心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

神奈川書家三十人展

2007-10-22 | 書の話

昨日は横浜そごう美術館での神奈川書家三十人展に出かけた。
第20回特別記念で「神奈川の書~すべてを魅せる百人」と題し、例年だと
30名のところ、104名が出品する実に見ごたえのある展覧会だった。

ちょうど出品作家の解説があるというので、参加。
最初の解説者は、偶然にも母とはかつて同門だったA先生。
その後お二人の先生の解説も、書作の試行錯誤の過程や、作品への思いを
とてもわかり易く解説して下さった。

「何枚書いても、なかなかこれぞというものはできないもの」
「だからこそ、もう1枚、また1枚と挑戦はどこまでも続くのです」
大家の先生がおっしゃることばに、観覧者は驚きの表情を見せていた。

書作は、書き終わった時点でまた新たな課題が見つかる。
何しろ書いては反省、書いては発見の終わりなき自分との戦い。
そこに面白さを感じ、繰り返し繰り返し問い続けることができるか否か。

できることならば、朝から晩まで臨書して臨書して、そこから感じたものを
自分らしく表現する作業に没頭したいけれど、現実はなかなかそうもいかない。

けれど昨日は、それぞれにロマンを持った方々の作品を拝見して、
忘れそうになっていた「夢中になる」力を思い出させて頂き、
自分の中でも何かが動き出したような気がする。

それにしても隣同士全く違う書風という、あれだけの会派を超えた
展覧会は観たことがなかった。
それも、今回の展覧会の魅力のひとつだったと思う。

どこを見ても出生地が同じとわかる作品群の展覧会は、つまらない。
書も芸術であるならば、もっとおおらかにあって欲しいなぁ・・と常々。

写真は、母の師であった故中平南谿先生の「背山臨流」
この余白の境地には、一生かかっても到達できそうにない。。

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