自分の身の回りでも冤罪事件が起きないとも限らないからだ》。

 《兵八の「正義」を押しつぶした警察・検察、さらには捜査側に寄った裁判所の不当な判決は、昭和から平成へと続き、真実や人権よりもメンツを重んじて自己検証を拒絶する姿勢は、令和の時代にも地続きのように受け継がれている》…畝本直美検事総長や鹿児島県警大川原化工機でっち上げ事件を起こした公安警察などを見ても、重要な指摘だ。
 秦融氏による、(2023/7/22(土))Yahoo!ニュースの記事【「拷問」を告発した警察官の夫は逮捕され、異常者扱い――105歳が語る「冤罪」の長い苦しみ #昭和98年】(https://news.yahoo.co.jp/articles/63b0122819afac666d15c428f0be5a5548e72d36)、《1966年に静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」は、戦後最大の冤罪の一つと言われ、死刑判決が確定していた袴田巌さん(87)のやり直し裁判が近く静岡地裁で始まる。死刑確定事件の再審では戦後5例目だが、この事件の前にはいくつもの冤罪事件が同じ静岡県で起きていることをご存じだろうか。その一つ、「二俣事件」では、拷問によって無実の少年に一家4人惨殺を“自白”させたばかりか、拷問の事実を告発した刑事を偽証罪で逮捕した揚げ句、精神疾患に仕立て上げるという警察・検察の報復があった。家族もろとも偏見の目にさらされた刑事の妻・山崎まさは今も存命だ。今月27日、106歳になるまさは「当時の苦しみは言葉にできない」と涙ながらに振り返った。(文・写真:秦融/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部/文中敬称略)》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
     …「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》
    「長周新聞の【書評/『袴田事件:神になるしかなかった男の58年』
     著・青柳雄介】」
    《■根深い警察・検察の癒着と腐敗 著者は、杜撰(ずさん)な捜査
     確固たる証拠がないまま、拷問で自白を強要して真犯人をでっち上げる
     
一方、捜査側に不利な証拠は隠蔽・破棄するという強引な手法が、
     静岡県警に伝統として受け継がれていたとのべている。敗戦後の
     一時期、難事件を次々に解決し「名刑事」と謳われた紅林麻雄
     という警部補がいた。幸浦事件、二俣事件、小島事件、島田事件など、
     静岡県下で死刑や無期懲役が下された多くの事件を紅林は以上の
     ような手法で「解決」したが、後にすべて逆転無罪が確定している
     そうだ》

   『●検察は控訴せず、無罪が確定…自白の強要や証拠の捏造など、袴田冤罪事件
     の被害者、袴田巖さんや袴田秀子さんの58年間の残酷な日々に報いるには?
    「この中に『戦後一時期の静岡県の特異性』というパネルが出てくる。
     「・静岡県警は冤罪のデパート」「・「二俣事件」「幸浦事件
     「島田事件」「児島事件」」「・一人の警部の存在 紅林麻雄 
     最後は警視」。後日、この全ての事件はひっくり返っていく
     〝殺しの神様〟〝拷問王〟…。」

   『●冤罪者の「死」を待つという残酷な国家の犯罪と、《正義の名の下に死刑
     執行》された飯塚事件…何の検証もすることなく、全く反省の無い警察や検察
    「例えば、《「名張毒ブドウ酒事件」(1961年) の奥西勝死刑囚》
     のように、冤罪者の「死」を待つという残酷な国家の犯罪と、
     《正義の名の下に死刑執行》された飯塚事件…袴田さん冤罪事件に
     ついて、全く反省の無い畝本直美検事総長に感じる恐怖。」

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https://news.yahoo.co.jp/articles/63b0122819afac666d15c428f0be5a5548e72d36

「拷問」を告発した警察官の夫は逮捕され、異常者扱い――105歳が語る「冤罪」の長い苦しみ #昭和98年
2023/7/22(土) 17:07配信

1966年に静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」は、戦後最大の冤罪の一つと言われ、死刑判決が確定していた袴田巌さん(87)のやり直し裁判が近く静岡地裁で始まる。死刑確定事件の再審では戦後5例目だが、この事件の前にはいくつもの冤罪事件が同じ静岡県で起きていることをご存じだろうか。その一つ、「二俣事件」では、拷問によって無実の少年に一家4人惨殺を“自白”させたばかりか、拷問の事実を告発した刑事を偽証罪で逮捕した揚げ句、精神疾患に仕立て上げるという警察・検察の報復があった。家族もろとも偏見の目にさらされた刑事の妻・山崎まさは今も存命だ。今月27日、106歳になるまさは「当時の苦しみは言葉にできない」と涙ながらに振り返った。(文・写真:秦融/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部/文中敬称略)


■取り調べの拷問を告発した警察官

     (山崎まささん(左)と次女の天野功子さん)

まさが住む愛知県みよし市は、名古屋市と豊田市に挟まれた位置にある。市街地から少し離れた一軒家で呼び鈴を押すと、次女の天野功子(のりこ、76)が出迎えてくれた。

まさの夫であり、功子の父である山崎兵八(ひょうはち)は静岡県の警察官だった。

昭和の冤罪・二俣事件は1950年1月、同県二俣町(現・浜松市天竜区)で発生した。就寝中の夫妻が刃物で刺されて死亡、2歳の長女が首を絞められ、11カ月の次女が母親の下敷きになり窒息死した。事件後、近所に住む18歳の少年が強盗殺人罪などで起訴され、一審、二審で死刑判決。その後に逆転無罪となった。

兵八は、現職の警察官ながら警察組織を敵に回し、拷問による取り調べがあったと告発、少年の刑事裁判で証言台に立った人物だ。告発は審理の終盤。巡査だった兵八は読売新聞社と弁護人に宛てて手紙を書き、「(少年は)犯人ではない。新憲法下今なお人権を無視した拷問により罪をなすりつけられたものだ」「江口捜査課長と紅林主任は少年に会った時の第一印象で“彼は犯人だ”と判定、証拠集めの指令を発した」などと記した。

告発前、妻のまさは「そこまでしなくても」と夫の行動に反対だった。夫は「(少年が)自分の子どもだったらどうする?」と妻に問い、固い決意を伝えた。

当時を振り返るまさの受け答えは、とても100歳過ぎとは思えないほど明瞭だ。

「はい、そう言われました。『もしか、この子が私らの子どもだったらどうするかね?』と。間違いないです」

兵八は、弱い人や苦しんでいる人を放っておけない性格だったらしい。夫について、まさはこう語った。

「お父さんにはものすごく、そういうところがあった。きっと、生まれるときからそういう性格を授かってきたんだよね。私も、人を陥れるようなことは絶対にしたくないと思ってね。困っている人には、ねんごろ(親切)にしてね。人が難儀してると『ああ、かわいそうだなあ』って、すぐ思っちゃうんだよね」


■妻が語る“告発後”の苦悩

     (事件の舞台となった二俣警察署は数回の統廃合を経て、
      天竜警察署になった ©Google Earth)

しかし、告発は一直線には実を結ばなかった。

二俣警察署の捜査本部で捜査に関わっていた兵八は法廷で「拷問による自白と証言したにもかかわらず、一審の静岡地裁浜松支部は死刑判決を下す。それどころか、判決の日、兵八は偽証罪で逮捕された。

「正義」の代償は、それにとどまらず、家族もろとも路頭に迷わせる“仕打ち”へと進んでいく。

逮捕後、兵八は名古屋大学医学部の教授による精神鑑定で「妄想性痴呆症」と診断された。裁判では、証人出廷した警察署長が「変人」などと兵八の人格を否定。一審で少年に死刑判決が下ったことから「警察の捜査は正しかった」ということになり、判決に異を唱える兵八は異常者とされたのだ。

辞表を出すと、兵八は精神疾患という診断を理由に、運転免許証をはく奪された。警察を辞めた後は、家族を養うため、トラックの運転手になるつもりだったが、免許なしではそれもできず、他の仕事も簡単に見つからない。逮捕・投獄された兵八は世間の偏見の目にさらされた

当時10代だった長女・児玉澄子(故人)の手記によると、家族は耐え難い苦しみを味わうことになった

「父は職も地位も奪われて、仕事を探し、失敗し、書を読み、そして苦しみの多い日は母や私達に当たり散らした」「父母を助けなくては。新聞配達を始めた(のは)五年生の冬でした。学校を休んで早引きをして手伝った畑仕事」「冷たい近所の人たちの目、 幼い弟はいつもいじめられ泣いて帰ってきた。『ボクのおとうちゃんどうしてブタ箱にいるの?』 と…」「母の土方の荒れた手とあかぎれの足のひびわれ」(手記から)

苦難はさらに続く。

1961年3月には自宅が全焼した。報道では「火の不始末が原因」などと伝えられたが、当時中学生だった次女の功子は、火災の数日前、自宅の前で見知らぬ男から「山崎さんのお宅はここか」と尋ねられたことを覚えている。また、功子の弟は「火が出る前に半長靴の男が家から出ていくのを見た」と家族に話し、警察にも伝えた。ところが、警察では「半長靴の男」の目撃証言が、弟自身の火遊びをごまかすためだったのではないかと疑われてしまう。

当時を思い起こし、功子は言った。

「最後は、母の火の不始末にされてしまいました。弟に傷がつくよりはまし、ということで母が全てをかぶったんです……父は名誉を回復するため裁判に訴えることも考え、二俣事件の資料を集めていました。“放火”はその資料を灰にすることが目的だったとしか思えません」

火災の真相は今や確かめようもないが、兵八が裁判を起こせば、警察側は捜査の正当性を主張しただろう。兵八を「変人扱い」した者たちの「偽証」も問われかねない。そのようなタイミングで火災が起きたことは事実だった。


■「ようやく、ほっかむりが取れた」

     (山崎まささん(右)、天野功子さん)

二俣事件の上告審で最高裁は、死刑を言い渡した静岡地裁の原判決を破棄し、1958年1月に少年の無罪が確定した。

無罪への転機は、東京高裁が控訴を棄却(1951年9月)した後、らつ腕の弁護士、清瀬一郎(1884‐1967年)が弁護人に就いたことだった。清瀬は衆議院議長などを歴任した大物政治家。戦勝国による極東軍事裁判(東京裁判)では東条英機の弁護人を務めた。

清瀬の無罪主張を受け、最高裁は2年余に及ぶ審理を経て「事実誤認の疑いがある」と原判決を破棄。その後の差し戻し審では、拷問によって警察の筋書き通りに自白させた供述の信用性が否定され、地裁、高裁とも無罪判決となった。筋書きと事実との矛盾が次々に明らかになり、検察は上告を断念、少年(逮捕当時)の冤罪は事件から8年を経てようやく晴れた。少年を犯人と決めつけ、筋書きに合う捜査しかしていない警察が再捜査に動くことはなかった。

傍らに座る母・まさを見やりながら、天野功子が言う。

「少年の無罪判決が出たときに、母は『これでようやく“ほっかむり”が取れた』と言ったんです。ね、そうだよね? お父さんの疑いが晴れた時に言ったよね? それまでお母さんはずっとほっかむりして生きとったんだよね」

顔を隠す頬かむりをせず、堂々と外を歩けるようになったという意味だ。当時を思い出したように、まさが涙ぐむ。

「お父さん(兵八)が逮捕され、自分一人で子どもたちを守らなくてはいけなくなったときの不安や苦しさは、言うに言えません。本当につらい思いをしました」

兵八は2001年、87歳で他界した。

その4年前には『現場刑事の告発 二俣事件の真相を自費出版している。告発に至る経緯については、次のように記されている。

「心の片隅で『お前は正義の味方ではないのか警察は国民の生命財産を守るのが使命ではないか。立ち上がるのだ』と叫ぶ声が聞こえてくるのだった。片一方の隅では、『黙っていて見過ごすのだ。あと五年経てばお前には恩給もつくのだ。恩給だけで暮らしてゆけるのだ。何も正義ぶりをする事はない。寄らば大樹の陰。大きな(長い)物には巻かれろ、ではないか』と叫ぶ声が五体に響いてくるのだった」

     (島田事件対策協議会で、無実の男性救済を話し合う兵八
      (正面左から2人目)ら(鈴木昂さん提供))

兵八によると、二俣事件の取り調べで少年に拷問していることを薄々知っていた警察官は他にもおり、「少年は無実」と思っていた署員もいた。しかし、誰もが「見ざる聞かざる言わざる」となり、法廷では「捜査は正しかった」と偽証を繰り返した

この“拷問”に関わった刑事の一人が、捜査チーム主任の紅林麻雄警部補だったとされる。紅林は二俣事件だけでなく、同じ静岡県で起きた1948年の幸浦事件(被告は死刑判決、後に無罪)、1950年の小島事件(無期懲役判決、後に無罪)の捜査に関わり、多くの冤罪を生んだ1966年の袴田事件では、拷問まがいの取り調べで自白を引き出し、警察が犯行の手口を考え出し、それに合う証拠や証言をつくって自白を裏付ける、という同じ手法が使われた

二俣事件など同時期に続発した冤罪事件が「袴田事件の源流」と呼ばれる理由はそこにある。

同じ時期に起きた島田事件(1954年、死刑確定後の89年に再審無罪)の支援活動に奔走した元高校教師、鈴木昂は「山崎兵八さんには支援集会で講演をお願いし、熱意にあふれる話に引き込まれた。袴田事件の支援要請にも応じておられ、尽力を惜しまない人だった」と話す。


■警察官として違法は見逃せなかった

兵八・まさの夫婦は3男2女をもうけ、それとは別に2人の子どもを養っていた。そのうちの1人は勤務先の警察署で補導された、身寄りのない男児だった。まさによると、兵八が「面倒をみてやってほしい」と連れてきたという。

