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●【死刑モラトリアム 執行を止め熟議する時】《国連加盟国の7割超が死刑を廃止または執行しない中、日本は国連の委員会から繰り返し是正勧告を受けている》

2025年07月02日 00時00分48秒 | Weblog

 (2025年04月29日[火])
日本の死刑制度について考える懇話会」《現状のままに存続させてはならない》。
 (2024年11月13日、アサヒコム)【死刑制度「廃止含め議論を」 遺族や元検察トップ、法学者らが提言】、《与野党の国会議員や犯罪被害者遺族、元検事総長らが参加した「日本の死刑制度について考える懇話会」(座長=井田良・中央大大学院教授)が13日、政府への提言を報告書にまとめた。現在の制度には放置が許されない多くの問題があり、「現状のままに存続させてはならない」との認識を示した。そのうえで国会や政府のもとに、制度の廃止を含む「根本的な検討」のための会議体を設けるよう求めた》。

   『●《死刑制度「廃止含め議論を」》…《現在の制度には放置が許されない多くの
      問題があり、「現状のままに存続させてはならない」との認識を示した》

 アサヒコムの【(社説)死刑モラトリアム 執行を止め熟議する時】(https://www.asahi.com/articles/DA3S16202638.html)によると、《いったん死刑が確定した袴田巌さんが、再審で無罪となったことも影響しているのだろうか。再審制度は超党派の国会議員連盟が今国会での法改正をめざし、法制審議会の部会での議論も始まった。死刑制度についても一度、モラトリアム(猶予期間)として執行を停止した上で、議論を始める時ではないか。》

 飯塚事件、冤罪で死刑執行…随分と控えめに言って、検察や警察は無辜の人罪なき人を死刑にしてしまった恐れがある。こんな残酷な話があるだろうか。袴田冤罪事件でも、袴田巖さんを死刑囚のまま、長期間監禁。警察や検察が証拠や証言をでっち上げ、裁判所がそれに加勢し、マスコミも囃し立てて、冤罪者を危うく死刑にしてしまうところだった。一方、この飯塚事件、既に死刑執行してしまった冤罪事件だからこそ、当時の警察・検察、マスコミや裁判所にも大変に大きな責任がある。もう、久間三千年さんは自分の口で無罪を訴えることも出来ない、死刑にしてしまったのだから。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●飯塚事件再審請求を却下…「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。
     当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」
   『●飯塚事件、冤罪で死刑執行…「証拠品リスト」を何故に出し渋るの? リスト
      を公開すると何か問題でも? 警察や検察が証拠や証言を捏造する国ニッポン
   『●清水潔さん《死刑執行後に冤罪の可能性が指摘…「飯塚事件」…検察は証拠
     開示をしないと。…これも袴田事件のように間違った判決だったのでしょう》

 死刑存置派の皆さん、本当にコレで良いのですか? 死刑執行を停止して、立ち止まって、考える秋ではないのですか? これだけ警察や検察のデタラメが報道され続けているのに、冤罪をゼロにすることは可能でしょうか。マスコミや裁判所は冤罪をゼロにすることができるでしょうか。一件でもとんでもないことだが、飯塚事件以外、過去、1件も冤罪者を殺していないと言えるのか。

   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」…
     「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」

   『●「殺すなかれ…」…「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?
    「安田好弘さんや河野義行さんらが出演。「彼らを処刑することが
     「社会正義」なのだろうか」? 「殺すなかれ……」。日本人の
     8割の死刑存置派が信ずる「社会正義」を達成して、
     何か問題が解決するのだろうか?」

   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●《「死刑制度を続ける日本は北朝鮮やシリアと同じ」―。…日本に向けられて
      いる厳しい視線》《間違いが起こる可能性を認める国こそ民主主義的な国》
   『●笹倉香奈教授「袴田さんの再審無罪…現に死刑判決を言い渡された無実の人が
      いる…著しい不正義が実在…死刑制度に対する根源的な問題が改めて提起」
   『●《死刑制度「廃止含め議論を」》…《現在の制度には放置が許されない多くの
      問題があり、「現状のままに存続させてはならない」との認識を示した》

 さらに、《裁判員として市民が死刑判断に加わる時代》…《死刑のスイッチ》を押させられる恐ろしい時代に。

   『●無残!……『朝日』は、素人に《人を裁くという経験を通じ、
               死刑と向き合い、是非を考え》させたいらしい
   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~
   『●「裁判員制度」の下での「死刑制度」存置支持
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
   『●裁判員制度下で少年死刑判決
   『●裁判員の心を慮る…
   『●そのスイッチを押せない
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(1/2)
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(2/2)
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
   『●なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を押させる
      必要があるのか、さっぱり理解不能…国は一体何を意図?
   『●死刑で何か解決しますか? なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を
             押させる必要が? 「鏡」に映る姿を見なくていいの?

 再度の241207(日) 付記:
 《日本に向けられている厳しい視線》《間違いが起こる可能性を認める国こそ民主主義的な国》。
 アサヒコムの記事【日本の死刑「停止検討を」 国連特別報告者、「非人道性」「国際法違反の疑い」通報】、《日本の死刑制度が国際法に違反する疑いがあるとして、国連人権理事会に任命された「特別報告者」が日本政府に対し、執行方法の見直しや執行停止の検討を求める通報を行った。人権問題の専門家である特別報告者が、日本の死刑制度に特化して通報するのは初めてとみられる。 ■朝に告知・再審請求中… 政…》。

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https://www.asahi.com/articles/DA3S16202638.html

(社説)死刑モラトリアム 執行を止め熟議する時
2025年4月27日 5時00分

     (加藤智大死刑囚の死刑執行について会見をする古川禎久法相
      =2022年7月26日午前11時1分、東京・霞が関の
      法務省、山口啓太撮影)

 最後に死刑が執行されてから1000日が過ぎた。1980年代末から90年代初め、3年4カ月にわたり執行が中断した時期はあったが、それに次ぐ長さとなっている。

 いったん死刑が確定した袴田巌さんが、再審で無罪となったことも影響しているのだろうか。再審制度は超党派の国会議員連盟が今国会での法改正をめざし、法制審議会の部会での議論も始まった。死刑制度についても一度、モラトリアム(猶予期間)として執行を停止した上で、議論を始める時ではないか。

 死刑執行は判決確定から6カ月以内に法相が命じなければならない、と法は定める。死への恐怖が不当に長引くのは好ましくないという趣旨とされ、違反しても罰則はない。再審請求中の期間は「6カ月」には算入されない。

 今世紀に入り再審請求中の死刑執行はなかったが、2017年に再開。翌年、オウム真理教事件では再審請求中10人を含む13人が執行された。

 再審請求中であることをどこまで考慮しているのかも含め、執行対象者を選ぶ基準は明かされない。最後に執行があった22年7月26日、秋葉原連続殺傷事件の死刑囚を選んだ理由を問われた法相も「個々の判断はお答えを差し控えると回答を避けた

 市民が刑事裁判に参加し、死刑を宣告するかどうかの判断にもかかわる裁判員裁判は定着した。だが死刑について正確な情報を基に議論する場はほとんどないまま、重い負担を課すのは健全だろうか。

 一石を投じたのが、国会議員や有識者らでつくる「日本の死刑制度について考える懇話会」だ。国会や内閣の下に「公的な会議体」を設け、根本的な検討を始めるよう昨年提言した。だが政府は否定的な考えを示したままだ

 国連加盟国の7割超が死刑を廃止または執行しない中、日本は国連の委員会から繰り返し是正勧告を受けている

 正解は一つとは限らない。参考になる例は各地にある。英国は相次ぐ誤判を受け、計画的な殺人での死刑執行を5年間停止する法律を作った。代わりに終身刑を導入。凶悪犯罪の発生件数に目立った変化はなかったことなどから、1969年に一部の罪を除いて廃止し、98年に全廃した。

 台湾の憲法裁判所は昨年、死刑を極めて厳格に適用するための法改正を求め、判決を出す場合は裁判官の全員一致でなければならないとした。

 究極の刑のあるべき姿は。熟議の場をまずは設けたい。立法化を含め、政府と国会は立ち止まることを明示して難問に向き合ってもらいたい。
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コメント
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●飯塚事件《久間三千年…元死刑囚は自身も含めた確定死刑囚の名前と判決確定日が記されたリストを透明の仕切り板越しに示した。執行済みの死刑囚は…》

2025年01月17日 00時00分51秒 | Weblog

(2025年01月11日[土])
再審請求の準備中に、なぜ死刑は執行されたのか――。》…飯塚事件で一貫して無罪を主張していた久間三千年さんを、確定判決後のわずか2年で、死刑執行した…。何を慌てて執行したのか?

 《久間元死刑囚は自身も含めた確定死刑囚の名前と判決確定日が記されたリストを透明の仕切り板越しに示した執行済みの死刑囚は横線で名前が消されていた》…そのようなリストをお持ちだったことに驚いた。しかも、《執行済みの死刑囚は横線で名前が消されていた》のならば、リストの下位に居て《時間はある》と信じていた久間三千年さんが、ある朝、刑場に連れていかれたのか…。酷い話だ。久間さんのその心中を想像すると、恐怖でしかない。(毎日新聞)《無実を訴えていた元死刑囚に代わって再審請求した遺族側は「早すぎた執行の真実を探るため》の闘いを続けている。
 志村一也記者による、毎日新聞の記事【飯塚事件 黒塗りの死刑執行文書 元死刑囚の遺族が開示求め提訴】(https://mainichi.jp/articles/20250108/k00/00m/040/065000c)によると、《「早く再審請求しないと執行されてしまうおそれがある」。死刑確定から約2年後の08年9月、福岡拘置所の面会室。弁護団の岩田務徳田靖之両弁護士が告げると、久間元死刑囚は自身も含めた確定死刑囚の名前と判決確定日が記されたリストを透明の仕切り板越しに示した執行済みの死刑囚は横線で名前が消されていた。「まだ真ん中ぐらいだから大丈夫時間はあるので再審請求お願いします」。久間元死刑囚はそう言って面会室を後にした。しかし…》。

   『●死刑存置賛成派と飯塚事件
    「死刑存置がこんなに多い国って他にあるのか?
     「死刑容認85%って本当?」 フランスかどこかでは
     1件の無実者の死刑で、死刑廃止を決断した、と聞いた。
     我国は、飯塚事件の久間三千年さんにどう責任を?」
    《●再審請求 飯塚事件、経緯黒塗り
     執行後、福岡高検から法相に送付された報告書には
     「死刑執行始末書」が添付されていたが、「執行経過」の欄は
     すべて黒塗り。拘置所からの報告文書にある「本人の刑に対する
     心情、遺言等」は1行に満たない記載があったが、
     これも黒塗りとされた》
      [2013年01月18日]

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
       証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
       死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●飯塚事件…《DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年は、06年最高
     裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが...》(政界地獄耳)
   『●目隠ししているヨーロッパの法律の女神、一方、ニッポンの法律の女神
      は《目隠ししておりません》…冤罪で死刑執行されてしまった飯塚事件
   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は掌中の
         証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ
   『●飯塚事件…鈴嶋裁判長《「…覚えているのは不自然」…女性の証言…「捜査
     機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない」》
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●《<無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である>…無実の人を罰する
      のは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》
   『●《「死刑制度を続ける日本は北朝鮮やシリアと同じ」―。…日本に向けられて
      いる厳しい視線》《間違いが起こる可能性を認める国こそ民主主義的な国》
   『●冤罪者の「死」を待つという残酷な国家の犯罪と、《正義の名の下に死刑
     執行》された飯塚事件…何の検証もすることなく、全く反省の無い警察や検察
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●飯塚事件再審請求を却下…「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。
     当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」
   『●飯塚事件、冤罪で死刑執行…「証拠品リスト」を何故に出し渋るの? リストを
       公開すると何か問題でも? 警察や検察が証拠や証言を捏造する国ニッポン
   『●福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の
      開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》
   『●《死刑制度「廃止含め議論を」》…《現在の制度には放置が許されない多くの
      問題があり、「現状のままに存続させてはならない」との認識を示した》
   『●大谷昭宏さん「無実で犯行をでっちあげられながら、それを立証できずに
     人生を奪われた人は無数にいるかもしれない」…飯塚事件の真相解明を望む
   『●初めての死刑執行後の再審請求「福岡事件」…《無実を訴えながら死刑を
     執行された西武雄さんが獄中で詠んだ》〈叫びたし寒満月の割れるほど〉
   『●《平野啓一郎氏…「人を殺してはいけない」のは絶対的な禁止なのに、死刑
     制度はひどいことをした人間は殺してもよいという例外規定を設けている…》
   『●神戸金史RKB報道局解説委員長《起きてはいけないことが起こらないように
     するために、「福岡事件」を語り継ぎ、再審請求運動を続ける人たちがいる…》
   『●「袴田さんを犯人視することない」と、静岡地検の検事正が直接謝罪しつつ、
      《検事総長談話について「袴田さんを犯人視しているわけではない」》?
   『●清水潔さん《死刑執行後に冤罪の可能性が指摘…「飯塚事件」…検察は証拠
     開示をしないと。…これも袴田事件のように間違った判決だったのでしょう》
   『●笹倉香奈教授「袴田さんの再審無罪…現に死刑判決を言い渡された無実の人が
      いる…著しい不正義が実在…死刑制度に対する根源的な問題が改めて提起」

 飯塚事件について、福岡高裁が開示勧告したのは《証拠品リスト》ですよ? リストを公開すると、無実なのに久間三千年さんを死刑にしてしまったことが露見してしまうのでしょうね。自信を持って死刑にしたのならば、堂々とリストを公開すればよいはずなのに。

 清水潔さんのつぶやきが全てを物語る:

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https://x.com/NOSUKE0607/status/1872847966828105954

清水 潔@NOSUKE0607

死刑執行後に冤罪の可能性が指摘されている「飯塚事件」。再審の請求審で検察は証拠開示をしないと裁判所が開示勧告したのにそれでも拒否とは、つまり「冤罪がバレる証拠が残っていると自供したも同然。これも袴田事件のように間違った判決だったのでしょう。

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飯塚事件再審請求 検察は証拠リスト開示しない意向 (https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20241227/5010026659.html)

…元死刑囚は一貫して無罪を主張し、家族が行った2回目の再審請求について、福岡地方裁判所はことし6月、再審を認めない決定を出し、弁護団が即時抗告しています。ことし10月、福岡高等裁判所で開かれた検察と弁護団、それに裁判所による3者協議では、裁判所が検察に対し、事件に関わる証拠のリストを開示するよう勧告していました。弁護側によりますと、回答期限の27日、検察は証拠のリストを開示しない意向を裁判所に伝えたということです。…

nhk.or.jpから
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午後0:32  2024年12月28日
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 関連して、これも、志村一也記者による、毎日新聞の記事【ベールに包まれる死刑制度 執行の順番、ルールは? 進まぬ情報公開】(https://mainichi.jp/articles/20250108/k00/00m/040/005000c)によると、《再審請求の準備中に、なぜ死刑は執行されたのか――。福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で2006年に死刑判決が確定し、08年に執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚(執行時70歳)の遺族に対し、国が開示した執行の関係資料は大半が黒塗りだった無実を訴えていた元死刑囚に代わって再審請求した遺族側は「早すぎた執行の真実を探るため、黒塗り資料の開示を求める民事訴訟も起こし、国と闘っている》。
 何をこそこそ死刑執行しているのか? 死刑制度に(在りもしないのだが)犯罪抑制効果が在るのならば、なぜさっさと情報公開しないのか? 死刑執行を、何かよほど疚しいとでも思っているのではないのか。

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https://mainichi.jp/articles/20250108/k00/00m/040/065000c

飯塚事件 黒塗りの死刑執行文書 元死刑囚の遺族が開示求め提訴
毎日新聞 2025/1/10 05:30(最終更新 1/10 05:30)

     (国が遺族に開示した「死刑執行始末書」。執行過程が
      記載されている部分は黒塗りだった=福岡市中央区で
      2024年12月27日午後7時31分、志村一也撮影)

 再審請求の準備中に、なぜ死刑は執行されたのか――。福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で2006年に死刑判決が確定し、08年に執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚(執行時70歳)の遺族に対し、国が開示した執行の関係資料は大半が黒塗りだった無実を訴えていた元死刑囚に代わって再審請求した遺族側は「早すぎた執行の真実を探るため、黒塗り資料の開示を求める民事訴訟も起こし、国と闘っている

 関連記事・ベールに包まれる死刑制度 執行の順番、ルールは?

