「事実の評価の仕方が苦手です」という人は本当に多いのですが、ちと質問が漠然としていて答えにくいのは事実です(何がどう苦手なのか、どう書いているのか等、個人差が大きいと思われるので)。
事実の評価については、得意な人は得意、苦手な人は苦手、と両極端に分かれそうな気がします。基本的には、判例の評価部分の猿まねから始めましょう。普段から判例が考慮要素に関してどのような評価の仕方をしているか、自分で読んで経験を積むのみです。
例えば、違法判断に持ち込みたいときに、どのような事実をどう評価したのか。また、論文の問題集などの論述もそのあたりを意識して読んだことはあるでしょうか?意外にこのような「常日頃の意識の違い」が大きいのではと思いますよ。私は刑事訴訟法や行政法などは詳しめの判例集(解説も)をよく読んでいましたが、解説なども事実評価に関する部分を重点的に読み込んだりしていました。これも目的意識の具現化例です。
事実の評価の一般公式などはないので、一朝一夕でできるようにはなりません。しかし実務家にとって事実の評価能力は必須なので頑張りましょう。