「放っておくのがつらかったらしくてね。(警察官という)職業柄もそうしてやらないかんと思ってだろうね」

まさの話によると、兵八の人柄をしのぶエピソードは他にもある。

「お百姓さんが、あるとき『これを食べてくれ』と駐在所に麦を2袋持ってきてね。お父さんは『絶対に手をつけるな』と言って。腐るかどうかという寸前で、やっと村の人と分けて食べた。それくらいの人でした」

弱い人、苦しんでいる人を助け、不正には手を染めない。まさが語る「警察官・山崎兵八」からは、組織内での孤立を恐れて自己保身に走るのではなく、人の心を大切にし、正しいと信じる道を貫くという人物像が浮かび上がる


■昭和から今も続く「冤罪」

     (冤罪被害者を支援する団体の会議に呼ばれ、発言する
      兵八(右)。60代のころとみられる(天野功子さん提供))

兵八の「正義」を押しつぶした警察・検察、さらには捜査側に寄った裁判所の不当な判決は、昭和から平成へと続き、真実や人権よりもメンツを重んじて自己検証を拒絶する姿勢は、令和の時代にも地続きのように受け継がれている

96歳の原口アヤ子さんが無実を訴え続ける大崎事件の弁護人で、日本弁護士連合会の再審法改正実現本部・本部長代行を務める鴨志田祐美弁護士は「一刻も早く再審法を改正しなければ悲劇が繰り返される」と危機感をにじませ、改正の要点を次のように指摘する。

     (鴨志田祐美弁護士(本人提供))

「一つは証拠開示の問題です。大崎事件の第2次再審では高裁の裁判長の積極的な訴訟指揮で、それまで検察官が『ない、ない』と言い続けてきた証拠が213点出てきました。さらに第3次再審になると新たに18点出た。なぜ、こんなことが起きるのか。証拠開示を定めたルールがないからです。大崎事件だけでなく、布川事件東電女性社員事件松橋事件などは、再審を求める中で重要な証拠が開示され、再審開始決定の決め手になった。規定がないために、検察は隠し通そうとし、開示が個々の裁判官の“やる気”に左右されるのです」

二つ目は検察官の抗告(不服申し立て)の問題だという。

「再審開始決定が出ても、検察官が抗告し、いつまでも再審公判が開かれない。再審は本来、無実の人を救済する制度で、検察官といえども立場は同じはず。ドイツでは検察官の抗告は禁止されている袴田事件では最初の開始決定から9年、大崎事件は21年、名張毒ぶどう酒事件では奥西勝・元死刑囚の命が尽きてしまった。抗告の弊害による悲劇をなくさなければいけない」

     (袴田事件の再審開始決定を喜ぶ袴田巌さんの
      姉・ひで子さん(中央)ら=今年3月13日、東京高裁前)

二俣事件の関係者がほとんど他界した中で、まさは穏やかな日々を生きている。

「天寿をいただいているんだよね。まだこれだけ元気でね、みんなのエネルギーをもらっている。人を見放しておくよりも助けてやりたい、という気持ちで生きてきて本当に良かった、と。そう思ってね。やっぱり人に意地悪はするもんじゃないな、ってね。人を助ければ助けてもらえるな、って思うよね。毎日そう思いながらこうしていますよ」


秦融(はた・とおる)1961年、愛知県生まれ。ジャーナリスト。フロントラインプレス所属。元中日新聞編集委員。滋賀・呼吸器事件の調査報道を描いた著書『冤罪をほどく……“供述弱者”とは誰か』(風媒社)で、2022年の講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。至学館大学コミュニケーション研究所客員研究員。


「#昭和98年」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。仮に昭和が続いていれば、今年で昭和98年。令和になり5年が経ちますが、文化や価値観など現在にも「昭和」「平成」の面影は残っているのではないでしょうか。3つの元号を通して見える違いや残していきたい伝統を振り返り、「今」に活かしたい教訓や、楽しめる情報を発信します。
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●《有罪率99%の日本の刑事裁判で、裁判官時代に30件以上の無罪判決を出し、上級審で覆させず確定させたことで知られる》元刑事裁判官・木谷明さん

2024年12月05日 00時00分52秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2024年11月30日[土])
アサヒコムの訃報記事【元刑事裁判官の木谷明さん死去 30件超の無罪判決、司法問題を発信】(https://www.asahi.com/articles/ASSCY35BSSCYUTIL028M.html?iref=pc_ss_date_article)、《刑事裁判官として30件以上の無罪判決を出したことで知られる元裁判官で弁護士の木谷明さんが21日、急性心筋梗塞(こうそく)で死去した。86歳だった。葬儀は近親者らで行った。所属する法律事務所が29日、明らかにした。神奈川県平塚市出身。東大法学部在学中の1960年に司法試験に合格し、63年に裁判官に任官。最高裁調査官や水戸地裁所長、東京高裁部総括判事などを歴任した。2000年に退官後、法政大法科大学院教授や弁護士として活動し、刑事司法のあり方についてメディアなどで積極的に発信した。著書に「刑事裁判の心」や「『無罪』を見抜く」などがある》。
 ご冥福をお祈りいたします。とても残念で仕方ない。






   『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
     支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》
    《(琉球新報)<社説>日野町事件再審決定 証拠開示の制度化急げ 
     …「疑わしきは被告の利益にという原則を再審請求の審理にも適用
     した妥当な判断だ。元受刑者は他界しており、名誉回復への道は
     遠かった審理の長期化を改め、情報開示の制度化など、えん罪を
     防ぐための仕組みづくりを急ぐべきだ。…
     捜査当局が再審請求の段階で新たに開示した証拠に基づく
     再審開始決定が近年相次いでいる。茨城の布川事件や、熊本の
     松橋事件などは新証拠がきっかけとなり、再審無罪につながった。
     日野町事件も再審裁判が始まれば無罪となる可能性がある。さらに
     言えば、確定前の裁判でネガなどの証拠が明らかになっていれば、
     判決内容に影響を与えていたかもしれないのだ検察の責任は重い

   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
      死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    《死後再審の例は少ない。再審公判で無罪判決が出たのは、日弁連の
     支援事件では殺人罪で懲役13年が確定した1953年の
     「徳島ラジオ商殺し」だけだ。ほかには84年に滋賀県日野町で
     起きた強盗殺人の犯人とされ、無期懲役となった元受刑者が
     死亡した「日野町事件」で、2018年に大津地裁が再審開始を
     決定した。検察側が抗告し、現在は最高裁で争われている》

 聞き手・阿部峻介記者による、2024年3月24日のアサヒコムの記事【第7回/時間がかかりすぎる再審請求 元裁判官「証拠開示に法律の不備」】(https://www.asahi.com/articles/ASS3F4SRKS2PPTIL00Q.html?iref=pc_rellink_01)、《「日野町事件」では裁判のあり方にも疑問が示されている。裁判官の役割とはなにか。再審をめぐる現状に課題はないのか。有罪率99%の日本の刑事裁判で、裁判官時代に30件以上の無罪判決を出し、上級審で覆させず確定させたことで知られる木谷明弁護士…》。

   『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
      無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》
   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
     「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
    「《二重の不正義》を認めたくない検察、それを見て見ぬふりする裁判所。
     木谷明さんや熊本典道さんの話や訴えになぜ耳を傾けようともしないのか…。
     4年も待たせて、この仕打ち、さらに待てという」
    《元裁判官の木谷明氏の持論である。裁判官時代に約三十件もの無罪判決を
     書いた経験を持つ。一件を除き検察は控訴すらできなかった。その木谷氏の
     著書「無罪を見抜く」(岩波書店)にはこんなくだりがある…》
    《「疑わしきは被告人の利益に」という言葉は刑事裁判の原則で、再審でも
     例外ではない。ところが日本の検察はまるでメンツを懸けた勝負のように、
     再審開始の地裁決定にも「抗告」で対抗する。間違えていないか。
     再審は請求人の利益のためにある制度で、検察組織の防御のためではない

   『●大崎事件…再審するかどうかを延々と議論し、
      三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返し
    《会見に同席した元裁判官の木谷明弁護士も「無実の人を救済するために
     裁判所はあるのではないのか大変がっかりしている」と批判した》

   『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
     よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!
   『●《家族への脅迫状…「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろう 
         としているのに許せない。もともと無実なのだから」》
    「大崎事件について、《元裁判官の木谷明弁護士…
     「無実の人を救済するために裁判所はあるのではないのか」》と。
     【報道特集】…によると、《”伝説”の元裁判官~冤罪救済に挑む…
     無罪判決を30件も出し、全てを確定させた元裁判官。
     退官後、81歳となった今、冤罪救済を目指す弁護士として裁判所に
     挑んでいる。そこで直面した裁判所の現状とは》。
     『イチケイのカラス』…のモデルの一部になっているらしい」

   『●《周防正行さんが「あたいはやっちょらん。大崎事件第4次再審請求・
      糾せ日本の司法」と銘打ち、インターネット上に立ち上げた…CF》
   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
      侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?
   『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性を
       説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》
   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は掌中の
        証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ
   『●「イチケイのカラス」第2話 ――― 裁判官らの謝罪と憲法第76条
     「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この…」
   『●《裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、
        逮捕・起訴はなかったかもしれません」》と仰ってたのですがね?
   『●金聖雄監督《冤罪被害という絶望的なテーマの中で、私が映画を作り
     ながら希望を見出していくと言う不思議な感覚を、ぜひ映画を観る…》
    《あれだけ理不尽な裁判を受け続け、30年近い長期の獄中生活を
     余儀なくされながら、ここまで明るく前向きに生きられる人がいる
     という事実は、まさに「驚異」である。
     ステージ4の直腸がんをも見事に克服しつつある桜井さん。どうか、
     あのチャーミングな「自慢の恋女房、恵子ちゃん」との生活を、
     今後も精いっぱい楽しんでください。
     木谷明(弁護士)》

   『●袴田巖さん、袴田秀子さん ――― 《捜査機関による証拠捏造》とまで
     言われているのだ、検察側が特別抗告を断念するのも、当然の結果だろう
    「2023年3月18日(土)の『報道特集』から: 故・熊本典道さん、
     元裁判官の木谷明弁護士」

   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
   『●再審法改正…《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実の人
      にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか》
    《…再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)…》


 最後に、訳ありではありますが…:

――――――――――――――――――――――――
https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e372334c7acce173a80312815be59c79

後から「発見」された証拠の危険性

これに続いて、元東京高裁判事で現在は片山氏の弁護人の木谷明弁護士が、自身が裁判官中に経験した再審請求事件の話を例に、後から「発見」された証拠の危うさを説いた。

それは、かの有名な白鳥事件。物証がほとんどなく、被害者を射殺した凶器の銃も発見されなかった。警察は、「被告人らが武装蜂起をするために峠で射撃訓練をした」とみて、何度も捜索を行ったが、それらしい証拠は見つからず仕舞い。ところが、2年後になって、銃弾が「発見」され、その線条痕が被害者の体内の弾と一致したとの鑑定を元に有罪判決が下された。しかし、「発見」された銃弾は2年間も山に放置されていたとは思えないほど新しく、その鑑定も後に捏造された疑いが出た。

死刑判決が確定して現在再審請求中の袴田事件でも、有罪の決め手の1つである血染めの着衣が、味噌工場のタンクから「発見」されたのは、事件から1年2か月も経ってから。この着衣は、袴田巌氏のもので犯行時に着ていた、とされたが、サイズがはるかに小さく、新たに行われた鑑定では、血痕から被害者のDNAは検出されなかった

やはり再審請求中の狭山事件でも、石川一雄氏の自宅の2回にわたる家宅捜索では見つからなかった被害者の万年筆が、3回目の捜索で勝手口の鴨居から「発見」され、有罪証拠に使われた。
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https://www.asahi.com/articles/ASS3F4SRKS2PPTIL00Q.html?iref=pc_rellink_01

第7回
時間がかかりすぎる再審請求 元裁判官「証拠開示に法律の不備」
有料記事 やってへん 検証・日野町事件
聞き手・阿部峻介 2024年3月24日 6時00分

     (過去の裁判記録を手に、再審制度の見直しを提言する
      元裁判官の木谷明さん=2023年11月22日、東京・渋谷、
      阿部峻介撮影)

 「日野町事件」では裁判のあり方にも疑問が示されている。裁判官の役割とはなにか。再審をめぐる現状に課題はないのか。有罪率99%の日本の刑事裁判で、裁判官時代に30件以上の無罪判決を出し、上級審で覆させず確定させたことで知られる木谷明弁護士(86)に聞いた。


     (【連載初回はこちら】花嫁の父「お前たちのために自白した」
       日野町事件、死後再審の扉は)


 ――大津地裁の元の裁判では、判決直前に検察の請求で犯行の場所や被害品をあいまいにした訴因変更が問題になりました。

 「日野町かその周辺」で殺害し、奪われた金庫の中身もわからない。強盗殺人のような重大事件でこれだけ訴因をぼかすのは異例です。これに沿って有罪判決を書いたのは、非常に問題のある手法だったと思います。


いつ、どこで、何を……具体的に

 ――どこに問題があるのでしょうか。

 訴因というものは具体的でなければなりません。いつ、どこで、何をした。そうした情報がはっきりしていなければ、被告側の防御が難しくなるからです。

 例えば無実の人が「何日に犯行をした」と追及された場合、その日のアリバイを立証すれば無罪になります。でも「何日~何日」とされたら、その間のアリバイを全て立証しないといけなくなります。

