東京新聞の桐山桂一氏によるコラム【【私説・論説室から】氷見事件を思い出す】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016080302000144.html)。
《「二〇〇二年の氷見事件(富山)が思い出された。…いくら否認しても無駄だったという。「何を言ってもだめだ。信じてくれない。あきらめた」とAさんは語っていた。…冤罪(えんざい)とは犯罪よりも罪深い刑罰に思われた」》。
『●刑事訴訟法の「改正」どころか、
警察・検察に、司法取引と盗聴拡大という「追いゼニ」』
《国会で審議中の刑事訴訟法の改正案は、取り調べの
録音・録画とともに、司法取引を導入する。通信傍受も大幅に
拡大する内容だ。冤罪(えんざい)防止という目的から逸脱する
刑事司法の改革ではないか》
「冤罪とは犯罪よりも罪深い刑罰」を受けてしまった氷見事件(氷見冤罪事件)の冤罪被害者は、「人生の歯車は狂ったまま」だと仰っています…。あまりに残酷、そして、誰も責任をとらないデタラメさ具合。警察や検察は、さらには、ドロナワ・泥棒に縄をなわせるようなことまでやっている。国賠をやっても、家族との関係が元に戻る訳でもなく、まさに「人生の歯車は狂ったまま」。
『●氷見事件(富山冤罪事件)の冤罪被害者のいま
・・・「人生の歯車は狂ったまま」』
■『週刊金曜日』(2013年3月29日、937号) /
山口正紀さん【冤罪の責任を問う裁判報道を 映画『約束』から】、
氷見事件で無実の人を有罪にした中牟田博章裁判長が
「再審請求を審理する資格があるのか」? ・・・
『●「アベノミクスに騙されないための政治経済学」
『週刊金曜日』(2013年3月29日、937号)』
『●「きみ、もっと驚きたまえよ」
『週刊金曜日』(2013年6月14日、947号)についてのつぶやき』
■『週刊金曜日』(2013年6月14日、947号) /
氷見事件。山口正紀さん【強かん犯を野放しにした警察
氷見事件国賠訴訟】。せめてもの国賠
(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/25cfbe2a14b41322994f35c3c15a5364)
『●「日本の英語教育は間違っている」
『週刊金曜日』(11月8日、967号)についてのつぶやき』
■⑪『週刊金曜日』(2013年11月8日、967号) /
山口正紀さん【やっぱり全面可視化が必要だ 氷見事件国賠訴訟】、
「痛ましくて、傍聴席で証言をメモしているのが辛くなった」。
『●「特集「3・20」 地下鉄サリン事件から20年」
『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号)』
■⑦『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号) /
山口正紀さん【警察の違法性は認められたが 氷見事件国賠訴訟】、
「・・・逮捕され、約2年間服役させられた後で真犯人が出現、
再審無罪に・・・。警察の捜査の違法性を認め、県に・・・
支払を命じたが、国と個人被告2人(長能善揚・元富山県警
警部補、松井英嗣・元富山地検副検事)に対する請求は棄却した
・・・原告の訴えは届いたのか。・・・判決が検察の冤罪責任を不問に
した報道は、・・・見当たらなかった」。「人生の歯車は狂ったまま」
(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a1e91fff854b1ea814fb65ad43715a89)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016080302000144.html】
【私説・論説室から】
氷見事件を思い出す
2016年8月3日
傷害罪で起訴した男性二人が犯人でないとして、東京地検が公訴を取り消すという異例の出来事が先月、あった。写真で容疑者を特定する「面割り」に頼り切って、捜査側は誤ってしまったのだ。
二〇〇二年の氷見事件(富山)が思い出された。少女への暴行事件、暴行未遂事件が起こり、タクシー運転手の男性Aさんが犯人とされた。「やっていない」と否認しても、取調官は取り合わず、やがて「自白」した。懲役三年の判決を受け、服役した。
ところが、真犯人が現れた。鳥取県警に逮捕された真犯人は、氷見での二事件を詳細に自供した。裏付ける客観証拠もあった。〇七年にAさんのぬれぎぬは晴れたものの、既に服役を終えた後だった。
どうして犯人に仕立て上げられたのか、当時、私はAさんにも会って取材した。被害者の目撃供述が重要な証拠だった。だから、捜査段階では、似顔絵が作られた。私も見たが、Aさんに似ているといえば、似ている。面割り写真台帳がつくられ、十五人の顔写真から被害者に犯人と思われる人物を選ばせた。それがAさんだった。
いくら否認しても無駄だったという。「何を言ってもだめだ。信じてくれない。あきらめた」とAさんは語っていた。絶望して、法廷では何と罪を認めた。冤罪(えんざい)とは犯罪よりも罪深い刑罰に思われた。
(桐山桂一)
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