 「早く再審請求しないと執行されてしまうおそれがある」。死刑確定から約2年後の08年9月、福岡拘置所の面会室。弁護団の岩田務徳田靖之両弁護士が告げると、久間元死刑囚は自身も含めた確定死刑囚の名前と判決確定日が記されたリストを透明の仕切り板越しに示した執行済みの死刑囚は横線で名前が消されていた。「まだ真ん中ぐらいだから大丈夫時間はあるので再審請求お願いします」。久間元死刑囚はそう言って面会室を後にした。

 し…………
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https://mainichi.jp/articles/20250108/k00/00m/040/005000c

ベールに包まれる死刑制度 執行の順番、ルールは? 進まぬ情報公開
毎日新聞 2025/1/10 05:30(最終更新 1/10 05:30)

     (国が遺族に開示した死刑執行に関する資料は大半が
      黒塗りだった=福岡市中央区で2024年12月27日
      午後7時19分、志村一也撮影)

 再審請求の準備中に、なぜ死刑は執行されたのか――。福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で2006年に死刑判決が確定し、08年に執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚(執行時70歳)の遺族に対し、国が開示した執行の関係資料は大半が黒塗りだった無実を訴えていた元死刑囚に代わって再審請求した遺族側は「早すぎた執行の真実を探るため、黒塗り資料の開示を求める民事訴訟も起こし、国と闘っている

 日本の死刑制度は、情報公開の在り方が極めて閉鎖的だと国際的にも批判を浴びてきた。執行された死刑囚の名前などは即日公表されるようになったが、執行までのプロセスや死刑囚の処遇実態といった多くの情報が秘匿されており、「ブラックボックスだとする批判が絶えない

     (国が遺族に開示した資料は、大半が黒塗りだった=福岡市
      中央区で2024年12月27日午後7時17分、志村一也撮影)

 死刑執行を巡り、かつて法務省は「矯正統計年報」に前年執行の人数など限られた情報を掲載するのみだった。情報公開に消極的なのは「死刑囚の心情の安定」や「遺族感情への配慮」が主な理由とされ、報道機関の取材などを通じて執行した事実が初めて判明するケースが多かった。

 1998年11月からは「刑罰権行使が適正に行われていることについて国民の理解を得る必要がある」との理由で執行の事実と人数をリアルタイムで公表する運用に変更。2007年12月以降、死刑囚の名前や犯罪事実も明かされるようになった。

 ただ、それでも公開情報はごく一部に限られている。法務省などによると、これまで執行後に名前などが公表された元死刑囚は77人。判決が確定してから最短で約1年4カ月後、最長で約18年後に執行されており、期間に大きな差があるが、執行の順序を決める基準などは明らかにされていない。法務省は具体的な執行手続きや収容中の処遇実態などについても公表せず、死刑制度を維持する他の国と比べても情報公開が進んでいないと指摘されている。

     (国が遺族に開示した「死刑執行上申書」。検挙に至った
      経緯などを記した部分は全て黒塗りだった=福岡市中央区で
      2024年12月27日午後7時28分、志村一也撮影)

 こうした状況を変えて死刑の存廃について国民的な議論を深めようと、旧民主党政権時代の10年8月、千葉景子法相(当時)は省内勉強会を設立したが、存廃の結論を示すことなく、12年3月で議論は打ち切りとなった。「執行に関する情報提供の在り方」などもテーマだったが、同月に公表された報告書の末尾に「別の形で検討する」と記載。この点について法務省はその後も「省内のさまざまな場面において検討、議論が行われている」とするが、「(内容は)対外的に説明できるものではない」として情報公開には後ろ向きな姿勢を崩さない

 冤罪(えんざい)の可能性が残る再審請求中の死刑囚に対する刑執行のルールも不透明だ戦後長い間、執行を避けることが通例だったとされるが、近年はそうした運用が変化しているように見える。17年7月以降で再審請求中に執行された死刑囚は少なくとも19人に上る。ただ、法務省は執行時に再審請求中だったのかを含めて明らかにしていない


      ◇


  22年、飯塚元死刑囚遺族の請求に基づき、国は一部の文書を開示した。だが、文書の多くは黒く塗り潰されており、黒塗りが9ページにわたる部分もあった。【志村一也
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●《死刑制度「廃止含め議論を」》…《現在の制度には放置が許されない多くの問題があり、「現状のままに存続させてはならない」との認識を示した》

2024年12月18日 00時00分38秒 | Weblog

[※ 安田好弘さん 《「死刑反対。死刑をおかしい」と言うこと自体が、異端者になってくる》 (2018年7月28日 報道特集)↑]


(2024年11月15日[金])
現状のままに存続させてはならない》。
 久保田一道・森下裕介両記者による、アサヒコムの記事【死刑制度「廃止含め議論を」 遺族や元検察トップ、法学者らが提言】(https://www.asahi.com/articles/ASSCF2410SCFUTIL02GM.html)によると、《与野党の国会議員や犯罪被害者遺族、元検事総長らが参加した「日本の死刑制度について考える懇話会」(座長=井田良・中央大大学院教授)が13日、政府への提言を報告書にまとめた。現在の制度には放置が許されない多くの問題があり、「現状のままに存続させてはならない」との認識を示した。そのうえで国会や政府のもとに、制度の廃止を含む「根本的な検討」のための会議体を設けるよう求めた》。

 飯塚事件、冤罪で死刑執行…随分と控えめに言って、検察や警察は無辜の人罪なき人を死刑にしてしまった恐れがある。こんな残酷な話があるだろうか。袴田冤罪事件でも、袴田巖さんを死刑囚のまま、長期間監禁。警察や検察が証拠や証言をでっち上げ、裁判所がそれに加勢し、マスコミも囃し立てて、冤罪者を危うく死刑にしてしまうところだった。一方、この飯塚事件、既に死刑執行してしまった冤罪事件だからこそ、当時の警察・検察、マスコミや裁判所にも大変に大きな責任がある。もう、久間三千年さんは自分の口で無罪を訴えることも出来ない、死刑にしてしまったのだから。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●飯塚事件再審請求を却下…「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。
     当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」
   『●飯塚事件、冤罪で死刑執行…「証拠品リスト」を何故に出し渋るの? リスト
      を公開すると何か問題でも? 警察や検察が証拠や証言を捏造する国ニッポン

 死刑存置派の皆さん、本当にコレで良いのですか? 死刑執行を停止して、立ち止まって、考える秋ではないのですか? これだけ警察や検察のデタラメが報道され続けているのに、冤罪をゼロにすることは可能でしょうか。マスコミや裁判所は冤罪をゼロにすることができるでしょうか。一件でもとんでもないことだが、飯塚事件以外、過去、1件も冤罪者を殺していないと言えるのか。

   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」…
     「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」

   『●「殺すなかれ…」…「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?
    「安田好弘さんや河野義行さんらが出演。「彼らを処刑することが
     「社会正義」なのだろうか」? 「殺すなかれ……」。日本人の
     8割の死刑存置派が信ずる「社会正義」を達成して、
     何か問題が解決するのだろうか?」

   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●《「死刑制度を続ける日本は北朝鮮やシリアと同じ」―。…日本に向けられて
      いる厳しい視線》《間違いが起こる可能性を認める国こそ民主主義的な国》


 さらに、《裁判員として市民が死刑判断に加わる時代》…《死刑のスイッチ》を押させられる恐ろしい時代に。

   『●無残!……『朝日』は、素人に《人を裁くという経験を通じ、
               死刑と向き合い、是非を考え》させたいらしい
   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~
   『●「裁判員制度」の下での「死刑制度」存置支持
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
   『●裁判員制度下で少年死刑判決
   『●裁判員の心を慮る…
   『●そのスイッチを押せない
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(1/2)
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(2/2)
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
   『●なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を押させる
      必要があるのか、さっぱり理解不能…国は一体何を意図?
   『●死刑で何か解決しますか? なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を
             押させる必要が? 「鏡」に映る姿を見なくていいの?


241207(日) 付記:
 《日本に向けられている厳しい視線》《間違いが起こる可能性を認める国こそ民主主義的な国》。
 アサヒコムの記事【日本の死刑「停止検討を」 国連特別報告者、「非人道性」「国際法違反の疑い」通報】(https://www.asahi.com/articles/DA3S16101206.html?iref=pc_shimenDigest_national1_01)。《日本の死刑制度が国際法に違反する疑いがあるとして、国連人権理事会に任命された「特別報告者」が日本政府に対し、執行方法の見直しや執行停止の検討を求める通報を行った。人権問題の専門家である特別報告者が、日本の死刑制度に特化して通報するのは初めてとみられる。 ■朝に告知・再審請求中… 政…》。

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https://www.asahi.com/articles/ASSCF2410SCFUTIL02GM.html

死刑制度「廃止含め議論を」 遺族や元検察トップ、法学者らが提言
久保田一道 森下裕介 2024年11月13日 18時32分

     (記者会見で「日本の死刑制度について考える懇話会」の
      報告書の内容を説明する井田良(まこと)・中央大
      大学院教授(右から2人目)ら=2024年11月13日
      午後4時7分、東京都千代田区、久保田一道撮影)

 与野党の国会議員や犯罪被害者遺族、元検事総長らが参加した「日本の死刑制度について考える懇話会」(座長=井田良・中央大大学院教授)が13日、政府への提言を報告書にまとめた。現在の制度には放置が許されない多くの問題があり、「現状のままに存続させてはならない」との認識を示した。そのうえで国会や政府のもとに、制度の廃止を含む「根本的な検討」のための会議体を設けるよう求めた。


「存置派と廃止派、歩み寄り試みた」

 結論を出すまで、死刑執行の停止も検討すべきだとも提起した。近く政府に提出する。13日に記者会見した井田座長は「これまでの死刑を巡る議論は、存置派と廃止派が意見をぶつけ合っていた。今回は、どれだけ歩み寄れるかということを試みた」と総括した。

 懇話会は、日本弁護士連合会の呼びかけで今年2月に設立された。確定死刑囚の再審無罪を含め冤罪(えんざい)事件が絶えないなか、日弁連は2016年に初めて「廃止」を掲げる宣言を採択。宣言では終身刑の導入検討も求めたが、政府内で議論が深まらないことを踏まえ、さらに幅広い立場からの提言をめざした。


■世界の潮流踏まえ「国益損ね………
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●飯塚事件、冤罪で死刑執行…「証拠品リスト」を何故に出し渋るの? リストを公開すると何か問題でも? 警察や検察が証拠や証言を捏造する国ニッポン

2024年11月01日 00時00分03秒 | Weblog

 (2024年10月19日[火])
飯塚事件
、冤罪で死刑執行…「証拠品リスト」を何故に出し渋るの? リストを公開すると何か問題でも? 警察や検察が証拠や証言を捏造する冤罪な国ニッポン、恥ずかしい…。おまけに、大川原化工機事件のように、事件そのものをでっち上げる…。冤罪でないのなら、「証拠品リスト」ぐらい公開して見せれば? 国家権力を使い、税金で集めた証拠、本来、全て弁護側に公開すべきでしょうに。今回、福岡高裁は、そのリストに加えて、《裁判所は、初期の捜査資料についても開示するよう検察に勧告》しています。福岡地裁でも、《この2点は地裁も開示を勧告したが、検察側はリストの開示を拒み捜査資料は存在しないとしていた》…《捜査資料は存在しない》って、こんなデタラメな言い分があるか。「事案の解明に意味はない」訳がなく、大きな意味がある。随分と控えめに言って、検察や警察は無辜の人罪なき人を死刑にしてしまった恐れがある。こんな残酷な話があるだろうか。
 この冤罪事件も、しかも、既に死刑執行してしまった冤罪事件だからこと、当時のマスコミや裁判所にも大きな責任がある。もう、久間三千年さんは自分の口で無罪を訴えることも出来ない、死刑にしてしまったから

   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●飯塚事件再審請求を却下…「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。
     当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」



[↑ 飯塚事件 冤罪で死刑執行「再審請求…08年死刑執行」(朝日新聞 2024年06月3日[月])]


 NHKの記事【福岡 飯塚事件 再審めぐり 高裁が検察に証拠リスト開示を勧告】(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241028/k10014622381000.html)、《32年前、福岡県飯塚市で小学生の女の子2人が殺害されたいわゆる「飯塚事件」で、元死刑囚の家族が求めている再審=裁判のやり直しをめぐり、福岡高等裁判所が検察に対し、証拠のリストを開示するよう勧告したことが弁護団への取材で分かりました。1992年、飯塚市で小学1年生の女の子2人が登校途中に連れ去られ、遺体で見つかったいわゆる「飯塚事件」では、殺人などの罪に問われた久間三千年元死刑囚(執行時70)の死刑が2006年に確定し、その2年後に執行されました。元死刑囚は一貫して無罪を主張…》。

 志村一也記者による、毎日新聞の記事【飯塚事件 福岡高裁、検察側に証拠品リストなどの開示を勧告】(https://mainichi.jp/articles/20241028/k00/00m/040/273000c)、《福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で略取誘拐や殺人の罪に問われて死刑が確定し、2008年に執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚(執行時70歳)の第2次再審請求審の即時抗告審で、福岡高裁(松田俊哉裁判長)は28日、検察側に証拠品リストや捜査資料などを開示するよう勧告した》。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
       証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
       死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●飯塚事件…《DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年は、06年最高
     裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが...》(政界地獄耳)
   『●目隠ししているヨーロッパの法律の女神、一方、ニッポンの法律の女神
      は《目隠ししておりません》…冤罪で死刑執行されてしまった飯塚事件
   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は掌中の
         証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ
   『●飯塚事件…鈴嶋裁判長《「…覚えているのは不自然」…女性の証言…「捜査
     機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない」》
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●《<無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である>…無実の人を罰する
      のは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》
   『●《「死刑制度を続ける日本は北朝鮮やシリアと同じ」―。…日本に向けられて
      いる厳しい視線》《間違いが起こる可能性を認める国こそ民主主義的な国》
   『●冤罪者の「死」を待つという残酷な国家の犯罪と、《正義の名の下に死刑
     執行》された飯塚事件…何の検証もすることなく、全く反省の無い警察や検察

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241028/k10014622381000.html

福岡 飯塚事件 再審めぐり 高裁が検察に証拠リスト開示を勧告
2024年10月28日 22時38分

32年前、福岡県飯塚市で小学生の女の子2人が殺害されたいわゆる「飯塚事件」で、元死刑囚の家族が求めている再審=裁判のやり直しをめぐり、福岡高等裁判所が検察に対し、証拠のリストを開示するよう勧告したことが弁護団への取材で分かりました。

1992年、飯塚市で小学1年生の女の子2人が登校途中に連れ去られ、遺体で見つかったいわゆる「飯塚事件」では、殺人などの罪に問われた久間三千年元死刑囚(執行時70)の死刑が2006年に確定し、その2年後に執行されました。

元死刑囚は一貫して無罪を主張し、家族が行った2回目の再審請求について、福岡地方裁判所はことし6月、再審を認めない決定を出し、弁護団が即時抗告しています。

28日、福岡高等裁判所で検察と弁護団、それに裁判所による1回目の3者協議が開かれ、終了後に弁護団が福岡市内で会見を開きました。

この中で弁護団は、裁判所が検察に対し、事件に関わる証拠のリストを開示するよう勧告したことを明らかにしました。

また、弁護団が、事件当日に被害者を目撃したとされる女性が「目撃したのは事件当日ではなかった」と当時の調書の内容をみずから否定した証言などを新たな証拠として提出したことをめぐり、裁判所は、初期の捜査資料についても開示するよう検察に勧告したということです。

証拠のリストについては、これまでに福岡地方裁判所も開示するよう勧告しましたが、検察は応じておらず、会見で弁護団の岩田務弁護士は「われわれが目指す証拠の開示に向けて大きく踏み出した」と述べました。
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https://mainichi.jp/articles/20241028/k00/00m/040/273000c

飯塚事件 福岡高裁、検察側に証拠品リストなどの開示を勧告
2024/10/28 18:51(最終更新 10/28 18:51)

     (福岡高裁=福岡市中央区で、吉川雄策撮影)

 福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で略取誘拐や殺人の罪に問われて死刑が確定し、2008年に執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚(執行時70歳)の第2次再審請求審の即時抗告審で、福岡高裁(松田俊哉裁判長)は28日、検察側に証拠品リストや捜査資料などを開示するよう勧告した。この日あった検察側、弁護側、裁判所の3者協議の後、弁護側が明らかにした。

 弁護側は第2次再審請求の際、確定判決で被害女児2人の「最後の目撃者」とされた当時20代の女性が「見たのは事件当日ではない。当時も捜査当局に『その日に見たのか、はっきりしない』と説明したが聞き入れてもらえなかった」と当時の証言を翻した新証言などを提出したが、福岡地裁は24年6月、信用できないと請求を棄却。弁護側が即時抗告した。

 3者協議は非公開。弁護側によると、高裁が勧告したのは証拠品リスト女性が供述調書を作成される前に県警側に説明していた内容が記載された捜査資料――の2点という。この2点は地裁も開示を勧告したが、検察側はリストの開示を拒み捜査資料は存在しないとしていた。

 弁護団の岩田務弁護士は「女性の当初の説明が明らかになれば、虚偽の供述調書が作成されたことがわかるはずだ」と訴えた。【志村一也】
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●《「死刑制度を続ける日本は北朝鮮やシリアと同じ」―。…日本に向けられている厳しい視線》《間違いが起こる可能性を認める国こそ民主主義的な国》

2024年10月27日 00時00分40秒 | Weblog

[※ 安田好弘さん 《「死刑反対。死刑をおかしい」と言うこと自体が、異端者になってくる》 (2018年7月28日 報道特集)↑]


(2024年09月15日[日])
恥ずかしい…《「死刑制度を続ける日本は北朝鮮やシリアと同じ」―。…日本に向けられている厳しい視線》。死刑制度反対裁判員制度反対死刑存置反対死刑反対。人権意識の低い国ニッポンと蔑まれている。(そういう「イメージ」がどこに在るのか疑わしいが)《◆「日本は親切で民主主義国家」というイメージ裏切る》。50年以上前にイギリスで《「誤審の危険性」と「死刑の不可逆性に対する国民の問題意識が高まった》そうだが、ニッポンはどうなってるのかね? 今でも日本では死刑存置は8割を超えるのではないかと思うが、《◆廃止当時、イギリスでも70%が死刑を支持していた》そうだし、フランスでも同様だったと思います。カルトとヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党のニッポン政府は死刑を続けたくて仕方ない訳だ ―――《現在は英国で死刑を支持する世論は40%台だが、死刑を廃止した60年代は70%台だった。「死刑廃止後に政治が世論を導き、国民は廃止を支持し続けている新しい情報や事実に触れると意見が変化するのは当たり前のこと重要なことは、さまざまな情報を提供し、幅広い議論を起こすことだ」と、死刑廃止に向けた政治のリーダーシップの重要性を訴えた。一方、日本では死刑制度を容認する声が根強いことを理由に、政府は死刑廃止に消極的だ》。演者は、《…死刑事件で再審無罪が確定。…袴田巌さん》などの《事件を引き合いに間違いが起こる可能性を認める国こそ民主主義的な国だ」と述べ、死刑廃止に向けた議論が進むことに期待を示した》そいうだが、ニッポンは《民主主義的な国》ではないということだ。

   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟

 (東京新聞社説、2021年8月23日)《米国が連邦による死刑執行を一時停止すると表明した。死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・停止は、もはや世界の潮流となっている。日本でも廃止に向けた議論を進めるべきだ》。なんでも《米国》に従うのにね。《バージニア州は今年三月に「死刑は不公平で効果がなく非人道的だ」として、南部の州として初の廃止州となった》。消費税制が無いことや死刑停止・廃止には従わないのにね。ニッポンは、死刑存置でいいのですか? 《アムネスティ・インターナショナル…はこうした現状を「世界は死刑という残虐かつ非人道的で、品位をおとしめる究極の刑罰を過去の遺物に葬り去ろうとしている」と説明している》。
 《普遍的な人権問題》としては、冤罪者を死刑にしてしまうこと。「飯塚事件」で死刑が執行された久間三千年さんが思い出される。罪なき人に対しての《国家による殺人》。政権が罪を認めるはずも無いし、最早責任の取りようもない、国家が無辜の人を殺したのですから。

 三宅千智記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/イギリス人が「目を丸くして驚く」制度が日本、北朝鮮、シリアに 知日派大使「いかなる場合も死刑反対」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/353090?rct=tokuhou)/《「死刑制度を続ける日本は北朝鮮やシリアと同じ」―。英国のジュリア・ロングボトム駐日大使が、日本の死刑制度のあるべき方向性を議論している有識者会議で講演し、日本に向けられている厳しい視線を指摘した。55年前に死刑を廃止した英国から日本はどう映るのか。(三宅千智)》。

   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」…
      「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」

   『●NNNドキュメント「死刑囚の子 殺された母と、殺した父へ」
   『●和歌山毒カレー冤罪事件: 安田好弘弁護士と林眞須美被告
   『●「新宿西口バス放火事件」: ある被害者の心の軌跡
   『●「殺すなかれ…」…「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?
   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)

 《赤坂自民亭》の酔いちくれぶりや、一部マスコミの異常なハシャギぶり、思い出すだけでも気分が悪い。《死刑を忠実に実行しているのは日本だけ》、本当に何もかも嫌になるニッポン。さらには、飯塚事件久間三千年さんにどう責任をとるつもりなのか?