 法律は「できる限り」具体的に、としか言っていませんが、ここまであいまいな訴因にされれば、防御は容易ではありません。


 ――訴因変更はどのような時に行われるものなのでしょうか。

 審理を経て「このままだと有罪にできないが、訴因を少し変えれば起訴内容と大きく変わらない程度の立証ができる」という時に、検察が自ら判断するのが原則です。

 一方でこの事件でも報道があったように、裁判官が促すこともないではありません。


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【プレミアムA】「やってへん」検証・日野町事件

「自白」と客観状況の矛盾は、裁判が進む当時から指摘されてきた。 そこでは大きく四つの謎が浮かんでいる。 [ もっと見る ]
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公平な裁判か

 検察官が「立証は十分」と思…
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●再審法改正…《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実の人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか》

2024年07月19日 00時00分40秒 | Weblog

[↑ 飯塚事件 冤罪で死刑執行「再審請求…08年死刑執行」(朝日新聞 2024年06月3日[月])]


(2024年06月25日[火])
何という非人道的なことか》(桐山桂一さん)。《刑事訴訟法の再審規定再審法の改正》が全く進まないニッポン。《台湾では冤罪をなくすために、めざましい改革が進行中》だそうだ。羨ましい限りだ。《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》…何の進歩も無く、《日本の刑事司法のガラパゴス化》(鴨志田祐美さん)。
 例えば、袴田冤罪事件、《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》の例ではないか。《残酷で異常な出来事と欧米などでは受け止められている》、《日本でも放置し続けてきた再審法を整備すべきときが来ている法務・検察はそのことも自覚すべきである》(東京新聞社説)。何十年にも渡って無実の袴田巌さんを牢屋につなぎ、しかも証拠が捏造されていたとまで裁判所が指摘。再審裁判で、「有罪」を主張するのはいったいどういう神経か? しかも、検察は再び死刑を求刑した。なんという冷酷…。(大谷昭宏さん)《この期に及んでなお、「死刑を求刑する」と言い放つ検察官に、いまも背筋が凍りついている》。《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、一体どこまで人権侵害すれば気が済むのか。(東京新聞社説、2023年10月28日)《無実の訴えから半世紀日本の刑事司法の異様さをも表している。すでに87歳の高齢。残る人生と名誉をこれ以上、検察は奪ってはいけない》。

 東京新聞の【<視点>台湾に学ぶべき時だ 論説委員・桐山桂一】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/335746)。《つまり台湾では冤罪をなくすために、めざましい改革が進行中なのだ。日本では500条を超える刑訴法のうち、再審条文はわずか19しかない。かつ1949年の施行から一度も改正されていないだから無実を叫びつつ、40年、50年を経ても「無罪」とならない法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実の人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか。台湾に学んで早く法改正を実現せねば。》

 (鈴木耕さん)《日本司法の異常さが世界からの批判の的になっているということを、国連ですら認めているのだ。よく言われるように「日本の常識は世界の非常識」の実例である》…それ故の犠牲者が次々と。再審法改正も進まず。低「民度」なニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法》…さらに、司法取引…。

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》

 何度でも、飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。
 鴨志田祐美さん《日本の刑事司法のガラパゴス化は、法務省が考えているよりも深刻です》。小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たして人の心はあるのだろうか耐えがたいほど正義に反する日々は、まだまだ続く》(大谷昭宏さん)

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
          人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
             喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政
   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く
   『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論…
            いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》
   『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
      を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》
   『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
      無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は掌中の
         証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ
   『●飯塚事件…鈴嶋裁判長《「…覚えているのは不自然」…女性の証言…「捜査
     機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない」》
   『●袴田事件、《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である
      可能性が極めて高いと思われる》というのに、またしても検察は死刑求刑
   『●袴田冤罪事件 ――― 冤罪であるという《真実を明らかに》した時、
     被害者遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか?


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https://www.tokyo-np.co.jp/article/335746

<視点>台湾に学ぶべき時だ 論説委員・桐山桂一
2024年6月25日 06時00分

 刑事訴訟法の再審規定再審法の改正に向け、超党派の議員連盟が動き始めている。先月半ばに開かれた第4回の総会では、台湾の弁護士連合会理事長である尤美女さんが招かれて講演をした。

 台湾が実現した再審法改正を模範にすべきなのだ。もともと大正時代の日本の刑事訴訟法をお手本にし、1928年、台湾刑訴法ができた。

 だが、再審法は約87年間も改正されないまま放置されていた。近年になって台湾で再審法改正が現実化した契機は、2012年と14年の再審無罪判決だった。

 前者は集団強盗や殺人などの罪で起訴され、死刑判決となったが、虚偽自白などに基づいていた。

 後者は準強制性交罪の事件だったが、DNA型の再鑑定により再審無罪となった。

 これがきっかけとなり、15年と19年の2度にわたり台湾で再審法が改正された。

 注目すべき改正のポイントは、再審開始のためには従来、有罪判決を揺るがす「確実な新証拠」が必要だったが、これを「新証拠または新事実と改正したことだ。

 これで再審開始のハードルはぐっと下げられた。かつ新証拠や新事実のみを評価するのではなく、既に存在する各証拠と合わせて総合評価する方法を採用した。

 証拠開示も全面的に変わった日本では検察による証拠隠しが横行しているが、台湾では事件のすべての証拠や捜査機関が保有する記録を再審請求人や弁護人が入手できるようになった。つまり無罪方向の証拠を得られやすくなったわけだ

 再審請求審も原則公開の法廷で審理される。法廷で口頭でのやりとりが重視され、証拠調べの手続きも明文化されたことで、事件の真相がよりつかみやすくなった

 また、裁判所の内部規則によって、再審期日についても、4カ月に1回の頻度で開廷が必要になった。公判の迅速化が図られたわけだ。

 驚くべきことは、検察内部にも、冤罪が潜んでいないかチェックする検証機関ができたことだ。形式だけの組織ではなく、能動的に冤罪を探す審査委員会である。

 それらの結果、2022年には地裁で受理した再審請求568件のうち33件の再審開始決定が出た。13年の12件と比べると大きく改善した。

 つまり台湾では冤罪をなくすために、めざましい改革が進行中なのだ。

 日本では500条を超える刑訴法のうち、再審条文はわずか19しかない。かつ1949年の施行から一度も改正されていない

 だから無実を叫びつつ、40年、50年を経ても「無罪」とならない法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実の人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか。台湾に学んで早く法改正を実現せねば。

【関連記事】袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま
【関連記事】飯塚事件の再審認めず、福岡地裁 92年の2女児殺害で死刑執行
【関連記事】「名張毒ぶどう酒事件」再審認めず 最高裁、第10次請求棄却確定へ 1人が初の反対意見
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●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》

2024年07月12日 00時00分05秒 | Weblog

[↑ 飯塚事件 冤罪で死刑執行「再審請求…08年死刑執行」(朝日新聞 2024年06月3日[月])]


(20240616[])
再審法の改正を
 いま何かと話題の鹿児島県警。かつて、鹿児島県警と言えば、原口アヤ子さんの大崎事件。そして、なんと言っても、志布志事件。体質は変わらない。

   『●『冤罪File(2009年12月号)』読了(1/2)
   『●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
    「…など職業裁判官の怠慢の例は
     数え上げたらきりがありません。ましてや、福岡事件西武雄さん
     飯塚事件久間三千年さんといった無罪な人を死刑・私刑にして
     しまった可能性(控え目に表現しています)さえあります。村木厚子さん
     志布志事件の裁判結果などは極々稀な例です」

   『●『検察に、殺される』読了
    「『検察に、殺される』…。粟野仁雄著。…ガタガタの特捜。
     志布志事件…、氷見事件…。甲山事件…(松下竜一さん
     『記憶の闇』)。高知白バイ事件…。布川事件…。足利事件…。
     袴田事件…。村木厚子さん冤罪・証拠捏造事件…。」

   『●冤罪(その2/2): せめて補償を
    「飯塚事件久間三千年さんは、冤罪であるにもかかわらず、
     死刑を執行された。これは、被害者の遺族に対する、
     何と表現して良いのかわからないが……遺族の方たちも
     複雑な感情を抱いてしまうはずだ。/どんな背景や力学が
     働いたのかはそれぞれの事件によって異なるが、布川事件
     氷見事件東電OL殺害事件志布志事件村木厚子氏冤罪事件
     足利事件……、せめて賠償で報いる以外に方法が無いのではないか。
     しかし、その扉は当方もなく厚い。」

   『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」 
              『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)
       「山口正紀さん【「可視化」口実の盗聴法大改悪 
        「刑事司法改革」法案】、「志布志事件の川畑幸夫さん
        …足利事件菅家利和さん…布川事件桜井昌司さん
        …冤罪被害者が声をそろえて「全面可視化を」と訴えた。
        …日弁連執行部の賛成で批判記事を書きにくいのかも
        しれないが、メディアは「冤罪をなくし、人権を守る」視点から、
        法案の危険性を是非伝えてほしい」。青木理さん「刑事司法改革
        …端緒は郵便不正事件・・・法務省に都合よく集約…
        日本の司法は中世なみ

   『●《黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が
     新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ》
    《…志布志事件の被害者川畑幸夫(さちお)さんの聞き書き
     「一歩も退(ひ)かんど」…》

   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたと
     しても、その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
    《布川事件の再審無罪決定と相前後して、足利事件氷見事件
     志布志事件、そして村木厚子さんの郵便不正事件などで次々と
     衝撃的な冤罪が明らかになったことを受けて、公訴権を独占する
     上に、密室の取り調べが許される検察の暴走が冤罪を生んでいる
     との批判が巻き起こり、2009年に民主党政権下で刑事訴訟制度の
     改正論議が始まった。しかしその後、政権が自民党に戻る中、
     一連の制度改正論議の結果として行われた2016年の刑事訴訟法の
     改正では、むしろ検察の権限が大幅に拡大されるという
     信じられないような展開を見せている

   『●《首相の演説にやじを飛ばしただけで、警官に排除される時代…
                 こんな「表現の不自由」な社会を誰が望んだ》?
    「桐山桂一さんの仰る通り、《今日では既に、首相の演説にやじを
     飛ばしただけで、警官に排除される時代である。
     こんな表現の不自由な社会を誰が望んだであろうか》?」
    「《鹿児島県警から任意の「捜査関係事項照会」と呼ばれる依頼を受け、
     うち4図書館で利用者の個人情報が提供》…。
     《警察は政党の手先ではない訳がないし警察は正義の味方
     呼ぶこと》もできない…悲惨な社会。最「低」裁を頂点とした司法も、
     検察や警察も、いまやアベ様に忖度する時代。
     《岸の末裔が首相では日本に未来はない》。」

   『●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょ
      らんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」
    「元鹿児島県警捜査員「適正捜査だった」「自白偏重はだめだと徹底的に
     言われた時代。決して自白の強制はなかった」…本当だろうか?
     原口アヤ子さん以外の3人 (一郎氏・二郎氏・太郎氏) が、
     無実なのに「自白」するだろうか? 志布志事件では何が起きたか?
     在りもしなかった事件を、鹿児島県警から
     「強制的に自白させられた」…。」

 東京新聞の【<社説>捜査書類の管理 冤罪招く「廃棄の助長」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/333457?rct=editorial)。《鹿児島県警が昨年、捜査書類の速やかな廃棄を促す内部文書を捜査員らに配布していたことが明らかになった。後に訂正されたが、「即時廃棄されると再審請求などで被告に有利な証拠が失われる可能性があり、冤罪(えんざい)を招きかねない文書だった。同県警ではほかにも不祥事が続発しており、迷走する組織の立て直しが必要だ。文書は昨年10月、「刑事企画課だより」と題した公文書で、県警本部各部や各署を通じて、捜査員にメールで送られた。再審請求などで、警察にとって都合の悪い書類だったので(検察に)送致しなかったのではないか、と疑われかねないため、未送致書類であっても、不要な書類は適宜廃棄する必要があります」などと記載されていた。また、末尾では「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!と捜査員らに呼びかけていた》。

 (鈴木耕さん)《日本司法の異常さが世界からの批判の的になっているということを、国連ですら認めているのだ。よく言われるように「日本の常識は世界の非常識」の実例である》…それ故の犠牲者がまたしても。再審法改正も進まず。低「民度」なニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法》…さらに、司法取引…。

   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
       …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
   『●人質司法…《保釈請求…東京地裁も却下。否認を貫く相嶋さんに妻が「うそ
     をついて自白して、拘置所から出よう」と頼んだが、首を縦に振らなかった》
   『●大川原化工機でっち上げ事件《勾留後に亡くなった1人》…《無罪主張
       するほど保釈されない「人質司法」》の問題点が最悪の形で顕在化
   『●《恣意的な捜査がえん罪を引き起こした》大川原化工機でっち上げ事件…
     《取調官は「知ったこっちゃないですよ。組織の方針に従うだけですよ」》
   『●大川原化工機でっち上げ事件《勾留後に亡くなった1人》…《無罪主張
       するほど保釈されない「人質司法」》の問題点が最悪の形で顕在化
   『●《恣意的な捜査がえん罪を引き起こした》大川原化工機でっち上げ事件…
     《取調官は「知ったこっちゃないですよ。組織の方針に従うだけですよ」》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国家賠償訴訟・東京高裁控訴審…《原告側
           は事件そのものを「捏造」》《社長らは「真相を明らかにする」》と

 これも、何度でも、書く。飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/333457?rct=editorial

<社説>捜査書類の管理 冤罪招く「廃棄の助長」
2024年6月14日 07時48分

 鹿児島県警が昨年、捜査書類の速やかな廃棄を促す内部文書を捜査員らに配布していたことが明らかになった。後に訂正されたが、「即時廃棄されると再審請求などで被告に有利な証拠が失われる可能性があり、冤罪(えんざい)を招きかねない文書だった。同県警ではほかにも不祥事が続発しており、迷走する組織の立て直しが必要だ。

 文書は昨年10月、「刑事企画課だより」と題した公文書で、県警本部各部や各署を通じて、捜査員にメールで送られた。

 再審請求などで、警察にとって都合の悪い書類だったので(検察に)送致しなかったのではないか、と疑われかねないため、未送致書類であっても、不要な書類は適宜廃棄する必要があります」などと記載されていた。また、末尾では「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!と捜査員らに呼びかけていた

 この文書が一部、ネットに流出して県警内部でも問題視され、11月に「国賠請求や再審請求への対応に必要な文書は廃棄せずに保管管理する必要がある」といった内容に改められた。県警はこうした経緯を公表していなかったが、最近、報道で明らかになった。

 刑事裁判で検察側は、自らに有利な証拠だけを法廷に提出して有罪を立証するケースが大半だ被告に有利な証拠は、検察は基本的に開示せず、そもそもそうした証拠は警察から検察に送られずに眠っていることも少なくない

 名張毒ぶどう酒事件(第11次再審請求を準備中)の鈴木泉弁護団長は「警察当局が組織的に証拠を廃棄させようとするのは、『全ての証拠開示』を求める私たちにとって、無罪立証の機会を奪う行為ではないか」と憤る。

 鹿児島県警では最近、捜査情報を流出させた疑いで巡査長、続いて同様事案で前生活安全部長が逮捕されている。さらに、この前部長が裁判手続きの中で、その後、盗撮容疑で逮捕された巡査部長の捜査中に、「(その事案を)県警本部長が隠蔽(いんぺい)しようとした」と告発。本部長は否定したが、警察庁が監察を行う方針を示している。

 警察組織にあるまじき組織の混乱だ。文書廃棄を求める文書がどんな指示に基づいて出されたのかも含め、徹底した監察で背景を洗い出さなければならない。
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●袴田冤罪事件 ――― 冤罪であるという《真実を明らかに》した時、被害者遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか?

