短答過去問題のトリセツ

2016-09-29 13:30:50 | 司法試験関連

こちらもコメント欄の質問へのお答えです。短答過去問題のトリセツです。予備試験も本試験も同様です。

まず、過去問題(本試験+予備試験)は知識としての完全習得が大前提です。出題された事項は「受験界の常識」扱いなので、また出されても文句は言えませんし、ライバルに差をつけられてしまいます。そういう意味では、短答過去問題は「必須知識」のミニマムを提示していると言えます(異様に細かい部分は無視してもいいですけど)

次に定期的に年度別に解くことの重要性も無視できません。この作業には、「自分自身のインプットレベルを定則する」という重要な意義があります。これをやらずに(この手のタイプは短答対策もあまりやらない人が多い)、年明けにあまりに点が取れなくて動揺し始める人を本当に多く見てきました。完全に人災です。

また、時間を計って一気に解くという経験は絶対に必要です。同じ問題でもセットリストをどうするか(出題の順番・配置の問題)で、「試験としての難易度」は大きく変わりえます。刑事系に顕著でしたが、最初の方に難問を並べてパニックに陥らせる、というパターンにはまり実際に沈没した受験生は多いのです。問題文全体を見渡して、設問ごとの難易度の識別、時間調整ができるというのも一つのスキルです。これはフルスケール型でなければ習得できません。

「1問解いて正解を確認して、また解いて、でやった20問」と、「20問一気に解く」のとでは違います。何故なら本番では既に解いた問題が「できているかなぁ」という不安感の中で解き続けなければならないからです。難問の時はなおさらです。このストレスは馬鹿にできません。また、単に20問連続で解く、というのもこれ自体、負担の大きい作業です。

というわけで、過去問題はやはり勉強の軸にすべきです。ただ、述べた通り、重要なのは定期的に「年度別に問題を解くこと」であって、普段のインプット素材として何を使うかは好みの問題かと思います。

ただ、注意点!予備校の問題は悪戯に細かい知識を問う問題が多いです(特に下4法)。これは短答製作を同じスタッフが数年間行うことが多いので、出す素材がなくなりだんだんコンメンタールから問題を作る、などとなりやすいからです。使用の際には、重箱の隅をつつくような問題に惑わされないように留意してください。新規の問題で何点取れるかと言うトレーニング自体は適宜必要ですが、短答答練でまかなえると思います。

Comments (4)
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