feel.

レンズを通してみえたもの。感じたこと。

ライカが人生に仲間入り。

kitonでオーダー。

2019年03月23日 | ファッション
仕立て服の楽しみを知ってからInstagramにファッション情報収集専用のアカウントを作り

ひたすら服や靴のコーディネートを参照し自分が欲しいものを見つける毎日

イタリア、イギリス、フランス…

国内にも気になるお店はたくさんある。大阪のコッチネッラさん、神戸のコルウさん…

特にコッチネッラさんの仕立てる服の美しさは僕に刺さってくるのでいつかは行ってみたいと思う。

他にもいろいろと行ってみたいお店、仕立ててみたい服はあるが、限られたチャンスに極力違う経験をしてみたい。

現状スーツは石田洋服店さんで総手縫いのフルオーダーで素晴らしいものを仕立てていただき、十分に満足している。

その後にリングヂャケットのスーツを手に入れたりもしているし。

となって次に欲しいのは単品のオーダージャケットで、いま気になっているのは世界最高峰の既製服という代物

世に名高いkitonやBrioni

どんな世界なのかと本気で知ってみたい。

服飾で喧しい"世界最高の既製服はフルオーダーをこえるのか"という議論

実際はどうなんだろうか?

フルハンドのフルオーダーは本当に素晴らしいもので、工芸品の様なスーツには敬意すら覚える。

一方で既製服というネガティブに扱わがちな括りで(無論そんなレベルではないラインも持ってるのだろうけど)世界最高峰にまで登り詰めたブランドにはやはりそれに値する物を持ってるのではないか

ネットだけでは得られない情報に関心がこんこんと湧いてくる

未知の知を知ること、そして知識を胆識に変える身を削る試みは無上の愉しみである。

世界の頂点にまで登り詰めたブランドを構成するモノはなんなのか?

登り詰めているブランドは他では真似ができない個性を武器にしていることが多いように思う。

培われた個性や技術を既製服に落とし込んだ企業の商品のクオリティとはどんなものなのだろうか

イタリアの二大巨塔はどんなものを持っているのだろう?


何度も店に足を運び試着をしてみた。

kitonはどこまでも柔らかく上質で美しいイメージ。休日にお洒落して出掛けていくのにとても良さそう。

羽の様な軽さで羽織っていることを忘れてしまうような感触は今でも忘れられない。

brioniは決してがっちり作られている訳ではないのにどこか構築的で洗練されていて、オンで活きる格好良さ。スーツが良さそう。Instagramを見てても晴れの舞台に似合う感じだろうか

生地の良さ、仕立ての良さから素敵なオーラが漂っている。これは素晴らしいものだなと。

そしてこちらも着心地の軽さにはびっくりさせられる。


単なるイメージがあるのだろうけど、ジャケットをオーダーするならkitonかなと思うに至った。

そんなことを考えつつ前回仕立てて以来積み立て貯金で資金の準備を開始し、待つこと一年


遂にその時がやってきた。

大阪に出たついでいつもお世話になっているお店に立ち寄ってみたら、バンチがちょうど入りましたと。

kitonの経営はストラスブルゴと同じなので、ストラスブルゴに行ってもkitonのバンチが置いているのです。

3冊に分かれたボリューミーなバンチをひろげ、一枚一枚生地を楽しみつつチェックしていく。

目に留まったのは三種類

①カシミヤ主体にリネンとシルク生地、ライトグレーに水色のラインが入ったもの

②カシミヤ46%でリネンとシルクが26%ずつという生地。最初に憧れた僕にとってのkitonらしいもの。ネクタイでよく似たの買ってるし。

そして③ネイビーのカシミヤ100%の生地


①がまず脱落。②と③が相手では霞んでしまった。

②と③の合戦となったわけだが、②は妄想していたものよりちょっと淡い色合いで、遊び色が強い感じ

それはそんなに悪いわけではないのだが、更に明るい色となると羽織る季節や機会が限られそうだなと。

ただでさえ機会が少なそうなジャケットでさらに機会が限られるとなると、タンスに飾って眺める機会が増えかねない

というのが一つを選ぶために敢えて挙げるネガティブイメージ。

ポジティブイメージは、素敵なこと。欠点を補って余りある素敵さ。


③はこれまた敢えてネガティブ面を言うと、ぱっと見オーソドックスなネイビージャケットであるということ。

kitonまできてオーソドックスかぁ…と。

別のお客さんが仕立てたkitonのネイビーウールスーツがあったので比較させて頂くと、一般的なネイビーよりは明るく、澄んだ海の光が届かなくなる所の青のような、映画グランブルーを思わせる深く美しい青が柔らかく輝いていた。

以前kitonのカシミヤ100%のコートを羽織らせてもらって衝撃をうけたことがあるが、その生地が100グレードだったのに、今回は更に上いく120グレード

kitonはランクに3桁の数字をあてており、3桁に乗る100がだいたい中間グレードなのだという。

ただでさえ上質な生地であるのに今回は120グレードであるため、相当に上質と言えそうである。

カシミヤの柔らかな着心地はちょっとクセになっているので、自分にあったサイズで仕立てたジャケットはさぞ心地よいのだろうなと妄想が膨らむ。


どうしたもんかと悩み始めた矢先に直近手に入れたラルディーニのジャケットを思い出した。

ちょっと遊びな雰囲気のものは十分ここで欲求を満たせているという現実。

kitonで欲しかった雰囲気の物をLardiniで手に入れちゃった感があったのだけど、今回の件に於いては良い判断材料となった。

遊びはLardiniに任せて、kitonはオンにもオフにも使える利便性の高いジャケットにしようと。

話は戻るがこのカシミヤのネイビーは決して地味なものではなく、とても上品で美しくうっとりできること間違いなしという感じだった。



②と③はまだ生地が残っているのか問い合わせてもらったところ、②はまだ24着分のこっているが、③はあと3着分だけと。

まじか。

もうそんなに売れているのか。まだバンチが出回ったばっかりじゃないのか。どんだけ。

kitonの生地はイタリア本国にあり、全世界のお店から発注があればそれらが消費されていくので、生地の取り合いとなり、人気の生地ほど早くなくなってしまう

昨年も一番に気に入ったものは広報に使われたものであったからか、すぐ無くなってしまったのだそうだ。

kitonのような高級なものでも取り合いになるのか…と耳を疑いたくもなるが、世の中は億のプライスタグを掲げる車が争奪戦になるのだからさもありなんか。

この服はそっちの世界の代物であろうし。



そんなわけで③ネイビーのカシミヤジャケットを仕立ててもらうと決めた。

一生に一度のお勉強であろうことを思えば文句ないのではないかと思う。

上に書いたkitonのカシミヤコートに衝撃を受け、それと同じ生地をオーダーする機会に恵まれたので散々悩んだ事があるのだが、コートは着る機会が更に更に少ないのだろうと思い我慢した経緯がある。

待って間違いなかったと思う。


因みにエイチ・ツー・オーリテイリングの株式を手に入れた際に株主優待10%引き券をもらっており、今回の購入に使えますよとのこと。

ヒルトン大阪のkitonにはないこのメリット。

同じストラスブルゴの会社なのに入居店舗の違いで生じるこの差。

kitonレベルとなると10%は相当にありがたい。存分に活かさせてもらいます。


とりあえず生地だけは押さえていただき、あとは3月中旬の来日オーダー会を待つのみ。ちなみにこの訪店は2月上旬のお話。

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