2024年06月15日 00時00分39秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2024年06月03日[月])
捜査機関による証拠捏造》された袴田事件…冤罪であるという《真実を明らかに》した時、被害者遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか?
 袴田巌さんの再審裁判、検察は再び死刑を求刑した。なんという冷酷…。(大谷昭宏さん)《この期に及んでなお、「死刑を求刑する」と言い放つ検察官に、いまも背筋が凍りついている》。さらには、検察の所業は被害者やその遺族をも欺く酷い仕打ちだ。検察は《被害者遺族の「真実を明らかにしてほしい。尊い4人の命が奪われていることを忘れないで」とする意見陳述書も読み上げた》そうだが、冤罪であるという《真実を明らかに》した時、被害者遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか? 遺族の意見陳述では《袴田さんに言及することはなかった》そうだが、検察はその理由をどう考えるか。袴田巌さんや姉ひで子さん、親族の皆さんの人生を滅茶滅茶にした上に、検察や捜査機関は真犯人を取り逃がした訳だ。被害者遺族にどう説明するのか?

 《被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは》誰か? それは、少なくとも、袴田巌さんやひで子さんではない。
 日刊スポーツのコラム【大谷昭宏のフラッシュアップ/袴田さん再審裁判 被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは】(https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202405270000098.html)によると、《陳述で孫は被害家族のなかで、ただ1人生き残った自分の母が事件後どれほど苦労したか切々と訴え、袴田さんにふれることは一切なかった。そして最後に「事実を再度精査し、真実を明らかにしてくださいと強く訴えたのだった。この言葉を胸に刻み込むべきは、代読した検察官、そう、あなたたちではないのか。》

   『●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響
     …暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》
   『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官
     たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》
   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
   『●袴田冤罪事件…タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が
     進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ
    「《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに
     無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も
     自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を
     何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…
     袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』」

   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過
     ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は
     掌中の証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ
   『●48年も獄中に囚われていた袴田巌さん…《検察は再収監を諦めて
     いません》って、正気なのかね? すぐさま、袴田巌さんに無罪を!
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
     まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん
   『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
     …裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》
   『●大谷昭宏さん《袴田事件で審理の引き延ばしを図る検察に、陰湿、陰険、
      姑息、傲慢…などと書いて、一瞬、書きすぎ? と思ったのだが…》
   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たし
     て人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
      死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
        …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
   『●高杉晋吾氏「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」…いつまで《耐えがたいほど
     正義に反する日々は…続く》のか? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん
   『●袴田事件、《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である
      可能性が極めて高いと思われる》というのに、またしても検察は死刑求刑

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https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202405270000098.html

コラム
大谷昭宏のフラッシュアップ
2024年5月27日8時0分
大谷昭宏袴田さん再審裁判 被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは

事件から58年、この秋、無罪が確定するとみられる袴田巌さん(88)の静岡地裁再審裁判が22日、検察側論告求刑、姉ひで子さん(91)の意見陳述を最後に結審した。この期に及んでなお、「死刑を求刑する」と言い放つ検察官に、いまも背筋が凍りついている

メディアの姿勢にも問題はないか。論告は検察の求刑を義務づけているものではない。現に、いずれも再審無罪となった滋賀県東近江市の看護助手患者殺害事件熊本県松橋町男性刺殺事件の再審裁判で、検察は「量刑は裁判所の適切な判断を」として求刑はしなかった。だが、今回このことにふれたのは地元紙、静岡新聞だけだった。

袴田さんは、いま社会に出ているものの、長期の拘禁で心神喪失状態にあることに鑑み、検察は「刑の判断は裁判所に委ねたい」とすべきだったのではないか。

唯一の証拠となった5点の衣類について検察は、再審開始を決定した東京高裁の大善文男裁判長が「捜査機関によって捏(ねつ)された可能性が極めて高い」とした点については、これまで同様の主張をしてきた弁護側に対して「非現実的だ」と反論しただけで、高裁の指摘には、ふれようともしなかった

被告、弁護側には刃(やいば)を突きつけてきても、裁判所という権威とはことを構えたくない。検察の小狡さ(こずるさ)小賢しさ(こざかしさ)ばかりが目につく

検察側は結審で、被害者の孫にあたる男性の心情を代読陳述したいと主張。弁護側は、男性は事件当時、生まれてもいなかった。さらに無実の被告側に聞かせる言葉ではないとして反対したが、検察は強行した。

陳述で孫は被害家族のなかで、ただ1人生き残った自分の母が事件後どれほど苦労したか切々と訴え、袴田さんにふれることは一切なかった。そして最後に「事実を再度精査し、真実を明らかにしてくださいと強く訴えたのだった。

この言葉を胸に刻み込むべきは、代読した検察官、そう、あなたたちではないのか


大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。
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●袴田事件、《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》というのに、またしても検察は死刑求刑

2024年05月27日 00時00分01秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2024年05月23日[木])
袴田事件、《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》というのに、検察は死刑を求刑》しました。ヒトデナシの所業です。第三者には《みそタンクに隠すのは不可能》ですが、唯一、《捜査機関の者》はそれが可能だったのではないですか。《捜査機関の者》には《「実行不可能で非現実的な空論だ」》となぜ言えるのですか?
 とにかく、91歳の袴田ひで子さんが気の毒でならない。また、検察の所業は被害者やその遺族をも欺く酷い仕打ちだ。検察は《被害者遺族の「真実を明らかにしてほしい。尊い4人の命が奪われていることを忘れないで」とする意見陳述書も読み上げた》そうだが、冤罪であるという《真実を明らかに》した時、遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか? 遺族の意見陳述では《袴田さんに言及することはなかった》そうだが、検察はその理由をどう考えるか。袴田巌さんや姉ひで子さん、親族の皆さんの人生を滅茶滅茶にした上に、検察や捜査機関は真犯人を取り逃がした訳だ。
 《白山聖浩弁護士は「間違えましたということができない検察の姿勢は、事件発生時から何も変わっていない」と批判した》。《被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ》。大川原化工機冤罪事件同様、間違いを認めない、謝ることの出来ない検察。そして裁判官の責任。

 共同通信の速報【再審でも死刑求刑、結審へ 捏造「理由ない」、袴田さん公判】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/328643)によると、《検察側は論告で、袴田さんが金品を得るために犯行に及んだと指摘。最大の争点となっている「5点の衣類は袴田さんのものだとし犯行着衣と認められる」と述べ、死刑を求刑した》。

   『●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響
     …暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》
   『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官
     たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》
   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
   『●袴田冤罪事件…タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が
     進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ
    「《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに
     無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も
     自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を
     何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…
     袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』」

   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過
     ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は
     掌中の証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ
   『●48年も獄中に囚われていた袴田巌さん…《検察は再収監を諦めて
     いません》って、正気なのかね? すぐさま、袴田巌さんに無罪を!
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
     まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん
   『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
     …裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》
   『●大谷昭宏さん《袴田事件で審理の引き延ばしを図る検察に、陰湿、陰険、
      姑息、傲慢…などと書いて、一瞬、書きすぎ? と思ったのだが…》
   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たし
     て人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
      死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
        …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
   『●高杉晋吾氏「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」…いつまで《耐えがたいほど
     正義に反する日々は…続く》のか? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん

 東京新聞の記事【袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/328784)によると、《「死刑を求刑します」。被告のいない法廷に検察官の声が響いた。22日、強盗殺人事件で死刑が確定している袴田巌さん(88)の再審公判が結審した。検察側が求めたのは56年前と同じ刑。袴田さんの姉ひで子さん(91)は改めて、心神喪失で不在の弟は無実と訴えた。事件発生から58年余となる9月、判決が言い渡される》。

 それにしても、《元検事の高井康行弁護士》…酷いね。「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」って、正気で言っているのかね? 赤みが残る可能性も立証」されただって??
 東京新聞の記事【袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/328785)によると、《だが、展開した主張や示した証拠は、半世紀以上前の一審時とほぼ同じ血痕の赤みについても「残る可能性があると従来の主張の域を出なかった》。また、《◆「有罪の立証になっていない」 関東学院大の宮本弘典教授(刑事法)…》、一方、《◆「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」 元検事の高井康行弁護士…赤みが残る可能性も立証しているので、確定判決までの証拠によって(袴田さんの)犯人性は裏付けられる》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/328643

再審でも死刑求刑、結審へ 捏造「理由ない」、袴田さん公判
2024年5月22日 14時39分 (共同通信)

     (自宅前で取材に応じる袴田巌さんの姉ひで子さん
      =22日午前、浜松市)

 1966年に静岡県清水市(現静岡市)のみそ製造会社専務一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審第15回公判が22日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれた。検察側は論告で、袴田さんが「金品を得るために犯行に及んだ」と指摘。最大の争点となっている「5点の衣類は袴田さんのものだとし犯行着衣と認められる」と述べ、死刑を求刑した。

 一連の証拠を捏造とする指摘に対しては「合理的理由がないと否定した。袴田さんの服と酷似した衣類を用意し、従業員に知られないようにみそ工場に侵入してみそタンクに隠すのは不可能だとして、捜査機関の捏造だとする指摘は「実行不可能で非現実的な空論だ」と強調した。

 被害者遺族の「真実を明らかにしてほしい。尊い4人の命が奪われていることを忘れないで」とする意見陳述書も読み上げた。

 同日午後、弁護側の最終弁論や、姉ひで子さん(91)の最終意見陳述を経て結審する見通し。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/328784

袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」
2024年5月23日 06時00分

 「死刑を求刑します」。被告のいない法廷に検察官の声が響いた。22日、強盗殺人事件で死刑が確定している袴田巌さん(88)の再審公判が結審した。検察側が求めたのは56年前と同じ刑。袴田さんの姉ひで子さん(91)は改めて、心神喪失で不在の弟は無実と訴えた。事件発生から58年余となる9月、判決が言い渡される。

 旧清水市一家4人強盗殺人事件と袴田さんの再審 1966年6月30日、旧清水市のみそ製造会社専務宅から出火、焼け跡から4人の他殺体が見つかった。従業員だった袴田さんが強盗殺人罪などで起訴され、無罪を主張したが80年に最高裁で死刑が確定した。第2次再審請求審で2014年に静岡地裁が再審開始を認め、死刑執行と拘置が停止に。袴田さんは約48年ぶりに釈放された。検察の異議申し立て(即時抗告)で審理は続き、昨年3月、東京高裁は「5点の衣類」が捜査機関に捏造(ねつぞう)された可能性を指摘した上で、再審開始を決定。検察側の特別抗告断念で確定し、同10月27日に再審の初公判が開かれた。

     (自宅でくつろぐ袴田巌さん=浜松市内で
      (袴田さん支援クラブ提供の動画から))


◆再審7カ月 ようやく結審

 「強固な殺意」「生命軽視の態度は顕著」—。

 静岡地裁の202号法廷。男性検察官は論告で、袴田さんの罪状などについて淡々と口にしていった。読み上げは数時間。「特段くむべき事情も認められない」と極刑が相当とした。

 求刑時、ひで子さんは正面を見つめたまま、表情も変えなかった。この日は白色のジャケット姿。「白(無実)ということを強調するように」との考えからだ。再度の死刑求刑については「検察側の都合でやっていることだから、当たり前だと思う」と受け止めた。

 袴田さんが待ち望んだ再審の開始が確定したのは昨年3月。同10月に始まり、7カ月をへて結審した。ひで子さんは記者会見で「ようやく終わった。判決が出たら、巌に裁判のことを伝えようと思っております」。「もうこれで勝ったようなものだと思っている」と晴れやかな表情で語った。


◆弁護団「検察官は汚点残した」

 ひで子さんの会見には、弁護団も同席。検察側の死刑求刑への怒りを示し、角替清美弁護士は「検察官は今日、汚点を残した」。白山聖浩弁護士は「間違えましたということができない検察の姿勢は、事件発生時から何も変わっていない」と批判した。