   『●袴田冤罪事件を機に死刑制度の再考ができない我国
   『●善良な市民には関係ない?? 
      死刑制度存置派驚異の8割の我国では全く揺るがず!?
   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
      飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
    《今年七月、オウム真理教の死刑囚十三人全員の刑が執行された。
     世界で死刑廃止の流れが進む中、大量執行は国内外に大きな衝撃を
     与えた。だが、国内ではその後、死刑制度の存廃を巡る大きな議論
     にはつながっていないこのままでいいのか。関係者を訪ね歩き、
     考えた》

   『●「死刑のスイッチ」を強制する裁判員制度:
      「やった人でないと、この苦しみは分からない」
   『●「7人に死刑を執行する前日に乾杯する総理大臣と法務大臣
            …これがこの国のグロテスクな現状なのだ」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/353090?rct=tokuhou

こちら特報部
イギリス人が「目を丸くして驚く」制度が日本、北朝鮮、シリアに 知日派大使「いかなる場合も死刑反対」
2024年9月10日 12時00分

 「死刑制度を続ける日本は北朝鮮やシリアと同じ」―。英国のジュリア・ロングボトム駐日大使が、日本の死刑制度のあるべき方向性を議論している有識者会議で講演し、日本に向けられている厳しい視線を指摘した。55年前に死刑を廃止した英国から日本はどう映るのか。(三宅千智)


◆死刑制度のあるべき方向性を議論する会合で…

 発言が出たのは、8月29日に東京都内で開かれた「日本の死刑制度について考える懇話会」(座長=井田良(まこと)中央大大学院教授)。日本弁護士連合会が2月に設置し、法曹関係者や国会議員、学識経験者が参加。10月の提言とりまとめを目指し、犯罪被害者遺族や元法相、元刑務官ら関係者から意見聴取を重ねている。

     (法曹関係者や国会議員らが参加した「日本の死刑制度に
      ついて考える懇話会」=東京都千代田区で)

 その1人がロングボトム氏。1986年に英国外務省に入省し、東京の在日英国大使館では90~93年に二等書記官として、2012~16年に公使として勤務し、21年3月から現職。知日派として知られ、講演は日本語で行った。


◆「日本は親切で民主主義国家」というイメージ裏切る

 ロングボトム氏は「残念なことに、死刑存置という観点からみると、日本は中国、北朝鮮、シリア、イランなどの国と同じグループに入ってしまう」と述べた。22年の国連総会で採択された、死刑廃止を視野に執行の停止を求める決議案への対応が根拠という。125カ国が賛成したが、日本や米国、中国、北朝鮮など37カ国は反対した。

 「私の英国人の友人は『日本は親切で民主主義の国家というイメージを持っている。私が『でも、日本には死刑制度が残っていると話すと、全員が目を丸くして驚く」。ロングボトム氏は明かす。

     (駐日英国大使のジュリア・ロングボトム氏=在日英国大使館提供)

 英国は1969年に死刑を原則廃止した。2次世界大戦が命の尊さについて再考する契機になったという。政府が設けた死刑に関する委員会は53年の報告書で「どの殺人が死刑相当で、どの殺人がそうでないかを提示することは不可能と結論を出した。50年代に誤審事件が起きたこともきっかけとなり、「誤審の危険性」と「死刑の不可逆性に対する国民の問題意識が高まった


◆廃止当時、イギリスでも70%が死刑を支持していた

 現在は英国で死刑を支持する世論は40%台だが、死刑を廃止した60年代は70%台だった。「死刑廃止後に政治が世論を導き、国民は廃止を支持し続けている新しい情報や事実に触れると意見が変化するのは当たり前のこと重要なことは、さまざまな情報を提供し、幅広い議論を起こすことだ」と、死刑廃止に向けた政治のリーダーシップの重要性を訴えた。

 一方、日本では死刑制度を容認する声が根強いことを理由に、政府は死刑廃止に消極的だ。内閣府が5年前に行った世論調査で死刑もやむを得ないとする割合は80.8%。「廃止すべきだ」は9.0%、「分からない」は10.2%。小泉龍司法相は今年3月の記者会見で、こうした世論調査結果に触れつつ「死刑を廃止することは適当ではない」との見解を示した。

     (国会議事堂)

 ロングボトム氏は「英国政府はいかなる場合でも死刑には反対の立場だ」と強調。理由として「冤罪(えんざい)の場合は取り返しの付かない事態になる」ことを挙げた。


◆「間違いが起こる可能性を認める国こそ民主的」

 日本では80年代に「免田事件」「財田川事件」「松山事件」「島田事件」の四つの死刑事件で再審無罪が確定。66年に静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)を巡っても、今月26日の再審公判の判決で、無罪を言い渡される公算が大きい。

 ロングボトム氏はこれらの事件を引き合いに間違いが起こる可能性を認める国こそ民主主義的な国だ」と述べ、死刑廃止に向けた議論が進むことに期待を示した。


 日本の死刑 殺人、現住建造物等放火などの重大な罪を犯した人に科される刑罰。刑法は、刑事施設内における絞首での執行を定める。刑事訴訟法は、法相の命令から5日以内に検察官や刑事施設長らが立ち会って執行しなければならないとしている。
 法務省によると、9日時点で刑事施設に収容中の確定死刑囚は107人。直近の執行は2022年7月26日、東京・秋葉原無差別殺傷事件(08年)の加藤智大死刑囚=当時(39)=で、当時の古川禎久法相が命じた。
 最も長く収容されているのは、1966年に福岡市の電器店で店員2人が殺傷された「マルヨ無線事件」で、強盗殺人などの罪で70年に死刑判決が確定した尾田信夫死刑囚(77)。


【関連記事】あなたが死刑判決を決断するかも…「死刑囚の実情、国民へもっと情報出して」元裁判員が法務省に要請
【関連記事】108カ国が廃止した死刑をなぜ日本は続けるのか? 「世界死刑廃止デー」に刑罰の本質から考える
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●飯塚事件…鈴嶋裁判長《「…覚えているのは不自然」…女性の証言…「捜査機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない」》

2024年06月07日 00時00分54秒 | Weblog

[↑ 飯塚事件 冤罪で死刑執行「再審請求…08年死刑執行」(朝日新聞 2024年06月3日[月])]


(2024年06月06日[木])
冤罪で久間三千年さんを死刑執行してしまった飯塚事件の第2次再審請求、(西日本新聞)《新証言を一蹴想定の中で最悪の内容》…。(東京新聞社説)《誤判で死刑執行されたのなら、究極の人権侵害であり、取り返しがつかない重大な国家犯罪となる》
 目隠ししていないニッポンの法律の女神
…証言を捏造して「見た」ことにした捜査員、その幻を裁判官までが「見て」しまっている《この国の司法の姿》はあまりに酷い、醜悪。

   『●飯塚事件再審請求を却下…「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。
     当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」

 (FBS)《審理を担当した鈴嶋晋一裁判長は5日、男性の証言について「事件から26年以上経った今でも、面識のない女の子2人の顔をはっきり覚えているのは不自然」と指摘しました。女性の証言についても「捜査機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない。女性の証言は理由なく変遷している」として「2人の証言は信用できない」と結論づけ、再審請求を退けました》。《『いや見たんだ』と押し切》った捜査員の捏造証言、それを裁判官までが〝真実〟と見てしまっている。これは本当に司法判断なのか? 裁判官としての矜持や良心は無いのか?
 福岡地裁・鈴嶋晋一裁判長は、そんなに、当時の警察や検察、裁判官、法相 (飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相) を守りたいのか? 久間三千年さんは一貫して無罪を主張しており、確たる証拠も無く、自白も無く、再審準備中にもかかわらず、最高裁判決からわずか2年余りで急ぐように死刑執行。何もかも異常だ。久間さんはさぞかし無念だったことだろう。《この国の司法の姿》はあまりにも醜い。特に、裁判官は…《憲法第76 ―――「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」》のではないのか? (琉球新報)《裁判官が時の権力におもねるような判断ばかりを示すならば、司法に対する信頼は失墜する裁判官は良心に従い職権を行使する独立した存在である》べきなのではないのか? 鈴嶋晋一裁判長には「見え」ていないのだろうが、久間氏を殺すために、当時、積み重ねた《状況証拠》は、いま、無残な姿をさらしている。

 西日本新聞の記事【飯塚事件第2次再審請求棄却、司法は手を尽くしたのか】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1219798/)によると、《飯塚事件の被害女児の「最後の目撃者」である女性が、第2次再審請求で証言を翻した。それを弁護団が会見で明かした時、ぼうぜ...》。

 弁護団「想定の中で最悪の内容」。
 西日本新聞の記事【新証言を一蹴想定の中で最悪の内容」 声うわずり、涙浮かべる弁護団代表 福岡地裁が飯塚事件第2次再審請求】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1219808/)によると、《再審の扉はまた開かなかった。久間三千年(みちとし)元死刑囚の死刑執行から16年。女児2人が殺害された飯塚事件で、福岡地…》。

 《『いや見たんだ』と押し切》った捜査員の捏造証言、それを裁判官までが〝真実〟と見てしまっている《この国の司法の姿》。30年以上前の当時の証言者の記憶が曖昧かどうかが問題じゃない。《『いや見たんだ』と押し切》った捜査員によって捏造証言させられたという〝記憶〟の問題。
 東京新聞の【<社説>飯塚事件 「再審認めず」は疑問だ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/331835?rct=editorial)。《1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で、福岡地裁は再審開始を認めなかった。だが、警察に押し切られ、「記憶と異なる供述をした」とする新証言は重い司法は再審の道を開くべきだ》。

 《この国の司法の姿》は醜悪。
 (FBS)《(裁判所が)一覧表の証拠開示勧告をしたが、検察が応じなかった》…なぜ応じないんですか? 《一覧》さえ出せない理由は何ですか? (山方泰輔元捜査一課長)《弁護士は証拠をつくる》ではなく、警察や検察は証拠をつくる》ではないのか。犯人をでっち上げた、では無いのか? DNA鑑定、久間さんの (ラインなし) 車の目撃証言、一方で、当時の別の証言(今回の2人の新証言の内のもうお一人)の目撃証言を無視するというミス・意図的過誤…。《女性の証言についても「捜査機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない。女性の証言は理由なく変遷している」》などと判示出来るものだね。
 FBSの映像記事【【飯塚事件】“再審の扉”またも開かれず 専門家に聞く「妥当」「門前払い」 地裁による証拠開示の勧告を検察は拒否→法整備の議論を 福岡】(https://www.youtube.com/watch?v=N_F8cBF636o)によると、《再審の扉はまたも開かれませんでした。32年前、女児2人が殺害された飯塚事件で、死刑が執行された元死刑囚の2度目の再審請求について、福岡地裁は5日、裁判のやり直しを認めない決定を出しました》。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
       証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
       死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●飯塚事件…《DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年は、06年最高
     裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが...》(政界地獄耳)
   『●目隠ししているヨーロッパの法律の女神、一方、ニッポンの法律の女神
     は《目隠ししておりません》…冤罪で死刑執行されてしまった飯塚事件
    「《山方泰輔元捜査一課長…「…弁護士は証拠をつくる、うん。
     と(いう弁護士)がまだ、おるとかなと思うてですね。ひっくり返す
     ためには、新しか証拠をつくらんと、裁判所が、「そげな証拠ある
     なら再審もう一ぺんせないかんな」いうようなのを
     つくってこないかんですから。…」》…酷い言い分だ。自分たち
     捜査側にこそ、でっち上げの恐れを感じている、冤罪者を殺して
     しまったのではないかと感じているのではないのか?
     《弁護士は証拠をつくる》、あまりに酷い主張ではないか。」

   『●飯塚事件再審請求を却下…「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。
     当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」


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https://www.tokyo-np.co.jp/article/331835?rct=editorial

<社説>飯塚事件 「再審認めず」は疑問だ
2024年6月6日 07時41分

 1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で、福岡地裁は再審開始を認めなかった。だが、警察に押し切られ、「記憶と異なる供述をした」とする新証言は重い司法は再審の道を開くべきだ

 女児2人は登校途中に行方不明となり、翌日、約20キロ離れた山中で遺体で見つかった。

 逮捕された久間三千年元死刑囚と犯行を結び付ける直接証拠は存在せず、本人は一貫して否認、無罪を主張したが、2006年に死刑判決が確定。その2年後に執行された再審請求を準備中だったのに異例の早さで死刑執行したのはなぜか。まず、それが疑問だ。

 第1次の再審請求では、当時のDNA鑑定の信用性に疑問があった。冤罪(えんざい)が明らかとなった足利事件と同じ旧式の鑑定手法で、再鑑定できる試料も残っていなかった。福岡地裁は14年に「(DNA鑑定でただちに有罪認定の根拠とはできない」としたが、他の状況証拠などから再審請求を棄却。最高裁も再審を認めなかった。

 第2次の再審請求では、2人の新証言から状況証拠にも大きな疑問が浮かんだ。1人は被害女児の最後の目撃者とされた女性。確定判決は目撃現場で連れ去られたと認定したが、「見たのは別の日だった」と法廷で証言。警察に押し切られて記憶と異なる供述をしたと述べた

 もう1人の目撃者は男性。事件当日に別の場所で、被害女児に似た2人が乗っていた車を見たが、運転者は元死刑囚とはかけ離れた風貌だったという。

 特に、女性の証言は確定判決の証拠構造を揺るがす重みを持つ。「現場近くで紺色の車を見た」など別の目撃証言につながる重要供述だった。これが警察の調べに迎合した結果なら、元死刑囚が女児を連れ去ったとする事実認定は次々と崩壊してしまう。

 しかし、福岡地裁は「新証言は変遷があり信用できない」「元死刑囚が犯人であるとの立証がされている結論は揺るがない」などと一蹴再審を認めなかった乱暴な判断ではないか

 誤判で死刑執行されたのなら、究極の人権侵害であり、取り返しがつかない重大な国家犯罪となる。「疑わしきは被告人の利益に」の原則で、司法は再審公判を開き、事件の真実に近づくべきではなかったか。
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https://www.youtube.com/watch?v=N_F8cBF636o




【飯塚事件】“再審の扉”またも開かれず 専門家に聞く「妥当」「門前払い」 地裁による証拠開示の勧告を検察は拒否→法整備の議論を 福岡
FBS福岡放送ニュース
2024/06/05

再審の扉はまたも開かれませんでした。32年前、女児2人が殺害された飯塚事件で、死刑が執行された元死刑囚の2度目の再審請求について、福岡地裁は5日、裁判のやり直しを認めない決定を出しました。


■山本竜誠記者
「午前9時50分です。今、弁護団が裁判所に向かっていきます。久間元死刑囚の再審について、まもなく判断が下されます。」

いまだ認められたことのない死刑執行後の裁判やり直し。午前10時、裁判所の判断が弁護団に伝えられました。


■東まどか記者
「再審請求は棄却です、再審請求は棄却。福岡地裁は久間 元死刑囚の2度目の再審請求を棄却しました。」

福岡地方裁判所の判断は、再審=裁判のやり直しを「しない」というものでした。

1992年2月、飯塚市の小学1年の女の子2人が誘拐・殺害され、朝倉市の山中で遺体が見つかった「飯塚事件」。逮捕された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚は、捜査段階から一貫して無罪を主張しました。


■久間三千年 元死刑囚
「アリバイ以上のものを持っている。100%関係ないということを、あんたたちが即信じるわ。やっていないものをやったと思われたことだけは、これは必ず白黒つける。」

自白も直接的な証拠もない中、1審の福岡地裁は、犯人のものとされるDNA型が久間氏の型と一致したことなど、状況証拠を積み重ねて有罪を導きました。


■1審判決より
「個々の状況証拠も、単独では被告人を犯人と断定することはできないものの、これを総合すれば、被告人が犯人であることについては合理的な疑いを超えて認定できる。」

2006年に最高裁で久間氏の死刑が確定。2年後、刑が執行されました

そのころ、有罪判決の柱となったDNA型鑑定を取り巻く状況が変わり始めていました。


■呼びかけ
「菅家さん、釈放おめでとうございます。」

きっかけは「足利事件」です。菅家利和さんはDNA型鑑定で犯人とされ、17年半にわたって収監されました。しかし、最新の方法で鑑定をやり直したところ、DNA型が一致せず、当時の鑑定の誤りが明らかになりました。その後、菅家さんは再審で無罪となっています。

足利事件と飯塚事件。2つのDNA型鑑定は、警察庁科学警察研究所の同じ技官が、同じ鑑定方法で行っていました

久間氏の妻が起こした1度目の再審請求で、裁判所はDNA型鑑定について「その証明力を確定判決の当時よりも慎重に検討すべき状況に至っている」 として証拠から事実上、除外しました。それでも。