 検察側が証拠捏造(ねつぞう)を否定したことにも不満を示し、小川秀世弁護士は「5点の衣類が(犯行時の着衣との)根拠は何もない」と批判。「裁判所に捏造をはっきりと認定してもらいたい。弁護側はそれだけの立証はできた」と自信をのぞかせた。

 一方、公判後に会見した静岡地検の小長光健史次席検事は死刑求刑について「極めて悪質な事案であることを踏まえた」と理由を述べ、「被告人が有罪であることは立証されている」と説明。証拠捏造の疑いの指摘には「現実的に行い得ない」と反論した。

 取材に応じた検察幹部は「法と証拠に基づき、証拠を十分に検討し、慎重に見極めて事案に見合う量刑として求刑した。メンツのために死刑求刑したということはこれっぽっちもない」と強調した。(東田茉莉瑛、長谷川竜也)

     (袴田巌さんの再審公判で、静岡地裁に入る姉ひで子さん(左)
      と弁護団事務局長の小川秀世弁護士)


 


◆みそ製造会社専務の孫「真実を明らかにして」と意見陳述

 再審公判では、事件で殺害されたみそ製造会社専務の孫が書面で意見陳述した。書面は検察官が自席で代読。冒頭で「尊い4人の命が奪われたことを忘れないで」と訴え、「事実を精査し、真実を明らかにして」と願いを伝えた。袴田さんに言及することはなかった

 孫は、自身の母である専務の長女が、事件で家族を失ったことで「計り知れないほどの悲しみと恐怖を感じ、重度のうつ病にかかった」と述べた。2014年に静岡地裁が再審開始を決定する直前に亡くなったという。

 読み上げられた書面では、事件で生き残ったことなどを理由に長女がネット上で犯人視されてきたことや、「自殺した」とうわさされたことを明かし、「根拠のない話」と強調。再審公判で、事件の真相が解明されることを望んだ。(佐々木勇輝)


 


◆「お母さん、遠からず真実を立証して帰りますからね」

  再審公判も終盤に近づいた午後5時過ぎ。袴田巌さんの姉ひで子さんは最終意見陳述で証言台に立った。国井恒志裁判長と正対し、片手にはA4判の用紙。「今朝方、母さんの夢を見ました、元気でした、夢のように元気でおられたらうれしいですが、お母さん、遠からず真実を立証して帰りますからね」と読み上げた。

 袴田さんが獄中から母にあてた手紙だった。無実を信じた母は一審の公判に通い続け、1968年の死刑判決の2カ月後に亡くなった。ひで子さんは、袴田さんが体験した苦悩や無念を代弁するように読み上げ、用紙を持つ手は震えた。

 手紙部分を伝え終えると、時折、裁判長に視線を向けながら「(袴田さんは)釈放されて10年たちますが、いまだ拘禁症の後遺症、妄想の世界にいる心は癒えておりません」と言葉をつないだ。(足達優人)


【関連記事】袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま
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【関連記事】袴田さんに検察は求刑どうする 検察組織は変わったのか…OBは語った 
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/328785

袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま
2024年5月23日 06時00分

 1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審公判が22日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で結審した。検察側は、事件現場近くで見つかった「5点の衣類」は袴田さんの犯行時の着衣と認められるなどとして死刑を求刑。弁護側は、捜査機関が証拠を捏造(ねつぞう)したと主張し、無罪を訴えた。判決は9月26日。


◆検察側 捏造は「非現実的で実行不可能な空論」

 長期間拘束された影響による拘禁症状が残る袴田さんに代わって出廷した姉ひで子さん(91)は最終意見陳述で、「巌を人間らしく過ごさせてくださいますよう、お願い申し上げます」と訴えた。

     (支援者とドライブへ出かける袴田巌さん
      =22日午後2時59分、浜松市内で)

 刑事訴訟法は再審公判について、「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠」が認められた場合に開かれると規定。袴田さんも無罪の公算が大きい。

 検察側は論告で、金品を得るための袴田さんの犯行と指摘。最大の争点となった5点の衣類に付着した血痕を巡っては「赤みは残りうる」と弁護側に反論した。証拠を捏造した、との指摘には「非現実的で実行不可能な空論」と否定した。その上で「強固な殺意に基づく極めて冷酷で残忍な犯行」と述べた。検察側は論告に先立ち、「事実を精査し、真実を明らかにしてほしい」との被害者遺族の意見陳述書を読み上げた。

 弁護側は最終弁論で、東京高裁による再審開始決定などを引き合いに「検察側の証拠はすでに否定されているか、ほとんど価値がないものだ」と主張。5点の衣類について「袴田さんを犯人に仕立てあげるために捜査機関が捏造した証拠」と改めて訴えた。

 5点の衣類は事件発生から1年2カ月後、袴田さんの勤務先のみそタンク内で見つかった。確定判決は袴田さんの犯行時の着衣と認定。再審請求審では、長期間みそ漬けにされた血痕に赤みが残っていたことは不自然かが争われ、東京高裁は昨年3月、弁護側の主張を認めて赤みは残らないと判断。捜査機関による証拠捏造の可能性を指摘し、再審開始を認めた。再審公判は昨年10月に始まり、この日は15回目。

 戦後、被告の死刑確定後に再審公判が開かれた4事件では、いずれも検察側が死刑を求刑したが、無罪となっている。(足達優人、佐々木勇輝)


◆検察がこだわった「証拠捏造」への反論

 記者解説 7カ月の審理の末、検察側は56年前と同じ死刑を求刑した。再審公判で袴田さんの有罪立証に改めて取り組んだが、過去の主張の繰り返しが目立った。その一方で、証拠捏造(ねつぞう)の疑いを払拭することには強いこだわりを見せた。

     (袴田巌さんの再審公判で、支援者らに手を振って
      静岡地裁に入る姉ひで子さん(前列左)と弁護団
      事務局長の小川秀世弁護士(同右))

 再審公判は、過去の判決や決定に拘束されない。再審請求審では検察側、弁護側双方の争点は5点の衣類に付いた血痕の赤みに絞られたが、検察側は再審公判で「一から立証し、裁判官に総合判断を求める」と表明していた。

 だが、展開した主張や示した証拠は、半世紀以上前の一審時とほぼ同じ。血痕の赤みについても「残る可能性がある」と従来の主張の域を出なかった

 5点の衣類を捜査機関が捏造した疑いに対しては、当時の状況や発覚のリスクなどから「非現実的で、不可能」と多くの時間を費やして否定した。この日の論告でも、「捏造の主張に合理的な根拠はない」などと否定の言葉を繰り返した。

 弁護側は5点の衣類だけでなく、他の一部の証拠も捏造されたと主張。捏造を認定した上での無罪判決を求めている。再審開始を判断した静岡地裁、東京高裁に続いて三たび裁判所が捏造の疑いを指摘すれば、捜査当局への打撃は計り知れないだろう。(山本真嗣)


◆「有罪の立証になっていない」

 関東学院大の宮本弘典教授(刑事法)の話 1年以上みそ漬けされた「5点の衣類」の血痕には赤みが残らないと判断した再審開始決定で、確定判決の証拠構造に疑いが出た。再審では検察側に「赤みが残る」ことを証明する必要があった。どのような状況であれば赤みが残り、実際にその状況で5点の衣類がみそタンクに漬かっていた事実を証明しなければならなかった。検察側は「赤みが残りうる」という可能性の指摘にとどまった。有罪の立証になっていない


◆「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」

 元検事の高井康行弁護士の話 当時のみそタンク内の状況を再現できない限り、「5点の衣類」の血痕に赤みが100%残らないとは言えない。再審のポイントは、捜査機関が5点の衣類を捏造(ねつぞう)したかどうか。検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した。赤みが残る可能性も立証しているので、確定判決までの証拠によって(袴田さんの)犯人性は裏付けられる。


【関連記事】袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」
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●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》

2024年03月07日 00時00分23秒 | Weblog

(20240302[])
常に無実を訴え続けた久間三千年さんを冤罪で死刑執行してしまった飯塚事件。こんな理不尽なことが世の中にあるだろうか? こんな正義が許されるのか。#正義の行方。きちんと確認することもなく、気安く死刑執行にサインしたのは、当時、飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相だ。《一貫して全面否認だったが、2006に死刑判決が確定。08年に執行された》。僅か2年後に死刑執行。もう一つ、足利事件のDNA鑑定問題との関係…《2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ》⇨《2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行》。なぜ、そんなに死刑執行を急いだのか? 両事件では同じDNA鑑定手法が使われていた。足利事件の再鑑定結果をなぜ待たなかったのか? 《2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず》。もう一点加えれば、木寺一孝監督「浮かばれないのは被害者の2死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか」。真犯人を逃してしまったこと、さらには、被害者や遺族が居た堪れないこと、やるせないこと。検察や警察の大きな罪だ。
 《「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう》。そして、マスコミ。《事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち》。
 《◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初》。《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
     証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》



【映画『正義の行方』特報予告(2024年4月27日㊏公開)】
 (https://youtu.be/mlLKQ26ZZzc
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文化庁芸術祭大賞受賞の傑作ドキュメンタリー、ついに映画化
映画『正義の行方』4/27㊏よりユーロスペースほか全国順次ロードショー!

◤イントロダクション◢
これは私たちの「羅生門」
死刑が執行されたいまも多くの謎につつまれた「飯塚事件
〈真実〉と〈正義〉がぶつかりあう圧巻のドキュメンタリー

1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された「飯塚事件」。DNA型鑑定などにより犯人とされた久間三千年2008年に死刑が執行された。しかし冤罪を訴える再審請求が提起され、事件の余波はいまなお続いている。本作は、弁護士、警察官、そして新聞記者という立場を異にする当事者たちが語る真実〉と〈正義〉を突き合わせ、事件の全体像を多面的に描きながら、この国の司法の姿を浮き彫りにしていく。

圧巻は、事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち。その姿勢は、マスメディアへの信頼が損なわれ、新聞やテレビなどの“オールドメディア”がビジネスモデルとしても急速に翳りを見せる今日たしかな希望として私たちの心を捉える。ある記者は言う。「司法は信頼できる、任しておけば大丈夫だと思ってきたけど、そうではないとこのことこそ社会に知らせるべきだし、我々の使命だと思っています」

「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう。

ーー ーー ーー
『正義の行方』
ーー ーー ーー
2024/4/27(土)より[東京]ユーロスペースほか全国順次公開

監督:木寺一孝 制作統括:東野真 撮影:澤中淳 音声:卜部忠 照明:柳守彦 音響効果:細見浩三 編集:渡辺政男 制作協力:北條誠人(ユーロスペース) プロデューサー:岩下宏之
特別協力:西日本新聞社 協力:NHKエンタープライズ テレビ版制作・著作:NHK 制作:ビジュアルオフィス・善 製作・配給:東風

2024年/158分/DCP/日本/ドキュメンタリー (C) NHK

WEB https://seiginoyukue.com

X   @seiginoyukue
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 木寺一孝監督「事件の経過を知り、大変なことだと驚いた死刑が執行されて、もし無罪になれば、法治国家が揺らぐ大問題だと」。《司法の場では、検察官、弁護士、裁判官が証拠をそれぞれ取捨選択》…でも、これは検察官に証拠が偏在し、弁護士サイドに公開されない多数の検察官や警察官サイドに〝不利な〟証拠、被告の無実を示す証拠が開示されないことが問題なのでは。それらの証拠は国費を使って警察や検察が集めた証拠なのではないのか。裁判官が証拠の開示を強く求めない理由は何か? 
 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/311256?rct=tokuhou)。《1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」。元死刑囚の妻による第2次再審請求で、福岡地裁は非公開審理を終え、再審開始を巡る決定が4月以降に出る見通しとなった。同月には、事件関係者に密着したドキュメンタリー映画「正義の行方」の上映が始まる。監督の木寺一孝さん(58)が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」だった。(西田直晃)》


 何度でも、書く。飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
     証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/311256?rct=tokuhou

こちら特報部
警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は
2024年2月25日 12時00分

 1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」。元死刑囚の妻による第2次再審請求で、福岡地裁は非公開審理を終え、再審開始を巡る決定が4月以降に出る見通しとなった。同月には、事件関係者に密着したドキュメンタリー映画「正義の行方」の上映が始まる。監督の木寺一孝さん(58)が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」だった。(西田直晃


◆制作期間10年超、それぞれの述懐の「熱量」

 「30年以上前の事件であっても、登場人物の誰もがはっきりした記憶を持ち、自分自身の感情の揺れをそのまま語ってくれた。それでいて熱量もあった」

     (映画「正義の行方」について話す木寺一孝監督)

 インタビューのさなか、木寺さんは10年超の制作過程を振り返りつつ、自らも熱っぽく語った。警察官、弁護士、地元紙の西日本新聞の記者らの述懐により、事件の全体像、今もあいまいな真実の断片を照らし出すよう試みた。


 木寺一孝(きでら・かずたか) 映画監督。1965年、佐賀県有田町生まれ。88年に京都大を卒業後、NHKに入局し、死刑や少年事件などを題材にしたドキュメンタリー番組を制作した。昨年退局。他の監督作品に「”樹木希林”を生きる」。


◆女児2人を殺した罪などで2008年に死刑執行

 事件が起きた飯塚市は、福岡県中部に位置する人口約12万の地方都市。当時、女児2人が登校の途中に行方不明になり、翌日に約20キロ離れた山中で2人の遺体が見つかった。その2年7カ月後、同じ校区に住む久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚=執行時(70)=が死体遺棄容疑で同県警に逮捕された。殺人罪などでも起訴され、一貫して全面否認だったが、2006に死刑判決が確定。08年に執行された。元死刑囚の妻が命日の1年後に再審請求した。

     (久間三千年 元死刑囚(関係者提供))

 木寺さんはこの第1次再審請求から3年後の12年に撮影を始めた。「事件の経過を知り、大変なことだと驚いた死刑が執行されて、もし無罪になれば、法治国家が揺らぐ大問題だと

 再審開始決定後に世に出す予定だったが、機会はなかなか訪れない。「事件の撮影から離れた時期もあった」と明かす木寺さん。転機は、西日本新聞が18〜19年に掲載した独自の調査報道だった。計83回に及ぶ検証紙面に「勇気を得た」といい、取材を重ね、再審請求の行方にかかわらず、世に問おうと決めた。

 第1次再審請求は21年4月、最高裁で退けられたが、22年にBS1スペシャルで3部作のドキュメンタリー番組を放送。今回、それを基に劇場版をまとめた。


◆警察官はつぶやき、弁護士はうなだれた

 「無力やった…」とつぶやく元駐在所員、「俺たちが久間さんを殺した…とうなだれる弁護士、「僕は被告の立場…と述懐する新聞記者。15人ほどの関係者がカメラの前で独白し、スクリーンに浮かび上がったのは三者三様の「葛藤」だった。警察は元死刑囚の自白や謝罪を得られなかったこと、弁護団は再審請求が遅れたこと、新聞社は逮捕前に「重要参考人」のスクープを打ったこと。それぞれが抱える出口のない自問自答をすくい上げた。

     (劇中の一場面。事件を振り返る逮捕当時の
      福岡県警捜査1課長=ⓒNHK)

 「関係者は事件を今まで引きずってきた」と語る木寺さん。「事件当日、被害女児の捜索に携わった小学校の教員でさえ、自分が見つけられていたら…という苦しみを抱えている。その先生は生け花を始め、子ども向けの小説を書くようになった。あの日を起点に人生が左右された人々がたくさんいる

 腰を据えて関係者の胸の内に迫った。元死刑囚が犯人だという心証について、地元での類似事件や元死刑囚の前歴が影響した点を、捜査員自身があけすけに語っている。「裁判は検事と弁護士の芝居」という司法への不信感が見て取れるフレーズも。先行した犯人視報道に「特ダネ競争のプレッシャー」があったと記者は吐露する。「差し向かいで話を聞く中で、予期しない本心がその場で言葉になった」(木寺さん)。仕事への矜持(きょうじ)表裏一体の本音があぶり出されている。


◆「人が人を裁くのがいかに難しいか」

 制作過程を通じ、木寺さんは「人が人を裁くのがいかに難しいか。あらためて痛感した」と強調する。

 「DNA鑑定などの科学鑑定にしても、一つの結論ではなく、二手に分かれて論争の対象になる。司法の場では、検察官、弁護士、裁判官が証拠をそれぞれ取捨選択し、人物の主観が入り込む余地がある。『正義の行方』と題したが、撮影を積み重ねるうちに、正義の行方はさらに混沌(こんとん)としてきた。飯塚事件の白黒も簡単には言えない」

     (劇中の一場面。現場で事件を振り返る
      元西日本新聞の記者=ⓒNHK)

 その上で、現行の司法制度への見解をこう語る。

 「難しいからこそ、本来はもっと慎重に、厳密に精査しないといけない。死刑制度のある日本では特に」と語り、さらに、こう付け加えた。「誤りが分かればすぐに改めればいいのに、なかなか日本では認めたがらない。報道も、司法も。袴田巌さんの事件だって、再審開始が決定後も長々と公判は続いている。間違いが分かっても、そこから逃げている面は否めない」

 女児たちの遺体が発見された雑木林には、2体の小さな地蔵が今も並ぶ。木寺さんは「最終的に立ち返るのはこの現場」と言葉に力を込めた。

 「浮かばれないのは被害者の2死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか。その点を絶対に忘れてはいけないし、知ってほしいという思いで撮影した」


◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初

 飯塚事件で再審が始まれば、死刑執行事件で史上初となる。久間元死刑囚の妻は21年7月、新証拠とともに第2次再審請求をした。弁護団は今月中旬、新証拠の一端を公表した。

 確定判決の根拠の一つは、被害女児2人を最後に目撃した女性の証言だった。ところが、この女性が「事件当日には子どもを見ていない」と、弁護団に対して証言を覆した。女性に対する福岡地裁の尋問も既に行われ、再審可否の争点となるという。

     (久間三千年元死刑囚が妻に宛てた無罪を訴える手紙)

 第1次再審請求審では、被害女児の遺体に付着した血液と元死刑囚のDNA型が一致したとする鑑定結果の信用性が争われた。裁判所は鑑定の信用性の弱さを認めた一方、他の複数の証拠で犯人性は証明されているとして請求を退けた。

 死後再審の例は少ない。再審公判で無罪判決が出たのは、日弁連の支援事件では殺人罪で懲役13年が確定した1953年の「徳島ラジオ商殺し」だけだ。ほかには84年に滋賀県日野町で起きた強盗殺人の犯人とされ、無期懲役となった元受刑者が死亡した「日野町事件」で、2018年に大津地裁が再審開始を決定した。検察側が抗告し、現在は最高裁で争われている。


◆死刑確定後、早い段階で執行された

 飯塚事件について、元東京高裁判事の木谷明弁護士は「DNA鑑定の信用性に疑いが出て、再審請求されるのが確実だったのに、死刑確定の2年後という早い段階で執行された。この事件だけ特に執行を急いだ理由は見当たらず、DNA再鑑定をできなくさせるためと疑われてもやむを得ないせめて、死後でもうやむやにせず、しっかり結末を付けるべきだ」と話す。

 青山学院大の葛野尋之教授(刑事法)は「本人の死後、近親者の死亡や高齢化、事件後の関係悪化で再審請求人が不在になりがちだ。弁護士会などの公益的な立場にある機関が請求人になれる法整備が必要だ」と指摘し、こう続ける。

 「死刑確定後の再審無罪は4件あるが、どの事件も最初から明らかに無罪と分かっていたわけではない。受刑者の死亡後に有力な新証拠が出てくるケースもあり、死刑執行については慎重に吟味しなければならない。飯塚事件の例は、死刑制度と再審制度を並行する限り不可避的に起きる問題をはらんでいる」


◆デスクメモ

 女児らの最後の目撃者とされた女性は「(捜査側から自分の記憶と違う調書を作られた」と語ったという。事実としたらとんでもない話だ過去の出来事では済まされない恣意(しい)的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う。(北)


  ◇

 映画「正義の行方」の公開は、4月27日から東京都渋谷区の「ユーロスペース」で。全国で順次上映される。158分。


【関連記事】被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ
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●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》

2024年02月19日 00時00分12秒 | Weblog

(2024年02月17日[土])【【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す見たのは別の日捜査員に見ていないと伝えてもいや見たんだと押し切られた」 福岡】
 (https://www.youtube.com/watch?v=u2fizs8t1Wo)

 酷いなあ…冤罪で死刑執行飯塚事件。当時の首相は麻生太郎氏、法相は森英介氏。冤罪死刑飯塚事件飯塚冤罪事件) … 検察が《証拠品のリストの開示を拒否!? 今度は、《最後の目撃者とされる女性が証言を翻す見たのは別の日捜査員に見ていないと伝えてもいや見たんだと押し切られた」》って、もう無茶苦茶。警察・検察や裁判所は、何時まで「先輩達の罪」を庇い続けるつもりか? いい加減にしろ。
 FBSのニュース映像【【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す「見たのは別の日で捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」 福岡】(https://www.fbs.co.jp/news/news96zjgpbjoq6rw0z29x.html)。《犯人として死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚の妻が、2021年に2度目の裁判のやり直しを申し立て、現在、裁判所、検察、弁護団による協議が続いています。弁護団によりますと、証言を翻したのは女の子2人を最後に目撃したとされる女性です。女性は1992年2月20日の事件当日の朝、小学校に登校していた女の子2人を車で通勤途中に目撃したとされますが、弁護団に対し「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだと押し切られた」などと話したということです》。

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https://www.fbs.co.jp/news/news96zjgpbjoq6rw0z29x.html

【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す「見たのは別の日で捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」 福岡
福岡  2024.02.15 19:49

今から32年前に女の子2人が殺害された「飯塚事件」で新たな展開です。裁判のやり直しをめぐる三者協議が開かれ、弁護団は、女の子を最後に目撃したとされる女性が当時の証言を翻していることを明らかにしました。

この事件は32年前、福岡県飯塚市の小学生の女の子2人が殺害されたものです。

犯人として死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚の妻が、2021年に2度目の裁判のやり直しを申し立て、現在、裁判所、検察、弁護団による協議が続いています。

弁護団によりますと、証言を翻したのは女の子2人を最後に目撃したとされる女性です。

女性は1992年2月20日の事件当日の朝、小学校に登校していた女の子2人を車で通勤途中に目撃したとされますが、弁護団に対し「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだと押し切られた」などと話したということです。

弁護団は、この内容について新たな証拠として裁判所に提出していて、去年11月には女性への証人尋問が行われました。

当時の目撃証言を改めた理由について、女性は「自分の証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話したということです。

弁護団は「確定判決が認定した誘拐場所や時間の根拠がなくなった」「確定判決は久間氏の車に良く似た紺色ワゴン車が同じ頃にその場所で目撃されたことを状況証拠の一つにしているが、この車と犯行は結びつかない」と主張しています。
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   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
        検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定
   『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
        着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
        その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ
     「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》

 何度でも、飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

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●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》

2023年12月28日 00時00分37秒 | Weblog

[↑ ※袴田事件捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(20231108[])
〝叫べなくなる〟のを待つ冷酷な司法…原口アヤ子さん、一貫して「あたいはやっちょらん」。
 大崎事件、(第4次再審請求の即時抗告審)再審開始認めず。福岡高裁宮崎支部・矢数昌雄裁判長殿、一体どうなってんのかね、裁判所は? ――― 原口アヤ子さん、一貫して「あたいはやっちょらん」。《「無辜(むこ)の人の救済を目的とする再審の理念》はどこに? (西日本新聞)《医学の専門家でない裁判所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断と言える》。
 原口アヤ子さんの懸命の叫びは裁判官には届かない…。(2022年07月)《これまでに地裁、高裁で3度再審開始が認められたが、いずれも検察側の不服申し立てを受け、2019年には最高裁が、鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部の開始決定を取り消していた》、かつて、最「低」裁ちゃぶ台返ししている。一体どこまでボンクラ裁判官なのか?

   『●《周防正行さんが「あたいはやっちょらん。大崎事件第4次再審請求
     ・糾せ日本の司法」と銘打ち、インターネット上に立ち上げた…CF》
   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
       侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?
   『●原口アヤ子さん・大崎冤罪事件…《被害者は自転車事故による出血性
     ショックで死亡した可能性があり「殺人なき死体遺棄事件」だった》?
   『●大崎事件、再審開始を認めず ――― 終始一貫して「あたいはやっちょ
     らん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びはなぜ裁判官には届かないのか?
   『●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょ
     らんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」
   『●大崎事件《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《医学の専門家でない裁判
      所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断》

 東京新聞のコラム【<視点>大崎事件の新鑑定 殺人でなく事故死では 論説委員・桐山桂一】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/287218?rct=shiten)。《1979年に鹿児島県大崎町の牛小屋で遺体が見つかった大崎事件は、そんな状況から起きた。親族の原口アヤ子さんらが絞殺したとして、殺人罪などで有罪確定。既に服役を終えてもいる。だが、客観証拠がほとんど存在しないのだ。実際に過去3回も裁判所で再審開始が決定されたが、その都度、検察の抗告により上級審で退けられた》。

 再審法改正が必要。袴田事件…事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ。(西日本新聞)《日本弁護士連合会は…再審法(刑事訴訟法の再審規定)の整備を求める集会を国会内で開いた。法曹関係者に加え、与野党の議員が約60人(代理も含む)出席。証拠開示の制度化や、再審請求審での検察の不服申し立て(抗告)禁止を法制化する必要があるとの認識で一致した。再審を規定する刑事訴訟法の条文はわずか…》。
 東京新聞のコラム【<考える広場>冤罪はなぜ生まれるか? 桐山桂一・論説委員が聞く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/271962)/《冤罪(えんざい)ほど人生や人権を踏みにじる不正義はない。静岡県の四人殺害事件で犯人とされた袴田巌さんの再審が決まった。鹿児島県の大崎事件は再審請求が高裁で退けられたが、冤罪が疑われる。再審法改正を求める日弁連の中心として、全国を走り回る鴨志田祐美弁護士に「なぜ冤罪は生まれるのか?」を聞いた》。

 何度でも、飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たし
     て人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》

 鴨志田祐美さん《日本の刑事司法のガラパゴス化は、法務省が考えているよりも深刻です》。小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たして人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は、まだまだ続く》(大谷昭宏さん)。
 袴田冤罪事件、日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度の例ではないか。《残酷で異常な出来事と欧米などでは受け止められている》、《日本でも放置し続けてきた再審法を整備すべきときが来ている法務・検察はそのことも自覚すべきである》(東京新聞社説)。何十年にも渡って無実の袴田巌さんを牢屋につなぎ、しかも証拠が捏造されていたとまで裁判所が指摘。再審裁判で、「有罪」を主張するのはいったいどういう神経か? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、一体どこまで人権侵害すれば気が済むのか。(東京新聞社説)《無実の訴えから半世紀日本の刑事司法の異様さをも表している。すでに87歳の高齢。残る人生と名誉をこれ以上、検察は奪ってはいけない》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/287218?rct=shiten