■第1次再審請求での決定より
その他の証拠で、久間氏が犯人であることは高度に立証されている。」

裁判所は裁判のやり直しを認めませんでした。久間氏を有罪としたDNA型鑑定以外の状況証拠、それは、

▽女の子2人の誘拐現場で事件当日、久間氏のものに似た「紺色ワゴン車」が目撃されたこと。

▽そこから20キロほど離れたランドセルなどの遺留品発見現場で、事件当日に「紺色ワゴン車」を見たという目撃証言。

▽久間氏の車内から、血痕と尿反応が発見されたことなどがあります。

2021年に起こした久間氏の妻が起こした2度目の再審請求で、弁護団はこれらの証拠を突き崩すため、2つの新証拠を提出しました。

1つ目は、事件当日の新たな目撃証言です。

証言によりますと、この証言をした男性は事件当日の午前、飯塚市の八木山バイパスを車で走行し、白い軽自動車とすれ違った際、幼い女の子2人が後部座席に乗っているのを目撃したといいます。


■木村泰治さん
「悲しそうな顔が一番印象に残っています。一瞬、誘拐でないかなと。でもまさか 2人も女の子を乗せとるから。」

運転していたのは、丸刈りで色白の男。つまり“久間氏とは特徴の違う男が、幼い女の子2人と一緒だった”という証言です。

そして、もうひとつの「新証拠」は。


■永石莉里子記者
「確定判決が“誘拐場所”としたのが、こちらの三差路です。ここで最後に女の子2人を目撃したとされる女性の証言が、きょうの再審の判断の争点となりました。」

当時、警察がまとめた女性の供述調書には「事件当日の午前8時30分ごろ、車で通勤途中に女の子2人を三差路付近で見た」と記されています。

確定判決ではこの女性の証言が、女の子が誘拐された時間や場所と、目撃された「紺色ワゴン車」をつなげる、重要な証拠の一つとなっています。

しかし。


■女性の証言より
女の子を見たのは事件当日ではないそれを見たという供述調書に強引にさせられた。」

女性は去年11月の尋問で、供述は警察や検察に押し切られたものだったと証言を覆したのです。

2つの「新証拠」の信用性を裁判所がどう判断するのか。

審理を担当した鈴嶋晋一裁判長は5日、男性の証言について「事件から26年以上経った今でも、面識のない女の子2人の顔をはっきり覚えているのは不自然」と指摘しました。

女性の証言についても「捜査機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない。女性の証言は理由なく変遷している」として「2人の証言は信用できない」と結論づけ、再審請求を退けました。

またも開かれなかった“再審の扉”。弁護側は。


■飯塚事件弁護団・岩田務弁護士
新旧の証拠を真摯に検討する姿勢を放棄したものというほかなく、裁判所としての使命に反するものである。」


■徳田弁護士
我々が予想した最悪のパターンだった。この証言の価値を認めて再審を開始することが、我が国における死刑制度の根幹を揺るがしかねないという思惑に縛られて、人間としての良心に基づく貴重な証言の価値を認めようとしなかった。 きょうの決定はこれに尽きる。」

一方、捜査にあたった福岡地方検察庁は「裁判所が適切な判断をされたものと考えている」とコメントしています。

あれから32年。2人の幼い命が奪われた事件の真相は本当に明らかになったと言えるのでしょうか。弁護団は決定を不服として、来週月曜日に即時抗告することにしています。

今回の判断の焦点となった、弁護側の2つの「新証拠」について、改めてまとめました。

1つは“最後の目撃者”とされた女性が「事件当日は見ていない記憶と異なる調書が作られた」という新証言です。

これについて、福岡地裁は「捜査機関が記憶に反する調書を作る動機、必要性が見いだせない。供述を変遷させていて信用できない」と指摘しました。

もう1つの新証拠は、事件当日、被害女児に似た2人を乗せ、元死刑囚とは外見が違う男が運転する車を見たという新たな目撃証言です。

これについても福岡地裁は「不自然で信用できない」と指摘しました。

そして、この2つの「新証拠」について、いずれも信用性を否定して、元死刑囚が犯人であるという結論は揺らがないとしました。

それでは、今回の決定を専門家はどのように受け止めたのでしょうか。

刑事訴訟法に詳しい九州大学大学院の豊崎七絵教授です。


■九州大学大学院 法学研究院・豊崎七絵教授
門前払いされた。中身に入って何か実質的な検討をしているわけではなく、信用性がないというところで切られていますので。」

第2次再審請求で弁護団が新たに示した2つの証言が「門前払いされた」と批判しました。

裁判所は、当時どのように捜査が進められたかを細かく検証すべきだったと指摘します。


■豊崎教授
「もう少し、捜査の過程をきちんと見る必要があったと思いますし、当時の捜査が本当にどういう形・経緯で、誰に警察はアクセスをして何を聞いていたかということが、時系列できちんと明らかにしていく必要があったと思うのですが、 証拠開示に検察官も最終的には応じず、裁判所も最後は粘らず、こういう形で決定が出てしまったというのが一番大きいかなと思います。」

元裁判官という経歴を持つ法政大学大学院の水野智幸教授は。


■法政大学 法科大学院・水野智幸教授
「私の受け止め方は(確定判決を)揺るがすまでに今回は至らなかったんだというところだと思うんですね。全体として、いま持っている記憶が本当に正しいのか、疑問が残るんだというところは妥当な評価かなと思いました。」

新証拠を検討した結果として再審請求を退けたのは、「妥当」だと見ています。その一方で。


■水野教授
「今回、(裁判所が一覧表の証拠開示勧告をしたが、検察が応じなかったというのは遺憾なことだと思います。」

再審請求審の過程で、福岡地裁は弁護団が求めた証拠一覧の開示を検察に勧告しましたが、検察は拒否していました。

水野教授は再審制度のあり方を、法整備も含め議論すべきだと指摘します。


■水野教授
「いま、法律がない状態ですので致し方ないというのであれば、 きちんと法律を作って開示されるような方向で、全体として評価・検討することが一番大事かなというふうに思います。」

弁護団は即時報告の方針です。
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●飯塚事件再審請求を却下…「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」

2024年06月06日 00時00分55秒 | Weblog

[↑ 飯塚事件 冤罪で死刑執行「再審請求…08年死刑執行」(朝日新聞 2024年06月3日[月])]


(2024年06月05日[水])
2024年6月5日[水]、飯塚事件についての注目の判決 …… 失望しかない無残な判決。《この国の司法の姿》はあまりに酷い、醜悪。裁判官としての矜持や良心は無いのか?
 福岡地裁・鈴嶋晋一裁判長は、そんなに、当時の警察や検察、裁判官、法相 (飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相) を守りたいのか? 久間三千年さんは一貫して無罪を主張しており、確たる証拠も無く、自白も無く、再審準備中にもかかわらず、最高裁判決からわずか2年余りで急ぐように死刑執行。何もかも異常だ。久間さんはさぞかし無念だったことだろう。《この国の司法の姿》はあまりにも醜い。特に、裁判官は…《憲法第76 ―――「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」》のではないのか? (琉球新報)《裁判官が時の権力におもねるような判断ばかりを示すならば、司法に対する信頼は失墜する裁判官は良心に従い職権を行使する独立した存在である》べきなのではないのか?

   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
       電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
   『●「イチケイのカラス」第2話 ――― 裁判官らの謝罪と憲法第76条
     「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この…」

 上月英興記者による、アサヒコムの記事【飯塚事件、再審請求を再び棄却 死刑執行後の再審を認めず 福岡地裁】(https://www.asahi.com/articles/ASS644S0MS64TIPE00NM.html?iref=comtop_7_02)によると、《死刑執行後に再審が認められた例はなく、判断が注目されていたが、鈴嶋裁判長はいずれの証言も信用できないと認定した。弁護団は即時抗告する方針。…2006年に最高裁で刑が確定し、08年に執行された》。

 《いずれの証言も信用できないと認定》。一方、久間さんの犯罪を《他の証拠で十分立証》(2014年の第1次請求審の福岡地裁決定)? 一体どんな証拠? そんな〝証拠〟もどきで、死刑執行?
 東京新聞の記事【飯塚事件の再審認めず、福岡地裁 92年の2女児殺害で死刑執行】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/331651)によると、《14年の第1次請求審の福岡地裁決定は、被害女児に付着した犯人の血液と、元死刑囚のDNA型が一致したとする鑑定結果は「直ちに有罪の根拠とできないと判断一方で他の証拠で十分立証されているとして請求を退け、福岡高裁、最高裁も支持した》。

 《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話し》ている。(今回の2人の新証言の内のお一人)この女性の話「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日当時、捜査員に見ていないと伝えてもいや見たんだと押し切られた」そうだ。福岡地裁・鈴嶋晋一裁判長は、この女性の話も含めて、《いずれの証言も信用できないと認定》してしまっていいのですか? 本当に冤罪ではないのなら、警察や検察の持っている全ての証拠や調書、捜査資料を公開してはどうか? 公開すると、何か不都合があるのか? 当時の別の証言(今回の2人の新証言の内のもうお一人)についての調書もあるはずで、なぜ、公にしないのか? 極僅かな司法サイドに都合の良い証拠らしき断片を提示し、裁判所が死刑執行の判決を下したのではないか。
 袴田事件でもそうなのだが、久間さんやそのご家族には当然として、被害女児やそのご家族にも大変に失礼な話なのではないのか。しかも、真犯人を放置してしまっている。捜査にあたった当時の警察官は何も感じないのだろうか?

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
       証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
       死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●飯塚事件…《DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年は、06年最高
     裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが...》(政界地獄耳)
   『●目隠ししているヨーロッパの法律の女神、一方、ニッポンの法律の女神
     は《目隠ししておりません》…冤罪で死刑執行されてしまった飯塚事件
    「《山方泰輔元捜査一課長…「…弁護士は証拠をつくる、うん。
     と(いう弁護士)がまだ、おるとかなと思うてですね。ひっくり返す
     ためには、新しか証拠をつくらんと、裁判所が、「そげな証拠ある
     なら再審もう一ぺんせないかんな」いうようなのを
     つくってこないかんですから。…」》…酷い言い分だ。自分たち
     捜査側にこそ、でっち上げの恐れを感じている、冤罪者を殺して
     しまったのではないかと感じているのではないのか?
     《弁護士は証拠をつくる》、あまりに酷い主張ではないか。」

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https://www.asahi.com/articles/ASS644S0MS64TIPE00NM.html?iref=comtop_7_02

飯塚事件、再審請求を再び棄却 死刑執行後の再審を認めず 福岡地裁
上月英興 2024年6月5日 10時07分

     (福岡地裁前では、支援者らが「不当決定」と書かれた紙を
      掲げた=2024年6月5日午前10時5分、福岡市中央区、
      日吉健吾撮影)

 福岡県飯塚市で1992年、女児2人が殺害された「飯塚事件」で、福岡地裁(鈴嶋晋一裁判長)は5日、死刑が執行された久間(くま)三千年(みちとし)・元死刑囚(執行時70)の再審請求を棄却する決定を出した。福岡地裁が飯塚事件の再審請求を退けたのは、第1次請求を棄却した2014年3月に続いて2度目。

 弁護団は今回の第2次請求で、元死刑囚が犯人であるとした確定判決に疑問を生じさせるという2人の目撃証言を新証拠として提出死刑執行後に再審が認められた例はなく、判断が注目されていたが、鈴嶋裁判長はいずれの証言も信用できないと認定した。弁護団は即時抗告する方針。

 元死刑囚は1994年に逮捕され、殺人や死体遺棄などの罪で起訴された。無罪を主張したが、福岡地裁は99年、現場周辺で元死刑囚のものとよく似た車を目撃したという証言や、元死刑囚の車にあった被害女児と同じ血液の血痕などの状況証拠から有罪認定し、死刑を言い渡した2006に最高裁で刑が確定し、08年に執行された。

 弁護団は09年に起こした第………。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/331651

飯塚事件の再審認めず、福岡地裁 92年の2女児殺害で死刑執行
2024年6月5日 10時22分 (共同通信)

     (「飯塚事件」の再審開始が認められず、福岡地裁前で
      「不当決定」を訴える支援者=5日午前)
     (1992年2月、女児の遺体が発見された福岡県甘木市
      (現朝倉市)の現場付近)

 福岡県飯塚市で1992年、小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で死刑が確定、2008年に執行された久間三千年元死刑囚=執行時(70)=の第2次再審請求審で、福岡地裁(鈴嶋晋一裁判長)は5日、裁判をやり直す再審の開始を認めない決定をした。死刑執行後に再審が認められた例はない

 元死刑囚は捜査段階から一貫して否認し、第1次再審請求前に死刑執行された。第2次請求は妻が21年に申し立て、弁護側は被害女児を目撃したという2人の新証言を基に、元死刑囚が犯人ではないと主張していた。

 確定判決によると、92年2月20日朝、登校中の女児2人=いずれも当時(7)=をワゴン車に乗せて略取・誘拐し、首を絞めて殺害。遺体を福岡県甘木市(現朝倉市)の山中に遺棄した。

 14年の第1次請求審の福岡地裁決定は、被害女児に付着した犯人の血液と、元死刑囚のDNA型が一致したとする鑑定結果は直ちに有罪の根拠とできない判断一方で他の証拠で十分立証されているとして請求を退け、福岡高裁、最高裁も支持した。
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●目隠ししているヨーロッパの法律の女神、一方、ニッポンの法律の女神は《目隠ししておりません》…冤罪で死刑執行されてしまった飯塚事件

2024年05月12日 00時00分58秒 | Weblog

(2024年05月11日[日])
真実の解明ではなく、三者三様の《正義》と《真実》。《この国の司法の姿を浮き彫りにしていく》ドキュメンタリー。さて、《この国の司法の姿》はどのようなものか? “吊るせ、吊るせ”的な偏見に満ちた当時の世論、それを作り出した警察やマスコミ。この国の司法はどう応え、死刑確定からわずか2年後に、飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相がどう判断したか? 百万歩譲って、なぜそんなに短期間での死刑なのか。
 当時、事件報道を先導した西日本新聞の《ある記者は言う。「司法は信頼できる、任しておけば大丈夫だと思ってきたけど、そうではないとこのことこそ社会に知らせるべきだし、我々の使命だと思っています」》。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
       証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
       死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●飯塚事件…《DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年は、06年最高
     裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが...》(政界地獄耳)

 講談社現代ビジネスの記事【「こんなもので鑑定するなよと」「(再審は)絶対に認められないだろう」福岡・飯塚事件「死刑判決」を巡る異例の事態/木寺一孝】(https://gendai.media/articles/-/126028?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related)。
 まず、リード部分は以下の通り。《1992年2月21日、福岡県甘木市の山中で、二人の女児の遺体が発見された。遺体の服は乱れ、頭部には強い力で殴打されたことを示す傷が残っていた。二人は、約18キロ離れた飯塚市内の小学校に通う一年生で、前日朝何者かに誘拐され、その日のうちに殺害、遺棄されたものと見られた。
 福岡県警は威信を懸けてこの「飯塚事件」の捜査にあたるが、決定的な手がかりはなく、捜査は難航する。そこで警察が頼ったのが、DNA型鑑定だった。さらに、遺体に付着していた微細な繊維片を鑑定することによって、発生から2年7ヵ月後、失踪現場近くに住む56歳の無職の男、久間三千年が逮捕された。
 DNA型、繊維片に加え、目撃証言、久間の車に残された血痕など、警察幹部が弱い証拠と言う証拠の積み重ねによって久間は起訴され、本人否認のまま地裁、高裁で死刑判決がくだり、最高裁で確定した。しかも、死刑判決確定からわずか2年後、再審請求の準備中に死刑執行されてしまう。
 久間は、本当に犯人だったのか。
 事件捜査にあたった福岡県警の元捜査一課長をはじめ、元刑事、久間の未亡人、担当弁護士、さらにこの事件を取材した西日本新聞元幹部、記者らに分厚い取材を行ったドキュメンタリー『正義の行方』は「ありがちな推断、誘導、泣かせを排斥し、正義を語るに恥じない映像空間が担保されている」(作家・横山秀夫氏)、「ここ数年、いや間違いなくもっと長いスパンにおいて、これほどに完成度が高く、そして強く問題を提起するドキュメンタリーは他にない」(映画作家・森達也氏)と各方面から絶賛されている。書籍版『正義の行方』からその一部を抜粋して紹介する》。
 次に、《山方泰輔元捜査一課長…「…弁護士は証拠をつくる、うん。と(いう弁護士)がまだ、おるとかなと思うてですね。ひっくり返すためには、新しか証拠をつくらんと、裁判所が、「そげな証拠あるなら再審もう一ぺんせないかんな」いうようなのをつくってこないかんですから。…」》…酷い言い分だ。自分たち捜査側にこそ、でっち上げの恐れを感じている、冤罪者を殺してしまったのではないかと感じているのではないのか? 《弁護士は証拠をつくる》、あまりに酷い主張ではないか。
 《日本大学 押田茂實名誉教授(法医学)…「法律の女神(の像)見てください。目隠しをして、ひとつひとつきいて、黒人だから有罪、白人だから無罪というようなことはしないというやっぱりあれで、ヨーロッパから、たまたま手に入れて持ってきたものですけど、日本の法律の女神は、眼があっち向いてほい、こっち向いてほいで見てます。最高裁の玄関のやつを映像を撮って来てほしいと思う。目隠ししておりませんヨーロッパの法律の女神は目隠しをしています。この違いはよく考えていただきたい、と。こういうふうに思います。」》

 同じく講談社現代ビジネスの記事【福岡県甘木市の山中で二人の女児の遺体が発見…手がかりとなるDNA型鑑定には実は「異なる結果」があった/木寺一孝】(https://gendai.media/articles/-/125925?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related
 《しかし、実はその後、科警研の鑑定で残った試料をDNA型鑑定の先駆者の帝京大学・石山昱夫教授の研究室で再鑑定してもらったところ、科警研とは真反対の結果が出ていた》、一方、《山方泰輔元捜査一課長…「石山さんが鑑定でけんような、わずかなもの(分量の試料)しか回しとらんとやないかて。科警研が使いすぎてしもうたんじゃないかと。その物件をですね。そういうような感じやったからですね。少なかったということを知っとっと。私は。鑑識課長をしとったから。だから、「先生、ウチが出した物件が良うなかったでしょう」ち。... 「鑑定試料として照合できないようなもんやったんやないですか」と。こういう感じやったですよ。それから私がまた追い打ちかけて、「なら、合わんとやなくて合わせられんやったんですね」ち。最後はそういうようになったと思う。そしたらその通りとなったからですね。それで私はこれでいけるとこう思ったですね。」》…山方泰輔元捜査一課長の発言も酷いと思う。《科警研が使いすぎてしもうた》訳であり、再鑑定に回せないほどに貴重なサンプルを浪費したのは科警研である。無意識か、無能力か、恣意的かは分からないが、明らかな科警研のミスである。人一人を死刑にしているのだ。これをもってして、久間さんが犯人である、となぜ断定できるのか。
 《また、石山研究室のミトコンドリアを使ったDNA型の鑑定は第三者が検体にわずかに触れて手あかが付いただけでも、そのDNA型が検出されてしまう可能性があるほど鋭敏で繊細な方法だった。そのため判決では「採取した物の製造過程で人のDNAが混入した可能性や資料採取時に採取者等のDNAが混入した可能性も否定できない」とも指摘している》…これも変だ。コンタミがあったとしても、たとえ少量のDNAでも検出できるほどに感度が高ければ、久間さんのDNAも検出されるはずだ。久間さんのDNAがサンプル中に在ればだ。検出されていないにもかかわらず、他人の《DNAが混入》の可能性をもってして、何故に久間さんが犯人であると断定できるのか。意味不明だ。

 最後に、『ドキュメンタリー問答』の対談記事【ドキュメンタリー問答『正義の行方』「飯塚事件」を取材した圧巻のドキュメンタリー! 木寺一孝監督をお招きし大島新前田亜紀が作品の舞台裏に迫ります】(https://www.youtube.com/watch?v=I94Rfos-ARI)。

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https://www.youtube.com/watch?v=I94Rfos-ARI

ドキュメンタリー問答『正義の行方』「飯塚事件」を取材した圧巻のドキュメンタリー!木寺一孝監督をお招きし大島新と前田亜紀が作品の舞台裏に迫ります
2024/05/03  #飯塚事件 #正義の行方 #大島新



飯塚事件」を取材した圧巻のドキュメンタリー『正義の行方木寺一孝監督をお招きして、たっぷりトーク!『なぜ君は総理大臣になれないのか』『国葬の日』大島新監督、『NO 選挙, NO LIFE前田亜紀監督による<ドキュメンタリー問答>を公開!