<視点>大崎事件の新鑑定 殺人でなく事故死では 論説委員・桐山桂一
2023年11月1日 06時00分

 被害者の男性は朝から酒に酔っていた。午後5時半ごろには雑貨店で焼酎を買った後に自転車ごと深さ1メートルの側溝に転落してしまった。

 誰かに引き上げられ、道路脇に横たわったままの状態で放置された。夜になって近隣の男性2人が小型トラックの荷台に被害者を乗せ、自宅まで運んだ。それが午後9時ごろのことだ。

 1979年に鹿児島県大崎町の牛小屋で遺体が見つかった大崎事件は、そんな状況から起きた。

 親族の原口アヤ子さんらが絞殺したとして、殺人罪などで有罪確定。既に服役を終えてもいる。だが、客観証拠がほとんど存在しないのだ。

 実際に過去3回も裁判所で再審開始が決定されたが、その都度、検察の抗告により上級審で退けられた

 第4次の再審請求は高裁に棄却されてしまい、弁護側は現在、最高裁に特別抗告を申し立てている。新鑑定により、殺されたのではなく「事故死だったとの主張だ。「自宅に運ばれた時点で既に被害者は呼吸停止か心停止だった」ことを示す。

 埼玉医科大学総合医療センター長の澤野誠教授による医学鑑定である。重症外傷患者の診療を専門とする日本随一の外傷センターで、頸椎頸髄の損傷症例数は国内でトップだ。澤野氏は救護活動についての専門家でもある。

 「遺体には三つの明らかな出血があった」と澤野氏は指摘する。「溝への転落による限度を超えた頸部の後屈と右捻り。飲酒と低体温による脱水と腸管動脈の収縮からの広範囲な小腸壊死を出血が示します」

 溝への転落で頸髄損傷による運動麻痺や頸椎を支える靱帯の損傷をきたしたことも分かるという。さらに近隣の2人がトラックに乗せた際、頸椎保護をしない手荒な救護だったため、頸髄損傷が悪化し、呼吸停止した可能性が高いともいう。

 だが、搬送した2人は「被害者は歩いて自宅に入った」と供述した。確定判決のよりどころだが、新鑑定とは合致しない。かつ2人の供述を立命館大学の稲葉光行教授が分析したところ、「2人で被害者を抱えて玄関に入った」「千鳥足で被害者1人で玄関に入った」と食い違う

 さらに「被害者を自宅土間に置いた」という点は「覚えていない」とか、沈黙や言いよどみが高い頻度で起きているという。稲葉教授は「搬送した2人が実際に体験したことを述べたものではないと考えるのが妥当」と結論づけている。

 これら医学鑑定と供述分析を合わせると、確定判決が殺人事件と決め付けたことに疑問が湧くであろう。つまり被害者は自宅に運ばれた時点で既に死亡しており、殺人事件にはなり得ない―そう指し示していよう。原口さんは一貫してやっちょらん」。最高裁は新証拠に真摯に向き合ってほしい。


【関連記事】<考える広場>冤罪はなぜ生まれるか? 桐山桂一・論説委員が聞く
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/271962

<考える広場>冤罪はなぜ生まれるか? 桐山桂一・論説委員が聞く
2023年8月23日 08時00分

     (コラージュ・小河奈緒子)

 冤罪(えんざい)ほど人生や人権を踏みにじる不正義はない。静岡県の四人殺害事件で犯人とされた袴田巌さんの再審が決まった。鹿児島県の大崎事件は再審請求が高裁で退けられたが、冤罪が疑われる。再審法改正を求める日弁連の中心として、全国を走り回る鴨志田祐美弁護士に「なぜ冤罪は生まれるのか?」を聞いた。


再審法> 刑事訴訟法の再審規定。500以上も条文のある同法のうち、再審の条文は19のみで、規定が不備なまま、70年以上も放置されている。再審請求審は裁判所の裁量に委ねられ、証拠開示の基準や手続きは不明確なうえ、再審開始が決定されても検察官の不服申し立てなどによって、冤罪被害者の早期救済が妨げられている


◆証拠開示ルールを今すぐ 弁護士・鴨志田祐美さん

 桐山 全国キャラバンの手ごたえはどうでしょう。

 鴨志田 ここ一カ月だけでも沖縄や島根、三重などを回りました。各地の弁護士会が企画したシンポジウムなどです。東京の中学のPTAからは生徒と保護者向けに話を頼まれました。京都の高校では生徒自身が再審法改正の立法論まで研究している。それだけ広がりはあるし、共感を持ってくれています。
 私自身は二十年近く再審弁護に関わっています。日弁連では二〇一九年の人権擁護大会で再審法改正の決議を採択しましたが、直前に最高裁による大崎事件の再審取り消しがありました。そのころからマスコミの論調も法制度そのものがおかしいと変わってきた感じがします。


 桐山 大崎事件は一九七九年に男性の遺体が発見された事件ですが、物証がなく本当に殺人事件なのか事故死だった可能性が指摘されます。事件当初の鑑定も「他殺か事故死か不明」と変更され、第四次再審請求で出された救命救急医の鑑定では「被害者は家に運び込まれるまでに既に死亡していた」です。それなら殺人事件にならず、犯人とされる原口アヤ子さんも再審無罪のはずです。ところが、福岡高裁宮崎支部は今年六月に「再審認めず」の判断をした。不可解に思えました。

 鴨志田 原口さんは一度も自白せず無実を訴えています。共犯者とされた親族の「自白」が確定判決の支えなのです。でも、その人たちは「供述弱者」。知的障害などがあって、厳しい取り調べに迎合してしまう。今なら供述弱者には録音・録画すべきことが捜査機関内でも共通認識ですが、当時は違った。それなのに裁判所まで供述を信用できると安易に判断するのは、本当におかしい。
 第四次再審請求ではクラウドファンディングで寄付を募りました。集まった千二百万円で映画監督の周防正行さんに再現動画を作ってもらいました。被害者は酒に酔い側溝に転落。道路に引き上げられ、近隣の二人にトラックの荷台に乗せられました。自宅に搬送されるまでを裁判記録に従い忠実に再現しました。CGアニメも制作し、関係者の供述どおりに人を動かすと、近隣の二人の供述の食い違いがビジュアルに分かりました。


 桐山 六六年に起きた袴田巌さんの事件では過酷な取り調べがあり、「自白に至りました。確定判決の証拠である「五点の衣類」は何と事件から一年二カ月もたって発見。その衣類に付いた血痕の変色を手掛かりに再審決定が出ましたが、東京高裁は証拠の捏造(ねつぞう)の可能性に言及しました。

 鴨志田 無実の人が死刑になっていたかもしれない事件です。民主化されていないどこかの国でなく、この日本で何の落ち度もない人が犯人に仕立て上げられる冤罪は多重構造だと思います。まず警察が誤った見込みで捜査すると、そのストーリーに沿った証拠しか集められない。「見立ての呪縛」です。
 国家権力が地引き網みたいに集めた証拠の中には、被告人に有利な無罪の証拠も紛れているわけです。しかし、検察も見立てが固まると、そこから引き返すことができません有罪方向の証拠だけを選択して裁判所に出しているのです。


 桐山 なぜ裁判所は見抜けないんだろうと一般の人は受け止めます。裁判所は本当にちゃんと判断しているのだろうか。司法の根底を揺るがす事態が起こっている気がします。

 鴨志田 無罪方向の証拠は隠され、有罪方向の証拠ばかりをもとに判断するから裁判所も間違えるのですね。再審段階になってもなお、なかなか無罪方向の証拠が開示されない点も大問題です。開示が実現するか否かは裁判官次第という再審格差」がそこにあります。
 大崎事件では、ある裁判官が証拠開示を勧告したら、それまでないと言っていた証拠が二百十三点も出てきました。第三次再審ではさらに十八点の証拠が警察から見つかりました。その中に確定判決を覆す珠玉の証拠があったのです。
 裁判所が職権で取り寄せることができるから証拠開示ルールは必要ないと法務省は言いますが誤りです。袴田さんの事件でも第二次再審になって初めて、確定審で提出されていなかった証拠が六百点以上も開示されました。「五点の衣類」のカラー写真などですね。
 つまり「再審格差」があるから、開示のルールが必要なのです。どんなにやる気のない裁判官の下でも証拠開示せねばならないルールにしないと永久に格差は埋まりません


◆刑事司法はガラパゴス化

 桐山 先進国では例外的に日本には死刑制度が残ります。米国でさえ死刑執行する州は少数派です。一度執行したら取り返しがつかない刑だけに、もっと慎重にチェックすべきです。

 鴨志田 米国では死刑の選択には通常事件以上に慎重で厳格な手続きを要求しています。日本では裁判のどの段階にもそんな配慮はありません。少なくとも死刑という特別な刑には特別な手続きが必要です。確定有罪判決の手続きに憲法違反があれば、新証拠がなくても、再審に入れる制度にすべきです。
 日本には「確定力神話」もあると思います。三審制で裁判官が三回も吟味して有罪だったら、間違いはないだろうと。ひっくり返したら四審制になると。三審制の結論を動かすべきでないという考えに縛られることを確定力神話というのです。検察も、起訴したものは99・9%有罪でしょ、間違いあるはずがないと。真犯人が出てくるとか、DNA鑑定で別人だったとか、そんなことでもない限り再審を認めない考え方ですね。


 桐山 八〇年代には死刑事件の再審無罪が続きました。その後も冤罪が相次いでいますが、再審決定まで歳月がかかり過ぎる問題もありますね。

 鴨志田 冤罪はヒューマンエラーではなく、システムエラーの問題だと捉えないと、永久に解決しないと思います。袴田さんの事件などは「証拠の捏造まで指摘されたのですから、「真相究明委員会」を設けるべきです。航空機事故のように、徹底的に当時の警察や検察、裁判所などの関係者を呼んで、どこに間違いがあったのかを究明しないといけないと思います。
 日本の刑事司法のガラパゴス化は、法務省が考えているよりも深刻です


かもしだ・ゆみ 1962年生まれ。神奈川県出身。早稲田大法学部卒。会社員などを経て2002年に司法試験合格、弁護士に。大崎事件再審弁護団事務局長。日弁連再審法改正実現本部本部長代行。著書に『大崎事件と私 アヤ子と祐美の40年』(LABO)。共著に『見直そう!再審のルール』(現代人文社)。
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●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》

2023年12月27日 00時00分35秒 | Weblog

[↑ ※袴田事件捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2023年11月05日[日])
捜査機関による証拠捏造》…《いまも、死刑囚のまま》から脱却させないニッポンの司法。 再審裁判でも《裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠》をまたしても持ち出す気か? どこまで非道なのか。
 《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》の例ではないか。《残酷で異常な出来事と欧米などでは受け止められている》、《日本でも放置し続けてきた再審法を整備すべきときが来ている法務・検察はそのことも自覚すべきである》(東京新聞社説)。何十年にも渡って無実の袴田巌さんを牢屋につなぎ、しかも証拠が捏造されていたとまで裁判所が指摘。再審裁判で、「有罪」を主張するのはいったいどういう神経か? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、一体どこまで人権侵害すれば気が済むのか。(東京新聞社説)《無実の訴えから半世紀日本の刑事司法の異様さをも表している。すでに87歳の高齢。残る人生と名誉をこれ以上、検察は奪ってはいけない》。

   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たして
      人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》

 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/袴田巌さんが獄中でつづった書簡に記した「世界最強のチャンピオン」 長期の拘束はどう精神をむしばんだのか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/286458?rct=tokuhou)。《1966年の強盗殺人事件で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(87)に対し、27日に開かれた再審初公判。無罪の扉を開く法廷がようやく始まったが、48年間の身柄拘束で心神喪失状態となった本人の姿はなかった。今も元気だったら、どんな言葉を発していたのか。獄中書簡や証言により、拘禁症状が袴田さんから奪ったものを考えた。(西田直晃)》。

 琉球新報のコラム【<金口木舌>かなわなかった普通の人生】(https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2425585.html)。《2014年の釈放まで48年間も拘置された死刑囚の袴田巌さん。強盗殺人容疑で逮捕された30歳のプロボクサーは87歳に高裁で捜査機関の証拠捏造(ねつぞう)が指摘され、再審公判が先週始まった ▼長年の拘禁で心神喪失状態にある。初公判は90歳の姉ひで子さんが出廷し「真の自由を訴えた。来春結審し、無罪となる公算だ。交流した人の中に強盗殺人の布川事件桜井昌司さんと杉山卓男さんもいた》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、再審開始決定…せめて
    《一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない》
   『●袴田巖さん、袴田秀子さん ――― 《捜査機関による証拠捏造》とまで
     言われているのだ、検察側が特別抗告を断念するのも、当然の結果だろう
   『●袴田冤罪事件: 《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査
      機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》
   『●<コラム 筆洗>《高裁は捜査機関による証拠捏造の可能性まで踏み
     込んでいる…袴田さんをただ犯人にしたいという卑劣なトリックだろう》
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃ
     にした《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
     まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん
   『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
     …裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》
   『●大谷昭宏さん《袴田事件で審理の引き延ばしを図る検察に、陰湿、陰険、
      姑息、傲慢…などと書いて、一瞬、書きすぎ? と思ったのだが…》
   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たして
      人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》

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https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2425585.html

<金口木舌>かなわなかった普通の人生
公開日時 2023年10月30日 05:00
更新日時 2023年10月29日 15:01

 57年前の逮捕後、獄中から気丈な書簡を送っていた。次第に「私の生を支えるものは憎悪に成った」と書くように。死刑確定後、心は一層むしばまれた


▼2014年の釈放まで48年間も拘置された死刑囚の袴田巌さん。強盗殺人容疑で逮捕された30歳のプロボクサーは87歳に高裁で捜査機関の証拠捏造(ねつぞう)が指摘され、再審公判が先週始まった 

長年の拘禁で心神喪失状態にある。初公判は90歳の姉ひで子さんが出廷し「真の自由を訴えた。来春結審し、無罪となる公算だ。交流した人の中に強盗殺人の布川事件桜井昌司さんと杉山卓男さんもいた

▼2人は無期懲役で獄中に29年、仮出所して再審無罪。「普通のおじさん」になろうと奔走した歳月はドキュメンタリー映画「ショージとタカオ」(井手洋子監督)に詳しい

▼杉山さんは8年前に亡くなり、今年8月、桜井さんと井手監督が鬼籍に入った。冤罪(えんざい)を起こしてはならない再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/286458?rct=tokuhou

袴田巌さんが獄中でつづった書簡に記した「世界最強のチャンピオン」 長期の拘束はどう精神をむしばんだのか
2023年10月28日 12時00分

 1966年の強盗殺人事件で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(87)に対し、27日に開かれた再審初公判。無罪の扉を開く法廷がようやく始まったが、48年間の身柄拘束で心神喪失状態となった本人の姿はなかった。今も元気だったら、どんな言葉を発していたのか。獄中書簡や証言により、拘禁症状が袴田さんから奪ったものを考えた。(西田直晃


◆「人間らしさと誠実さがにじんでいた」メッセージ

     (支援者と一緒に日課のドライブへ向かう袴田巌さん㊨)

〈お母さんへ 私はこの事件となんの関係もないのだから、お母さんは自信を持って堂々と来て下さい

〈憎い奴は、僕を正常でない状態にして、犯人に作り上げようとした奴です〉

 「主よ、いつまでですか —無実の死刑囚・袴田巌獄中書簡—」(1992年、新教出版社)に収録された手紙は逮捕翌年の67年、母に宛てたものから始まる。「無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会」(東京)のメンバーが約5000枚のハガキや日記などから選別し、出版。人格面から無罪を証明する新証拠として、第1次再審請求審(81〜2008年)で静岡地裁に提出された。

 当時、編集に携わった救う会副代表の門間幸枝さん(82)は「家族へのメッセージに人間らしさと誠実さがにじんでいた」と回想する。この時期は無罪判決に望みを持ち、行く末を楽観視している様子も見て取れる。事件の1年2カ月後にみそタンクで見つかり、犯行着衣とされた衣類にも言及し、当時から「捏造(ねつぞう)」の疑いに触れていた。

私は、裁判所には無罪がわかって頂けると信じています
〈あの血染めの着衣が絶対に僕のものではないという証拠は、ネームがないことです。僕の着物はクリーニング屋に出すので『ハカマタ』と入っています。(中略)真犯人が動き出した証拠です。これでますます有利になりました〉

 「警察の取り調べで拷問された袴田さんは、裁判所では真実が明らかになると信じていたようだ」と推察する門間さん。だが、68年に静岡地裁が死刑を宣告。その2カ月後には最愛の母が亡くなった。

 最高裁での死刑確定(80年)までの文面には、死刑への恐怖に揺れる胸の内がにじむ。

     (2018年、袴田さんの支援活動で記者会見する
      門間幸枝さん(左)、袴田ひで子さんら=東京・霞が関で)

〈そして沈んだ灰色に汚れた白壁と、染みだらけの部屋には、何か死の匂いに近いものすら感じます〉
〈さて、私も冤罪(えんざい)ながら死刑囚。全身にしみわたって来る悲しみに耐えつつ、生きなければならない。そして死刑執行という未知のものに対するはてしない恐怖が、私の心をたとえようもなく冷たくする時がある。(中略)自分の五感さえ信じられないほどの恐ろしい瞬間があるのだ。しかし、私は勝つのだ〉

 肉親を失った悲しみを振り返る場面でも、精神的な動揺がうかがえる。

〈昭和四三年母からの便りが突然途絶えた。私はこの時自分の人生で最も悲しい時が迫るのを感じ、体中一気に凍るような衝撃を受けた。(中略)全てを呪いたい狂暴(きょうぼう)な気持ちの中で、また次第に絶望状況に陥ったものであった。その頃、獄中で両親の死を知った〉
〈死刑そのものが怖いのではなく、怖いと恐怖する心がたまらなく恐ろしい〉

 死刑確定後、次第に文面が長くなり、内省的、哲学的な表現が多くなる。「悪魔」という単語も現れた。

〈ドアに付いた染みが死を意味したり、壁の色が何か異様にみえて人間の姿に固まり、(中略)本当に悪魔が鍵孔(かぎあな)を操っているとしか思えない〉
〈調室の壁に絵がかけられていた。(中略)気がつくと私の顔を悪魔がのぞいていた。戦りつを覚えて手の平で顔をおおった。私は人類が逆に滅びるのだとその時思った〉

     (静岡市でチラシを配布するなどして袴田巌さんの
      無罪を訴える支援者たち)

 一方で「神」「愛」といった言葉が増えていった。81年に姉ひで子さん(90)宛ての手紙でキリスト教への帰依を伝え、84年暮れに洗礼を受けている。カトリック信徒の門間さんは「獄中で深く聖書を読み込んだのは、信仰によって恐怖を乗り越えようとしたのだろう」と話す。

 ボクサーだった過去も支えになっていた。こう日記にしたためている。

〈房に帰って腕立て伏せ百回。シャドーボクシングを用いて、全身の筋肉をほぐす。一五分間。(中略)もし、人生から愛を根こそぎ取り去ったら、生きるに値する何ものも残らぬ〉

 書簡集は、殺人罪で20年近く投獄され、後に無罪となった「ハリケーン」こと、米国の元ボクサー、ルビン・カーター氏に宛てた89年の手紙で終わる。「闘いと心の支えである国際的な同志」にこう伝えていた。

今、私は無実を晴らす闘いの世界最強のチャンピオンになることを願っています

 門間さんは言う。「逮捕後の袴田さんは、一度も声を出して心から笑えていないはずだ。叫ぶこと、笑うことができず、書くことしかできなかった。今は重い拘禁症状があるが、思いは書簡に詰まっている」


   ◇   ◇


◆「恐怖や絶望から、袴田さんの意識は虚構と現実が入れ替わってしまった」

 長期の身柄拘束は、袴田さんの精神状態にどんな影響を及ぼしたのか。

 姉ひで子さんが異変を感じ始めたのは、1980年12月に死刑が確定してから。拘置所に移って2、3カ月たったころ、面会で「昨日処刑があった。隣の人だった」と明かされた。このころから「毒殺される」「電波を出すやつがいる」などと漏らすようになった。90年ごろになると、支援者や弁護士の面会を拒否するように。92年以降はひで子さんも年数回しか面会ができなくなり、95年以降、途絶えた

 「99年1月にひで子さんと東京拘置所で面会を求めたが、ダメだった。拘置所に様子を聞くと、房の中をぐるぐる回っているという説明だった」と話すのは当時、衆院議員だった保坂展人・世田谷区長。2002年11月の衆院法務委員会で「心神喪失の状態にあるときは法務大臣の命令で執行停止とある。この状態を放置することはできないのでは」と質問した。

     (袴田巌さんの再審初公判が開かれた静岡地裁の
      法廷(代表撮影))

 森山真弓法相(当時)は「少し常軌を逸し始めた精神状態なのかもしれない。拘置所のほうで症状を見て判断してほしい」と答弁した。「大臣がここまで言ったことで、刑の執行は実質できなくなった」と保坂氏は振り返る。

 保坂氏は翌年3月、ひで子さんらと約30分間面会したが、袴田さんは「袴田巌はもういない。全能の神である自分が吸収した」。再審請求の話題を投げ掛けたが、自身が「東京国家調査所の所長」で「東京拘置所はなくなった。死刑執行をできないようにした」と答えたという。

 1994年の静岡地裁の再審棄却の決定文書を読んでからは、裁判関係書類の差し入れを拒否するように。その後も思うように面会できず、拘禁症状は改善しなかった。だが法務省は、2011〜12年に法相を務めた元衆院議員の平岡秀夫弁護士が健康状態について報告させた際、問題はないと答えたという。

 保坂氏は「死刑執行の恐怖や再審が実現しない絶望から、袴田さんの意識は虚構と現実が入れ替わってしまった釈放されて9年たっても、法廷に立ってやっていないと自分の言葉で言えない状態に精神が縛られていることがどんなにむごいことか法務省、検察庁はどこまで認識しているのか」と指摘し、一日も早い判決を求める。(山田祐一郎


◆デスクメモ

 普通、初公判で焦点となるのは、身柄を拘束されていた被告が初めて公の場で話す認否などだ。だが今回は袴田さん側の無罪主張は明らかで、むしろ検察が有罪立証をどう続けるのか、どれだけ時間をかけるのかが注目されている主客逆転裁かれているのは検察側かもしれない。(本)


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●桜井昌司さん…《何事にも前向きで「この人生不運だったが、不幸ではなかった」と言い切る。だが冤罪に泣く他者のことになると柔和な表情は一変》

2023年10月08日 00時00分27秒 | Weblog

[↑ 映画『オレの記念日』フライヤー(https://oreno-kinenbi.com/wp-content/uploads/2022/08/oreno-kinenbi_flyer.pdf)]


(20230912[])
桜井昌司さん《他の冤罪被害者・支援者と積極的に交流し、冤罪をなくすための活動にも積極的に取り組んできました》、《同氏による冤罪をなくすための活動とその成果東京弁護士会人権賞の受賞に相応しいものです》。桜井さんの重要な貢献。
 布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしてい》た。《逮捕から仮釈放されるまでの身体拘束は約二十九年におよび無罪となるまでに約四十四年を要した》。先日8月23日に、お亡くなりになった。とても残念で仕方がない。もっともっと冤罪被害者の支援を続けていただきたかった。冤罪被害者やそのご家族の支援、桜井さんの重要な活動でした。

   『●桜井昌司さん《冤罪被害の実態を世の中に広く訴える活動…冤罪をなくす
       ための活動とその成果は東京弁護士会人権賞の受賞に相応しいもの》
   『●金聖雄監督《冤罪被害という絶望的なテーマの中で、私が映画を作り
     ながら希望を見出していくと言う不思議な感覚を、ぜひ映画を観る…》
   『●原一男さん《桜井昌司さんは違う。「冤罪事件が私を生まれ変わらせて
     くれた、ありがたい、と思っている」と価値観を逆転させる奇跡の言葉。》
   『●桜井昌司さんの〝獄中ノート〟が「…あったから、無罪をとれた。弁護士の
     皆さんが無罪をとれる、頑張ろうと発奮してくれたきっかけでもあった」

 そして、もう一つ忘れてはいけないことが《再審法を改正》、《再審法の制定》に向けての活動。

   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
    《布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官が
     なぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造して
     きました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されて
     きたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも
     懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、
     ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を
     追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を
     法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず
     果たせると確信しています。必ず勝ちます。
     一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす
     殺したのは誰か検察庁です」》

   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ

 日刊スポーツのコラム【大谷昭宏のフラッシュアップ/桜井昌司さんの霊前に2つの「記念日」届けたい 無実の罪で29年間の服役】(https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202309110000105.html)。《何事にも前向きで「この人生不運だったが、不幸ではなかった」と言い切る。だが冤罪(えんざい)に泣く他者のことになると柔和な表情は一変する日野町事件大崎事件、もちろん袴田事件不当な判決や決定の場には決まって桜井さんの怒りをたぎらせた顔があった。その一方で冤罪をなくすことは、犯人をでっち上げた警察官、検察官、無実の人に不当な判決を下した裁判官、生涯もだえ苦しむこの人たちを楽にしてあげることにもなるという》。

   『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
     支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》
    《「疑わしきは被告の利益にという原則を再審請求の審理にも適用
     した妥当な判断だ。元受刑者は他界しており、名誉回復への道は
     遠かった審理の長期化を改め、情報開示の制度化など、えん罪を
     防ぐための仕組みづくりを急ぐべきだ

   『●大崎事件《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《医学の専門家でない裁判
      所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断》
   『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
     …裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》

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https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202309110000105.html

大谷昭宏のフラッシュアップ
2023年9月11日8時0分
大谷昭宏桜井昌司さんの霊前に2つの「記念日」届けたい 無実の罪で29年間の服役

 8月23日死去、31日ご葬儀。日にちがたってしまったが、この方の訃報にはどうしてもふれておきたい。無実の罪で29年間も服役した布川事件桜井昌司さんが亡くなった。76歳だった。

 最後にお会いしたのは昨年10月。自身を描いた映画「オレの記念日」が完成、大阪の劇場で舞台あいさつされた時だった。がんと闘病中だったが「医者が2年という余命宣告を1年超えたよ」と、舞台の合間に元気に京都を往復されていた。

 バンド演奏に詩作り。何事にも前向きで「この人生不運だったが、不幸ではなかった」と言い切る。だが冤罪(えんざい)に泣く他者のことになると柔和な表情は一変する日野町事件大崎事件、もちろん袴田事件不当な判決や決定の場には決まって桜井さんの怒りをたぎらせた顔があった。その一方で冤罪をなくすことは、犯人をでっち上げた警察官、検察官、無実の人に不当な判決を下した裁判官、生涯もだえ苦しむこの人たちを楽にしてあげることにもなるという。

 水戸市で行われた葬儀では、そんな桜井さんが刑務所内で「人生にはいつか春が来る」の思いを込めて作詩した「ゆらゆら春」を合唱。やさしかった桜井さんの思い出に、唇をふるわせている人もいたという。

 不当な無期懲役の判決が確定した日も、息子の無罪を訴えて駅に立ってくれた父が亡くなった日も、みんな「オレの記念日」にしてきた桜井さん。いまも検察の陰湿執拗(しつよう)な審理妨害が続く袴田事件の87歳、さんの再審無罪確定。そして生涯の念願だった再審法の制定。この2つの新たな記念日を、1日も早く桜井さんの霊前にお届けしたい。

大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。
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