作り手たちによる作品論、ぜひご覧ください!

『正義の行方』2024/4/27(土)より[東京]ユーロスペースほか全国順次公開
死刑が執行されたいまも多くの謎につつまれた「飯塚事件
〈真実〉と〈正義〉がぶつかりあう圧巻のドキュメンタリー

1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された「飯塚事件」。DNA型鑑定などにより犯人とされた久間三千年2008年に死刑が執行された。しかし冤罪を訴える再審請求が提起され、事件の余波はいまなお続いている。本作は、弁護士、警察官、そして新聞記者という立場を異にする当事者たちが語る〈真実〉と〈正義〉を突き合わせ、事件の全体像を多面的に描きながら、この国の司法の姿を浮き彫りにしていく

圧巻は、事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち。その姿勢は、マスメディアへの信頼が損なわれ、新聞やテレビなどの“オールドメディア”がビジネスモデルとしても急速に翳りを見せる今日、たしかな希望として私たちの心を捉える。ある記者は言う。「司法は信頼できる、任しておけば大丈夫だと思ってきたけど、そうではないとこのことこそ社会に知らせるべきだし、我々の使命だと思っています」

「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう。


『正義の行方』公式サイト
https://seiginoyukue.com/

#正義の行方
#飯塚事件 #木寺一孝 #大島新 #前田亜紀
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●飯塚事件…《DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年は、06年最高裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが...》(政界地獄耳)

2024年05月11日 00時00分11秒 | Weblog

/ (20240430[])
冤罪で死刑執行飯塚事件。本当に漸く報じられるようになってきた。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/検証報道の重要さ知る骨太の映画「正義の行方~飯塚事件30年後の迷宮~」】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202404260000161.html)。《★1992年、福岡県飯塚市で2人の女児が登校中に行方不明になり、翌日殺害された「飯塚事件」。DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年(くまみちとし)は、06年最高裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが、事件は終わらなかった。翌年には冤罪(えんざい)の可能性を提起する再審請求が行われ、事件は再スタートを切った。この事件を警察、弁護士、地元新聞というそれぞれの立場の視点で3部構成にまとめられ放送したのが22年4月にNHKBSのドキュメンタリー「正義の行方 ~飯塚事件30年後の迷宮~」。》

 常に無実を訴え続けた久間三千年さんを冤罪で死刑執行してしまった飯塚事件。こんな理不尽なことが世の中にあるだろうか? 被害者やその遺族にも、あまりに失礼極まるのではないか。こんな正義》が許されるのか。#正義の行方。きちんと確認することもなく、気安く死刑執行にサインしたのは、当時、飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相だ。《一貫して全面否認だったが、2006年に死刑判決が確定。08年に執行された》。僅か2年後に死刑執行。なぜ《急ぐように執行された》のか。もう一つ、足利事件のDNA鑑定問題との関係…《2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ》⇨《2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行》。なぜ、そんなに死刑執行を急いだのか? なぜ《急ぐように執行された》のか。両事件では同じDNA鑑定手法が使われていた。足利事件の再鑑定結果をなぜ待たなかったのか? 《2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず》。もう一点加えれば、木寺一孝監督「浮かばれないのは被害者の2人死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか」。真犯人を逃してしまったこと、さらには、被害者や遺族が居た堪れないこと、やるせないこと。検察や警察、政権の大きな罪だ。
 《「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう》。そして、マスコミ。《事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち》。《◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初》。《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》(東京新聞)。


【映画『正義の行方』特報予告(2024年4月27日㊏公開)】
 (https://youtu.be/mlLKQ26ZZzc

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
       証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
       死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202404260000161.html

コラム
政界地獄耳
2024年4月26日8時0分
検証報道の重要さ知る骨太の映画「正義の行方~飯塚事件30年後の迷宮~」

★1992年、福岡県飯塚市で2人の女児が登校中に行方不明になり、翌日殺害された「飯塚事件」。DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年(くまみちとし)は、06年最高裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが、事件は終わらなかった。翌年には冤罪(えんざい)の可能性を提起する再審請求が行われ、事件は再スタートを切った。この事件を警察、弁護士、地元新聞というそれぞれの立場の視点で3部構成にまとめられ放送したのが22年4月にNHKBSのドキュメンタリー「正義の行方 ~飯塚事件30年後の迷宮~」。同作は文化庁芸術祭大賞を受賞している。これが一本の映画として27日より東京、大阪、福岡を皮切りに公開される。

★カメラは捜査した福岡県警の警察官、弁護団、それを追い続けた西日本新聞社会部記者のそれぞれの立場の正義と真実を丁寧にひもとき、その時を振り返りながら、もう1度その判断や決定が合理的なものだったかを問う。するとそれぞれの正義と真実が少しずつずれていることに気付く。いずれも正義を担保する真実もあるがかみ合わない。

★30年前、この事件報道をリードしていた新聞記者が、18年から2年にわたり、検証の連載を開始する。何が本当か、何が真実か。正義を貫こうとする三者が三様の思いで事件を振り返る。誰もがそれぞれの仕事を“正義”として受け止め真実を探す努力をしているものの、いくつかのほころびもある。謎に包まれた事件の霧は晴れるのか。渾身(こんしん)のドキュメンタリーとともに、オールドメディアと思われている新聞の検証力と事件は警察からの情報以外に判断材料がない中で記事を出す覚悟や意味まで掘り下げる。現代社会の持つゆがみやずれが映像化されたことで胸に迫る迫力に真実が垣間見える。骨太の映画であり、検証報道の重要さを知った。ドラマのような展開だが、真実を探す映画だった。(K)※敬称略
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●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》

2024年03月07日 00時00分23秒 | Weblog

(20240302[])
常に無実を訴え続けた久間三千年さんを冤罪で死刑執行してしまった飯塚事件。こんな理不尽なことが世の中にあるだろうか? こんな正義が許されるのか。#正義の行方。きちんと確認することもなく、気安く死刑執行にサインしたのは、当時、飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相だ。《一貫して全面否認だったが、2006に死刑判決が確定。08年に執行された》。僅か2年後に死刑執行。もう一つ、足利事件のDNA鑑定問題との関係…《2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ》⇨《2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行》。なぜ、そんなに死刑執行を急いだのか? 両事件では同じDNA鑑定手法が使われていた。足利事件の再鑑定結果をなぜ待たなかったのか? 《2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず》。もう一点加えれば、木寺一孝監督「浮かばれないのは被害者の2死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか」。真犯人を逃してしまったこと、さらには、被害者や遺族が居た堪れないこと、やるせないこと。検察や警察の大きな罪だ。
 《「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう》。そして、マスコミ。《事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち》。
 《◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初》。《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
     証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》



【映画『正義の行方』特報予告(2024年4月27日㊏公開)】
 (https://youtu.be/mlLKQ26ZZzc
――――――――――――――――――――――――――――――――――
文化庁芸術祭大賞受賞の傑作ドキュメンタリー、ついに映画化
映画『正義の行方』4/27㊏よりユーロスペースほか全国順次ロードショー!

◤イントロダクション◢
これは私たちの「羅生門」
死刑が執行されたいまも多くの謎につつまれた「飯塚事件
〈真実〉と〈正義〉がぶつかりあう圧巻のドキュメンタリー

1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された「飯塚事件」。DNA型鑑定などにより犯人とされた久間三千年2008年に死刑が執行された。しかし冤罪を訴える再審請求が提起され、事件の余波はいまなお続いている。本作は、弁護士、警察官、そして新聞記者という立場を異にする当事者たちが語る真実〉と〈正義〉を突き合わせ、事件の全体像を多面的に描きながら、この国の司法の姿を浮き彫りにしていく。

圧巻は、事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち。その姿勢は、マスメディアへの信頼が損なわれ、新聞やテレビなどの“オールドメディア”がビジネスモデルとしても急速に翳りを見せる今日たしかな希望として私たちの心を捉える。ある記者は言う。「司法は信頼できる、任しておけば大丈夫だと思ってきたけど、そうではないとこのことこそ社会に知らせるべきだし、我々の使命だと思っています」

「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう。

ーー ーー ーー
『正義の行方』
ーー ーー ーー
2024/4/27(土)より[東京]ユーロスペースほか全国順次公開

監督:木寺一孝 制作統括:東野真 撮影:澤中淳 音声:卜部忠 照明:柳守彦 音響効果:細見浩三 編集:渡辺政男 制作協力:北條誠人(ユーロスペース) プロデューサー:岩下宏之
特別協力:西日本新聞社 協力:NHKエンタープライズ テレビ版制作・著作:NHK 制作:ビジュアルオフィス・善 製作・配給:東風

2024年/158分/DCP/日本/ドキュメンタリー (C) NHK

WEB https://seiginoyukue.com

X   @seiginoyukue
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 木寺一孝監督「事件の経過を知り、大変なことだと驚いた死刑が執行されて、もし無罪になれば、法治国家が揺らぐ大問題だと」。《司法の場では、検察官、弁護士、裁判官が証拠をそれぞれ取捨選択》…でも、これは検察官に証拠が偏在し、弁護士サイドに公開されない多数の検察官や警察官サイドに〝不利な〟証拠、被告の無実を示す証拠が開示されないことが問題なのでは。それらの証拠は国費を使って警察や検察が集めた証拠なのではないのか。裁判官が証拠の開示を強く求めない理由は何か? 
 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/311256?rct=tokuhou)。《1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」。元死刑囚の妻による第2次再審請求で、福岡地裁は非公開審理を終え、再審開始を巡る決定が4月以降に出る見通しとなった。同月には、事件関係者に密着したドキュメンタリー映画「正義の行方」の上映が始まる。監督の木寺一孝さん(58)が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」だった。(西田直晃)》


 何度でも、書く。飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
     証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/311256?rct=tokuhou

こちら特報部
警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は
2024年2月25日 12時00分

 1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」。元死刑囚の妻による第2次再審請求で、福岡地裁は非公開審理を終え、再審開始を巡る決定が4月以降に出る見通しとなった。同月には、事件関係者に密着したドキュメンタリー映画「正義の行方」の上映が始まる。監督の木寺一孝さん(58)が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」だった。(西田直晃


◆制作期間10年超、それぞれの述懐の「熱量」

 「30年以上前の事件であっても、登場人物の誰もがはっきりした記憶を持ち、自分自身の感情の揺れをそのまま語ってくれた。それでいて熱量もあった」

     (映画「正義の行方」について話す木寺一孝監督)

 インタビューのさなか、木寺さんは10年超の制作過程を振り返りつつ、自らも熱っぽく語った。警察官、弁護士、地元紙の西日本新聞の記者らの述懐により、事件の全体像、今もあいまいな真実の断片を照らし出すよう試みた。


 木寺一孝(きでら・かずたか) 映画監督。1965年、佐賀県有田町生まれ。88年に京都大を卒業後、NHKに入局し、死刑や少年事件などを題材にしたドキュメンタリー番組を制作した。昨年退局。他の監督作品に「”樹木希林”を生きる」。


◆女児2人を殺した罪などで2008年に死刑執行

 事件が起きた飯塚市は、福岡県中部に位置する人口約12万の地方都市。当時、女児2人が登校の途中に行方不明になり、翌日に約20キロ離れた山中で2人の遺体が見つかった。その2年7カ月後、同じ校区に住む久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚=執行時(70)=が死体遺棄容疑で同県警に逮捕された。殺人罪などでも起訴され、一貫して全面否認だったが、2006に死刑判決が確定。08年に執行された。元死刑囚の妻が命日の1年後に再審請求した。

     (久間三千年 元死刑囚(関係者提供))

 木寺さんはこの第1次再審請求から3年後の12年に撮影を始めた。「事件の経過を知り、大変なことだと驚いた死刑が執行されて、もし無罪になれば、法治国家が揺らぐ大問題だと

 再審開始決定後に世に出す予定だったが、機会はなかなか訪れない。「事件の撮影から離れた時期もあった」と明かす木寺さん。転機は、西日本新聞が18〜19年に掲載した独自の調査報道だった。計83回に及ぶ検証紙面に「勇気を得た」といい、取材を重ね、再審請求の行方にかかわらず、世に問おうと決めた。

 第1次再審請求は21年4月、最高裁で退けられたが、22年にBS1スペシャルで3部作のドキュメンタリー番組を放送。今回、それを基に劇場版をまとめた。


◆警察官はつぶやき、弁護士はうなだれた

 「無力やった…」とつぶやく元駐在所員、「俺たちが久間さんを殺した…とうなだれる弁護士、「僕は被告の立場…と述懐する新聞記者。15人ほどの関係者がカメラの前で独白し、スクリーンに浮かび上がったのは三者三様の「葛藤」だった。警察は元死刑囚の自白や謝罪を得られなかったこと、弁護団は再審請求が遅れたこと、新聞社は逮捕前に「重要参考人」のスクープを打ったこと。それぞれが抱える出口のない自問自答をすくい上げた。

     (劇中の一場面。事件を振り返る逮捕当時の
      福岡県警捜査1課長=ⓒNHK)

 「関係者は事件を今まで引きずってきた」と語る木寺さん。「事件当日、被害女児の捜索に携わった小学校の教員でさえ、自分が見つけられていたら…という苦しみを抱えている。その先生は生け花を始め、子ども向けの小説を書くようになった。あの日を起点に人生が左右された人々がたくさんいる

 腰を据えて関係者の胸の内に迫った。元死刑囚が犯人だという心証について、地元での類似事件や元死刑囚の前歴が影響した点を、捜査員自身があけすけに語っている。「裁判は検事と弁護士の芝居」という司法への不信感が見て取れるフレーズも。先行した犯人視報道に「特ダネ競争のプレッシャー」があったと記者は吐露する。「差し向かいで話を聞く中で、予期しない本心がその場で言葉になった」(木寺さん)。仕事への矜持(きょうじ)表裏一体の本音があぶり出されている。


◆「人が人を裁くのがいかに難しいか」

 制作過程を通じ、木寺さんは「人が人を裁くのがいかに難しいか。あらためて痛感した」と強調する。

 「DNA鑑定などの科学鑑定にしても、一つの結論ではなく、二手に分かれて論争の対象になる。司法の場では、検察官、弁護士、裁判官が証拠をそれぞれ取捨選択し、人物の主観が入り込む余地がある。『正義の行方』と題したが、撮影を積み重ねるうちに、正義の行方はさらに混沌(こんとん)としてきた。飯塚事件の白黒も簡単には言えない」

     (劇中の一場面。現場で事件を振り返る
      元西日本新聞の記者=ⓒNHK)

 その上で、現行の司法制度への見解をこう語る。

 「難しいからこそ、本来はもっと慎重に、厳密に精査しないといけない。死刑制度のある日本では特に」と語り、さらに、こう付け加えた。「誤りが分かればすぐに改めればいいのに、なかなか日本では認めたがらない。報道も、司法も。袴田巌さんの事件だって、再審開始が決定後も長々と公判は続いている。間違いが分かっても、そこから逃げている面は否めない」

 女児たちの遺体が発見された雑木林には、2体の小さな地蔵が今も並ぶ。木寺さんは「最終的に立ち返るのはこの現場」と言葉に力を込めた。

 「浮かばれないのは被害者の2死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか。その点を絶対に忘れてはいけないし、知ってほしいという思いで撮影した」


◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初

 飯塚事件で再審が始まれば、死刑執行事件で史上初となる。久間元死刑囚の妻は21年7月、新証拠とともに第2次再審請求をした。弁護団は今月中旬、新証拠の一端を公表した。

 確定判決の根拠の一つは、被害女児2人を最後に目撃した女性の証言だった。ところが、この女性が「事件当日には子どもを見ていない」と、弁護団に対して証言を覆した。女性に対する福岡地裁の尋問も既に行われ、再審可否の争点となるという。

     (久間三千年元死刑囚が妻に宛てた無罪を訴える手紙)

 第1次再審請求審では、被害女児の遺体に付着した血液と元死刑囚のDNA型が一致したとする鑑定結果の信用性が争われた。裁判所は鑑定の信用性の弱さを認めた一方、他の複数の証拠で犯人性は証明されているとして請求を退けた。

 死後再審の例は少ない。再審公判で無罪判決が出たのは、日弁連の支援事件では殺人罪で懲役13年が確定した1953年の「徳島ラジオ商殺し」だけだ。ほかには84年に滋賀県日野町で起きた強盗殺人の犯人とされ、無期懲役となった元受刑者が死亡した「日野町事件」で、2018年に大津地裁が再審開始を決定した。検察側が抗告し、現在は最高裁で争われている。


◆死刑確定後、早い段階で執行された

 飯塚事件について、元東京高裁判事の木谷明弁護士は「DNA鑑定の信用性に疑いが出て、再審請求されるのが確実だったのに、死刑確定の2年後という早い段階で執行された。この事件だけ特に執行を急いだ理由は見当たらず、DNA再鑑定をできなくさせるためと疑われてもやむを得ないせめて、死後でもうやむやにせず、しっかり結末を付けるべきだ」と話す。

 青山学院大の葛野尋之教授(刑事法)は「本人の死後、近親者の死亡や高齢化、事件後の関係悪化で再審請求人が不在になりがちだ。弁護士会などの公益的な立場にある機関が請求人になれる法整備が必要だ」と指摘し、こう続ける。

 「死刑確定後の再審無罪は4件あるが、どの事件も最初から明らかに無罪と分かっていたわけではない。受刑者の死亡後に有力な新証拠が出てくるケースもあり、死刑執行については慎重に吟味しなければならない。飯塚事件の例は、死刑制度と再審制度を並行する限り不可避的に起きる問題をはらんでいる」


◆デスクメモ

 女児らの最後の目撃者とされた女性は「(捜査側から自分の記憶と違う調書を作られた」と語ったという。事実としたらとんでもない話だ過去の出来事では済まされない恣意(しい)的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う。(北)


  ◇

 映画「正義の行方」の公開は、4月27日から東京都渋谷区の「ユーロスペース」で。全国で順次上映される。158分。


【関連記事】被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ
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●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》

2024年02月19日 00時00分12秒 | Weblog

(2024年02月17日[土])【【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す見たのは別の日捜査員に見ていないと伝えてもいや見たんだと押し切られた」 福岡】
 (https://www.youtube.com/watch?v=u2fizs8t1Wo)

 酷いなあ…冤罪で死刑執行飯塚事件。当時の首相は麻生太郎氏、法相は森英介氏。冤罪死刑飯塚事件飯塚冤罪事件) … 検察が《証拠品のリストの開示を拒否!? 今度は、《最後の目撃者とされる女性が証言を翻す見たのは別の日捜査員に見ていないと伝えてもいや見たんだと押し切られた」》って、もう無茶苦茶。警察・検察や裁判所は、何時まで「先輩達の罪」を庇い続けるつもりか? いい加減にしろ。
 FBSのニュース映像【【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す「見たのは別の日で捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」 福岡】(https://www.fbs.co.jp/news/news96zjgpbjoq6rw0z29x.html)。《犯人として死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚の妻が、2021年に2度目の裁判のやり直しを申し立て、現在、裁判所、検察、弁護団による協議が続いています。弁護団によりますと、証言を翻したのは女の子2人を最後に目撃したとされる女性です。女性は1992年2月20日の事件当日の朝、小学校に登校していた女の子2人を車で通勤途中に目撃したとされますが、弁護団に対し「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだと押し切られた」などと話したということです》。

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https://www.fbs.co.jp/news/news96zjgpbjoq6rw0z29x.html

【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す「見たのは別の日で捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」 福岡
福岡  2024.02.15 19:49

今から32年前に女の子2人が殺害された「飯塚事件」で新たな展開です。裁判のやり直しをめぐる三者協議が開かれ、弁護団は、女の子を最後に目撃したとされる女性が当時の証言を翻していることを明らかにしました。

この事件は32年前、福岡県飯塚市の小学生の女の子2人が殺害されたものです。

犯人として死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚の妻が、2021年に2度目の裁判のやり直しを申し立て、現在、裁判所、検察、弁護団による協議が続いています。

弁護団によりますと、証言を翻したのは女の子2人を最後に目撃したとされる女性です。

女性は1992年2月20日の事件当日の朝、小学校に登校していた女の子2人を車で通勤途中に目撃したとされますが、弁護団に対し「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだと押し切られた」などと話したということです。

弁護団は、この内容について新たな証拠として裁判所に提出していて、去年11月には女性への証人尋問が行われました。

当時の目撃証言を改めた理由について、女性は「自分の証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話したということです。

弁護団は「確定判決が認定した誘拐場所や時間の根拠がなくなった」「確定判決は久間氏の車に良く似た紺色ワゴン車が同じ頃にその場所で目撃されたことを状況証拠の一つにしているが、この車と犯行は結びつかない」と主張しています。
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   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
        検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定
   『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
        着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
        その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ
     「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》

 何度でも、飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

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●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》

2023年06月22日 00時00分04秒 | Weblog

(20230605[])
冤罪死刑飯塚事件飯塚冤罪事件) … 検察が《証拠品のリストの開示》を拒否!?

   『●飯塚冤罪事件で死刑執行されてしまった久間三千年さん…福岡地検に、
     《裁判所が検察に対し、証拠品のリストを開示するよう勧告》した!

 なぜに堂々と《開示》しないのかね? リストを公開したからといって、一体全体何の問題があんの? 公開しない方が要らぬ疑いを持たれることになるでしょうに。(清水潔さん)《裁判所にも見せられない危ない証拠がゴロゴロしているということなのだろう》。

   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
      侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?
    《根底には再審法(刑事訴訟法)の不備がある。冤罪(えんざい)から
     無実の人を早期救済するため(1)証拠開示の制度化
     (2)審理を長引かせる検察官抗告の禁止-などの法整備を
     日本弁護士連合会や市民グループが求めている。加えて、
     同一事件の審理を同じ裁判官が繰り返し担うことを、
     再審請求審でも禁じると規定するべきではないか。》

   『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
     を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》
    《西山さんは担当刑事に「いろいろ言いたいこともある」と言う。
     だが、過去を恨むのではなく「冤罪で苦しむ人を救済できる、
     再審法の改正が進んでほしい」と冤罪支援を必要とする人には話を
     しにいったりしている》

   『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
     支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ

 《「事案の解明に意味はない」》というのは、どういう開示拒否の理由なのか?
 FBSのニュース映像【女児2人殺害『飯塚事件』の再審請求 弁護側の証人が法廷で語る】(https://www.youtube.com/watch?v=v3Z7t2-wrtQ)によると、《弁護団は、検察が都合の悪い捜査資料を隠しているとして、事件に関わる証拠を開示するよう求めていました。裁判所は3月、検察に証拠品のリストの開示を勧告していましたが、検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はないなどと拒否したということです》。


清水潔さんのつぶやき:

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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1664141522852532225

清水 潔@NOSUKE0607

冤罪死刑の可能性が争われている福岡の「飯塚事件」。
今年3月に裁判所が、検察に対して「証拠品のリストを開示するように」勧告したのだが、なんと検察はこれを拒否。裁判所にも見せられない危ない証拠がゴロゴロしているということなのだろう。これはもうアウトだろう

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nhk.or.jp

「飯塚事件」の再審請求で新たな目撃証言の男性への証人尋問|NHK 福岡のニュース
【NHK】31年前、飯塚市で小学生の女の子2人が殺害されたいわゆる「飯塚事件」で、すでに死刑が執行された元死刑囚の家族が裁判のやり直しを求める2度目…
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午後2:27 · 2023年6月1日
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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1664143130239852545

清水 潔@NOSUKE0607

これまで多くの冤罪事件で、検察・警察が隠していた証拠が開示されたことで無罪が証明された。だから捜査当局はどんな証拠があるのか、そのリストを見せたくない。しかし公務員が税金を使って集めた証拠が、有罪判定だけに使われてはならない民主主義社会なら当然のことだ

午後2:33 · 2023年6月1日
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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1664143967074799616

清水 潔@NOSUKE0607

飯塚事件の捜査は決して揺るがない…、などといいながら、疑惑が浮上しても原判決裁判に出された証拠しかみせない国民一人を死刑にしておいて、隠すものなどあってはならない。飯塚事件の疑惑がいよいよ深まったといえる重大な局面であろう。

午後2:36 · 2023年6月1日
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 布川事件氷見事件東電OL殺害事件志布志事件村木厚子氏冤罪事件足利事件…も確かにとんでもないのだけれど、飯塚事件は極めつきなのだ。冤罪者を死刑にしてしまったというとんでもない事件。国家による殺人。時の法相は、麻生太郎内閣の森英介氏。警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?
 飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

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https://www.youtube.com/watch?v=v3Z7t2-wrtQ




女児2人殺害『飯塚事件』の再審請求 弁護側の証人が法廷で語る
FBS福岡放送ニュース
2023/05/31

31年前に福岡県飯塚市で小学生の女の子2人が殺害された『飯塚事件』についてです。死刑になった男性の家族が、裁判のやり直しを求めている再審請求の証人尋問が、福岡地方裁判所で31日に行われました。

再審=裁判のやり直しを申し立てているのは、久間三千年元死刑囚の家族です。久間氏は31年前、福岡県飯塚市で女児2人を殺害したとして、死刑が執行されました。

弁護団はおととし、久間氏は無実だとして、2度目の裁判のやりなおしを申し立てました。この時に弁護団は、ある男性の証言を無実を主張する新たな証拠として提出しました。福岡地方裁判所では31日、この男性の証人尋問が行われました。

男性は「事件当日に女児2人を乗せた白い軽ワゴン車を男が運転しているのを見た。男の特徴は久間氏とは違った」と証言しています。

弁護団によりますと31日の尋問で男性は、女の子の寂しそうな顔が「脳裏に焼きついていて、記憶違いはない」と話しました。また、当時訪ねてきた警察官が男性に対し「普通車ではないか? 紺色のワゴン車ではなかったかなどと聞いてきたと、新たに明らかにしました。紺色のワゴン車は当時、久間氏が所有していた車で、弁護団は警察が久間氏が犯人だとの見立てのもと、証言を得ようとしたのでは」と説明しています。

弁護団は、検察が都合の悪い捜査資料を隠しているとして、事件に関わる証拠を開示するよう求めていました。裁判所は3月、検察に証拠品のリストの開示を勧告していましたが、検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はないなどと拒否したということです。
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   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
        検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定
   『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
        着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
        その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ
     「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)

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●飯塚冤罪事件で死刑執行されてしまった久間三千年さん…福岡地検に、《裁判所が検察に対し、証拠品のリストを開示するよう勧告》した!

2023年03月27日 00時00分59秒 | Weblog

(2023年03月25日[土])
飯塚事件飯塚冤罪事件)で重要な動きがあった。《服役中に病死した阪原弘元受刑者》の日野町事件や、抗告断念し再審開始の決まった袴田冤罪事件に続く動き。

   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
       飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
   『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
     支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》
   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、再審開始決定…せめて
    《一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない》
   『●袴田巖さん、袴田秀子さん ――― 《捜査機関による証拠捏造》とまで
     言われているのだ、検察側が特別抗告を断念するのも、当然の結果だろう
   『●袴田冤罪事件: 《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査
      機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》

 飯塚事件久間三千年さん。布川事件氷見事件東電OL殺害事件志布志事件村木厚子氏冤罪事件足利事件…も確かにとんでもないのだけれど、飯塚事件は極めつきなのだ。冤罪者を死刑にしてしまったというとんでもない事件。国家による殺人。時の法相は、麻生太郎内閣の森英介氏。警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?
 NHKの記事【飯塚事件の再審請求で福岡地裁が証拠品の開示を検察に勧告】(https://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/20230324/5020013057.html)によると、《31年前、飯塚市で小学生の女の子2人が殺害された、いわゆる「飯塚事件」で死刑が執行された元死刑囚の家族が、裁判のやり直しを求める2度目の申し立てをめぐり、弁護団は、裁判所が検察に対し、証拠品のリストを開示するよう勧告したことを明らかにしました。平成4年、飯塚市で小学1年生の女の子2人が登校途中に連れ去られ、遺体で見つかったいわゆる「飯塚事件」では、殺人などの罪に問われ、一貫して無罪を主張していた久間三千年元死刑囚(70)の死刑が確定し、平成20年に執行されました。元死刑囚の家族は、再審=裁判のやり直しを求める2度目の申し立てをおととし7月に行っています。弁護団によりますと、24日、福岡地方裁判所で協議が開かれ、裁判所が検察に対して、事件に関わる証拠品のリストを開示するよう勧告したということです。また、裁判のやり直しを求めた今回の2度目の申し立ての際、証拠とした新たな証言について、目撃者の男性の証人尋問が実施される見通しが出てきたということです。弁護団は「証拠品のリストが開示された場合、これまで検察が『不存在』としてきた証拠が見つかる可能性もある大きな前進だと捉えたい」と話しています。》

 FBSニュース【『飯塚事件』三者協議 裁判所が証拠リストの開示を検察に勧告】(https://youtu.be/kChLxd8oN7k)によると、《福岡県飯塚市で31年前、女児2人が殺害された『飯塚事件』について、裁判のやり直しをめぐる協議で、福岡地方裁判所は24日、検察に証拠リストの開示を勧告しました。久間三千年元死刑囚は1992年2月、福岡県飯塚市で女児2人を殺害したなどの罪で死刑が執行されました。家族が無実を訴え、裁判のやり直しを求めていて、裁判所、検察、弁護団による三者協議が続いています。弁護団によりますと、24日午後開かれた協議で、福岡地方裁判所は、事件が警察から検察に送致された時の証拠リストを開示するよう、福岡地方検察庁に勧告しました。福岡地方検察庁は「時間を下さい」と応じたということです。弁護団は、「疑問点の具体的な裏付けにつながる可能性があり、一歩前進と捉えている」と話しています》。


【『飯塚事件』三者協議 裁判所が証拠リストの開示を検察に勧告】
 (https://youtu.be/kChLxd8oN7k


 以下の清水潔さんのつぶやきにも出てくるのですが、飯塚事件(飯塚冤罪事件)についてつぶやくと、必ずと言っていいほど、「飯塚事件の犯人は久間三千年です。○○を見て下さい」的なリプライが来ます…、ウンザリします。

 《飯塚事件が、免田事件袴田事件と違うのはすでに死刑が執行されてしまっている点だ》。《飯塚事件という司法の闇を隠蔽し続けることはもはや限界だ》。
 清水潔さんの最初のつぶやき(https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1639391809133744129)から、一連のものを以下にコピペ:

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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1639391809133744129】(これ以降のつぶやき)

清水 潔@NOSUKE0607
死刑が執行されてから冤罪の可能性が浮上し、再審が請求されている「飯塚事件」に大きな動きがあった。地裁が検察に対して当時の捜査・証拠品の目録開示を勧告したのだ。これにより今後の再審請求に大きな影響が出ることは必須だろう(続)

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nhk.or.jp
飯塚事件の再審請求で福岡地裁が証拠品の開示を検察に勧告|NHK 北九州のニュース
【NHK】31年前、飯塚市で小学生の女の子2人が殺害された、いわゆる「飯塚事件」で死刑が執行された元死刑囚の家族が、裁判のやり直しを求める2度目の申…
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午前7:20  2023年3月25日


なぜこれが重要か?これまでの裁判で検察側から法廷に出されてきた証拠はすべてが「有罪立証」のものつまり無罪につながってしまう証拠は隠されてきたからだ。弁護側からすればどんな証拠は何があるかすらわからなかった。これが白日の下に晒されるのが「証拠目録」なのだ(続)

目録開示で冤罪が明らかになったケースは過去何件かあるのだが、特に飯塚事件では重要だ。判決文を読めばわかるが、有罪立証はすべてが状況証拠でありすべてを使い切っているからだ。つまり今後開示されるものは無罪につながる証拠の可能性が高いのだ。これは検察からすれば厳しい事態である(続)

飯塚事件が、免田事件袴田事件と違うのはすでに死刑が執行されてしまっている点だ。そんな事があり得るのか?と普通は思うが、有罪証拠の柱のひとつ「DNA型鑑定」が死刑執行後になって疑惑が生じ、事実上証拠から排除れてしまったのだ。足利事件で問題となったあのMCT118鑑定だったのである(続)

これにより他の証拠は関係車両の目撃者の証言などまったくの状況証拠だけになっている。現代ならばこんな捜査では起訴すらしないであろう証拠である。今回の開示勧告でそれすらも揺らぐ可能性が出来てきた事になる(続)

飯塚事件捜査の危うさ。それはこの事件だけを見てもわからない。足利事件の再審セットで流れを見ていかないと気づかないことが多いのだ。
しかしネットなど飯塚事件を検索するとこの事件は絶対に有罪的な不気味なサイトも多い。誰が何のために主張しているのか。そこにもこの事件の謎がある(続)

今回の地裁の証拠開示勧告に対し検察が従わなければそれこそが無実の疑惑を生む。
当たり前だが「死刑執行」は絶対に間違ってはならない1%の疑惑があっても許されないのだ。しかしこの事件はDNA鑑定排除などすでに疑惑だらけ。久間死刑囚は逮捕前から死刑執行まで無実を主張していたのだ(続)

袴田事件も同じだったが、死刑求刑に一点の揺るぎもないと検察が言うなら、それを再審法廷で立証すればいい。その再審開始に検察が反対することが社会の目からすればいかに疑惑を生じさせているを考えるべき時代となったのだ。(続)

飯塚事件という司法の闇を隠蔽し続けることはもはや限界だ。再審により真実を明らかにしてほしいと願う。なお飯塚事件の詳細については拙著の「殺人犯はそこにいる」(新潮社)で、足利事件からの流れの中で触れているので興味ある方はご覧頂きたい。
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   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
        検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定
   『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
        着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
        その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ
     「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)

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●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょらんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」

2023年02月26日 00時00分05秒 | Weblog

―――――― (里見繁氏) 布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》



/ (2023年02月12日[日])
NTV【NNNドキュメント’23/あたいはやっちょらん 鹿児島・大崎事件 「95歳の叫び」】(https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/1894tndd5kqpjiek0ts8.html)。元鹿児島県警捜査員「適正捜査だった」「自白偏重はだめだと徹底的に言われた時代。決して自白の強制はなかった」…本当だろうか? 原口アヤ子さん以外の3人 (一郎氏・二郎氏・太郎氏) が、無実なのに「自白」するだろうか? 志布志事件では何が起きたか? 在りもしなかった事件を、鹿児島県警から「強制的に自白させられた」…。

   『●『冤罪File(2009年12月号)』読了(1/2)
   『●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
    「…など職業裁判官の怠慢の例は
     数え上げたらきりがありません。ましてや、福岡事件西武雄さん
     飯塚事件久間三千年さんといった無罪な人を死刑・私刑にして
     しまった可能性(控え目に表現しています)さえあります。村木厚子さん
     志布志事件の裁判結果などは極々稀な例です」

   『●『検察に、殺される』読了
    「『検察に、殺される』…。粟野仁雄著。…ガタガタの特捜。
     志布志事件…、氷見事件…。甲山事件…(松下竜一さん
     『記憶の闇』)。高知白バイ事件…。布川事件…。足利事件…。
     袴田事件…。村木厚子さん冤罪・証拠捏造事件…。」

   『●冤罪(その2/2): せめて補償を
    「飯塚事件久間三千年さんは、冤罪であるにもかかわらず、
     死刑を執行された。これは、被害者の遺族に対する、
     何と表現して良いのかわからないが……遺族の方たちも
     複雑な感情を抱いてしまうはずだ。/どんな背景や力学が
     働いたのかはそれぞれの事件によって異なるが、布川事件
     氷見事件東電OL殺害事件志布志事件村木厚子氏冤罪事件
     足利事件……、せめて賠償で報いる以外に方法が無いのではないか。
     しかし、その扉は当方もなく厚い。」

   『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」 
              『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)
       「山口正紀さん【「可視化」口実の盗聴法大改悪 
        「刑事司法改革」法案】、「志布志事件の川畑幸夫さん
        …足利事件菅家利和さん…布川事件桜井昌司さん
        …冤罪被害者が声をそろえて「全面可視化を」と訴えた。
        …日弁連執行部の賛成で批判記事を書きにくいのかも
        しれないが、メディアは「冤罪をなくし、人権を守る」視点から、
        法案の危険性を是非伝えてほしい」。青木理さん「刑事司法改革
        …端緒は郵便不正事件・・・法務省に都合よく集約…
        日本の司法は中世なみ

   『●《黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が
     新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ》
    《…志布志事件の被害者川畑幸夫(さちお)さんの聞き書き
     「一歩も退(ひ)かんど」…》

   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたと
     しても、その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
    《布川事件の再審無罪決定と相前後して、足利事件氷見事件
     志布志事件、そして村木厚子さんの郵便不正事件などで次々と
     衝撃的な冤罪が明らかになったことを受けて、公訴権を独占する
     上に、密室の取り調べが許される検察の暴走が冤罪を生んでいる
     との批判が巻き起こり、2009年に民主党政権下で刑事訴訟制度の
     改正論議が始まった。しかしその後、政権が自民党に戻る中、
     一連の制度改正論議の結果として行われた2016年の刑事訴訟法の
     改正では、むしろ検察の権限が大幅に拡大されるという
     信じられないような展開を見せている

 弁護団は、そもそも殺人事件ではなく、「事故」の可能性を指摘。遺体はなぜ「堆肥の中に」? 冤罪の原口さんにそこまで解明しろ、とでもいうのだろうか?
 「父、母が刑務所に行った人たち、人殺しだと世間の人たちから一生言われる」「娘とか孫、窓の子供まで関わるから」「罪だけは晴らさなくては生きていたくない」。「やっちょらんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」。

 大崎事件は冤罪である。一貫して「あたいはやっちょらん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びはなぜ裁判官には届かないのか?

 再度書く。何度でも書く。………そして、なんでこんな決定になるのだろう? 鹿児島地裁・中田幹人裁判長、なぜ? 「あたいはやっちょらん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びは裁判官には届かない…。《これまでに地裁、高裁で3度再審開始が認められたが、いずれも検察側の不服申し立てを受け、2019年には最高裁が、鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部の開始決定を取り消していた》、かつて、最「低」裁ちゃぶ台返ししている。
 山口新太郎記者による。西日本新聞の記事【【速報】大崎事件、再審開始を認めず 95歳、43年前の殺人 鹿児島地裁が第4次請求を棄却】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/944293/)によると、《鹿児島県大崎町で1979年に男性=当時(42)=の遺体が見つかった「大崎事件」で、殺人などの罪で懲役10年が確定し、服役した原口アヤ子さん(95)が裁判のやり直しを求めている第4次再審請求に対し、鹿児島地裁(中田幹人裁判長)は22日、請求を棄却する決定を出した。弁護団は即時抗告する方針。》

   『●知らなかった冤罪事件: 鹿児島大崎事件
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の
       再鑑定で死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●「飯塚事件」「福岡事件」「大崎事件」
       ……に係わる弁護士たちで『九州再審弁護連絡会』発足

   『●「あたいはやっちょらん」の叫び!…
      「だれより責任の重いのが…でっち上げを追認した裁判官」
   『●39年間「あたいはやっちょらん」、
     一貫して無実を訴えてきた90歳の原口アヤ子さんに早く無罪判決を

   『●冷酷な司法…【NNNドキュメント’18/
      あたいはやっちょらん 大崎事件 再審制度は誰のもの?】
   『●大崎事件…再審するかどうかを延々と議論し、
      三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返し
   『●《家族への脅迫状…「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろう 
         としているのに許せない。もともと無実なのだから」》
    「大崎事件について、《元裁判官の木谷明弁護士…
     「無実の人を救済するために裁判所はあるのではないのか」》と。
     【報道特集】…によると、《”伝説”の元裁判官~冤罪救済に挑む…
     無罪判決を30件も出し、全てを確定させた元裁判官。
     退官後、81歳となった今、冤罪救済を目指す弁護士として裁判所に
     挑んでいる。そこで直面した裁判所の現状とは》。
     『イチケイのカラス』…のモデルの一部になっているらしい」

   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
     再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
     一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
     「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
     殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
     「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
     再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に再審請求にも
     当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
     の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
     ならない》
    「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定
     出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
     のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
     検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
     だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
     でっち上げを追認した裁判官だろう》。」

   『●《周防正行さんが「あたいはやっちょらん。大崎事件第4次再審請求
     ・糾せ日本の司法」と銘打ち、インターネット上に立ち上げた…CF》
   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
       侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?
   『●原口アヤ子さん・大崎冤罪事件…《被害者は自転車事故による出血性
     ショックで死亡した可能性があり「殺人なき死体遺棄事件」だった》?

 またしても同じ疑念が頭に浮かぶ ――― 《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》。原口さんが物言えぬようになることを待っているのではないか…なんという冷酷・冷血か。「自らの責任を回避するために、検察は奥西勝さんという冤罪死刑囚の死を持っているとしか思えない。裁判所がそれに加担しているのだから、全く冷酷な人たちである」。

   『●冤罪死刑囚の死を待ち、責任を逃れようとする冷酷な人々
   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                  ……死刑囚の心の叫び」は届かず
   『●司法権力の〝執念〟:映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』
    《別の意味で恐るべし、司法権力の“執念”

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》

 何度でも、引用する。斎藤貴男さんのコラムの一部―――――― 最「低」裁を頂点とする司法に失望してばかりだが、最近、衝撃を受けたことを再掲。(斎藤貴男さん)《当時、「週刊文春」の記者だった私は、彼を殺人犯に仕立てた連中に、「今のお気持ちは」と尋ねて回る取材を仰せつかったのだが、凄まじい成果を得てしまった。「犯人は梅田だと上が言うから逮捕したまで証拠なんかねえよ」と、元刑事は笑ったし、元裁判官は、「判決とは国家の意思なんだ真犯人なんか誰でもいい裁判所が死刑だと言えば吊るせばいい無期だと言ったらつなげばいいんだ」と、力説してくれたものである》…。

   『●裁判員制度反対…「冤罪もあることですし、あたしは死刑制度に反対
       です。人の命を、自民党の人たちみたいに軽く考えられないので」

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https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/1894tndd5kqpjiek0ts8.html

2023年1月29(日) 24:55
あたいはやっちょらん
鹿児島・大崎事件 「95歳の叫び」

43年前、鹿児島県大崎町で牛小屋の堆肥の中から男性の遺体が見つかり、義姉の原口アヤ子さん(95)が殺人犯とされた。物的証拠がなく共犯者の親族の自白だけで有罪となった原口さん。冤罪を訴えるも再審の扉は開かず、認知症が進み今は入院生活を送る。事件を調べ直した記者が感じたいくつもの疑問。会いたい…コロナ禍で厳重警戒の中、許された面会。もう話すことができなくなった原口さん心の叫びに耳を傾ける

ナレーション/田丸裕臣  制作/鹿児島読売テレビ  放送枠/30分

再放送
2023年2月5日(日)5:00~/24:00~ 日テレNEWS24
2023年2月5日(日)8:00~ BS日テレ
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●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)

2022年11月10日 00時00分33秒 | Weblog

(20221109[])
昨日のブログに引き続き。長澤まさみさん主演のフジテレビ系ドラマ『エルピス─希望、あるいは災い─』(制作・関西テレビ)の脚本家・渡辺あやさん。プロデューサーは佐野亜裕美さん。

   『●《権力の横暴とそれに従属するマスコミの報道姿勢への問題意識を燃料に
       書いてきた──。脚本家がそう明言するドラマが、地上波で放送…》

 色々と凄いドラマ。関連した、石原真樹記者による東京新聞の記事を二つ。
 【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/210870)によると、《「冤罪(えんざい)を暴くってことは、国家権力を敵に回すってこと。わかる?」。フジテレビ系の連続ドラマ「エルピス−希望、あるいは災い−」(月曜午後十時)で、冤罪疑惑を報道しようと意気込む若手ディレクターは上司にこうどやされる。渡辺あやさん(52)が、複数の冤罪事件から着想したドラマを佐野亜裕美プロデューサーと考え始めたのは二〇一六年。事件のルポルタージュを読んで「こんなことが日本で起きるなんて」と憤り、筆を執った。しかし企画はストップ。「何とかする」という佐野さんを信じて出す当てがないまま書き上げたが、リスクの高いテーマに、各局から断られ続けた》。

 再度 ―――――― ツイッターでつぶやくと、少なからぬ罵声を頂く飯塚事件も想起しました。『エルピス』では、警察による〝酷い〟取り調べで、自白が強要されています。死刑執行されてしまった久間三千年さんは自白さえなく、一貫して、無実を主張されていました。マスコミの報道も酷ければ、検察や裁判所も酷い。久間さんの死刑執行は、足利事件の再鑑定決定直後です。足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、久間さんの死刑が執行されていました。久間さんが死刑執行に値すると主張されても結構ですが、足利事件の再鑑定決定直後の2008年10月28日に執行するのはあまりに酷すぎないか。証拠の保全もデタラメ。せめて、2009年4月20日まで執行を猶予して、一体何の問題があったのだろうか?

   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》

 もう一つのインタビュー記事【「エルピス」脚本家・渡辺あやさん 6年越しの脚本に込めた危機感と覚悟、東京では書けないこと】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/211651)によると、《心をえぐるせりふの数々、深い人物造形、映画のような映像美と音楽。テレビ局員たちが冤罪事件に切り込んでいく関西テレビ制作のドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」(フジテレビ系、月曜午後10時)からは、業界人のプライドと熱量があふれ、ツイッターで「覚悟を感じる」など好意的な反響が続々と寄せられています。渡辺あやさんは6年前、発表する当てのないまま、この脚本を書き上げました。それはなぜか。脚本家としてのこれまでのキャリアを含め、東京と、渡辺さんが暮らす島根でじっくり伺いました。(石原真樹)》

   『●『キネマ旬報』…「戦前・戦中の言論弾圧につながる
       治安維持法が成立した大正末期と…現在が似ている」
    「東京新聞の石原真樹記者による記事【治安維持法 「キネマ旬報」が特集
     「共謀罪」に危機感反映】…《百年近い歴史を持つ老舗映画雑誌
     「キネマ旬報」は六月下旬号に「治安維持法」の特集を組んだ。
     戦前・戦中の言論弾圧につながる治安維持法が成立した大正末期と、
     政府与党が共謀罪法案の成立を目指す現在が似ている、
     という危機感から》」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/210870

<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)
2022年10月29日 13時21分

 「冤罪(えんざい)を暴くってことは、国家権力を敵に回すってこと。わかる?」。フジテレビ系の連続ドラマ「エルピス希望、あるいは災い」(月曜午後十時)で、冤罪疑惑を報道しようと意気込む若手ディレクターは上司にこうどやされる。

 渡辺あやさん(52)が、複数の冤罪事件から着想したドラマを佐野亜裕美プロデューサーと考え始めたのは二〇一六年。事件のルポルタージュを読んで「こんなことが日本で起きるなんて」と憤り、筆を執った。しかし企画はストップ。「何とかする」という佐野さんを信じて出す当てがないまま書き上げたが、リスクの高いテーマに、各局から断られ続けた。

 そんな中で関西テレビが「世に出すべき作品」と決断すると、大友良英さん、大根仁監督ら実力派が結集した。長沢まさみさん演じる落ち目の女性アナウンサー、もとい、女子アナが、ある死刑囚は冤罪の可能性があるとしてディレクターと調査報道に乗り出す−。

 エルピスとはギリシャ神話に出てくるパンドラの箱の最後に残るものの名前で、「希望」とするか「災厄」とするかで物語の解釈が変わるという。真実にたどり着いてめでたしめでたし、では終わらない。「彼らは正しいことをやりたいと頑張るけれど、結末まで書いたとき、そんなに簡単ではない、と思い至った」。その先は、受け手に委ねられる。

 映画「ジョゼと虎と魚たち」(〇三年)でデビューし、約二十年。今も島根県で主婦をしながら物語を紡ぐ。主婦として育児や介護など誰かをケアするには忍耐力が必要で、それは「人を許すこと」なのだという。「許さなければいけないとき、自分の小さな器が破かれるようなつらさ、痛みがある。つらい思いをして、びりびりと広げる。広げたら少しくっつく。気づけば自分という人間の器が一回り大きくなる」。それが脚本にも反映される。「前の作品では許せなかった、つまり悪人としか描けなかった人を理解できるようになり、主人公にしたくなる感じ」

 近年、「青春モノは当たらなかった」など「雑な理由」で企画が通らないことが多く、「業界から作る喜びがどんどん枯れている」と憂える。ちょっとしたせりふも「セクハラ発言なので」など削除を求められる

 振り返ればNHK朝ドラ「カーネーション」(一一〜一二年)で、主人公・糸子の父親は家族を怒鳴り、殴るDV父だった。「それでも糸子は父親が大好き。こちらが暴力のない父親にゆがめて伝えたところで『人間ってそもそも何なのか』との問いが立たない。常識で言われる『正しいっぽいこと』の中に本当にすべて正しさがあるかというと、そうではない。じゃあ何だろうという問いを持っているべきだ」。表現の幅を狭めたくない、と抵抗を続けている

 二〇年夏に撮影した映画「逆光」(二一年)では脚本だけでなく制作・配給・宣伝に挑んだ。NHKドラマ「ワンダーウォール」で出会った須藤蓮さん監督・主演で、一九七〇年代の広島の尾道を舞台にひと夏の恋を描いた。新型コロナウイルスで仕事が全て止まり、「元気になるにはものを作るしかない」と、二人の持続化給付金をつぎ込んでスタッフや役者を集めた。すると「何かしたい」と思いを共有する人が集まり「どんどん輝いていった」。彼らと今、別の映画を制作中だ。

 脚本を書く、ものを作るのは、生きるためだという。「人間は命の火みたいなものがあって、私は作ることで、その火を一番大きく燃やせる。作ることができなかったら、すごく小さい火力で生きなきゃいけなくて、つらいことや厄災が起きたときに抵抗力がすごく弱かったと思う。コロナのときに『作ろう』と思ったのも、危機を乗り越えるために火力を最大化しようと、本能的に欲した」。同じように、みんなが火を燃やせればいい、と願う。

 「これまで、個人が元気で楽しく生きられているかが問題にされずに世の中が回ってきたけれど、コロナもあり、それは違うと社会が気付き始めた。自分の命の火をかっかと燃やしながら生きる道がどれなのか。それぞれが求められるようになればいいな」 (石原真樹
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/211651

「エルピス」脚本家・渡辺あやさん 6年越しの脚本に込めた危機感と覚悟、東京では書けないこと
2022年11月7日 06時00分

 心をえぐるせりふの数々、深い人物造形、映画のような映像美と音楽。テレビ局員たちが冤罪事件に切り込んでいく関西テレビ制作のドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」(フジテレビ系、月曜午後10時)からは、業界人のプライドと熱量があふれ、ツイッターで「覚悟を感じる」など好意的な反響が続々と寄せられています。

 渡辺あやさんは6年前、発表する当てのないまま、この脚本を書き上げました。それはなぜか。脚本家としてのこれまでのキャリアを含め、東京と、渡辺さんが暮らす島根でじっくり伺いました。(石原真樹


6年前に動きだすも企画ストップ

     (渡辺あやさん=東京都千代田区で)

わたなべ・あや 1970年、兵庫県西宮市生まれ。甲南女子大卒。結婚後にドイツ・ハンブルクに住み、帰国後、島根県で子育てをしながら雑貨店を経営。岩井俊二監督主宰のウェブサイトに応募した脚本が認められて「ジョゼと虎と魚たち」(2003年)で脚本家デビュー。作品は、ほかに「メゾン・ド・ヒミコ」(05年)、「天然コケッコー」(07年)、NHKドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度について」(22年)。


 ―プロデューサーの佐野亜裕美さんと企画を考え始めたのは2016年ということでしたね。

 「一緒にラブコメをしましょう」という話をいただき、考え始めたけれど、何か盛り上がらなくて。むしろ政治家の悪口とか、「今の政治おかしいよね」みたいな話になると、2人で熱くなって盛り上がっていました。
 佐野さんが日本の裁判制度に興味を持っていて、いくつか冤罪のルポルタージュを読ませてくれて、「日本でこんなことが起きるなんて」とショックを受けました。せっかく佐野さんとの間で作るのだから2人で同じ熱量で支えていけるものがいいなと思ってやっているうちに、今回の企画になりました。
 私は、目の前にいる人から吸い上げたもので書いているようなところがあって、私自身の「こういうことをやりたい」というのは、ぼんやりとしかないのです。
 「こういう人は魅力的だな」「こういう関係性は魅力的だな」とか、「これが許せんな」とかがストックとして宙に浮いている感じ。それが目の前にいる人と話している中でピューっと焦点が合って像を結ぶ、みたいな瞬間があります。


 ―冤罪についてのショックが作品につながったのですね。

 普段あまりニュースを見ないようにしているんです。職業病なのか、耐性がないというか。「犯行現場」などと聞くと、すごく想像が働いてしまい、しんどくなってしまう。それで冤罪のことをあまり知らなかった。

     (「エルピス」第3話11月7日放送より関西テレビ提供)

 裁判や事件の捜査が正しく行われていると信じたいけれど、必ずしもそうじゃないことが過去にたくさんあって、もしかしたら今もあるかもしれない。その恐怖、不安を感じて、伝えたいと思いました。
 権力の怖さでもありますし、いろんなところにいろんな落とし穴がある。誰かが悪意を持って作った落とし穴ではないかもしれないけれど、いろんな人の都合で、そういうことにもなり得る。それに、再審(裁判のやり直し)をしてもらうにも10年とか20年とかかかるって、恐ろしいですよね。


 ―ところが、企画はストップ。

 テレビ局を内側から自己批判する内容もありますから、冤罪モノを放送するのはリスクが高過ぎるのでしょうね。
 私は「もう、ラブコメやろうよ」と佐野さんに言ったのですが、佐野さんは「あやさんと今さらラブコメなんてやりたくない」と(笑)。私は諦めていたのですが、佐野さんが頑張ってたくさんのハードルを越えてくれて、関西テレビさんの懐の深さもあり、実現しました。
 佐野さんと考えていたころは特に、安倍政権が非常に強くて、インタビューを受けていても自民党の悪口を言った瞬間に場が凍ったりして。特定秘密保護法とか集団的自衛権とか、ひどかったじゃないですか。日本の政治家たちの横暴さがひどくないか、何かおかしい、変だ変だと思っていた。
 その危機感が「エルピス」や、京都の学生寮を舞台にしたNHKドラマ「ワンダーウォール」(18年)につながりました。政治の状況が変わったからか、今はだいぶ空気が緩んだ気がしますが、当時はそんな感じでした。


 ―作品の根底に、危機感や怒りがあったのですね。

 でも一方で、怒りって共有してもらいづらくて。怒っている瞬間に避けられちゃう、距離を置かれちゃうというのをすごく感じた。それで「楽しいことをしている人たち」みたいに見えるようにしよう、と。
 問題の伝え方や口調にはいろいろあると思いますが、「悲劇」とか「同情を買う」とかはどうも効率が悪い。もともと強い問題意識を持った人にしか届かない。例えば、憲法改正をテーマにドラマを作っても、憲法改正に疑問を持っている人しか見ないから、「違うふり」をしなければいけないでしょうね。今の野党の見え方とかにも通じる課題だと思いますが。

     (インタビューに答える渡辺あやさん)


 ―脚本でどこまで書くのか案配はどう考えますか。

 いけるところまでいっちゃえ、と。
 やっぱり怖いし、怒られるのは嫌だから、誰もがなるべく安全なところにいこうとしてしまう。好き好んで突っ込まなくてもと思うのですが、でもそうやっていると、どんどん自分たちの可動域を狭めてしまう。
 やってみて怒られたら引っ込めればいいじゃないかというスタンスです。やれるかもしれないからとりあえずやってみましょう、と。


 ―最初から忖度はしないのですね。

 圧倒的にそっち側の風潮のほうが強いので…。誰もやらないかもしれない、それならせめて、小さなスケールではあるけれど、と。自分たちまでやめてしまうのは怖いと思うのです。
 ほかにも、セクハラ・パワハラなせりふは「視聴者にとって不快なので削ってください」というオーダーがくる。なるべく踏ん張るのですが、例えば「更年期とかはセクハラになるので、視聴者はこういうのを見たら、すぐに『ないわ』とチャンネルを変えちゃう」とか。過剰な反応をする人が多いのも事実で、そこで見るのをやめられちゃうと自分たちが伝えようとしたことが伝わらないというのも分かるのですが、私は作家として、そういう理由でキャラクターをゆがめたくない。ギリギリまで抵抗します。


 ―ドラマ「エルピス」で主人公の恵那を演じる長澤まさみさんがすてきです。

 佐野さんと作品を考えている中で最初に思い浮かんだ方で、肉体と精神のバランスがちょっと取りにくい、もて余している感じがあるというか。落ち込んでいる時と元気な時の振り幅が大きいのではないかなと思って。そういう方は、役者としてとても魅力的なのですね。会ったことはなかったですが、すごく弾力性を感じていました。

     (「エルピス」第3話11月7日放送より関西テレビ提供)

 恵那は、本来すごく能力があり、エネルギーもあるのだけれど、「女子アナ」という仕事をしていく中でエネルギーをどこか殺さないと生きていけないような状況にいる。そこから物語が始まり、彼女が復活していく、そういう伸びしろを表現できる人じゃないかなと思いました。
 演出の大根仁監督は、人物を立体的に撮ることにすごくたけていらっしゃる。それぞれのキャラクターの存在感や格闘という物語の一番の見せどころを撮っていただくのに理想的だなと思って、佐野さんと2人でお願いにいきました。


 ―舞台をテレビ局にした理由は。

 具体的な理由で、映像にしたときに面白い。それから佐野さんがテレビ局の人なので、中の空気や、どういう会話が繰り広げられているのか、リアリティーを圧倒的に持ちやすい。佐野さんは立場的にしんどくなるかもしれず、申し訳ないけれど、テレビ局がいいよね、と。
 そもそも佐野さんとの打ち合わせの8割が会社の愚痴で(笑)。私自身もテレビ局は知らない場所ではないので、他局の人からも色々聞いていました。テレビ局で仕事をするということは、ルーティーンの力がすごく強いんだろうなとなんとなく感じていて、どうしても日々の仕事に飲み込まれていくところがあるんだと思うんです。
 それは個人の力でどうしようも止められない。ルーティーン、システムの力がすごく強くなったときに、いろんなことが飲み込まれていってしまうんだな、と。ドラマでそういうところもたくさん出てきます。

     (渡辺あやさん。仕事場の玄関。入った正面に茶室がある)


 ―ドラマへの期待が高まります。

 私たちはつい守ろうとするけれど、壊れた方がいいこともある。突破するとか壊すとかはすごく怖いことで、安全な時代を生きる私たちはそういうことに慣れていないけれど、壊れた先にもっといいものが生まれてくる可能性がある。それをドラマで体感してもらえたらいいなと思います。


 ―島根県で暮らしていらっしゃいます。古民家をリノベーションした仕事場は、大きな窓から日が差し込み、お茶室もあり、世間とは違う時間が流れているようですね。

 お客さんが東京からお見えになる時に喫茶店で話を聞くのが申し訳なく、お迎えできる場所が欲しいなと思って。午前中に自宅で家事を済ませて、午後から仕事場に来ます。6年前に仕事場を構えるまでは自宅のダイニングやカフェで脚本を書いていました。


 ―佐野プロデューサーや大根監督には「東京で脚本を読むだけでは分からないことが、ここに来ると理解できる」と言われるそうですね。

 想像するに、私たちが生きている世界、宇宙は非常に多層で多様であるということの理解が、東京にいるとなかなか難しいらしい。
 私の作品は非常にシリアスなシーンのはずなのに、ふざけていたり、面白いことが起こったりする。それがどうも台本だけ読むと「不届き」である感じになるみたいなのです。こんな人がこんな態度を取るのは許されるのか、と。
 私は、現実に起こった出来事が、ある人にとっては非常にシリアスかもしれないけれど、ある人にとってはすごく面白い出来事という多層性を描けるのがドラマや映画の醍醐味だと思って書くのですが、「この人、これおかしくないですか」とかいろいろツッコミが入って、どう説明したらいいか分からないそうなのです。


 ―島根に来ると、そのツッコミから解放されるのでしょうか?

 映画「逆光」(2021年)を一緒に作った(主演俳優で監督の)須藤蓮くんがすごくいいことを言っていました。「成長するというのは、今の自分じゃないもっといい自分になることだとイメージしていたけれど、本来の自分にかえっていくことなのだ」と。
 言い得て妙だと思うのです。年を取るごとに私たちは、自分にとって有益じゃない人の言葉とかをどんどん自分に取り込んで、本当は全然欲しくないのにほかの人が「これを持っていたらいいよ」というものを追い求めてしまったりしてしまう。
 私でさえ、たまに東京に行くと、人と話すうちにいろんな価値観が自分の中に入ってきて、「賞を狙わなければいけないのか?」と思ってきたりする。
 別にいらないわけですよ。私は自分が作りたいものを作って楽しめたらいいので。賞狙いでこんなことやらなきゃとか、いらん努力なのです。
 でも、ついフラッとしてしまう。視聴率とかね。いろんな評価軸みたいなのにソワソワしている人たちを見ると、自分も頑張らなきゃいけないのかなって巻き込まれてしまう。
 ありがたいことに、物理的にそこから距離を置ける環境に暮らしているので、ここでお迎えして話す時はそういうものに揺らされていない。その私と話していると、「そうだ、これでいいんだ」と思ってくれるのかもしれない。上からいろいろ言われたりして、本来自分がやりたいことをやっちゃいけないとか、まじめな人ほど苦しむ。たぶんギュウギュウに自分の中で葛藤が強くなり過ぎて、苦しいのだと思います。


 ―東京にいないからこそ書けるのですね。

 東京にいたら、たぶん私は何も書けないだろうと思います。楽しいことがたくさんあって、情報を処理するだけで1日が終わるだろうなと。
 普段あまり積極的に何か情報を得ようと頑張らなくて、いろんな人が一緒に仕事をしたいと会いに来てくださって、その方の愚痴とか悩みとか、ワッと相談されたのをフンフン聞いていると、そこに膨大な情報量がある。そこで社会的な問題とかフェミニズムとかが見えてくる。

 人からですね。それが一番面白いです。

     (渡辺あやさん=東京都千代田区で)

 ―島根の暮らしが脚本に影響している部分はありますか。

 ひとことでは言いにくいですが、コミュニティーにいろんな年齢層の人がいる。東京の人と話していると、同世代の人がたくさんいるので、問題意識を共有しやすい人たちと付き合っている感じがします。問題意識の持ち方が私とは違うなと思いますね。
 島根の暮らしは、自分の生活の中におばあちゃんから子どもまでが常に登場して、私の年齢的な悩みとか自分の世代の悩みに意識があまりフォーカスされない。もっと全体で見る。そこに大きな違いがある気がします。
 高齢化も進んで年がら年中お葬式をやっているし、そうすると、人間の一生なんてあっという間だな、と感じます。私たちが仕事をする、ものを作るなんてことをしていられるのは人生の中の本当にあっという間なので、もう残り時間が全然ないのになぜ原作モノをやるのよ、みたいな感じになるのです。「もったいなくないか?」と。


1匹だけ反対向きに泳ぐ魚

 ―どんな子どもだったのでしょうか? 脚本家としての素養がどこで磨かれたのか知りたいです。

 どうでしょうね。人より感じやすくていろんなことに対して弱いのですが、でも、学校は楽しんで行っていました。人間関係とかが面白いなぁ、輝いているなぁと思って見ている感じ。人前で発言することは全然なくて、今もすごく苦手です。ほかの人が言っていることのほうが面白くて、自分の意見は言いたくない。
 あとは親戚が多くて、親戚が集まった時に誰がどういう振る舞いをするのか、おばあちゃんというのは何もしなくてもそこにいてくれるだけでみんなが幸せな気持ちになれるシンボルだなぁ、と思ったりとか。人間の位置関係とか関係性を見るのは、そういう生い立ちから育まれたのかもしれません。
 ドラマとか映画とかを熱心に見るほうではなかった。本は好きでしたね。三島由紀夫がすごく好きでしたし、村上龍や村上春樹、山田詠美、遠藤周作、田辺聖子さんも好きでした。文豪の作品を読み過ぎて、物心ついた時には自分にはそんな才能ないよな、と思っていました。作文は褒められましたが小学生までで、中学、高校では機会もなかったですし。


 ―学級委員になったりはしなかったのですか。

 ないですね。イワシなど魚の群れの中に1匹とか2匹とか、反対向きに泳ぐ魚がいますよね。ああいう性質があるみたいで、自分のやりたいことをやりたがる。常識で言われていることに対して、いちいちカチンとなるところはあったと思います。


 ―学校の制服に反対するとか?

 制服のことなどはみんなが反対しているからいいのです。もっと小さなこと、個人の自由とか。何かポイントがあるのですよね。
 高校生の頃に、男の子がすぐ「ブス」という言葉を使うとか、そういうのが許せないと、一人でプンプンしたりしていました。自分しか反抗する人がいないなというものを見つけると、「キッ」となる。みんなに見過ごされている、何か理不尽な、個人の自由とか尊厳を奪うものにすごく一人で怒っている感じ。


 ―キャリアを振り返ると、代表作と言われるのはNHK連続テレビ小説「カーネーション」(2011~12年)ですね。

 まぁ長い仕事だったな、と(笑)。どの作品もすごく大事で、ある時期本当に、情をかけた子どもみたいなものなので、優劣はないですね。
 ただ、(阪神大震災15年特集ドラマ)NHK「その街のこども」(10年)は、現実に起こった出来事を初めて書いた作品でした。私自身は被災していないですけれど、出身が兵庫県西宮市なので、どういう体験だったかを知っていて、それをドラマにすることはすごくハードルが高かった。
 依頼がきた瞬間に「うわっ」と思って、すごくやりたくなかったのですけれど、作家として、これは逃げてはいけないなと思って。あの経験があったから「カーネーション」で戦争を書くことができた気がします。


 ―現実に起きたことを書く大変さとは。

 やっぱり表現って本当に傲慢で残酷なこと、人を傷つけない表現はないと思うのですよね。

 いや、あるのですけれど、何も言っていない。今日はいい天気ですね、とか、何も意味がない表現は誰も傷つけないけれど、誰にも聞いてもらえないというか、毒にも薬にもならない。多少なりとも何か表現と呼ぶにふさわしいことをやろうとすると、誰かが傷つくことも同時に引き受けなきゃいけないと思うのです。実際に起きたこと、悲劇的なことであるとか、ある人にとっては非常につらい記憶を書くのって、相当の覚悟がいる。


 ―どう乗り越えましたか。

 引き受けることですね。誰かを傷つけるんだって。それでもやるんだって思うしかない。


 ―映画「逆光」は広島・尾道を舞台に、先輩に恋心を抱く男子大学生の苦しいひと夏の恋物語。監督・主演は「ワンダーウォール」で主演した須藤蓮さんで、渡辺さんは脚本だけでなく、制作・配給・宣伝にも挑戦されましたね。

 「ワンダーウォール」の劇場版に向けて有志で準備をしていた時に彼もいて、ある時「脚本を読んでほしい」と超駄作を送りつけてきました。
 「素人の遊びに付き合っている暇はありません」と鬼みたいに一掃して、だいたいみんな、私の厳しさに触れると去っていくのですけれど、逃げずにもう一度書いてきた。それもまたひどいから、「ふざけるな」みたいな感じで繰り返して、ある時から「この人は本当にもの作りがやりたいのだな」と分かった。何回も私が直しているうちに、曲がりなりにも1作品、脚本ができた。

     (映画「逆光」(©『逆光』FILM ))

 「さぁやるぞ」と準備していたのに、新型コロナウイルスでとんでしまいました。私も仕事が止まり、ポカッと時間が空いて、みなさんもそうだと思いますが、元気がなくなってしまった。
 そこで、ものを作るのが一番元気になれるなと思って、暇だし、最小単位で、私と自主映画監督志望の彼と、遊びで始めようと。頓挫したら頓挫した時と、2人でロケハンしたりシナリオを書いたりとかしているうちにうまくいってしまった、という感じです。


 ―東京ではなく地方で封切られました。

 東京で公開して、ある程度集客して、それを手がかりに各地方の劇場にトリクルダウン、というのが映画業界の法則のように信じられていて、だから地方にはポスターとチラシをポッと送って「適当にやってください」としかならない。
 本当に地方は文化的に栄えないのか、可能性は眠っていないのか、自分たちの目で確かめようと思いました。
 そうしたら、各都市にやりたいと思っている人たちがたくさんいた。そのうちの1人は、昔、映画の宣伝を私と一緒にやった女性で、結婚を機に岐阜県にいって15年くらい専業主婦をしていた。子どもも大きくなって、大好きだった映画の宣伝をまたやりたいと思っていたところにたまたま私に連絡をくれて、一緒にやりましょう、と。そこからの開花っぷりがすごくて、自分で名刺を作り、各劇場や媒体とつながり始めました。


 ―誰かが元気になる話は、聞いている側も元気になります。

 その人たちがキラキラ輝き始めると、周りの人たちもうれしいのです。
 やりたいことを突き詰める須藤くんが希望の星に見えたみたいで、彼を慕う若い子たちも出てきました。就職活動をやめてしまった子も。何年か前までは就職活動をしないなんてあり得ないという感じだったけれど、特にコロナ以降、むしろそっちが当たり前みたいな変化を感じます。不登校の子も増えていますし。
 個人が元気でいられるとか、楽しく生きていられるということって、これまで問題にされずに世の中が回ってきたけれど、あんまり意味ないなと社会全体が気付いてきた。一人一人も、どうやったら自分がちゃんと楽しく元気に日々を送れるかと考え出した。持つべき問題意識をやっと持てているのではないでしょうか。

     (渡辺あやさん=東京都千代田区で)


 ―映像業界も元気にしたい、と。

 今、業界の中に、作る喜びみたいなものがどんどん枯れているなという実感があって。本来であれば、ものを作るとかドラマを作ることは面白さや楽しさがあって、それでこそ人はやっていけるし、業界も盛り上がるし、文化が活気づく。楽しさは見る人に伝わる。
 それなのに楽しそうじゃないとか、自分たちが作りたいものを作れていないとか、大問題だなと思う。一人でもいいから作る喜びみたいなことを体感してほしい、実感してほしい。
 一つでも経験としてきちんと記憶になったら、次の仕事をする時に、それがやるべき仕事かどうか判断できるようになる。楽しくない時に「これは何かがおかしいな」と気づけるセンサーになり得る。
 この仕事をしてきて、たくさん迷ってきたし失敗もしてきて、何が失敗の原因だったのだろうと検証してみると、楽しさをしっかり共有できていなかったとか、何か不純なものが混じっていた。せっかく20年のキャリアがあるので、迷っている若い人に、自分がやれることがいっぱいあるな、と。縁をもらって、やれる相手がいるのであれば、全力でそれをやろうと思っています。

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